JPH11269010A - 有害微生物撲滅剤 - Google Patents

有害微生物撲滅剤

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JPH11269010A
JPH11269010A JP7603098A JP7603098A JPH11269010A JP H11269010 A JPH11269010 A JP H11269010A JP 7603098 A JP7603098 A JP 7603098A JP 7603098 A JP7603098 A JP 7603098A JP H11269010 A JPH11269010 A JP H11269010A
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Ryoji Funatsu
亮二 船津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広範囲の抗菌スペクトルを有し、多くの微生
物に対して良好な繁殖抑制効果を示し、かつ安定性が良
好である上、製剤化が容易な有害微生物撲滅剤を提供す
る。 【解決手段】 (A)2‐(p‐ヒドロキシフェニル)
グリオキシヒドロキシモイルクロリドと、(B)ハロシ
アノアセトアミド、脂肪族ニトロアルコール系化合物、
4,5‐ジクロロ‐1,2‐ジチオール‐3‐オンなど
の特定の抗カビ剤と、(C)イソチアゾロン系化合物、
テトラハロゲノテトラヒドロチオフェン‐1,1‐ジオ
キシド、アルキレンビスチオシアネートなどの特定の抗
菌剤とを組み合わせて、有害微生物撲滅剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な有害微生物撲
滅剤、さらに詳しくは、広範囲の抗菌スペクトルを有
し、各種有害微生物に対し、良好な繁殖抑制効果を示
し、かつ、安定性がよく、製剤化が容易で、紙パルプ工
業分野における用水系をはじめ、種々の産業分野におい
て好適に使用しうる有害微生物撲滅剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、紙パルプ工業分野における用水
系、例えば抄紙工程の白水や各種産業分野における循環
冷却水などや水性塗料、紙用塗工液、ラテックス、高分
子エマルション、捺染糊、接着剤、切削油などの金属加
工油剤、皮革、木材などの分野で用いられる工業用水で
は、有害な微生物が増繁殖しやすく、これが生産性や品
質の低下の原因となっている。特に紙パルプ工業分野に
おける用水系では、細菌、糸状菌、酵母類の増繁殖によ
るスライムが発生し、パルプスラリーが流れる水路、と
りわけスラリーが接する壁面の粗い場所やチェスト、フ
ローボックス、輸送パイプ、その他パルプスラリーの流
速が低下して淀みが生じる場所においては、スライムの
付着形成が認められるようになる。そして、このスライ
ムは、しばしば脱離し、紙切れや紙パルプ製品の汚染の
原因となるほか、微生物の繁殖による種々の障害をもた
らす。このような障害の発生は、特に高速マシンを使用
する際には大きな障害となり、著しい生産性低下、経済
的損失を招来する。
【0003】また、例えば金属加工油剤などの冷却用循
環用水系における微生物の増繁殖は、冷却性能や乳化性
を阻害したり、また悪臭を発生し作業環境を悪化させる
など公衆衛生上好ましくない現象を引き起こす。さら
に、その他、有害微生物の増繁殖による障害は、水性塗
料、紙用塗工液、高分子ラテックス、製紙用パルプ、
糊、皮革、木材、金属加工油剤などの工業製品にも見ら
れる。
【0004】これまで、これらの用水系や工業用製品に
おける有害微生物の発生を抑制あるいは防除する薬剤と
しては、有機金属化合物類、第四級アンモニウム塩化合
物などが使用されてきたが、これらの化合物類は人体に
対して毒性を有する上に、悪臭や異臭を発生したり、発
泡のような取り扱い上好ましくない現象を伴う。しか
も、これらの防除剤含有水系は、これを一般河川や海な
どに投流した場合には、魚介類に対し悪影響を与え環境
保全上にも問題がある。
【0005】このような問題を回避するために、例え
ば、ジクロログリオキシムと、2‐(4‐ヒドロキシフ
ェニル)‐2‐オキソアセトヒドロキシモイルクロリド
及びα‐クロロベンズアルドキシムアセテートの中から
選ばれた少なくとも1種の化合物とを有効成分とする工
業用殺菌、防腐組成物(特許第2542324号)や、
α‐クロロベンズアルドキシムを有効成分とする工業用
殺菌剤(特許第2669738号)が提案されている。
しかしながら、前記のジクロログリオキシムは、加水分
解を受けやすいため、OH基を有するグリコール系の溶
媒で製剤化すると保存安定性が低下するし、α‐クロロ
ベンズアルドキシムは還元剤が存在する系中の微生物に
対しては抗菌性を示すが、還元剤が存在しない系の微生
物に対しては抗菌性が低く、抗菌スペクトルが狭くなる
という欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、広範囲の抗菌スペクトルを有し、多くの
微生物に対して良好な繁殖抑制効果を示し、しかも製剤
化が容易な有害微生物撲滅剤を提供することを目的とし
てなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、広範囲の
抗菌スペクトルを有する有害微生物撲滅剤を開発すべく
種々研究を重ねた結果、従来工業用殺菌剤における所望
成分として用いられていた2‐(p‐ヒドロキシフェニ
ル)グリオキシヒドロキシモイルクロリドを必須成分と
し、特定の抗カビ剤及び抗菌剤とを組み合わせたもの
が、その相乗効果によって、これまでの工業用殺菌剤よ
りも広範囲の有害微生物に対し有効に作用して、その増
繁殖を抑制するとともに、容易に製剤化しうることを見
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、(A)2‐(p‐ヒ
ドロキシフェニル)グリオキシヒドロキシモイルクロリ
ドと、(B)ハロシアノアセトアミド、脂肪族ニトロア
ルコール系化合物、ヘキサブロモジメチルスルホン、ジ
ハロゲン化グリオキシム、グルタルアルデヒド及び4,
5‐ジクロロ‐1,2‐ジチオール‐3‐オンの中から
選ばれた少なくとも1種の抗カビ剤と、(C)イソチア
ゾロン系化合物、テトラハロゲノテトラヒドロチオフェ
ン‐1,1‐ジオキシド、アルキレンビスチオシアネー
ト及びハロ酢酸エステルの中から選ばれた少なくとも1
種の抗菌剤とを含有することを特徴とする有害微生物撲
滅剤を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の有害微生物撲滅剤におい
ては、(A)成分として、式
【化1】 で表わされる2‐(p‐ヒドロキシフェニル)グリオキ
シヒドロキシモイルクロリドが用いられる。一方、
(B)成分の抗カビ剤としては、ハロシアノアセトアミ
ド、脂肪族ニトロアルコール系化合物、ヘキサブロモジ
メチルスルホン、ジハロゲン化グリオキシム、グルタル
アルデヒド及び4,5‐ジクロロ‐1,2‐ジチオール
‐3‐オンの中から選ばれたものが用いられる。
【0010】上記ハロシアノアセトアミドとしては、例
えば一般式
【化2】 (式中のR1は水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキ
ル基、R2は水素原子又は低級アルキル基、X1はハロゲ
ン原子である)で表わされる化合物が用いられる。
【0011】前記一般式(II)において、R1のうち
ハロゲン原子としては、例えば塩素原子や臭素原子など
が挙げられ、低級アルキル基としては、例えばメチル基
やエチル基などが挙げられる。またR2のうち低級アル
キル基としては、例えばメチル基やエチル基などが挙げ
られる。一方、X1のハロゲン原子としては、例えば塩
素原子や臭素原子などが挙げられる。この一般式(I
I)としては、R1及びX1が共に臭素原子であり、かつ
2が水素原子である2,2‐ジブロモ‐3‐ニトリロ
プロピオンアミドを始め、2‐クロロ‐3‐ニトリロプ
ロピオンアミド、2‐ブロモ‐3‐ニトリロプロピオン
アミド、2,2‐ジクロロ‐3‐ニトリロプロピオンア
ミド、N‐メチル‐2,2‐ジブロモ‐3‐ニトリロプ
ロピオンアミドなどが用いられるが、これらの中で、殺
バクテリア性に優れる2,2‐ジブロモ‐3‐ニトリロ
プロピオンアミドが好適である。
【0012】前記脂肪族ニトロアルコール系化合物とし
ては、例えば一般式
【化3】 (式中のR3は水素原子又は低級アルキル基、R4及びR
5は、それぞれハロゲン原子又はヒドロキシアルキル基
であり、それらはたがいに同一であってもよいし、異な
っていてもよい)で表わされる化合物が用いられる。
【0013】前記一般式(III)で表わされる脂肪族
ニトロアルコール系化合物の中では、特にR3が水素原
子又はメチル基、R4及びR5の少なくとも1つが臭素原
子で、残りが水素原子又は炭素数1〜4のヒドロキシア
ルキル基であるブロモニトロ系化合物が好ましい。この
ようなブロモニトロ系化合物としては、例えば、2,2
‐ジブロモ‐2‐ニトロエタノール、2,2‐ジブロモ
‐2‐メチルエタノール、2‐ブロモ‐2‐ニトロ‐
1,3‐プロパンジオール、1,1‐ジブロモ‐1‐ニ
トロ‐2‐プロパノール、3‐ブロモ‐3‐ニトロ‐
2,4‐ペンタンジオール、2‐ブロモ‐2‐ニトロ‐
1,3‐ブタンジオールなどを挙げることができる。こ
れらの中で2,2‐ジブロモ‐2‐ニトロエタノール、
2‐ブロモ‐2‐ニトロ‐1,3‐プロパンジオール及
び3‐ブロモ‐3‐ニトロ‐2,4‐ペンタンジオール
が好ましく、特に2,2‐ジブロモ‐2‐ニトロエタノ
ール及び2‐ブロモ‐2‐ニトロ‐1,3‐プロパンジ
オールは殺バクテリア性及び防菌性が優れているので好
ましい。
【0014】この脂肪族ニトロアルコール系化合物にお
いては、前記一般式(III)で表わされる化合物以外
に、類似化合物として、例えば、1,1‐ジブロモ‐1
‐ニトロ‐2‐アセトキシエタン、1,1‐ジブロモ‐
1‐ニトロ‐2‐アセトキシプロパン、2‐ブロモ‐2
‐ニトロ‐1,3‐ジアセトキシプロパン、トリブロモ
ニトロメタン、5‐ブロモ‐2‐メチル‐5‐ニトロ‐
1,3‐ジオキサンなども用いることができる。
【0015】前記ヘキサブロモジメチルスルホンは、式
【化4】 で表わされる化合物である。
【0016】前記ジハロゲン化グリオキシムとしては、
例えば式
【化5】 で表わされるジクロログリオキシムが好ましく用いられ
る。
【0017】前記グルタルアルデヒドは、式
【化6】 で表わされる化合物である。
【0018】さらに、前記4,5‐ジクロロ‐1,2‐
ジチオール‐3‐オンは、式
【化7】 で表わされる化合物である。
【0019】本発明においては、(B)成分として、こ
れらの抗カビ剤を単独で用いてもよいし、2種以上組み
合わせて用いてもよい。本発明の有害微生物撲滅剤にお
いては、(C)成分の抗菌剤として、イソチアゾロン系
化合物、テトラハロゲノテトラヒドロチオフェン‐1,
1‐ジオキシド、アルキレンビスチオシアネート及びハ
ロ酢酸エステルの中から選ばれたものが用いられる。
【0020】前記イソチアゾロン系化合物としては、通
常一般式
【化8】 (式中のR6及びR7は水素原子又はハロゲン原子であ
り、それらはたがいに同一であってもよいし、異なって
いてもよく、R8は水素原子又は置換若しくは非置換の
一価炭化水素基である)で表わされるイソチアゾロン化
合物、及び一般式
【化9】 (式中のR9及びR10は、それぞれ水素原子又はハロゲ
ン原子であり、それらはたがいに同一であってもよい
し、異なっていてもよく、R11は水素原子又は置換若し
くは非置換の一価炭化水素基であり、Mは金属カチオン
又はアンモニウムイオン、X2は錯化合物を形成するア
ニオン、aは1又は2、bはアニオンX2がカチオンM
の原子価を満たす数である)で表わされるイソチアゾロ
ン錯化合物の中から選ばれた少なくとも1種が用いられ
る。
【0021】前記一般式(VIII)及び(IX)にお
いて、R6、R7、R9及びR10のうちのハロゲン原子と
しては、例えば塩素原子、臭素原子が好ましく、異なっ
ていてもよいが、特にR6が水素原子で、R7が塩素原
子、R9が水素原子でR10が塩素原子であるものが、防
菌効果が高いので好ましい。また、R8及びR11のうち
の非置換の炭化水素基としては、例えばメチル基、プロ
ピル基、ブチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基な
どの炭素数1〜18のアルキル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、シクロオクチル基などの炭素数5〜
18のシクロアルキル基などが挙げられる。置換炭化水
素基としては、上記炭化水素基に適当な置換基、例え
ば、塩素原子や臭素原子のようなハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基、ヒドロキシル基などが導入されたものを
挙げることができる。
【0022】さらに、一般式(IX)におけるMX2 b
例としては、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、硫酸亜
鉛、酢酸亜鉛、塩化銅、臭化銅、硝酸銅、塩化ニッケ
ル、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシ
ウム、塩化鉄、塩化マンガン、塩化ナトリウム、塩化バ
リウム、塩化アンモニウムなどが挙げられるが、これら
の中で硝酸マグネシウム及び塩化カルシウムが化合物の
安定性に優れるので好適である。
【0023】一般式(VIII)で表わされるイソチア
ゾロン化合物及び一般式(IX)で表わされるイソチア
ゾロン錯化合物としては、例えば、2‐メチル‐3‐イ
ソチアゾロン、2‐プロピル‐3‐イソチアゾロン、2
‐オクチル‐3‐イソチアゾロン、4‐クロロ‐2‐メ
チル‐3‐イソチアゾロン、5‐クロロ‐2‐メチル‐
3‐イソチアゾロン、4‐ブロモ‐2‐メチル‐3‐イ
ソチアゾロン、4,5‐ジクロロ‐2‐メチル‐3‐イ
ソチアゾロン、4,5‐ジブロモ‐2‐メチル‐3‐イ
ソチアゾロン、4,5‐ジクロロ‐2‐オクチル‐3‐
イソチアゾロン、4,5‐ジブロモ‐2‐オクチル‐3
‐イソチアゾロン及びその錯化合物を挙げることができ
るが、これらの中で、特に5‐クロロ‐2‐メチル‐3
‐イソチアゾロン及び5‐クロロ‐2‐メチル‐3‐イ
ソチアゾロンマグネシウムナイトレートが防菌性、殺菌
性に優れ、4,5‐ジクロロ‐2‐オクチル‐3‐イソ
チアゾロンが防カビ性に優れるので好ましい。また、2
‐メチル‐3‐イソチアゾロンは長期微生物抑制に優れ
るので、ラテックスなど長期間保存する用途に使用する
のが有利である。
【0024】本発明においては、このイソチアゾロン化
合物やイソチアゾロン錯化合物は単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を
組み合わせて用いる場合には、例えば、イソチアゾロン
化合物の場合、5‐クロロ‐2‐メチル‐3‐イソチア
ゾロンと2‐メチル‐3‐イソチアゾロンとの重量比1
5:1ないし1:1の混合物が、イソチアゾロン錯化合
物の場合、5‐クロロ‐2‐メチル‐3‐イソチアゾロ
ンマグネシウムナイトレートと2‐メチル‐3‐イソチ
アゾロンマグネシウムナイトレートとの重量比5:1な
いし1:1の混合物が、殺バクテリア性及び殺カビ性が
優れているので好ましい。
【0025】前記テトラハロゲノテトラヒドロチオフェ
ン‐1,1‐ジオキシドとしては、例えば式
【化10】 で表わされる3,3,4,4‐テトラクロロテトラヒド
ロチオフェン‐1,1‐ジオキシドが好ましく用いられ
る。
【0026】また、前記アルキレンビスチオシアネート
としては、例えば一般式 NCS−R12−SCN (XI) (式中のR12は炭素数1〜4のアルキレン基である)で
表わされる化合物が用いられる。上記一般式(XI)に
おけるR12で示される炭素数1〜4のアルキレン基とし
ては、例えばメチレン基やエチレン基などが好ましく挙
げられる。このアルキレンビスチオシアネートの好まし
い例としては、メチレンビスチオシアネート、エチレン
ビスチオシアネートを挙げることができる。
【0027】さらに、前記ハロ酢酸エステルとしては、
例えば1,2‐ビス‐(ブロモアセトキシ)‐エタン、
1,2‐(ビスブロモアセトキシ)‐2‐プロパン、
1,4‐(ビスブロモアセトキシ)‐ブテン、1,2,
3‐トリスブロモアセトキシプロパンなどが挙げられ、
中でも特に、1,4‐(ビスブロモアセトキシ)‐2‐
ブテンが殺バクテリア性及び殺カビ性に優れるという点
で好ましい。
【0028】本発明においては、(C)成分として、こ
れらの抗菌剤を単独で用いてもよいし、2種以上組み合
わせて用いてもよい。本発明の有害微生物撲滅剤におい
て、前記(B)成分である抗カビ剤と(C)成分である
抗菌剤との組合せとしては、例えば脂肪族ニトロアルコ
ール系化合物とイソチアゾロン系化合物との組合せ、ハ
ロシアノアセトアミドとイソチアゾロン系化合物との組
合せ、ハロシアノアセトアミドとアルキレンビスチオシ
アネートとの組合せなどがあり、これらは組み合わせる
ことにより、相乗効果を発揮する。
【0029】本発明の微生物撲滅剤においては、前記
(B)成分と(C)成分との配合割合は、重量比で1
0:1ないし1:10の範囲にあるのが好ましい。この
配合割合は、上記範囲を逸脱すると、(B)成分や
(C)成分の単独による効果に近くなり、相乗効果が十
分に発揮されない。相乗効果の面から、この(B)成分
と(C)成分とのより好ましい配合割合は5:1ないし
1:5の範囲である。
【0030】また、前記(A)成分に対する(B)成分
と(C)成分との合計量の割合は、重量比で1:40な
いし10:1の範囲にあるのが好ましい。(A)成分の
割合が上記範囲より少ないと有害微生物を殺菌する効果
が十分に発揮されないし、上記範囲より多いと有害微生
物の増殖抑制時間の向上効果が十分に発揮されないおそ
れがある。殺菌効果及び有害微生物の増殖抑制時間など
を考慮すると、(A)成分に対する(B)成分と(C)
成分との合計量のより好ましい割合は、1:10ないし
5:1の範囲である。
【0031】以上のように、本発明においては、(A)
成分、(B)成分及び(C)成分を組み合わせることに
より、はじめて広範囲の有害微生物に対して有効な撲滅
剤を得ることができ、この中のいずれかの成分を欠くと
きは、所望の目的を達成することができない。
【0032】本発明の有害微生物撲滅剤は、基本的には
前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を均一に混
合することにより調製されるが、一般的には溶剤溶液と
して使用に供される。ここで使用することのできる溶剤
としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル
系溶剤、炭化水素系溶剤などが挙げられ、中でもアルキ
レングリコール、ジアルキレングリコール、ジアルキレ
ングリコールモノアルキルエーテルなどのグリコール系
溶剤が好ましく、特にエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル、ジプロピレングリコール及びエチレング
リコールジアセテートが好ましい。また、プロピレンカ
ーボネート、エチレンカーボネート、γ‐ブチロラクト
ン、N‐メチルピロリドン、テトラヒドロフルフリルア
ルコールなどを使用してもよい。さらに、(C)成分と
して、4,5‐ジクロロ‐2‐オクチル‐3‐イソチア
ゾロンを使用する場合、このものを安定化する目的でフ
ェニルキシリルエタンなどの芳香族炭化水素溶剤を用い
ることもできる。これらの溶剤は単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】本発明の有害微生物撲滅剤の使用態様につ
いては特に制限はなく、種々の方法を採用することがで
き、例えば任意の担体に担持してもよい。本発明の有害
微生物撲滅剤の使用に際しての添加量は、微生物濃度に
より異なるが、一般的に紙パルプ工業などの分野におけ
る用水系の場合、(A)成分、(B)成分及び(C)成
分の合計量に基づき1〜50ppm程度、水性塗料、
糊、皮革などの分野の場合、20〜400ppm程度で
あり、この範囲で良好な防菌効果が得られる。
【0034】本発明の有害微生物撲滅剤には、本発明の
目的を阻害しない範囲で、所望に応じ安定剤、界面活性
剤などを添加することができる。界面活性剤としては、
カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオ
ン性界面活性剤、両性界面活性剤などが適用できる。特
にノニオン性界面活性剤が製剤の安定性の面で有利であ
る。
【0035】
【発明の効果】本発明の有害微生物撲滅剤は、抗菌力を
有する3成分以上を組み合わせることにより、それぞれ
個々の成分からは予想することのできない特有の相乗効
果が発揮され、殺菌しうる微生物の範囲が大幅に拡大さ
れて、極めて広範囲の抗菌スペクトルを有するととも
に、優れた防菌防カビ効果を発揮し、かつ各種微生物の
繁殖を効果的に抑制することができる。本発明の有害微
生物撲滅剤は、特に紙パルプ工業における用水系、例え
ば抄紙工程の白水や各種産業分野における循環冷却水な
どの種々の用水系のほか、水性塗料、紙用塗工液、ラテ
ックス、高分子エマルション、捺染糊、切削油などの金
属加工油剤、接着剤、皮革、木材などの分野に好適に用
いられる。
【0036】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、各例中で用いている成分記号
は次の化合物を意味する。
【0037】HGC:2‐(p‐ヒドロキシフェニル)
グリオキシヒドロキシモイルクロリド DBNPA:2,2‐ジブロモ‐3‐ニトリロプロピオ
ンアミド DBNE:2,2‐ジブロモ‐2‐ニトロエタノール ジチオール:4,5‐ジクロロ‐1,2‐ジチオール‐
3‐オン HBS:ヘキサブロモジメチルスルホン MBTC:メチレンビスチオシアネート TCTD:3,3,4,4‐テトラクロロテトラヒドロ
チオフェン‐1,1‐ジオキシド BBAB:1,4‐ビス‐(ブロモアセトキシ)‐2‐
ブテン ケーソンLXSF25:5‐クロロ‐2‐メチル‐3‐
イソチアゾロンと2‐メチル‐3‐イソチアゾロンとの
重量比5:1〜1:1の混合物(ローム・アンド・ハー
ス社製) DEG:ジエチレングリコール MDG:ジエチレングリコールモノメチルエーテル PC:プロピレンカーボネート EGDA:エチレングリコールジアセテート
【0038】実施例1〜10、比較例1〜11 A成分と、表1に示す各種B及びC成分とを表1に示す
重量部で混合し、これに表1に示す溶媒を加えて全量1
00重量部とすることにより有害微生物撲滅剤溶液を調
製した。この有害微生物撲滅剤溶液について、下記の方
法に従い、殺菌試験を行った。結果を表2に示す。
【0039】(1)殺菌試験 スライムトラブルの多発している謀製紙会社の白水を用
いて薬剤による殺菌試験を行った。実施例及び比較例の
各有害微生物撲滅剤溶液を白水中に表2に示す薬剤(有
効成分)濃度で添加し、15分間放置後、滅菌水にて希
釈する。この液の1mlを加熱溶解したワックスマン寒
天培地に混合、固化し32℃で培養を行った。48時間
後に微生物の繁殖程度をバクテリアとカビに分けて調
べ、以下に示す基準に従い評価した。また、この結果に
より微生物を殺菌する薬剤濃度を求めた。
【0040】(2)判定基準 バクテリアに対する効果; ++:100個以上のコロニーが見られるもの。 +:10個以上100個未満のコロニーが見られるも
の。 ±:1個以上10個未満のコロニーが見られるもの。 −:コロニーが見られないもの。
【0041】カビに対する効果; 2:10個以上100個未満のコロニーが見られるも
の。 1:1個以上10個未満のコロニーが見られるもの。 0:コロニーが見られないもの。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 43/10 A01N 43/10 G 47/48 47/48 //(A01N 31/08 37:18 33:20 41:10 31:04 43:80 43:10 47:48)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)2‐(p‐ヒドロキシフェニル)
    グリオキシヒドロキシモイルクロリドと、(B)ハロシ
    アノアセトアミド、脂肪族ニトロアルコール系化合物、
    ヘキサブロモジメチルスルホン、ジハロゲン化グリオキ
    シム、グルタルアルデヒド及び4,5‐ジクロロ‐1,
    2‐ジチオール‐3‐オンの中から選ばれた少なくとも
    1種の抗カビ剤と、(C)イソチアゾロン系化合物、テ
    トラハロゲノテトラヒドロチオフェン‐1,1‐ジオキ
    シド、アルキレンビスチオシアネート及びハロ酢酸エス
    テルの中から選ばれた少なくとも1種の抗菌剤とを含有
    することを特徴とする有害微生物撲滅剤。
  2. 【請求項2】 (A)成分に対する(B)成分と(C)
    成分との合計量の割合が、重量比で1:40ないし1
    0:1である請求項1記載の有害微生物撲滅剤。
  3. 【請求項3】 (B)成分と(C)成分との配合割合
    が、重量比で10:1ないし1:10である請求項1又
    は2記載の有害微生物撲滅剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004346002A (ja) * 2003-05-22 2004-12-09 Kureasutaa:Kk 持続性防腐剤
WO2007129395A1 (ja) * 2006-05-02 2007-11-15 Nippon Soda Co., Ltd. 液状組成物、液状組成物の製造方法、並びに哺乳動物及び鳥類の外部寄生虫防除剤

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