JP2004346002A - 持続性防腐剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとを含有する防腐剤において、防腐効果の安定性および持続性を向上させる。
【解決手段】2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンに対して同量以上の割合で配合させる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は持続性を有する防腐剤、さらに詳しくは、製紙、塗装等の種々の産業分野において、作業環境からの微生物汚染による急激な微生物増殖を抑えることができる、安定性および持続性に優れた防腐剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙パルプ工業分野においては、紙に印字特性や光沢、平滑性などを与えるため、一般に、デンプンを含有する水溶液、スラリ−またはラテックスや、デンプンをバインダ−とし、これとタルク、クレ−、カオリン、炭酸カルシウム、シリカなどの無機顔料やアクリル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂粒子などの有機顔料を含む塗工カラ−液を紙基材上に塗工することが行われている。しかしながら、これらデンプンを含む塗工液は腐敗しやすいため、時間がたつと紙塗工液からのみならず、この紙塗工液を塗布した塗工紙から悪臭が発生する上に、このような塗工紙は、塗工時にブリ−ディング、ストリ−クを生じるという欠点がある。
【0003】
このような欠点を改善するため、これまで様々な防腐剤を用いてデンプンを含む塗工液に存在する細菌やカビ類を除去することが行われてきた。その際に使用される防腐剤として、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの3:1または9:1の混合物(ケミクレア社製9:1混合物商品名:ゾ−ネン−F、ロ−ム&ハ−ス社製3:1混合物商品名:ケ−ソンLX SF25 )(特許文献1)、またはそれらの金属コンプレックス塩の3:1または9:1の混合物(ケミクレア社製3:1混合物商品名:ゾ−ネン−C、ロ−ム&ハ−ス社製3:1混合物商品名:ケ−ソンWT)の単独製剤や、それらと、例えば、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオ−ル、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノ−ル、1,2−ビス(ブロモアセトオキシ)エタンで代表される有機ブロモ系化合物や更には、メチレンビスチオシアナ−ト、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾ−ル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン等との組合せ配合剤が汎用されている(特許文献2および3)。しかしながら、これらはいずれも、pHの影響を受けやすくかつ安定性が悪い5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンよりも高い配合割合で含むため、防腐対象物の物性(pH等)に依存して十分な効果が得られない場合があり、また、長期間の使用に適さないという問題があった。
【0004】
さらに、持続性に優れた防腐剤として、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンのいずれか一方と2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオ−ル等との組合せ配合(特許文献4、5および6)、ならびに、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの単独製剤が開示されている(特許文献7)。しかしながら、これらはいずれも、実施例に示されているように、調製直後の防腐剤を用いたり比較的菌数が少ない場合のような特定の条件下では防腐効果を示すが、実際の産業での使用におけるような、急速に菌数が増加する場合や長期間の継続使用においては十分な防腐効果を示すことができなかった。5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンは殺菌力は強いがpHの影響を受けやすくかつ安定性が悪いため、単独では、防腐対象物の物性(pH等)の影響を受けやすく、また、長期間防腐効果を発揮することはできなかった。一方、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンは、安定性はよいが、殺菌力が弱くかつ殺菌速度が低いため、単独では急速な菌数の増加を十分抑制することができなかった。実際の産業では、経済性の観点から同一防腐剤を循環して使用しており、また、作業効率を考慮して長期間貯蔵タンクや配管を洗浄することなく新たな防腐剤を継ぎ足しているため、環境中からの細菌の汚染を避けられず、急速に菌数が増加する場合があり、従来の防腐剤では長期間に亘り十分な防腐効果をもたらすことはできないという問題があった。
【0005】
このことは、デンプンを含む紙塗工液のみならず、工業用水を使用して調製される水性塗料、ラテックス、高分子エマルション、切削油などの金属加工油、皮革、捺染糊、接着剤などの分野においても同様に問題となっている。
【0006】
【特許文献1】特公昭46−21240号公報
【0007】
【特許文献2】特公昭60−54281号
【0008】
【特許文献3】特公昭58−4682号
【0009】
【特許文献4】特開平8−133913
【0010】
【特許文献5】特開平5−163107
【0011】
【特許文献6】特開平7−277911
【0012】
【特許文献7】特開2001−158707
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、作業環境からの微生物汚染による急激な微生物増殖を抑制でき、かつ長期間に亘り防腐効果を発揮できる、安定性および持続性に優れた防腐剤を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、持続性に優れ、広い適応範囲をもつ防腐剤を開発すべく種々研究を重ねた結果、従来の工業用殺菌剤として用いられていた5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの組合せにおいて、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンに対して同量以上の割合で配合させることにより、急激な微生物増殖も抑制でき、かつ長期間に亘り安定した防腐効果を発揮できることを見出し、この知見に基づいて本発明を達成するに至った。すなわち、本発明は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとを含有する防腐剤において、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンに対して、重量に基づき同量以上の配合割合で含有されていることを特徴とするものである。好ましくは、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの配合割合は、重量に基づき1:1から1:100である。
【0015】
また、本発明の防腐剤は、下記の一般式:
【化2】
Figure 2004346002
(式中のX1はハロゲン原子;Yはニトロ基またはシアノ基;R1及びR2はそれぞれハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミノカルボニル基、あるいは置換もしくは無置換のアルキル基であり互いに同一であっても異なっていてもよい)で表される化合物(C)の少なくとも1種をさらに含有していてもよい。本発明の防腐剤に少なくとも1種の特定のハロゲン含有有機化合物(C)を加えることによって、長期間に亘りさらに高い防腐効果を達成することができる。化合物(C)は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの含有量の合計に対して、重量に基づき1:100から100:1の配合割合で含有されていることが好ましい。
【0016】
【発明の効果】
本発明の防腐剤は、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンに対して、同量以上の配合割合で含有することとによって、防腐対象の物性、特にpHに影響されず、更には、微生物汚染程度に関係なく、長期間に亘り安定した防腐効果を発揮することができる。また、防腐剤の長期保存が可能となるので防腐剤を大量に調製することができ、防腐剤の生産効率を向上させることができる。さらに、長期間に亘り貯蔵タンクや配管等を洗浄することなく防腐剤を継続使用することができるため、作業効率を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0018】
本発明において用いられる5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンは、いずれも工業用殺菌防腐剤として広く使用されている3−イソチアゾロン系化合物であり、市販品として容易に入手することができる。本発明において、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンは、安定性を向上させるために、硝酸銅、硝酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、臭素酸カリウムなどの金属塩でコンプレックスを形成させたものであってもよい。
【0019】
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの配合割合は、好ましくは、重量に基づき1:1から1:100であり、さらに好ましくは1:2から1:50である。係る範囲の配合割合を有することによって、より長期間に亘り安定した防腐効果を発揮することができる。
【0020】
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの含有量の合計は、5から70重量%であることが好ましい。両化合物を係る範囲で含有することによって、本発明の防腐剤は、特に安定でかつ長期間に亘り防腐効果を発揮することができる。両化合物の含有量の合計を前記範囲より多くしても差し支えないが、経済性の観点、および他の化合物を配合する場合の製剤調製の困難さ等より、70重量%以下とすることが望ましい。特に好ましくは、両化合物の含有量の合計は10から55重量%である。
【0021】
本発明の1つの実施形態において、本発明の防腐剤は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、さらに下記の一般式:
【化3】
Figure 2004346002
で表される化合物(C)の少なくとも1種とを含み、ここで、X1は、Cl、Brなどのハロゲン原子であり;Yはニトロ基またはシアノ基であり;R1及びR2は、Cl、Brなどのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノカルボニル基、あるいは置換または無置換のアルキル基である。置換アルキル基として、例えば、ヒドロキシアルキル基、アシルオキシアルキル基、ブロモアルキル基、シアノアルキル基等が挙げられる。R1とR2は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。本発明において、上記一般式で表される化合物(C)として、例えば、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノ−ル、1,2−ジブロモ−1−プロパノ−ル、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−プロパノ−ル−2、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオ−ル、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−アセトオキシエタン、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−アセトオキシプロパン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトオキシプロパン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジホルミルオキシプロパン、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン等が挙げられ、特に、これらの中で、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノ−ル、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオ−ル、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトオキシプロパン、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−アセトオキシプロパンを用いるのが好ましい。これら化合物(C)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
本実施形態において、化合物(C)は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの含有量の合計に対して、重量に基づき1:100から100:1の配合割合で含有されていることが好ましく、さらに好ましくは1:50から50:1の配合割合で含有される。化合物(C)は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの安定性または効果を損なわない限り上記よりも高い割合または低い割合で配合されてもよい。
【0023】
本発明の防腐剤は、防腐剤を調製する任意の公知の方法によって調製することができる。例えば、溶剤溶液の場合、溶剤、および必要に応じて分散剤を加えて、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ならびに必要に応じて化合物(C)を均一に混合することにより調製することができる。本発明の防腐剤の形態は特に制限されず、例えば粉剤の形態であっても、あるいは、任意の担体に保持させたものであってもよい。
【0024】
本発明において使用することのできる溶剤としては、例えば、水、アルコ−ル系溶剤、ケトン系溶剤、エ−テル系溶剤、炭化水素系溶剤などが挙げられる。中でもアルキレングリコ−ル、ジアルキレングリコ−ル、ジアルキレングリコ−ルモノアルキルエ−テルなどのグリコ−ル系溶剤が好ましく、特にエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノブチルエ−テル、及びジプロピレングリコ−ルが好ましい。また、プロピレンカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−ト、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフルフリルアルコ−ル等を使用してもよい。これらの溶剤は単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
【0025】
本発明の防腐剤の使用に際しての添加量は、微生物濃度等により異なる。例えば、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの2成分系の防腐剤の場合、両化合物の合計量に基づき、一般的に、紙パルプ工業などの分野では約1〜50ppm程度、水性塗料、糊、繊維油剤、ラテックス、切削油などの分野では20〜400ppm程度である。また、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと化合物(C)との3成分系の防腐剤の場合、全化合物の合計量に基づき、一般的に、紙パルプ工業などの分野では約1〜30ppm程度、紙塗工液、水性塗料、糊、繊維油剤、ラテックス、切削油などの分野では約15〜300ppm程度であり、この範囲で特に良好な防腐効果が得られる。
【0026】
本発明の防腐剤は、本発明の目的を妨げない限り、必要に応じて任意の安定剤、界面活性剤等をさらに含有していて差し支えない。
【0027】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0028】
表1に示す配合組成で、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(A)および/または2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(B)および/または化合物(C)(2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノ−ルおよび/または2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオ−ル)を溶剤であるジエチレングリコ−ルに溶解させ、撹拌混合して、表1に示す配合組成の防腐剤を調製した(実施例1〜6、比較例1〜16):
【表1】
Figure 2004346002
【0029】
各防腐剤について、以下に示す試験をおこなった。尚、試料の状態は下記の基準により評価した:
○:腐敗及び腐敗臭の発生なし
△:腐敗臭有り
×:腐敗、固化または減粘の発生有り。
【0030】
(1)ラテックスにおける菌増殖防止試験
ラテックス100mlにブイヨン液体培地1mlおよび予め腐敗(1ml当り腐敗菌数10)させておいたラテックス(pH4.8)1mlを加えて攪拌したものに、溶剤を除く薬剤濃度が300ppmになるように各防腐剤を添加し、32℃の恒温器に保管した。予め腐敗(1ml当り腐敗菌数10)させておいたラテックス(pH4.8)1mlを隔日で各試料に添加した。腐敗させたラテックスを追加する直前に、各試料を採取して生菌数を測定し、さらに、試料の状態を上記の基準により評価した。
【0031】
結果を表2に示す:
【表2】
Figure 2004346002
【0032】
(2)水性塗料における菌増殖防止試験
水性塗料100mlにブイヨン液体培地1mlおよび予め腐敗(1ml当り腐敗菌数10)させておいた水性塗料(pH6.2)1mlを加えて攪拌したものに、溶剤を除く薬剤濃度が300ppmになるように各防腐剤を添加し、32℃の恒温器に保管した。予め腐敗(1ml当り腐敗菌数10)させておいた水性塗料(pH6.2)1mlを隔日で各試料に添加した。腐敗させた水性塗料を追加する直前に、各試料を採取して生菌数を測定し、さらに、試料の状態を上記の基準により評価した。
【0033】
結果を表3に示す:
【表3】
Figure 2004346002
【0034】
(3)製紙用塗工液における菌増殖防止試験
製紙用塗工液100mlにブイヨン液体培地1mlおよび予め腐敗(1ml当り腐敗菌数10)させておいた製紙用塗工液(pH8.7)1mlを加えて攪拌したものに、溶剤を除く薬剤濃度が300ppmになるように各防腐剤を添加し、32℃の恒温器に保管した。予め腐敗(1ml当り腐敗菌数10)させておいた製紙用塗工液(pH8.7)1mlを隔日で各試料に添加した。腐敗させた製紙用塗工液を追加する直前に、各試料を採取して生菌数を測定し、さらに、試料の状態を上記の基準により評価した。
【0035】
結果を表4に示す:
【表4】
Figure 2004346002
【0036】
これらの結果から明らかであるように、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと同量またはそれ以上の配合割合で含む本発明の防腐剤(実施例1から6)は、防腐対象の物性、特にpHに影響されることなく、腐敗菌の急激な増殖による腐敗促進にも関わらず、4ヶ月という長期間に亘り極めて高い防腐効果を示した。一方、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンより高い割合で含有する防腐剤(比較例1および2)ならびに5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンのみ含有する防腐剤(比較例3)では、4週間以内に菌の増殖を十分抑制できなくなった。また、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンのみ含有する防腐剤(比較例4)では、最初の腐敗菌の急激な増殖を抑制することができず、2週間後には既に試料の腐敗が認められた。さらに、化合物(C)を添加した比較例でも同様の傾向が認められ、何れの比較例においてもほぼ4週間以内に防腐効果は失われた。

Claims (4)

  1. 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(A)と、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(B)とを含有する防腐剤において、前記化合物(B)が、前記化合物(A)に対して、重量に基づき同量以上の配合割合で含有されていることを特徴とする防腐剤。
  2. 前記化合物(A)と前記化合物(B)との配合割合が、重量に基づき1:1から1:100であることを特徴とする請求項1記載の防腐剤。
  3. 下記の一般式:
    Figure 2004346002
    (式中のX1はハロゲン原子;Yはニトロ基またはシアノ基;R1及びR2は、それぞれハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミノカルボニル基、あるいは置換または無置換のアルキル基であり互いに同一であっても異なっていてもよい)で表される化合物(C)の少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする請求項1または2記載の防腐剤。
  4. 前記化合物(C)が、前記化合物(A)および前記化合物(B)の含有量の合計に対して、重量に基づき1:100から100:1の配合割合で含有されていることを特徴とする請求項3記載の防腐剤。
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