JP4527911B2 - 合成耐火被覆方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は合成耐火被覆方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、床スラブを支持する金属製梁(例えばH鋼)の下部に耐火間仕切り壁を接続する際の耐火被覆方法として、例えば図6に示すように、H鋼11の床スラブ14接触面以外の三方に、耐火被覆材12(例えば、けい酸カルシウム板)を被覆し、耐火間仕切り壁13をH鋼11下部に被覆された耐火被覆材12に接触させて垂設する方法(単独被覆という)が行われてきた。
上記耐火間仕切り壁13としては、例えば、繊維混入けい酸カルシウム板が両面に装着された中空鉄骨間仕切り壁〔耐火(通)W1002〕が用いられる。
【0003】
ところで、本年6月に行われた建築基準法の改正施行に伴い、図7に示すように、耐火被覆材12が耐火間仕切り壁13の上端部を被覆するように装着されれば、H鋼11下面に耐火被覆材を配置する必要がなくなり、H鋼11の下部に直接耐火間仕切り壁13を垂設して一体化する方法(合成耐火被覆方法という)が認められるようになった。
【0004】
しかしながら、上記合成耐火被覆方法では、地震等によって建物に揺れが起こると、耐火被覆材12と耐火間仕切り壁13との接合部15に隙間が生じたり、耐火被覆材12に破損が起こる等して、火災時の耐火性能が低下するという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記に鑑み、地震等の揺れによって耐火被覆材と耐火間仕切り壁とが重なり合う部位に隙間が生じたり、耐火被覆材に破損が起こるようなことがあっても、十分な耐火性能を発現し得る合成耐火被覆方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の合成耐火被覆方法は、床スラブを支持する金属製梁の下部に接続された耐火間仕切り壁の接合部及び金属製梁に耐火被覆を施す際に、金属製梁の両側部に耐火被覆材を耐火間仕切り壁と重ね合わせて装着し、耐火被覆材の下端部と耐火間仕切り壁との重ね合わせ部に設けた間隙に熱膨張性材料からなる膨張耐火材を配置することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の合成耐火被覆方法は、金属製柱の側面に接続された耐火間仕切り壁の接合部及び金属製に耐火被覆を施す際に、金属製柱の露出側に耐火被覆材を耐火間仕切り壁と重ね合わせて装着し、耐火被覆材の側端部と耐火間仕切り壁との重ね合わせ部に設けた間隙に熱膨張性材料からなる耐火材を配置することを特徴とする。
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、請求項1記載の合成耐火被覆方法について、図1を参照しながら説明する。図中、1は床スラブ4を支持する金属製梁(H鋼等)、2は耐火被覆材、3は耐火間仕切り壁をそれぞれ示す。
上記金属製梁1の下部に耐火間仕切り壁3を接続する際に、金属製梁1の露出する両側部を耐火被覆材2,2で被覆し、さらに、耐火被覆材2,2の下端部を耐火間仕切り壁3と重ね合わせて装着する。
【0009】
上記耐火間仕切り壁3を金属製梁1に固定する方法は、従来公知の方法によって行われる。金属製梁1の長手方向全体を耐火被覆材2によって被覆する。
また、重ね合わせた部分は間仕切り壁3の上端部全体にわたって形成することが好ましい。上記耐火間仕切り壁3としては、例えばALCパネルが用いられ、耐火被覆材2には、例えばけい酸カルシウム板が用いられる。
【0010】
上記耐火被覆材2の下端部と耐火間仕切り壁3とを重ね合わせることによって、耐火間仕切り壁3の両側に生じた間隙5,5に、熱膨張性材料からなる耐火材6を配置する。
上記耐火材6は施工性の観点からシート状物が好ましく、図2に部分拡大して示したように、少なくとも間隙5のa、b又はcのいずれかの部位に配置されていればよい。また、上記シート状耐火材6の厚みは、間隙5の寸法によって適宜選択することが好ましく、上記間隙5が狭く設定される場合は薄肉のシート状耐火材6を使用し、間隙5が広く設定されている場合は厚肉のシート状耐火材6を使用することができる。
【0011】
上記耐火材6は、例えば、火災等の高温により加熱膨張して耐火断熱層(図示しない)を形成し、耐火断熱層が間隙5を閉塞して高温や火炎の侵入を阻止することによって、金属製梁1が高温になるのを防止する目的で用いられる。
【0012】
上記耐火材6は、図3に示したように、さらに金属性梁1と耐火間仕切り壁3との間にも配置されていてもよい。また、必ずしも、耐火材6は金属性梁1と耐火間仕切り壁3との間全体に配置される必要はなく、耐火性能を阻害しない範囲で部分的に配置されてもよい。
【0013】
次に、請求項2記載の合成耐火被覆方法について、図4を参照しながら説明する。図中、7は金属製柱(角パイプ等)、2は耐火被覆材、3は耐火間仕切り壁をそれぞれ示す。
上記金属製柱7の側面に耐火間仕切り壁3を接続する際に、金属製柱7の露出する両側部を耐火被覆材2,2で被覆し、さらに、耐火被覆材2,2の側端部を耐火間仕切り壁3と重ね合わせて装着する。
上記耐火間仕切り壁3を金属製梁1に固定する方法は、従来公知の方法によって行われる。金属製柱7の長手方向全体を耐火被覆材2によって被覆する。
また、重ね合わせた部分は間仕切り壁3の側端部全体にわたって形成することが好ましい。
【0014】
上記耐火被覆材2,2の側端部と耐火間仕切り壁3とを重ね合わせた部分に形成される4ケ所の間隙5,5,5,5に熱膨張性材料からなる耐火材6をそれぞれ配置する。
上記耐火材6は、少なくとも間隙5の耐火被覆材2、耐火間仕切り壁3又は金属製柱7のいずれかの部位に配置されていればよい。
耐火材6は、例えば火災時等の高温により加熱膨張して耐火断熱層(図示しない)を形成し、耐火断熱層が間隙5を閉塞して高温や火炎の侵入を阻止することによって、金属製柱7が高温になるのを防止するために用いられる。
【0015】
上記間隙5が大きくなり、貼着した耐火材6が脱落する恐れのある場合は、隙間5にシーリング材、樹脂発泡体等を充填してもよい。
【0016】
上記耐火材6は、図5に示したように、さらに金属性柱7と耐火間仕切り壁3との間にもそれぞれ配置されていてもよい。また、耐火材6は金属性柱7と耐火間仕切り壁3との間全体に配置される必要はなく、耐火性能を阻害しない範囲で部分的に配置されてもよい。
【0017】
上記熱膨張性材料は火災等の高温に曝された際に、間隙を閉塞して耐火性能を発現するものであれば、制限なく使用可能であるが、特に熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、中和処理された熱膨張性黒鉛並びに無機充填剤を含有する樹脂組成物からなるものが好ましい。
【0018】
上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質としては特に限定されず、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブテン、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ニトリルゴム等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0019】
上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。樹脂の溶融粘度、柔軟性、粘着性等の調整のため、2種以上の樹脂をブレンドしたものをベース樹脂として用いてもよい。
【0020】
上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質には、更に、耐火性材料の耐火性能を阻害しない範囲で、架橋や変性が施されてもよい。
上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質の架橋方法については、特に限定されず、熱可塑性樹脂又はゴム物質について通常行われる架橋方法、例えば、各種架橋剤や過酸化物等を使用する架橋方法、電子線照射による架橋方法などが挙げられる。
【0021】
上記中和処理された熱膨張性黒鉛とは、従来公知の物質である熱膨張性黒鉛を中和処理したものである。上記熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理することにより生成するグラファイト層間化合物であり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
【0022】
上述のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和することにより、中和処理された熱膨張性黒鉛とする。
【0023】
上記脂肪族低級アミンとしては、特に限定されず、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、特に限定されず、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
【0024】
上記中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、所定の耐火断熱層が得られず、粒度が20メッシュより大きくなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質と混練する際に分散性が悪くなり、物性の低下が避けられない。
【0025】
上記中和処理された熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、東ソー社製「フレームカットGREP−EG」、UCAR Carbon社製「GRAFGUARD」等が挙げられる。
【0026】
上記無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化けい素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」(商品名)、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0027】
上記無機充填剤としては、特に含水無機物と金属炭酸塩との併用が好ましい。
上記含水無機物及び金属炭酸塩は、骨材的な働きをすることから、加熱残渣の強度向上や熱容量増大に寄与すると考えられる。
【0028】
さらに、上記含水無機物は、加熱時の脱水反応によって生成した水のために吸熱が起こり、温度上昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、及び、加熱残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働くことにより残渣強度が向上する点で特に好ましい。中でも、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムは、脱水効果を発揮する温度領域が異なるため、併用すると脱水効果を発揮する温度領域が広くなり、より優れた温度上昇抑制効果が得られることから、併用することが好ましい。
【0029】
さらに、上記炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩は、後述するリン化合物が併用されるとリン化合物との反応で膨張を促すと考えられ、特に、リン化合物として、ポリリン酸アンモニウムを使用した場合に、高い膨張効果が得られる。また、金属炭酸塩は有効な骨材として働き、燃焼後に形状保持性の高い加熱残渣を形成する。
【0030】
上記無機充填剤の粒径としては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは、約1〜50μmである。
また、粒径の大きい無機充填剤と粒径の小さいものを組み合わせて使用することがより好ましく、組み合わせて用いることによって、樹脂組成物の力学的性能を維持したまま、高充填化することが可能となる。
【0031】
上記含水無機物の市販品としては、例えば、水酸化アルミニウムとして、粒径1μmの「ハイジライトH−42M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「ハイジライトH−31」(昭和電工社製)が挙げられる。
【0032】
上記炭酸カルシウムの市販品としては、例えば、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(白石カルシウム社製)、粒径8μmの「ホワイトンBF300」(備北粉化社製)等が挙げられる。
【0033】
上記樹脂組成物には、必要に応じてリン化合物が配合されてもよい。
上記リン化合物としては特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記一般式(1)で表される化合物等が挙げられる。これらのうち、耐火性の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム類、及び、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく、性能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウム類がより好ましい。
【0034】
【化1】
Figure 0004527911
【0035】
式中、R1 及びR3 は、水素、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を表す。R2 は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
【0036】
上記赤リンは、少量の添加で難燃効果が向上する。上記赤リンとしては、市販の赤リンを用いることができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたもの等が好適に用いられる。
【0037】
上記ポリリン酸アンモニウム類としては、特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取扱い性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。
市販品としては、例えば、クラリアント社製「EXOLIT AP422」、「EXOLIT AP462」、住友化学工業社製「スミセーフP」、チッソ社製「テラージュC60」、「テラージュC70」、「テラージュC80」等が挙げられる。
【0038】
上記一般式(1)で表される化合物としては特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。中でも、t−ブチルホスホン酸は高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。上記リン化合物は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0039】
上記樹脂組成物における中和処理された熱膨張性黒鉛との配合量は、上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して10〜350重量部が好ましい。中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量が、10重量部より少なくなると十分な熱膨張性が得られず、350重量部を超えると均一な分散が困難となるため、均一な厚みに成形することが困難となる。
【0040】
上記樹脂組成物における無機充填剤の配合量は、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して50〜500重量部が好ましい。
配合量が、50重量部未満では十分な耐火性を有する樹脂組成物が得られず、500重量部を超えると樹脂組成物の機械的物性が低下する。
【0041】
上記樹脂組成物におけるリン化合物の配合量は、少なくなると燃焼残渣に十分な形状保持性が得られず、多くなると機械的物性の低下が大きくなり、使用に耐えられなくなるので、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して50〜200重量部が好ましい。
また、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤の配合量(合計量)は、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して200〜600重量部が好ましい。
【0042】
上記樹脂組成物において、中和処理された熱膨張性黒鉛は、加熱により膨張して耐火断熱層を形成し、火炎や熱の伝達を阻止する。
リン化合物は、加熱により脱水、発泡すると共に炭化触媒として作用する。
無機充填剤は、その際に熱容量の増大に寄与し、また、リン化合物は耐火断熱層に形状保持能力を付与する。
【0043】
上記樹脂組成物には、熱膨張性材料の物性を損なわない範囲で、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料などが添加されてもよい。
【0044】
上記樹脂組成物は、上記各成分を、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、二本ロール等公知の混練装置を用いて混練することにより得ることができ、この樹脂組成物を、例えば、プレス成形、押出成形、カレンダー成形等の従来公知の成形方法により熱膨張性材料のシート状物を得ることができる。
熱膨張性材料として、自己粘着性を有するシート状物を使用することによって、間隙に貼着することが可能となり施工が容易になる。
【0045】
上記熱膨張性材料のシート状物は、600℃で10分間加熱したときの厚み方向の膨張倍率(膨張後の厚みd1/膨張前の厚みd0)は1.2倍以上であることが好ましく、加熱膨張後のかさ密度は0.5g/cm3 以下であることが好ましい。膨張倍率(d1/d0)が1.2倍未満であるか又はかさ密度が0.5g/cm3 を超えると、断熱性能が不足して、十分な耐火断熱性能を付与することができなくなる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
【0047】
(実施例1)
ブチルゴム(エクソン化学社製「ブチルゴム#065」)42重量部、ポリブテン(出光石油化学社製「ポリブテン100R」)50重量部、水添石油樹脂(トーネックス社製「エスコレッツ5320」)8重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットGREP−EG」30重量部、炭酸カルシウム(備北粉化社製「ホワイトンBF300」)150重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製「ハイジライトH−31」)50重量部、及び、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製「EXOLIT AP422」)100重量部からなる樹脂組成物を二本ロールで溶融混練した後、加熱プレス機にて2mm厚のシート状物に成形し熱膨張性材料からなる膨張耐火材を得た。
【0048】
次いで、図1に示したように、床スラブ4を支持するH鋼1(サイズ:400×200×8×13mm)の下部に、間仕切り壁3〔50mm厚ALC薄型パネル、耐火(通)W1004〕を接続し固定した後、H鋼1の露出する両側部に繊維混入けい酸カルシウム板〔耐火(通)G1111〕からなる耐火被覆材2,2を被覆した。
次に、上記耐火被覆材2,2を、その下端部を間仕切り壁3と重ね合わせ、地震による隙間を想定して、5mmずつの間隙5が間仕切り壁3の両側に形成されるように装着した後、2mm厚のシート状物に成形した耐火材6を、耐火被覆材2,2の内面に貼着することにより、耐火性能試験体(ISO耐火性能試験用)を作製した。尚、耐火材6は自己粘着性によって容易に貼着することができた。
【0049】
上記耐火性能試験体について、ISO 834に準拠して耐火性能試験を行った結果、耐火材6は膨張して間隙5を閉塞した。また、1時間加熱後におけるH鋼の平均温度は350℃以下、最高温度は450℃以下であった。
尚、ISO 834の耐火性能試験では、1時間加熱後におけるH鋼の平均温度が350℃以下、最高温度が450℃以下であることが要求される。
【0050】
(実施例2)
ブチルゴム(エクソン化学社製「ブチルゴム#065」)42重量部、ポリブテン(出光石油化学社製「ポリブテン100R」)50重量部、水添石油樹脂(トーネックス社製「エスコレッツ5320」)8重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットGREP−EG」150重量部、及び、炭酸カルシウム(備北粉化社製「ホワイトンBF300」)150重量部からなる樹脂組成物を二本ロールで溶融混練した後、加熱プレス機にて1mm厚のシート状物に成形し熱膨張性材料からなる膨張耐火材を得た。この膨張耐火材を使用したこと以外は、実施例1と同様にして耐火性能試験体を作製した。
上記耐火性能試験体について、ISO 834に準拠して耐火性能試験を行った結果、膨張耐火材は膨張して間隙を閉塞した。また、1時間加熱後におけるH鋼の平均温度は350℃以下、最高温度は450℃以下であった。
【0051】
(実施例3)
図3に示したように、実施例1で使用する試験体のH鋼1と耐火間仕切り壁3との間に、さらに実施例1と同様の2mm厚の膨張耐火材6を貼着することにより、耐火性能試験体を作製した
この耐火性能試験体について、ISO 834に準拠して耐火性能試験を行った結果、間仕切り壁3の一部が崩れ落ちたが、膨張耐火材6が膨張してH鋼1の表面を被覆していた。また、1時間加熱後におけるH鋼の平均温度は350℃以下、最高温度は450℃以下であった。
【0052】
(実施例4)
図5に示したように、金属製柱7の相対する側部に実施例1と同様の耐火間仕切り壁3,3を接合し固定した後、金属製柱7の露出する両側部を耐火被覆材2,2で被覆した。尚、金属製柱7と耐火間仕切り壁3,3との間に、実施例1と同様の2mm厚の膨張耐火材6を配置した。
次いで、上記耐火被覆材2,2の側端部と耐火間仕切り壁3とを重ね合わせた部分に形成される4ケ所の間隙5,5,5,5(隙間幅5mm)に、実施例1と同様の2mm厚の膨張耐火材6を貼着することにより、耐火性能試験体を作製した。
【0053】
この耐火性能試験体について、ISO 834に準拠して耐火性能試験を行った結果、間仕切り壁3の一部が崩れ落ちたが、膨張耐火材6が膨張して金属性柱7の表面を被覆していた。また、1時間加熱後におけるH鋼の平均温度は350℃以下、最高温度は450℃以下であった。
【0054】
(比較例)
間隙に膨張耐火材を全く配置しなかったこと以外は、実施例1と同様に耐火性能試験体を作製した。
上記耐火性能試験体について、ISO 834に準拠して耐火性能試験を行った結果、隙間から侵入した火炎がH鋼と直接接触したため、1時間加熱後におけるH鋼の平均温度は350℃を超え、最高温度も450℃を超えた。
【0055】
【発明の効果】
本発明の合成耐火被覆方法は、上述の構成であり、耐火被覆材と耐火間仕切り壁とが重なり合う部位に設けられた間隙に、熱膨張性材料からなる耐火材を配置することにより、衝撃等によって間隙が大きくなったり、耐火被覆材が破損するようなことがあっても、加熱時に耐火材が膨張して間隙を閉塞するため、十分な耐火性能を発現する。
さらに、
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成耐火被覆方法の一例を示す模式縦断面図である。
【図2】耐火材の配置部位を拡大して示す模式縦断面図である。
【図3】実施例3の耐火性能試験体を示す模式横断面図である。
【図4】本発明の合成耐火被覆方法の他の一例を示す模式横断面図である。
【図5】実施例4の耐火性能試験体を示す模式横断面図である。
【図6】従来の単独被覆方法を示す模式縦断面図である。
【図7】従来の合成被覆方法を示す模式縦断面図である。
【符号の説明】
1,11 梁
2,12 耐火被覆材
3,13 耐火間仕切り壁
4,14 床スラブ
5 間隙
6 耐火材
7 柱
15 接合部

Claims (4)

  1. 床スラブを支持する金属製梁の下部に接続された耐火間仕切り壁の接合部及び金属製梁に耐火被覆を施す際に、金属製梁の両側部に耐火被覆材を耐火間仕切り壁と重ね合わせて装着し、耐火被覆材の下端部と耐火間仕切り壁との重ね合わせ部に設けた間隙に熱膨張性材料からなる耐火材を配置することを特徴とする合成耐火被覆方法。
  2. 金属製柱の側面に接続された耐火間仕切り壁の接合部及び金属製に耐火被覆を施す際に、金属製柱の露出側に耐火被覆材を耐火間仕切り壁と重ね合わせて装着し、耐火被覆材の側端部と耐火間仕切り壁との重ね合わせ部に設けた間隙に熱膨張性材料からなる耐火材を配置することを特徴とする合成耐火被覆方法。
  3. さらに金属梁又は金属製柱と耐火間仕切り壁との間に熱膨張性材料からなる耐火材を配置することを特徴とする請求項1又は2に記載の合成耐火被覆方法。
  4. 熱膨張性材料が、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、中和処理された熱膨張性黒鉛並びに無機充填剤を含有する樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の合成耐火被覆方法。
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