JP2017019789A - 微生物防除剤 - Google Patents

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Ichiro Ebata
一朗 江幡
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Abstract

【課題】防除効果に優れる微生物防除剤の提供。【解決手段】式(1)で示されるビス四級アンモニウム塩化合物と、銀系または銅系抗菌剤とを含有する微生物防除剤。(R1及びR2は各々独立に置換/非置換の炭化水素基;R3及びR4は各々独立に置換/非置換の炭化水素基、置換/非置換のアルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基又はH;R5は置換/非置換の炭化水素基又は単結合;Y1は−NRnCO−、−CONRn−、−NRnCS−、−CRnO−、−COO−、−COS−、−O−、−S−又は単結合;Y2は−CONRn−、−NRnCO−、−CSNRn−、−OCRn−、−OOC−、−SOC−、−O−、−S−又は単結合;Rnは置換/非置換の炭化水素基又はH;Zはアニオン;aは1又は2)【選択図】なし

Description

本発明は、微生物防除剤、詳しくは、細菌、かび、酵母、藻の防除剤として用いられる微生物防除剤に関する。
従来より、各種の工業製品には、細菌、かび、酵母、藻などの有害な微生物が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因となっている。そのため、このような有害微生物の繁殖を防除するために、抗菌、防かび、防腐、防藻効果を発現する種々の微生物防除剤が広く使用されている。
このような微生物防除剤の有効成分として、近年、ビス四級アンモニウム塩化合物が、広い抗菌スペクトルを有し、優れた防除効果を発現することが報告されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−198879号公報
しかし、上記したビス四級アンモニウム塩化合物を単独使用した微生物防除剤でも、その防除効果が十分でない場合があり、さらなる防除効果の向上が求められている。
そこで、本発明の目的は、防除効果に優れる微生物防除剤を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者らは、ビス四級アンモニウム塩化合物と併用して優れた相乗効果を発現し得る化合物について鋭意検討したところ、ビス四級アンモニウム塩化合物に、銀系または銅系抗菌剤を併用することにより、ビス四級アンモニウム塩化合物と、銀系または銅系抗菌剤とが互いに相乗的な防除効果を発現し得る知見を見い出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)下記一般式(1)で示されるビス四級アンモニウム塩化合物と、銀系または銅系抗菌剤とを含有することを特徴とする、微生物防除剤、
Figure 2017019789
(式中、R1およびR2は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を、R3およびR4は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基または水素原子を、R5は、置換基を有していてもよい炭化水素基または炭素−炭素間単結合を、Y1は、−NRnCO−、−CONRn−、−NRnCS−、−CRnO−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−COO−、−COS−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Y2は、−CONRn−、−NRnCO−、−CSNRn−、−OCRn−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−OOC−、−SOC−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Zは、アニオンを、aは、1または2の整数を示す。)
(2)前記銀系または銅系抗菌剤が、銀系抗菌剤であることを特徴とする、前記(1)に記載の微生物防除剤、
(3)前記Zは、ブロマイドイオンであることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の微生物防除剤
である。
本発明の微生物防除剤によれば、有効成分として、上記一般式(1)で示されるビス四級アンモニウム塩化合物と、銀系または銅系抗菌剤とを組み合わせて使用することにより、相乗効果によって、有害微生物に対して優れた防除効果を発現させることができる。
本発明の微生物防除剤は、有効成分として、ビス四級アンモニウム塩化合物と、銀系または銅系抗菌剤とを含有している。
本発明に用いられるビス四級アンモニウム塩化合物は、下記一般式(1)で示される。
Figure 2017019789
(式中、R1およびR2は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を、R3およびR4は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基または水素原子を、R5は、置換基を有していてもよい炭化水素基または炭素−炭素間単結合を、Y1は、−NRnCO−、−CONRn−、−NRnCS−、−CRnO−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−COO−、−COS−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Y2は、−CONRn−、−NRnCO−、−CSNRn−、−OCRn−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−OOC−、−SOC−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Zは、アニオンを、aは、1または2の整数を示す。)
一般式(1)の式中、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基などが挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの炭素数1〜18のアルキル基が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、メタリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプチニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニルなどの炭素数2〜18のアルケニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ブチニル、ペンチニル、オクテニルなどの炭素数2〜8のアルキニル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの炭素数3〜8のシクロアルキル基が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、ビフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アズレニルなどの炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、ジフェニルメチル、o、mまたはp−メチルベンジル、o、mまたはp−エチルベンジル、o、mまたはp−イソプロピルベンジル、o、mまたはp−tert−ブチルベンジル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジメチルベンジル、2,3,4−、3,4,5−または2,4,6−トリメチルベンジル、5−イソプロピル−2−メチルベンジル、2−イソプロピル−5−メチルベンジル、2−メチル−5−tert−ブチルベンジル、2,4−、2,5−または3,5−ジイソプロピルベンジル、3,5−ジ−tert−ブチルベンジル、1−(2−メチルフェニル)エチル、1−(3−メチルフェニル)エチル、1−(4−メチルフェニル)エチル、1−(2−イソプロピルフェニル)エチル、1−(3−イソプロピルフェニル)エチル、1−(4−イソプロピルフェニル)エチル、1−(2−tert−ブチルフェニル)エチル、1−(4−tert−ブチルフェニル)エチル、1−(2−イソプロピル−4−メチルフェニル)エチル、1−(4−イソプロピル−2−メチルフェニル)エチル、1−(2,4−ジメチルフェニル)エチル、1−(2,5−ジメチルフェニル)エチル、1−(3,5−ジメチルフェニル)エチル、1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エチルなどの炭素数7〜16のアラルキル基が挙げられる。
R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素など)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどの炭素数1〜6のアルコキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルなどの炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基など)およびアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基など)などが挙げられる。これらの置換基は同一または相異なって1〜5個、好ましくは1〜3個置換していてもよい。
上記したR1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していない炭化水素基が好ましく、その中でも、アルキル基が好ましい。
アルキル基としては、好ましくは、炭素数が1〜18のアルキル基、より好ましくは、炭素数が7以上である、ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの炭素数7〜18のアルキル基が挙げられる。
一般式(1)の式中、R3およびR4で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、アルキル基、より好ましくは、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシルなどの炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
また、R3およびR4で示される置換基を有していてもよいアルコキシ基のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシなどの炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられる。
また、R3およびR4で示される置換基を有していてもよいアルコキシ基の置換基としては、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基と同様のものが挙げられる。
上記したR3およびR4で示される置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、置換基を有していないアルコキシ基が好ましく、その中でも、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなどの炭素数1〜3のアルコキシ基が挙げられる。
R3およびR4は、同一または相異なって、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基または水素原子であることが好ましく、その中でも、ともに水素原子であることが好ましい。
一般式(1)の式中、R5で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、アリレン基などの2価の炭化水素基が挙げられる。
アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、iso−プロピレン、ブチレン、iso−ブチレン、sec−ブチレン、ペンチレン、iso−ペンチレン、sec−ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、2−エチルヘキシレン、ノニレン、デシレン、イソデシレン、ドデシレン、テトラデシレン、ヘキサデシレン、オクタデシレンなどの炭素数1〜18のアルキレン基が挙げられる。
アルケニレン基としては、例えば、ビニレン、プロペニレン、ブテニレン、ブタジエニレン、オクテニレン、デセニレン、ウンデセニレン、ドデセニレン、テトラデセニレン、ヘキサデセニレン、オクタデセニレンなどの炭素数2〜18のアルケニレン基が挙げられる。
アルキニレン基としては、例えば、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン、オクテニレンなどの炭素数2〜8のアルキニレン基が挙げられる。
シクロアルキレン基としては、例えば、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロオクチレンなどの炭素数3〜8のシクロアルキレン基が挙げられる。
アリレン基としては、例えば、フェニレン、トリレン、キシリレン、ナフチレンなどの炭素数6〜10のアリレン基が挙げられる。
また、R5で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基としては、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基と同様のものが挙げられ、好ましくは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどの炭素数1〜6のアルコキシ基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルなどの炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
R5で示される置換基を有していてもよい炭化水素基として、好ましくは、炭素数2〜18のアルキレン基が挙げられる。
また、一般式(1)の式中、Y1で示される−NRnCO−、−CONRn−、−NRnCS−、−CRnO−、および、Y2で示される−CONRn−、−NRnCO−、−CSNRn−、−OCRn−のRnとしては、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子が挙げられ、置換基を有していてもよい炭化水素基としては、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられる。好ましくは、アルキル基または水素原子が挙げられ、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシルなどの炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。
一般式(1)の式中、Y1として、好ましくは、−NHCO−、−CONH−、−CHO−、−COO−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合が挙げられ、さらに好ましくは、−CONH−および−CHO−、特に好ましくは、−CONH−が挙げられる。また、Y2として、好ましくは、−CONH−、−NHCO−、−OCH−、−OOC−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合が挙げられ、さらに好ましくは、−NHCO−および−OCH−、特に好ましくは、−NHCO−が挙げられる。
一般式(1)の式中、Zで示されるアニオンとしては、例えば、無機アニオン、有機アニオンが挙げられる。
無機アニオンとしては、例えば、ハロゲンイオン(例えば、F-、Cl-、Br-、I-など)、ヨウ素酸イオン(IO-)、臭素酸イオン(BrO-)、塩素酸イオン(ClO-)、過ヨウ素酸イオン(IO-)、過塩素酸イオン(ClO-)、硫酸イオン(SO -)、硝酸イオン(NO-)、リン酸イオン(PO -)、亜硫酸イオン(SO -)、亜硝酸イオン(NO-)などが挙げられる。好ましくは、ハロゲンイオン、より好ましくは、ブロマイドイオン(Br-)が挙げられる。
有機アニオンとしては、例えば、遊離の有機カルボン酸や遊離の有機スルホン酸などの遊離の有機酸などが挙げられる。遊離の有機酸としては、炭素数1〜20、好ましくは、炭素数1〜10の遊離の有機酸が挙げられる。
遊離の有機カルボン酸としては、例えば、1価の飽和カルボン酸イオン、2価の飽和カルボン酸イオン、1価の不飽和カルボン酸イオン、2価の不飽和カルボン酸イオン、ヒドロキシカルボン酸イオン、オキソカルボン酸イオン、芳香族カルボン酸イオンなどが挙げられる。好ましくは、1価の飽和カルボン酸イオンが挙げられる。
1価の飽和カルボン酸イオンとしては、例えば、蟻酸イオン(HCOO-)、酢酸イオン(CHCOO-)、プロピオン酸イオン(CCOO-)、酪酸イオン(CCOO-)、イソ酪酸イオン((CHCHCOO-)、吉草酸イオン(CH(CHCOO-)、イソ吉草酸イオン((CHCHCHCOO-)、ピバル酸イオン((CHCCOO-)、オクタン酸イオン(CH(CHCOO-)、デカン酸イオン(CH(CHCOO-)、ラウリン酸イオン(CH(CH10COO-)、ミリスチン酸イオン(CH(CH12COO-)、パルミチン酸イオン(CH(CH14COO-)、ステアリン酸イオン(CH(CH16COO-)などの炭素数1〜18の1価の飽和カルボン酸イオンなどが挙げられる。好ましくは、酢酸イオンが挙げられる。
2価の飽和カルボン酸イオンとしては、例えば、シュウ酸イオン((COO-))、マロン酸イオン(CH(COO-))、コハク酸イオン((-OOC)(CH(COO-))、グルタル酸イオン((-OOC)(CH(COO-))、アジピン酸イオン((-OOC)(CH(COO-))、ピメリン酸イオン((-OOC)(CH(COO-))、スベリン酸イオン((-OOC)(CH(COO-))、アゼライン酸イオン((-OOC)(CH(COO-))、セバシン酸イオン((-OOC)(CH(COO-))などの炭素数2〜10の2価の飽和カルボン酸イオンなどが挙げられる。
1価の不飽和カルボン酸イオンとしては、例えば、アクリル酸イオン(CH=CHCOO-)、メタクリル酸イオン(CH=C(CH)COO-)、クロトン酸イオン(CHCH=CHCOO-)、cis−クロトン酸イオン(CHCH=CHCOO-)、ソルビン酸イオン(CHCH=CHCH=CHCOO-)、オレイン酸イオン(CH(CHCH=CH(CHCOO-)、trans-9-オクタデセン酸イオン(CH(CHCH=CH(CHCOO-)、フランカルボン酸イオン(COCOO-)などの炭素数3〜18の1価の不飽和カルボン酸イオンなどが挙げられる。
2価の不飽和カルボン酸イオンとしては、例えば、マレイン酸イオン(CH(COO-)=CHCOO-)、シトラコン酸イオン((CH)C(COO-)=CHCOO-)、メサコン酸イオン((COO-)C(CH)=CHCOO-)などの炭素数4〜5の2価の不飽和カルボン酸イオンなどが挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸イオンとしては、例えば、乳酸イオン(CHCH(OH)COO-)、リンゴ酸イオン(CH(OH)(COO-)CHCOO-)、クエン酸イオン(CH(COO-)C(OH)(COO-)CHCOO-)、グリコン酸イオン(CH(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)COO-)などの炭素数3〜6のヒドロキシカルボン酸イオンなどが挙げられる。
オキソカルボン酸イオンとしては、例えば、ピルビン酸イオン(CHCOCOO-)、アセト酢酸イオン(CHCOCHCOO-)などの炭素数3〜4のオキソカルボン酸イオンなどが挙げられる。
芳香族カルボン酸イオンとしては、例えば、安息香酸イオン(CCOO-)、フタル酸イオン(C(COO-))、ナフタレンカルボン酸イオン(C10COO-)、ピリジンカルボン酸イオン(CNCOO-)などの炭素数5〜11の芳香族カルボン酸イオンなどが挙げられる。
また、遊離の有機スルホン酸としては、例えば、メチル硫酸イオン((CH)SO-)、エチル硫酸イオン((C)SO-)、メチルベンゼンスルホン酸イオン(CHSO-)などの炭素数1〜7の有機スルホン酸イオンが挙げられる。
また、一般式(1)の式中、Zで示される有機アニオンとしては、その他に、アミノ酸、エリソルビン酸、アスコルビン酸、デヒドロ酢酸、アルコラート、フェノラートおよび水酸基に起因する有機アニオンなどが挙げられる。
これらアニオンは、単独または2種以上併用してもよい。好ましくは、有機アニオンおよびハロゲンイオンが挙げられる。より好ましくは、1価の飽和カルボン酸イオンおよびハロゲンイオン、さらに好ましくは、酢酸イオンおよびブロマイドイオン、特に好ましくは、ブロマイドイオンが挙げられる。
また、aは、1または2の整数を示し、具体的には、ビス四級アンモニウム塩化合物およびアニオンの種類に応じて、適宜決定される。aは、2が好ましい。
このようなビス四級アンモニウム塩化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができ、その具体例としては、例えば、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(4−カルバモイル−1−オクチルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(4−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(4−カルバモイル−1−テトラデシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(4−カルバモイル−1−ヘキサデシルピリジニウム塩)などのN,N’−アルキレン−ビス(4−カルバモイル−1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−オクチルピリジニウム塩、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−デシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−テトラデシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−ヘキサデシルピリジニウム塩)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3−カルバモイル−1−オクタデシルピリジニウム塩)などのN,N’−アルキレン−ビス(3−カルバモイル−1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウム塩)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−テトラデシルピリジニウム塩)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−ヘキサデシルピリジニウム塩)などの4,4’−(アルキレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(ヘキサメチレンジチオ)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)などの4,4’−(アルキレンジチオ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−ブチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−ヘキシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−デシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−テトラデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−ヘキサデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス(1−オクタデシルピリジニウム塩)などの4,4’−(p−キシリルジチオ)ビス((1−アルキル)ピリジニウム塩)、例えば、3,3’−(m−キシリルジチオ)ビス(1−テトラデシルピリジニウム塩)などの3,3’−(m−キシリルジチオ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−ヘキシルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−オクチルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−テトラデシルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−ヘキサデシルピリジニウム塩)、N,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−オクタデシルピリジニウム塩)などのN,N’−(p−フェニレン)ビス(4−カルバモイル−1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、N,N’−(m−フェニレン)ビス(3−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウム塩)などのN,N’−(m−フェニレン)ビス(3−カルバモイル−1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ブチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ペンチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ヘキシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ヘプチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−デシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−テトラデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−ヘキサデシルピリジニウム塩)、4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−オクタデシルピリジニウム塩)などの4,4’−(p−フタルアミド)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、3,3’−(m−フタルアミド)ビス(1−オクタデシルピリジニウム塩)などの3,3’−(m−フタルアミド)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、1,4−テトラメチレンビス(4−カルバモイル−1−ヘキサデシルピリジニウム塩)、1,6−ヘキサメチレンビス(3−カルバモイル−1−ドデシルピリジニウム塩)、1,6−オクタメチレンビス(3−カルバモイル−1−テトラデシルピリジニウム塩)、3,3’−(1,3−トリメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)などの(アルキレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(1,8−オクタメチレンジオキシ)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)、3,3’−(1,6−ヘキサメチレンジオキシ)ビス(1−ヘキサドデシルピリジニウム塩)などの(アルキレンジオキシ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(1,6−ヘキサメチレンジオキシジカルボニル)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)、3,3’−(1,6−テトラメチレンジオキシジカルボニル)ビス(1−ドデシルピリジニウム塩)などの(アルキレンジオキシジカルボニル)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(1,4−テトラメチレンジカルボニルジオキシ)ビス(1−オクチルピリジニウム塩)などの(アルキレンジカルボニルジオキシ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、4,4’−(1,8−オクタメチレンジカルボニルジチオキシ)ビス(1−オクタデシルピリジニウム塩)などの(アルキレンジカルボニルジチオキシ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、3,3’−(p−フタロイルジオキシ)ビス(1−デシルピリジニウム塩)、3,3’−(m−フタロイルジチオキシ)ビス(1−デシルピリジニウム塩)などの(フタロイルジチオキシ)ビス(1−アルキルピリジニウム塩)、例えば、1−オクチル−1’−(3−ヒドロキシトリメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−オクチル−1’−(6−ヒドロキシヘキサメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−オクチル−1’−(8−ヒドロキシオクタメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−オクチル−1’−(10−ヒドロキシデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−オクチル−1’−(12−ヒドロキシドデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−デシル−1’−(3−ヒドロキシトリメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−デシル−1’−(6−ヒドロキシヘキサメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−デシル−1’−(8−ヒドロキシオクタメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−デシル−1’−(10−ヒドロキシデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−デシル−1’−(12−ヒドロキシドデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−ドデシル−1’−(3−ヒドロキシトリメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−ドデシル−1’−(6−ヒドロキシヘキサメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−ドデシル−1’−(8−ヒドロキシオクタメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−ドデシル−1’−(10−ヒドロキシデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、1−ドデシル−1’−(12−ヒドロキシドデカメチレン)−4,4’−ジピリジニウム塩などの1−アルキル−1’−(12−ヒドロキシアルキレン)−4,4’−ジピリジニウム塩、例えば、1,1’−ジデシル−3,3’−[ブタン−1,4−ジイルビス(オキシメチレン)]ジピリジニウム塩などの1,1’−ジアルキル−3,3’−[アルキル−1,4−ジイルビス(オキシメチレン)]ジピリジニウム塩などが挙げられる。
なお、上記したビス四級アンモニウム塩化合物のピリジニウム塩としては、上記したZで示されるアニオンとの塩であれば特に制限されないが、例えば、ブロマイド(ピリジニウムブロマイド)、アイオダイド(ピリジニウムアイオダイド)、アセテート(ピリジニウムアセテート)などが挙げられる。銀系または銅系抗菌剤との相乗効果が特に発現される観点から、好ましくは、ブロマイド(ピリジニウムブロマイド)が挙げられる。なお、一般的に、ブロマイドイオンを対イオンとして備える化合物と、銀系成分とを併用すると、臭化銀を形成する。臭化銀は光により分解すると、銀が遊離し、黒く呈色されることがある。しかしながら、上記ビス四級アンモニウム塩化合物においては、ブロマイドイオンを対イオンとし、銀系抗菌剤と併用した場合であっても、臭化銀の形成が低減され、呈色が抑制されると考えられる。
これらのうち、好ましくは、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)(ダイマー38、イヌイ社製)、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムアセテート)(ダイマー38A、イヌイ社製)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウムブロマイド)(ダイマー136、イヌイ社製)、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウムアセテート)(ダイマー136A、イヌイ社製)、1,1’−ジデシル−3,3’−[ブタン−1,4−ジイルビス(オキシメチレン)]ジピリジニウム=ジブロミドが挙げられる。さらに好ましくは、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)(ダイマー38、イヌイ社製)が挙げられる。これらビス四級アンモニウム塩化合物は、単独または2種以上併用してもよい。
本発明に用いられる銀系抗菌剤は、銀成分を含有している。銀系抗菌剤としては、例えば、抗菌剤および/または殺菌剤として用いられる公知または市販のものが挙げられる。また、抗菌剤や殺菌剤と称していなくても銀成分を含有しているもの(例えば、試薬や工業原料など)であれば本発明の銀系抗菌剤に含まれる。
銀成分は、例えば、金属銀(Ag)であってもよく、無機化合物(例えば、AgCl,AgF,AgFなどのハロゲン化銀、AgO,AgOなどの酸化銀、AgSなどの硫化銀、AgSO,AgCrO,AgPO,AgCO,AgSiOなどの酸素酸塩など)であってもよい。好ましくは、金属銀が挙げられる。
また、銀系抗菌剤は、銀成分からなる銀系粒子であってもよく、銀成分が担体に担持した銀担持体であってもよい。担体としては、好ましくは、多孔質担体が挙げられる。多孔質担体としては、例えば、活性炭、活性白土、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、粘土鉱物などが挙げられ、好ましくは、ゼオライトが挙げられる。
銀系抗菌剤としては、好ましくは、銀系粒子が挙げられる。
銀系抗菌剤の平均粒子径としては、例えば、1000nm以下、好ましくは、500nm以下、より好ましくは、100nm以下であり、また、例えば、1nm以上、好ましくは、5nm以上、より好ましくは、10nm以上である。粒子径は、透過電子顕微鏡(TEM)により観察して、その各粒子の最大径の平均値を測定することにより求められる。
本発明に用いられる銅系抗菌剤は、銅成分を含有している。銅系抗菌剤としては、例えば、抗菌剤および/または殺菌剤として用いられる公知または市販のものが挙げられる。また、抗菌剤や殺菌剤と称していなくても銅成分を含有しているもの(例えば、試薬や工業原料など)であれば本発明の銅系抗菌剤に含まれる。
銅成分は、例えば、金属銅(Cu)であってもよく、無機化合物(例えば、CuCl,CuCl,CuFなどのハロゲン化銅、CuO,CuOなどの酸化銅、例えば、CuS,CuSなどの硫化銅、CuSO,CuSO、Cu(NO、Cu(PO,Cu(OH)CO,CuSiOなどの酸素酸塩など)であってもよい。好ましくは、無機酸化物が挙げられ、より好ましくは、酸素酸塩が挙げられ、さらに好ましくは、CuSO,CuSOなどの硫酸銅が挙げられ、とりわけ好ましくは、CuSO(硫酸銅(II))が挙げられる。
また、銅成分は、銅成分からなる銅系粒子であってもよく、銅成分が担体(上記)に担持した銅担持体であってもよい。
銅系抗菌剤としては、好ましくは、銅系粒子が挙げられる。
銅成分の平均粒子径としては、例えば、1000nm以下、好ましくは、500nm以下、より好ましくは、100nm以下であり、また、例えば、1nm以上、好ましくは、5nm以上、より好ましくは、10nm以上である。
そして、本発明の微生物防除剤は、ビス四級アンモニウム塩化合物と、銀系または銅系抗菌剤とを配合することにより得ることができる。
ビス四級アンモニウム塩化合物と銀系抗菌剤とを配合する割合は、銀系抗菌剤の含有量は、ビス四級アンモニウム塩化合物100質量部に対して、金属銀換算で、例えば、1質量部以上、好ましくは、10質量部以上、より好ましくは、50質量部以上であり、また、例えば、1000質量部以下、好ましくは、300質量部以下、より好ましくは、100質量部以下である。
ビス四級アンモニウム塩化合物と銅系抗菌剤とを配合する割合は、銅系抗菌剤の含有量は、ビス四級アンモニウム塩化合物100質量部に対して、金属銅換算で、例えば、1質量部以上、好ましくは、10質量部以上、より好ましくは、50質量部以上であり、また、例えば、1000質量部以下、好ましくは、300質量部以下、より好ましくは、100質量部以下である。
なお、本発明の微生物防除剤は、銀系抗菌剤または銅系抗菌剤のいずれか一方のみを配合してもよく、また、両方を配合してもよい。好ましくは、抗菌性の観点から、ビス四級アンモニウム塩化合物と銀系抗菌剤とを配合した微生物防除剤が挙げられる。
このようにして配合される本発明の微生物防除剤は、細菌、かび、酵母、藻の少なくとも1つに対して優れた防除効果を発現するため、これらの防除剤として好適に用いられる。特に、本発明の微生物防除剤は、細菌に対して優れた防除効果を発現するため、抗菌剤として特に好適に用いられる。
また、本発明の微生物防除剤は、ビス四級アンモニウム塩化合物と、銀系または銅系抗菌剤とを予め配合して、製剤化したものを適用対象に添加してもよく、また、ビス四級アンモニウム塩化合物と、銀系または銅系抗菌剤とを適用対象にそれぞれ個別に添加して、適用対象において作用させてもよい。
本発明の微生物防除剤を製剤化する場合には、特に限定されることなく、公知の方法を用いることができ、その目的および用途に応じて、例えば、液剤(水懸濁剤および油剤を含む。)、分散剤、ペースト剤、粉剤、粒剤、マイクロカプセルなどの公知の種々の剤型に製剤化すればよい。また、包接化合物として調製してもよく、さらに、層状ケイ酸塩などのモンモリロナイト(スメクタイト類など)などに担持させ、あるいは、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルクなどに吸着させることにより調製してもよい。
これらのうち、例えば、液剤として製剤化する場合には、ビス四級アンモニウム塩化合物と、銀系または銅系抗菌剤とを上記した配合割合で適宜溶剤に溶解または分散すればよい。より具体的には、例えば、液剤中に、ビス四級アンモニウム塩化合物が0.1〜10000質量ppm(好ましくは、1〜1000質量ppm、より好ましくは、5〜500質量ppm)、銀系または銅系抗菌剤(金属銀または金属銅換算)が0.1〜10000質量ppm(好ましくは、1〜1000質量ppm、より好ましくは、5〜500質量ppm)となる割合でそれぞれ配合し、溶解または分散させればよい。用いられる溶剤としては、ビス四級アンモニウム塩化合物、および、銀系または銅系抗菌剤を溶解しまたは分散し得る溶剤であれば特に制限されない。
このような溶剤としては、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのアルコール系溶剤、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレンカーボネートなどのケトン系溶剤、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテルなどのエーテル系溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ−ブチロラクトン、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチルなどのエステル系溶剤、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N−メチルピロリドンなどの極性溶剤などが挙げられる。
これらのうち、好ましくは、水が挙げられる。これら溶剤は、単独または2種以上併用してもよい。
また、本発明の微生物防除剤は、その目的および用途によって、公知の添加剤、例えば、他の微生物防除剤、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤、食用色素などを添加してもよい。
本発明の微生物防除剤は、抗菌作用、防かび作用、防腐作用、防藻作用などに関して、特に、抗菌作用に関して、ビス四級アンモニウム塩化合物と、銀系または銅系抗菌剤との相乗効果を発現することができる。
そのため、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、エマルション、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、紙力増強剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、建材、シーリング剤、目地剤、消臭剤、皮革製品などの各種工業製品などの有害微生物の防除の用途において有効に用いることができる。
また、本発明の微生物防除剤は、例えば、繊維、木材、医療器械、医療器具、光学機器、工作機械、精密機器、精密器材などに、洗浄殺菌剤として適用することもできる。
なお、本発明の微生物防除剤は、その適用対象に応じて添加量を適宜決定すればよいが、例えば、0.1〜10000mg(全有効成分)/kg(製品)、好ましくは、1〜8000mg(全有効成分)/kg(製品)、より好ましくは、5〜5000mg(全有効成分)/kg(製品)の濃度として用いることができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
実施例1
N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)(商品名:ダイマー38、イヌイ社製、純度99.9質量%)0.1gを蒸留水99.9mLに溶解して、0.1%ビス四級アンモニウム塩溶液を調製した。
調製した0.1%ビス四級アンモニウム塩溶液1gを、銀ナノ粒子の水分散体(シグマ社製、平均粒子径10nm、0.002質量%)50gおよび蒸留水49mLと混合し、マグネチックスターラー、400rpmの条件にて攪拌して、微生物防除剤100gを製造した。
実施例2
ビス四級アンモニウム塩溶液として、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイルー1−デシルピリジニウムアセテート)の水溶液(商品名:ダイマー38A、イヌイ社製、含有量5.0質量%)0.02gを用意した。
用意したビス四級アンモニウム塩溶液0.02gを、銀ナノ粒子の水分散体(シグマ社製、平均粒子径10nm、0.002質量%)50gおよび蒸留水49.98mLと混合し、マグネチックスターラー、400rpmの条件にて攪拌して、微生物防除剤100gを製造した。
比較例1〜5
表1の処方および配合割合に変更する以外は、実施例1と同様の方法にて微生物防除剤を調製した。なお、PHMB(ポリヘキサメチレンビグアニド)の20%水溶液としては、ロンザジャパン社製の「Proxel IB」(商品名)を用いた。
比較例6〜7
PHMBの代わりに、DDAC(ジデシルジメチルアンモニウムクロリド)を用いた以外は、比較例4〜5と同様の方法にて、微生物防除剤を調製した。なお、DDACとしては、三洋化成社製の「カチオンDDC80(ジデシルジメチルアンモニウムクロライド80質量%含有)」(商品名)を用いた。
比較例8〜9
PHMBの代わりに、塩化ベンザルコニウルム(和光純薬工業社製)を用いた以外は、比較例4〜5と同様の方法にて、微生物防除剤を調製した。
比較例10〜11
PHMBの代わりに、臭化テトラエチルアンモニウム(和光純薬工業社製)を用いた以外は、比較例4〜5と同様の方法にて、微生物防除剤を調製した。
実施例3
銀ナノ粒子の代わりに、硫酸銅(II)五水和物(和光純薬工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、微生物防除剤を調製した。
比較例13
銀ナノ粒子の代わりに、酸化亜鉛(和光純薬工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、微生物防除剤を調製した。
比較例15
銀ナノ粒子の代わりに、硫酸ニッケル(硫酸ニッケル(II)六水和物、和光純薬工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、微生物防除剤を調製した。
比較例17
銀ナノ粒子の代わりに、硫酸マグネシウム(和光純薬工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、微生物防除剤を調製した。
比較例12、14、16、18
硫酸銅(II)の水分散体、酸化亜鉛の水分散体、硫酸ニッケルの水分散体および硫酸マグネシウムの水分散体をそれぞれ調製した。
Figure 2017019789
<評価:抗菌性>
大腸菌に、Optical Density(660nm)が0.001となるように滅菌水を添加して、菌液を調製した。
各実施例および各比較例の微生物防除剤を、サンプル液における有機系抗菌成分(ビス四級アンモニウム塩、PHMB、DDAC、塩化ベンザルコニウルムまたは臭化テトラエチルアンモニウム)の濃度および金属濃度(銀、銅、亜鉛、ニッケルまたはマグネシウム)が表2および表3に記載の濃度となるように、菌液に混合して、サンプル液を調製した。次いで、サンプル液を、室温にて表2に記載の時間静置した。その後、サンプル液をLB培地中に接種して、その培地を32℃にて24時間静置培養した後、増殖の有無を肉眼で判定した。
大腸菌の増殖が観察されなかった場合を○と評価し、大腸菌の増殖が観測された場合を×と評価した。結果を表2および表3に示す。
<評価:呈色性>
各実施例および各比較例の微生物防除剤が呈色しているか否かを目視にて確認したところ、比較例10(臭化テトラエチルアンモニウムと銀との組合せ)のみ、黒い着色が観察されたが、他の各実施例および各比較例については、着色が観察されなかった。
Figure 2017019789
Figure 2017019789
本発明の微生物防除剤は、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、エマルション、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、紙力増強剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、建材、シーリング材、目地材、消臭剤、皮革製品などの各種産業製品などに使用することができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で示されるビス四級アンモニウム塩化合物と、銀系または銅系抗菌剤とを含有することを特徴とする、微生物防除剤。
    Figure 2017019789

    (式中、R1およびR2は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を、R3およびR4は、同一または相異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基または水素原子を、R5は、置換基を有していてもよい炭化水素基または炭素−炭素間単結合を、Y1は、−NRnCO−、−CONRn−、−NRnCS−、−CRnO−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−COO−、−COS−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Y2は、−CONRn−、−NRnCO−、−CSNRn−、−OCRn−(前記Rnは、置換基を有していてもよい炭化水素基または水素原子を示す。)、−OOC−、−SOC−、−O−、−S−または炭素−炭素間単結合を、Zは、アニオンを、aは、1または2の整数を示す。)
  2. 前記銀系または銅系抗菌剤が、銀系抗菌剤であることを特徴とする、請求項1に記載の微生物防除剤。
  3. 前記Zは、ブロマイドイオンであることを特徴とする、請求項1または2に記載の微生物防除剤。
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