JP2005320320A - 工業用殺菌組成物 - Google Patents

工業用殺菌組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005320320A
JP2005320320A JP2005027931A JP2005027931A JP2005320320A JP 2005320320 A JP2005320320 A JP 2005320320A JP 2005027931 A JP2005027931 A JP 2005027931A JP 2005027931 A JP2005027931 A JP 2005027931A JP 2005320320 A JP2005320320 A JP 2005320320A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
isothiazoline
weight
mit
oit
hydrophobic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005027931A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4514136B2 (ja
Inventor
Takayuki Sugiyama
孝之 杉山
Hiroshi Asano
弘嗣 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Enviro Chemicals Ltd
Original Assignee
Japan Enviro Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Enviro Chemicals Ltd filed Critical Japan Enviro Chemicals Ltd
Priority to JP2005027931A priority Critical patent/JP4514136B2/ja
Publication of JP2005320320A publication Critical patent/JP2005320320A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4514136B2 publication Critical patent/JP4514136B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

【課題】 疎水性イソチアゾリン系化合物を使用しつつ、グリコール系溶剤の使用量を低減させることができる、工業用殺菌組成物を提供することにある。
【解決手段】 疎水性イソチアゾリン系化合物(OIT)、親水性イソチアゾリン系化合物(MIT)、グリコール系溶剤(DEG)および水から工業用殺菌組成物を調製する。工業用殺菌組成物には、OITが2〜30重量%含まれ、MITが、OITが10重量%未満のとき2〜35重量%、10重量%以上のとき2〜20重量%含まれる。また、OITの含有量(x)に対するMITとDEGとの含有合計量(y)が、下記の三次関数(A)および一次関数(B)の間の領域にある。
三次関数(A):y=−0.0004x3+0.03x2−1.3083x+72.5
一次関数(B):y=−0.5x+61
【選択図】 図1

Description

本発明は、工業用殺菌組成物、詳しくは、細菌、かび、酵母、藻の防除剤として用いられる工業用殺菌組成物に関する。
従来、各種の工業製品には、細菌、カビ、酵母、藻などの有害な微生物が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因になっている。そのため、工業製品には、細菌、カビ、酵母、藻に対して防除効果を発現する種々の工業用殺菌組成物を添加することが広く知られている。このような工業用殺菌組成物として、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)や2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)が広く知られており、これらを相乗効果比率で組み合わせて添加することが、提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−81311号公報
しかるに、近年、環境負荷の観点から、工業用殺菌組成物においても、有機溶剤の使用量を低減することが求められている。しかし、OITは、疎水性であることから、これを液剤として調製するには、有機溶剤の使用が不可避である。
この点、特許文献1には、OITおよびMITの配合割合について、広範囲に記載されており、しかも、溶剤について、水と有機溶剤との比率を任意に設定することができる旨、記載されている。しかしながら、同文献において想定されているOITやMITの含有量は、数〜数百ppm程度にすぎず、OITやMITを数〜数十重量%含有させる場合には、液剤が分離するという不具合が生じる。
そこで、本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、疎水性イソチアゾリン系化合物を使用しつつ、グリコール系溶剤の使用量を低減させることができる、工業用殺菌組成物を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者らは、疎水性イソチアゾリン系化合物を含む工業用殺菌組成物の配合について鋭意検討したところ、疎水性イソチアゾリン系化合物に対して、親水性イソチアゾリン系化合物およびグリコール系溶剤を、その合計量として特定割合で配合すると、グリコール系溶剤の使用量を低減しつつ、均一な溶液として、工業用殺菌組成物を調製できる知見を見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 一般式(1)で表される疎水性イソチアゾリン系化合物、一般式(2)で表される親水性イソチアゾリン系化合物、グリコール系溶剤および水から調製される工業用殺菌組成物であって、
一般式(1):
Figure 2005320320
(式中、R1は、炭素数6〜12の炭化水素基を示す。)
一般式(2):
Figure 2005320320
(式中、R2は、炭素数1〜3の炭化水素基を示す。)
前記疎水性イソチアゾリン系化合物が、前記工業用殺菌組成物中に、2〜30重量%含まれており、
前記親水性イソチアゾリン系化合物が、前記工業用殺菌組成物中に、前記疎水性イソチアゾリン系化合物が10重量%未満である場合には、2〜35重量%含まれており、前記疎水性イソチアゾリン系化合物が10重量%以上である場合には、2〜20重量%含まれており、
かつ、前記疎水性イソチアゾリン系化合物の含有量(x)に対する前記親水性イソチアゾリン系化合物と前記グリコール系溶媒との含有合計量(y)が、下記の三次関数(A)および一次関数(B)の間の領域にあることを特徴とする、工業用殺菌組成物、
三次関数(A):y=−0.0004x3+0.03x2−1.3083x+72.5
一次関数(B):y=−0.5x+61
(2) 前記疎水性イソチアゾリン系化合物が、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンであることを特徴とする、前記(1)に記載の工業用殺菌組成物、
(3) 前記親水性イソチアゾリン系化合物が、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンであることを特徴とする、前記(1)または前記(2)に記載の工業用殺菌組成物
を提供するものである。
本発明の工業用殺菌組成物によれば、疎水性イソチアゾリン系化合物を使用しつつ、有機溶剤の使用量を低減することができる。
本発明の工業用殺菌組成物は、一般式(1)で表される疎水性イソチアゾリン系化合物と、一般式(2)で表される親水性イソチアゾリン系化合物と、グリコール系溶剤と、水とから調製される。
本発明において、疎水性イソチアゾリン系化合物は、下記一般式(1)で表される。
一般式(1):
Figure 2005320320
(式中、R1は、炭素数6〜12の炭化水素基を示す。)
一般式(1)中、R1で示される炭素数6〜12の炭化水素基としては、例えば、炭素数6〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアルケニル基、炭素数6〜12のアルキニル基、炭素数6〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数6〜12のアラルキル基などが挙げられる。
炭素数6〜12のアルキル基としては、例えば、ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシルなどの炭素数6〜12のアルキル基が挙げられる。
炭素数6〜12のアルケニル基としては、例えば、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニルなどの炭素数6〜12のアルケニル基が挙げられる。
炭素数6〜12のアルキニル基としては、例えば、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニルなどの炭素数6〜12のアルキニル基が挙げられる。
炭素数6〜12のシクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルなどの炭素数6〜12のシクロアルキル基が挙げられる。
炭素数6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、アズレニル、ビフェニルなどの炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
炭素数6〜12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、o、mまたはp−メチルベンジル、o、mまたはp−エチルベンジル、o、mまたはp−tert−ブチルベンジル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジメチルベンジル、2,3,4−、3,4,5−または2,4,6−トリメチルベンジル、5−イソプロピル−2−メチルベンジル、2−イソプロピル−5−メチルベンジル、2−メチル−5−tert−ブチルベンジル、1−(2−メチルフェニル)エチル、1−(3−メチルフェニル)エチル、1−(4−メチルフェニル)エチル、1−(2−イソプロピルフェニル)エチル、1−(3−イソプロピルフェニル)エチル、1−(4−イソプロピルフェニル)エチル、1−(2−tert−ブチルフェニル)エチル、1−(4−tert−ブチルフェニル)エチル、1−(2−イソプロピル−4−メチルフェニル)エチル、1−(4−イソプロピル−2−メチルフェニル)エチル、1−(2,4−ジメチルフェニル)エチル、1−(2,5−ジメチルフェニル)エチル、1−(3,5−ジメチルフェニル)エチルなどの炭素数6〜12のアラルキル基が挙げられる。
上記したR1で示される炭素数6〜12の炭化水素基としては、好ましくは、炭素数6〜12のアルキル基、さらに好ましくは、n−オクチルが挙げられる。
このような疎水性イソチアゾリン系化合物としては、より具体的には、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下、OITという。)が挙げられる。
本発明において、疎水性イソチアゾリン系化合物の含有量は、工業用殺菌組成物中、2〜30重量%、好ましくは、2〜20重量%である。2重量%より少ないと、使用時における工業用殺菌組成物の添加量が増大するという不都合があり、30重量%より多いと、皮膚刺激性が増大して、取り扱いに不都合を生じる。2〜30重量%において、殺菌性能を発現するための取り扱いに優れる。
本発明において、親水性イソチアゾリン系化合物は、下記一般式(2)で表される。
一般式(2):
Figure 2005320320
(式中、R2は、炭素数1〜3の炭化水素基を示す。)
一般式(2)中、R2で示される炭素数1〜3の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルケニル基、炭素数1〜3のアルキニル基、炭素数1〜3のシクロアルキル基などが挙げられる。
炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルなどの炭素数1〜3のアルキル基が挙げられる。
炭素数1〜3のアルケニル基としては、例えば、ビニル、アリルなどの炭素数2〜3のアルケニル基が挙げられる。
炭素数1〜3のアルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニルなどの炭素数2〜3のアルキニル基が挙げられる。
炭素数1〜3のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピルなどの炭素数3のシクロアルキル基が挙げられる。
上記したR2で示される炭素数1〜3の炭化水素基としては、好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基、さらに好ましくは、メチルが挙げられる。
このような親水性イソチアゾリン系化合物としては、より具体的には、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下、MITという。)が挙げられる。
本発明において、親水性イソチアゾリン系化合物の含有量は、工業用殺菌組成物中、疎水性イソチアゾリン系化合物が10重量%未満である場合には、2〜35重量%、好ましくは、5〜20重量%であり、疎水性イソチアゾリン系化合物が10重量%以上である場合には、2〜20重量%、好ましくは、2〜10重量%である。
疎水性イソチアゾリン系化合物が10重量%未満である場合に、2重量%より少ないと、殺菌性能が不十分であり、35重量%より多いと、高濃度の親水性イソチアゾリン系化合物が必要である。2〜35重量%において、殺菌性能と工業的生産性のバランスに優れる。
また、疎水性イソチアゾリン系化合物が10重量%以上である場合に、2重量%より少ないと、殺菌性能が不十分であり、20重量%より多いと、高濃度の親水性イソチアゾリン系化合物が必要であり、2〜20重量%において、殺菌性能と工業的生産性のバランスに優れる。
本発明において、グリコール系溶剤は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。好ましくは、ジエチレングリコール(以下、DEGという。)が挙げられる。また、これらグリコール系溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
そして、本発明の工業用殺菌組成物は、疎水性イソチアゾリン系化合物、親水性イソチアゾリン系化合物、グリコール系溶剤および水を、配合して、溶液として調製する。
疎水性イソチアゾリン系化合物、親水性イソチアゾリン系化合物およびグリコール系溶媒の配合割合は、疎水性イソチアゾリン系化合物および親水性イソチアゾリン系化合物に関しては、それぞれ上記した含有量の範囲を前提とし、疎水性イソチアゾリン系化合物の含有量(x)に対する、親水性イソチアゾリン系化合物とグリコール系溶媒との含有合計量(y)が、下記の三次関数(A)および一次関数(B)の間の領域となるように、処方される。
また、水の配合割合は、疎水性イソチアゾリン系化合物、親水性イソチアゾリン系化合物およびグリコール系溶剤の残量とされる。
三次関数(A):y=−0.0004x3+0.03x2−1.3083x+72.5
一次関数(B):y=−0.5x+61
上記三次関数(A)および一次関数(B)は、より具体的には、例えば、市販の表計算ソフトウエアを使用して、図1に示すように、疎水性イソチアゾリン系化合物の含有量(x)を横軸(x軸)にとり、親水性イソチアゾリン系化合物とグリコール系溶媒との含有合計量(y)を縦軸(y軸)にとって、上記した2つの関数式をそれぞれ入力することにより、プロットすることができる。また、三次関数(A)および一次関数(B)との間の領域は、例えば、図1に示す斜線領域として表すことができる。
三次関数(A)は、親水性イソチアゾリン系化合物を配合せず、グリコール系溶剤および水によって疎水性イソチアゾリン系化合物を溶解するためのグリコール系溶剤の含有量の下限を示している。この下限は、例えば、特定含有量の疎水性イソチアゾリン系化合物を溶解するために最低限必要となるグリコール系溶剤の含有量を、実験から求めることにより、求められる。三次関数(A)は、そのような下限を、互いに異なる特定含有量の疎水性イソチアゾリン系化合物について、それぞれ求めた後、図1に示す横軸および縦軸に対して、求められた各下限を通過するように、三次関数曲線を描くことにより、得ることができる。
より具体的には、例えば、表1に示すように、DEG/水において、特定含有量のOITを溶解するために最低限必要とされるDEGの含有量を、実験により求める。表1の場合には、例えば、OIT2重量%において、DEG70重量%(DEG70重量%/水28重量%)では○(均一)(試料No.1)、DEG68重量%(DEG68重量%/水30重量%)では×(不均一)(試料No.2)であるため、OIT2重量%において、DEGの下限値は70重量%である。以下同様に、OIT10重量%においては、DEGの下限値は62重量%(試料No.3、4参照)として求められ、OIT20重量%においては、DEGの下限値は55重量%(試料No.5、6参照)として求められ、OIT30重量%において、DEGの下限値は49重量%(試料No.7、8参照)として求められる。
そして、図2に示すように、横軸にOIT含有量、縦軸に(MIT+DEG)合計含有量をとって、上記実験データ(試料No.1〜8)をプロット(図2中、「△」で示す。)し、各下限値を通過するように、三次関数曲線を描くことにより、三次関数(A)を得ることができる。
Figure 2005320320
つまり、図2において、三次関数(A)より上方の領域は、DEG/水において、MITを配合せずとも、OITを均一に溶解できるDEGの含有量の範囲が示されている。このような上方の領域において、DEGを配合すれば、OITを均一に溶解できるが、多量のDEGが必要となり、DEGの含有量の低減を図ることができない。
一方、図2において、三次関数(A)より下方の領域は、DEG/水において、DEG/水のみでは、OITを均一に溶解できないDEGの含有量の範囲を示している。このような下方の領域では、DEGの含有量の低減を図ることができるが、DEGのみによって、OITを均一に溶解することができない。
しかるに、表2では、OIT2重量%において、(MIT+DEG)合計含有量が、70重量%(MIT2重量%/DEG68重量%)では○(均一)(試料No.9)、表3では、OIT10重量%において、(MIT+DEG)合計含有量が、62重量%(MIT2.5重量%/DEG59.5重量%)では○(均一)(試料No.25)、表4では、OIT20重量%において、(MIT+DEG)合計含有量が、55重量%(MIT5重量%/DEG50重量%)では○(均一)(試料No.36)、表5では、OIT30重量%において、(MIT+DEG)合計含有量が、49重量%(MIT5重量%/DEG44重量%)では○(均一)(試料No.48)であり、これら各点は、図2において、上記した各下限値と同一位置にプロットされる。そして、これら各点は、DEG/水に、MITを配合することにより、OITを均一に溶解している。
そのため、三次関数(A)は、DEG/水において、DEG/水のみでは、OITを均一に溶解できない下限を示すと同時に、DEG/水において、DEG/水のみでは、OITを均一に溶解できないが、DEG/水に、MITを配合することにより、OITを均一に溶解することができる、(MIT+DEG)合計含有量の上限をも示している。
すなわち、三次関数(A)は、図1において、親水性イソチアゾリン系化合物を配合せず、グリコール系溶剤および水によって疎水性イソチアゾリン系化合物を溶解するためのグリコール系溶剤の含有量の下限を示すと同時に、グリコール系溶剤および水のみでは、疎水性イソチアゾリン系化合物を均一に溶解できないが、グリコール系溶剤および水に、親水性イソチアゾリン系化合物を配合することにより、疎水性イソチアゾリン系化合物を均一に溶解することができる、親水性イソチアゾリン系化合物とグリコール系溶媒との含有合計量の上限をも示している。
一次関数(B)は、親水性イソチアゾリン系化合物を配合して、親水性イソチアゾリン系化合物、グリコール系溶剤および水によって疎水性イソチアゾリン系化合物を溶解できる、親水性イソチアゾリン系化合物とグリコール系溶剤との合計含有量の下限を示している。この下限は、例えば、特定含有量の疎水性イソチアゾリン系化合物を溶解するために最低限必要となる親水性イソチアゾリン系化合物とグリコール系溶剤との合計の含有量を、実験から求めることにより、求められる。一次関数(B)は、そのような下限を、互いに異なる特定含有量の疎水性イソチアゾリン系化合物について、それぞれ求めた後、図1に示す横軸および縦軸に対して、求められた各下限を通過するように、一次関数曲線を描くことにより、得ることができる。
より具体的には、例えば、表2〜表5に示すように、MIT/DEG/水において、特定含有量のOITを溶解するために最低限必要とされる(MIT+DEG)合計含有量を、実験により求める。
表2は、OITの含有量が2重量%の場合を示しており、表2において、例えば、MIT2重量%の場合に、(MIT+DEG)合計含有量63重量%では○(均一)(試料No.10)、MIT5重量%の場合に、(MIT+DEG)合計含有量61重量%では○(均一)(試料No.12)、MIT7.5重量%の場合に、(MIT+DEG)合計含有量61.5重量%では○(均一)(試料No.14)、MIT10重量%の場合に、(MIT+DEG)合計含有量61重量%では○(均一)(試料No.16)、MIT20重量%の場合に、(MIT+DEG)合計含有量60重量%では○(均一)(試料No.18)、MIT30重量%の場合に、(MIT+DEG)合計含有量60重量%では○(均一)(試料No.19)、MIT35重量%の場合に、(MIT+DEG)合計含有量60重量%では○(均一)(試料No.20)である。
一方、表2において、例えば、MIT2重量%の場合に、(MIT+DEG)合計含有量58重量%では×(不均一)(試料No.21)、MIT5重量%の場合に、(MIT+DEG)合計含有量58重量%では×(不均一)(試料No.22)、MIT7.5重量%の場合に、(MIT+DEG)合計含有量57.5重量%では×(不均一)(試料No.23)、MIT10重量%の場合に、(MIT+DEG)合計含有量57重量%では×(不均一)(試料No.24)である。
以上のことから、OITの含有量が2重量%の場合には、MIT/DEGの重量比率にかかわらず、(MIT+DEG)合計含有量59重量%付近が、均一溶解から不均一溶解への境界となっていることがわかる。そのため、表2に示す実験データ(試料No.9〜24)のうち、MIT/DEG/水において、OITを溶解できる(MIT+DEG)合計含有量の下限値、つまり、(MIT+DEG)合計含有量60重量%(試料No.18、19、20)が、OITの含有量が2重量%の場合において、OITを溶解できる(MIT+DEG)合計含有量の下限値となる。
Figure 2005320320
以下同様にして、OITの含有量が10重量%の場合には、表3からわかるように、MIT/DEGの重量比率にかかわらず、(MIT+DEG)合計含有量56重量%(試料No.28、30)が、OITの含有量が10重量%の場合において、OITを溶解できる(MIT+DEG)合計含有量の下限値となる。
Figure 2005320320
また、同様に、OITの含有量が20重量%の場合には、表4からわかるように、MIT/DEGの重量比率にかかわらず、(MIT+DEG)合計含有量51重量%(試料No.37、41)が、OITの含有量が20重量%の場合において、OITを溶解できる(MIT+DEG)合計含有量の下限値となる。
Figure 2005320320
また、同様に、OITの含有量が30重量%の場合には、表3からわかるように、MIT/DEGの重量比率にかかわらず、(MIT+DEG)合計含有量46重量%(試料No.49、51)が、OITの含有量が30重量%の場合において、OITを溶解できる(MIT+DEG)合計含有量の下限値となる。
Figure 2005320320
そして、図2に示すように、横軸にOIT含有量、縦軸に(MIT+DEG)合計含有量をとって、表2〜表5に示す各実験データ(試料No.9〜58)をプロット(図2中、均一に溶解した試料は、「○」で示し、不均一に溶解した試料は、「×」で示す。)し、各下限値を通過するように、一次関数曲線を描くことにより、一次関数(B)を得ることができる。
図2において、一次関数(B)より下方の領域は、MIT/DEG/水において、OITを均一に溶解できない(MIT+DEG)合計含有量の範囲を示している。このような下方の領域では、たとえ、DEG/水に、MITを配合しても、OITの溶解が不均一となり、均一な溶液として本発明の工業用殺菌組成物を調製することができない。
一方、図2において、一次関数(B)より上方の領域であって、かつ、三次関数(A)より下方の領域は、MIT/DEG/水において、OITを均一に溶解できる(MIT+DEG)合計含有量の範囲を示している。この領域では、DEG/水のみではOITを均一に溶解できないが、DEG/水に、MITを配合すれば、OITを均一に溶解させることができる。
つまり、三次関数(A)および一次関数(B)の間の領域は、DEG/水において、DEG/水のみでは、OITを均一に溶解できないが、DEG/水に、MITを配合することにより、OITを均一に溶解することができる、(MIT+DEG)合計含有量の上限および下限の領域を示している。
そのため、図1において、三次関数(A)および一次関数(B)の間の斜線で示す領域は、グリコール系溶剤および水のみでは、疎水性イソチアゾリン系化合物を均一に溶解できないが、グリコール系溶剤および水に、親水性イソチアゾリン系化合物を配合することにより、疎水性イソチアゾリン系化合物を均一に溶解することができる、親水性イソチアゾリン系化合物とグリコール系溶媒との含有合計量の上限および下限の領域を示している。この領域においては、グリコール系溶剤および水に、親水性イソチアゾリン系化合物を配合すれば、疎水性イソチアゾリン系化合物を溶解することができ、グリコール系溶剤の使用量を低減しつつ、疎水性イソチアゾリン系化合物を均一に溶解して、均一な溶液として、本発明の工業用殺菌組成物を得ることができる。
そして、このような領域において各成分が配合されている本発明の工業用殺菌組成物によれば、グリコール系溶剤の使用量を低減しつつ、疎水性イソチアゾリン系化合物を有効量配合しても、分離や濁りが生じることを防止することができる。しかも、グリコール系溶剤の使用量を低減する一方で、親水性イソチアゾリン系化合物が配合されるので、細菌、かび、酵母、藻などに対して、これら疎水性イソチアゾリン系化合物および親水性イソチアゾリン系化合物が有する優れた防除効果を相乗的に発現することができる。
そのため、本発明の工業用殺菌組成物は、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉粉、にかわ、塗工紙、紙用塗工液、サイズ剤、紙力増強剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、樹脂製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地剤などの各種工業製品における工業用殺菌剤として好適に用いられる。
なお、本発明の工業用殺菌組成物は、上記したように、均一な溶液として得ることができ、これをそのまま液剤として使用することができるが、目的および用途に応じて、適宜、液剤以外の剤型に製剤化することもできる。例えば、均一な溶液を適宜の担体に含浸させて、粒剤や粉剤として製剤化することもできる。
さらに、本発明の工業用殺菌組成物は、その目的および用途によって、例えば、他の防腐防カビ剤、防藻剤、酸化防止剤、光安定剤などの公知の添加剤を、本発明の工業用殺菌組成物の優れた効果を阻害しない範囲において、適宜添加することもできる。
なお、本発明の工業用殺菌組成物は、その適用対象に応じて添加量を適宜決定すればよいが、例えば、5〜1000mg(有効成分)/kg(製品)、好ましくは、10〜500mg(有効成分)/kg(製品)の濃度として用いられる。
また、表1〜5に示す各試料No.1〜58は、各表に示す配合割合(重量%)において、OITと、MITと、DEGと、水とを配合して、室温で攪拌混合することにより、調製したものであって、得られた溶液について、目視によって外観を観察し、その評価を以下のように判定したものである。
○:均一透明な溶液
×:不均一で、懸濁または層分離した溶液
疎水性イソチアゾリン系化合物含有量と(親水性イソチアゾリン系化合物+グリコール系溶剤)との関係を示す相関図である。 OIT含有量と(MIT+DEG)合計含有量との関係を示す相関図である。

Claims (3)

  1. 一般式(1)で表される疎水性イソチアゾリン系化合物、一般式(2)で表される親水性イソチアゾリン系化合物、グリコール系溶剤および水から調製される工業用殺菌組成物であって、
    一般式(1):
    Figure 2005320320
    (式中、R1は、炭素数6〜12の炭化水素基を示す。)
    一般式(2):
    Figure 2005320320
    (式中、R2は、炭素数1〜3の炭化水素基を示す。)
    前記疎水性イソチアゾリン系化合物が、前記工業用殺菌組成物中に、2〜30重量%含まれており、
    前記親水性イソチアゾリン系化合物が、前記工業用殺菌組成物中に、前記疎水性イソチアゾリン系化合物が10重量%未満である場合には、2〜35重量%含まれており、前記疎水性イソチアゾリン系化合物が10重量%以上である場合には、2〜20重量%含まれており、
    かつ、前記疎水性イソチアゾリン系化合物の含有量(x)に対する前記親水性イソチアゾリン系化合物と前記グリコール系溶媒との含有合計量(y)が、下記の三次関数(A)および一次関数(B)の間の領域にあることを特徴とする、工業用殺菌組成物。
    三次関数(A):y=−0.0004x3+0.03x2−1.3083x+72.5
    一次関数(B):y=−0.5x+61
  2. 前記疎水性イソチアゾリン系化合物が、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンであることを特徴とする、請求項1に記載の工業用殺菌組成物。
  3. 前記親水性イソチアゾリン系化合物が、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンであることを特徴とする、請求項1または2に記載の工業用殺菌組成物。
JP2005027931A 2004-04-06 2005-02-03 工業用殺菌組成物 Active JP4514136B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005027931A JP4514136B2 (ja) 2004-04-06 2005-02-03 工業用殺菌組成物

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004112336 2004-04-06
JP2005027931A JP4514136B2 (ja) 2004-04-06 2005-02-03 工業用殺菌組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005320320A true JP2005320320A (ja) 2005-11-17
JP4514136B2 JP4514136B2 (ja) 2010-07-28

Family

ID=35467841

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005027931A Active JP4514136B2 (ja) 2004-04-06 2005-02-03 工業用殺菌組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4514136B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008037828A (ja) * 2006-08-09 2008-02-21 Nippon Soda Co Ltd エマルジョン製剤組成物及び水溶性殺菌剤の安定化方法
JP2010024206A (ja) * 2008-07-23 2010-02-04 Japan Enviro Chemicals Ltd 工業用防腐防かび剤

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0881311A (ja) * 1994-04-07 1996-03-26 Rohm & Haas Co ハロゲン非含有殺生物剤

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0881311A (ja) * 1994-04-07 1996-03-26 Rohm & Haas Co ハロゲン非含有殺生物剤

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008037828A (ja) * 2006-08-09 2008-02-21 Nippon Soda Co Ltd エマルジョン製剤組成物及び水溶性殺菌剤の安定化方法
JP2010024206A (ja) * 2008-07-23 2010-02-04 Japan Enviro Chemicals Ltd 工業用防腐防かび剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP4514136B2 (ja) 2010-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4514136B2 (ja) 工業用殺菌組成物
JPH0327369A (ja) 安定化されたイソチアゾロン組成物
JPS5812243B2 (ja) 安定な防菌防藻液剤
JP3524937B2 (ja) 工業用殺菌剤
JP3587839B2 (ja) ビス四級アンモニウム塩化合物の安定化方法
JP2005068054A (ja) 工業用殺菌組成物
JPH0647524B2 (ja) 工業用防菌剤
JP4226826B2 (ja) 工業用殺菌組成物
JP4318543B2 (ja) 工業用殺菌組成物
JP2001192308A (ja) 工業用殺菌・防腐剤及びその殺菌・防腐方法
WO2005023003A1 (en) Antimicrobial mixtures comprising iodopropynyl compounds and dimethyldithiocarbamate derivatives
JP3502628B1 (ja) 工業用殺菌組成物
JP3449696B2 (ja) 紙塗工液
JP2005089348A (ja) 新規な殺微生物組成物
JP5834320B1 (ja) 防かび組成物およびコーティング剤
JPH0694403B2 (ja) 非医療用防菌防藻剤
JP3194687B2 (ja) 工業用殺菌剤
JP5099826B2 (ja) 工業用抗菌組成物
JPH08301708A (ja) 工業用殺菌剤組成物
JPH092907A (ja) 有害微生物撲滅剤
JP2908976B2 (ja) 工業用防菌剤
JP6824187B2 (ja) 防かび組成物およびコーティング剤
JP6938242B2 (ja) 工業用保存剤
JP4145377B2 (ja) 有害微生物撲滅剤
JPH0559881B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100409

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100506

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4514136

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160521

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250