JP3719738B2 - 有害微生物撲滅剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規な有害微生物撲滅剤、さらに詳しくは、広範囲の抗菌スペクトルを有し、かつ優れた防菌、防カビ効果を発揮するとともに、各種微生物の繁殖抑制効果に優れ、しかも安定性が高く、紙パルプ工業分野における用水系をはじめ、種々の産業分野において好適に使用される有害微生物撲滅剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙パルプ工業分野における用水系、例えば抄紙工程の白水や各種産業分野における循環冷却水などの種々の用水系の他、工業用水を使用して調製される水性塗料、紙用塗工液、ラテックス、高分子エマルション、捺染糊、接着剤、切削油などの金属加工油剤、皮革、木材などの分野においては、有害な微生物が増繁殖しやすく、これが生産性や品質の低下の原因となっている。特に紙パルプ工業分野における用水系では、細菌、糸状菌、酵母類の増繁殖によりスライムが発生し、パルプスラリーが流れる水路、とりわけスラリーが接する壁面の粗い場所やチェスト、フローボックス、輸送パイプ、その他パイプスラリーの流速が低下して淀みを生じる場所においてはスライムの付着形成が認められるようになる。
【0003】
そして、このスライムは、しばしば脱離し、紙切れや紙パルプ製品の汚染の原因となるほか、微生物の繁殖による種々の障害をもたらす。
【0004】
このような障害の発生は、特に高速マシンを使用する場合には重大な欠点となり、著しい生産性低下、経済的損失を招来する。
【0005】
また、金属加工油剤などの冷却用循環用水系における微生物の増繁殖は、冷却性能や乳化性を阻害したり、また悪臭を発生させ作業環境を悪化させるなど公衆衛生上好ましくない現象を引き起こす。
【0006】
その他、有害微生物の増繁殖による障害は、水性塗料、紙用塗工液、高分子ラテックス、製紙用パルプ、糊、皮革、金属加工油剤などの工業製品にも見られる。
【0007】
ところで、前記用水系や前記工業用製品における有害微生物の発生を抑制あるいは防除する薬剤としては、これまで有機金属化合物類、有機硫黄化合物類、第四級アンモニウム塩化合物などが使用されてきたが、これらの化合物類は人体に対して有毒である上に、悪臭や異臭の原因となり、さらには発泡などの好ましくない現象を生じる。しかも、これらの防除剤含有水系は、これを一般河川や海などに投流した場合には、魚介類に対し悪影響を与え環境保全上問題を生じる。
【0008】
このような欠点を回避しうるために、ハロゲノ酢酸エステルを有効成分として含有する非農業用防黴防腐剤(特公昭52−12247号公報)、3,3,4,4‐テトラクロロテトラヒドロチオフェン‐1,1‐ジオキシドから成る殺菌剤(米国特許第2957887号明細書)などが提案されているが、これらは有効微生物が限られ、広範囲の抗菌スペクトルが得られないため、適用範囲が制限されるのを免れず、有害微生物撲滅剤として必ずしも満足しうるものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、広範囲の抗菌スペクトルを有し、多くの微生物に対し優れた防菌、防カビ効果を示して各種微生物の繁殖を効果的に抑制でき、しかも安定性が高い有害微生物撲滅剤を提供することを目的としてなされたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、広い適用範囲をもつ有害微生物撲滅剤を開発すべく種々研究を重ねた結果、従来の工業用殺菌剤として用いられていたハロゲノ酢酸エステルと3,3,4,4‐テトラクロロテトラヒドロチオフェン‐1,1‐ジオキシド、あるいはさらにイソチアゾロン系化合物や特定のハロゲン含有有機化合物とを組み合わせることにより、その目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、(A)一般式
【化4】
Figure 0003719738
(式中のX 1 及びX 2 はそれぞれハロゲン原子であり、それらはたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよく、Lはアルキレン基である)
で表わされるハロゲノ酢酸エステルと、(B)3,3,4,4‐テトラクロロテトラヒドロチオフェン‐1,1‐ジオキシド及び場合により(C)(イ)イソチアゾロン系化合物及び(ロ)一般式
【化5】
Figure 0003719738
(式中の 3 はハロゲン原子、Yはニトロ基又はシアノ基、R1及びR2はそれぞれハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノカルボニル基又は置換若しくは無置換のアルキル基であり、それらはたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよい)
で表わされる化合物の中から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする有害微生物撲滅剤を提供するものである。
【0012】
本発明有害微生物撲滅剤における(A)成分のハロゲノ酢酸エステルとしては、一般式
【化6】
Figure 0003719738
(式中の 1 、X 2 及びLは前記と同じ意味をもつ
で表わされる構造を有するものが用いられる。
【0013】
前記一般式(I)における 1 及び 2 のハロゲン原子としてはCl、Brなどが挙げられる。この 1 及び 2 はたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、Lアルキレン基としては、例えばエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などが挙げられる。この(A)成分として、特に 1 及び 2 が共にBrで、Lが−CH 2 −CH 2 であるビスブロモアセトキシエタンがバクテリア及びカビに対する殺菌性に優れるので好ましい。その他、(A)成分としては、例えば1,2‐ビスブロモアセトキシプロパン、1,2‐ビスクロロアセトキシエタンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
本発明有害微生物撲滅剤において、(B)成分として用いられる3,3,4,4‐テトラクロロテトラヒドロチオフェン‐1,1‐ジオキシドは、式
【化7】
Figure 0003719738
で表わされるものである。
【0015】
本発明有害微生物撲滅剤においては、前記(A)成分と(B)成分との配合割合は、重量基準で1:100ないし100:1の範囲が好ましい。両成分の配合割合がこの範囲にあれば、バクテリア及びカビの両方に対して優れた相乗効果を発揮する。(A)成分の割合が前記範囲より少ない場合、すなわち(B)成分の割合が前記範囲より多い場合は、バクテリアに対する効力が十分に発揮されないし、(A)成分の割合が前記範囲より多い場合、すなわち(B)成分の割合が前記範囲より少ない場合は、カビに対する効力が低下する。優れた相乗効果を発揮し、バクテリア及びカビの両方に対して高い効力を示す点から、特に好ましい(A)成分と(B)成分との配合割合は1:50ないし50:1の範囲である。
【0016】
本発明有害微生物撲滅剤においては、前記(A)成分及び(B)成分と共に、所望に応じ、(C)成分として、(イ)イソチアゾロン系化合物や(ロ)一般式
【化8】
Figure 0003719738
(式中の 3 、Y、R1及びR2は前記と同じ意味をもつ)
で表わされる化合物を含有させることができる。
【0017】
前記(イ)成分のイソチアゾロン系化合物としては、通常一般式
【化9】
Figure 0003719738
(式中のR3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアラルキル基、R4及びR5はそれぞれ水素原子又はハロゲン原子であって、それらはたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよく、あるいはたがいに結合してベンゼン縮合環を形成していてもよい)
で表わされる構造を有するものが用いられる。
【0018】
前記一般式(III)において、R3で示される基のうち、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、イソブチル基、sec‐ブチル基、tert‐ブチル基、オクチル基などが、アルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基などが、アルキニル基としては、例えばエチニル(アセチレニル)基、プロピニル基、プロパルギル基などが、アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。また、R4及びR5で示される基のうち、ハロゲン原子としては、例えばF、Cl、Brなどが挙げられる。
【0019】
このような化合物としては、例えば5‐クロロ‐2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン、2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン、2‐オクチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン、4,5‐ジクロロ‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン、1,2‐ベンゾイソチアゾリン‐3‐オンなどが挙げられ、中でも特に5‐クロロ‐2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン高い殺菌性を示すので好ましい。これらのイソチアゾロン系化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オンとの混合物が殺バクテリア性及び殺カビ性に優れるので好ましい。
【0020】
また、本発明有害微生物撲滅剤に用いられるイソチアゾロン系化合物は安定性を向上させるために硝酸銅、硝酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、臭素酸カリウムなどの金属塩でコンプレックスを形成させてもよい。例えば5‐クロロ‐2‐メチル‐3‐イソチアゾロンマグネシウムナイトレート、2‐メチル‐3‐イソチアゾロンマグネシウムナイトレート、2‐オクチル‐4‐クロロ‐3‐イソチアゾロンカルシウムクロリドなどが挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも5‐クロロ‐2‐メチル‐3‐イソチアゾロンマグネシウムナイトレート、2‐メチル‐3‐イソチアゾロンマグネシウムナイトレートの組み合わせは、貯蔵時の安定性及び紙パルプ工業の抄造系におけるバクテリアに対し優れた殺菌効果があるので好ましい。
【0021】
一方、前記(ロ)成分の一般式(II)で表わされる化合物において、 3 はCl、Brなどのハロゲン原子、Yはニトロ基又はシアノ基である。またR1及びR2はそれぞれCl、Brなどのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノカルボニル基又は置換若しくは無置換のアルキル基である。ここで、置換アルキル基としては、例えばヒドロキシアルキル基、アシルオキシアルキル基、ブロモアルキル基、シアノアルキル基などが挙げられる。このR1及びR2はたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0022】
このような一般式(II)で表わされる化合物としては、例えば2,2‐ジブロモ‐2‐ニトロエタノール、1,2‐ジブロモ‐1‐ニトロプロパノール、2,2‐ジブロモ‐3‐ニトリロプロピオンアミド、2‐ブロモ‐2‐ニトロプロパン‐1,3‐ジオール、1,1‐ジブロモ‐1‐ニトロ‐2‐アセトキシエタン、1,1‐ジブロモ‐1‐ニトロ‐2‐アセトキシプロパン、2‐ブロモ‐2‐ニトロ‐1,3‐ジアセトキシプロパン、1,2‐ジブロモ‐2,4‐ジシアノブタン、2‐ブロモ‐2‐ニトロ‐1,3‐ジアセトキシプロパンなどが挙げられる。これらの(ロ)成分化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
本発明有害微生物撲滅剤においては、(C)成分として、前記(イ)成分のイソチアゾロン系化合物を1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよく、また、(ロ)成分の一般式(II)で表わされる化合物を1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。さらには、(イ)成分1種以上と(ロ)成分1種以上とを組み合わせて用いてもよい。
【0024】
本発明有害微生物撲滅剤においては、この所望に応じて用いられる(C)成分の含有量は、前記(A)成分と(B)成分との合計量に対し、1〜100重量%の範囲が好ましい。(C)成分の含有量が前記範囲内であれば優れた相乗効果が得られる。この含有量が前記範囲を逸脱するとバクテリア及びカビに対する効力の向上効果が十分に発揮されない。優れた相乗効果を発揮し、バクテリア及びカビの両方に対して高い効力を示す点から、(C)成分の特に好ましい含有量は、(A)成分と(B)成分との合計量に対して1〜50重量%の範囲である。
【0025】
本発明有害微生物撲滅剤の好ましいものは、(A)成分として、1,2‐ビスブロモアセトキシエタン及び1,2‐ビスブロモアセトキシプロパンの中から選ばれた少なくとも1種を、(B)成分として、3,3,4,4‐テトラクロロテトラヒドロチオフェン‐1,1‐ジオキシドを、(C)成分として、2,2‐ジブロモ‐2‐ニトロエタノール、2,2‐ジブロモ‐3‐ニトリロプロピオンアミド、2‐ブロモ‐2‐ニトロプロパン‐1,3‐ジオール、1,1‐ジブロモ‐1‐ニトロ‐2‐アセトキシエタン及び2‐ブロモ‐2‐ニトロ‐1,3‐ジアセトキシプロパンの中から選ばれた少なくとも1種を含有するものであり、特に好ましいものは、(A)成分として、1,2‐ビスブロモアセトキシエタンを、(B)成分として、3,3,4,4‐テトラクロロテトラヒドロチオフェン‐1,1‐ジオキシドを、(C)成分として、2,2‐ジブロモ‐3‐ニトリロプロピオンアミドを含有するものである。
【0026】
本発明有害微生物撲滅剤は、基本的には前記の(A)成分、(B)成分及び必要に応じて用いられる(C)成分を均一に混合することにより調製されるが、一般的には溶剤溶液として使用に供される。
【0027】
ここで使用することのできる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤などが挙げられ、中でもアルキレングリコール、ジアルキレングリコール、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルなどのグリコール系溶剤が好ましく、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及びジプロピレングリコールが好ましい。また、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ‐ブチロラクトン、N‐メチルピロリドン、テトラヒドロフルフリルアルコールなどを使用してもよい。これらの溶剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
本発明有害微生物撲滅剤の使用態様については特に制限はなく、種々の方法を採用することができ、例えば任意の担体に担持して使用してもよい。
【0029】
本発明有害微生物撲滅剤の使用に際しての添加量は、微生物濃度により異なるが、(A)成分と(B)成分の2成分系の防菌剤では、一般的に紙パルプ工業などの分野における用水系の場合、両成分の合計量に基づき1〜50ppm程度、水性塗料、糊、皮革などの分野の場合、20〜400ppm程度である。また、(A)成分と(B)成分と(C)成分の3成分系の防菌剤では、3成分の合計量に基づき、紙パルプ工業分野における用水系の場合、1〜30ppm程度、水性塗料、糊、皮革などの分野の場合、15〜300ppm程度であり、この範囲で良好な防菌効果が得られる。
【0030】
本発明有害微生物撲滅剤には、この発明の目的を阻害しない範囲で、所望に応じ安定剤、界面活性剤などを添加することができる。界面活性剤は溶解度を高める効果がある。
【0031】
【発明の効果】
本発明の有害微生物撲滅剤は、抗菌力を有する特定の薬剤2種又は3種を組み合わせることにより、それぞれの個々の成分からは予想することのできない特有の相乗効果が発揮され、殺菌しうる微生物の範囲が大幅に拡大されて極めて広範囲の抗菌スペクトルを有するとともに、優れた防菌、防カビ効果を発揮し、かつ各種微生物の繁殖を効果的に抑制することができ、しかも安定性が高い。
【0032】
本発明の有害微生物撲滅剤は、特に紙パルプ工業における用水系、例えば抄紙工程の白水や各種産業分野における循環冷却水などの種々の用水系の他、水性塗料、紙用塗工液、ラテックス、高分子エマルション、捺染糊、切削油などの金属加工油剤、接着剤、皮革、木材などの分野に好適に用いられる。
【0033】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0034】
実施例1〜5、比較例1、2
表1に示す配合組成の有害微生物撲滅剤を調製し、その性能について、以下に示す試験を行った。
【0035】
(1)抄紙工程の白水中における菌増殖防止試験及びスライム発生防止試験
製紙工場の抄紙工程において各有害微生物撲滅剤を白水ピットに1日のうちに2時間、3回にわたり溶剤を除く薬剤の水中濃度が20ppmになるように7日間添加して、白水中の微生物の菌数を測定した。
試験方法は白水試料を滅菌水で希釈し、この一定量をシャーレにとり、溶解したワックスマン寒天培地に注入して、混和し、平板状に固化させた。恒温器内(32℃)で2日間培養後発生する微生物コロニーをコロニー計数器にて測定した。また、抄造時の紙切れ回数も測定し、スライム発生防止効果を確認した。その結果を表2に示す。
【0036】
(2)製紙用塗工液における菌増殖防止試験
製紙用デンプン系塗工液にブイヨン液体培地及び予め腐敗させた塗工液を加えて撹拌し、溶剤を除く薬剤濃度が300ppmになるように各有害微生物撲滅剤を添加した。これを32℃の恒温器に5日間保存したのち、各塗工液中の生菌数を測定した。その結果を表2に示す。
【0037】
(3)ラテックスにおける菌増殖防止試験
ラテックスにブイヨン液体培地及びあらかじめ腐敗させたラテックスを加えて撹拌し、溶剤をのぞく薬剤濃度が300ppmになるように各有害微生物撲滅剤を添加した。これを32℃の恒温器に5日間保存したのち、ラテックス中の生菌数を測定した。その結果を表2に示す。
【0038】
(4)切削油における菌増殖防止試験
切削油にブイヨン液体培地及びあらかじめ腐敗させた切削油を加えて撹拌し、溶剤をのぞく薬剤濃度が300ppmになるように各有害微生物撲滅剤を添加した。これを32℃の恒温器に5日間保存したのち、切削油中の生菌数を測定した。その結果を表2に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003719738
【0040】
(A):1,2‐ビスブロモアセトキシエタン
(B):3,3,4,4‐テトラクロロテトラヒドロチオフェン‐1,1‐ジオキシド
(C)−1:2,2‐ジブロモ‐3‐ニトリロプロピオンアミド
(C)−2:ケーソンLX PLUS(ロームアンドハース社製、商品名)、5‐クロロ‐2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オンを主成分とし、その他2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オンを含有する水溶性殺菌剤
(C)−3:2,2‐ジブロモ‐2‐ニトロエタノール
溶剤:エチレングリコール
【0041】
【表2】
Figure 0003719738
【0042】
(注)紙切れ回数:分速1000mの条件における7日間の紙切れ回数を示す。
これらの結果から、本発明の有害微生物撲滅剤は防菌及び防止カビ性に優れ、また抄紙工程における白水中に添加した場合、紙切れ回数が少なくなり、作業効率の向上をもたらす。

Claims (4)

  1. (A)一般式
    Figure 0003719738
    (式中のX 1 及びX 2 はそれぞれハロゲン原子であり、それらはたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよく、Lはアルキレン基である)
    で表わされるハロゲノ酢酸エステルと、(B)3,3,4,4‐テトラクロロテトラヒドロチオフェン‐1,1‐ジオキシドとを含有することを特徴とする有害微生物撲滅剤。
  2. (A)一般式
    Figure 0003719738
    (式中のX 1 及びX 2 はそれぞれハロゲン原子であり、それらはたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよく、Lはアルキレン基である)
    で表わされるハロゲノ酢酸エステルと、(B)3,3,4,4‐テトラクロロテトラヒドロチオフェン‐1,1‐ジオキシドと、(C)(イ)イソチアゾロン系化合物及び(ロ)一般式
    Figure 0003719738
    (式中の 3 はハロゲン原子、Yはニトロ基又はシアノ基、R1及びR2はそれぞれハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノカルボニル基又は置換若しくは無置換のアルキル基であり、それらはたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよい)
    で表わされる化合物の中から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする有害微生物撲滅剤。
  3. (A)成分と(B)成分との配合割合が重量基準で100:1ないし1:100である請求項1又は2記載の有害微生物撲滅剤。
  4. (C)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分との合計量に対し、1〜100重量%である請求項2又は3記載の有害微生物撲滅剤。
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