JP4647772B2 - 防火区画貫通部の施工方法及び防火区画貫通部構造 - Google Patents

防火区画貫通部の施工方法及び防火区画貫通部構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の仕切り部に設けられた防火区画貫通部を貫通して施工される樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管に、防火措置を施すための防火区画貫通部の施工方法、及び防火区画貫通部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、建築物の床、壁、間仕切り等の仕切り部に配管を貫通させる場合は、配管等を貫通させるための貫通孔(区画貫通部)を設け、この区画貫通部に配管(給排水管、電線管、冷媒管、ダクト等)を貫通させる。この区画貫通部が防火区画貫通部の場合は、配管やケーブルとの間隙に防耐火のためモルタル等の充填剤を充填して閉塞するための防火措置工法が行われている。上記充填剤による間隙の閉塞は、仕切り部の一方の側で発生した火災による熱、火炎、煙等が他方の側へ到達するのを遅らせたり、防止するために必要な措置である。
【0003】
上記配管が金属管等のそれ自体に耐熱性、不燃性を有する配管の場合は、防火区画貫通部に従来の防火措置工法を採用しても特に問題はないが、配管が、硬質塩化ビニル管や架橋ポリエチレン管等の合成樹脂管、ケーブル、又は断熱被覆金属管や断熱被覆樹脂管等の断熱被覆管の場合は、上記防火措置工法を採用すると、配管自体やケーブルや断熱被覆管の被覆材が燃焼性であったり、耐熱性に劣るため、火災時に合成樹脂や被覆材が燃焼により焼失したり、熱変形を起こしたりして防火区画貫通部に隙間が形成され、仕切り部の一方の側で発生した熱、火炎、煙等が他方側へ到達するのを防止することができなかった。
【0004】
上記問題点を解決するために、加熱に際して膨張する材料により、火災によって生じた隙間を埋める区画貫通措置キット(以下、単にキットという)が各社から上市されている(例えば、古河テクノマテリアル社製「ヒートメル」等)。
これらのキットは、確かにその効果を発揮するが、キットであるが故に、各種樹脂管、ケーブル、又は冷媒管等の径に合わせたものをそれぞれ用意する必要があり、区画貫通部の少ない現場では特に問題はないが、多種多様の区画貫通部が存在する現場では、それぞれに対応するキットが必要となり、混乱を招く恐れがあった。
また、これらのキットはコストが高いため、安価な防火区画貫通措置方法が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、防火区画を貫通して施工された樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管が火災時に変形したり、焼失するようなことがあっても、防火区画貫通部の仕切り部の一方の側で発生した熱、火炎、煙等が他方側へ到達するのを防止する防火区画貫通部の施工方法、及び防火区画貫通部構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の防火区画貫通部の施工方法、及び防火区画貫通部構造は、建築物の仕切り部に設けられた防火区画を貫通する樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管が挿通される防火区画貫通部の施工方法において、該樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管の防火区画貫通部分に、50kw/m2の照射熱量下で加熱したときの膨張倍率が3〜40倍の熱膨張性材料からなるテープ状成形体を巻き付けて固定した後、防火区画貫通部と樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管との間隙をモルタル、不燃材料、又はパテで埋め戻すことを特徴とする。
【0007】
以下に、本発明の防火区画貫通部の施工方法、及び防火区画貫通部構造につき詳細に説明する。
図1の斜視図に示すように、まず、樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管1の外面に、熱膨張性材料からなるテープ状成形体2を巻き付けて固定する。(図1は樹脂配管にテープ状成形体を巻き付けた状態を示したが、ケーブル、断熱被覆管についても同様に巻き付けることができる)。固定する方法としては、接着剤、粘着剤、又は粘着テープ等を用いて配管に固定してもよいし、粘着テープやタッカー等でテープ状成形体自体を固定するだけでもよい。次いで、テープ状成形体2が巻き付けられた樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管1は、図2の模式斜視図に示すように、建築物の仕切り部である防火区画3(スラブ等)に設けられた防火区画貫通部5(貫通孔)に挿通される。
【0008】
また、防火区画貫通部5(貫通孔)に既に樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管が施工されている場合は、熱膨張性材料からなるテープ状成形体2を巻き付けて粘着テープやタッカー等でテープ状成形体自体を固定した後、貫通部にスライドさせて挿通させてもよい。
【0009】
次に、図3に模式断面図を示したように、テープ状成形体2が巻き付けられた樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管1と、防火区画貫通部5との間隙にモルタル、不燃材料、又はパテ4が埋め戻しされる。上記テープ状成形体2が巻き付けられた樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管1は、火災時の加熱によって熱変形を起こしたり、焼失して隙間を生じても、テープ状成形体2が燃焼熱により膨張して耐火断熱層を形成して隙間を閉塞することにより、仕切り部の一方の側で発生した熱、火炎、煙等が他方側へ到達するのを防止する。
上記不燃材料としては、ロックウール、セラミックウール、ガラスウール等が挙げられる。
【0010】
上記テープ状成形体2の幅が防火区画貫通部5の厚さより短い場合は、防火区画貫通部5の厚さ方向に略均等となるように配置することが好ましいが、貫通部のどちらかの面に片寄って配置されてもよい。また、防火区画貫通部5の厚さより長い場合は、防火区画貫通部5の両側への突出長さが略均等となるように配置することが好ましい。また、テープ状成形体2が巻き付けられた樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管1は、防火区画貫通部5の貫通孔において略中央となるように配置することが好ましい。
【0011】
上記テープ状成形体の厚みは、0.3〜6mmが好ましい。厚みが0.3mm未満になると必要な巻き付け厚みを得るのに何回も巻き付ける必要があり、6mmを超えると所定の厚みに巻き付けることが難しくなる。
【0012】
上記テープ状成形体の巻き付け厚みは、挿通される樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管の外径の0.5〜20%となされることが好ましい。巻き付け厚みが、樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管の外径の0.5%未満になると火災時に十分な耐火断熱層が形成されず、20%を超えると貫通部の開口面積を大きくしなければならなくなる。
【0013】
上記テープ状成形体の幅は、防火区画貫通部の厚みの25〜150%が好ましい。厚みの25%未満になると火災時に十分な耐火断熱層が形成されず、150%を超えると貫通部の際で配管を曲げることができなくなり、配管設計の自由度が小さくなる。
【0014】
上記熱膨張性材料からなるテープ状成形体は、50kw/m2の照射熱量下で加熱したときの膨張倍率(初期厚みに対する膨張後の厚みの比)が3〜40倍であり、火災時に防火区画貫通部と樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管との隙間を閉塞して、耐火断熱性を発現するものであれば特に限定されないが、下記樹脂組成物(I)又は(II)からなるものが好ましい。
【0015】
樹脂組成物(I)としては、エポキシ樹脂、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤を含有するものが用いられる。
【0016】
本発明で用いるエポキシ樹脂は、特に限定されないが、基本的にはエポキシ基をもつ化合物と硬化剤とを反応させることにより得られる。
【0017】
上記エポキシ基をもつ化合物としては、2官能のグリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、多官能のグリシジルエーテル型等のものが挙げられる。
【0018】
上記2官能のグリシジルエーテル型のモノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール型、1,6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロパン型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、プロピレンオキサイド−ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型等のモノマーが例示される。
【0019】
上記グリシジルエステル型のモノマーとしては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香酸型等のモノマーが例示される。
【0020】
また、上記多官能のグリシジルエーテル型のモノマーとしては、例えば、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、ジシクロペンタン・フェノール型等のモノマーが例示される。
上記エポキシ基をもつ化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0021】
上記硬化剤は、重付加型、触媒型のものが挙げられる。
重付加型の硬化剤としては、例えば、アミン類、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等が例示される。
また、触媒型の硬化剤としては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、ルイス酸、ルイス塩基等が例示される。
【0022】
また、上記エポキシ樹脂には、他の樹脂が添加されてもよい。他の樹脂の添加量が多くなると、エポキシ樹脂の効果が発現されなくなるので、エポキシ樹脂1に対して他の樹脂の添加量は5(重量比)以下が好ましい。
また、上記エポキシ樹脂には、上記テープ状成形体の物性を損なわない範囲で、難燃剤、酸化防止剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等が添加されてもよい。
【0023】
上記エポキシ樹脂には、柔軟性が付与されてもよく、柔軟性を付与する方法としては、次の方法が挙げられる。
(1)架橋点間の分子量を大きくする。
(2)架橋密度を小さくする。
(3)軟質分子構造を導入する。
(4)可塑剤を添加する。
(5)相互侵入網目(IPN)構造を導入する。
(6)ゴム状粒子を分散導入する。
(7)ミクロボイドを導入する。
【0024】
上記(1)の方法は、予め分子鎖の長いエポキシ化合物及び/又は硬化剤を用いて反応させることにより、架橋点の間の距離を長くして可撓性を発現させる方法である。硬化剤として、例えばポリプロピレンジアミン等が用いられる。
上記(2)の方法は、官能基の少ないエポキシ化合物及び/又は硬化剤を用いて反応させることにより、一定領域の架橋密度を小さくして可撓性を発現させる方法である。硬化剤として、例えば2官能アミン、エポキシ化合物として、例えば1官能エポキシ等が用いられる。
上記(3)の方法は、軟質分子構造をとるエポキシ化合物及び/又は硬化剤を導入して可撓性を発現させる方法である。硬化剤として、例えば複素環状ジアミン、エポキシ化合物として、例えばアルキレンジグリコールジグリシジルエーテル等が用いられる。
上記(4)の方法は、可塑剤として非反応性の希釈剤、例えば、DOP、タール、石油樹脂等を添加する方法である。
上記(5)の方法は、エポキシ樹脂の架橋構造に別の軟質構造をもつ樹脂を導入する相互侵入網目(IPN)構造で可撓性を発現させる方法である。
上記(6)の方法は、エポキシ樹脂マトリックスに液状又は粒状のゴム粒子を配合分散させる方法である。エポキシ樹脂マトリックスとしてポリエステルエーテル等が用いられる。
上記(7)の方法は、1μm以下のミクロボイドをエポキシ樹脂マトリックスに導入して可撓性を発現させる方法である。エポキシ樹脂マトリックスとして、分子量1000〜5000のポリエーテルが添加される。
上記エポキシ樹脂の剛性、可撓性を調整することによって、硬い板状物から柔軟性を有するシートの成形が可能となり、耐火性能が要求される様々な部位に適用できる。
【0025】
本発明で用いる中和処理された熱膨張性黒鉛とは、従来公知の物質である熱膨張性黒鉛を中和処理したものである。
上記熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理することにより生成するグラファイト層間化合物であり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
【0026】
上述のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛を、更に、アンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和することにより、上記中和処理された熱膨張性黒鉛が得られる。
【0027】
上記脂肪族低級アミンとしては、特に限定されず、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
【0028】
上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、特に限定されず、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
【0029】
上記中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、所定の耐火断熱層が得られず、粒度が20メッシュより大きくなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、樹脂分と混練する際に分散性が悪くなり、物性の低下が避けられない。
【0030】
上記中和処理された熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、東ソー社製「フレームカットGREP−EG」、UCAR Carbon社製「GRAFGUARD160」、「GRAFGUARD220」等が挙げられる。
【0031】
上記無機充填剤としては、特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」(商品名)、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。中でも、含水無機物及び金属炭酸塩が好ましい。
【0032】
上記含水無機物の水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等は、加熱時の脱水反応によって生成した水のために吸熱が起こり、温度上昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、及び、加熱残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働くことで残渣強度が向上する点で特に好ましい。
また、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムは、脱水効果を発揮する温度領域が異なるため、併用すると脱水効果を発揮する温度領域が広がり、より効果的な温度上昇抑制効果が得られることから、併用することが好ましい。
【0033】
上記金属炭酸塩は、後述するリン化合物との反応で膨張を促すと考えられ、特に、リン化合物として、ポリリン酸アンモニウムを使用した場合に、高い膨張効果が得られる。また、有効な骨材として働き、燃焼後に形状保持性の高い残渣を形成する。
【0034】
また、上記金属炭酸塩の中では、更に、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸亜鉛等の周期律表IIb属金属の炭酸塩が好ましい。
一般的に、無機充填剤は、骨材的な働きをすることから、残渣強度の向上や熱容量の増大に寄与すると考えられる。
【0035】
上記無機充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウムでは、粒径1μmの「ハイジライト H−42M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「ハイジライトH−31」(昭和電工社製)、及び、炭酸カルシウムでは、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(白石カルシウム社製)、粒径8μmの「BF300」(備北粉化工社製)等が挙げられる。
【0036】
上記無機充填剤の粒径としては、0.5〜400μmが好ましく、より好ましくは1〜100μmである。
上記無機充填剤は、添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さいものが好ましいが、0.5μm未満になると二次凝集が起こり、分散性が悪くなる。添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることで樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、粒径の大きいものが好ましい。また、粒径が400μmを超えると、成形体の表面性、樹脂組成物の力学的物性が低下する。
【0037】
上記無機充填剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、粒径の大きい無機充填剤と粒径の小さいものを組み合わせて使用することがより好ましく、組み合わせて用いることによって、熱膨張性耐火層の力学的性能を維持したまま、高充填化することが可能となる。
【0038】
上記樹脂組成物(I)において、中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量は、樹脂成分100重量部に対して15〜300重量部が好ましい。
配合量が、15重量部未満では、十分な厚さの耐火断熱層が形成されないため耐火性能が低下し、300重量部を超えると機械的強度の低下が大きく、使用に耐えられなくなる。
【0039】
上記樹脂組成物(I)において、無機充填剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対して30〜500重量部が好ましい。
配合量が、30重量部未満では、熱容量の低下に伴い十分な耐火性が得られなくなり、500重量部を超えると機械的強度の低下が大きく、使用に耐えられなくなる。
【0040】
また、上記中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤の総量は、樹脂成分100重量部に対して200〜600重量部が好ましい。
総量が、200重量部未満になると熱容量の低下に伴い十分な耐火性が得られず、600重量部を超えると機械的強度の低下が大きく、使用に耐えられなくなる。
【0041】
上記樹脂組成物(II)としては、エポキシ樹脂、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤を含有するものが用いられる。
上記樹脂組成物(II)で用いられる中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤は、樹脂組成物(I)と同様である。
【0042】
樹脂組成物(II)において、更にリン化合物を配合することにより、難燃性、膨張断熱層の形状保持性が上がり、耐火性能が向上する。
【0043】
上記リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記一般式(1)で表される化合物等が挙げられる。これらのうち、耐火性の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム類、及び、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく、性能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウム類がより好ましい。
【0044】
【化1】
Figure 0004647772
【0045】
式中、R1及びR3は、水素、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を表す。R2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
【0046】
上記赤リンは、少量の添加で難燃効果を向上する。上記赤リンとしては、市販の赤リンを用いることができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたもの等が好適に用いられる。
【0047】
上記ポリリン酸アンモニウム類としては、特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取扱性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。市販品としては、例えば、クラリアント社製「EXOLIT AP422」、「EXOLIT AP462」、住友化学工業社製「スミセーフP」、チッソ社製「テラージュC60」、「テラージュC70」、「テラージュC80」等が挙げられる。
【0048】
上記一般式(1)で表される化合物としては、特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。
上記リン化合物は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0049】
上記樹脂組成物(II)において、リン化合物の配合量は、樹脂成分100重量部に対して50〜150重量部が好ましい。
配合量が、50重量部未満になると膨張断熱層が形成されずに十分な耐火性が得られず、150重量部を超えると機械的物性の低下が大きくなり、使用に耐えられなくなる。
【0050】
上記樹脂組成物(II)において、中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量は、上記樹脂組成物(I)と同様の理由により、樹脂成分100重量部に対して15〜300重量部が好ましい。
【0051】
上記樹脂組成物(II)において、無機充填剤の配合量は、上記樹脂組成物(I)と同様の理由により、樹脂成分100重量部に対して30〜500重量部が好ましい。
【0052】
また、上記リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤の総量は、樹脂成分100重量部に対して200〜600重量部が好ましい。
総量が、200重量部未満になると熱容量の低下に伴ない十分な耐火性が得られず、600重量部を超えると機械的強度の低下が大きく、使用に耐えられなくなる。
【0053】
上記樹脂組成物(I)及び(II)には、その物性を損なわない範囲で、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料等が添加されてもよい。
【0054】
上記テープ状成形体は、樹脂組成物(I)及び(II)の各成分を、例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等、公知の混練装置を用いて混練した後、成形し硬化することにより得ることができる。
上記成形方法としては、上記樹脂混練物を、例えば、プレス成形、ロール成形、コーター成形等による方法で成形し硬化させることにより、テープ状成形体とすることができる。
上記エポキシ樹脂の硬化方法は、特に限定されず、公知の方法によって行うことができる。
【0055】
上記テープ状成形体は、巻物の形態でもよく、また、樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管に巻き付ける長さに合わせて、あらかじめ切断されていてもよい。
【0056】
上記テープ状成形体には、加熱膨張性能を損なわない範囲で、基材又は離型基材が積層されてもよい。基材としては、特に限定されず、例えば、紙、織布、不織布、フィルム、金属箔、金網、これら基材の積層体等が用いられる。
【0057】
上記紙としては、クラフト紙、和紙、Kライナー紙等、公知のものを使用することができる。水酸化アルミニウムや炭酸カルシウムを高充填した不燃紙;難燃剤を配合したり、難燃剤を表面に塗布した難燃紙;ロックウール、セラミックウール、ガラス繊維を用いた無機繊維紙、炭素繊維紙等を使用すると耐火性を向上させることができる。
【0058】
上記不織布としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セルロース繊維等からなる湿式不織布、長繊維不織布等を使用することができる。
上記フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の樹脂フィルム等を使用することができる。
上記金属箔としては、アルミニウム箔、ステンレス箔等を使用することができる。
上記金網としては、通常使用されている金網の他に、金属ラス等が使用可能である。
【0059】
また、これら基材の積層体を用いてもよく、例えば、ポリエチレンフィルム積層不織布、ポリプロピレン積層不織布、アルミニウム箔積層紙、アルミガラスクロス等が挙げられる。
【0060】
上記離型基材は、特に制限はなく、シリコーン処理等の通常の離型処理されているものが挙げられ、上記基材を離型処理したものを用いてもよい。
【0061】
上記基材又は離型基材は、テープ状成形体の片面又は両面に積層されてもよく、一方の片面に基材を、他の片面に離型基材を積層させてもよい。また、基材を2枚のテープ状成形体の間に挟み込んで使用してもよい。
【0062】
上記テープ状成形体に基材を積層する場合には、該基材に情報が記載されていてもよい。
また、上記テープ状成形体が巻物の場合には、その芯材の内部に情報が記載されていてもよい。
上記情報は、適応できる配管、使用部位等に関する情報であり、記載することにより、施工時の混乱を防止することができる。
【0063】
(作用)
本発明の防火区画貫通部の施工方法、及び防火区画貫通部構造は、防火区画貫通部に挿通された樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管が火災時に熱変形を起こしたり、焼失して隙間を生じても、巻き付けられたテープ状成形体が熱膨張して隙間を閉塞するので、防火区画貫通部の一方の側で発生した熱、火災、煙等が他方側へ到達するのを防止する。
テープ状成形体は、施工時に、樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管の外径に合わせて切断して巻き付けるため、管の外径にあった部材をそれぞれ用意する必要がなく、現場での混乱を防止することができる。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0065】
(実施例1)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シェル社製「E807」)40重量部、ジアミン系硬化剤(油化シェル社製「EKFL052」)60重量部、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製「EXOLIT AP422」)100重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットGREP−EG」)80重量部、及び、炭酸カルシウム(備北粉化社製「BF300」)100重量部をライカイ機を用いて混練した後、得られた樹脂組成物をプレス成形により1mm厚、100mm幅のテープ状成形体を作製した。
【0066】
上記テープ状成形体を外径42mmの架橋ポリエチレン鞘管(内管:外径27mmの架橋ポリエチレン管)外面に2周分巻き付け(巻き付け厚2mm)、テープの端部をアルミテープで固定して試験体を得た。
この試験体を、図2に示したように、スラブ3(図2において、厚さt=150mm)に開けた防火区画貫通部5(図2において、貫通孔の直径D=75mm)に、テープ状成形体の巻き付け部分がスラブの中央にくるように挿通させた後、図3に示したように、試験体とスラブ3との間隙にモルタル4を充填して固定した。
【0067】
上記スラブに固定した試験体について、JIS A 1304に基づく床用2時間耐火試験を行った結果、架橋ポリエチレン管は溶融、焼失したが、防火区画貫通部分に生じた隙間はテープ状成形体の熱膨張によって閉塞されており、非加熱側に火炎の突き抜けは観測されなかった。
【0068】
(実施例2)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シェル社製「E807」)40重量部、ジアミン系硬化剤(油化シェル社製「EKFL052」)60重量部、赤リン(クラリアント社製「EXOLIT RP602」)80重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛(UCAR Carbon社製「GRAFGuard#220−50N」)60重量部、水酸化マグネシウム(協和化学社製「キスマ5B」)50重量部、及び、炭酸カルシウム(備北粉化社製「BF300」)100重量部を遊星式撹拌機を用いて混練した後、ロールコーター成形にて片面離型紙を積層させた1mm厚、120mm幅のテープ状成形体を作製した。
【0069】
上記テープ状成形体を、離型紙を剥離してから、外径40mmのケーブルCV−Tの外面に2周分巻き付け(巻き付け厚2mm)、エポキシ系接着剤にてケーブルに固定して試験体を得た。
この試験体を、図2に示したように、スラブ3(図2において、厚さt=100mm)に開けた防火区画貫通部5(図2において、貫通孔の直径D=75mm)に、テープ状成形体の巻き付け部分がスラブを均等にはみ出すように挿通させた後、図3に示したように、試験体とスラブ3との間隙にパテ4を充填して固定した。
【0070】
上記スラブに固定した試験体について、JIS A 1304に基づく壁用2時間耐火試験を行った結果、ケーブルは溶融、焼失したが、防火区画貫通部分に生じた隙間はテープ状成形体の熱膨張によって閉塞されており、非加熱側に火炎の突き抜けは観測されなかった。
【0071】
(実施例3)
ウレタン変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シェル社製「E807」)45重量部、ジアミン系硬化剤(油化シェル社製「EKFL052」)55重量部、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製「EXOLIT AP422」)100重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットGREP−EG」)50重量部、水酸化マグネシウム(協和化学社製「キスマ5B」)50重量部、及び、炭酸ストロンチウム(堺化学社製)100重量部を二軸押出機を用いて混練した後、ロール成形により離型処理したアルミ箔積層紙を積層させた2mm厚、1000mm幅、長さ20mのロールを作製した。得られたロールを輪切り機にて輪切りし、幅80mmの巻物形態のテープ状成形体を作製した。
【0072】
上記テープ状成形体を断熱被覆銅管(外径50mm、断熱層10mm)の外面に2周分巻き付け(巻き付け厚4mm)、粘着テープにて断熱被覆銅管に固定して試験体を得た。
この試験体を、図2に示したように、スラブ3(図2において、厚さt=100mm)に開けた防火区画貫通部5(図2において、貫通孔の直径D=75mm)に、テープ状成形体の巻き付け部分がスラブの非加熱面側に面合わせになるように挿通させた後、図3に示したように、試験体とスラブ3との間隙にモルタル4を充填して固定した。
【0073】
上記スラブに固定した試験体について、JIS A 1304に基づく壁用2時間耐火試験を行った結果、断熱被覆銅管の被覆材は溶融、焼失したが、防火区画貫通部分に生じた隙間はテープ状成形体の熱膨張によって閉塞されており、非加熱側に火炎の突き抜けは観測されなかった。
【0074】
【発明の効果】
本発明の防火区画貫通部の施工方法は、上述の構成からなり、防火区画貫通部に挿通された樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管が火災時に熱変形を起こしたり、焼失しても、巻き付けられたテープ状成形体が熱膨張して耐火断熱層を形成することにより、防火区画貫通部を閉塞するので、防火区画貫通部の一方の側で発生した熱、火炎、煙等が他方側へ到達するのを防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂配管にテープ状成形体を巻き付けた状態を示す模式斜視図である。
【図2】テープ状成形体を巻き付けた樹脂配管を防火区画貫通部に挿通した状態を示す模式斜視図である。
【図3】防火区画貫通部に挿通した樹脂配管の周囲にモルタルを充填した状態を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管
2 テープ状成形体
3 防火区画(スラブ)
4 モルタル、不燃材料、又はパテ
5 防火区画貫通部
D 貫通孔の直径
t 防火区画貫通部の厚み

Claims (7)

  1. 建築物の仕切り部に設けられた防火区画を貫通する樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管が挿通される防火区画貫通部の施工方法において、該樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管の防火区画貫通部分に、50kw/m2の照射熱量下で加熱したときの膨張倍率が3〜40倍の熱膨張性材料からなるテープ状成形体を巻き付けて固定した後、防火区画貫通部と樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管との間隙をモルタル、不燃材料、又はパテで埋め戻す方法であって、前記テープ状成形体が、エポキシ樹脂、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤を含有する樹脂組成物(I)からなり、それぞれの含有量が、前記樹脂成分100重量部に対して、中和処理された熱膨張性黒鉛15〜300重量部、無機充填剤30〜500重量部であり、且つ中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤の総量が200〜600重量部であるとともに、前記エポキシ樹脂に、(1)架橋点間の分子量を大きくする、(2)架橋密度を小さくする、(3)軟質分子構造を導入する、(4)可塑剤を添加する、(5)相互侵入網目(IPN)構造を導入する、(6)ゴム状粒子を分散導入する又は(7)ミクロボイドを導入する、のいずれかの方法によって柔軟性が付与されていることを特徴とする防火区画貫通部の施工方法。
  2. 建築物の仕切り部に設けられた防火区画を貫通する樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管が挿通される防火区画貫通部の施工方法において、該樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管の防火区画貫通部分に、50kw/m2の照射熱量下で加熱したときの膨張倍率が3〜40倍の熱膨張性材料からなるテープ状成形体を巻き付けて固定した後、防火区画貫通部と樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管との間隙をモルタル、不燃材料、又はパテで埋め戻す方法であって、前記テープ状成形体が、エポキシ樹脂、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤を含有する樹脂組成物(II)からなり、それぞれの含有量が、前記樹脂成分100重量部に対して、リン化合物50〜150重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛15〜300重量部、無機充填剤30〜500重量部であり、且つリン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤の総量が200〜600重量部であるとともに、前記エポキシ樹脂に、(1)架橋点間の分子量を大きくする、(2)架橋密度を小さくする、(3)軟質分子構造を導入する、(4)可塑剤を添加する、(5)相互侵入網目(IPN)構造を導入する、(6)ゴム状粒子を分散導入する又は(7)ミクロボイドを導入する、のいずれかの方法によって柔軟性が付与されていることを特徴とする防火区画貫通部の施工方法。
  3. 上記テープ状成形体を、樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管に巻き付ける際の厚みが、該樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管の外径の0.5〜20%となされ、前記テープ状成形体の幅が防火区画貫通部の厚さの25〜150%となされていることを特徴とする請求項1又は2記載の防火区画貫通部の施工方法。
  4. 上記無機充填剤が、含水無機物及び/又は金属炭酸塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防火区画貫通部の施工方法。
  5. 前記エポキシ樹脂に柔軟性を付与する方法が、前記(2)架橋密度を小さくする方法であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の防火区画貫通部の施工方法。
  6. 前記エポキシ樹脂に柔軟性を付与する方法が、前記(3)軟質分子構造を導入する方法であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の防火区画貫通部の施工方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の施工方法により施工されてなる防火区画貫通部構造。
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