JP2002167885A - 防火区画貫通部の施工方法及び防火区画貫通部構造 - Google Patents

防火区画貫通部の施工方法及び防火区画貫通部構造

Info

Publication number
JP2002167885A
JP2002167885A JP2000364805A JP2000364805A JP2002167885A JP 2002167885 A JP2002167885 A JP 2002167885A JP 2000364805 A JP2000364805 A JP 2000364805A JP 2000364805 A JP2000364805 A JP 2000364805A JP 2002167885 A JP2002167885 A JP 2002167885A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
parts
weight
tape
fire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000364805A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4647772B2 (ja
Inventor
Kazuhiro Okada
和廣 岡田
Masaki Tono
正樹 戸野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2000364805A priority Critical patent/JP4647772B2/ja
Publication of JP2002167885A publication Critical patent/JP2002167885A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4647772B2 publication Critical patent/JP4647772B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L5/00Devices for use where pipes, cables or protective tubing pass through walls or partitions
    • F16L5/02Sealing
    • F16L5/04Sealing to form a firebreak device

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Building Environments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防火区画を貫通して施工された樹脂配管、ケ
ーブル、又は断熱被覆管が火災時に変形したり、焼失す
るようなことがあっても、防火区画貫通部の仕切り部の
一方の側で発生した熱、火炎、煙等が他方側へ到達する
のを防止する防火区画貫通部の施工方法、及び防火区画
貫通部構造を提供する。 【解決手段】 建築物の仕切り部に設けられた防火区画
3を貫通する樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管1が
挿通される防火区画貫通部5の施工方法において、該樹
脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管1の防火区画貫通部
分に、50kw/m2の照射熱量下で加熱したときの膨
張倍率が3〜40倍の熱膨張性材料からなるテープ状成
形体2を巻き付けて固定した後、防火区画貫通部5と樹
脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管1との間隙をモルタ
ル、不燃材料、又はパテ4で埋め戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の仕切り部
に設けられた防火区画貫通部を貫通して施工される樹脂
配管、ケーブル、又は断熱被覆管に、防火措置を施すた
めの防火区画貫通部の施工方法、及び防火区画貫通部構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、建築物の床、壁、間仕切り等の仕
切り部に配管を貫通させる場合は、配管等を貫通させる
ための貫通孔(区画貫通部)を設け、この区画貫通部に
配管(給排水管、電線管、冷媒管、ダクト等)を貫通さ
せる。この区画貫通部が防火区画貫通部の場合は、配管
やケーブルとの間隙に防耐火のためモルタル等の充填剤
を充填して閉塞するための防火措置工法が行われてい
る。上記充填剤による間隙の閉塞は、仕切り部の一方の
側で発生した火災による熱、火炎、煙等が他方の側へ到
達するのを遅らせたり、防止するために必要な措置であ
る。
【0003】上記配管が金属管等のそれ自体に耐熱性、
不燃性を有する配管の場合は、防火区画貫通部に従来の
防火措置工法を採用しても特に問題はないが、配管が、
硬質塩化ビニル管や架橋ポリエチレン管等の合成樹脂
管、ケーブル、又は断熱被覆金属管や断熱被覆樹脂管等
の断熱被覆管の場合は、上記防火措置工法を採用する
と、配管自体やケーブルや断熱被覆管の被覆材が燃焼性
であったり、耐熱性に劣るため、火災時に合成樹脂や被
覆材が燃焼により焼失したり、熱変形を起こしたりして
防火区画貫通部に隙間が形成され、仕切り部の一方の側
で発生した熱、火炎、煙等が他方側へ到達するのを防止
することができなかった。
【0004】上記問題点を解決するために、加熱に際し
て膨張する材料により、火災によって生じた隙間を埋め
る区画貫通措置キット(以下、単にキットという)が各
社から上市されている(例えば、古河テクノマテリアル
社製「ヒートメル」等)。これらのキットは、確かにそ
の効果を発揮するが、キットであるが故に、各種樹脂
管、ケーブル、又は冷媒管等の径に合わせたものをそれ
ぞれ用意する必要があり、区画貫通部の少ない現場では
特に問題はないが、多種多様の区画貫通部が存在する現
場では、それぞれに対応するキットが必要となり、混乱
を招く恐れがあった。また、これらのキットはコストが
高いため、安価な防火区画貫通措置方法が求められてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、防火区画を貫通して施工された樹脂配管、ケーブ
ル、又は断熱被覆管が火災時に変形したり、焼失するよ
うなことがあっても、防火区画貫通部の仕切り部の一方
の側で発生した熱、火炎、煙等が他方側へ到達するのを
防止する防火区画貫通部の施工方法、及び防火区画貫通
部構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の防火区画貫通部
の施工方法、及び防火区画貫通部構造は、建築物の仕切
り部に設けられた防火区画を貫通する樹脂配管、ケーブ
ル、又は断熱被覆管が挿通される防火区画貫通部の施工
方法において、該樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管
の防火区画貫通部分に、50kw/m2の照射熱量下で
加熱したときの膨張倍率が3〜40倍の熱膨張性材料か
らなるテープ状成形体を巻き付けて固定した後、防火区
画貫通部と樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管との間
隙をモルタル、不燃材料、又はパテで埋め戻すことを特
徴とする。
【0007】以下に、本発明の防火区画貫通部の施工方
法、及び防火区画貫通部構造につき詳細に説明する。図
1の斜視図に示すように、まず、樹脂配管、ケーブル、
又は断熱被覆管1の外面に、熱膨張性材料からなるテー
プ状成形体2を巻き付けて固定する。(図1は樹脂配管
にテープ状成形体を巻き付けた状態を示したが、ケーブ
ル、断熱被覆管についても同様に巻き付けることができ
る)。固定する方法としては、接着剤、粘着剤、又は粘
着テープ等を用いて配管に固定してもよいし、粘着テー
プやタッカー等でテープ状成形体自体を固定するだけで
もよい。次いで、テープ状成形体2が巻き付けられた樹
脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管1は、図2の模式斜
視図に示すように、建築物の仕切り部である防火区画3
(スラブ等)に設けられた防火区画貫通部5(貫通孔)
に挿通される。
【0008】また、防火区画貫通部5(貫通孔)に既に
樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管が施工されている
場合は、熱膨張性材料からなるテープ状成形体2を巻き
付けて粘着テープやタッカー等でテープ状成形体自体を
固定した後、貫通部にスライドさせて挿通させてもよ
い。
【0009】次に、図3に模式断面図を示したように、
テープ状成形体2が巻き付けられた樹脂配管、ケーブ
ル、又は断熱被覆管1と、防火区画貫通部5との間隙に
モルタル、不燃材料、又はパテ4が埋め戻しされる。上
記テープ状成形体2が巻き付けられた樹脂配管、ケーブ
ル、又は断熱被覆管1は、火災時の加熱によって熱変形
を起こしたり、焼失して隙間を生じても、テープ状成形
体2が燃焼熱により膨張して耐火断熱層を形成して隙間
を閉塞することにより、仕切り部の一方の側で発生した
熱、火炎、煙等が他方側へ到達するのを防止する。上記
不燃材料としては、ロックウール、セラミックウール、
ガラスウール等が挙げられる。
【0010】上記テープ状成形体2の幅が防火区画貫通
部5の厚さより短い場合は、防火区画貫通部5の厚さ方
向に略均等となるように配置することが好ましいが、貫
通部のどちらかの面に片寄って配置されてもよい。ま
た、防火区画貫通部5の厚さより長い場合は、防火区画
貫通部5の両側への突出長さが略均等となるように配置
することが好ましい。また、テープ状成形体2が巻き付
けられた樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管1は、防
火区画貫通部5の貫通孔において略中央となるように配
置することが好ましい。
【0011】上記テープ状成形体の厚みは、0.3〜6
mmが好ましい。厚みが0.3mm未満になると必要な
巻き付け厚みを得るのに何回も巻き付ける必要があり、
6mmを超えると所定の厚みに巻き付けることが難しく
なる。
【0012】上記テープ状成形体の巻き付け厚みは、挿
通される樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管の外径の
0.5〜20%となされることが好ましい。巻き付け厚
みが、樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管の外径の
0.5%未満になると火災時に十分な耐火断熱層が形成
されず、20%を超えると貫通部の開口面積を大きくし
なければならなくなる。
【0013】上記テープ状成形体の幅は、防火区画貫通
部の厚みの25〜150%が好ましい。厚みの25%未
満になると火災時に十分な耐火断熱層が形成されず、1
50%を超えると貫通部の際で配管を曲げることができ
なくなり、配管設計の自由度が小さくなる。
【0014】上記熱膨張性材料からなるテープ状成形体
は、50kw/m2の照射熱量下で加熱したときの膨張
倍率(初期厚みに対する膨張後の厚みの比)が3〜40
倍であり、火災時に防火区画貫通部と樹脂配管、ケーブ
ル、又は断熱被覆管との隙間を閉塞して、耐火断熱性を
発現するものであれば特に限定されないが、下記樹脂組
成物(I)又は(II)からなるものが好ましい。
【0015】樹脂組成物(I)としては、エポキシ樹
脂、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤を含有
するものが用いられる。
【0016】本発明で用いるエポキシ樹脂は、特に限定
されないが、基本的にはエポキシ基をもつ化合物と硬化
剤とを反応させることにより得られる。
【0017】上記エポキシ基をもつ化合物としては、2
官能のグリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、
多官能のグリシジルエーテル型等のものが挙げられる。
【0018】上記2官能のグリシジルエーテル型のモノ
マーとしては、例えば、ポリエチレングリコール型、ポ
リプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール
型、1,6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロ
パン型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、プ
ロピレンオキサイド−ビスフェノールA型、水添ビスフ
ェノールA型等のモノマーが例示される。
【0019】上記グリシジルエステル型のモノマーとし
ては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒ
ドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香
酸型等のモノマーが例示される。
【0020】また、上記多官能のグリシジルエーテル型
のモノマーとしては、例えば、フェノールノボラック
型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック
型、ジシクロペンタン・フェノール型等のモノマーが例
示される。上記エポキシ基をもつ化合物は、単独で用い
られてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0021】上記硬化剤は、重付加型、触媒型のものが
挙げられる。重付加型の硬化剤としては、例えば、アミ
ン類、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等
が例示される。また、触媒型の硬化剤としては、例え
ば、3級アミン、イミダゾール類、ルイス酸、ルイス塩
基等が例示される。
【0022】また、上記エポキシ樹脂には、他の樹脂が
添加されてもよい。他の樹脂の添加量が多くなると、エ
ポキシ樹脂の効果が発現されなくなるので、エポキシ樹
脂1に対して他の樹脂の添加量は5(重量比)以下が好
ましい。また、上記エポキシ樹脂には、上記テープ状成
形体の物性を損なわない範囲で、難燃剤、酸化防止剤、
金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟
化剤、顔料、粘着付与樹脂等が添加されてもよい。
【0023】上記エポキシ樹脂には、柔軟性が付与され
てもよく、柔軟性を付与する方法としては、次の方法が
挙げられる。 (1)架橋点間の分子量を大きくする。 (2)架橋密度を小さくする。 (3)軟質分子構造を導入する。 (4)可塑剤を添加する。 (5)相互侵入網目(IPN)構造を導入する。 (6)ゴム状粒子を分散導入する。 (7)ミクロボイドを導入する。
【0024】上記(1)の方法は、予め分子鎖の長いエ
ポキシ化合物及び/又は硬化剤を用いて反応させること
により、架橋点の間の距離を長くして可撓性を発現させ
る方法である。硬化剤として、例えばポリプロピレンジ
アミン等が用いられる。上記(2)の方法は、官能基の
少ないエポキシ化合物及び/又は硬化剤を用いて反応さ
せることにより、一定領域の架橋密度を小さくして可撓
性を発現させる方法である。硬化剤として、例えば2官
能アミン、エポキシ化合物として、例えば1官能エポキ
シ等が用いられる。上記(3)の方法は、軟質分子構造
をとるエポキシ化合物及び/又は硬化剤を導入して可撓
性を発現させる方法である。硬化剤として、例えば複素
環状ジアミン、エポキシ化合物として、例えばアルキレ
ンジグリコールジグリシジルエーテル等が用いられる。
上記(4)の方法は、可塑剤として非反応性の希釈剤、
例えば、DOP、タール、石油樹脂等を添加する方法で
ある。上記(5)の方法は、エポキシ樹脂の架橋構造に
別の軟質構造をもつ樹脂を導入する相互侵入網目(IP
N)構造で可撓性を発現させる方法である。上記(6)
の方法は、エポキシ樹脂マトリックスに液状又は粒状の
ゴム粒子を配合分散させる方法である。エポキシ樹脂マ
トリックスとしてポリエステルエーテル等が用いられ
る。上記(7)の方法は、1μm以下のミクロボイドを
エポキシ樹脂マトリックスに導入して可撓性を発現させ
る方法である。エポキシ樹脂マトリックスとして、分子
量1000〜5000のポリエーテルが添加される。上
記エポキシ樹脂の剛性、可撓性を調整することによっ
て、硬い板状物から柔軟性を有するシートの成形が可能
となり、耐火性能が要求される様々な部位に適用でき
る。
【0025】本発明で用いる中和処理された熱膨張性黒
鉛とは、従来公知の物質である熱膨張性黒鉛を中和処理
したものである。上記熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラフ
ァイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等
の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝
酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム
酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理することにより
生成するグラファイト層間化合物であり、炭素の層状構
造を維持したままの結晶化合物である。
【0026】上述のように酸処理して得られた熱膨張性
黒鉛を、更に、アンモニア、脂肪族低級アミン、アルカ
リ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和するこ
とにより、上記中和処理された熱膨張性黒鉛が得られ
る。
【0027】上記脂肪族低級アミンとしては、特に限定
されず、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、
トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン等が挙げられる。
【0028】上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類
金属化合物としては、特に限定されず、例えば、カリウ
ム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム
等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が
挙げられる。
【0029】上記中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度
は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メ
ッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、所定
の耐火断熱層が得られず、粒度が20メッシュより大き
くなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、
樹脂分と混練する際に分散性が悪くなり、物性の低下が
避けられない。
【0030】上記中和処理された熱膨張性黒鉛の市販品
としては、例えば、東ソー社製「フレームカットGRE
P−EG」、UCAR Carbon社製「GRAFG
UARD160」、「GRAFGUARD220」等が
挙げられる。
【0031】上記無機充填剤としては、特に限定され
ず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カ
ルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化ア
ンチモン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイ
ドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭
酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸
カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウ
ム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、
タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナ
イト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサ
イト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒
化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブ
ラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉
末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム
「MOS」(商品名)、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミ
ニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステン
レス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フラ
イアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。中でも、含水無
機物及び金属炭酸塩が好ましい。
【0032】上記含水無機物の水酸化カルシウム、水酸
化マグネシウム、水酸化アルミニウム等は、加熱時の脱
水反応によって生成した水のために吸熱が起こり、温度
上昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、及び、加熱
残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働くこ
とで残渣強度が向上する点で特に好ましい。また、水酸
化マグネシウムと水酸化アルミニウムは、脱水効果を発
揮する温度領域が異なるため、併用すると脱水効果を発
揮する温度領域が広がり、より効果的な温度上昇抑制効
果が得られることから、併用することが好ましい。
【0033】上記金属炭酸塩は、後述するリン化合物と
の反応で膨張を促すと考えられ、特に、リン化合物とし
て、ポリリン酸アンモニウムを使用した場合に、高い膨
張効果が得られる。また、有効な骨材として働き、燃焼
後に形状保持性の高い残渣を形成する。
【0034】また、上記金属炭酸塩の中では、更に、炭
酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム等のアルカリ
土類金属炭酸塩;炭酸亜鉛等の周期律表IIb属金属の
炭酸塩が好ましい。一般的に、無機充填剤は、骨材的な
働きをすることから、残渣強度の向上や熱容量の増大に
寄与すると考えられる。
【0035】上記無機充填剤としては、例えば、水酸化
アルミニウムでは、粒径1μmの「ハイジライト H−
42M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「ハイジラ
イトH−31」(昭和電工社製)、及び、炭酸カルシウ
ムでは、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(白石
カルシウム社製)、粒径8μmの「BF300」(備北
粉化工社製)等が挙げられる。
【0036】上記無機充填剤の粒径としては、0.5〜
400μmが好ましく、より好ましくは1〜100μm
である。上記無機充填剤は、添加量が少ないときは、分
散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さいものが
好ましいが、0.5μm未満になると二次凝集が起こ
り、分散性が悪くなる。添加量が多いときは、高充填が
進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低
下するが、粒径を大きくすることで樹脂組成物の粘度を
低下させることができる点から、粒径の大きいものが好
ましい。また、粒径が400μmを超えると、成形体の
表面性、樹脂組成物の力学的物性が低下する。
【0037】上記無機充填剤は、単独で用いても、2種
以上を併用してもよい。また、粒径の大きい無機充填剤
と粒径の小さいものを組み合わせて使用することがより
好ましく、組み合わせて用いることによって、熱膨張性
耐火層の力学的性能を維持したまま、高充填化すること
が可能となる。
【0038】上記樹脂組成物(I)において、中和処理
された熱膨張性黒鉛の配合量は、樹脂成分100重量部
に対して15〜300重量部が好ましい。配合量が、1
5重量部未満では、十分な厚さの耐火断熱層が形成され
ないため耐火性能が低下し、300重量部を超えると機
械的強度の低下が大きく、使用に耐えられなくなる。
【0039】上記樹脂組成物(I)において、無機充填
剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対して30〜5
00重量部が好ましい。配合量が、30重量部未満で
は、熱容量の低下に伴い十分な耐火性が得られなくな
り、500重量部を超えると機械的強度の低下が大き
く、使用に耐えられなくなる。
【0040】また、上記中和処理された熱膨張性黒鉛及
び無機充填剤の総量は、樹脂成分100重量部に対して
200〜600重量部が好ましい。総量が、200重量
部未満になると熱容量の低下に伴い十分な耐火性が得ら
れず、600重量部を超えると機械的強度の低下が大き
く、使用に耐えられなくなる。
【0041】上記樹脂組成物(II)としては、エポキ
シ樹脂、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛及び
無機充填剤を含有するものが用いられる。上記樹脂組成
物(II)で用いられる中和処理された熱膨張性黒鉛及
び無機充填剤は、樹脂組成物(I)と同様である。
【0042】樹脂組成物(II)において、更にリン化
合物を配合することにより、難燃性、膨張断熱層の形状
保持性が上がり、耐火性能が向上する。
【0043】上記リン化合物としては、特に限定され
ず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリ
クレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、
クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニ
ルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリ
ウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸
金属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記一般式(1)
で表される化合物等が挙げられる。これらのうち、耐火
性の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム類、及
び、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく、性
能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウ
ム類がより好ましい。
【0044】
【化1】
【0045】式中、R1及びR3は、水素、炭素数1〜1
6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数
6〜16のアリール基を表す。R2は、水酸基、炭素数
1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数
1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭
素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のア
リールオキシ基を表す。
【0046】上記赤リンは、少量の添加で難燃効果を向
上する。上記赤リンとしては、市販の赤リンを用いるこ
とができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安
全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティング
したもの等が好適に用いられる。
【0047】上記ポリリン酸アンモニウム類としては、
特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メ
ラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、
取扱性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用い
られる。市販品としては、例えば、クラリアント社製
「EXOLIT AP422」、「EXOLIT AP
462」、住友化学工業社製「スミセーフP」、チッソ
社製「テラージュC60」、「テラージュC70」、
「テラージュC80」等が挙げられる。
【0048】上記一般式(1)で表される化合物として
は、特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチ
ルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エ
チルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン
酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホ
ン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチル
ホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニル
ホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホ
スフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホ
スフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフ
ィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホ
スフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン
酸等が挙げられる。中でも、t−ブチルホスホン酸は、
高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。上記
リン化合物は単独で用いても、2種以上を併用してもよ
い。
【0049】上記樹脂組成物(II)において、リン化
合物の配合量は、樹脂成分100重量部に対して50〜
150重量部が好ましい。配合量が、50重量部未満に
なると膨張断熱層が形成されずに十分な耐火性が得られ
ず、150重量部を超えると機械的物性の低下が大きく
なり、使用に耐えられなくなる。
【0050】上記樹脂組成物(II)において、中和処
理された熱膨張性黒鉛の配合量は、上記樹脂組成物
(I)と同様の理由により、樹脂成分100重量部に対
して15〜300重量部が好ましい。
【0051】上記樹脂組成物(II)において、無機充
填剤の配合量は、上記樹脂組成物(I)と同様の理由に
より、樹脂成分100重量部に対して30〜500重量
部が好ましい。
【0052】また、上記リン化合物、中和処理された熱
膨張性黒鉛及び無機充填剤の総量は、樹脂成分100重
量部に対して200〜600重量部が好ましい。総量
が、200重量部未満になると熱容量の低下に伴ない十
分な耐火性が得られず、600重量部を超えると機械的
強度の低下が大きく、使用に耐えられなくなる。
【0053】上記樹脂組成物(I)及び(II)には、
その物性を損なわない範囲で、フェノール系、アミン
系、イオウ系等の酸化防止剤、金属害防止剤、帯電防止
剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料等が添加され
てもよい。
【0054】上記テープ状成形体は、樹脂組成物(I)
及び(II)の各成分を、例えば、単軸押出機、二軸押
出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、ロー
ル、ライカイ機、遊星式撹拌機等、公知の混練装置を用
いて混練した後、成形し硬化することにより得ることが
できる。上記成形方法としては、上記樹脂混練物を、例
えば、プレス成形、ロール成形、コーター成形等による
方法で成形し硬化させることにより、テープ状成形体と
することができる。上記エポキシ樹脂の硬化方法は、特
に限定されず、公知の方法によって行うことができる。
【0055】上記テープ状成形体は、巻物の形態でもよ
く、また、樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管に巻き
付ける長さに合わせて、あらかじめ切断されていてもよ
い。
【0056】上記テープ状成形体には、加熱膨張性能を
損なわない範囲で、基材又は離型基材が積層されてもよ
い。基材としては、特に限定されず、例えば、紙、織
布、不織布、フィルム、金属箔、金網、これら基材の積
層体等が用いられる。
【0057】上記紙としては、クラフト紙、和紙、Kラ
イナー紙等、公知のものを使用することができる。水酸
化アルミニウムや炭酸カルシウムを高充填した不燃紙;
難燃剤を配合したり、難燃剤を表面に塗布した難燃紙;
ロックウール、セラミックウール、ガラス繊維を用いた
無機繊維紙、炭素繊維紙等を使用すると耐火性を向上さ
せることができる。
【0058】上記不織布としては、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ナイロン、セルロース繊維等からなる湿式
不織布、長繊維不織布等を使用することができる。上記
フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リアミド、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の樹脂
フィルム等を使用することができる。上記金属箔として
は、アルミニウム箔、ステンレス箔等を使用することが
できる。上記金網としては、通常使用されている金網の
他に、金属ラス等が使用可能である。
【0059】また、これら基材の積層体を用いてもよ
く、例えば、ポリエチレンフィルム積層不織布、ポリプ
ロピレン積層不織布、アルミニウム箔積層紙、アルミガ
ラスクロス等が挙げられる。
【0060】上記離型基材は、特に制限はなく、シリコ
ーン処理等の通常の離型処理されているものが挙げら
れ、上記基材を離型処理したものを用いてもよい。
【0061】上記基材又は離型基材は、テープ状成形体
の片面又は両面に積層されてもよく、一方の片面に基材
を、他の片面に離型基材を積層させてもよい。また、基
材を2枚のテープ状成形体の間に挟み込んで使用しても
よい。
【0062】上記テープ状成形体に基材を積層する場合
には、該基材に情報が記載されていてもよい。また、上
記テープ状成形体が巻物の場合には、その芯材の内部に
情報が記載されていてもよい。上記情報は、適応できる
配管、使用部位等に関する情報であり、記載することに
より、施工時の混乱を防止することができる。
【0063】(作用)本発明の防火区画貫通部の施工方
法、及び防火区画貫通部構造は、防火区画貫通部に挿通
された樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管が火災時に
熱変形を起こしたり、焼失して隙間を生じても、巻き付
けられたテープ状成形体が熱膨張して隙間を閉塞するの
で、防火区画貫通部の一方の側で発生した熱、火災、煙
等が他方側へ到達するのを防止する。テープ状成形体
は、施工時に、樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管の
外径に合わせて切断して巻き付けるため、管の外径にあ
った部材をそれぞれ用意する必要がなく、現場での混乱
を防止することができる。
【0064】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0065】(実施例1)ビスフェノールF型エポキシ
樹脂(油化シェル社製「E807」)40重量部、ジア
ミン系硬化剤(油化シェル社製「EKFL052」)6
0重量部、ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製
「EXOLIT AP422」)100重量部、中和処
理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットG
REP−EG」)80重量部、及び、炭酸カルシウム
(備北粉化社製「BF300」)100重量部をライカ
イ機を用いて混練した後、得られた樹脂組成物をプレス
成形により1mm厚、100mm幅のテープ状成形体を
作製した。
【0066】上記テープ状成形体を外径42mmの架橋
ポリエチレン鞘管(内管:外径27mmの架橋ポリエチ
レン管)外面に2周分巻き付け(巻き付け厚2mm)、
テープの端部をアルミテープで固定して試験体を得た。
この試験体を、図2に示したように、スラブ3(図2に
おいて、厚さt=150mm)に開けた防火区画貫通部
5(図2において、貫通孔の直径D=75mm)に、テ
ープ状成形体の巻き付け部分がスラブの中央にくるよう
に挿通させた後、図3に示したように、試験体とスラブ
3との間隙にモルタル4を充填して固定した。
【0067】上記スラブに固定した試験体について、J
IS A 1304に基づく床用2時間耐火試験を行っ
た結果、架橋ポリエチレン管は溶融、焼失したが、防火
区画貫通部分に生じた隙間はテープ状成形体の熱膨張に
よって閉塞されており、非加熱側に火炎の突き抜けは観
測されなかった。
【0068】(実施例2)ビスフェノールF型エポキシ
樹脂(油化シェル社製「E807」)40重量部、ジア
ミン系硬化剤(油化シェル社製「EKFL052」)6
0重量部、赤リン(クラリアント社製「EXOLIT
RP602」)80重量部、中和処理された熱膨張性黒
鉛(UCAR Carbon社製「GRAFGuard
#220−50N」)60重量部、水酸化マグネシウム
(協和化学社製「キスマ5B」)50重量部、及び、炭
酸カルシウム(備北粉化社製「BF300」)100重
量部を遊星式撹拌機を用いて混練した後、ロールコータ
ー成形にて片面離型紙を積層させた1mm厚、120m
m幅のテープ状成形体を作製した。
【0069】上記テープ状成形体を、離型紙を剥離して
から、外径40mmのケーブルCV−Tの外面に2周分
巻き付け(巻き付け厚2mm)、エポキシ系接着剤にて
ケーブルに固定して試験体を得た。この試験体を、図2
に示したように、スラブ3(図2において、厚さt=1
00mm)に開けた防火区画貫通部5(図2において、
貫通孔の直径D=75mm)に、テープ状成形体の巻き
付け部分がスラブを均等にはみ出すように挿通させた
後、図3に示したように、試験体とスラブ3との間隙に
パテ4を充填して固定した。
【0070】上記スラブに固定した試験体について、J
IS A 1304に基づく壁用2時間耐火試験を行っ
た結果、ケーブルは溶融、焼失したが、防火区画貫通部
分に生じた隙間はテープ状成形体の熱膨張によって閉塞
されており、非加熱側に火炎の突き抜けは観測されなか
った。
【0071】(実施例3)ウレタン変性ビスフェノール
F型エポキシ樹脂(油化シェル社製「E807」)45
重量部、ジアミン系硬化剤(油化シェル社製「EKFL
052」)55重量部、ポリリン酸アンモニウム(クラ
リアント社製「EXOLIT AP422」)100重
量部、中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレ
ームカットGREP−EG」)50重量部、水酸化マグ
ネシウム(協和化学社製「キスマ5B」)50重量部、
及び、炭酸ストロンチウム(堺化学社製)100重量部
を二軸押出機を用いて混練した後、ロール成形により離
型処理したアルミ箔積層紙を積層させた2mm厚、10
00mm幅、長さ20mのロールを作製した。得られた
ロールを輪切り機にて輪切りし、幅80mmの巻物形態
のテープ状成形体を作製した。
【0072】上記テープ状成形体を断熱被覆銅管(外径
50mm、断熱層10mm)の外面に2周分巻き付け
(巻き付け厚4mm)、粘着テープにて断熱被覆銅管に
固定して試験体を得た。この試験体を、図2に示したよ
うに、スラブ3(図2において、厚さt=100mm)
に開けた防火区画貫通部5(図2において、貫通孔の直
径D=75mm)に、テープ状成形体の巻き付け部分が
スラブの非加熱面側に面合わせになるように挿通させた
後、図3に示したように、試験体とスラブ3との間隙に
モルタル4を充填して固定した。
【0073】上記スラブに固定した試験体について、J
IS A 1304に基づく壁用2時間耐火試験を行っ
た結果、断熱被覆銅管の被覆材は溶融、焼失したが、防
火区画貫通部分に生じた隙間はテープ状成形体の熱膨張
によって閉塞されており、非加熱側に火炎の突き抜けは
観測されなかった。
【0074】
【発明の効果】本発明の防火区画貫通部の施工方法は、
上述の構成からなり、防火区画貫通部に挿通された樹脂
配管、ケーブル、又は断熱被覆管が火災時に熱変形を起
こしたり、焼失しても、巻き付けられたテープ状成形体
が熱膨張して耐火断熱層を形成することにより、防火区
画貫通部を閉塞するので、防火区画貫通部の一方の側で
発生した熱、火炎、煙等が他方側へ到達するのを防止す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂配管にテープ状成形体を巻き付けた状態を
示す模式斜視図である。
【図2】テープ状成形体を巻き付けた樹脂配管を防火区
画貫通部に挿通した状態を示す模式斜視図である。
【図3】防火区画貫通部に挿通した樹脂配管の周囲にモ
ルタルを充填した状態を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管 2 テープ状成形体 3 防火区画(スラブ) 4 モルタル、不燃材料、又はパテ 5 防火区画貫通部 D 貫通孔の直径 t 防火区画貫通部の厚み

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の仕切り部に設けられた防火区画
    を貫通する樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管が挿通
    される防火区画貫通部の施工方法において、該樹脂配
    管、ケーブル、又は断熱被覆管の防火区画貫通部分に、
    50kw/m2の照射熱量下で加熱したときの膨張倍率
    が3〜40倍の熱膨張性材料からなるテープ状成形体を
    巻き付けて固定した後、防火区画貫通部と樹脂配管、ケ
    ーブル、又は断熱被覆管との間隙をモルタル、不燃材
    料、又はパテで埋め戻すことを特徴とする防火区画貫通
    部の施工方法。
  2. 【請求項2】 上記テープ状成形体を、樹脂配管、ケー
    ブル、又は断熱被覆管に巻き付ける際の厚みが、該樹脂
    配管、ケーブル、又は断熱被覆管の外径の0.5〜20
    %となされ、前記テープ状成形体の幅が防火区画貫通部
    の厚さの25〜150%となされていることを特徴とす
    る請求項1記載の防火区画貫通部の施工方法。
  3. 【請求項3】 上記テープ状成形体が、エポキシ樹脂、
    中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤を含有する
    樹脂組成物(I)からなり、それぞれの含有量が、前記
    樹脂成分100重量部に対して、中和処理された熱膨張
    性黒鉛15〜300重量部、無機充填剤30〜500重
    量部であり、且つ中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機
    充填剤の総量が200〜600重量部であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の防火区画貫通部の施工方
    法。
  4. 【請求項4】 上記テープ状成形体が、エポキシ樹脂、
    リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填
    剤を含有する樹脂組成物(II)からなり、それぞれの
    含有量が、前記樹脂成分100重量部に対して、リン化
    合物50〜150重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛
    15〜300重量部、無機充填剤30〜500重量部で
    あり、且つリン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛及
    び無機充填剤の総量が200〜600重量部であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の防火区画貫通部の施
    工方法。
  5. 【請求項5】 上記無機充填剤が、含水無機物及び/又
    は金属炭酸塩であることを特徴とする請求項3又は4記
    載の防火区画貫通部の施工方法。
  6. 【請求項6】 上記エポキシ樹脂に柔軟性が付与されて
    いることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記
    載の防火区画貫通部の施工方法。
  7. 【請求項7】 上記テープ状成形体の少なくとも片面に
    基材が積層され、該基材表面に情報が記載されているこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の防
    火区画貫通部の施工方法。
  8. 【請求項8】 上記テープ状成形体が巻物であって、そ
    の芯材の内部に情報が記載されていることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の防火区画貫通部の
    施工方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の施
    工方法により施工されてなる防火区画貫通部構造。
JP2000364805A 2000-11-30 2000-11-30 防火区画貫通部の施工方法及び防火区画貫通部構造 Expired - Lifetime JP4647772B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000364805A JP4647772B2 (ja) 2000-11-30 2000-11-30 防火区画貫通部の施工方法及び防火区画貫通部構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000364805A JP4647772B2 (ja) 2000-11-30 2000-11-30 防火区画貫通部の施工方法及び防火区画貫通部構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002167885A true JP2002167885A (ja) 2002-06-11
JP4647772B2 JP4647772B2 (ja) 2011-03-09

Family

ID=18835680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000364805A Expired - Lifetime JP4647772B2 (ja) 2000-11-30 2000-11-30 防火区画貫通部の施工方法及び防火区画貫通部構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4647772B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006105389A (ja) * 2004-09-10 2006-04-20 Sekisui Chem Co Ltd 継手及び分岐管付き継手、及びそれを用いた配管システム方法及び配管施工方法
JP2006176987A (ja) * 2004-12-21 2006-07-06 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 熱膨張性防火装着具、及び、それを用いた防火構造
EP2092232A1 (en) 2006-09-20 2009-08-26 Beerenberg Corp. AS Means for fire protection of pipes, pipe joints, flanges, valves, insulation and steel constructions
JP2012087866A (ja) * 2010-10-19 2012-05-10 Sekisui Chem Co Ltd 配管の支持固定構造
JP2012112441A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Mitsui Kagaku Sanshi Kk 配管材
CN103337263A (zh) * 2013-06-19 2013-10-02 浙江川科防保材料发展有限公司 一种核电用电缆组合式防火封堵模块及其制备方法
WO2013145790A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 積水化学工業株式会社 エポキシ樹脂含有熱膨張性樹脂組成物シートおよび防火区画貫通部構造の施工方法
JP2016006352A (ja) * 2015-07-30 2016-01-14 三井化学産資株式会社 既設配管の取換え方法
EP2497871A4 (en) * 2009-11-06 2016-09-14 Sekisui Chemical Co Ltd CROSS SECTION STRUCTURE OF FIRE PROTECTION COMPARTMENT

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0462488A (ja) * 1990-06-29 1992-02-27 Matsushita Electric Works Ltd 蓄電池の残容量表示装置
JPH1096487A (ja) * 1996-07-29 1998-04-14 Sekisui Chem Co Ltd 建物排水用管継手又は建物用管材の支持構造
JP2000055244A (ja) * 1998-08-04 2000-02-22 Sekisui Chem Co Ltd 防火区画貫通部材
JP2000240854A (ja) * 1999-02-18 2000-09-08 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 防火用熱膨張材

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0462488U (ja) * 1990-09-29 1992-05-28

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0462488A (ja) * 1990-06-29 1992-02-27 Matsushita Electric Works Ltd 蓄電池の残容量表示装置
JPH1096487A (ja) * 1996-07-29 1998-04-14 Sekisui Chem Co Ltd 建物排水用管継手又は建物用管材の支持構造
JP2000055244A (ja) * 1998-08-04 2000-02-22 Sekisui Chem Co Ltd 防火区画貫通部材
JP2000240854A (ja) * 1999-02-18 2000-09-08 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 防火用熱膨張材

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006105389A (ja) * 2004-09-10 2006-04-20 Sekisui Chem Co Ltd 継手及び分岐管付き継手、及びそれを用いた配管システム方法及び配管施工方法
JP2006176987A (ja) * 2004-12-21 2006-07-06 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 熱膨張性防火装着具、及び、それを用いた防火構造
EP2092232A4 (en) * 2006-09-20 2016-08-17 Beerenberg Corp As AGENTS FOR FIRE PROTECTION OF PIPES, PIPE CONNECTIONS, FLANGES, VALVES, INSULATION AND STEEL STRUCTURES
EP2092232A1 (en) 2006-09-20 2009-08-26 Beerenberg Corp. AS Means for fire protection of pipes, pipe joints, flanges, valves, insulation and steel constructions
EP2497871A4 (en) * 2009-11-06 2016-09-14 Sekisui Chemical Co Ltd CROSS SECTION STRUCTURE OF FIRE PROTECTION COMPARTMENT
JP2012087866A (ja) * 2010-10-19 2012-05-10 Sekisui Chem Co Ltd 配管の支持固定構造
JP2012112441A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Mitsui Kagaku Sanshi Kk 配管材
WO2013145790A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 積水化学工業株式会社 エポキシ樹脂含有熱膨張性樹脂組成物シートおよび防火区画貫通部構造の施工方法
JPWO2013145790A1 (ja) * 2012-03-30 2015-12-10 積水化学工業株式会社 エポキシ樹脂含有熱膨張性樹脂組成物シートおよび防火区画貫通部構造の施工方法
EP2832934A4 (en) * 2012-03-30 2015-11-04 Sekisui Chemical Co Ltd THERMALLY EXPANDABLE RESIN COMPOSITION SHEET CONTAINING EPOXY RESIN, AND METHOD FOR CONSTRUCTING PENETRATION STRUCTURE FOR FLAME RETARDANT COMPARTMENT
US9933091B2 (en) 2012-03-30 2018-04-03 Sekisui Chemical Co., Ltd. Penetration structure for fireproof compartment containing epoxy-resin-containing thermally expandable resin composition sheet and method for constructing the penetration structure
CN103337263A (zh) * 2013-06-19 2013-10-02 浙江川科防保材料发展有限公司 一种核电用电缆组合式防火封堵模块及其制备方法
JP2016006352A (ja) * 2015-07-30 2016-01-14 三井化学産資株式会社 既設配管の取換え方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4647772B2 (ja) 2011-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3817532B2 (ja) 防火区画貫通部構造
JP5280987B2 (ja) 防火区画貫通部構造
JP5616816B2 (ja) アウトレットボックスの防火措置構造およびその施工方法
JP3989291B2 (ja) 防火区画貫通部の施工方法及び防火区画貫通部構造
JP3148209U (ja) 区画体の貫通部構造
JP2002071082A (ja) 吸音耐火管
JP2007312599A (ja) 区画体の貫通部構造
JP2002172181A (ja) 防火区画貫通部材及びそれを用いた防火区画貫通部構造
JP4647772B2 (ja) 防火区画貫通部の施工方法及び防火区画貫通部構造
JP4698207B2 (ja) バスダクト用防火区画貫通部構造
JP5903355B2 (ja) アウトレットボックスの防火措置構造およびその施工方法
JP2007332715A (ja) 耐火被覆構造体
JP2007198029A (ja) 貫通孔を備えた鉄骨梁の耐火構造の施工方法
JP4268338B2 (ja) 埋込型ボックスの防耐火構造
JP3119045U (ja) 防火区画貫通部構造
JP2004324370A (ja) 耐火性部材と、その施工方法
JP2000055293A (ja) 耐火性パイプ
JP4320108B2 (ja) 壁構造
JP2001303692A (ja) 防火区画貫通部材
JP4320110B2 (ja) 防耐火壁構造
JP2002227325A (ja) 防火区画貫通部の施工方法及び防火区画貫通部構造
JP2000055244A (ja) 防火区画貫通部材
JP2002174367A (ja) 耐火膨張性パッキンを有する配管構造
JP6007064B2 (ja) アウトレットボックスの防火措置構造およびその施工方法
JP2000054527A (ja) 防火屋根

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070821

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090821

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090909

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100510

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100624

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101116

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101209

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4647772

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

EXPY Cancellation because of completion of term