JP2000055244A - 防火区画貫通部材 - Google Patents

防火区画貫通部材

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JP2000055244A
JP2000055244A JP10220634A JP22063498A JP2000055244A JP 2000055244 A JP2000055244 A JP 2000055244A JP 10220634 A JP10220634 A JP 10220634A JP 22063498 A JP22063498 A JP 22063498A JP 2000055244 A JP2000055244 A JP 2000055244A
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fire
heat
weight
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acid
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JP10220634A
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Masaki Tono
正樹 戸野
Bunji Yamaguchi
文治 山口
Norio Numata
憲男 沼田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L5/00Devices for use where pipes, cables or protective tubing pass through walls or partitions
    • F16L5/02Sealing
    • F16L5/04Sealing to form a firebreak device

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Insulation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防火区画貫通部を貫通して施工された配管に
嵌め込まれて使用され、配管が、火災時に変形したり、
焼失するようことがあっても、仕切り部の一方の側で発
生した熱、火炎、煙等が他方側へ到達するのを防止する
防火区画貫通部材を提供する。 【解決手段】 建築物の仕切り部に形成された防火区画
貫通部を貫通する配管が挿通される防火区画貫通部材で
あって、該防火区画貫通部材が、熱膨張性材料からなる
筒状成形体から形成され、該筒状成形体の厚みが前記配
管外径の1〜20%となされ、該筒状成形体の長さが前
記防火区画貫通部の厚さの50〜150%となされてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の仕切り部
に形成された防火区画貫通部を貫通する配管に嵌め込ま
れて使用される防火区画貫通部材に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、建築物の床、壁、間仕切り等の仕
切り部には、配管等を貫通させるための貫通孔(区画貫
通部)を設け、この区画貫通部に配管(電線管、排水
管、ダクト等)を貫通させる。この区画貫通部が防火区
画貫通部の場合は、配管との隙間には、防耐火のため充
填材を充填して閉塞するための防火措置工法が行われて
いる。上記充填材による隙間の閉塞は、仕切り部の一方
の側で発生した火災による熱、火炎、煙等が他方の側へ
到達するのを遅らせたり、防止するために必要な措置で
ある。
【0003】上記充填材としては、例えば、モルタル等
の液状のものを充填後に硬化させるタイプ:固体状の詰
め物タイプとが挙げられる。上記詰め物タイプの充填材
として、例えば、熱膨張性基材、セラミックファイバー
等の耐熱性繊維及び結合剤からなる、熱膨張性の弾性充
填材等が使用されている。
【0004】上記配管材が金属管等のそれ自体に耐熱
性、不燃性を有する場合は、防火区画貫通部に従来の防
火措置工法を採用しても特に問題はないが、配管材が硬
質塩化ビニル管等の合成樹脂管の場合は、上記防火措置
工法を採用すると、配管材自体が燃焼性であったり、耐
熱性に劣るため、火災時に配管材が燃焼によて消失した
り、熱変形を起こしたりして防火区画貫通部に隙間が形
成されるため、仕切り部の一方の側で発生した熱、火
炎、煙等が他方側へ到達するのを防止することができな
かった。
【0005】また、充填材等の従来の閉塞材料では10
0mmφ以上の大口径管を閉塞することはできなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
に鑑み、防火区画貫通部を貫通して施工された配管に嵌
め込まれて使用され、配管が火災時に変形したり、焼失
するようことがあっても、仕切り部の一方の側で発生し
た熱、火炎、煙等が他方側へ到達するのを防止する防火
区画貫通部材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の防火区画貫通部
材は、建築物の仕切り部に形成された防火区画貫通部を
貫通する配管が挿通される防火区画貫通部材であって、
該防火区画貫通部材が、熱膨張性材料からなる筒状成形
体から形成され、該筒状成形体の厚みが前記配管外径の
1〜20%となされ、該筒状成形体の長さが前記防火区
画貫通部の厚さの50〜150%となされていることを
特徴とする。
【0008】本発明の防火区画貫通部材は、熱膨張性材
料からなる筒状成形体から形成される。上記筒状成形体
の厚みは、該筒状成形体を貫通する配管径の1〜20%
に制限される。厚みが、配管径の1%未満では火災時に
十分な耐火断熱層が形成されず、20%を超えると火災
時に耐火断熱層が十分に膨張しなくなるため、断熱性が
低下する。
【0009】上記筒状成形体の長さは、防火区画貫通部
の(スラブ)厚さの50〜150%に制限される。厚み
が、防火区画貫通部の厚さの50%未満では火災時に十
分な耐火断熱層が形成されず、20%を超えると火災時
に耐火断熱層が十分に膨張しなくなるため、断熱性が低
下する。
【0010】上記熱膨張性材料は、エポキシ樹脂、リン
化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤を
含有する樹脂組成物から形成されるものが好ましい。
【0011】上記樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂
は、特に限定されないが、基本的にはエポキシ基をもつ
モノマーと硬化剤を反応させることにより得られる。上
記エポキシ基をもつモノマーとしては、2官能のグリシ
ジルエーテル型、グリシジルエステル型、多官能のグリ
シジルエーテル型等のモノマーが例示される。
【0012】上記2官能のグリシジルエーテル型のモノ
マーとしては、例えば、ポリエチレングリコール型、ポ
リプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール
型、1、6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロ
パン型、プロピレンオキサイド−ビスフェノールA型、
水添ビスフェノールA型等のモノマーが例示される。
【0013】上記グリシジルエステル型のモノマーとし
ては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒ
ドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香
酸型等のモノマーが例示される。
【0014】上記多官能のグリシジルエーテル型のモノ
マーとしては、例えば、フェノールノボラック型、オル
ソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、ジシ
クロペンタジエン・フェノール型等のモノマーが例示さ
れる。
【0015】これらのエポキシ基をもつモノマーは、単
独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0016】上記硬化剤としては、重付加型又は触媒型
のものが用いられる。重付加型の硬化剤としては、例え
ば、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメル
カプタン等が例示される。また、上記触媒型の硬化剤と
しては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、ルイス
酸錯体等が例示される。
【0017】上記エポキシ樹脂の硬化方法は、特に限定
されず、公知の方法によって行うことができる。
【0018】上記リン化合物としては特に限定されず、
例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレ
ジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホ
スフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金
属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記一般式(1)で
表される化合物等が挙げられる。これらのうち、耐火性
の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム類、及
び、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく、さ
らに、性能、安全性、コスト等の面から、ポリリン酸ア
ンモニウム類がより好ましい。
【0019】
【化1】
【0020】式中、R1 ,R3 は、水素、炭素数1〜1
6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数
6〜16のアリール基を表す。R2 は、水酸基、炭素数
1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数
1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭
素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のア
リールオキシ基を表す。
【0021】上記赤リンは、少量の添加で難燃効果が向
上する。赤リンとしては、市販の赤リンを用いることが
できるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全性
の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングした
もの等が好適に用いられる。
【0022】上記ポリリン酸アンモニウム類としては、
特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メ
ラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、
特に難燃性、安全性、コスト等の点からポリリン酸アン
モニウムが好適に用いられる。市販品としては、例え
ば、クラリアント社製「AP422」、「AP46
2」;住友化学社製「スミセーフP」;チッソ社製「テ
ラージュC60」、「テラージュC70」、「テラージ
ュC80」等が挙げられる。
【0023】上記一般式(1)で表される化合物として
は特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチル
ホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチ
ルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン
酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホ
ン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチル
ホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニル
ホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホ
スフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホ
スフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフ
ィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホ
スフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン
酸等が挙げられる。なかでも、t−ブチルホスホン酸
は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。
【0024】上記リン化合物は、単独で用いられてもよ
く、2種以上が併用されてもよい。
【0025】上記中和処理された熱膨張性黒鉛とは、従
来公知の物質である熱膨張性黒鉛を中和処理したもので
ある。上記熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱
分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、
濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素
酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸
化水素等の強酸化剤とで処理することにより生成するグ
ラファイト層間化合物であり、炭素の層状構造を維持し
たままの結晶化合物である。
【0026】上述のように酸処理して得られた熱膨張性
黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和すること
により、上記中和処理された熱膨張性黒鉛が得られる。
【0027】上記脂肪族低級アミンとしては特に限定さ
れず、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチ
ルアミン等が挙げられる。
【0028】上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類
金属化合物としては特に限定されず、例えば、カリウ
ム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム
等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が
挙げられる。
【0029】上記中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度
は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が、200
メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、所
定の耐火断熱層が得られず、また、20メッシュより大
きくなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はある
が、樹脂分と混練する際に分散性が悪くなり、物性の低
下が避けられない。
【0030】上記中和処理された熱膨張性黒鉛の市販品
としては、例えば、日本化成社製「CA−60S」、東
ソー社製「GREP−EG」、UCAR Carbon
社製「GRAFGUARD#160」、「GRAFGU
ARD#220」等が挙げられる。
【0031】上記無機充填剤としては特に限定されず、
例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チ
タン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸
化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーンナイト、ハイドロ
タルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊
維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モン
モリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライ
ト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビ
ーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ
素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭
素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸
カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」(商品名)、チ
タン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリ
ブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各
種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が
挙げられる。
【0032】一般的に、上記無機充填剤は、骨材的な働
きをすることから、残渣強度の向上や熱容量の増大に寄
与すると考えられる。上記無機充填剤は、単独で用いら
れてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0033】上記無機充填剤の粒径としては、0.5〜
200μmが好ましく、より好ましくは1〜50μmで
ある。無機充填剤は、添加量が少ないときは、分散性が
性能を大きく左右するため粒径の小さいものが好ましい
が、0.5μm未満では二次凝集が起こり、分散性が悪
くなる。上記無機充填剤の添加量が多いときは、高充填
が進むにつれて、樹脂組成物粘度が高くなり成形性が低
下するが、粒径を大きくすることで樹脂組成物の粘度を
低下させることができる点から、上記範囲のなかでも粒
径の大きいものが好ましい。粒径が200μmを超える
と、成形体の表面性、樹脂組成物の力学的物性が低下す
る。
【0034】上記無機充填剤の中で、特に水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム等の含水無機物は、加熱時
の脱水反応によって生成した水のために吸熱が起こり、
温度上昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、及び、
加熱残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働
くことで残渣強度が向上する点で特に好ましい。水酸化
マグネシウムと水酸化アルミニウムは、脱水効果を発揮
する温度領域が異なるため、併用すると脱水効果を発揮
する温度領域が広がり、より効果的な温度上昇抑制効果
が得られることから、併用することが好ましい。
【0035】上記含水無機物の粒径は、小さくなると嵩
が大きくなって高充填化が困難となるので、脱水効果を
高めるために高充填するには粒径の大きなものが好まし
い。具体的には、粒径が18μmでは、1.5μmの粒
径に比べて充填限界量が約1.5倍程度向上することが
知られている。さらに、粒径の大きいものと小さいもの
とを組合わせることによって、より高充填化が可能とな
る。
【0036】上記炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭
酸塩は、上記リン化合物としてポリリン酸アンモニウム
を使用した場合、ポリリン酸アンモニウムとの反応で膨
張を促進すると考えられる。また、有効な骨材として働
き、燃焼後に形状保持性の高い残渣を形成する。
【0037】上記無機充填剤の市販品では、例えば、水
酸化アルミニウムとして、粒径1μmの「H−42M」
(昭和電工社製)、粒径18μmの「H−31」(昭和
電工社製);炭酸カルシウムとして、粒径1.8μmの
「ホワイトンSB赤」(白石カルシウム社製)、粒径8
μmの「BF300」(白石カルシウム社製)等が挙げ
られる。また、粒径の大きい無機充填剤と粒径の小さい
ものを組み合わせて使用することがより好ましく、組み
合わせることによって、さらに高充填化が可能となる。
【0038】上記樹脂組成物において、リン化合物の含
有量は、エポキシ樹脂100重量部に対して50〜15
0重量部である。リン化合物の含有量が、50重量部未
満では十分な形状保持性が得られず、150重量部を超
えると機械的物性の低下が大きく使用に耐えられなくな
る。
【0039】上記樹脂組成物において、中和処理された
熱膨張性黒鉛の含有量は、エポキシ樹脂100重量部に
対して15〜40重量部である。中和処理された熱膨張
性黒鉛の含有量が、15重量部未満では十分な熱膨張性
が得られず、40重量部を超えると機械的物性がの低下
が大きく使用に耐えられなくなる。
【0040】上記樹脂組成物において、無機充填剤の含
有量は、エポキシ樹脂100重量部に対して30〜50
0重量部である。中和処理された無機充填剤の含有量
が、30重量部未満では十分な耐火性能が得られず、5
00重量部を超えると機械的物性がの低下が大きく使用
に耐えられなくなる。
【0041】上記樹脂組成物において、リン化合物、中
和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤の合計量は、
エポキシ樹脂100重量部に対して200〜600重量
部である。合計量が、200重量部未満では加熱後の残
渣量が不十分となり、十分な耐火性が得られず、600
重量部を超えると機械的物性の低下が大きく、使用に耐
えられなくなる。
【0042】上記中和処理された熱膨張性黒鉛とリン化
合物とを組合わせることによって、燃焼時の膨張性黒鉛
の飛散を抑え、形状保持性の向上を図ることができる。
上記耐火性樹脂組成物において、熱膨張性黒鉛が多すぎ
ると、燃焼時に膨張して黒鉛が飛散して加熱時に十分な
膨張断熱層が得られず、逆にリン化合物が多くなっても
加熱時に十分な膨張断熱層が得られないため、熱膨張性
黒鉛とリン化合物との重量比は、9:1〜1:100が
好ましい。
【0043】上記樹脂組成物には、その物性を損なわな
い範囲で、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化
防止剤の他、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋
剤、滑剤、軟化剤、顔料等が添加されてもよい。
【0044】上記樹脂組成物は、上記各成分を、バンバ
リーミキサー、ニーダーミキサー、二本ロール等公知の
混練装置を用いて混練することにより得ることができ
る。得られた樹脂組成物は、例えば、プレス型に充填し
て加熱硬化させることにより、筒状成形体に成形するこ
とができる。
【0045】本発明の防火区画貫通部材は、配管の外側
に嵌め込まれた後防火区画貫通部に配置され、該防火区
画貫通部材と防火区画貫通部との隙間にモルタル等を充
填することにより密閉、固定される。上記防火区画貫通
部材の長さが、防火区画貫通部の(スラブ)厚さより短
い場合は防火区画貫通部の厚さ方向に均等になるように
配置することが好ましく、また、防火区画貫通部の(ス
ラブ)厚さより長い場合は両端への突出部が部分が均等
になるように配置することが好ましい。
【0046】
【作用】本発明の防火区画貫通部材は、その中に挿通さ
れた配管が火災時に焼失したり、熱変形を起こして隙間
を形成しても、防火区画貫通部材自体が膨張して隙間を
閉塞するので、防火区画貫通部の一方の側で発生した
熱、火炎、煙等が他方側へ到達するのを防止することが
できる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0048】(実施例1)エポキシ樹脂(油化シェル社
製「E807」)40重量部、ジアミン系硬化剤(油化
シェル社製「EKFL052」)60重量部、t−ブチ
ルホスホン酸45重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛
20重量部、及び、水酸化アルミニウム200重量部を
含有する樹脂組成物を、プレス型に投入し100℃で3
0分間加熱硬化させて、厚み1.5mm、内径102m
m、長さ70mmの防火区画貫通部材〔図1(イ)及び
(ロ)参照〕を作製した。この防火区画貫通部材内に、
外径100mmの硬質塩化ビニル管を挿通して試験体と
し、この試験体を図2に示したように、100mm厚の
スラブに開けた直径約125mmの孔に差し込み、試験
体とスラブとの間隙にモルタルを充填して固定した。
【0049】(実施例2)実施例1と同様の樹脂組成物
を、プレス型に投入し100℃で30分間加熱硬化させ
て、厚み3mm、内径152mm、長さ120mmの防
火区画貫通部材を作製した。この防火区画貫通部材内
に、外径150mmの硬質塩化ビニル管を挿通して試験
体とし、この試験体を図3に示したように、100mm
厚のスラブに開けた直径約180mmの孔に差し込み、
試験体とスラブとの間隙にモルタルを充填して固定し
た。
【0050】上記スラブに差し込んで固定した試験体に
つき、JIS A 1304に準拠して2時間耐火試験
を行った。図2及び3のA点を所定の温度で加熱した
後、B点の温度を測定したところ、実施例1では200
℃、実施例2では220℃であった。
【0051】
【発明の効果】本発明の防火区画貫通部材は、上述の構
成であり、その中に挿通された配管が火災時に焼失した
り、熱変形を起こしても、防火区画貫通部材自体が膨張
して耐火断熱層を形成することにより、防火区画貫通部
が閉塞されるので、防火区画貫通部の一方の側で発生し
た熱、火炎、煙等が他方側へ到達するのを防止する。特
に、本発明の防火区画貫通部材は配管が合成樹脂管等の
燃焼や熱変形を起こし易い場合に、好適に使用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(イ)は防火区画貫通部材を模式的に示し
た正面図であり、図1(ロ)は防火区画貫通部材を模式
的に示した側面図である。
【図2】実施例1の耐火試験の方法を示す模式的断面図
である。
【図3】実施例2の耐火試験の方法を示す模式的断面図
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の仕切り部に形成された防火区画
    貫通部を貫通する配管が挿通される防火区画貫通部材で
    あって、該防火区画貫通部材が、熱膨張性材料からなる
    筒状成形体から形成され、該筒状成形体の厚みが前記配
    管外径の1〜20%となされ、該筒状成形体の長さが前
    記防火区画貫通部の厚さの50〜150%となされてい
    ることを特徴とする防火区画貫通部材。
  2. 【請求項2】 上記筒状成形体が、エポキシ樹脂100
    重量部に対して、リン化合物が50〜150重量部、中
    和処理された熱膨張性黒鉛15〜40重量部、及び無機
    充填剤30〜500重量部からなり、前記リン化合物、
    中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤の合計量2
    00〜600重量部を含有する樹脂組成物から形成され
    ることを特徴とする請求項1記載の防火区画貫通部材。
JP10220634A 1998-08-04 1998-08-04 防火区画貫通部材 Pending JP2000055244A (ja)

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