JPH0782108A - イソチアゾロン水性製剤 - Google Patents

イソチアゾロン水性製剤

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JPH0782108A
JPH0782108A JP22467493A JP22467493A JPH0782108A JP H0782108 A JPH0782108 A JP H0782108A JP 22467493 A JP22467493 A JP 22467493A JP 22467493 A JP22467493 A JP 22467493A JP H0782108 A JPH0782108 A JP H0782108A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)一般式(I) 【化1】 で表されるイソチアゾロン化合物、(B)上記一般式
(I)の化合物を少なくとも溶解しうるに足りる量の水
又は水性溶媒、(C)安定化成分として配合される式
(II): 【化2】 で表されるブロモ系化合物の少なくとも1種、及び
(D)安定化成分として配合される式(III): R4(CO)n(Z)m (III) で表される化合物の少くとも1種からなるイソチアゾロ
ン水性製剤。 【効果】 2種類の安定化成分の添加によりイソチアゾ
ロン水性製剤を長期間安定化しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、安定化されたイソチ
アゾロン水性製剤に関する。さらに詳しくは、非医療用
殺菌剤として有用なイソチアゾリン−3−オン化合物を
含有してなり、ことに種々の合成高分子エマルジョンの
防腐・防カビ処理用に有用な水性製剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】5−ク
ロロ−2−メチル−イソチアゾリン−3−オンや2−メ
チル−イソチアゾリン−3−オンのごときイソチアゾロ
ン化合物は、従来から非医療用殺菌剤、防腐剤・防カビ
剤として知られており、ことにNBRラテックス、SB
Rラテックス、アクリル樹脂エマルジョン等の合成高分
子エマルジョンの防腐・防カビ剤として有用である。
【0003】このイソチアゾロン化合物は、防腐・防か
び対象系に添加するのが容易なため、通常、液状製剤と
される。しかし、イソチアゾロン化合物は、水に対して
非常に不安定で分解し易く該製剤中に数%の水が含有さ
れても分解されてしまう(特に水の含有量が製剤中に5
%以上含有されるとこの傾向が著しくなる)ため、通常
は水を含まない有機溶媒に溶解して保存されている。
【0004】このような有機溶媒としては親水性のグリ
コール系溶媒が用いられているが、このような製品は、
有機溶媒を多量に含有するため、引火性を有する。引火
性を有する製品は、例えば、消防法や公共自治体の火災
防止条例等によりその貯蔵、運搬について規制を受ける
とともにその取扱いに特別な注意を払う必要があり、安
全かつ簡便に使用することができない。
【0005】そこで、製品の引火性を防止するため水に
よって希釈した場合、使用に際して適当な濃度に水で希
釈した場合、引火性及び経済性を考慮したイソチアゾロ
ン化合物を水に溶解した製剤の場合には、水に不安定な
イソチアゾロン化合物が数時間から数日程度で分解し、
殺微生物活性を有しない鎖状化合物となるためその目的
を達成できない等の問題があった。
【0006】従来から、イソチアゾロン化合物をカルシ
ウム塩やマグネシウム塩等の金属塩とのコンプレックス
として水や水性溶媒に溶解して安定性を付与させた水性
製剤や、多量の有機溶剤にイソチアゾロン化合物を溶解
して含水量を著しく低減させた有機溶媒製剤が提案され
ている(特開昭61−56174号、同61−2125
76号公報)。
【0007】しかしながら、上記従来の水性製剤を防腐
・防カビ剤としてそのまま合成高分子エマルジョンに有
効量添加した場合には、製剤中に含まれるカルシウムや
マグネシウム等の多価金属イオンの作用により、エマル
ジョン相が破壊されて分相や凝固が生じる問題(いわゆ
るエマルジョンのショック)があった。従って、かかる
水性製剤を用いる場合には、充分に希釈して添加する必
要があるが、それにより、添加対象となる合成高分子エ
マルジョンのラテックス濃度の変動等の品質低下を招く
不都合が生じる。また希釈して使用しても凝固が生じる
場合もあった。またこの水性製剤を希釈することなく合
成高分子エマルジョンへ使用する提案もあるが、この際
には、特定のアニオン界面活性剤を併用添加する必要が
あった(特開昭60−65042号、同60−9665
2号公報)。
【0008】一方、前記した有機溶剤製剤を合成高分子
エマルジョンに添加した場合には、系に部分的に有機溶
剤が高濃度に持ち込まれてやはりショックが生じる場合
があった。なお、この発明に用いる成分(A)の一部と
成分(C)の一部を、非水製剤において組み合わせる示
唆もなされているが(特公昭60−54281号、特開
昭63−316702号)、水性製剤中で組合わせるこ
と及びそれによる効果については全く知られていない。
【0009】最近、トリアゾール類及びニトロアルコー
ル類を加えてイソチアゾロン溶液を安定化する方法が提
案されている(特開平4−182474号)。この方法
によれば、一応の安定性は得られるが、長期に亘る安定
性は得られていない。しかも、この方法では、水が存在
すると安定性はさらに短かくなることが、この発明の追
試実験により判明している。
【0010】先に、この発明者らは、この発明に用いる
成分(A)と、水または水性溶媒(B)と安定化成分
(C)とによる水性製剤を提案した(特開平4−930
5号)。この製剤は一応の安定性(40℃、60日:室
温で6ヶ月以上に相当)は得られたが、さらに長期安定
化をめざして鋭意研究を行なった。すなわち、第2の安
定化成分(D)を加えることにより、さらに製剤の安定
性が向上することを見出した〔50℃、40日以上(4
0℃、4ヶ月以上):室温で10ヶ月以上に相当〕。
【0011】この発明は、かかる状況下なされたもので
あり、ことに、長期に亘る製剤安定性が優れていると共
に、引火性の問題もなく経済的にも安価であり、また合
成高分子エマルジョンへ直接添加してもショックを生じ
ないイソチアゾロン化合物水性製剤を提供しようとする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記観点から、本発明者
らは鋭意研究、検討を行った結果、不安定なイソチアゾ
ロン化合物の水溶液に対し、特定のブロム系化合物及び
カルボン酸誘導体をごく少量添加して調製することによ
り、無機の金属塩を用いることなくその安定性が著しく
向上する事実及びこの水性製剤を高分子エマルジョンへ
防腐、防カビ有効量添加してもいわゆるショック等の悪
影響が生じない事実を見い出した。
【0013】かくしてこの発明によれば、(A)一般式
(I):
【0014】
【化7】 (式中、Xは、同一または異なって水素原子またはハロ
ゲン原子、Yはアルキル基を示す)で表されるイソチア
ゾロン化合物、(B)上記一般式(I)の化合物を少な
くとも溶解しうるに足りる量の水又は水性溶媒、(C)
安定化成分として配合される下式(II):
【0015】
【化8】 [式中、X1はニトロ基又はシアノ基、Y1,Y2は同一
又は異なって臭素原子、ニトロ基、シアノ基、
ヒドロキシル基、臭素原子もしくはシアノ基で置換され
ている低級アルキル基、式:
【0016】
【化9】 (式中、Rは水素原子または低級アルキル基)で示され
る基、式:
【0017】
【化10】 (式中、R1,R2,R3は各々、低級アルキル基又は水
素原子)で示される基、或いはY1もしくはY2のいずれ
か一方が、式:
【0018】
【化11】 で示される基で他方が水素原子もしくは臭素原子である
か、Y1とY2は共同して式:
【0019】
【化12】 (式中、Y3は水素原子又はハロゲン原子、Aは水素原
子、ハロゲン原子、ニトロ基又は低級アルキル基、mは
1〜3の整数)で示される基を構成するか、又はY1
2は結合して低級アルキル基によって置換されていて
もよいジオキサン残基を示す]で表されるブロモ系化合
物少なくとも1種、及び(D)安定化成分として配合さ
れる式(III): R4(CO)n(Z)m (III) [式中、 1)n=1,R4は水素原子、C1-3アルキル基、又は
式:−R5−COOH(R5はC1-5アルキレン、o−フ
ェニレン又はビニレン基)、Zは−NH2基、m=1を
示し、 2)n=2,a)R4はC1-5アルキレン、o−フェニレ
ン又はビニレン基、Zが−NH2基のときmは2を示
し、 b)R4はC2-5アルキレン、o−フェニレン又はビニレ
ン基、Zが =NH基のときmは1を示し、 c)R4はo−フェニレン基、ZがOM基(Mは水素原
子又はアルカリ金属原子、但し、Mは同時に水素原子で
はない)のときm=2を示す] で表される化合物のからなるイソチアゾロン水性製剤が
提供される。
【0020】この発明の水性製剤は、従来安定化に用い
られていたカルシウムやマグネシウム塩を実質的に含有
することなく、優れた製剤安定性が付与された溶液製剤
である。そして、ことに、ごく少量の上記ブロム系化合
物(安定化成分(C))及びカルボン酸誘導体(安定化
成分(D))が安定化剤として作用するという意外な事
実に基づいてなされたものである。
【0021】上記安定化成分(C)及び安定化成分
(D)を共に含有させるとき、一方の安定化成分(C)
(ブロム系化合物)だけの場合より、製剤はより高温で
かつ長期間安定に保持しうる。なお、安定化剤として安
定化成分(D)(カルボン酸誘導体)単独の場合は、製
剤に全く安定性付与効果を示さない。従ってこの顕著な
安定性付与効果は安定化成分(C)と(D)の相乗作用
によるものである。
【0022】この発明に用いられる式(I)のイソチア
ゾロン化合物の置換基Xのハロゲン原子としては、例え
ば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、
塩素原子が好ましい。一方、置換基Yの低級アルキル基
としては、炭素数1〜8のアルキル基(例えばメチル、
エチル、ブチル、オクチルなど)が含まれる。好ましい
のはメチル基である。
【0023】これらの式(I)のイソチアゾロン化合物
の好ましい代表例としては2−メチル−5−クロロ−
1,2−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−1,
2−イソチアゾリン−3−オン及び2−オクチル−4,
5−ジクロロ−1,2−イソチアゾリン−3−オンが挙
げられる。これらのイソチアゾロン化合物は例えば特公
昭46−12723号公報に記載されている合成法に従
って製造でき、通常上記化合物の混合物として得られ
る。これらの混合物もこの発明に好適に用いられる。
【0024】この発明において、前記式(II)の化合物
は、製剤の安定化剤(C)として用いられる。この化合
物(II)においてY1、Y2、Y3、R1、R2及びR3であ
らわされる低級アルキル基としては、前記した炭素数1
〜8のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等が挙
げられる。特にメチル基が好ましい。
【0025】上記式(II)の化合物としては、具体的に
はトリブロモニトロメタン、2,2−ジブロモ−3−ニ
トリロプロピオンアミド、N−メチル−2,2ジブロモ
−3−ニトリロプロピオンアミド、2,2−ジブロモ−
2−ニトロエタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ
−2−プロパノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−
2−アセトキシエタン、1,1−ジブロモ−1−ニトロ
−2−アセトキシプロパン、2−ブロモ−2−ニトロ−
1,3−ジアセトキシプロパン、2−ブロモ−2−ニト
ロ−1,3−ジホルミルオキシプロパン、2−ニトロ−
2−ブロモ−1,3−プロパンジオール、1,2−ジブ
ロモ−2,4−ジシアノブタン、2,3−ジブロモ−プ
ロピオンニトリル、(1,2−ジブロモ−2−ニトロエ
チル)ベンゼン、β−ブロモ−β−ニトロスチレン、1
−(1,2−ジブロモ−2−ニトロエチル)−4−クロ
ロベンゼン、β−ブロモ−4−クロロ−β−ニトロスチ
レン、β−ブロモ−β,p−ジニトロスチレン、β−ブ
ロモ−4−メチル−β−ニトロスチレン、5−ブロモ−
5−ニトロ−1,3−ジオキサン、5−ブロモ−2−メ
チル−5−ニトロ−1,3−ジオキサン等が挙げられ
る。これらは1種のみならず2種以上組み合わせて用い
られてもよい。これらの中で安定化成分(D)との相乗
的安定性付与効果の点で2−ニトロ−2−ブロモ−1,
3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1,
3−ジアセトキシプロパン、2,2−ジブロモ−2−ニ
トロエタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジ
ホルミルオキシプロパン、 1,1−ジブロモ−1−ニ
トロ−2−プロパノール、2,2−ジブロモ−3−ニト
リロプロピオンアミド、トリブロモニトロメタン、1,
2−ジブロモ−2,4−ジシアノブテン、β−ブロモ−
β−ニトロスチレン、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3
−ジオキサン又は5−ブロモ−2−メチル−5−ニトロ
−1,3−ジオキサンを用いるのが好ましい。
【0026】さらに、この発明において、安定化成分
(D)として次の化合物(III)の1種以上が用いられ
る。すなわち、(1)前記式(III)の化合物は、 1)n=1、Z=−NH2、m=1のとき、式: R4CONH2 で表される。R4が水素原子又はC1-3アルキル基の場
合、具体的には、ホルムアミド、アセトアミド、プロピ
オンアミド、ブチルアミド等のカルボン酸の第1アミド
化合物、R4が式:−R5−COOHで示される化合物と
しては、マロン酸モノアミド、コハク酸モノアミド、グ
ルタル酸モノアミド、アジピン酸モノアミド、ピメリン
酸モノアミド等のアルキレンジカルボン酸モノアミド化
合物、フタル酸モノアミド等のフェニレンジカルボン酸
モノアミド化合物、マレイン酸モノアミド、フマル酸モ
ノアミド等のビニレンジカルボン酸モノアミド化合物、 2)n=2、Z=−NH2、R4=C1-5アルキレン、o
−フェニレン又はビニレン、m=2のとき、式:
【0027】
【化13】 で示される。具体的には、マロン酸アミド、コハク酸ア
ミド、グルタル酸アミド、アジピン酸アミド、ピメリン
酸アミド等のアルキレンジカルボン酸ジアミド化合物、
フタルアミド等のフェニレンジカルボン酸ジアミド化合
物、マレインアミド、フマルアミド等のビニレンジカル
ボン酸ジアミド化合物、 3)n=2、Z =NH、R4=C2-5アルキレン、o−
フェニレン又はビニレン、m=1のとき、式:
【0028】
【化14】 で示される。具体的には、コハクイミド、グルタルイミ
ド、アジピンイミド、ピメリンイミド、フタルイミド、
マレインイミド等のジカルボン酸イミド化合物、及び 4)n=2、Z=OM、R4=o−フェニレン、m=2
のとき、式:
【0029】
【化15】 で示される。具体的には、フタル酸水素ナトリウム、フ
タル酸水素カリウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カ
リウム等のフタル酸アルカリ金属塩化合物が挙げられ
る。これらの化合物のうち、安定化成分(C)と共使用
することにより特に安定性のすぐれているのは 1)アセトアミド、ホルムアミド、プロピオンアミド、 2)コハク酸アミド、フタルアミド、マレインアミド、 3)マレイミド、及び 4)フタル酸水素カリウムである。
【0030】この発明の水性製剤は、式(I)の化合物
の水溶液を調製し、この溶液中に所定量の前記安定化成
分(C)及び安定化成分(D)を添加して作製すること
ができる。しかし、特に順序に関係なく作製することも
できる。
【0031】ここで溶媒として用いられる水としては、
通常の水、例えば、水道水、軟水、純水等が挙げられ、
工業用水等も使用可能である。なお水の代わりに、親水
性有機溶媒(例えば、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル等の公知の種々のポリオール又は
ポリオールエーテル系液状化合物、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン
等)と水の混合した水性溶媒を用いることも可能であ
る。ただし、製剤としての引火性を考慮すると製剤中の
水の含有量は、5重量%以上が好ましく、また、合成高
分子エマルジョンのショックを防止する点では、製剤中
の水の含有量は10重量%以上が好ましく、50重量%
以上が特に好ましい。
【0032】この発明の水性製剤に上記有機溶媒を用い
る場合には、式(I)の有機溶媒溶液に所定量の前記安
定化成分を添加した製剤を調製し、使用時に水で希釈す
ることも可能である。この場合には輸送上の経済的メリ
ットも得られる。
【0033】上記有機溶媒製剤に用いられる有機溶媒に
は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−
メチル−2−ピロリドン等のアミド系化合物単独又はこ
れらのアミド系化合物と前記グリコール系溶媒との混合
溶媒を用いるのが製剤の貯蔵安定性の点で好ましい。こ
の発明の水性製剤中の式(I)の化合物の配合量は0.
1〜30重量%とするのが貯蔵安定性の点で好ましく、
0.5〜30重量%とするのが特に好ましい。
【0034】安定化成分(C)としてのニトロブロム系
又はシアノブロム系化合物の配合量は、式(I)の化合
物1重量部に対して0.001〜10重量部が貯蔵安定
性の点で好ましく、通常0.004〜1.0重量部の使用
で十分である。安定化成分(D)としての化合物(III)
の配合量は、式(I)の化合物1重量部に対して、0.
003〜10重量部が貯蔵安定性の点で好ましく、通常
0.01〜5重量部の使用で十分である。
【0035】この発明の水性製剤は多価金属を用いるこ
となく、しかも有機溶媒を全く使用せず又は著しく低減
した量で使用したものであるため、合成高分子エマルジ
ョン添加時のショックが防止又は抑制されることにな
る。しかも引火性等取扱い上の不便もなく、経済的にも
安価であり、水性製剤として優れた安定性を発揮するも
のである。
【0036】
【実施例】
実施例1 イソチアゾロン化合物として、2−メチル−5−クロロ
−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−イソチアゾ
リン−3−オンとの混合物(重量比9:1)、(以下M
ITと略す)を用い、これを表1に記載の溶媒(水及び
エチレングリコール)に溶解し、さらに安定化成分
(C),(D)を添加し混合撹拌を行って実施例の製剤
品を得、比較例には安定化成分(C)だけを添加して製
剤品を得た(なお表中の成分の数字はすべて重量部を示
す)。これらの各種製剤品について下記の試験を行っ
た。
【0037】「貯蔵安定性試験」 試験方法……各製剤品をガラス容器に入れ50℃の条件
下に放置した。経日的に状態を観察し、外観変化がな
く、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)で測定した
結果、分解が認められないものを○、外観微濁でHPL
C測定によるMITの分解率が5%未満のものを△、外
観上結晶が多量に析出白濁し分解率が5%以上のものを
×とした。
【0038】ただし、本試験における50℃安定性2ヶ
月は、室温においては、1年以上に相当することが長年
の試験結果から推定されている。この結果を表1に示
す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】 この結果から、この発明の水性製剤は、安定性に優れ、
かつ高分子エマルジョンに対して悪影響を及ぼさない優
れたものであることが判る。なお、前記表中の略号は以
下の化合物を意味するものである。
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】実施例2 溶媒としてEGと水(約2.7:1)及び安定化成分
(C)としてMACを用い、さらに各種安定化成分
(D)を添加して、実施例1と同様の試験を行った。ま
た、安定化剤として(C)成分のみ、或いは(D)成分
のみを用い上記と同様の試験を行ない、比較例とした。
この結果を表2に示す。
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】実施例3 溶媒としてEGと水(1:約2.7)または水のみを用
い、安定化成分(C)として一定量(0.4)のMAC
を、及び各種安定化成分(D)を添加して、実施例1と
同様の試験を行った。この結果を表3に示す。
【0049】
【表9】
【0050】
【表10】
【0051】参考例 特開平4−182474記載の製剤(製剤例1−3)を
調製し、実施例1と同様の試験を行った。この結果を表
4に示す。
【0052】
【表11】
【0053】以上の実施例や比較例に示されるように、
この発明のイソチアゾロン水性製剤は、安定化成分
(C)及び安定化成分(D)を加えることにより安定性
ことに貯蔵安定性に優れたものである。そして、高分子
エマルジョンに直接添加した際においても悪影響が生じ
ない。従って、取扱い上便利であるのみならずイソチア
ゾロン化合物の用途、使用態様等の拡大をも可能とする
のである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(I): 【化1】 (式中、Xは、同一または異なって水素原子またはハロ
    ゲン原子、Yはアルキル基を示す)で表されるイソチア
    ゾロン化合物、(B)上記一般式(I)の化合物を少な
    くとも溶解しうるに足りる量の水又は水性溶媒、(C)
    安定化成分として配合される式(II): 【化2】 [式中、X1はニトロ基又はシアノ基、Y1,Y2は同一
    又は異なって臭素原子、ニトロ基、シアノ基、
    ヒドロキシル基、臭素原子もしくはシアノ基で置換され
    ている低級アルキル基、式: 【化3】 (式中、Rは水素原子または低級アルキル基)で示され
    る基、式: 【化4】 (式中、R1,R2,R3は各々低級アルキル基又は水素
    原子)で示される基、或いはY1もしくはY2のいずれか
    一方が、式: 【化5】 で表される基で他方が水素原子もしくは臭素原子である
    か、Y1とY2は共同して式 【化6】 (式中、Y3は水素原子又はハロゲン原子、Aは水素原
    子、ハロゲン原子、ニトロ基又は低級アルキル基、mは
    1〜3の整数)で示される基を構成するか、又はY1
    2は結合して低級アルキル基によって置換されていて
    もよいジオキサン残基を示す]で表されるブロモ系化合
    物の少なくとも1種、及び(D)安定化成分として配合
    される式(III): R4(CO)n(Z)m (III) [式中、 1)n=1,R4は水素原子、C1-3アルキル基、又は
    式:−R5−COOH(R5はC1-5アルキレン、o−フ
    ェニレン又はビニレン基)、Zは−NH2基、m=1を
    示し、 2)n=2,a)R4はC1-5アルキレン、o−フェニレ
    ン又はビニレン基、Zが−NH2基のときmは2を示
    し、 b)R4はC2-5アルキレン、o−フェニレン又はビニレ
    ン基、Zが =NH基のときmは1を示し、 c)R4はo−フェニレン基、ZがOM基(Mは水素原
    子又はアルカリ金属原子、但し、Mは同時に水素原子で
    はない)のときm=2を示す] で表される化合物の少なくとも1種からなるイソチアゾ
    ロン水性製剤。
  2. 【請求項2】 安定化成分(C)として配合される化合
    物が、2−ニトロ−2−ブロモ−1,3−プロパンジオ
    ール、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシ
    プロパン、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、
    2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジホルミルオキシプ
    ロパン、 1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパ
    ノール、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンア
    ミド、トリブロモニトロメタン、1,2−ジブロモ−
    2,4−ジシアノブテン、β−ブロモ−β−ニトロスチ
    レン、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン又
    は5−ブロモ−2−メチル−5−ニトロ−1,3−ジオ
    キサンである請求項1記載のイソチアゾロン水性製剤。
  3. 【請求項3】 安定化成分(D)として配合される化合
    物が、アセトアミド、ホルムアミド、プロピオンアミ
    ド、コハク酸アミド、フタルアミド、マレインアミド、
    マレイミドまたはフタル酸水素カリウムである請求項1
    記載のイソチアゾロン水性製剤。
  4. 【請求項4】 一般式(I)の化合物が製剤中0.1〜
    30重量%配合されてなるイソチアゾロン水性製剤であ
    る請求項1の水性製剤。
  5. 【請求項5】 安定化成分(C)が一般式(I)で表わ
    されるイソチアゾロン化合物1に対して重量比で0.
    01〜10、安定化成分(D)が該イソチアゾロン化合
    物1に対して重量比で0.003〜10配合されてなる
    請求項1の水性製剤。
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