JP5834320B1 - 防かび組成物およびコーティング剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】一層優れた防かび効果を発現することのできる防かび組成物を提供すること。【解決手段】防かび組成物は、ハロアセチレン化合物と、イソチアゾリン化合物と、2種以上のトリアゾール化合物とを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、防かび組成物およびコーティング剤、詳しくは、防かび組成物およびそれを含むコーティング剤に関する。
従来より、各種産業製品の防かび剤として、ハロアセチレン化合物およびイソチアゾリン系化合物がよく知られている。
例えば、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートおよび2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含有する水和剤が、優れた防かび効果を発現することが提案されている(例えば、下記特許文献1の実施例7参照。)。
特公平5−42405号公報
近年、特許文献1の水和剤よりも、さらなる防かび効果が要求されている。
本発明の目的は、一層優れた防かび効果を発現することのできる防かび組成物を提供することにある。
本発明は、
[1] ハロアセチレン化合物と、イソチアゾリン化合物と、2種以上のトリアゾール化合物とを含有する、防かび組成物、
[2] トリアゾール化合物の含有割合が、ハロアセチレン化合物およびイソチアゾリン化合物の総量100質量部に対して、100質量部未満である、上記[1]に記載の防かび組成物、
[3] トリアゾール化合物が、少なくとも、プロピコナゾールを含む、上記[1]または[2]に記載の防かび組成物、
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の防かび組成物を含有する、コーティング剤
である。
本発明の防かび組成物は、ハロアセチレン化合物と、イソチアゾリン化合物と、2種以上のトリアゾール化合物とを含有するので、一層優れた防かび効果を発現することができる。
そして、本発明のコーティング剤には上記の防かび組成物が含まれているので、一層優れた防かび効果を発現することができる。
本発明の防かび組成物は、有効成分(防かび化合物)として、ハロアセチレン化合物と、イソチアゾリン化合物と、2種以上のトリアゾール化合物とを含有しており、好ましくは、有効成分は、ハロアセチレン化合物と、イソチアゾリン化合物と、2種以上のトリアゾール化合物とからなる。
本発明において、ハロアセチレン化合物は、下記一般式(1)で表される。
(式中、R1およびR2は、同一または相異なって,置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、X1はハロゲン原子を、zは0または1の整数を示す。)
一般式(1)の式中、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基などが挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの炭素数1〜18のアルキル基が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、メタリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプチニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニルなどの炭素数2〜18のアルケニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ブチニル、ペンチニル、オクテニルなどの炭素数2〜8のアルキニル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの炭素数3〜8のシクロアルキル基が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、ビフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アズレニルなどの炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、ジフェニルメチル、o、mまたはp−メチルベンジル、o、mまたはp−エチルベンジル、o、mまたはp−イソプロピルベンジル、o、mまたはp−tert−ブチルベンジル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジメチルベンジル、2,3,4−、3,4,5−または2,4,6−トリメチルベンジル、5−イソプロピル−2−メチルベンジル、2−イソプロピル−5−メチルベンジル、2−メチル−5−tert−ブチルベンジル、2,4−、2,5−または3,5−ジイソプロピルベンジル、3,5−ジ−tert−ブチルベンジル、1−(2−メチルフェニル)エチル、1−(3−メチルフェニル)エチル、1−(4−メチルフェニル)エチル、1−(2−イソプロピルフェニル)エチル、1−(3−イソプロピルフェニル)エチル、1−(4−イソプロピルフェニル)エチル、1−(2−tert−ブチルフェニル)エチル、1−(4−tert−ブチルフェニル)エチル、1−(2−イソプロピル−4−メチルフェニル)エチル、1−(4−イソプロピル−2−メチルフェニル)エチル、1−(2,4−ジメチルフェニル)エチル、1−(2,5−ジメチルフェニル)エチル、1−(3,5−ジメチルフェニル)エチル、1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エチルなどの炭素数7〜16のアラルキル基が挙げられる。
R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素など)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどの炭素数1〜6のアルコキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルなどの炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基など)およびアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基など)などが挙げられる。これらの置換基は同一または相異なって1〜5個、好ましくは1〜3個置換していてもよい。
上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していない炭化水素基が好ましく、その中でも、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、イソデシルなどの炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。さらに好ましくは、n−ブチルが挙げられる。
一般式(1)の式中、X1で示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。好ましくは、ヨウ素が挙げられる。
一般式(1)の好ましい態様としては、R1およびR2がともに水素原子、R1およびR2のいずれか一方が水素原子であり他方が炭素数1〜10のアルキル基、または、R1およびR2がともに炭素数1〜10のアルキル基であり、X1がヨウ素である態様が挙げられる。さらに好ましくは、R1およびR2のいずれか一方が水素原子であり他方が炭素数1〜10のアルキル基であり、X1がヨウ素である態様が挙げられ、とりわけ好ましくは、R1およびR2のいずれか一方が水素原子であり、他方がn−ブチルであり、X1がヨウ素である態様が挙げられる。
また、zは0または1の整数を示し、zが0のときは、ハロアセチレン系化合物は酸アミド誘導体となり、zが1のときは、ハロアセチレン系化合物はカーバメート誘導体となる。これらのうち、zが1であるハロアセチレン系化合物のカーバメート誘導体が好ましい。
このようなハロアセチレン系化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができ、その具体例としては、zが0のときのハロアセチレン系化合物の酸アミド誘導体として、例えば、3−クロロプロピオール酸アミド、N−メチル−3−クロロプロピオール酸アミド、N−エチル−3−クロロプロピオール酸アミド、N−プロピル−3−クロロプロピオール酸アミド、N−ブチル−3−クロロプロピオール酸アミド、N−ヘキシル−3−クロロプロピオール酸アミド、N−オクチル−3−クロロプロピオール酸アミド、N−シクロヘキシル−3−クロロプロピオール酸アミドなどの(N−置換−)3−クロロプロピオール酸アミド、例えば、3−ブロモプロピオール酸アミド、N−メチル−3−ブロモプロピオール酸アミド、N−エチル−3−ブロモプロピオール酸アミド、N−プロピル−3−ブロモプロピオール酸アミド、N−ブチル−3−ブロモプロピオール酸アミド、N−ヘキシル−3−ブロモプロピオール酸アミド、N−オクチル−3−ブロモプロピオール酸アミド、N−シクロヘキシル−3−ブロモプロピオール酸アミドなどの(N−置換−)3−ブロモプロピオール酸アミド、例えば、3−ヨードプロピオール酸アミド、N−メチル−3−ヨードプロピオール酸アミド、N−エチル−3−ヨードプロピオール酸アミド、N−プロピル−3−ヨードプロピオール酸アミド、N−ブチル−3−ヨードプロピオール酸アミド、N−ヘキシル−3−ヨードプロピオール酸アミド、N−オクチル−3−ヨードプロピオール酸アミド、N−シクロヘキシル−3−ヨードプロピオール酸アミドなどの(N−置換−)3−ヨードプロピオール酸アミドなどが挙げられる。好ましくは、(N−置換−)3−ヨードプロピオール酸アミドが挙げられ、より好ましくは、N−ブチル−3−ヨードプロピオール酸アミドが挙げられる。
また、zが1のときのハロアセチレン系化合物のカーバメート誘導体として、例えば、3−ヨード−2−プロピニルメチルカーバメート、3−ヨード−2−プロピニルエチルカーバメート、3−ヨード−2−プロピニルプロピルカーバメート、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート(IPBC)、3−ヨード−2−プロピニルヘキシルカーバメート、3−ヨード−2−プロピニルオクチルカーバメート、3−ヨード−2−プロピニルシクロヘキシルカーバメートなどの3−ヨード−2−プロピニルアルキルカーバメートなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート(IPBC)が挙げられる。
これらハロアセチレン系化合物は、単独または2種以上併用してもよく、好ましくは、単独使用が挙げられる。
ハロアセチレン化合物の含有割合は、防かび組成物100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上であり、また、例えば、99.99質量部以下、好ましくは、99.9質量部以下である。
また、ハロアセチレン化合物の含有割合は、ハロアセチレン化合物と、イソチアゾリン化合物と、2種以上のトリアゾール化合物との総量100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、30質量部以上であり、また、例えば、80質量部以下、好ましくは、70質量部以下である。
本発明において、イソチアゾリン系化合物は、下記一般式(2)および/または下記一般式(3)で示され、好ましくは、下記一般式(2)で示されるイソチアゾリン系化合物が挙げられる。
(式中、R3は、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、X2およびX3は、同一または相異なって、炭化水素基(X2およびX3が2価の炭化水素基で環形成されている場合を含む。)、ハロゲン原子または水素原子を示す。)
(式中、R4は、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。)
一般式(2)および一般式(3)の式中、R3およびR4で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、置換基を有していない炭化水素基が好ましく、その中でも、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素数が1〜8のアルキル基、より好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基およびオクチルなどの炭素数8のアルキル基が挙げられる。さらに好ましくは、メチル、n−ブチル、n−オクチルが挙げられる。
また、R3およびR4の好ましい例としては、炭素数が1〜8のアルキル基および水素原子が挙げられる。
一般式(2)で示されるイソチアゾリン系化合物において、X2およびX3で示される炭化水素基としては、上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、アルキル基、より好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
また、X2およびX3は、2価の炭化水素基で環形成されていてもよく、このような2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン(トリメチレン)、iso−プロピレン、ブチレン(テトラメチレン)、iso−ブチレン、sec−ブチレン、ペンチレン、iso−ペンチレン、sec−ペンチレン、ヘキシレン(ヘキサメチレン)などの炭素数1〜6の2価の炭化水素基が挙げられる。好ましくは、トリメチレンが挙げられる。
また、X2およびX3で示されるハロゲン原子としては、上記したX1で示されるハロゲン原子と同様のものが挙げられ、好ましくは、塩素が挙げられる。
X2およびX3の好ましい例としては、例えば、ハロゲン原子、水素原子が挙げられ、好ましい態様としては、例えば、X2およびX3がともに水素原子、X2およびX3のうち、いずれか一方が水素原子であって他方がハロゲン原子、X2およびX3がともにハロゲン原子である態様が挙げられる。また、トリメチレンで環形成されているものも、好ましい態様の1つである。
一般式(3)で示されるイソチアゾリン系化合物において、A環で示されるベンゼン環の置換基としては、上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基と同様のものが挙げられる。好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基など)が挙げられる。これらの置換基は、同一または相異なって1〜4個、好ましくは、1または2個置換していてもよい。A環で示される置換基を有していてもよいベンゼン環の好ましい態様としては、置換基を有していないベンゼン環が挙げられる。
このようなイソチアゾリン系化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができ、その具体例としては、例えば、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(DCOIT)、4,5−ジクロロ−2−シクロヘキシル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン(BBIT)などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(DCOIT)、N−n−ブチル−1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン(BBIT)、さらに好ましくは、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(DCOIT)、とりわけ好ましくは、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)が挙げられる。
これらイソチアゾリン系化合物は、単独または2種以上併用してもよく、好ましくは、単独使用が挙げられる。
イソチアゾリン系化合物の含有割合は、防かび組成物100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上であり、また、例えば、99.99質量部以下、好ましくは、99.9質量部以下である。
また、イソチアゾリン化合物の含有割合は、ハロアセチレン化合物と、イソチアゾリン化合物と、2種以上のトリアゾール化合物との総量100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上、より好ましくは、5質量部以上であり、また、例えば、70質量部以下、好ましくは、50質量部以下、より好ましくは、10質量部以下である。
また、イソチアゾリン化合物の含有割合は、ハロアセチレン化合物100質量部に対して、より高い安全性の観点から、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、また、例えば、1000質量部以下、好ましくは、20質量部以下であり、また、耐候性の観点から、例えば、1質量部以上、好ましくは、300質量部以上であり、また、例えば、1000質量部以下、好ましくは、70質量部以下でもある。
本発明において、トリアゾール系化合物は、下記一般式(4)および/または下記一般式(5)で示される。
(式中、R5、R6およびR7は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、F1は、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を、qは1〜3の整数を示す。)
(式中、R8およびR9は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、F2は、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を、qは1〜3の整数を示す。)
一般式(4)中、R5、R6およびR7で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、置換基を有していない炭化水素基が挙げられる。その中でも、アルキル基、シクロアルキル基が好ましい。R5、R6およびR7で示されるアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、とりわけ、メチルが好ましい。また、R5、R6およびR7で示されるシクロアルキル基としては、シクロプロピルが好ましい。
R5、R6およびR7の好ましい例としては、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基が挙げられ、好ましい態様としては、例えば、R5、R6およびR7がともに水素原子、R5、R6およびR7がともにアルキル基、R5、R6およびR7がともにシクロアルキル基である態様、例えば、R5、R6およびR7のうち、いずれか2つがアルキル基で、残りがシクロアルキル基または水素原子、R5、R6およびR7のうち、いずれか2つがシクロアルキル基で、残りがアルキル基または水素原子、R5、R6およびR7のうち、いずれか2つが水素原子で、残りがシクロアルキル基またはアルキル基である態様、例えば、R5、R6およびR7のうち、いずれか1つがアルキル基で、いずれか1つがシクロアルキル基で、残りが水素原子である態様が挙げられる。これらの態様のうち、R5、R6およびR7がともにアルキル基である態様、および、R5、R6およびR7のうち、いずれか1つがアルキル基で、いずれか1つがシクロアルキル基で、残りが水素原子である態様がより好ましい。
また、F1で示される置換基を有していてもよいアリール基のアリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、ビフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アズレニルなどの炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。また、F1で示される置換基を有していてもよいアラルキル基のアラルキル基としては、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル、4−フェニルブチル、ジフェニルメチルなどの炭素数7〜13のアラルキル基が挙げられる。好ましくは、1−フェニルエチルが挙げられる。さらに、F1で示される置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基の置換基としては、上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基と同様のものが挙げられ、好ましくは、ハロゲン原子が挙げられる。これらの置換基は同一または相異なって1〜5個、好ましくは1〜3個置換していてもよい。
これらのうち、F1で示される置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基の最も好ましい例としては、ハロゲン置換フェニル、ハロゲン置換1−フェニルエチルが挙げられる。
なお、一般式(4)で示されるトリアゾール系化合物において、qは、1であることが好ましい。
また、上記一般式(5)で示されるトリアゾール系化合物において、R8およびR9で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、置換基を有していない炭化水素基が好ましく挙げられる。その中でも、アルキル基が好ましい。より好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。R8およびR9の好ましい例としては、水素原子、アルキル基が挙げられ、好ましい態様としては、例えば、R8およびR9がともに水素原子、R8およびR9のうち、いずれか一方が水素原子であって他方がアルキル基、R8およびR9がともにアルキル基である態様が挙げられる。
また、F2で示される置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基としては、F1で示される置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基と同様のものが挙げられ、好ましくは、置換基を有していてもよいアリール基、より好ましくは、ハロゲン置換フェニルが挙げられる。
なお、一般式(5)で示されるトリアゾール系化合物において、qは、1であることが好ましい。
このようなトリアゾール系化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができる。その具体例としては、例えば、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:プロピコナゾール)、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:アザコナゾール)、α−(4−クロロフェニル)−α−(1−シクロプロピルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:シプロコナゾール)、α−ブチル−α−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:ヘキサコナゾール)などが挙げられる。
本発明のトリアゾール系化合物は、好ましくは、上記したトリアゾール系化合物から2種以上選択され、好ましくは、2種選択される。好ましくは、テブコナゾール、プロピコナゾール、ヘキサコナゾール、アザコナゾールからなる群から2種以上が選択される。より好ましくは、プロピコナゾールを必須とし、さらに、テブコナゾール、ヘキサコナゾール、アザコナゾールからなる群から1種が選択される。さらに好ましくは、プロピコナゾールおよびテブコナゾールの併用、または、プロピコナゾールおよびヘキサコナゾールの併用が挙げられる。とりわけ好ましくは、プロピコナゾールおよびテブコナゾールの併用が挙げられる。
プロピコナゾールを必須とし、テブコナゾール、ヘキサコナゾール、アザコナゾールからなる群から1種(以下、他の1種とする。)を選択する場合には、他の1種の含有割合は、プロピコナゾール100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、50質量部以上であり、また、例えば、1000質量部以下、好ましくは、200質量部以下である。
また、トリアゾール化合物の含有割合(2種以上のトリアゾール化合物の総量の含有割合、以下同様)は、防かび組成物100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上であり、また、例えば、99.99質量部以下、好ましくは、99.9質量部以下である。
また、トリアゾール化合物の含有割合は、ハロアセチレン化合物と、イソチアゾリン化合物と、2種以上のトリアゾール化合物との総量100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上、より好ましくは、30質量部以上であり、また、例えば、70質量部以下、好ましくは、60質量部以下、より好ましくは、50質量部以下である。
また、トリアゾール化合物の含有割合は、ハロアセチレン化合物およびイソチアゾリン化合物の総量100質量部に対して、例えば、20質量部以上、好ましくは、30質量部以上、より好ましくは、45質量部以上であり、また、例えば、150質量部未満、好ましくは、100質量部未満、より好ましくは、85質量部以下、さらに好ましくは、55質量部以下である。
トリアゾール化合物の含有割合が上記の範囲であれば、防かび組成物は、一層優れた防かび効果を発現することができる。
また、トリアゾール化合物の含有割合は、ハロアセチレン化合物100質量部に対して、例えば、20質量部以上、好ましくは、45質量部以上であり、また、例えば、1000質量部以下、好ましくは、200質量部以下、より好ましくは、100質量部以下である。
また、トリアゾール化合物の含有割合は、イソチアゾリン化合物100質量部に対して、例えば、20質量部以上、好ましくは、80質量部以上、より好ましくは、100質量部以上、さらに好ましくは、200質量部以上であり、また、例えば、1500質量部以下、好ましくは、800質量部以下、より好ましくは、600質量部以下である。
そして、本発明の防かび組成物を調製するには、ハロアセチレン化合物と、イソチアゾリン化合物と、2種以上のトリアゾール化合物とを上記した割合で配合するとともに、溶剤を加え、例えば、5〜60℃、好ましくは、10〜50℃、さらに好ましくは、常温で撹拌する。これにより、防かび組成物は、液剤として調製される。
溶剤は、上記した各有効成分を溶解する化合物であって、例えば、水、例えば、メタノール、エタノールなどの1価のアルコール類、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの2価のアルコール類、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールモノエーテル類、例えば、アセトンなどのケトン類、例えば、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類、例えば、酢酸エチルなどのエステル類、例えば、トルエンなどの芳香族類、例えば、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、例えば、N−メチルピロリドンなどの極性溶剤などが挙げられる。これら溶剤は、単独または併用することができ、これらの配合割合は、その剤型および目的ならびに用途によって適宜決定される。好ましくは、水、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。
溶剤の配合割合は、防かび組成物において、有効成分(および必要により配合される後述の添加剤)の配合割合を除いた残部であり、例えば、防かび組成物100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上であり、また、例えば、99.99質量部以下、好ましくは、99.9質量部以下である。
なお、防かび組成物を、例えば、ペースト剤、粉剤、粒剤、懸濁剤、マイクロカプセルなどの公知の剤型に製剤化して使用することもできる。
さらに、防かび組成物には、その目的および用途によって、上記した各有効成分に加え、例えば、その他の防かび化合物、例えば、光安定剤などの添加剤を配合することもできる。
その他の防かび化合物は、上記した各有効成分を除く防かび化合物であって、例えば、ジヨードメチル−p−トルイルスルホンなどの有機ヨウ素化合物、例えば、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンなどのジチオール化合物、例えば、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドなどのチオフェン化合物、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチオカーバメート化合物、例えば、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルなどのニトリル化合物、例えば、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミドなどのハロアルキルチオ化合物、例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジンなどのピジリン化合物、例えば、ジンクピリチオンなどのピリチオン化合物、例えば、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾールなどのベンゾチアゾール化合物、例えば、メチル−2−ベンズイミダゾールカーバメートなどのベンズイミダゾール化合物、例えば、3−ベンゾ[b]チエン−2−イル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−オキサチアジン−4−オキシドなどのオキサチアジン化合物、例えば、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノールなどのニトロアルコール化合物、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアなどの尿素化合物、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロパンアミドなどのアミド化合物などが挙げられる。
その他の防かび化合物は、単独または併用して配合することができ、これらの配合割合は、その剤型および目的ならびに用途によって適宜決定される。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン化合物などが挙げられ、その配合割合は、適宜決定される。
このようにして調製される防かび組成物は、ハロアセチレン化合物と、イソチアゾリン化合物と、2種以上のトリアゾール化合物とを含有するので、一層優れた防かび効果を発現することができる。
より具体的には、防かび組成物は、一層優れた防かび効果を発現する防かび剤として、一層優れた防かび効果を発現し、さらに、防藻効果を有する。
なお、防かび組成物の防除対象となるかびは、特に限定されず、例えば、アブシジア(Absidia)属、ムーコル(Mucor)属、リゾプス(Rhizopus)属などの接合菌類、例えば、ケトミウム(Chaetomium)属、ユーロチウム(Eurotium)属、ニューロスポラ(Neurospora)属、サッカロミセス(Saccharomyces)属などの子のう菌類、例えば、アクレモニウム(Acremonium)属、アルタナリア(Alternaria)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、オーレオバシジウム(Aureobasidium)属、クラドスポリウム(Cladosporium)属、フザリウム(Fusarium)属、ペニシリウム(Penicillium)属、フォーマ(Phoma)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、カンジダ(Candida)属、トリコフィートン(Trichophyton)属などの不完全菌類などが含まれる。
また、防かび組成物の防除対象となる藻類は、水中や陸上に生育し同化色素を持ち独立して栄養生活をする植物であって、例えば、藍藻類、灰青藻類、紅藻類、黄色鞭毛藻類、黄緑色藻類、珪藻類、褐色鞭毛藻類、渦鞭毛藻類、緑色鞭毛藻類、褐藻類、緑虫藻類、緑藻類、車軸藻類などが含まれる。防かび組成物は、とりわけ、藍藻類、緑藻類の防除に優れた防藻効果を発現する。
なお、本発明の防かび組成物は、その適用対象に応じて添加量を適宜決定すればよいが、例えば、10mg〜200g(各有効成分の総量)/kg(製品)、好ましくは、500mg〜10g(各有効成分の総量)/kg(製品)の濃度として使用する。
また、本発明の防かび組成物は、その目的および用途によっては、各有効成分を個別または分割して予め調製し、それらを適用対象に対してそれぞれ直接添加して、適用対象物中において作用させてもよい。
そして、本発明の防かび組成物は、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、エマルション、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、紙力増強剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、建材、シーリング材、目地材、消臭剤、繊維・皮革製品、フィルターなどの各種産業製品などの用途において有効に使用することができる。
とりわけ、このようにして得られる本発明の防かび組成物は、塗料、木材保護塗料などのコーティング剤を適用対象として、かび、さらに藻に対する優れた防除効果を発現することができる。
塗料としては、特に制限されず、例えば、油性塗料、酒精塗料、NAD塗料、電着塗料、粉体塗料、セルロース塗料、合成樹脂塗料、水性塗料、漆系塗料、ゴム系塗料などが挙げられる。好ましくは、合成樹脂塗料、水性塗料に適用される。
合成樹脂塗料としては、例えば、フェノール樹脂塗料、フタル酸樹脂塗料(例えば、アルキド樹脂塗料など)、マレイン酸樹脂塗料、尿素樹脂塗料、メラミン樹脂塗料、ビニル樹脂塗料(例えば、酢酸ビニル樹脂塗料、塩化ビニル樹脂塗料、スチレン樹脂塗料、アクリル酸樹脂塗料、ポリビニルブチラール樹脂塗料など)、エポキシ樹脂塗料、シリコーン樹脂塗料、フラン樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、ニトロセルロース樹脂塗料、アミノ樹脂塗料、フッ素樹脂塗料などが挙げられる。
水性塗料としては、例えば、水性ペイント、エマルション油ペイント、乳化重合塗料(例えば、酢酸ビニル樹脂乳化重合塗料、塩化ビニリデン塩化ビニル共重合体乳化重合塗料、アクリル酸樹脂乳化重合塗料、スチレン樹脂乳化重合塗料、合成ゴムラテックス塗料など)などが挙げられる。
本発明の防かび組成物をコーティング剤に適用する場合には、例えば、コーティング剤100重量部に対して、本発明の防かび組成物を含む製剤として、例えば、0.05重量部以上、好ましくは、0.1重量部以上であり、また、例えば、10重量部以下、好ましくは、5重量部以下添加して混合すればよい。
このようにして調製されるコーティング剤は、本発明の防かび組成物が添加されるため、一層優れた防かび効果を発現することができる
また、このようなコーティング剤は、例えば、建築用途、製紙用途、自動車用途、船舶用途、重防食用途などに用いられる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
なお、以下の実施例および比較例に用いる有効成分の略号を下記に示す。
IPBC:商品名「ファンギトロール400」、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、インターナショナル・スペシャリティ・プロダクツ社製
OIT:商品名「2−n−Octyl−4−isothiazolin−3−one」、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、東京化成工業社製
DCOIT:商品名「4,5−dichloro−2−n−octyl−4−isothiazolin−3−one」、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、東京化成工業社製
BBIT:商品名「DENSIL DN」、n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、アーチ・ケミカルズ社製
PRO:商品名「プロピコナゾール」、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、WOCOSEN TECHNICAL社製
HEX:商品名「ヘキサコナゾール標準物質」、α−ブチル−α−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、和光純薬工業社製
TEB:商品名「テブコナゾール」、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、ランクセス社製
AZA:商品名「Azaconazole」、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、シグマ アルドリッチ ジャパン社製
1.防かび組成物の調製
<IPBC溶液の調製>
IPBC100mgを、メチルジグリコール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)2mlに加えて攪拌して混合し、IPBC溶液を得た。
<OIT溶液の調製>
OIT100mgを、メチルジグリコール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)2mlに加えて攪拌して混合し、OIT溶液を得た。
<DCOIT溶液の調製>
DCOIT100mgを、メチルジグリコール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)2mlに加えて攪拌して混合し、DCOIT溶液を得た。
<BBIT溶液の調製>
BBIT100mgを、メチルジグリコール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)2mlに加えて攪拌して混合し、BBIT溶液を得た。
<PRO溶液の調製>
PRO100mgを、メチルジグリコール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)2mlに加えて攪拌して混合し、PRO溶液を得た。
<HEX溶液の調製>
HEX100mgを、メチルジグリコール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)2mlに加えて攪拌して混合し、HEX溶液を得た。
<TEB溶液の調製>
TEB100mgを、メチルジグリコール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)2mlに加えて攪拌して混合し、TEB溶液を得た。
<AZA溶液の調製>
AZA100mgを、メチルジグリコール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)2mlに加えて攪拌して混合し、AZA溶液を得た。
実施例1
上記により得られた各溶液を、有効成分が表1に示す配合部数(質量部)となるように、常温(25℃)で配合して、攪拌混合することにより、防かび組成物を調製した。
実施例2、12および比較例1〜6、16〜27
各有効成分の配合処方を、表1に記載に従って変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2、12および比較例1〜6、16〜27の防かび組成物をそれぞれ調製した。
2.防かび効果試験
2−1 防かび組成物の試験
各実施例1〜2、12および各比較例1〜6、16〜27で得られた防かび組成物を用いて防かび試験を実施した。防かび試験は、次の手順により行なった。
1)試験片の作成
各実施例1〜2、12および各比較例1〜6、16〜27で得られた防かび組成物に、30×30mmに切断したNo.5定量濾紙をディッピングして十分に防かび組成物を含浸した後、当該濾紙を引き上げ、24時間、常温通気乾燥することにより試験片を得た。
2)防かび試験方法
(1)1)で作成した各試験片を24時間、自然乾燥した。
(2)オートクレーブで滅菌したグルコース寒天培地を、直径9cmのペトリ皿中に注いで、凝固させた寒天平板の中央に、試験片を貼付した。
(3)供試かび液を、試験片に噴霧した後、28℃で培養した。供試かび液として、アウレオバシヂウム・プルランス(Aureobasidium Pullulans)、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium Cladosporioides)、ケトミウム・グロボスム(Chaetomium globosum)を用いた。
(4)4週後、(2)、(3)を繰り返した。
(5)培養後、4週目に試験片上におけるかびの生育程度を判定した。なお、判定基準は以下の通りである。
3)判定基準−:試験片上にかびの生育が全く認められない
±:試験片上にかびの生育がごくわずかに認められた
+:試験片上の1/3以下にかびの生育が認められた
++:試験片上の2/3以下にかびの生育が認められた
+++:試験片上の2/3より多いかびの生育が認められた
4)評価結果
評価結果を表1に示す。
なお、表中、防かび組成物の配合処方欄の数値は、配合質量部数を示す。
2−2 塗料の試験
1)木材保護塗料の調製
VATON パイン(商品名、油性タイプ、大谷塗料社製)97.75gをホモミキサーで攪拌しながら、実施例1、比較21、比較例1、比較例5、比較例6で得られた防かび組成物2.25gを加え、さらに、常温下で、30分間、攪拌して混合することにより、各種防かび組成物を含有する木材保護塗料(油性塗料)を得た。なおここで、実施例1の防かび組成物を用いた木材保護塗料を実施例16、比較21の防かび組成物を用いた木材保護塗料を比較28、比較例1の防かび組成物を用いた木材保護塗料を比較例7、比較例5の防かび組成物を用いた木材保護塗料を比較例8、比較例6の防かび組成物を用いた木材保護塗料を比較例9とする。
2)防かび試験方法
実施例16、比較28、比較例7〜9の木材保護塗料をそのまま原液として用いて、社団法人日本木材保存協会規格第2号に準拠して、防かび試験を実施した。また、防かび組成物を添加していない木材保護塗料(VATON パインの単独品)を同条件下にて塗布した試験片を比較例10、木材保護塗料を塗布しない試験片(無塗装)についても、比較例11として実施した。
この防かび試験では、試験対象としてのかびを、アウレオバシヂウム・プルランス(Aureobasidium Pullulans)、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium Cladosporioides)、ケトミウム・グロボスム(Chaetomium globosum)とした。防かび試験の評価は、下記のとおりとした。
0 試験体(木材)にかびの発育が全く認められない
1 試験体の側面のみにかびの発育が認められる
2 試験体の上面の面積の1/3未満にかびの発育が認められる
3 試験体の上面の面積の1/3以上にかびの発育が認められる
3)評価結果
評価結果を表2に示す。
2−3 紙力増強剤の試験
1)紙力剤の調製
紙力剤(防腐剤添加品)に実施例1、比較21、比較例1、比較例5、比較例6で得られた防かび組成物を紙力剤中の濃度が0.05重量%となるように添加した。
2)防かび試験方法
1)で調製した紙力剤に腐敗種1%を添加して33℃で培養し、1週間後にグルコース−ブイヨン培地にて菌数を測定した。さらに、9日後に腐敗種を2%添加して33℃で培養、試験開始より2週間後に菌数を測定した。同様に、17日後に腐敗種を3%添加、試験開始より3週間後に菌数を測定した。なお前記腐敗種は、Aspergillusniger、Penicillium citrinumおよびCladosporiumcladosporioidesのoptical density(420nm)を0.2に調整後、すべての菌液を等量混合し、使用時に2倍希釈した。なおここで、実施例1の防かび組成物を用いた紙力剤を実施例18、比較21の防かび組成物を用いた紙力剤を比較9、比較例1の防かび組成物を用いた紙力剤を比較例12、比較例5の防かび組成物を用いた紙力剤を比較例13、比較例6の防かび組成物を用いた紙力剤を比較14とする。また、防かび組成物を添加していない紙力剤を比較例15とする。
3)評価結果
評価結果を表3に示す。
本発明の防かび組成物は、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、エマルション、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、紙力増強剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、建材、シーリング材、目地材、消臭剤、繊維・皮革製品、フィルターなどの各種産業製品などに使用することができる。

Claims (2)

  1. 3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートと、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、プロピコナゾールと、テブコナゾールとを含有し、
    前記プロピコナゾールおよび前記テブコナゾールの総量の含有割合が、前記3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートおよび前記2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンの総量100質量部に対して、30質量部以上85質量部以下であることを特徴とする、防かび組成物。
  2. 請求項1に記載の防かび組成物を含有することを特徴とする、コーティング剤。
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