JP2004203843A - 微生物防除剤および安定化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微生物防除剤の有効成分であるビス四級アンモニウム塩化合物に、非プロトン性極性溶媒20〜60重量部およびプロトン性極性溶媒40〜80重量部を配合して、ビス四級アンモニウム塩化合物を安定化させる。これによって、ビス四級アンモニウム塩化合物の製剤中における経時的な分解を抑制することができ、優れた微生物に対する防除効果を長期にわたって確保することができる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物防除剤および安定化方法、詳しくは、細菌、かび、酵母、藻の防除剤として用いられる微生物防除剤、および、その微生物防除剤の有効成分であるビス四級アンモニウム塩化合物の安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種の工業製品には、細菌、かび、酵母、藻などの有害な微生物が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因となっている。そのため、このような有害微生物の繁殖を防除するために、抗菌、防かび、防腐、防藻効果を発現する種々の微生物防除剤が広く使用されている。
【0003】
また、このような微生物防除剤の有効成分として、近年、ビス四級アンモニウム塩化合物が広い抗菌スペクトルを有し、優れた防除効果を発現することが、報告されている(例えば、特許文献1〜8参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−110692号公報
【特許文献2】
特開平10−95773号公報
【特許文献3】
特開平10−287566号公報
【特許文献4】
特開2000−95763号公報
【特許文献5】
特開2000−136185号公報
【特許文献6】
特開2000−198879号公報
【特許文献7】
特開2000−159607号公報
【特許文献8】
特開2001−310191号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したビス四級アンモニウム塩化合物、とりわけ、ビス四級アンモニウムの無機塩の化合物は、製剤中において、経時的に分解を生じて有効成分濃度が減少し、その結果、微生物に対する防除効果が経時的に減少するという不具合がある。
【0005】
そこで、本発明は、このような不具合に鑑みなされたもので、その目的とするところは、有効成分であるビス四級アンモニウム塩化合物を安定化させ、優れた微生物に対する防除効果を長期にわたって確保することのできる、微生物防除剤、および、その微生物防除剤の有効成分であるビス四級アンモニウム塩化合物の安定化方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは、ビス四級アンモニウム塩化合物を安定化させるために鋭意検討したところ、ビス四級アンモニウム塩化合物に、特定の割合で非プロトン性極性溶媒およびプロトン性極性溶媒を配合することにより、ビス四級アンモニウム塩化合物の分解を抑制して安定化させることができる知見を見い出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1) ビス四級アンモニウム塩化合物と、非プロトン性極性溶媒と、プロトン性極性溶媒とを含有し、非プロトン性極性溶媒とプロトン性極性溶媒との割合が、非プロトン性極性溶媒20〜60重量部に対してプロトン性極性溶媒40〜80重量部であることを特徴とする、微生物防除剤、
(2) ビス四級アンモニウム塩化合物が、下記一般式(1)で示されることを特徴とする、前記(1)に記載の微生物防除剤、
一般式(1)
【0008】
【化3】
(式中、R1およびR2は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を、R3およびR4は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基または水素原子を、R5は、置換基を有していてもよい炭化水素基または炭素−炭素間単結合を、Y1は、−NRnCO−、−CONRn−、−NRnCS−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−COO−、−COS−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Y2は、−CONRn−、−NRnCO−、−CSNRn−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−OOC−、−SOC−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Zはアニオンを、aは1または2の整数を示す。)
(3) 一般式(1)において、Zが無機アニオンであることを特徴とする、前記(2)に記載の微生物防除剤、
(4) 非プロトン性極性溶媒が、ピロリドン系溶媒であることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の微生物防除剤、
(5) プロトン性極性溶媒が、グリコール系溶媒であることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の微生物防除剤。
【0009】
(6) さらに、下記一般式(2)で示されるベンズイソチアゾリン系化合物を含有することを特徴とする、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の微生物防除剤、
一般式(2)
【0010】
【化4】
(式中、R6は、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。)
(7) ビス四級アンモニウム塩化合物と、非プロトン性極性溶媒と、プロトン性極性溶媒とを、非プロトン性極性溶媒とプロトン性極性溶媒との割合が、非プロトン性極性溶媒20〜60重量部に対してプロトン性極性溶媒40〜80重量部となるように配合することを特徴とする、ビス四級アンモニウム塩化合物の安定化方法
を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の微生物防除剤は、有効成分として、ビス四級アンモニウム塩化合物を含有している。
【0012】
本発明に用いられるビス四級アンモニウム塩化合物は、例えば、下記一般式(1)で示される。
【0013】
一般式(1)
【0014】
【化5】
(式中、R1およびR2は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を、R3およびR4は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基または水素原子を、R5は、置換基を有していてもよい炭化水素基または炭素−炭素間単結合を、Y1は、−NRnCO−、−CONRn−、−NRnCS−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−COO−、−COS−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Y2は、−CONRn−、−NRnCO−、−CSNRn−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−OOC−、−SOC−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Zはアニオンを、aは1または2の整数を示す。)
一般式(1)の式中、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基などが挙げられる。
【0015】
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの炭素数1〜18のアルキル基が挙げられる。
【0016】
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、メタリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプチニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニルなどの炭素数2〜18のアルケニル基が挙げられる。
【0017】
アルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ブチニル、ペンチニル、オクテニルなどの炭素数2〜8のアルキニル基が挙げられる。
【0018】
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの炭素数3〜8のシクロアルキル基が挙げられる。
【0019】
アリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、ビフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アズレニルなどの炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
【0020】
アラルキル基としては、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、ジフェニルメチル、o、mまたはp−メチルベンジル、o、mまたはp−エチルベンジル、o、mまたはp−イソプロピルベンジル、o、mまたはp−tert−ブチルベンジル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジメチルベンジル、2,3,4−、3,4,5−または2,4,6−トリメチルベンジル、5−イソプロピル−2−メチルベンジル、2−イソプロピル−5−メチルベンジル、2−メチル−5−tert−ブチルベンジル、2,4−、2,5−または3,5−ジイソプロピルベンジル、3,5−ジ−tert−ブチルベンジル、1−(2−メチルフェニル)エチル、1−(3−メチルフェニル)エチル、1−(4−メチルフェニル)エチル、1−(2−イソプロピルフェニル)エチル、1−(3−イソプロピルフェニル)エチル、1−(4−イソプロピルフェニル)エチル、1−(2−tert−ブチルフェニル)エチル、1−(4−tert−ブチルフェニル)エチル、1−(2−イソプロピル−4−メチルフェニル)エチル、1−(4−イソプロピル−2−メチルフェニル)エチル、1−(2,4−ジメチルフェニル)エチル、1−(2,5−ジメチルフェニル)エチル、1−(3,5−ジメチルフェニル)エチル、1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エチルなどの炭素数7〜16のアラルキル基が挙げられる。
【0021】
R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素など)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどの炭素数1〜6のアルコキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルなどの炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基など)およびアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基など)などが挙げられる。これらの置換基は同一または相異なって1〜5個、好ましくは1〜3個置換していてもよい。
【0022】
上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していない炭化水素基、または、ヒドロキシル基を有する炭化水素基が好ましく、その中でも、アルキル基またはヒドロキシアルキル基が好ましい。
【0023】
アルキル基としては、好ましくは、炭素数が1〜18のアルキル基、より好ましくは、炭素数が7以上である、ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの炭素数7〜18のアルキル基が挙げられる。
【0024】
ヒドロキシアルキル基としては、好ましくは、炭素数が1〜18のヒドロキシアルキル基、より好ましくは、炭素数が3〜12である、ヒドロキシトリメチレン、ヒドロキシテトラメチレン、ヒドロキシペンタメチレン、ヒドロキシヘキサメチレン、ヒドロキシヘプタメチレン、ヒドロキシオクタメチレン、ヒドロキシノナメチレン、ヒドロキシデカメチレン、ヒドロキシドデカメチレンなどの炭素数3〜12のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
【0025】
R1およびR2は、同一または相異なって、ともに炭素数1〜18のアルキル基であるか、一方が炭素数1〜18のアルキル基で、他方が炭素数3〜12のヒドロキシアルキル基であることが好ましい。
【0026】
一般式(1)の式中、R3およびR4で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、アルキル基、より好ましくは、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシルなどの炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
【0027】
また、R3およびR4で示される置換基を有していてもよいアルコキシ基のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシなどの炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられる。
【0028】
また、R3およびR4で示される置換基を有していてもよいアルコキシ基の置換基としては、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基と同様のものが挙げられる。
【0029】
上記したR3およびR4で示される置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、置換基を有していないアルコキシ基が好ましく、その中でも、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなどの炭素数1〜3のアルコキシ基が挙げられる。
【0030】
R3およびR4は、同一または相異なって、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基または水素原子であることが好ましく、その中でも、ともに水素原子であることが好ましい。
【0031】
一般式(1)の式中、R5で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、アリレン基などの2価の炭化水素基が挙げられる。
【0032】
アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、iso−プロピレン、ブチレン、iso−ブチレン、sec−ブチレン、ペンチレン、iso−ペンチレン、sec−ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、2−エチルヘキシレン、ノニレン、デシレン、イソデシレン、ドデシレン、テトラデシレン、ヘキサデシレン、オクタデシレンなどの炭素数1〜18のアルキレン基が挙げられる。
【0033】
アルケニレン基としては、例えば、ビニレン、プロペニレン、ブテニレン、ブタジエニレン、オクテニレン、デセニレン、ウンデセニレン、ドデセニレン、テトラデセニレン、ヘキサデセニレン、オクタデセニレンなどの炭素数2〜18のアルケニレン基が挙げられる。
【0034】
アルキニレン基としては、例えば、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン、オクテニレンなどの炭素数2〜8のアルキニレン基が挙げられる。
【0035】
シクロアルキレン基としては、例えば、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロオクチレンなどの炭素数3〜8のシクロアルキレン基が挙げられる。
【0036】
アリレン基としては、例えば、フェニレン、トリレン、キシリレン、ナフチレンなどの炭素数6〜10のアリレン基が挙げられ、好ましくは、フェニレンおよびキシリレンが挙げられる。
【0037】
また、R5で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基としては、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基と同様のものが挙げられ、好ましくは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどの炭素数1〜6のアルコキシ基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルなどの炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
【0038】
R5で示される置換基を有していてもよい炭化水素基として、好ましくは、炭素数2〜18のアルキレン基、フェニレン基、キシリレン基または炭素−炭素間単結合が挙げられる。
【0039】
また、一般式(1)の式中、Y1で示される−NRnCO−、−CONRn−、−NRnCS−、および、Y2で示される−CONRn−、−NRnCO−、−CSNRn−のRnとしては、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子が挙げられ、置換基を有していてもよい炭化水素基としては、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられる。好ましくは、アルキル基または水素原子が挙げられ、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシルなどの炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。
【0040】
一般式(1)の式中、Y1として、好ましくは、−NHCO−、−CONH−、−COO−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合が挙げられ、また、Y2として、−CONH−、−NHCO−、−OOC−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合が挙げられる。
【0041】
一般式(1)の式中、Zで示されるアニオンとしては、例えば、無機アニオン、有機アニオンが挙げられる。
【0042】
無機アニオンとしては、例えば、ハロゲンイオン(例えば、F-、Cl-、Br-、I-など)、ヨウ素酸イオン(IO3-)、臭素酸イオン(BrO3-)、塩素酸イオン(ClO3-)、過ヨウ素酸イオン(IO4-)、過塩素酸イオン(ClO4-)、硫酸イオン(SO4 2-)、硝酸イオン(NO3-)、リン酸イオン(PO4 3-)、亜硫酸イオン(SO3 2-)、亜硝酸イオン(NO2-)などが挙げられる。
【0043】
有機アニオンとしては、例えば、遊離の有機カルボン酸や遊離の有機スルホン酸などの遊離の有機酸などが挙げられる。遊離の有機酸としては、炭素数1〜20、好ましくは、炭素数1〜10の遊離の有機酸が挙げられる。
【0044】
遊離の有機カルボン酸としては、例えば、1価の飽和カルボン酸イオン、2価の飽和カルボン酸イオン、1価の不飽和カルボン酸イオン、2価の不飽和カルボン酸イオン、ヒドロキシカルボン酸イオン、オキソカルボン酸イオン、芳香族カルボン酸イオンなどが挙げられる。
【0045】
1価の飽和カルボン酸イオンとしては、例えば、蟻酸イオン(HCOO-)、酢酸イオン(CH3COO-)、プロピオン酸イオン(C2H5COO-)、酪酸イオン(C3H7COO-)、イソ酪酸イオン((CH3)2CHCOO-)、吉草酸イオン(CH3(CH2)3COO-)、イソ吉草酸イオン((CH3)2CHCH2COO-)、ピバル酸イオン((CH3)3CCOO-)、オクタン酸イオン(CH3(CH2)6COO-)、デカン酸イオン(CH3(CH2)8COO-)、ラウリン酸イオン(CH3(CH2)10COO-)、ミリスチン酸イオン(CH3(CH2)12COO-)、パルミチン酸イオン(CH3(CH2)14COO-)、ステアリン酸イオン(CH3(CH2)16COO-)などの炭素数1〜18の1価の飽和カルボン酸イオンなどが挙げられる。
【0046】
2価の飽和カルボン酸イオンとしては、例えば、シュウ酸イオン((COO-)2)、マロン酸イオン(CH2(COO-)2)、コハク酸イオン((-OOC)(CH2)2(COO-))、グルタル酸イオン((-OOC)(CH2)3(COO-))、アジピン酸イオン((-OOC)(CH2)4(COO-))、ピメリン酸イオン((-OOC)(CH2)5(COO-))、スベリン酸イオン((-OOC)(CH2)6(COO-))、アゼライン酸イオン((-OOC)(CH2)7(COO-))、セバシン酸イオン((-OOC)(CH2)8(COO-))などの炭素数2〜10の2価の飽和カルボン酸イオンなどが挙げられる。
【0047】
1価の不飽和カルボン酸イオンとしては、例えば、アクリル酸イオン(CH2=CHCOO-)、メタクリル酸イオン(CH2=C(CH3)COO-)、クロトン酸イオン(CH3CH=CHCOO-)、cis−クロトン酸イオン(CH3CH=CHCOO-)、ソルビン酸イオン(CH3CH=CHCH=CHCOO-)、オレイン酸イオン(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COO-)、trans-9-オクタデセン酸イオン(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COO-)、フランカルボン酸イオン(C4H3OCOO-)などの炭素数3〜18の1価の不飽和カルボン酸イオンなどが挙げられる。
【0048】
2価の不飽和カルボン酸イオンとしては、例えば、マレイン酸イオン(CH(COO-)=CHCOO-)、シトラコン酸イオン((CH3)C(COO-)=CHCOO-)、メサコン酸イオン((COO-)C(CH3)=CHCOO-)などの炭素数4〜5の2価の不飽和カルボン酸イオンなどが挙げられる。
【0049】
ヒドロキシカルボン酸イオンとしては、例えば、乳酸イオン(CH3CH(OH)COO-)、リンゴ酸イオン(CH(OH)(COO-)CH2COO-)、クエン酸イオン(CH2(COO-)C(OH)(COO-)CH2COO-)、グリコン酸イオン(CH2(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)COO-)などの炭素数3〜6のヒドロキシカルボン酸イオンなどが挙げられる。
【0050】
オキソカルボン酸イオンとしては、例えば、ピルビン酸イオン(CH3COCOO-)、アセト酢酸イオン(CH3COCH2COO-)などの炭素数3〜4のオキソカルボン酸イオンなどが挙げられる。
【0051】
芳香族カルボン酸イオンとしては、例えば、安息香酸イオン(C6H5COO-)、フタル酸イオン(C6H4(COO-)2)、ナフタレンカルボン酸イオン(C10H7COO-)、ピリジンカルボン酸イオン(C5H5NCOO-)などの炭素数5〜11の芳香族カルボン酸イオンなどが挙げられる。
【0052】
また、遊離の有機スルホン酸としては、例えば、メチル硫酸イオン((CH3)SO4-)、エチル硫酸イオン((C2H5)SO4-)、メチルベンゼンスルホン酸イオン(CH3C6H4SO3-)などの炭素数1〜7の有機スルホン酸イオンが挙げられる。
【0053】
また、一般式(1)の式中、Zで示される有機アニオンとしては、その他に、アミノ酸、エリソルビン酸、アスコルビン酸、デヒドロ酢酸、アルコラート、フェノラートおよび水酸基に起因する有機アニオンなどが挙げられる。
【0054】
これらアニオンは、単独または2種以上併用してもよい。好ましくは、無機アニオン、さらに好ましくは、ハロゲンイオンが挙げられる。
【0055】
また、aは、1または2の整数を示し、具体的には、ビス四級アンモニウム塩化合物およびアニオンの種類に応じて、適宜決定される。aは、1が特に好ましい。
【0056】
このようなビス四級アンモニウム塩化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができ、その具体例としては、例えば、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(4−カルバモイル−1−オクチルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(4−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(4−カルバモイル−1−テトラデシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(4−カルバモイル−1−ヘキサデシルピリジニウム塩)などのN,N’−アルキレン−ビス(4−カルバモイル−1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−オクチルピリジニウム塩、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−デシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−テトラデシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−ヘキサデシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−オクタデシルピリジニウム塩)などのN,N’−アルキレン−ビス(3−カルバモイル−1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウム塩)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−テトラデシルピリジニウム塩)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−ヘキサデシルピリジニウム塩)などの4,4’−(アルキレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(ヘキサメチレンジチオ)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)などの4,4’−(アルキレンジチオ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−ブチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−ヘキシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−デシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−テトラデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−ヘキサデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−オクタデシルピリジニウム塩)などの4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス((1−アルキル)ピリジニウム塩)、例えば、3,3’−(m−キシリルジチオ)ビス(1−テトラデシルピリジニウム塩)などの3,3’−(m−キシリルジチオ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−ヘキシルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−オクチルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−テトラデシルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−ヘキサデシルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−オクタデシルピリジニウム塩)などのN,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、N,N’−(m−フェニレン)ビス(3−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウム塩)などのN,N’−(m−フェニレン)ビス(3−カルバモイル−1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ブチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ペンチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ヘキシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ヘプチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−デシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−テトラデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ヘキサデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−オクタデシルピリジニウム塩)などの4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、3,3’−(m−フタルアミド)ビス(1−オクタデシルピリジニウム塩)などの3,3’−(m−フタルアミド)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、1,4−テトラメチレンビス(4−カルバモイル−1−ヘキサデシルピリジニウム塩)、1,6−ヘキサメチレンビス(3−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウム塩)、1,6−オクタメチレンビス(3−カルバモイル−1−テトラデシルピリジニウム塩)、3,3’−(1,3−トリメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)などの(アルキレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(1,8−オクタメチレンジオキシ)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)、3,3’−(1,6−ヘキサメチレンジオキシ)ビス(1−ヘキサドデシルピリジニウム塩)などの(アルキレンジオキシ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(1,6−ヘキサメチレンジオキシジカルボニル)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)、3,3’−(1,6−テトラメチレンジオキシジカルボニル)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)などの(アルキレンジオキシジカルボニル)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(1,4−テトラメチレンジカルボニルジオキシ)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)などの(アルキレンジカルボニルジオキシ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(1,8−オクタメチレンジカルボニルジチオキシ)ビス(1−オクタデシルピリジニウム塩)などの(アルキレンジカルボニルジチオキシ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、3,3’−(p−フタロイルジオキシ)ビス(1−デシルピリジニウム塩)、3,3’−(m−フタロイルジチオキシ)ビス(1−デシルピリジニウム塩)などの(フタロイルジチオキシ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、1−オクチル−1’−(3−ヒドロキシトリメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−オクチル−1’−(6−ヒドロキシヘキサメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−オクチル−1’−(8−ヒドロキシオクタメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−オクチル−1’−(10−ヒドロキシデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−オクチル−1’−(12−ヒドロキシドデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−デシル−1’−(3−ヒドロキシトリメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−デシル−1’−(6−ヒドロキシヘキサメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−デシル−1’−(8−ヒドロキシオクタメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−デシル−1’−(10−ヒドロキシデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−デシル−1’−(12−ヒドロキシドデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−ドデシル−1’−(3−ヒドロキシトリメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−ドデシル−1’−(6−ヒドロキシヘキサメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−ドデシル−1’−(8−ヒドロキシオクタメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−ドデシル−1’−(10−ヒドロキシデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−ドデシル−1’−(12−ヒドロキシドデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩 などの1−アルキル−1’−(12−ヒドロキシアルキレン)−4,4’−ジピリジニウム塩などが挙げられる。
【0057】
なお、上記したビス四級アンモニウム塩化合物のピリジニウム塩としては、上記したZで示されるアニオンとの塩であれば特に制限されないが、例えば、ブロマイド(ピリジニウムブロマイド)、アイオダイド(ピリジニウムアイオダイド)、アセテート(ピリジニウムアセテート)などが挙げられる。
【0058】
これらのうち、好ましくは、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)(ダイマー38、イヌイ社製)、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムアセテート)(ダイマー38A、イヌイ社製)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウムブロマイド)(ダイマー136、イヌイ社製)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウムアセテート)(ダイマー136A、イヌイ社製)が挙げられ、さらに好ましくは、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)(ダイマー38、イヌイ社製)が挙げられる。これらビス四級アンモニウム塩化合物は、単独または2種以上併用してもよい。
【0059】
また、本発明の微生物防除剤では、さらに、有効成分として、下記一般式(2)で示されるベンズイソチアゾリン系化合物を含有していることが好ましい。
【0060】
一般式(2)
【0061】
【化6】
(式中、R6は、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。)
一般式(2)の式中、R6で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、置換基を有していない炭化水素基が好ましく、その中でも、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、好ましくは、炭素数が1〜4のアルキル基、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどが挙げられる。
【0062】
また、R6の好ましい例としては、炭素数が1〜4のアルキル基および水素原子が挙げられる。
【0063】
A環で示されるベンゼン環の置換基としては、上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基と同様のものが挙げられる。好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基など)が挙げられる。これらの置換基は、同一または相異なって1〜4個、好ましくは、1または2個置換していてもよい。A環で示される置換基を有していてもよいベンゼン環の好ましい態様としては、置換基を有していないベンゼン環が挙げられる。
【0064】
このようなベンズイソチアゾリン系化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができ、その具体例としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
【0065】
これらのうち、好ましくは、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが挙げられる。これらベンズイソチアゾリン系化合物は、単独または2種以上併用してもよい。
【0066】
ベンズイソチアゾリン系化合物を含有させる割合は、ビス四級アンモニウム塩化合物1重量部に対して、例えば、0.005〜100重量部、好ましくは、0.01〜50重量部である。このような範囲においてベンズイソチアゾリン系化合物を含有させれば、ビス四級アンモニウム塩化合物の安定化をより一層図ることができるとともに、微生物に対する防除効果を相乗的に発現させることができる。また、ベンズイソチアゾリン系化合物も、後述する溶媒によって安定化されるので、微生物に対する相乗的な防除効果を、長期にわたって確保することができる。
【0067】
より具体的には、ビス四級アンモニウム塩化合物1重量部に対して、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンを含有させる割合は、0.01〜50重量部、さらには、0.1〜10重量部であることが好ましい。
【0068】
そして、本発明の微生物防除剤は、上記した有効成分(つまり、ビス四級アンモニウム塩化合物の単独成分、または、ビス四級アンモニウム塩化合物およびベンズイソチアゾリン系化合物の併用成分)を安定化させるために、溶媒として、非プロトン性極性溶媒およびプロトン性極性溶媒を含有している。
【0069】
非プロトン性極性溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドンおよびその塩、N−メチル−3−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒、例えば、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、例えば、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒などが挙げられる。
【0070】
これら非プロトン性極性溶媒のうち、好ましくは、ピロリドン系溶媒、さらに好ましくは、N−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。これら非プロトン性極性溶媒は、単独または2種以上併用してもよい。
【0071】
プロトン性極性溶媒としては、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのアルコール系溶媒、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶媒などが挙げられる。
【0072】
これらプロトン性極性溶媒のうち、好ましくは、グリコール系溶媒、さらに好ましくは、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。これらプロトン性極性溶媒は、単独または2種以上併用してもよい。
【0073】
また、溶媒において、これら非プロトン性極性溶媒とプロトン性極性溶媒との割合は、例えば、これら溶媒の合計100重量部に対して、非プロトン性極性溶媒が20〜60重量部、好ましくは、25〜50重量部、プロトン性極性溶媒が40〜80重量部、好ましくは、50〜75重量部である。
【0074】
非プロトン性極性溶媒およびプロトン性極性溶媒の割合が、上記した範囲において、上記した有効成分の分解を抑制して、上記した有効成分を安定化させることができ、優れた微生物に対する防除効果を長期にわたって確保することができる。
【0075】
また、これら溶媒の合計(つまり、非プロトン性極性溶媒およびプロトン性極性溶媒の合計)に対する有効成分の割合は、例えば、これら溶媒の合計100重量部に対して、有効成分(つまり、ビス四級アンモニウム塩化合物、ベンズイソチアゾリン系化合物および後述する他の防藻剤および/または防かび剤の合計)が、0.1〜100重量部、好ましくは、0.5〜75重量部である。より具体的には、これら溶媒の合計100重量部に対して、例えば、ビス四級アンモニウム塩化合物が、0.1〜40重量部、好ましくは、1〜25重量部であり、ベンズイソチアゾリン系化合物が、0.2〜60重量部、好ましくは、1〜50重量部である。
【0076】
上記した有効成分(後述する他の防藻剤および/または防かび剤を除く)の割合が、上記した範囲において、その有効成分の分解を抑制して、有効成分を安定化させることができ、優れた微生物に対する防除効果を長期にわたって確保することができる。
【0077】
そして、本発明の微生物防除剤は、特に制限されず、上記した有効成分および溶媒を配合することにより、調製することができる。
【0078】
より具体的には、例えば、ビス四級アンモニウム塩化合物、必要によりベンズイソチアゾリン系化合物を、非プロトン性極性溶媒およびプロトン性極性溶媒に加えて、混合すればよい。
【0079】
このような調製において、各成分を配合する順序は、特に制限されず、例えば、予め非プロトン性極性溶媒およびプロトン性極性溶媒を混合して溶媒を調製し、その溶媒に、ビス四級アンモニウム塩化合物、必要によりベンズイソチアゾリン系化合物を混合してもよく、また、例えば、非プロトン性極性溶媒およびプロトン性極性溶媒を、ビス四級アンモニウム塩化合物、必要によりベンズイソチアゾリン系化合物と同時に混合してもよく、さらには、非プロトン性極性溶媒およびプロトン性極性溶媒のうち、いずれか一方の溶媒に、ビス四級アンモニウム塩化合物、必要によりベンズイソチアゾリン系化合物を混合した後、その一方の溶媒に他方の溶媒を混合してもよい。
【0080】
また、このような調製においては、本発明の効果を阻害しない範囲において、溶媒には、例えば、有効成分を市販品として入手した場合に含まれている他の有機溶媒などが含まれてもよい。
【0081】
なお、本発明の微生物防除剤は、通常、上記した調製により、液剤として製剤化されるが、ビス四級アンモニウム塩化合物、必要によりベンズイソチアゾリン系化合物、非プロトン性極性溶媒およびプロトン性極性溶媒を含有すれば、特に制限されることなく、懸濁剤、ペースト剤、粉剤、粒剤、マイクロカプセルなどの種々の剤型に製剤化することもできる。また、包接化合物として調製してもよく、さらに、層状ケイ酸塩などのモンモリロナイト(スメクタイト類など)などに担持させ、あるいは、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルクなどに吸着させることにより、製剤化することもできる。
【0082】
また、本発明の微生物防除剤は、その目的および用途によって、公知の添加剤、例えば、他の防藻剤および/または防かび剤、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤などを添加してもよい。
【0083】
他の防藻剤および/または防かび剤としては、例えば、ニトロアルコール系化合物、ジチオール系化合物、チオフェン系化合物、ハロアセチレン系化合物、フタルイミド系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、ピリチオン系化合物、フェニルウレア系化合物、トリアジン系化合物、グアニジン系化合物、トリアゾール系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、四級アンモニウム塩系化合物が挙げられる。
【0084】
ニトロアルコール系化合物としては、例えば、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノールなどが挙げられる。
【0085】
ジチオール系化合物としては、例えば、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンがなど挙げられる。
【0086】
チオフェン系化合物としては、例えば、3,3,4−トリクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドなどが挙げられる。
【0087】
ハロアセチレン系化合物としては、例えば、N−ブチル−3−ヨードプロピオール酸アミド、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートなどが挙げられる。
【0088】
フタルイミド系化合物としては、例えば、N−1,1,2,2−テトラクロロエチルチオ−テトラヒドロフタルイミド(Captafol)、N−トリクロロメチルチオ−テトラヒドロフタルイミド(Captan)、N−ジクロロフルオロメチルチオフタルイミド(Fluorfolpet)、N−トリクロロメチルチオフタルイミド(Folpet)などが挙げられる。
【0089】
ハロアルキルチオ系化合物としては、例えば、N−ジメチルアミノスルホニル−N−トリル−ジクロロフルオロメタンスルファミド(Tolylfluanide)、N−ジメチルアミノスルホニル−N−フェニル−ジクロロフルオロメタンスルファミド(Dichlofluanide)などが挙げられる。
【0090】
ピリチオン系化合物としては、例えば、ナトリウムピリチオン、ジンクピリチオンなどが挙げられる。
【0091】
フェニルウレア系化合物としては、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアなどが挙げられる。
【0092】
トリアジン系化合物としては、例えば、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジンなどが挙げられる。
【0093】
グアニジン系化合物としては、例えば、1,6−ジ−(4’−クロロフェニルジグアニド)−ヘキサン、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩などが挙げられる。
【0094】
トリアゾール系化合物としては、例えば、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:プロピコナゾール)、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:アザコナゾール)、α−(4−クロロフェニル)−α−(1−シクロプロピルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:シプロコナゾール)などが挙げられる。
【0095】
ベンズイミダゾール系化合物としては、例えば、メチル 2−ベンズイミダゾールカルバメート、エチル 2−ベンズイミダゾールカルバメート、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾールなどが挙げられる。
【0096】
四級アンモニウム塩系化合物としては、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ジ−n−デシル−ジメチルアンモニウムクロライド、1−ヘキサデシルピリジニウムクロライドなどが挙げられる。
【0097】
また、他の防藻剤および/または防かび剤として、その他に、例えば、ジヨードメチル−p−トルイルスルホン、p−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルフォルマールなどの有機ヨウ素系化合物、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチオカーバメート系化合物、例えば、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルなどのニトリル系化合物、例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジンなどのピリジン系化合物、例えば、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾールなどのベンゾチアゾール系化合物、例えば、3−ベンゾ[b]チエン−2−イル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−オキサチアジン−4−オキサイドなどのオキサチアジン系化合物などが挙げられる。
【0098】
これらの他の防藻剤および/または防かび剤は、単独または2種以上併用してもよい。また、他の防藻剤および/または防かび剤の配合割合は、その目的および用途によって適宜決定されるが、例えば、ビス四級アンモニウム塩化合物100重量部に対して、1〜9000重量部、好ましくは、3〜8000重量部である。
【0099】
また、界面活性剤としては、例えば、石鹸類、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン界面活性剤、高分子界面活性剤など、公知の界面活性剤が挙げられ、好ましくは、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤が挙げられる。
【0100】
また、酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−t−ブチルフェノール]などのフェノール系酸化防止剤、例えば、アルキルジフェニルアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0101】
これら、界面活性剤および酸化防止剤は、例えば、液剤の場合には、液剤100重量部に対して0.1〜5重量部添加される。
【0102】
また、光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどのヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられる。
【0103】
このような光安定剤は、例えば、液剤の場合には、液剤100重量部に対して0.1〜10重量部添加される。
【0104】
このようにして得られる本発明の微生物防除剤は、優れた、抗菌、防かび、防腐、防藻作用などを発現し、細菌、かび、酵母、藻などに対する防除剤として用いることができ、しかも、非プロトン性極性溶媒とプロトン性極性溶媒とが、非プロトン性極性溶媒20〜60重量部に対してプロトン性極性溶媒40〜80重量部の割合で含有されているので、ビス四級アンモニウム塩化合物の安定化を図ることができる。その結果、ビス四級アンモニウム塩化合物の製剤中における経時的な分解を抑制することができ、優れた微生物に対する防除効果を長期にわたって確保することができる。
【0105】
そのため、本発明の微生物防除剤は、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、樹脂製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地剤などの各種工業製品などの有害微生物の防除の用途において有効に用いることができる。
【0106】
より具体的には、例えば、製紙パルプ工場などのスライムコントロール剤、金属加工用油剤の防腐剤、塗料の防腐防かび剤、樹脂エマルションの防腐防かび剤、セメント混和剤の防腐剤、インキの防腐防かび剤、湿し水の防腐防かび剤、セメント減水剤の防腐防かび剤、植物の延命剤などの工業用の有害微生物防除剤として好適に用いられる。
【0107】
なお、本発明の微生物防除剤は、その適用対象に応じて添加量を適宜決定すればよいが、例えば、1〜1000mg(全有効成分)/kg(製品)、好ましくは、5〜500mg(全有効成分)/kg(製品)の濃度として用いることができる。
【0108】
また、本発明の微生物防除剤は、pHが、3〜13、好ましくは、4〜12の適用対象に用いることができ、さらには、例えば、SO2 2−、SO3 2−、HSO2 −、HSO3 −、S2O3 2−、好ましくは、SO3 2−、HSO3 −、S2O3 2−などの還元剤の存在下においても、その効力を有効に発現することができる。なお、この場合の還元剤の濃度は、例えば、製品中1〜10000ppmであることが好ましい。
【0109】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。なお、以下の実施例に用いる有効成分の略号を下記に示す。
【0110】
HMDP−Br:N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)
HMDP−Ac:N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムアセテート)
BIT:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン
実施例1
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)3.0gを、N−メチル−2−ピロリドン40.0gおよびプロピレングリコール57.0gに混合し、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0111】
実施例2
ダイマー38A(HMDP−Ac:10重量%プロピレングリコール溶液、イヌイ社製)30.0gを、N−メチル−2−ピロリドン40.0gおよびプロピレングリコール30.0gに混合し、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0112】
実施例3
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)3.0gおよびプロクセルプレスペーストD(BIT:82.7重量%、アビシア社製)4.2gを、N−メチル−2−ピロリドン37.1gおよびプロピレングリコール55.7gに混合し、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0113】
実施例4
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)3.0gおよびプロクセルプレスペーストD(BIT:82.7重量%、アビシア社製)4.2gを、N−メチル−2−ピロリドン23.2gおよびプロピレングリコール69.6gに混合し、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0114】
実施例5
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)3.0gおよびプロクセルプレスペーストD(BIT:82.7重量%、アビシア社製)4.2gを、N−メチル−2−ピロリドン51.0gおよびプロピレングリコール41.8gに混合し、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0115】
実施例6
ダイマー38A(HMDP−Ac:10重量%プロピレングリコール溶液、イヌイ社製)30.0gおよびプロクセルプレスペーストD(BIT:82.7重量%、アビシア社製)4.2gを、N−メチル−2−ピロリドン37.1gおよびプロピレングリコール28.7gに混合し、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0116】
実施例7
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)3.0gおよびプロクセルプレスペーストD(BIT:82.7重量%、アビシア社製)4.2gを、N−メチル−2−ピロリドン46.4gおよびジエチレングリコール46.4gに混合し、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0117】
比較例1
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)3.0gおよびプロクセルプレスペーストD(BIT:82.7重量%、アビシア社製)4.2gを、N−メチル−2−ピロリドン92.8に混合し、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0118】
比較例2
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)3.0gおよびプロクセルプレスペーストD(BIT:82.7重量%、アビシア社製)4.2gを、プロピレングリコール92.8に混合し、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0119】
比較例3
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)3.0gおよびプロクセルプレスペーストD(BIT:82.7重量%、アビシア社製)4.2gを、N−メチル−2−ピロリドン13.9gおよびプロピレングリコール78.9gに混合し、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0120】
比較例4
ダイマー38(HMDP−Br:99重量%、イヌイ社製)3.0gおよびプロクセルプレスペーストD(BIT:82.7重量%、アビシア社製)4.2gを、N−メチル−2−ピロリドン70.0gおよびプロピレングリコール22.8gに混合し、室温で撹拌して溶解することにより、100gの液剤を得た。
【0121】
安定性試験
上記で得られた各実施例および各比較例を、60℃で4週間密封後、液剤中の各有効成分の残存率%[(残存した有効成分の含有量/初期の有効成分の含有量)×100]を液体クロマトグラフィーにて測定した。その結果を表1に示す。
【0122】
【表1】
最小発育阻止濃度(MIC)
実施例3および比較例4について、pH9に調整されたグルコース−ブイヨン寒天培地を用いた倍数希釈法で、表2に示す供試菌を用い、細菌は33℃で18時間培養、かびおよび酵母は28℃で3日間培養し、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)を求めた。その結果を表2に示す。
【0123】
【表2】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のビス四級アンモニウム塩化合物の安定化方法では、ビス四級アンモニウム塩化合物に、非プロトン性極性溶媒とプロトン性極性溶媒とを、その割合が、非プロトン性極性溶媒20〜60重量部に対してプロトン性極性溶媒40〜80重量部となるように配合することにより、ビス四級アンモニウム塩化合物を安定化させることができる。
【0124】
そのため、このようにして安定化されたビス四級アンモニウム塩化合物を有効成分として含む本発明の微生物防除剤は、優れた、抗菌、防かび、防腐、防藻作用などを発現し、細菌、かび、酵母、藻などに対する防除剤として用いることができ、しかも、非プロトン性極性溶媒20〜60重量部およびプロトン性極性溶媒40〜80重量部の配合により、ビス四級アンモニウム塩化合物の安定化を図ることができる。その結果、ビス四級アンモニウム塩化合物の製剤中における経時的な分解を抑制することができ、優れた微生物に対する防除効果を長期にわたって確保することができる。
すなわち、本発明は、
(1) ビス四級アンモニウム塩化合物と、ピロリドン系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒、ニトリル系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒と、水、アルコール系溶媒、グリコール系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロトン性極性溶媒とを含有し、非プロトン性極性溶媒とプロトン性極性溶媒との割合が、非プロトン性極性溶媒20〜60重量部に対してプロトン性極性溶媒40〜80重量部であることを特徴とする、微生物防除剤、
(2) ビス四級アンモニウム塩化合物が、下記一般式(1)で示されることを特徴とする、前記(1)に記載の微生物防除剤、
一般式(1)
【化4】
(式中、R6は、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。)
(7) ビス四級アンモニウム塩化合物と、ピロリドン系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒、ニトリル系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒と、水、アルコール系溶媒、グリコール系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロトン性極性溶媒とを、非プロトン性極性溶媒とプロトン性極性溶媒との割合が、非プロトン性極性溶媒20〜60重量部に対してプロトン性極性溶媒40〜80重量部となるように配合することを特徴とする、ビス四級アンモニウム塩化合物の安定化方法
を提供するものである。
すなわち、本発明は、
(1) ビス四級アンモニウム塩化合物と、ピロリドン系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒、ニトリル系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒と、水、アルコール系溶媒、グリコール系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロトン性極性溶媒とを含有し(ただし、アセトニトリル/エタノール/水の混合溶媒を除く。)、非プロトン性極性溶媒とプロトン性極性溶媒との割合が、非プロトン性極性溶媒20〜60重量部に対してプロトン性極性溶媒40〜80重量部であることを特徴とする、微生物防除剤、
(2) ビス四級アンモニウム塩化合物が、下記一般式(1)で示されることを特徴とする、前記(1)に記載の微生物防除剤、
一般式(1)
【化学式4】
(式中、R6は、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。)
(7) ビス四級アンモニウム塩化合物と、ピロリドン系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒、ニトリル系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒と、水、アルコール系溶媒、グリコール系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロトン性極性溶媒と(ただし、アセトニトリル/エタノール/水の混合溶媒を除く。)を、非プロトン性極性溶媒とプロトン性極性溶媒との割合が、非プロトン性極性溶媒20〜60重量部に対してプロトン性極性溶媒40〜80重量部となるように配合することを特徴とする、ビス四級アンモニウム塩化合物の安定化方法
を提供するものである。
そして、本発明の微生物防除剤は、上記した有効成分(つまり、ビス四級アンモニウム塩化合物の単独成分、または、ビス四級アンモニウム塩化合物およびベンズイソチアゾリン系化合物の併用成分)を安定化させるために、溶媒として、非プロトン性極性溶媒およびプロトン性極性溶媒を含有している(ただし、アセトニトリル/エタノール/水の混合溶媒を除く)。
Claims (7)
- ビス四級アンモニウム塩化合物と、非プロトン性極性溶媒と、プロトン性極性溶媒とを含有し、
非プロトン性極性溶媒とプロトン性極性溶媒との割合が、非プロトン性極性溶媒20〜60重量部に対してプロトン性極性溶媒40〜80重量部であることを特徴とする、微生物防除剤。 - ビス四級アンモニウム塩化合物が、下記一般式(1)で示されることを特徴とする、請求項1に記載の微生物防除剤。
一般式(1)
- 一般式(1)において、Zが無機アニオンであることを特徴とする、請求項2に記載の微生物防除剤。
- 非プロトン性極性溶媒が、ピロリドン系溶媒であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の微生物防除剤。
- プロトン性極性溶媒が、グリコール系溶媒であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の微生物防除剤。
- ビス四級アンモニウム塩化合物と、非プロトン性極性溶媒と、プロトン性極性溶媒とを、
非プロトン性極性溶媒とプロトン性極性溶媒との割合が、非プロトン性極性溶媒20〜60重量部に対してプロトン性極性溶媒40〜80重量部となるように配合することを特徴とする、ビス四級アンモニウム塩化合物の安定化方法。
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