JP4320108B2 - 壁構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐火性能を有する壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、3階建以上の建築物(共同住宅、病院、ホテル、下宿等)については、建築基準法に基づき所定の耐火性能を有する耐火構造とする必要があり、このような耐火構造では、天井材、間仕切り壁、床材等に耐火性を有する材料や構造体が用いられている。
【0003】
上記間仕切り壁としては、例えば、図7に模式断面図を示したように、天井面11と床面12とにそれぞれ取り付けられたランナー13,13間にスタッド14(金属製角パイプ等)を配置し、スタッド14の両側にタッピンネジ(図示しない)等を用いて防耐火被覆材15,15をそれぞれ装着した壁構造が用いられている。ランナー13は、ランナー固定用金具16を用いて天井面11、床面12にそれぞれ固定されており、スタッド14は上下の端部をランナー13のコ字状部に嵌合させて固定される。
【0004】
上記壁構造では、施工上から天井面11と防耐火被覆材15との間に間隙19が生じることは避けられず、このような隙間19から火災時に火炎が侵入するのを防止するため、この間隙19にロックウール17及びシーリング材18(アクリル系シールング材)を充填して耐火性能を付与している。
しかしながら、上記ロックウール及びシーリング材を充填することは、施工上から非常に面倒な作業であるばかりでなく、火災時の高温によってランナー部及び間仕切り壁が熱変形して隙間が大きくなると、十分な耐火性能を発現しなくなる恐れがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記に鑑み、天井面又は床面との間隙から火炎が侵入するのを確実に防止可能な耐火性能が付与された壁構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1記載の壁構造は、天井面と床面との間に防耐火被覆材を配設して形成される壁構造において、防耐火被覆材が、天井面と床面とにそれぞれ取り付けられたランナー間に挿着した下地材を介して相互に相対するように装着され、少なくともランナーと天井面との接合部に加熱によって耐火断熱層を形成する熱膨張性耐火シートが挿入されてなることを特徴とする。
【0007】
本願の請求項2記載の壁構造は、天井面と床面との間に防耐火被覆材を配設して形成される壁構造において、防耐火被覆材が、天井面と床面とにそれぞれ取り付けられたランナー間で相互に相対するように装着され、少なくともランナーと天井面との接合部に加熱によって耐火断熱層を形成する熱膨張性耐火シートが挿入されてなることを特徴とする。
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の壁構造は、図1に模式断面図を示したように、天井面1と床面2との間に2枚の防耐火被覆材5,5が相互に相対して配設された構成を有する。
上記壁構造は、天井面1と床面2とにそれぞれ取り付けられたランナー3,3間に下地材(スタッド)4を挿着し、該下地材(スタッド)4の両側で、防耐火被覆材5,5が相互に相対するように装着することにより形成される。
【0009】
上記ランナー3は、図1に示したように、ランナー固定金具6(例えば、ボルト)によって天井面1及び床面2にそれぞれ取り付けられる。
上記下地材(スタッド)4としては、一般に鋼製の角パイプ、C型鋼等が用いられ、例えば下地材(スタッド)4の両端を天井面1と床面2の両方のランナー3,3のコ字状部にそれぞれ挿着することによって、ランナー3に固定する。
上記防耐火被覆材5,5は、例えばタッピンねじを使用して(図示しない)下地材(スタッド)4に締着することによって、下地材(スタッド)4の両側に装着される。
【0010】
本発明の壁構造では、天井面1に取り付けられたランナー3と天井面1との接合部Sに熱膨張性耐火シート7が挿入され、さらに、防耐火被覆材5と天井面1との隙間には、シール材(例えばアクリル系のもの)が充填される。
上記熱膨張性耐火シート7は、火災等の加熱によって膨張して燃焼残渣を形成し、この燃焼残渣が耐火断熱層となることで、耐火性能を発現して火炎の侵入を防止する。また、火災時の高温によってランナー3及び防耐火被覆材5が熱変形して隙間が大きくなるようなことがあった場合でも、熱膨張性耐火シート7が膨張して形成した燃焼残渣によってこの間隙を充填されるため、十分な耐火性能を発現する。
【0011】
上記熱膨張性耐火シート7は、少なくとも天井面1に取り付けられたランナー3と天井面1との接合部Sに配置されていればよく、必要に応じて床面2に取り付けられたランナー3と床面2との接合部Sにも配置される。
熱膨張性耐火シート7を、天井面1と床面2との両方の接合部S,Sに取り付けることによって、天井面1から床面2への騒音の固体伝搬が低減されるため、遮音性能が向上する。
【0012】
図2(イ)又は(ロ)に示したように、断面L字状のランナー3を使用する場合、上記熱膨張性耐火シート7は一枚物又は2分割された物のいずれを使用してもよい。
【0013】
上記下地材(スタッド)4は、図3(イ)に示したように、2枚の防耐火被覆材5,5と同時に接するように略等間隔で設けられるもの、図3(ロ)に示したように、2枚の防耐火被覆材5,5にそれぞれ別々に接するように相対向して設けられるもの、図3(ハ)に示したように、2枚の防耐火被覆材5,5にそれぞれ別々に接するように千鳥状に設けられるもの等、その配置方法は任意である。
【0014】
上記防耐火被覆材としては、例えば図4(イ)又は図4(ロ)に断面形状を示したように、片面に防耐火被覆材を補強するためのリブRが設けられたものを使用する場合は、下地材(スタッド)を使用せずに、天井面と床面とのランナー間に装着することができる。
【0015】
上記相対する防耐火被覆材間には、耐火性及び遮音性の向上を目的として、無機系断熱材が充填されてもよい。
【0016】
上記熱膨張性耐火シートとしては、火災等の加熱により耐火断熱層を形成して耐火性能を発現し、50kW/m2 の熱量を30分間照射したときの厚み変化 (照射後の厚みD1/照射前の厚みD0)が、3〜100倍の範囲にあるものが好ましい。
【0017】
上記熱膨張性耐火シートの照射前後における厚み変化(D1/D0)が、3倍未満では耐火性能が不十分であり、100倍を超えると加熱により膨張して形成された耐火断熱層の強度が低下し、崩れ易くなる。
【0018】
上記熱膨張性耐火シートとしては、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質並びに熱膨張性無機物を含有する樹脂組成物(I)、又は、エポキシ樹脂並びに熱膨張性無機物を含有する樹脂組成物(II)から形成されるものを使用することが好ましい。熱膨張性無機物としては、例えば、中和処理された熱膨張性黒鉛、バーミキュライト等が挙げられる。
【0019】
上記樹脂組成物(I)としては、特に熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、中和処理された熱膨張性黒鉛並びに無機充填剤からなるものが好ましい。
【0020】
上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質としては特に限定されず、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブテン、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ニトリルゴム等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0021】
上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。樹脂の溶融粘度、柔軟性、粘着性等の調整のため、2種以上の樹脂をブレンドしたものをベース樹脂として用いてもよい。
【0022】
上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質には、更に、本発明における熱膨張性耐火シートの耐火性能を阻害しない範囲で、架橋や変性が施されてもよい。
上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質の架橋方法については特に限定されず、熱可塑性樹脂又はゴム物質について通常行われる架橋方法、例えば、各種架橋剤や過酸化物等を使用する架橋方法、電子線照射による架橋方法などが挙げられる。
【0023】
上記中和処理された熱膨張性黒鉛とは、従来公知の物質である熱膨張性黒鉛を中和処理したものである。上記熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理することにより生成するグラファイト層間化合物であり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
【0024】
上述のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和することにより、中和処理された熱膨張性黒鉛とする。
【0025】
上記脂肪族低級アミンとしては、特に限定されず、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、特に限定されず、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
【0026】
上記中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、所定の耐火断熱層が得られず、粒度が20メッシュより大きくなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質と混練する際に分散性が悪くなり、物性の低下が避けられない。
【0027】
上記中和処理された熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、東ソー社製「フレームカットGREP−EG」、UCAR Carbon社製「GRAFGUARD」等が挙げられる。
【0028】
上記無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化けい素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」(商品名)、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0029】
上記無機充填剤としては、特に含水無機物と金属炭酸塩との併用が好ましい。
上記含水無機物及び金属炭酸塩は、骨材的な働きをすることから、残渣強度の向上や熱容量の増大に寄与すると考えられる。
【0030】
さらに、上記含水無機物は、加熱時の脱水反応によって生成した水のために吸熱が起こり、温度上昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、及び、加熱残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働くことで残渣強度が向上する点で特に好ましい。中でも、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムは、脱水効果を発揮する温度領域が異なるため、併用すると脱水効果を発揮する温度領域が広くなり、より効果的な温度上昇抑制効果が得られることから、併用することが好ましい。
【0031】
さらに、上記炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩は、後述するリン化合物が併用されるとリン化合物との反応で膨張を促すと考えられ、特に、リン化合物として、ポリリン酸アンモニウムを使用した場合に、高い膨張効果が得られる。また、有効な骨材として働き、燃焼後に形状保持性の高い残渣を形成する。
【0032】
上記無機充填剤の粒径としては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは、約1〜50μmである。
また、粒径の大きい無機充填剤と粒径の小さいものを組み合わせて使用することがより好ましく、組み合わせて用いることによって、シートの力学的性能を維持したまま、高充填化することが可能となる。
【0033】
上記含水無機物の市販品としては、例えば、水酸化アルミニウムとして、粒径1μmの「ハイジライトH−42M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「ハイジライトH−31」(昭和電工社製)が挙げられる。
【0034】
上記炭酸カルシウムの市販品としては、例えば、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(白石カルシウム社製)、粒径8μmの「ホワイトンBF300」(備北粉化社製)等が挙げられる。
【0035】
上記樹脂組成物(I)には、リン化合物が配合されてもよい。
上記リン化合物としては特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記一般式(1)で表される化合物等が挙げられる。これらのうち、耐火性の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム類、及び、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく、性能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウム類がより好ましい。
【0036】
【化1】
Figure 0004320108
【0037】
式中、R1 及びR3 は、水素、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を表す。R2 は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
【0038】
上記赤リンは、少量の添加で難燃効果が向上する。上記赤リンとしては、市販の赤リンを用いることができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたもの等が好適に用いられる。
【0039】
上記ポリリン酸アンモニウム類としては特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取扱い性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。
市販品としては、例えば、クラリアント社製「EXOLIT AP422」、「EXOLIT AP462」、住友化学工業社製「スミセーフP」、チッソ社製「テラージュC60」、「テラージュC70」、「テラージュC80」等が挙げられる。
【0040】
上記一般式(1)で表される化合物としては特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。中でも、t−ブチルホスホン酸は高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。上記リン化合物は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0041】
上記樹脂組成物(I)における中和処理された熱膨張性黒鉛との配合量は、上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して20〜500重量部が好ましい。中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量が、20重量部より少なくなると十分な熱膨張性が得られず、500重量部を超えると均一な分散が困難となるため、均一な厚みに成形することが困難となる。
【0042】
上記樹脂組成物(I)における無機充填剤の配合量は、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して50〜500重量部が好ましい。
配合量が、50重量部未満では十分な耐火性を有する耐火膨張性シートが得られず、500重量部を超えると耐火膨張性シートの機械的物性が低下する。
【0043】
上記エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物(II)としては、特にエポキシ樹脂、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤からなるものが好ましい。
【0044】
上記エポキシ樹脂は、特に限定されないが、基本的にはエポキシ基をもつモノマーと硬化剤とを反応させることにより得られる。
上記エポキシ基をもつモノマーとしては、例えば、2官能のグリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、多官能のグリシジルエーテル型等のモノマーが例示される。
【0045】
上記2官能のグリシジルエーテル型のモノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール型、1、6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロパン型、プロピレンオキサイド−ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型等のモノマーが例示される。
【0046】
上記グリシジルエステル型のモノマーとしては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香酸型等のモノマーが例示される。
【0047】
上記多官能のグリシジルエーテル型のモノマーとしては、例えば、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエン・フェノール型等のモノマーが例示される。
【0048】
これらのエポキシ基をもつモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0049】
上記硬化剤としては、重付加型又は触媒型のものが用いられる。
重付加型の硬化剤としては、例えば、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等が例示される。また、上記触媒型の硬化剤としては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、ルイス酸錯体等が例示される。
【0050】
上記エポキシ樹脂の硬化方法は、特に限定されず、公知の方法によって行うことができる。
【0051】
上記樹脂組成物(II)において使用される中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤としては、樹脂組成物(I)で使用されるものと同様の成分が用いられる。
【0052】
上記樹脂組成物(II)において、中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量が、少なくなると十分な熱膨張性が得られず、多くなると機械的物性の低下が大きくなり、使用に耐えられなくなるので、エポキシ樹脂100重量部に対して15〜300重量部が好ましい。
【0053】
上記樹脂組成物(II)において、無機充填剤の配合量が、少なくなると十分な耐火性能が得られず、多くなると機械的物性の低下が大きくなり、使用に耐えられなくなるので、エポキシ樹脂100重量部に対して50〜500重量部が好ましい。
【0054】
上記樹脂組成物(II)には、樹脂組成物(I)で使用されるものと同様のリン化合物が配合されてもよい。
【0055】
上記樹脂組成物(II)において、リン化合物の配合量が、少なくなると燃焼残渣に十分な形状保持性が得られず、多くなると機械的物性の低下が大きくなり、使用に耐えられなくなるので、エポキシ樹脂100重量部に対して50〜150重量部が好ましい。
【0056】
上記樹脂組成物(II)では、樹脂としてエポキシ樹脂を使用することによって、樹脂自身が燃焼時にチャー(炭化)層を形成し、形状を保持するのに十分強固な耐火断熱層を形成する。
【0057】
上記樹脂組成物(I)及び(II)において、中和処理された熱膨張性黒鉛は、加熱により膨張して耐火断熱層を形成し、火炎や熱の伝達を阻止する。加熱によりリン化合物は、脱水、発泡すると共に炭化触媒として作用する。
無機充填剤は、その際に熱容量の増大に寄与し、また、リン化合物は膨張断熱層の形状保持能力を有する。
【0058】
上記樹脂組成物(I)及び(II)には、その物性を損なわない範囲で、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料などが添加されてもよい。
【0059】
上記樹脂組成物(I)及び(II)は、上記各成分を、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、二本ロール等公知の混練装置を用いて混練することにより得ることができる。この樹脂組成物を、例えば、プレス成形、押出成形、カレンダー成形等の従来公知の成形方法により、熱膨張性耐火シートに成形することができる。
【0060】
上記熱膨張性耐火シートの厚みは、0.1〜5mmが好ましい。
厚みが、0.1mm未満になると熱膨張によって十分な厚みの耐火断熱層が形成されないため、防・耐火性能が不十分となり、5mmを超えると重量が重くなると共に、燃焼時に形成される耐火断熱層の厚みが必要以上に厚くなり過ぎて過剰品質となる。
【0061】
上記防耐火被覆材としては、例えば、石膏ボード、スレート板、ケイ酸カルシウム板、ALC板、PC板、セラミック板、コンクリート板、含水無機物含有ボード、木片セメント板等が用いられ、これらが複合されたものであってもよい。特にスレート板は、軽量で強度が高いことから好ましい。
【0062】
上記防耐火被覆材の厚みは、5〜50mmが好ましい。
厚みが、5mm未満になると補助断熱効果及び補強効果が不足し、50mmを超えると、重量が重くなり取扱い性が悪くなる。
【0063】
上記無機系断熱材としては、例えば、ロックウール、グラスウール、セラミックブランケット、ガラスマット等が用いられる。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
【0065】
熱膨張性耐火シートの調製
表1に示した配合量の、ブチルゴム、ポリブテン、エポキシ樹脂、水添石油樹脂、中和処理された熱膨張性黒鉛、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム及びポリリン酸アンモニウムからなる樹脂組成物を二本ロールで溶融混練して、所定厚みの熱膨張性耐火シートA、B、C及びDを得た。
上記熱膨張性耐火シートに50kW/m2 の熱量を30分間照射したときの厚みを測定し、照射前後における厚み変化 (=照射後の厚みD1/照射前の厚みD0)〔倍〕を算出し、表1に示した。
【0066】
【表1】
Figure 0004320108
【0067】
尚、表中で使用した各成分は下記の通りである。
・ブチルゴム:エクソン化学社製「ブチルゴム#065」
・ポリブテン:出光石油化学社製「ポリブテン100R」
・水添石油樹脂:トーネックス社製「エスコレッツ5320」
・エポキシ樹脂:油化シェルエポキシ社製
・メタロセンポリエチレン:ダウケミカル社製「EG8200」
【0068】
・ポリリン酸アンモニウム:クラリアント社製「EXOLIT AP422」
・中和処理された熱膨張性黒鉛:東ソー社製「GREP−EG」
・水酸アルミニウム:昭和電工社製「ハイジライトH−31」
・炭酸カルシウム:備北粉化社製「ホワイトンBF300」
【0069】
(実施例1〜4)
防耐火被覆材:石膏ボード(21mm厚の石膏ボード+12.5mm厚の石膏ボードの複合品)
熱膨張性耐火シート:A、B、C、D
下地材(スタッド):40mm×40mmの角パイプ
上記で示した各防耐火被覆材及び各熱膨張性耐火シートを使用して、図1に示した構成の壁構造(総厚み107mm)を得た。
【0070】
(実施例5〜8)
防耐火被覆材:スレート板(15mm厚)
熱膨張性耐火シート:A、B、C、D
下地材(スタッド):40mm×40mmの角パイプ
上記で示した各防耐火被覆材、各熱膨張性耐火シート及び下地材(スタッド)を使用して、図1に示した構成の壁構造(総厚み70mm)を得た。
【0071】
(実施例9〜12)
防耐火被覆材:石膏ボード(21mm厚の石膏ボード+12.5mm厚の石膏ボードの複合品)
熱膨張性耐火シート:A、B、C、D
下地材(スタッド):30mm×40mmの角パイプ
上記で示した各防耐火被覆材、各熱膨張性耐火シート及び下地材(スタッド)を使用して、図5に示した構成の壁構造(総厚み107mm)を得た。
【0072】
(実施例13〜16)
防耐火被覆材:スレート板(15mm厚)
熱膨張性耐火シート:A、B、C、D
下地材(スタッド):30mm×40mmの角パイプ
上記で示した各防耐火被覆材、各熱膨張性耐火シート及び下地材(スタッド)を使用して、図5に示した構成の壁構造(総厚み70mm)を得た。
【0073】
(実施例17〜20)
防耐火被覆材:リブ付き石膏ボード(21mm厚の石膏ボード+12.5mm厚の石膏ボードの複合品)、リブの高さ21mm
熱膨張性耐火シート:A、B、C、D
下地材(スタッド):なし
上記で示した各防耐火被覆材及び各熱膨張性耐火シートを使用して、図6に示した構成の壁構造(総厚み107mm)を得た。
【0074】
(実施例21〜24)
防耐火被覆材:リブ付きスレート板(15mm厚)、リブの高さ30mm
熱膨張性耐火シート:A、B、C、D
下地材(スタッド):なし
上記で示した各防耐火被覆材及び各熱膨張性耐火シートを使用して、図6に示した構成の壁構造(総厚み130mm)を得た。
【0075】
(比較例1)
防耐火被覆材:石膏ボード(21mm厚の石膏ボード+12.5mm厚の石膏ボードの複合品)
下地材(スタッド):40mm×40mmの角パイプ
上記で示した各防耐火被覆材及び下地材(スタッド)を使用して、図7に示した構成の壁構造(総厚み107mm)を得た。
【0076】
(比較例2)
防耐火被覆材:スレート板(15mm厚)
下地材(スタッド):40mm×40mmの角パイプ
上記で示した各防耐火被覆材及び下地材(スタッド)を使用して、図7に示した構成の壁構造(総厚み70mm)を得た。
【0077】
上記壁構造についてISO 834に準拠して1時間の耐火試験を行い、試験中に火炎の貫通が起こるか否かを観察した。全ての実施例については、火炎の貫通が起こらなかったのに対して、比較例1及び2では天井面と壁構造の隙間から火炎の貫通が起こった。
【0078】
また、実施例1〜4と比較例1の壁構造について建築物の現場において、JIS A 1417に準拠して音圧レベル差を測定したところ、周波数2000Hz及び4000Hzにおいて、本発明の壁構造である実施例1〜4は従来の壁構造である比較例1に比べて、音圧レベル差で2dB以上の向上がみられた。
【0079】
【発明の効果】
本発明の壁構造は、上述の構成であり、天井面又は床面との間隙から火炎が侵入するのを防止可能な耐火性能を有すると共に遮音性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の壁構造の1例を示す模式図である。
【図2】図2(イ)は1枚物の熱膨張性耐火シートの固定方法を示し、図2(ロ)は2枚物の熱膨張性耐火シートの固定方法を示す説明図である。
【図3】図3(イ)、図3(ロ)及び図3(ハ)は、下地材(スタッド)へ防耐火被覆材を装着する方法を示す説明図である。
【図4】図4(イ)及び図4(ロ)は、リブを有する防耐火被覆材を示す説明図である。
【図5】本発明の壁構造の他の1例を示す模式図である。
【図6】本発明の壁構造のさらに他の1例を示す模式図である。
【図7】従来の壁構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1,11 天井面
2,12 床面
3,13 ランナー
4,14 下地材(スタッド)
5,15 防耐火性面材
6,16 ランナー固定用金具
7 熱膨張性耐火シート
8,17 シーリング材
18 ロックウール
R リブ
S 接合部

Claims (7)

  1. 天井面と床面との間に防耐火被覆材を配設して形成される壁構造において、防耐火被覆材が、天井面と床面とにそれぞれ取り付けられたランナー間に挿着した下地材を介して相互に相対するように装着され、少なくともランナーと天井面との接合部に加熱によって耐火断熱層を形成する熱膨張性耐火シートが挿入されてなることを特徴とする壁構造。
  2. 天井面と床面との間に防耐火被覆材を配設して形成される壁構造において、防耐火被覆材が、天井面と床面とにそれぞれ取り付けられたランナー間で相互に相対するように装着され、少なくともランナーと天井面との接合部に加熱によって耐火断熱層を形成する熱膨張性耐火シートが挿入されてなることを特徴とする壁構造。
  3. 上記熱膨張性耐火シートに50kW/m2 の熱量を30分間照射したときの厚み変化 (照射後の厚みD1/照射前の厚みD0)が、3〜100倍であることを特徴とする請求項1又は2記載の壁構造。
  4. 上記熱膨張性耐火シートが、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質並びに熱膨張性無機物を含有する樹脂組成物(I)からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の壁構造。
  5. 上記熱膨張性耐火シートが、エポキシ樹脂及び熱膨張性無機物を含有する樹脂組成物(II)からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の壁構造。
  6. 上記防耐火被覆材がスレート板であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の壁構造。
  7. 上記相対する防耐火被覆材間に無機系断熱材が配置されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の壁構造。
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