JP2004232452A - 防火区画貫通部構造、及び防火区画貫通部の施工方法 - Google Patents

防火区画貫通部構造、及び防火区画貫通部の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 多種多様の防火区画貫通孔に対応でき、構成が簡単で施工が容易であり、コストを低減できる防火区画貫通部構造を提供する。
【解決手段】 建築物等の防火区画A,Bを画成する仕切り部である仕切り壁1に形成された貫通孔5を配管10等の被貫通物が貫通し、配管10の外周に巻き付けられた熱膨張性材料からなるテープ状膨張体20と、テープ状膨張体の外周と貫通孔との間隙を塞ぐ充填材30,31とを備える。貫通孔5の径より大きい形状の蓋体としてポリエチレン板35を、さらに備え、充填材の外側を塞ぐ。
【選択図】 図2

Description

本発明は、建築物等の防火区画の仕切り部を貫通する配管等と貫通孔とを塞ぐ構造に係り、万一、火災が発生したときに、火炎や煙等が隣接する区画に侵入するのを防止する防火区画貫通部の構造と、防火区画貫通部の施工方法に関する。
従来の建築物において、建築物の床、壁、間仕切り壁等の仕切り部に配管を貫通させる場合は、配管等を貫通させるための貫通孔を設け、この貫通孔に配管等を貫通させる。配管等としては、給排水管、電線管、冷媒管、ダクト管等がある。この貫通孔が防火区画仕切り部を貫通するときは、配管やケーブル等の隙間に防耐火のためのモルタル等の充填材を充填して閉塞するための防火措置工法が行われている。充填材による隙間の閉塞は、仕切り部の一方の側で発生した火災による熱、火炎、煙等が他方の側へ到達するのを遅らせ、防止するために必要な措置である。
貫通孔を貫通する配管が金属管等のそれ自体に耐熱性、不燃性を有する配管の場合は、防火区画貫通部に従来の防火措置工法を採用しても特に問題はないが、配管が硬質塩化ビニル管や架橋ポリエチレン管等の合成樹脂管、ケーブル、又は断熱被覆金属管や断熱被覆樹脂管等の断熱被覆管の場合は、前記の防火措置工法を採用すると配管自体、ケーブルや断熱被覆管等の被覆材が燃焼性であったり、耐熱性に劣るため、火災時に合成樹脂や被覆材が燃焼により焼失したり、熱変形を起こしたりして防火区画貫通部に隙間が形成され、仕切り部の一方の側で発生した熱、火炎、煙等が他方側へ到達するのを防止することができない。
これらの問題点を解決するために、加熱されると膨張する材料を使用し、火災によって生じた貫通孔の隙間を埋める区画貫通措置キットが各社から上市されている。
また、火災が発生すると、その熱で膨張する材料により貫通穴を閉塞することができる従来の防火区画貫通部材は、配管(ケーブル)と熱膨張材との間に弾性シーリング材が充填されているため、この弾性シーリング材の弾性作用により、熱膨張材の内径と配管の外径及び形状の変化があっても、この変化を吸収してシール性能を低下させず、この結果、(同一仕様の)貫通部材で口径及び形状及び本数の違う配管に対応できるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−132147号公報(図1)
ところで、前記構造の区画貫通措置キットは、確かにその効果は発揮するが、キットであるが故に、各種樹脂管、ケーブル、又は冷媒管等の径に合わせたものをそれぞれ用意する必要があり、区画貫通部の少ない現場では特に問題はないが、多種多様の区画貫通部が存在する現場では、それぞれに対応するキットが必要となり混乱を招く虞があった。そして、これらのキットはコストが高いため、安価な防火区画措置工法が求められていた。
また、前記した特許文献1に記載の防火区画貫通部材は、万一火災が発生すると、弾性シーリング材は炭化消滅し、熱膨張材が熱膨張して金属管又は合成樹脂管等の配管を押し潰して金属ケース内、つまり貫通穴を閉塞し、火炎や煙、有毒ガスが隣室へ侵入するのを防止するものであるが、熱膨張材の内側に収縮率の大きいスポンジ状の弾性シーリング材を装入しにくく、施工が煩雑となる問題点があった。
防火区画貫通部の貫通孔を配管や配線が貫通する場合、隙間部分にグラスウールやロックウール、モルタル等の充填材や不燃材を詰め込んで耐火仕様とする場合があるが、充填材等を貫通孔の片側から詰め込むと反対側からはみ出すことがあり、見た目が悪いという問題があった。また、どの程度充填したか押し込んだ感覚では分かりにくいため充填量が不足する場合があった。コンクリート等の壁や床に貫通孔を設ける場合、予め貫通孔に相当する部分に棒状あるいは円筒状の詰め物をしたあとコンクリートを流し込み、硬化した後に詰め物を取外すのが一般的であり、結果として貫通孔の周囲に盛り上がりや凹みが発生することが多かった。防火区画を画成する仕切り壁が中空壁の場合、貫通孔はドリル等で孔をあけるため切り口にバリが発生してしまう。開口部にバリや、盛り上がり、凹みがある場合、従来の金具を用いた防火キットではバリを取り除くか、金具と開口部の隙間をモルタルやパテで埋めるなどして金具をセットしなければならず、余分な材料や工数、時間がかかる。金具を固定する場合にビスを用いるため、工数や時間がかかるという問題点があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、多種多様の防火区画貫通孔に対応でき、構成が簡単で施工が容易であると共に、コストを低減できる防火区画貫通部構造と、その施工方法を提供することにある。また、貫通孔の周囲にバリ、盛り上がりや凹みがあっても見栄え良く、容易に施工することができ、材料を削減でき、工数を削減でき、施工時管を短縮できると共に、耐火性能を安定させることができる防火区画貫通部構造と、その施工方法を提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係る防火区画貫通部構造は、建築物等の防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔を配管等の被貫通物が貫通する構造であって、被貫通物の貫通孔と対向する部分の外周に巻き付けられた熱膨張性材料からなるテープ状膨張体と、テープ状膨張体の外周と貫通孔との間隙を閉じる充填材とを備えることを特徴とする。充填材は間隙の外側を覆って閉じることができ、また間隙の内側に充填して埋め戻して閉じることもできる。被貫通物としては、給排水管、電線管、冷媒管、ダクト管等の樹脂管や金属管、電気配線のケーブル等がある。
前記のごとく構成された本発明の防火区画貫通部構造は、一方の区画で火災が発生し、配管等の被貫通物が加熱され熱変形あるいは焼失しても、熱膨張性材料から形成されるテープ状膨張体が熱膨張して熱変形あるいは焼失して生じた貫通孔内の空隙を閉塞する。勿論、被貫通物が焼失しない場合でも貫通孔内を確実に閉塞している。このため、火災が発生した区画から熱、火炎、煙等が隣接する区画に到達するのを防止できる。また、被貫通物の外周にテープ状膨張体を巻き付け、貫通孔との間隙に不燃材を詰めて塞ぐだけの簡単な構成で、施工も容易に行える。
また、本発明に係る防火区画貫通部構造の他の態様としては、建築物等の防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔を配管等の被貫通物が貫通する構造であって、被貫通物の貫通孔部分の外周に位置し内周に熱膨張性材料からなるテープ状膨張体を積層したスリーブと、このスリーブと貫通孔との間隙を塞ぐ充填材とを備えることを特徴としている。スリーブは筒状体であって、金属製やセラミック製のものが好適であり、軸方向の切断線で配管等を通すとき開くものでもよく、平板を丸めて一部が重なるものでもよい。スリーブ内のテープ状膨張体は、被貫通物の外周に対接あるいは接近していることが好ましい。
この構成によれば、予めテープ状膨張体を内面に積層したスリーブを被貫通物の外周に位置させ、その後スリーブと貫通孔との間隙を充填材で塞いで防火区画貫通部を完成できるため、施工が容易となる。一方の区画で、例えば火災が発生すると、配管等の被貫通物
は加熱され熱変形あるいは焼失するが、熱膨張性材料から形成されるテープ状膨張体が熱膨張して熱変形あるいは焼失して生じた空隙を閉塞するため、火災が発生した区画から熱、火炎、煙等が隣接する区画に到達するのを防止できる。
テープ状膨張体は、スリーブの内面に位置しており、スリーブと被貫通物との間で熱膨張するため、膨張状態が安定して間隙を確実に閉塞することができる。仕切り部に空洞のある場合に、テープ状膨張体はスリーブに沿って膨張して空洞部内には膨張しないため、空隙による貫通を確実に防止できる。
本発明に係る防火区画貫通部構造の更に他の態様としては、建築物等の防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔を配管等の被貫通物が貫通する構造であって、被貫通物の貫通孔部分の外周に巻き付けられた熱膨張性材料からなるテープ状膨張体と、該テープ状膨張体の外周に位置するスリーブと、該スリーブとテープ状膨張体との間隙及び該スリーブと貫通孔との間隙を閉じる充填材とを備えることを特徴とする。充填材は間隙を外側から塞ぐ場合と、間隙の内側に充填して埋め戻す場合がある。
このように構成された防火区画貫通部構造によれば、熱膨張体はスリーブの内側の充填材と被貫通物との間で熱膨張するため、膨張状態が安定して被貫通物が熱変形あるいは焼失してもその空隙を確実に塞ぐことができ、防火区画の仕切り部が貫通することを防止できる。スリーブに沿わせて充填材を充填して間隙を閉じることができ、スリーブの内側及び外側の間隙を充填材で確実に閉じることができる。
本発明に係る防火区画貫通部構造の更に他の態様としては、前記の防火区画貫通部構造において、前記貫通孔の径より大きい形状の蓋体を、さらに備え、該蓋体を仕切り部の貫通孔を塞ぐように片面あるいは両面に対接させたことを特徴とする。この蓋体は仕切り部に対接して充填材の外側を塞ぐものであり、蓋体は被貫通物が貫通する開口を有し、この開口と被貫通物との間隙を充填材で閉じることが好ましい。この構成によれば、充填材は蓋体で間隙内に確実に押し込まれて空隙が形成されず耐火性能を向上でき、蓋体が不燃材の場合は更に耐火性能を向上できる。すなわち、仕切り部の片面に蓋体を対接させると、充填材や不燃材を押し込んで充填する際に、押し込みすぎて反対側にはみ出すことを防止でき、充填量が不足することを防止でき、見栄えを向上させることができる。また、仕切り部の両面に蓋体を対接させると、両面の見栄えを向上させることができる。さらに、テープ状膨張体、スリーブや充填材のズレなどを防止し、長期に渡って耐火性能を維持できる。
本発明に係る防火区画貫通部構造の好ましい具体的な態様としては、前記テープ状膨張体は、50kW/m2 の照射熱量下で30分間加熱した時の体積膨張率が1.1〜100倍であることを特徴としている。テープ状膨張体は熱が加わると体積膨張して耐火断熱層を形成するものであり、その膨張率は、所定の加熱条件下で所定時間加熱した後の体積膨張率を示している。また、前記テープ状膨張体は、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、熱膨張性無機化合物、並びに無機充填材を含有することを特徴とする。さらに、前記テープ状膨張体は、エポキシ樹脂、熱膨張性無機化合物、及び無機充填材を含有することを特徴とする。1.1倍を下まわると、被貫通物が熱変形や焼失してできた空間を閉塞することができず、100倍を越えると膨張したテープ状膨張体の強度が弱くなる。そのため、好ましくは2〜50倍で、より好ましくは4〜30倍である。
このように構成された本発明の防火区画貫通部構造は、貫通孔と被貫通物との間隙に合わせてテープ状膨張体の体積膨張率を合わせることにより、一方の区画で火災が発生したとき被貫通物が熱変形や焼失しても確実にその空間を塞ぐことができる。テープ状膨張体は熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、熱膨張性無機化合物、並びに無機充填材を含有し、エポキシ樹脂、熱膨張性無機化合物、及び無機充填材を含有すると、被貫通物が熱変形や
焼失してできた空間を確実に閉塞することができる。
本発明に係る防火区画貫通部の施工方法は、建築物等の防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔に配管等の被貫通物を貫通させ、被貫通物の貫通孔部分の外周に、熱膨張性材料からなるテープ状膨張体を巻き付け、このテープ状膨張体と貫通孔との間隙を充填材で閉じることを特徴とする。このように構成された本発明の施工方法によれば、配管等の被貫通物にテープ状膨張体を巻き付け、その外周と貫通孔の内周との間隙を不燃材等からなる充填材で閉じるだけで、防火区画貫通部構造を極めて容易に施工することができる。
本発明に係る防火区画貫通部の施工方法の他の態様は、建築物等の防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔に配管等の被貫通物を貫通させ、被貫通物の貫通孔部分の外周に、内側に熱膨張性材料からなるテープ状膨張体を積層したスリーブを位置させた後、該スリーブと貫通孔との間隙を充填材で閉じることを特徴とする。このスリーブも前記と同様に金属製やセラミック製の筒体が好ましく、一部が開くものでもよい。
この施工方法によれば、スリーブの内側に予めテープ状膨張体を積層し、このスリーブを被貫通物の貫通孔部分の外周に位置させて、スリーブの外側の貫通孔の内側を不燃材で塞ぐだけで容易に施工でき、テープ状膨張体はスリーブと被貫通物との間で膨張するため、被貫通物が焼失しても耐火断熱層が、焼失による空隙を確実に閉塞できる。特に、仕切り部内に間柱等による空洞部がある場合に好適である。
本発明に係る防火区画貫通部の施工方法の更に他の態様は、建築物等の防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔に配管等の被貫通物を貫通させ、被貫通物の貫通孔部分の外周に、熱膨張性材料からなるテープ状膨張体を巻き付け、貫通孔の内面にスリーブを密着させた後、該スリーブとテープ状膨張体との間隙を不燃材で塞ぐことを特徴とする。スリーブは金属板等の板状体を丸めて貫通孔に挿入して拡開させ貫通孔の内周に密着させると、既設の配管等にも容易に適用できる。
この施工方法によれば、配管等の外周にテープ状膨張体を巻き付け、貫通孔の内周にスリーブを密着させ、テープ状膨張体とスリーブとの間隙に不燃材を埋め戻して閉じるため、不燃材により間隙を容易に、しかも確実に閉じることができ、火災等が発生したとき火炎や熱が隣接する区画へ入り込むのを確実に防止できる。また、スリーブを板材で形成し、この板材を丸めて貫通孔に挿入して放すと貫通孔の内周に密着できるため、スリーブの施工が容易となる。
前記の施工方法において、前記間隙を充填材で閉じる工程の前工程として、貫通孔の径より大きい形状の蓋体を前記仕切り部の一方の面に対接させ貫通孔を塞ぐ工程を、さらに備えると好適である。蓋体は仕切り部の表面に接着やビス止め等で固定するとより好ましい。このように構成すると、テープ状膨張体と貫通孔との間隙、スリーブと貫通孔との間隙、あるいはスリーブとテープ状膨張体との間隙に充填材を詰め込んで間隙を閉じるとき、充填材が貫通孔の反対側からはみ出すことを防止でき、見栄えを向上できると共に、充填状態を密にできるため耐火性能を安定させることができる。
また、前記の施工方法において、前記間隙を充填材で閉じる工程の後工程として、貫通孔の径より大きい形状の蓋体を仕切り部の他方の面に対接させ貫通孔を塞ぐ工程を、さらに備えることが好ましい。この蓋体も、仕切り部の表面に接着やビス止め等で固定するとより好ましい。このように構成すると、テープ状膨張体と貫通孔との間隙、スリーブと貫通孔との間隙、あるいはスリーブとテープ状膨張体との間隙に充填材を詰め込んで間隙を閉じた後、充填材を覆うように蓋体で貫通孔を塞ぐため、充填材が飛出すことを防止する
ことができるため長期に渡って耐火性能を維持し、見栄えが向上すると共に、充填材が密に充填されるため耐火性能が向上する。
以上の説明から理解できるように、本発明の防火区画貫通部構造は、貫通孔に挿通された樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管の被貫通物が、火災時に熱変形を起こしたり焼失して貫通孔内に空隙が生じても、被貫通物に巻き付けられたテープ状膨張体が熱膨張して耐火断熱層を形成して空隙を閉じることにより、防火区画貫通部を閉塞するので、防火区画貫通部の一方の側で発生した熱、火炎、煙等が他方側へ到達するのを防止できる。
また、テープ状膨張体の外周にスリーブを位置させることにより、仕切り部が空洞部を有している場合でも、テープ状膨張体は熱によって生じた空隙を確実に塞ぐことができる。貫通孔の径より大きい形状の蓋を、仕切り部の貫通孔を塞ぐように片面あるいは両面に対接させると、テープ状膨張体、スリーブや充填材のズレなどを防止し、長期に渡って耐火性能を維持でき、また、見栄えを向上できる。本発明に係る防火区画貫通部の施工方法によれば、施工が容易で、一方の防火区画で発生した火災等の熱、火炎、煙等が他方の区画に到達するのを確実に防止することができ、テープ状膨張体、スリーブや充填材のズレなどを防止し、長期に渡って耐火性能を維持でき、また、見た目を良くして見栄えを向上できる。
以下、本発明に係る防火区画貫通部構造の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、防火区画を画成する仕切り部として仕切り壁と配管との関係を示す要部斜視図、図2は、本実施形態に係る防火区画貫通部構造の要部断面図、図3は、仕切り部の他の例の要部斜視図である。
図1,2において、防火区画A,Bを画成する仕切り部としての仕切り壁1は、鋼製スタッド2の両側に、それぞれ2枚の石膏ボード3を固定したものであり、合計4枚の石膏ボード3の中間には空洞部4が形成されている。仕切り壁1には、隣接する防火区画A,Bを水平方向に貫通する貫通孔5が形成されている。貫通孔5は隣接する防火区画を連通するものであり、被貫通物として配管10やケーブル等が挿入され、隣接する区画を繋いでいる。
図3に示す仕切り部としての仕切り壁1Aは、軽量気泡コンクリート板(ALC板)またはモルタルで中実に形成されたものであり、厚さは約100mmとなっている。また、図示していないが、折板鋼板で形成されたデッキ床板上にコンクリートを打設して形成したスラブ床も、階上と階下の防火区画を分ける仕切り部の一例である。なお、スラブ床の場合は、配管等の被貫通物は仕切り部であるスラブ床を垂直方向に貫通する。
貫通孔5に挿通される被貫通物としての配管10は、貫通孔に対応して外周にテープ状膨張体20が巻き付けられる。テープ状膨張体20自体に粘着性がある場合は、その粘着性を利用して配管10の外周に固定する。粘着性がないか、低い場合は、接着剤、粘着剤、粘着テープ等を用いて配管に固定する。また、テープ状膨張体20はタッカー等を使用して配管10に固定してもよい。
貫通孔5に既に配管10が貫通して施工されている場合は、熱膨張性材料からなるテープ状膨張体20を貫通孔以外の部分で巻き付け、貫通孔5部分にスライドさせるようにする。この場合、テープ状膨張体自体に粘着力があるときは、少なくとも片面に離型基材が積層されたテープ状膨張体を、配管に離型基材面側が内側になるように少なくとも1周巻き付けたあと、テープ状膨張体の重なり部分の離型基材を剥離してリング状とし、貫通孔5の部分へスライドさせる。リング状のテープ状膨張体はスライドされた後、離型基材を
剥離して配管に固定される。そして、貫通孔5とテープ状膨張体20の外周との間隙は、後述する充填材30等により閉じられる。
テープ状膨張体の巻き付け方は、接着剤、粘着剤、粘着テープ、ビス、釘、タッカー等、材料に応じて確実に固定できる方法であれば特に限定されない。配管等に巻き付けたテープ状膨張体を針金等で固定してもよい。テープ状膨張体の幅(配管等の軸方向に沿う幅)は特に限定されないが、この幅が貫通孔の厚みより短い場合は、貫通孔の厚さ方向に略均等になるように配置することが好ましいが、どちらかの側に偏って配置されてもよい。また、前記の幅が貫通孔の厚さより長い場合は、貫通孔の両側への突出長さが略均等になるように配置することが好ましい。そして、被貫通物の中心と、貫通孔の中心は略一致することが望ましい。
テープ状膨張体は被貫通物に巻き付けるときは、厚みが0.3〜6mmのテープ状をしているものが好ましく、熱が加わると体積膨張するものである。厚みが0.3mm未満になると必要な巻き付け厚を得るのに何回も巻き付ける必要があり、6mmを超えると所定の厚みに巻き付けることが難しくなる。テープ状膨張体の巻き付け厚みは、貫通する配管等の被貫通物の外径の0.5〜30%に設定されることが好ましい。巻き付け厚みが0.5%未満になると火災時に十分な耐火断熱層が形成されず、30%を超えると貫通孔の開口面積を大きくする必要が生じる。
テープ状膨張体の幅は、貫通孔が形成された仕切り部の厚みの25〜150%に設定されることが好ましい。厚みの25%未満になると火災時に十分な耐火断熱層が得られず、150%を超えると貫通孔を閉塞する性能の向上がみられず、また、貫通孔の近傍で配管を曲げることができなくなり、配管設計の自由度が小さくなる。より好ましくは50〜130%に設定される。
テープ状膨張体20と貫通孔5との間に間隙がある場合は、この間隙を充填材30で閉じる。間隙が大きい場合は、図2(a)に示すように、間隙の外側をシーリング材等の充填材30で塞いで間隙を閉じる。間隙が大きい場合は、図2(b)に示すように、石膏ボード3の内側とテープ状膨張体20の間に、モルタル等の充填材31を埋め戻して間隙を閉じる。この後、貫通孔5の径より大きい形状の蓋体35,35を仕切り壁1の表面に対接させて固定することができる。また、蓋体35の中央の配管10が通る開口及びその外側に、シーリング材等の充填材30を充填して開口を塞ぐと好ましい。
前記の充填材30としては、モルタル、ロックウール、セラミックウール、ガラスウール等の不燃材が好適である。また、間隙を閉じる充填材としてのシーリング材は、JIS
A 5758で規定している建築用シーリング材や、JIS A 6024で規定している建築補修用注入エポキシ樹脂、JIS A 6914で規定している石膏ボード用目地処理材の他に、モルタル、パテ等を使用することができる。
前記の蓋体35としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ナイロン、ABS樹脂、フェノール、ポリカーボネート、アクリル、EPT、NBR、ブチルゴム、CR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ネオプレンゴム、EPDM等で形成した板状物の他に、金属板、木板、ケイカル板、石膏ボード等から形成したものを使用できる。また、前記の各材料の積層体や、アルミニウムテープ等を使用できる。
これらの蓋体35は、1枚の円形状のもの、分割して隙間なく連結したもの、切込みを入れて被貫通物を通すことができるもの等、適宜の形状のものを採用でき、その外径が貫通孔5の径より大きく、貫通孔を有する仕切り壁1の面に対接するものが好ましい。仕切
り壁1への固定は、接着剤、粘着剤、粘着テープ、ビス、釘、タッカー等、材料に応じて固定できれば特に限定されない。また、厚板から形成し外周面は外側に向けて徐々に大径となるようにテーパをつけ、貫通孔5に栓のように圧入嵌合して蓋をするものでもよい。この場合はゴム栓が好適である。
テープ状膨張体20は、加熱によって膨張して耐火断熱層を形成できるものであり、50kW/m2 の加熱条件下で30分加熱したあとの体積膨張率が1.1〜100倍であるものが好適に使用できる。例えば、被貫通物として配管10が大径で、貫通孔5との間隙が小さい場合は体積膨張率が小さいテープ状膨張体20を使用でき、反対に配管10が小径で貫通孔5と配管との間隙が大きい場合は、体積膨張率の大きいテープ状膨張体20でないと、火災等で生じた空隙を確実に塞ぐことはできない。このように、配管径や貫通孔径に応じて体積膨張率を選択することが好ましい。
配管等に巻き付けられるテープ状膨張体20は熱膨張性材料から形成される。熱膨張性材料としては、エポキシ樹脂、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含有する樹脂組成物(A)、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、及び無機充填材を含有する樹脂組成物(B)が用いられる。
先ず、樹脂組成物(A)について説明する。エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、基本的にはエポキシ基をもつモノマーと硬化剤とを反応させることにより得られる。エポキシ樹脂の硬化方法は、特に限定されず、公知の方法によって行うことができる。エポキシ基をもつモノマーとしては、例えば、2官能のグリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、多官能のグリシジルエーテル型等のモノマーが用いられる。
2官能のグリシジルエーテル型のモノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール型、1,6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロパン型、プロピレンオキサイド−ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型等のモノマーが用いられる。グリシジルエーテル型のモノマーとしては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香酸型等のモノマーが用いられる。多官能のグリシジルエーテル型のモノマーとしては、例えば、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエン・フェノール型等のモノマーが用いられる。これらのエポキシ基をもつモノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
前記した硬化剤としては、重付加型または触媒型のものが用いられる。重付加型の硬化剤としては、例えば、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等が用いられる。また触媒型の硬化剤としては、例えば、三級アミン、イミダゾール類、ルイス酸、ルイス塩基等が用いられる。エポキシ樹脂は、加熱時に形成された炭化層(燃焼残渣)が耐火断熱層として機能する上に、架橋構造をとるため熱膨張後の形状保全性に優れている。
リン化合物としては特に限定されず、例えば、赤リンや;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類;以下に示す化学式(化1)で示される化合物等が用いられる。これらのうち、耐火性の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム類、及び、化学式(化1)で示される化合物が好ましく、性能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウム類がより好ましい。
Figure 2004232452
式中、R1及びR3は、水素、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又は炭素数6〜16のアリール基を示す。R2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は炭素数6〜16のアリールオキシ基を示す。
赤リンは少量の添加で難燃効果を向上する。赤リンとしては、市販の赤リンを用いることもできるが、耐湿性、混錬時に自然発火しない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたもの等が好適に用いられる。
ポリリン酸アンモニウム類としては特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取扱性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。市販品としては、例えば、クラリアント社製「EXOLIT AP422」、「EXOLIT AP462」、住友化学工業社製「スミセーフP」、チッソ社製「テラージュC60」、「テラージュC70」、「テラージュC80」等が挙げられる。
前記の化学式(1)で表される化合物としては特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルニチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィジ酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。なかでも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。前記のリン化合物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記の熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理することにより生成するグラファイト層間化合物であり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。前記のように酸処理された熱膨張性黒鉛は、更に、アンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和することによって、中和処理された熱膨張性黒鉛とする。
前記の脂肪族低級アミンとしては、特に限定されず、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。前記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、特に限定されず、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
前記の中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュが好ましい。粒度
が200メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、所定の耐火断熱層が得られず、粒度が20メッシュより大きくなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、後述の樹脂分と混練する際に分散性が悪くなり、物性の低下が避けられない。中和処理された熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、東ソー社製「フレームカットGREP−EG」、UCAR Carbon社製「GRAFGUARD」等が挙げられる。
前記の無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」(商品名)、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ等が挙げられる。
前記の無機充填剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。前記の無機充填剤のうち、特に含水無機物と金属炭酸塩の併用が好ましい。含水無機物と金属炭酸塩は、骨材的な働きをするところから、燃焼残渣の強度向上や熱容量の増大に寄与するものと考えられる。
前記の水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の含水無機物は、加熱時の脱水反応によって生成した水のために吸熱が起こり、温度上昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、及び、加熱残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働くことで残渣強度が向上する点で特に好ましい。水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムは、脱水効果を発揮する温度領域が異なるため、併用すると脱水効果を発揮する温度領域が広がり、より効果的な温度上昇抑制効果が得られることから、併用することが好ましい。
前記の炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩は、前記リン化合物との反応で膨張を促すと考えられ、特に、リン化合物として、ポリリン酸アンモニウムを使用した場合に、高い膨張効果が得られる。また、有効な骨材として働き、燃焼後に形状保持性の高い残渣を形成する。
前記の無機充填剤の粒径としては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50μmである。そして、この無機充填剤は、添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため粒径の小さいものが好ましいが、0.5μm未満になると二次凝集が起こり、分散性が悪くなる。前記無機充填剤の添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることで樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、粒径の大きいものが好ましい。また、粒径が100μmを超えると、テープ状膨張体の表面性、樹脂組成物の力学的物性が低下する。
また、前記無機充填剤は、粒径の大きいものと粒径の小さいものを組み合わせて使用することがより好ましく、組み合わせて用いることによって、熱膨張性耐火層の力学的性能を維持したまま、高充填化することが可能となる。無機充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウムである粒径1μmの「ハイジライトH−42M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「ハイジライトH−31」(昭和電工社製)、及び、炭酸カルシウムである粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(白石カルシウム社製)、粒径8μmの「BF300
」(備北粉化工社製)等が挙げられる。
前記樹脂組成物(A)において、リン化合物の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して50〜150重量部が好ましい。配合量が、50重量部未満になると燃焼残渣に十分な形状保持性が得られず、多くなると機械的物性の低下が大きくなり、使用に耐えられなくなる。
前記樹脂組成物(A)において、中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して15〜100重量部が好ましい。配合量が、15重量部未満では、十分な厚さの耐火断熱層が形成されないため耐火性能が低下し、100重量部を超えると、機械的強度の低下が大きく、使用に耐えられなくなる。
前記樹脂組成物(A)において、無機充填剤の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して30〜500重量部が好ましい。配合量が、30重量部未満では、熱容量の低下に伴い十分な耐火性が得られず、500重量部を超えると、機械的強度の低下が大きく、使用に耐えられなくなる。
前記の樹脂組成物(B)としては、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛並びに無機充填剤を含有するものが用いられる。熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質としては特に限定されず、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブテン、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ニトリルゴム、水添石油樹脂等が挙げられる。
前記の熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質の溶融粘度、柔軟性、粘着性等を調整するため、2種以上をブレンドしたものをベース樹脂として使用してもよい。
前記の熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質には、性能を阻害しない範囲で、架橋や変性が施されてもよい。熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質の架橋や変性を行う時期については特に限定されず、予め架橋、変性した熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質を用いてもよく、後述のリン化合物や無機充填剤等の他の成分を配合する際に同時に架橋や変性してもよい。また、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質に他の成分を配合した後に架橋や変性してもよく、この架橋や変性は、いずれの段階で行ってもよい。
前記の熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質の架橋方法については特に限定されず、通常行われる架橋方法、例えば、各種架橋剤、過酸化物等を使用する架橋方法、電子線照射による架橋方法等が挙げられる。前記樹脂組成物(B)で用いられるリン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤は、前記樹脂組成物(A)で用いられるものと同様である。
前記の樹脂組成物(B)において、リン化合物と中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量(両者の合計量)は、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して20〜500重量部が好ましい。両者の合計量が、20重量部未満になると十分な熱膨張性が得られず、500重量部を超えると均一な分散が困難となるため、均一な厚さに成形することが困難となる。
また、リン化合物と中和処理された熱膨張性黒鉛との重量比(熱膨張性黒鉛/リン化合物)は、0.01〜9が好ましい。熱膨張性黒鉛の比率が多くなると、燃焼時に膨張した
黒鉛が飛散して十分な耐火断熱層が形成され難くなり、リン化合物の比率が多くなると十分な耐火断熱層が形成されなくなるため、十分な断熱性が得られなくなる。
前記樹脂組成物(B)において、無機充填剤の配合量は、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して50〜500重量部が好ましい。配合量が、50重量部未満になると十分な耐火性が得られず、500重量部を超えると機械的強度が低下する。この樹脂組成物(B)に粘着性が不足する場合は、例えば、前記の熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質に粘着付与剤を添加することにより、粘着性を付与することができる。粘着付与剤としては特に限定されず、例えば、粘着付与樹脂、可塑剤、油脂類、高分子低重合物等が挙げられる。
前記樹脂組成物(A)及び(B)には、その物性を損なわない範囲で、難燃剤、酸化防止剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等が添加されてもよい。また、樹脂組成物(A)及び(B)は、前記各成分を、例えば、押出機、ニーダーミキサー、二本ロール、バンバリーミキサー等、公知の混練装置を用いて溶融混練することにより得ることができる。これらの樹脂組成物は、公知の方法で成形することにより、テープ状膨張体とすることができる。
テープ状膨張体20は、巻物の形態でもよく、また、樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管に巻き付ける長さに合わせて、あらかじめ切断されていてもよい。テープ状膨張体20には、加熱膨張性能を損なわない範囲で、基材又は離型基材が積層されてもよい。基材としては、特に限定されず、例えば、紙、織布、不織布、フィルム、金属箔、金網、これら基材の積層体等が用いられる。基材や離型基材、あるいはテープ状膨張体そのものに、格子状模様や帯を印刷することにより、貫通孔への挿入深さを確認することができ、施工による耐火性能のばらつきを少なくすることができる。
前記の紙としては、クラフト紙、和紙、Kライナー紙等、公知のものを使用することができる。水酸化アルミニウムや炭酸カルシウムを高充填した不燃紙;難燃剤を配合したり、難燃剤を表面に塗布した難燃紙;ロックウール、セラミックウール、ガラス繊維を用いた無機繊維紙、炭素繊維紙等を使用すると耐火性を向上させることができる。
不織布としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セルロース繊維等からなる湿式不織布、長繊維不織布等を使用することができる。フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の樹脂フィルム等を使用することができる。金属箔としては、アルミニウム箔、ステンレス箔等を使用することができる。金網としては、通常使用されている金網の他に、金属ラス等が使用可能である。
また、これら基材の積層体を用いてもよく、例えば、ポリエチレンフィルム積層不織布、ポリプロピレン積層不織布、アルミニウム箔積層紙、アルミガラスクロス等が挙げられる。離型基材は、特に制限はなく、シリコーン処理等の通常の離型処理されているものが挙げられ、これらの基材に離型処理したものを用いてもよい。基材又は離型基材は、テープ状膨張体の片面又は両面に積層されてもよく、一方の片面に基材を、他の片面に離型基材を積層させてもよい。また、基材を2枚のテープ状膨張体の間に挟み込んで使用してもよい。
前記のような離型基材を積層させたテープ状膨張体を用いる場合は、離型基材を剥離してから樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管に巻き付けてもよい。テープ状膨張体に基材を積層する場合には、基材に情報が記載されていると好ましい。また、テープ状膨張体が巻物の場合には、その芯材の内部に情報が記載されていると好ましい。情報とは、適応で
きる配管、使用部位等に関する情報であり、記載することにより、施工時の混乱を防止することができる。
前記の如く構成された本実施形態の防火区画貫通部構造においては、テープ状膨張体20が巻き付けられた配管10等の被貫通物は、火災時の加熱によって熱変形を起こしたり、焼失して貫通孔5内に空隙が生じても、テープ状膨張体20が火災の熱により膨張して耐火断熱層を形成し、貫通孔5内の空隙を閉塞するため、仕切り壁1の一方の側で発生した熱、火炎、煙等が他方の側へ到達するのを防止する。
テープ状膨張体20は、施工時に、樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管の外径に合わせて切断して巻き付けるため、管の外径に合った部材をそれぞれ用意する必要がなく、現場での混乱を防止することができる。また、テープ状膨張体20が粘着性を有する場合は、樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管への巻き付け作業が容易となり、施工を簡便にすることができる。
図4に示した実施例において、仕切り壁1は、石膏ボード3(吉野石膏製:GB−R、12.5mm厚)を2枚張りしたものを、鋼製スタッド2(50×40×0.5tの角柱)の両側にビスで止め付けて、仕切り壁(図4において、厚さt=100mm)とした。
テープ状膨張体21は、ブチルゴム(エクソン社製「ブチル#065」)42重量部、ポリブテン(出光石油化学社製「ポリブテン#100R」)50重量部、水素添加石油樹脂(トーネックス社製「エスコレッツ#5320」)8重量部、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製「EXOLT AP422」)100重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットGREP−EG」)30重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製「ハイジライトH−31」)50重量部、及び、炭酸カルシウム(備北粉化製「BF300」)100重量部を、ニーダーを用いて混練した後、得られた樹脂組成物をカレンダー成形により、片面にアルミニウム箔離型紙を積層させ、長さ6m、幅1000mm、0.5mm厚のロール原反を作製し、得られたロール原反を輪切り機にて60mm幅に切断して作製した。50kW/m2 の照射熱量下で30分間加熱した時の体積膨張率は15倍であった。
このテープ状膨張体21を外径が42mm(呼び径36)のポリエチレンさや管11(波形管)の外面に、アルミニウム箔離型紙が外側になるように1周分巻き付け(巻き付け厚0.5mm)、さや管11の内部に外径27mm(呼び径20)の架橋ポリエチレン管を内部配管12として挿入して試験体を作製した。この試験体を、仕切り壁1に設けた防火区画貫通部として円形の貫通孔5(図において、貫通孔の直径D=50mm)に、テープ状膨張体21の巻き付け部分が左側の防火区画Aの壁面から10mm出るように挿通させた後、試験体と貫通孔5との間隙を閉じる充填材としてのシーリング材として、アクリル系コーキング材30(コニシボンド社製「アクリルコーク」)を注入施工して固定した。
前記仕切り壁1に固定した試験体について、図4において右側の防火区画Bより加熱して、ISO 834に基づく壁用1時間耐火試験を行った結果、さや管11及び内部の配管12は殆ど溶融、焼失して空隙が生じたが、テープ状膨張体21の膨張断熱層により空隙が埋められて熱伝導が抑制され、非加熱面側の防火区画Aに火炎の突き抜けは観測されなかった。なお、テープ状膨張体21は、仕切り壁1の両壁面から突出するような幅広に形成すると、効果はより向上する。
図5に示す実施例2は、実施例1と同じブチルゴム42重量部、ポリブテン50重量部、水素添加石油樹脂8重量部、ポリリン酸アンモニウム100重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛30重量部、水酸化アルミニウム50重量部、及び、炭酸カルシウム100重量部を、実施例2では混練ロールを用いて混練した後、得られた樹脂組成物をプレス成形により2mm厚のシートを作製した。得られたシートの片面に長さ方向に平行な5mm間隔の黒色の格子模様を印刷したアルミガラスクロスを貼り合わせ、80mm幅に切断してテープ状膨張体22を作製した。50kW/m2 の照射熱量下で30分間加熱した時の体積膨張率は17倍であった。
このテープ状膨張体22を外径が114mm(呼び径100)の硬質塩化ビニル管13の外面にアルミガラスクロスが外側となるように1周分巻き付けて(巻き付け厚2mm)、試験体を作製した。
この試験体を、図5に示したように、実施例1と同様の仕切り壁1に設けた防火区画貫通部として円形の貫通孔5(図において、貫通孔の直径D=125mm)に、アルミガラスクロス上の線を目安にテープ状膨張体22の巻き付け部分が防火区画A側の壁面から10mm出るように挿通させた後、試験体と仕切り壁1との間隙に、充填材としてアクリル系コーキング材30(コニシボンド社製「アクリルコーク」)を注入施工して固定した。
前記仕切り壁1に固定した試験体について、前記と同様、右側の防火区画Bより加熱して、壁用1時間耐火試験を行った結果、硬質塩化ビニル管13は殆ど溶融、焼失して貫通孔5内に空隙が生じたが、テープ状膨張体22の膨張断熱層により空隙は埋められて熱伝導が抑制され、非加熱面側の防火区画Aに火炎の突き抜けは観測されなかった。この場合も、テープ状膨張体22は、仕切り壁1の両壁面から突出するような幅広に形成すると、効果はより向上する。
図6に示す実施例3は、実施例2と同様のテープ状膨張体22を使用し、外径が114mm(呼び径100)の硬質塩化ビニル管13の外面にアルミガラスクロスが外側となるように1周分巻き付けて(巻き付け厚2mm)、試験体を作製した。
この試験体を、図6に示したように、実施例1と同様の仕切り壁1に設けた防火区画貫通部として円形の貫通孔5(図において、貫通孔の直径D=170mm)に、テープ状膨張体22の巻き付け部分が防火区画A側の壁面から10mm出るように挿通させた後、25mm厚のロックウール31(40kg/m3 )を充填して埋め戻して貫通孔5と配管13との間隙を閉じ、直径230mm厚み1.5mmのポリエチレン板35(直径120mmの孔をあけたもの)を蓋体として仕切り壁1に対接させ両面テープで固定し、試験体とポリエチレン板35との間隙にアクリル系コーキング材30(コニシボンド社製「アクリルコーク」)を施工して固定した。
前記中空の仕切り壁1に固定した試験体について、前記と同様、右側の防火区画Bより加熱して、壁用1時間耐火試験を行った結果、硬質塩化ビニル管13、及び蓋体のポリエチレン板35は殆ど溶融、焼失して貫通孔5内に空隙が生じたが、テープ状膨張体の膨張断熱層により空隙は塞がれて熱伝導が抑制され、非加熱面側に火炎の突き抜けは観測されなかった。なお、テープ状膨張体22は、仕切り壁1の両壁面から突出するような幅広に形成すると、効果はより向上する。
図7に示す実施例4は、実施例1と同様のテープ状膨張体21を用い、外径が42mm(呼び径30)のポリブテン管14の外面に、アルミニウム箔離型紙が外側になるように1周分巻き付けて(巻き付け厚0.5mm)、試験体を作製した。
この試験体を、ALC壁1A(厚さ100mm)に設けた防火区画貫通部として円形の
貫通孔5A(図において、貫通孔の直径D=50mm)に、テープ状膨張体21の巻き付け部分が防火区画Aの壁面から10mm出るように挿通させた後、試験体とALC壁1Aとの間隙にアクリル系コーキング材30(コニシボンド社製「アクリルコーク」)を施工し、間隙を閉じて試験体を固定した。
前記ALC壁1Aに固定した試験体について、前記と同様、右側の防火区画Bより加熱して、壁用1時間耐火試験を行った結果、配管であるポリブテン管14は殆ど溶融、焼失し貫通孔5A内に空隙が生じたが、テープ状膨張体21の膨張断熱層により空隙は塞がれて熱伝導が抑制され、非加熱面側の防火区画Bに火炎の突き抜けは観測されなかった。この例のテープ状膨張体21の幅は、貫通孔5の奥行の約50%であるが、幅を大きくすると更に効果は大きくなる。
本発明の他の実施形態を図8に基づき詳細に説明する。図8は本発明に係る防火区画貫通部構造の他の実施形態を示す仕切り壁と配管との関係を示す要部斜視図である。なお、この実施形態は前記した実施形態に対し、被貫通物と貫通孔との間にスリーブが位置していることを特徴とする。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図8において、スリーブ40は金属製、又はセラミック製であり、スリーブ40は貫通孔5に挿入され、スリーブ40の内側にテープ状膨張体が位置し、更に内側に配管10が位置している。テープ状膨張体20は配管10に巻き付けられる場合と、スリーブ40の内側に貼り付けられる場合があり、配管10とスリーブ40との間隙、あるいはスリーブ40と貫通孔5との間隙にモルタル等の不燃材が埋め戻され、間隙が閉じられる。スリーブ40の長さは、仕切り壁1の厚さと同等か、それ以上が好ましい。
この実施形態においては、テープ状膨張体20がスリーブ40の内側に沿って膨張するため、貫通孔5が形成された仕切り壁1に空洞部4がある場合に特に有効である。すなわち、テープ状膨張体20が加熱によって体積膨張したとき、空洞部4に向かって膨張すると配管等が焼失した空隙を確実に閉塞することができないが、この実施形態ではスリーブ40により空洞部4への膨張は阻止されるため、空隙の閉塞が確実に行われる。
図9に示す実施例5は、実施例2と同様のテープ状膨張体22を用い、外径120mm、内径118mm、長さ100mmの鉄製スリーブ40の内側にアルミガラスクロスが内側となるように貼り付けた筒状成形体を得た。この筒状成形体を外径114mm(呼び径100)の硬質塩化ビニル管13に外嵌状態に取付けて試験体を作製した。
この試験体を、実施例1と同様の仕切り壁1に設けた防火区画貫通部として円形の貫通孔5(図において、貫通孔の直径D1=145mm)に挿通させた後、鉄製スリーブ40と仕切り壁1の貫通孔5との間隙に、実施例3と同様のコーキング材30を埋め戻し施工して間隙を閉じ、試験体を固定した。
前記中空の仕切り壁1に固定した試験体について、前記と同様、右側の防火区画Bより加熱して、壁用1時間耐火試験を行った結果、配管である硬質塩化ビニル管13は殆ど溶融、焼失して貫通孔5内に空隙が生じたが、テープ状膨張体22の膨張断熱層により空隙は塞がれて熱伝導が抑制され、非加熱面側に火炎の突き抜けは観測されなかった。この実施例のスリーブ40は、仕切り壁1に空洞部4がある場合にテープ状膨張体が空洞部内に膨張することを阻止し、スリーブ内を確実に閉塞することができる。
図10に示す実施例6では、テープ状膨張体の素材として、ビスフェノールF型エポキ
シモノマー(油化シェル社製「E807」)60重量部、ジアミン系硬化剤(油化シェル社製「EKFL052」)40重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットGREP−EG」)50重量部、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製「EXOLIT AP422」100重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製「ハイジライトH−31」)50重量部、及び、炭酸カルシウム(備北粉化工社製「BF300」)100重量部を混練ロールで混錬して、樹脂組成物を得た。次いで、この樹脂組成物をプレス型に投入して100℃で30分間加熱して硬化させ、1mm厚の板状膨張体を作製し、110mm幅に切断してテープ状膨張体23を作製した。50kW/m2 の照射熱量下で30分間加熱した時の体積膨張率は28倍であった。
このテープ状膨張体23を外径114mm(呼び径100)の硬質塩化ビニル管13の外面に2周分巻き付けて(巻き付け厚2mm)粘着テープで固定し、試験体を作製した。
この試験体を、図10に示したように、実施例1と同様の仕切り壁1に設けた防火区画貫通部として、円形の貫通孔5(図において、貫通孔の直径D2=158mm)に、スリーブ41をテープ状膨張体23の巻き付け部分が非加熱面から10mm出るように密着させた後、テープ状膨張体23とスリーブ41との間隙に充填材としてモルタル32を充填して固定した。
前記の実施例6に用いたスリーブ41は、図8(b)に示すように、鉄板42(幅100mm、長さ500mm厚さ0.3mm)を丸めて形成してもよい。鉄板42を丸めてから貫通孔5に挿入し、鉄板42はその弾性により広がって貫通孔5の内面に密着し、端部が重なりスリーブ41を形成する。鉄板42の幅は貫通孔5の奥行(前記のt)と同等か、奥行より僅かに大きくし、その長さは貫通孔5の直径に円周率を掛けた値より僅かに大きくすることで端部を重ねることができる。このスリーブ41の場合、配管10が既設でパイプ状のスリーブ40を通すことができない場合に適している。なお、鉄板に限らず他の金属板材を用いてもよい。
前記中空の仕切り壁1に固定した試験体について、前記と同様、右側の防火区画Bより加熱して、壁用1時間耐火試験を行った結果、配管である硬質塩化ビニル管13は殆ど溶融、焼失して貫通孔5内に空隙が生じたが、テープ状膨張体23の膨張断熱層により空隙は塞がれて熱伝導が抑制され、非加熱面側に火炎の突き抜けは観測されなかった。このように、テープ状膨張体の外周にスリーブがあると、テープ状膨張体が膨張したときに仕切り壁1の空洞部4に膨張することがなく、配管等が焼失したときに確実に空隙を閉塞できる。
図11〜13に示す実施例7では、実施例1と同じブチルゴム42重量部、ポリブテン50重量部、水素添加石油樹脂8重量部、ポリリン酸アンモニウム100重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛30重量部、水酸化アルミニウム50重量部、及び、炭酸カルシウム100重量部を、ニーダーを用いて混練した後、得られた樹脂組成物をカレンダー成形により、表面にアルミニウム箔積層紙、裏面にポリエチレン樹脂フィルムを積層させ、長さ10m、幅650mm、4mm厚のロール原反を作製した。得られたロール原反を輪切り機にて120mm幅に切断し、テープ状膨張体24を作製した。
前記のテープ状膨張体24を、外径50.8mmの銅管15に厚さ20mmの保温材16を巻き付けた被覆銅管の外周に、アルミニウム箔積層紙が外側となるように1周分巻き付けて粘着テープで固定し、試験体Cを作製した。また、前記のテープ状膨張体24を外径25.4mmの銅管17に厚20mmの保温材16を巻き付けた被覆銅管と、外径13.5mmのケーブル(CV3.5mm2 ×4C)18との外周に、2本まとめてアルミニウム箔積層紙が外側となるように1周分巻き付けて粘着テープで固定し、試験体Dを作製
した。
この試験体C,Dを、前記仕切り壁1に設けた円形貫通孔5(図において、直径D=182mm)に、鉄板42(幅100mm、長さ500mm、厚さ0.3mm)を円筒状に設置し、テープ状膨張体の巻き付け部分が壁の表面から20mm出るように挿通させたあと、仕切り壁1の一方の表面に蓋体36として、アルミニウム箔張りポリエチレンフォームを対接させて固定した。蓋体36としてのアルミニウム箔張りポリエチレンフォームは、0.08mm厚のアルミニウム箔、接着層(60g/m2 )、30倍発泡ポリエチレンフォーム、接着層(60g/m2 )を積層し、400×400mm、総厚さ3mmの貫通孔5の直径より大きい形状のものを使用した。
蓋体36は試験体C,Dを通す切欠きとして貫通孔15a,17a,18aを形成し、外周辺からこれらの貫通孔まで縦の切込みLを入れ、孔開けサイズを配管等の有効径と略同じに設定し、試験体C,Dの周囲に隙間ができないようにすることが好ましい。このようにして、仕切り壁1の一方の表面に蓋体36を対接させ、貫通孔5を塞いだ後、試験体と貫通孔との間隙にロックウール31を密度が60kg/m3 になるように充填し、仕切り壁1の反対側の表面に、アルミニウム箔張りポリエチレンフォームの同じ形状の蓋体36を仕切り壁1に対接させて固定し、貫通孔5を塞いだ。図13aにおいて右側の防火区画Bより加熱して、ISO 834に基づく壁用1時間耐火試験を行った結果、保温材16は殆ど溶融、焼失したが、テープ状膨張体24の膨張断熱層により熱伝導が抑制され、非加熱面側の防火区画Aに火炎の突き抜けは観測されなかった。この実施例7においては、充填材31が蓋体36で塞がれているため見栄えが向上すると共に、充填材を確実に充填でき、耐火性能のばらつきが防止され安定する。
図14に示す実施例8では、前記の試験体C,Dを、ALC壁1Aに設けた円形貫通孔5A(図において、直径D=182mm)に、テープ状膨張体24の巻き付け部分が壁の表面から20mm出るように挿通させたあと、試験体と貫通孔5Aとの間隙にロックウール31を密度が60kg/m3 になるように充填して固定した。ALC壁1Aに固定した試験体C,Dについて、図14において右側の防火区画Bより加熱して、ISO 834に基づく壁用1時間耐火試験を行った結果、保温材16は殆ど溶融、焼失したが、テープ状膨張体24の膨張断熱層により熱伝導が抑制され、非加熱面側の防火区画Aに火炎の突き抜けは観測されなかった。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、仕切り部として、隣接する防火区画を仕切る仕切り壁の例を示したが、上下の階にわたって仕切るコンクリートスラブのような仕切り床にも、本発明を適用できることは勿論である。
また、仕切り部の貫通孔を貫通する被貫通物として、配管の例を主として説明したが、被貫通物として電気設備の配線やケーブル類、電話配線、テレビ等の信号線でもよい。そして、多種の配線やケーブル類を束ねて貫通させてもよい。
本発明の一実施形態を示す仕切り壁と配管との関係を示す要部斜視図。 (a)は本発明の一実施形態を示す防火区画貫通部構造の要部断面図、(b)は他の実施形態を示す防火区画貫通部構造の要部断面図。 仕切り部の他の例の要部斜視図。 本発明に係る防火区画貫通部構造の第1実施例の要部断面図。 本発明に係る防火区画貫通部構造の第2実施例の要部断面図。 本発明に係る防火区画貫通部構造の第3実施例の要部断面図。 本発明に係る防火区画貫通部構造の第4実施例の要部断面図。 (a)は本発明の他の実施形態を示す仕切り壁と配管との関係を示す要部斜視図、(b)はスリーブの他の例を示す斜視図。 本発明に係る防火区画貫通部構造の第5実施例の要部断面図。 本発明に係る防火区画貫通部構造の第6実施例の要部断面図。 本発明に係る防火区画貫通部構造の第7実施例の要部斜視図。 図11の防火区画構造に使用する蓋体の斜視図。 (a)は図11の貫通孔部分の縦断面図、(b)は要部側面図。 本発明に係る防火区画貫通部構造の第8実施例の要部断面図。
符号の説明
A,B 防火区画、
1 仕切り壁(仕切り部)、1A ALC壁(仕切り部)、
5 貫通孔、 10,12 配管(被貫通物)、
11 さや管(配管)、
13 硬質塩化ビニル管(配管)、
14 ポリブテン管(配管)、
20,21,22,23,24 テープ状膨張体、
30 コーキング材(充填材)、
31 ロックウール(充填材)、
32 モルタル(充填材)、
35 ポリエチレン板(蓋体)、
36 アルミニウム箔張りポリエチレンフォーム(蓋体)、
40,41 スリーブ 、 42 鉄板

Claims (12)

  1. 建築物等の防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔を配管等の被貫通物が貫通する構造であって、
    前記被貫通物の貫通孔と対向する部分の外周に巻き付けられた熱膨張性材料からなるテープ状膨張体と、該テープ状膨張体の外周と前記貫通孔との間隙を閉じる充填材とを備えることを特徴とする防火区画貫通部構造。
  2. 建築物等の防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔を配管等の被貫通物が貫通する構造であって、
    前記被貫通物の貫通孔部分の外周に位置し内周に熱膨張性材料からなるテープ状膨張体を積層したスリーブと、該スリーブと前記貫通孔との間隙を閉じる充填材とを備えることを特徴とする防火区画貫通部構造。
  3. 建築物等の防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔を配管等の被貫通物が貫通する構造であって、
    前記被貫通物の貫通孔部分の外周に巻き付けられた熱膨張性材料からなるテープ状膨張体と、該テープ状膨張体の外周に位置するスリーブと、該スリーブと前記テープ状膨張体との間隙及び該スリーブと前記貫通孔との間隙を閉じる充填材とを備えることを特徴とする防火区画貫通部構造。
  4. 前記貫通孔の径より大きい形状の蓋体を、さらに備え、該蓋体を前記仕切り部の貫通孔を塞ぐように片面あるいは両面に対接させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防火区画貫通部構造。
  5. 前記テープ状膨張体は、50kW/m2 の照射熱量下で30分間加熱した時の体積膨張率が1.1〜100倍であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防火区画貫通部構造。
  6. 前記テープ状膨張体は、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、熱膨張性無機化合物、並びに無機充填材を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防火区画貫通部構造。
  7. 前記テープ状膨張体は、エポキシ樹脂、熱膨張性無機化合物、及び無機充填材を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防火区画貫通部構造。
  8. 建築物等の防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔に配管等の被貫通物を貫通させる施工方法であって、
    前記被貫通物の貫通孔部分の外周に、熱膨張性材料からなるテープ状膨張体を巻き付け、該テープ状膨張体と前記貫通孔との間隙を充填材で閉じることを特徴とする防火区画貫通部の施工方法。
  9. 建築物等の防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔に配管等の被貫通物を貫通させる施工方法であって、
    前記被貫通物の貫通部分の外周に、内側に熱膨張性材料からなるテープ状膨張体を積層したスリーブを位置させた後、該スリーブと前記貫通孔との間隙を充填材で閉じることを特徴とする防火区画貫通部の施工方法。
  10. 建築物等の防火区画を画成する仕切り部に形成された貫通孔に配管等の被貫通物を貫通させる施工方法であって、
    前記被貫通物の貫通孔部分の外周に、熱膨張性材料からなるテープ状膨張体を巻き付け、前記貫通孔の内面にスリーブを密着させた後、該スリーブと前記テープ状膨張体との間隙を不燃材で閉じることを特徴とする防火区画貫通部の施工方法。
  11. 前記間隙を充填材で閉じる工程の前工程として、前記貫通孔の径より大きい形状の蓋体を前記仕切り部の一方の面に対接させ前記貫通孔を塞ぐ工程を、さらに備えることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の防火区画貫通部の施工方法。
  12. 前記間隙を充填材で閉じる工程の後工程として、前記貫通孔の径より大きい形状の蓋体を前記仕切り部の他方の面に対接させ前記貫通孔を塞ぐ工程を、さらに備えることを特徴とする請求項11に記載の防火区画貫通部の施工方法。
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