JP2004143163A - 工業用殺菌剤、塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水 - Google Patents

工業用殺菌剤、塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水 Download PDF

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Abstract

【課題】 塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水の分野において、細菌、かび、酵母、藻などに対して優れた防除効果を発現することのできる、工業用殺菌剤、および、その工業用殺菌剤を含有する、塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水を提供すること。
【解決手段】 工業用殺菌剤として、ビス四級アンモニウム塩化合物と、イソチアゾリン系化合物および/またはニトロアルコール系化合物とを含有させる。本発明の工業用殺菌剤は、塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水を適用対象として、細菌、かび、酵母、藻に対する優れた防除効果を発現することができる。そのため、本発明の工業用殺菌剤が含有される塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水は、細菌、かび、酵母、藻の発生が防除され、長期にわたって良好な品質を保持することができる。
【選択図】  なし

Description

 本発明は、工業用殺菌剤、詳しくは、適用対象が、塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水である工業用殺菌剤、および、その工業用殺菌剤を含有する、塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水に関する。
 従来より、各種の工業製品には、細菌、かび、酵母、藻などの有害な微生物が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因となっている。そのため、このような有害微生物の繁殖を防除するために、抗菌、防かび、防腐、防藻効果を発現する種々の工業用殺菌剤が広く使用されている。
 また、このような工業用殺菌剤として、近年、例えば、特開平9−110692号公報(特許文献1)、特開平10−95773号公報(特許文献2)、特開平10−287566号公報(特許文献3)、特開2000−95763号公報(特許文献4)、特開2000−136185号公報(特許文献5)、特開2000−198879号公報(特許文献6)、特開2000−159607号公報(特許文献7)、特開2001−310191号公報(特許文献8)などにおいて、それらに記載されるビス四級アンモニウム塩化合物が、広い抗菌スペクトルを有し、優れた防除効果を発現することが報告されている。
特開平9−110692号公報 特開平10−95773号公報 特開平10−287566号公報 特開2000−95763号公報 特開2000−136185号公報 特開2000−198879号公報 特開2000−159607号公報 特開2001−310191号公報
 しかし、上記したビス四級アンモニウム塩化合物を単独で使用しても、その防除効果が十分でない場合もあり、とりわけ、塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水の分野において、十分な防除効果を発現し得る新規な工業用殺菌剤の開発が望まれている。
 そこで、本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水の分野において、細菌、かび、酵母、藻などに対して優れた防除効果を発現することのできる、工業用殺菌剤、および、その工業用殺菌剤を含有する、塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水を提供することにある。
 上記目的を達成するために、本発明者らは、塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水の分野において、優れた防除効果を発現し得る化合物について鋭意検討したところ、ビス四級アンモニウム塩化合物と、イソチアゾリン系化合物および/またはニトロアルコール系化合物とを併用することにより、塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水の分野において、優れた防除効果を発現し得る知見を見い出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
 すなわち、本発明は、
(1) ビス四級アンモニウム塩化合物と、イソチアゾリン系化合物および/またはニトロアルコール系化合物とを含有し、適用対象が、塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、工業用殺菌剤、
(2) ビス四級アンモニウム塩化合物が、下記一般式(1)で示されることを特徴とする、前記(1)に記載の工業用殺菌剤、
 一般式(1)
Figure 2004143163
(式中、R1およびR2は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を、R3およびR4は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基または水素原子を、R5は、置換基を有していてもよい炭化水素基または炭素−炭素間単結合を、Y1は、−NRnCO−、−CONRn−、−NRnCS−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−COO−、−COS−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Y2は、−CONRn−、−NRnCO−、−CSNRn−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−OOC−、−SOC−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Zはアニオンを、aは1または2の整数を示す。)
(3) イソチアゾリン系化合物が、下記一般式(2)および/または下記一般式(3)で示されることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の工業用殺菌剤、
 一般式(2)
Figure 2004143163
(式中、R6は、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、X1およびX2は、同一または相異なって、炭化水素基(X1およびX2が2価の炭化水素基で環形成されている場合を含む。)、ハロゲン原子または水素原子を示す。)
 一般式(3)
Figure 2004143163
(式中、R7は、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。)
(4) ニトロアルコール系化合物が、下記一般式(4)で示されることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の工業用殺菌剤、
 一般式(4)
Figure 2004143163
(式中、R8は、炭化水素基または水素原子を、R9は、ヒドロキシル基を有する炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子を、X3は、ヒドロキシル基を有する炭化水素基またはハロゲン原子を示す。)
(5) 一般式(1)で示されるビス四級アンモニウム塩化合物の式中、R1およびR2が、炭素数1〜18のアルキル基または炭素数1〜18のヒドロキシアルキル基であり、R3およびR4が、水素原子であり、R5が、炭素数2〜18のアルキレン基、フェニレン基、キシリレン基または炭素−炭素間単結合であることを特徴とする、前記(2)〜(4)のいずれかに記載の工業用殺菌剤、
(6) 一般式(1)で示されるビス四級アンモニウム塩化合物の式中、Zが有機アニオンであることを特徴とする、前記(2)〜(5)のいずれかに記載の工業用殺菌剤、
(7) 一般式(2)および一般式(3)で示されるイソチアゾリン系化合物の式中、R6およびR7が、炭素数1〜8のアルキル基または水素原子であり、X1およびX2が、ともに水素原子、一方が水素原子で他方が塩素原子またはともに塩素原子であることを特徴とする、前記(3)〜(6)のいずれかに記載の工業用殺菌剤、
(8) 一般式(4)で示されるニトロアルコール系化合物の式中、R8が、炭素数1〜4のアルキル基または水素原子であり、R9が、ヒドロキシル基を有する炭素数1〜4のアルキル基、臭素原子または水素原子であり、X3が、ヒドロキシル基を有する炭素数1〜4のアルキル基、臭素原子または塩素原子であることを特徴とする、前記(4)〜(7)のいずれかに記載の工業用殺菌剤、
(9) 前記(1)〜(8)のいずれかに記載の工業用殺菌剤を含有することを特徴とする、塗料、
(10) 前記(1)〜(8)のいずれかに記載の工業用殺菌剤を含有することを特徴とする、インク、
(11) 前記(1)〜(8)のいずれかに記載の工業用殺菌剤を含有することを特徴とする、樹脂エマルション、
(12) 前記(1)〜(8)のいずれかに記載の工業用殺菌剤を含有することを特徴とする、金属加工油剤、
(13) 前記(1)〜(8)のいずれかに記載の工業用殺菌剤を含有することを特徴とする、湿し水
を提供するものである。
 本発明の工業用殺菌剤は、塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水を適用対象として、細菌、かび、酵母、藻に対する優れた防除効果を発現することができる。そのため、本発明の工業用殺菌剤が含有される塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水は、細菌、かび、酵母、藻の発生が防除され、長期にわたって良好な品質を保持することができる。
 本発明の工業用殺菌剤は、有効成分として、ビス四級アンモニウム塩化合物と、イソチアゾリン系化合物および/またはニトロアルコール系化合物とを含有している。
 本発明に用いられるビス四級アンモニウム塩化合物は、例えば、下記一般式(1)で示される。
 一般式(1)
Figure 2004143163
(式中、R1およびR2は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を、R3およびR4は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基または水素原子を、R5は、置換基を有していてもよい炭化水素基または炭素−炭素間単結合を、Y1は、−NRnCO−、−CONRn−、−NRnCS−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−COO−、−COS−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Y2は、−CONRn−、−NRnCO−、−CSNRn−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−OOC−、−SOC−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Zはアニオンを、aは1または2の整数を示す。)
 一般式(1)の式中、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基などが挙げられる。
 アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの炭素数1〜18のアルキル基が挙げられる。
 アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、メタリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプチニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニルなどの炭素数2〜18のアルケニル基が挙げられる。
 アルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ブチニル、ペンチニル、オクテニルなどの炭素数2〜8のアルキニル基が挙げられる。
 シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの炭素数3〜8のシクロアルキル基が挙げられる。
 アリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、ビフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アズレニルなどの炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
 アラルキル基としては、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、ジフェニルメチル、o、mまたはp−メチルベンジル、o、mまたはp−エチルベンジル、o、mまたはp−イソプロピルベンジル、o、mまたはp−tert−ブチルベンジル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジメチルベンジル、2,3,4−、3,4,5−または2,4,6−トリメチルベンジル、5−イソプロピル−2−メチルベンジル、2−イソプロピル−5−メチルベンジル、2−メチル−5−tert−ブチルベンジル、2,4−、2,5−または3,5−ジイソプロピルベンジル、3,5−ジ−tert−ブチルベンジル、1−(2−メチルフェニル)エチル、1−(3−メチルフェニル)エチル、1−(4−メチルフェニル)エチル、1−(2−イソプロピルフェニル)エチル、1−(3−イソプロピルフェニル)エチル、1−(4−イソプロピルフェニル)エチル、1−(2−tert−ブチルフェニル)エチル、1−(4−tert−ブチルフェニル)エチル、1−(2−イソプロピル−4−メチルフェニル)エチル、1−(4−イソプロピル−2−メチルフェニル)エチル、1−(2,4−ジメチルフェニル)エチル、1−(2,5−ジメチルフェニル)エチル、1−(3,5−ジメチルフェニル)エチル、1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エチルなどの炭素数7〜16のアラルキル基が挙げられる。
 R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素など)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどの炭素数1〜6のアルコキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルなどの炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基など)およびアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基など)などが挙げられる。これらの置換基は同一または相異なって1〜5個、好ましくは1〜3個置換していてもよい。
 上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していない炭化水素基、または、ヒドロキシル基を有する炭化水素基が好ましく、その中でも、アルキル基またはヒドロキシアルキル基が好ましい。
 アルキル基としては、好ましくは、炭素数が1〜18のアルキル基、より好ましくは、炭素数が7以上である、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの炭素数7〜18のアルキル基が挙げられる。
 ヒドロキシアルキル基としては、好ましくは、炭素数が1〜18のヒドロキシアルキル基、より好ましくは、炭素数が3〜12である、ヒドロキシトリメチレン、ヒドロキシテトラメチレン、ヒドロキシペンタメチレン、ヒドロキシヘキサメチレン、ヒドロキシヘプタメチレン、ヒドロキシオクタメチレン、ヒドロキシノナメチレン、ヒドロキシデカメチレン、ヒドロキシドデカメチレンなどの炭素数3〜12のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
 R1およびR2は、同一または相異なって、ともに炭素数1〜18のアルキル基であるか、一方が炭素数1〜18のアルキル基で、他方が炭素数3〜12のヒドロキシアルキル基であることが好ましい。
 一般式(1)の式中、R3およびR4で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、アルキル基、より好ましくは、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシルなどの炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
 また、R3およびR4で示される置換基を有していてもよいアルコキシ基のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシなどの炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられる。
 また、R3およびR4で示される置換基を有していてもよいアルコキシ基の置換基としては、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基と同様のものが挙げられる。
 上記したR3およびR4で示される置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、置換基を有していないアルコキシ基が好ましく、その中でも、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなどの炭素数1〜3のアルコキシ基が挙げられる。
 R3およびR4は、同一または相異なって、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基または水素原子であることが好ましく、その中でも、ともに水素原子であることが好ましい。
 一般式(1)の式中、R5で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、アリレン基などの2価の炭化水素基が挙げられる。
 アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、iso−プロピレン、ブチレン、iso−ブチレン、sec−ブチレン、ペンチレン、iso−ペンチレン、sec−ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、2−エチルヘキシレン、ノニレン、デシレン、イソデシレン、ドデシレン、テトラデシレン、ヘキサデシレン、オクタデシレンなどの炭素数1〜18のアルキレン基が挙げられる。
 アルケニレン基としては、例えば、ビニレン、プロペニレン、ブテニレン、ブタジエニレン、オクテニレン、デセニレン、ウンデセニレン、ドデセニレン、テトラデセニレン、ヘキサデセニレン、オクタデセニレンなどの炭素数2〜18のアルケニレン基が挙げられる。
 アルキニレン基としては、例えば、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン、オクテニレンなどの炭素数2〜8のアルキニレン基が挙げられる。
 シクロアルキレン基としては、例えば、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロオクチレンなどの炭素数3〜8のシクロアルキレン基が挙げられる。
 アリレン基としては、例えば、フェニレン、トリレン、キシリレン、ナフチレンなどの炭素数6〜10のアリレン基が挙げられ、好ましくは、フェニレンおよびキシリレンが挙げられる。
 また、R5で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基としては、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基と同様のものが挙げられ、好ましくは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどの炭素数1〜6のアルコキシ基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルなどの炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
 R5で示される置換基を有していてもよい炭化水素基として、好ましくは、炭素数2〜18のアルキレン基、フェニレン基、キシリレン基または炭素−炭素間単結合が挙げられる。
 また、一般式(1)の式中、Y1で示される−NRnCO−、−CONRn−、−NRnCS−、および、Y2で示される−CONRn−、−NRnCO−、−CSNRn−のRnとしては、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子が挙げられ、置換基を有していてもよい炭化水素基としては、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられる。好ましくは、アルキル基または水素原子が挙げられ、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどの炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。
 一般式(1)の式中、Y1として、好ましくは、−NHCO−、−CONH−、−COO−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合が挙げられ、また、Y2として、−CONH−、−NHCO−、−OOC−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合が挙げられる。
 一般式(1)の式中、Zで示されるアニオンとしては、例えば、無機アニオン、有機アニオンが挙げられる。
 無機アニオンとしては、例えば、ハロゲンイオン(例えば、F-、Cl-、Br-、I-など)、ヨウ素酸イオン(IO-)、臭素酸イオン(BrO-)、塩素酸イオン(ClO-)、過ヨウ素酸イオン(IO-)、過塩素酸イオン(ClO-)、硫酸イオン(SO -)、硝酸イオン(NO-)、リン酸イオン(PO -)、亜硫酸イオン(SO -)、亜硝酸イオン(NO-)などが挙げられる。
 有機アニオンとしては、例えば、遊離の有機カルボン酸や遊離の有機スルホン酸などの遊離の有機酸などが挙げられる。遊離の有機酸としては、炭素数1〜20、好ましくは、炭素数1〜10の遊離の有機酸が挙げられる。
 遊離の有機カルボン酸としては、例えば、1価の飽和カルボン酸イオン、2価の飽和カルボン酸イオン、1価の不飽和カルボン酸イオン、2価の不飽和カルボン酸イオン、ヒドロキシカルボン酸イオン、オキソカルボン酸イオン、芳香族カルボン酸イオンなどが挙げられる。
 1価の飽和カルボン酸イオンとしては、例えば、蟻酸イオン(HCOO-)、酢酸イオン(CHCOO-)、プロピオン酸イオン(CCOO-)、酪酸イオン(CCOO-)、イソ酪酸イオン((CHCHCOO-)、吉草酸イオン(CH(CHCOO-)、イソ吉草酸イオン((CHCHCHCOO-)、ピバル酸イオン((CHCCOO-)、オクタン酸イオン(CH(CHCOO-)、デカン酸イオン(CH(CHCOO-)、ラウリン酸イオン(CH(CH10COO-)、ミリスチン酸イオン(CH(CH12COO-)、パルミチン酸イオン(CH(CH14COO-)、ステアリン酸イオン(CH(CH16COO-)などの炭素数1〜18の1価の飽和カルボン酸イオンなどが挙げられる。
 2価の飽和カルボン酸イオンとしては、例えば、シュウ酸イオン((COO-))、マロン酸イオン(CH(COO-))、コハク酸イオン((-OOC)(CH(COO-))、グルタル酸イオン((-OOC)(CH(COO-))、アジピン酸イオン((-OOC)(CH(COO-))、ピメリン酸イオン((-OOC)(CH(COO-))、スベリン酸イオン((-OOC)(CH(COO-))、アゼライン酸イオン((-OOC)(CH(COO-))、セバシン酸イオン((-OOC)(CH(COO-))などの炭素数2〜10の2価の飽和カルボン酸イオンなどが挙げられる。
 1価の不飽和カルボン酸イオンとしては、例えば、アクリル酸イオン(CH=CHCOO-)、メタクリル酸イオン(CH=C(CH)COO-)、クロトン酸イオン(CHCH=CHCOO-)、cis−クロトン酸イオン(CHCH=CHCOO-)、ソルビン酸イオン(CHCH=CHCH=CHCOO-)、オレイン酸イオン(CH(CHCH=CH(CHCOO-)、trans-9-オクタデセン酸イオン(CH(CHCH=CH(CHCOO-)、フランカルボン酸イオン(COCOO-)などの炭素数3〜18の1価の不飽和カルボン酸イオンなどが挙げられる。
 2価の不飽和カルボン酸イオンとしては、例えば、マレイン酸イオン(CH(COO-)=CHCOO-)、シトラコン酸イオン((CH)C(COO-)=CHCOO-)、メサコン酸イオン((COO-)C(CH)=CHCOO-)などの炭素数4〜5の2価の不飽和カルボン酸イオンなどが挙げられる。
 ヒドロキシカルボン酸イオンとしては、例えば、乳酸イオン(CHCH(OH)COO-)、リンゴ酸イオン(CH(OH)(COO-)CHCOO-)、クエン酸イオン(CH(COO-)C(OH)(COO-)CHCOO-)、グリコン酸イオン(CH(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)COO-)などの炭素数3〜6のヒドロキシカルボン酸イオンなどが挙げられる。
 オキソカルボン酸イオンとしては、例えば、ピルビン酸イオン(CHCOCOO-)、アセト酢酸イオン(CHCOCHCOO-)などの炭素数3〜4のオキソカルボン酸イオンなどが挙げられる。
 芳香族カルボン酸イオンとしては、例えば、安息香酸イオン(CCOO-)、フタル酸イオン(C(COO-))、ナフタレンカルボン酸イオン(C10COO-)、ピリジンカルボン酸イオン(CNCOO-)などの炭素数5〜11の芳香族カルボン酸イオンなどが挙げられる。
 また、遊離の有機スルホン酸としては、例えば、メチル硫酸イオン((CH)SO-)、エチル硫酸イオン((C)SO-)、メチルベンゼンスルホン酸イオン(CHSO-)などの炭素数1〜7の有機スルホン酸イオンが挙げられる。
 また、一般式(1)の式中、Zで示される有機アニオンとしては、その他に、アミノ酸、エリソルビン酸、アスコルビン酸、デヒドロ酢酸、アルコラート、フェノラートおよび水酸基に起因する有機アニオンなどが挙げられる。
 これらアニオンは、単独または2種以上併用してもよい。好ましくは、有機アニオン、さらに好ましくは、遊離の有機酸、より好ましくは、遊離の有機カルボン酸が挙げられる。
 また、aは、1または2の整数を示し、具体的には、ビス四級アンモニウム塩化合物およびアニオンの種類に応じて、適宜決定される。aは、1が特に好ましい。
 このようなビス四級アンモニウム塩化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができ、その具体例としては、例えば、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(4−カルバモイル−1−オクチルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(4−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(4−カルバモイル−1−テトラデシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(4−カルバモイル−1−ヘキサデシルピリジニウム塩)などのN,N’−アルキレン−ビス(4−カルバモイル−1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−オクチルピリジニウム塩、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−デシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−テトラデシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−ヘキサデシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−オクタデシルピリジニウム塩)などのN,N’−アルキレン−ビス(3−カルバモイル−1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウム塩)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−テトラデシルピリジニウム塩)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−ヘキサデシルピリジニウム塩)などの4,4’−(アルキレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(ヘキサメチレンジチオ)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)などの4,4’−(アルキレンジチオ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−ブチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−ヘキシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−デシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−テトラデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−ヘキサデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−オクタデシルピリジニウム塩)などの4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス((1−アルキル)ピリジニウム塩)、例えば、3,3’−(m−キシリルジチオ)ビス(1−テトラデシルピリジニウム塩)などの3,3’−(m−キシリルジチオ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−ヘキシルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−オクチルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−テトラデシルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−ヘキサデシルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−オクタデシルピリジニウム塩)などのN,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、N,N’−(m−フェニレン)ビス(3−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウム塩)などのN,N’−(m−フェニレン)ビス(3−カルバモイル−1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ブチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ペンチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ヘキシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ヘプチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−デシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−テトラデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ヘキサデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−オクタデシルピリジニウム塩)などの4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、3,3’−(m−フタルアミド)ビス(1−オクタデシルピリジニウム塩)などの3,3’−(m−フタルアミド)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、1,4−テトラメチレンビス(4−カルバモイル−1−ヘキサデシルピリジニウム塩)、1,6−ヘキサメチレンビス(3−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウム塩)、1,6−オクタメチレンビス(3−カルバモイル−1−テトラデシルピリジニウム塩)、3,3’−(1,3−トリメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)などの(アルキレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(1,8−オクタメチレンジオキシ)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)、3,3’−(1,6−ヘキサメチレンジオキシ)ビス(1−ヘキサドデシルピリジニウム塩)などの(アルキレンジオキシ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(1,6−ヘキサメチレンジオキシジカルボニル)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)、3,3’−(1,6−テトラメチレンジオキシジカルボニル)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)などの(アルキレンジオキシジカルボニル)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(1,4−テトラメチレンジカルボニルジオキシ)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)などの(アルキレンジカルボニルジオキシ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(1,8−オクタメチレンジカルボニルジチオキシ)ビス(1−オクタデシルピリジニウム塩)などの(アルキレンジカルボニルジチオキシ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、3,3’−(p−フタロイルジオキシ)ビス(1−デシルピリジニウム塩)、3,3’−(m−フタロイルジチオキシ)ビス(1−デシルピリジニウム塩)などの(フタロイルジチオキシ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、1−オクチル−1’−(3−ヒドロキシトリメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−オクチル−1’−(6−ヒドロキシヘキサメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−オクチル−1’−(8−ヒドロキシオクタメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−オクチル−1’−(10−ヒドロキシデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−オクチル−1’−(12−ヒドロキシドデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−デシル−1’−(3−ヒドロキシトリメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−デシル−1’−(6−ヒドロキシヘキサメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−デシル−1’−(8−ヒドロキシオクタメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−デシル−1’−(10−ヒドロキシデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−デシル−1’−(12−ヒドロキシドデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−ドデシル−1’−(3−ヒドロキシトリメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−ドデシル−1’−(6−ヒドロキシヘキサメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−ドデシル−1’−(8−ヒドロキシオクタメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−ドデシル−1’−(10−ヒドロキシデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−ドデシル−1’−(12−ヒドロキシドデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩 などの1−アルキル−1’−(12−ヒドロキシアルキレン)−4,4’−ジピリジニウム塩などが挙げられる。
 なお、上記したビス四級アンモニウム塩化合物のピリジニウム塩としては、上記したZで示されるアニオンとの塩であれば特に制限されないが、例えば、ブロマイド(ピリジニウムブロマイド)、アイオダイド(ピリジニウムアイオダイド)、アセテート(ピリジニウムアセテート)などが挙げられる。
 これらのうち、好ましくは、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)(ダイマー38、イヌイ社製)、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムアセテート)(ダイマー38A、イヌイ社製)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウムブロマイド)(ダイマー136、イヌイ社製)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウムアセテート)(ダイマー136A、イヌイ社製)が挙げられる。さらに好ましくは、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムアセテート)(ダイマー38A、イヌイ社製)が挙げられる。これらビス四級アンモニウム塩化合物は、単独または2種以上併用してもよい。
 本発明に用いられるイソチアゾリン系化合物は、例えば、下記一般式(2)および/または下記一般式(3)で示される。
 一般式(2)
Figure 2004143163
(式中、R6は、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、X1およびX2は、同一または相異なって、炭化水素基(X1およびX2が2価の炭化水素基で環形成されている場合を含む。)、ハロゲン原子または水素原子を示す。)
 一般式(3)
Figure 2004143163
(式中、R7は、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。)
 一般式(2)および一般式(3)の式中、R6およびR7で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、置換基を有していない炭化水素基が好ましく、その中でも、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素数が1〜8のアルキル基、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基およびn−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシルなどの炭素数8のアルキル基が挙げられる。さらに好ましくは、メチル、n−ブチル、n−オクチルが挙げられる。
 また、R6およびR7の好ましい例としては、炭素数が1〜8のアルキル基および水素原子が挙げられる。
 一般式(2)で示されるイソチアゾリン系化合物において、X1およびX2で示される炭化水素基としては、上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、アルキル基、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
 また、X1およびX2は、2価の炭化水素基で環形成されていてもよく、このような2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン(トリメチレン)、iso−プロピレン、ブチレン(テトラメチレン)、iso−ブチレン、sec−ブチレン、ペンチレン、iso−ペンチレン、sec−ペンチレン、ヘキシレン(ヘキサメチレン)などの炭素数1〜6の2価の炭化水素基が挙げられる。好ましくは、トリメチレンが挙げられる。
 また、X1およびX2で示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。好ましくは、塩素が挙げられる。
 X1およびX2の好ましい例としては、例えば、ハロゲン原子、水素原子が挙げられ、好ましい態様としては、例えば、X1およびX2がともに水素原子、X1およびX2のうち、いずれか一方が水素原子であって他方がハロゲン原子、X1およびX2がともにハロゲン原子である態様が挙げられる。また、トリメチレンで環形成されているものも、好ましい態様の1つである。
 一般式(3)で示されるイソチアゾリン系化合物において、A環で示されるベンゼン環の置換基としては、上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基と同様のものが挙げられる。好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基など)が挙げられる。これらの置換基は、同一または相異なって1〜4個、好ましくは、1または2個置換していてもよい。A環で示される置換基を有していてもよいベンゼン環の好ましい態様としては、置換基を有していないベンゼン環が挙げられる。
 このようなイソチアゾリン系化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができ、その具体例としては、例えば、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−シクロヘキシル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
 これらのうち、好ましくは、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンが挙げられる。さらに好ましくは、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンが挙げられる。これらイソチアゾリン系化合物は、単独または2種以上併用してもよい。
 本発明に用いられるニトロアルコール系化合物は、下記一般式(4)で示される。
一般式(4)
Figure 2004143163
(式中、R8は、炭化水素基または水素原子を、R9は、ヒドロキシル基を有する炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子を、X3は、ヒドロキシル基を有する炭化水素基またはハロゲン原子を示す。)
 一般式(4)の式中、R8で示される炭化水素基としては、上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基と同様のものが挙げられる。好ましくは、アルキル基、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
 一般式(4)の式中、R9で示されるヒドロキシル基を有する炭化水素基の炭化水素基としては、上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基と同様のものが挙げられる。好ましくは、アルキル基、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。また、ヒドロキシル基は、例えば、炭化水素基に、1〜3個置換していることが好ましく、その中でも、1個置換していることが好ましい。
 このようなヒドロキシル基を有する炭化水素基としては、好ましくは、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルなどが挙げられ、好ましくは、ヒドロキシメチルが挙げられる。
 また、R9で示されるハロゲン原子としては、上記したX1およびX2で示されるハロゲン原子と同様のものが挙げられ、好ましくは、塩素および臭素が挙げられる。
 一般式(3)の式中、X3で示されるヒドロキシル基を有する炭化水素基としては、R9で示されるヒドロキシル基を有する炭化水素基と同様のものが挙げられる。好ましくは、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルなどが挙げられ、より好ましくは、ヒドロキシメチルが挙げられる。また、X3で示されるハロゲン原子としては、R9で示されるハロゲン原子と同様のものが挙げられ、好ましくは、塩素および臭素が挙げられる。
 一般式(4)の好ましい態様としては、R8が、炭素数1〜4のアルキル基または水素原子であり、R9が、ヒドロキシル基を有する炭素数1〜4のアルキル基、臭素原子または水素原子であり、X3が、ヒドロキシル基を有する炭素数1〜4のアルキル基、臭素原子または塩素原子である態様が挙げられ、R8が、メチルまたは水素原子であり、R9が、ヒドロキシエチル、ヒドロキシメチル、臭素原子または水素原子であり、X3が、ヒドロキシメチル、臭素原子または塩素原子である態様が、さらに好ましい。
 このようなニトロアルコール系化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができ、その具体例としては、例えば、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2−ブロモ−2−ニトロブタン−1,3−ジオール、3−ブロモ−3−ニトロペンタン−2,4−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノール、2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン、3,3−ジブロモ−3−ニトロ−2−プロパノール、2−クロロ−2−ニトロエタノール、2−クロロ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、3−クロロ−3−ニトロ−2−プロパノールなどが挙げられる。
 これらのうち、好ましくは、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノールが挙げられる。これらニトロアルコール系化合物は、単独または2種以上併用してもよい。
 そして、本発明の工業用殺菌剤は、ビス四級アンモニウム塩化合物と、イソチアゾリン系化合物および/またはニトロアルコール系化合物とを配合することにより得ることができる。
 すなわち、本発明の工業用殺菌剤は、ビス四級アンモニウム塩化合物を必須成分として、イソチアゾリン系化合物およびニトロアルコール系化合物の少なくともいずれかを配合することにより得ることができる。例えば、ビス四級アンモニウム塩化合物およびイソチアゾリン系化合物の2成分を配合する態様、ビス四級アンモニウム塩化合物およびニトロアルコール系化合物の2成分を配合する態様、ビス四級アンモニウム塩化合物、イソチアゾリン系化合物およびニトロアルコール系化合物の3成分を配合する態様が挙げられる。
 なお、本発明の工業用殺菌剤は、ビス四級アンモニウム塩化合物と、イソチアゾリン系化合物および/またはニトロアルコール系化合物とを別の製剤として調製し、使用時に混合してもよい。
 また、ビス四級アンモニウム塩化合物と、イソチアゾリン系化合物および/またはニトロアルコール系化合物とを配合する割合は、例えば、ビス四級アンモニウム塩化合物100重量部に対して、イソチアゾリン系化合物およびニトロアルコール系化合物の合計量が、2〜5000重量部、好ましくは、5〜2000重量部である。また、イソチアゾリン系化合物およびニトロアルコール系化合物を配合する割合は、上記の配合割合の範囲において、例えば、ビス四級アンモニウム塩化合物100重量部に対して、イソチアゾリン系化合物が、2〜1000重量部、好ましくは、5〜500重量部であり、ニトロアルコール系化合物が、10〜5000重量部、好ましくは、50〜2000重量部である。
 そして、このようにして配合される本発明の工業用殺菌剤は、後述する適用対象において、細菌、かび、酵母、藻の少なくとも1つに対して優れた防除効果を発現するため、これらの防除剤として好適に用いられる。
 また、本発明の工業用殺菌剤は、ビス四級アンモニウム塩化合物と、イソチアゾリン系化合物および/またはニトロアルコール系化合物とを予め配合して、製剤化したものを後述する適用対象に添加してもよく、また、ビス四級アンモニウム塩化合物と、イソチアゾリン系化合物および/またはニトロアルコール系化合物とを、後述する適用対象に、それぞれ個別に添加して、後述する適用対象において作用させてもよい。
 本発明の工業用殺菌剤を製剤化する場合には、特に限定されることなく、公知の方法を用いることができ、その目的および用途に応じて、例えば、液剤(水懸濁剤および油剤を含む。)、ペースト剤、粉剤、粒剤、マイクロカプセルなどの公知の種々の剤型に製剤化すればよい。また、包接化合物として調製してもよく、さらに、層状ケイ酸塩などのモンモリロナイト(スメクタイト類など)などに担持させ、あるいは、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルクなどに吸着させることにより調製してもよい。
 これらのうち、例えば、液剤として製剤化する場合には、ビス四級アンモニウム塩化合物と、イソチアゾリン系化合物および/またはニトロアルコール系化合物とを、上記した配合割合で、適宜溶剤に溶解または分散すればよい。より具体的には、例えば、液剤100重量%中に、溶剤が1〜99.8重量%、ビス四級アンモニウム塩化合物が0.1〜95重量%、四級アンモニウム塩化合物が0.1〜95重量%となる割合でそれぞれ配合し、溶解または分散させればよい。用いられる溶剤としては、ビス四級アンモニウム塩化合物およびイソチアゾリン系化合物および/またはニトロアルコール系化合物とを溶解しまたは分散し得る溶剤であれば特に制限されない。
 このような溶剤としては、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのアルコール系溶剤、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレンカーボネートなどのケトン系溶剤、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテルなどのエーテル系溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ−ブチロラクトン、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチルなどのエステル系溶剤、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N−メチルピロリドンなどの極性溶剤などが挙げられる。
 これらのうち、好ましくは、水、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、極性溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独または2種以上併用してもよい。
 また、本発明の藻類防除剤は、その目的および用途によって、公知の添加剤、例えば、他の防藻剤および/または防かび剤、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤などを添加してもよい。
 他の防藻剤および/または防かび剤としては、例えば、ジチオール系化合物、チオフェン系化合物、ハロアセチレン系化合物、フタルイミド系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、ピリチオン系化合物、フェニルウレア系化合物、トリアジン系化合物、グアニジン系化合物、トリアゾール系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、四級アンモニウム塩系化合物が挙げられる。
 ジチオール系化合物としては、例えば、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンがなど挙げられる。
 チオフェン系化合物としては、例えば、3,3,4−トリクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドなどが挙げられる。
 ハロアセチレン系化合物としては、例えば、N−ブチル−3−ヨードプロピオール酸アミド、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートなどが挙げられる。
 フタルイミド系化合物としては、例えば、N−1,1,2,2−テトラクロロエチルチオ−テトラヒドロフタルイミド(Captafol)、N−トリクロロメチルチオ−テトラヒドロフタルイミド(Captan)、N−ジクロロフルオロメチルチオフタルイミド(Fluorfolpet)、N−トリクロロメチルチオフタルイミド(Folpet)などが挙げられる。
 ハロアルキルチオ系化合物としては、例えば、N−ジメチルアミノスルホニル−N−トリル−ジクロロフルオロメタンスルファミド(Tolylfluanide)、N−ジメチルアミノスルホニル−N−フェニル−ジクロロフルオロメタンスルファミド(Dichlofluanide)などが挙げられる。
 ピリチオン系化合物としては、例えば、ナトリウムピリチオン、ジンクピリチオンなどが挙げられる。
 フェニルウレア系化合物としては、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアなどが挙げられる。
 トリアジン系化合物としては、例えば、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジンなどが挙げられる。
 グアニジン系化合物としては、例えば、1,6−ジ−(4’−クロロフェニルジグアニド)−ヘキサン、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩などが挙げられる。
 トリアゾール系化合物としては、例えば、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:プロピコナゾール)、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:アザコナゾール)、α−(4−クロロフェニル)−α−(1−シクロプロピルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:シプロコナゾール)などが挙げられる。
 ベンズイミダゾール系化合物としては、例えば、メチル 2−ベンズイミダゾールカルバメート、エチル 2−ベンズイミダゾールカルバメート、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾールなどが挙げられる。
 四級アンモニウム塩系化合物としては、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ジ−n−デシル−ジメチルアンモニウムクロライド、1−ヘキサデシルピリジニウムクロライドなどが挙げられる。
 また、他の防藻剤および/または防かび剤として、その他に、例えば、ジヨードメチル−p−トルイルスルホン、p−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルフォルマールなどの有機ヨウ素系化合物、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチオカーバメート系化合物、例えば、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルなどのニトリル系化合物、例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジンなどのピジリン系化合物、例えば、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾールなどのベンゾチアゾール系化合物、例えば、3−ベンゾ[b]チエン−2−イル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−オキサチアジン−4−オキサイドなどのオキサチアジン系化合物などが挙げられる。
 これらの他の防藻剤および/または防かび剤は、単独または2種以上併用してもよい。また、他の防藻剤および/または防かび剤の配合割合は、その剤型および目的ならびに用途によって適宜決定されるが、例えば、ビス四級アンモニウム塩化合物100重量部に対して、1〜9000重量部、好ましくは、3〜8000重量部である。
 また、界面活性剤としては、例えば、石鹸類、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン界面活性剤、高分子界面活性剤など、公知の界面活性剤が挙げられ、好ましくは、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤が挙げられる。
 また、酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−t−ブチルフェノール]などのフェノール系酸化防止剤、例えば、アルキルジフェニルアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
 これら、界面活性剤および酸化防止剤は、例えば、液剤の場合には、液剤100重量部に対して0.1〜5重量部添加される。
 また、光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどのヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられる。
 このような光安定剤は、例えば、液剤の場合には、液剤100重量部に対して0.1〜10重量部添加される。
 そして、このようにして得られる本発明の工業用殺菌剤は、塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水を適用対象として、細菌、かび、酵母、藻に対する優れた防除効果を発現することができる。
 塗料としては、特に制限されず、例えば、油性塗料、酒精塗料、NAD塗料、電着塗料、粉体塗料、セルロース塗料、合成樹脂塗料、水性塗料、漆系塗料、ゴム系塗料などが挙げられる。好ましくは、合成樹脂塗料、水性塗料に適用される。
 合成樹脂塗料としては、例えば、フェノール樹脂塗料、フタル酸樹脂塗料(例えば、アルキド樹脂塗料など)、マレイン酸樹脂塗料、尿素樹脂塗料、メラミン樹脂塗料、ビニル樹脂塗料(例えば、酢酸ビニル樹脂塗料、塩化ビニル樹脂塗料、スチレン樹脂塗料、アクリル酸樹脂塗料、ポリビニルブチラール樹脂塗料など)、エポキシ樹脂塗料、シリコーン樹脂塗料、フラン樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、ニトロセルロース樹脂塗料、アミノ樹脂塗料、フッ素樹脂塗料などが挙げられる。
 水性塗料としては、例えば、水性ペイント、エマルション油ペイント、乳化重合塗料(例えば、酢酸ビニル樹脂乳化重合塗料、塩化ビニリデン塩化ビニル共重合体乳化重合塗料、アクリル酸樹脂乳化重合塗料、スチレン樹脂乳化重合塗料、合成ゴムラテックス塗料など)などが挙げられる。
 本発明の工業用殺菌剤を塗料に適用する場合には、例えば、塗料100重量部に対して、本発明の工業用殺菌剤を含む製剤として、例えば、0.05〜10重量部、好ましくは、0.1〜5重量部添加して混合すればよい。
 このようにして調製される塗料は、本発明の工業用殺菌剤が添加されるため、細菌、かび、酵母、藻の発生が防除され、長期にわたって良好な品質を保持することができる。
 また、このような塗料は、例えば、建築用途、製紙用途、自動車用途、船舶用途、重防食用途などに用いられる。
 インクとしては、油性インク、水性インクなど、特に制限されず、例えば、筆記用インク、印刷インク、複写インク、記標インク、特殊インク(例えば、不消インク、隠顕インクなど)などが挙げられる。好ましくは、これらのうちの水性インクに適用される。
 本発明の工業用殺菌剤をインクに適用する場合には、例えば、インク100重量部に対して、本発明の工業用殺菌剤を含む製剤として、例えば、0.05〜10重量部、好ましくは、0.1〜5重量部添加して混合すればよい。
 このようにして調製されるインクは、本発明の工業用殺菌剤が添加されるため、細菌、かび、酵母、藻の発生が防除され、長期にわたって良好な品質を保持することができる。
 樹脂エマルションとしては、特に制限されず、例えば、アクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、酢酸ビニル樹脂エマルション、アクリル−スチレン樹脂エマルション、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルションなどが挙げられる。好ましくは、アクリル樹脂エマルション、酢酸ビニル樹脂エマルションに適用される。
 本発明の工業用殺菌剤を樹脂エマルションに適用する場合には、例えば、樹脂エマルション100重量部に対して、本発明の工業用殺菌剤を含む製剤として、例えば、0.05〜10重量部、好ましくは、0.1〜5重量部添加して混合すればよい。
 このようにして調製される樹脂エマルションは、本発明の工業用殺菌剤が添加されるため、細菌、かび、酵母、藻の発生が防除され、長期にわたって良好な品質を保持することができる。
 金属加工油剤は、金属材料の金属加工に用いられる油剤であって、不水溶性金属加工油剤、水溶性金属加工油剤など、特に制限されず、例えば、切削油剤、研削油剤、作動油剤などが挙げられる。好ましくは、水溶性金属加工油剤に適用される。
 本発明の工業用殺菌剤を金属加工油剤に適用する場合には、例えば、金属加工油剤100重量部に対して、本発明の工業用殺菌剤を含む製剤として、例えば、0.1〜20重量部、好ましくは、0.5〜10重量部添加して混合すればよい。
 このようにして調製される金属加工油剤は、本発明の工業用殺菌剤が添加されるため、細菌、かび、酵母、藻の発生が防除され、長期にわたって良好な品質を保持することができる。
 湿し水は、平版印刷おいて、非画像部への印刷インクの付着の防止、画像部の劣化防止、版画湿度の保持、非画像部と画像部との清浄などを目的として、版面を湿らせる水溶液であって、特に制限されず、例えば、広告、宣伝、カタログなどの用途としての商業用湿し水、新聞印刷用湿し水などが挙げられる。
 本発明の工業用殺菌剤を湿し水に適用する場合には、例えば、湿し水100重量部に対して、本発明の工業用殺菌剤を含む製剤として、例えば、0.1〜20重量部、好ましくは、0.5〜10重量部添加して混合すればよい。
 このようにして調製される湿し水は、本発明の工業用殺菌剤が添加されるため、細菌、かび、酵母、藻の発生が防除され、長期にわたって良好な品質を保持することができる。
 なお、本発明の工業用殺菌剤は、上記した他に、例えば、リグニンスルホン酸またはその塩(塩としては、ナトリウム、カリウムなどの1価の金属が挙げられる。)を含むセメント減水剤や、植物の延命剤などの用途としても、好適に用いることができる。
 また、本発明の工業用殺菌剤は、上記した適用対象において、pHが、3〜13、好ましくは、4〜12の範囲で用いることができる。さらには、例えば、SO 2−、SO 2−、HSO 、HSO 、S 2−、好ましくは、SO 2−、HSO 、S 2−などの還元剤の存在下においても、その効力を有効に発現することができる。なお、この場合の還元剤の濃度は、例えば、製品中1〜10000ppmであることが好ましい。
 以下に実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。なお、以下の実施例および比較例に用いる有効成分の略号を下記に示す。
HMDP−Ac:N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムアセテート)
HMDP−Br:N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)
MIT: 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン
BIT:1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン
MITs:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン6重量%と、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下略号をCL−MITとする。)20重量%との混合物
OIT:2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン
BNPD:2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール
DBNE:2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノール
(1)実施例および比較例の調製
  実施例1
 ダイマー38A(HMDP−Ac:10重量%、イヌイ社製)30g、コーデック50C(MIT:50重量%、ロームアンドハース社製)6gを、プロピレングリコール64gに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
  実施例2
 ダイマー38A(HMDP−Ac:10重量%、イヌイ社製)28g、プロクセルプレスペーストD(BIT:80重量%、アビシア社製)4.0gを、プロピレングリコール68gに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
  実施例3
 ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)3g、ケーソンLX SF25(MITs:26重量%、ロームアンドハース社製)11.5gを、プロピレングリコール85.5gに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
  実施例4
 ダイマー38A(HMDP−Ac:10重量%、イヌイ社製)30g、ゾーネン0/100(OIT:100重量%、ケミクレア社製)3.0gを、プロピレングリコール67.0gに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
  実施例5
 ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)1.5g、マイヤサイドAS(BNPD:99重量%、長瀬産業社製)20.2gを、プロピレングリコール78.3gに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
  実施例6
 ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)1.5g、ジブニロールA−75(DBNE:75重量%、ケイアイ化成社製)20gを、プロピレングリコール78.5gに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
  比較例1
 ダイマー38A(HMDP−Ac:10重量%、イヌイ社製)60gを、プロピレングリコール40gに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
  比較例2
 ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)6.1gを、プロピレングリコール93.9gに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
  比較例3
 コーデック50C(MIT:50重量%、ロームアンドハース社製)12gを、プロピレングリコール88gに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
  比較例4
 プロクセルプレスペーストD(BIT:80重量%、アビシア社製)7.5gを、メチルカルビトール92.5gに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
  比較例5
 ケーソンLX SF25(MITs:26重量%、ロームアンドハース社製)23.1gを、プロピレングリコール76.9gに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
  比較例6
 ゾーネン0/100(OIT:100重量%、ケミクレア社製)6gを、プロピレングリコール94gに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
  比較例7
 マイヤサイドAS(BNPD:99重量%、長瀬産業社製)21.7gを、プロピレングリコール78.3gに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
  比較例8
 ジブニロールA−75(DBNE:75重量%、ケイアイ化成社製)22gを、プロピレングリコール78gに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
  比較例9
 ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)21.7gを、ジメチルスルホキシド78.3gに加え、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
(2)効果試験
1)塗料
 ビニデラ300(アクリル系塗料、関西ペイント社製)に対して、表1に示す各実施例および各比較例を、0.1重量%の割合となるように添加して、塗料を調製した。次いで、この塗料100gに対して塗料腐敗種2gを添加して、33℃の恒温槽で1ヶ月放置後、細菌およびかびの生菌数を測定した。初期および1ヶ月放置後の菌数を表1に示す。
Figure 2004143163
2)インク
 藍インク(サカタインクス社製)に対して、表2に示す各実施例および各比較例を、0.2重量%の割合となるように添加して、インクを調製した。次いで、このインク100gに対してインク腐敗種(サカタインクス供試品)2gを添加して、33℃の恒温槽で2ヶ月放置後、細菌の生菌数を測定した。なお、2ヶ月放置している間には、毎週、インク腐敗種2gを添加した。初期および2ヶ月放置後の菌数を表2に示す。
Figure 2004143163
3)樹脂エマルション
 A−50(アクリル樹脂エマルション、ガンツ化成社製)に対して、表3に示す各実施例および各比較例を、0.1重量%の割合となるように添加して、樹脂エマルションを調製した。次いで、この樹脂エマルション100gに対して樹脂エマルション腐敗種(ガンツ化成供試品)2gを添加して、33℃の恒温槽で1ヶ月放置後、細菌およびかびの生菌数を測定した。初期および1ヶ月放置後の菌数を表3に示す。
Figure 2004143163
4)金属加工油剤
 切削油剤(ソリューションタイプ、日本クエーカー社製)に対して、表4に示す各実施例および各比較例を、4.0重量%の割合となるように添加して、金属加工油剤を調製した。次いで、300mL三角フラスコに、減菌水100mL、とうもろこし粉5g、鋳鉄切屑3g、潤滑油1mLおよび調製した金属加工油剤3mLを加え、これを培地として、金属加工油剤腐敗液(バチルス・ズブチリス(IFO3531)、大腸菌(IFO3044)、シュードモナスアウレギノーサ(IFO3080)、セラチアマルセッセンス(IFO3735)および黄色ブドウ球菌(IFO3061)から調製)1mLを添加して、30℃の恒温槽で振盪培養し、1ヶ月放置後、細菌の生菌数を測定した。なお、1ヶ月振盪培養している間には、週に2回、金属加工油剤腐敗液1mLを添加した。初期および1ヶ月放置後の菌数を表4に示す。
Figure 2004143163
5)湿し水
 広告用湿し水(ニチナン商事社製)に対して、表5に示す各実施例および各比較例を、3.0重量%の割合となるように添加して、湿し水を調製した。次いで、この湿し水を、水で50倍希釈した後、湿し水腐敗液(バチルス・ズブチリス(IFO3531)、大腸菌(IFO3044)、シュードモナスアウレギノーサ(IFO3080)、セラチアマルセッセンス(IFO3735)および黄色ブドウ球菌(IFO3061)から調製)2gを添加して、30℃の恒温槽で振盪培養し、1ヶ月放置後、細菌の生菌数を測定した。なお、1ヶ月振盪培養している間には、週に1回、湿し水腐敗液2gを添加した。初期および1ヶ月放置後の菌数を表5に示す。
Figure 2004143163

Claims (13)

  1. ビス四級アンモニウム塩化合物と、イソチアゾリン系化合物および/またはニトロアルコール系化合物とを含有し、適用対象が、塗料、インク、樹脂エマルション、金属加工油剤、湿し水からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、工業用殺菌剤。
  2. ビス四級アンモニウム塩化合物が、下記一般式(1)で示されることを特徴とする、請求項1に記載の工業用殺菌剤。
     一般式(1)
    Figure 2004143163
    (式中、R1およびR2は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を、R3およびR4は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基または水素原子を、R5は、置換基を有していてもよい炭化水素基または炭素−炭素間単結合を、Y1は、−NRnCO−、−CONRn−、−NRnCS−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−COO−、−COS−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Y2は、−CONRn−、−NRnCO−、−CSNRn−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−OOC−、−SOC−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Zはアニオンを、aは1または2の整数を示す。)
  3. イソチアゾリン系化合物が、下記一般式(2)および/または下記一般式(3)で示されることを特徴とする、請求項1または2に記載の工業用殺菌剤。
     一般式(2)
    Figure 2004143163
    (式中、R6は、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、X1およびX2は、同一または相異なって、炭化水素基(X1およびX2が2価の炭化水素基で環形成されている場合を含む。)、ハロゲン原子または水素原子を示す。)
     一般式(3)
    Figure 2004143163
    (式中、R7は、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。)
  4. ニトロアルコール系化合物が、下記一般式(4)で示されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の工業用殺菌剤。
     一般式(4)
    Figure 2004143163
    (式中、R8は、炭化水素基または水素原子を、R9は、ヒドロキシル基を有する炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子を、X3は、ヒドロキシル基を有する炭化水素基またはハロゲン原子を示す。)
  5. 一般式(1)で示されるビス四級アンモニウム塩化合物の式中、R1およびR2が、炭素数1〜18のアルキル基または炭素数1〜18のヒドロキシアルキル基であり、R3およびR4が、水素原子であり、R5が、炭素数2〜18のアルキレン基、フェニレン基、キシリレン基または炭素−炭素間単結合であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の工業用殺菌剤。
  6. 一般式(1)で示されるビス四級アンモニウム塩化合物の式中、Zが有機アニオンであることを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載の工業用殺菌剤。
  7. 一般式(2)および一般式(3)で示されるイソチアゾリン系化合物の式中、R6およびR7が、炭素数1〜8のアルキル基または水素原子であり、X1およびX2が、ともに水素原子、一方が水素原子で他方が塩素原子またはともに塩素原子であることを特徴とする、請求項3〜6のいずれかに記載の工業用殺菌剤。
  8. 一般式(4)で示されるニトロアルコール系化合物の式中、R8が、炭素数1〜4のアルキル基または水素原子であり、R9が、ヒドロキシル基を有する炭素数1〜4のアルキル基、臭素原子または水素原子であり、X3が、ヒドロキシル基を有する炭素数1〜4のアルキル基、臭素原子または塩素原子であることを特徴とする、請求項4〜7のいずれかに記載の工業用殺菌剤。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の工業用殺菌剤を含有することを特徴とする、塗料。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の工業用殺菌剤を含有することを特徴とする、インク。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の工業用殺菌剤を含有することを特徴とする、樹脂エマルション。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の工業用殺菌剤を含有することを特徴とする、金属加工油剤。
  13. 請求項1〜8のいずれかに記載の工業用殺菌剤を含有することを特徴とする、湿し水。
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