JPH08133913A - 持続性3−イソチアゾロン系工業用殺菌防腐剤 - Google Patents

持続性3−イソチアゾロン系工業用殺菌防腐剤

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JPH08133913A
JPH08133913A JP27404394A JP27404394A JPH08133913A JP H08133913 A JPH08133913 A JP H08133913A JP 27404394 A JP27404394 A JP 27404394A JP 27404394 A JP27404394 A JP 27404394A JP H08133913 A JPH08133913 A JP H08133913A
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JP
Japan
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isothiazolone
preservative
mit
compound
industrial
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JP27404394A
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Yoichi Sano
陽一 佐野
Shinichi Matsumoto
進一 松本
Masahisa Ishihara
正久 石原
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Katayama Chemical Inc
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Katayama Chemical Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 pH7以上のアルカリ性及び/又は還元性物
質の存在下で、強力な殺菌防腐作用を長期間保持する。 【構成】 一般式(I): (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又
はハロゲン原子、R3はフェニル基で置換されていても
よいC1-8アルキル基を示す。)で表される3−イソチ
アゾロン系化合物(A)と、一般式(II): (式中、R4は水素原子、ハロゲン原子、又はヒドロキ
シ基で置換されていてもよい低級アルキル基、R5は水
素原子又は低級アルキル基、Xはハロゲン原子を示
す。)で表されるハロゲン化脂肪族ニトロアルコール
(B)とを、(A):(B)が1:11.5〜1:500
(重量比)の割合で含有する持続性3−イソチアゾロン
系工業用殺菌防腐剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、効力が持続された3
−イソチアゾロン系工業用殺菌防腐剤に関する。さらに
詳しくはアルカリ性及び/又は還元性物質存在下の防腐
対象系に添加した際に、殺菌効力が著しく持続する3−
イソチアゾロン系工業用殺菌防腐剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
ラテックス、樹脂エマルジョン、ロジンエマルジョン、
コーティングカラー、炭酸カルシウムスラリー、水をベ
ースとする水希釈タイプの金属加工油(以下、クーラン
トと略す)等の防腐対象系では、細菌やかび、酵母等の
真菌による腐敗を生じやすく、従来から多数の工業用殺
菌剤が用いられてきた。上記防腐対象系の多くは、閉鎖
された系の場合が多く、添加場所が限定されること及び
作業性を考慮して、1バッチの添加で殺菌効力が持続す
る薬剤が求められていた。これら多数の工業用殺菌防腐
剤の中で、特に5−クロロ−2−メチル−4−イソチア
ゾリン−3−オンや2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オンのごとき3−イソチアゾロン系化合物は、非医
療用殺菌剤、防腐剤、防かび剤としてラテックスや樹脂
エマルジョン等に広く使用されてきた。このため、イソ
チアゾロン系化合物を有効成分とする殺菌剤・防腐剤等
が多数特許出願されている。
【0003】例えば、特公昭60-54281号公報には、3−
イソチアゾロン誘導体とハロゲン化脂肪族ニトロアルコ
ールとを重量比1:10〜10:1の割合で併用して得
られる相乗効果による殺菌剤が提案されている。この公
報では、これらの併用による相乗作用に基づく殺菌剤を
開示しているのみであり、3−イソチアゾロン誘導体の
分解抑制の事実や示唆については何ら示されていない。
【0004】上記公報に具体的に開示された組成物は、
長期保存安定性が不良であるとともに、アルカリ性及び
/又は還元性物質が存在する防腐対象系に添加した場合
には、両殺菌有効成分とも水中では短期間で加水分解す
るため、長期間の殺菌効果は望めなかった(試験例1の
試験結果を示した表2中、試験No.9〜11参照)。
【0005】また、3−イソチアゾロン誘導体含有組成
物の長期保存安定性を保持するために、この化合物をア
ルカリ土類金属錯塩にして用いることが考えられた(特
公昭58-4682号公報参照)。しかしながら、この3−イ
ソチアゾロンのアルカリ土類金属錯塩を合成高分子エマ
ルジョンに添加した場合には、錯塩の金属イオンの作用
により、エマルジョン相が破壊されて分相や凝固が生じ
る、いわゆるエマルジョンショックが起こり、その使用
は困難であった。
【0006】一方、本願発明者らは、アルカリ土類金属
で錯体が形成されていないイソチアゾロン誘導体の長期
保存安定性の付与された水性製剤として、イソチアゾロ
ン化合物1に対して安定化成分としてニトロブロモ系又
はシアノブロモ系化合物を重量比で0.004〜0.1配合され
てなるイソチアゾロン水性製剤を提案した(特開平4-93
05号公報参照)。
【0007】このイソチアゾロン水性製剤は、通常の対
象系に対しては長期間安定で、殺菌効果が得られるが、
しかしながら、pH7以上であったり及び/又は還元性
物質が存在するような防腐対象系に添加した場合には3
−イソチアゾロンが分解して、殺菌防腐効果が急激に低
下するという問題点があった。そこで、本発明の発明者
らは、pH7以上及び/又は還元性物質の存在下の環境
において3−イソチアゾロン系化合物の分解を防止し、
長期間殺菌防腐効果を持続させるべく鋭意研究した結
果、多くの工業用殺菌剤・防腐剤の中でハロゲン化脂肪
族ニトロアルコールを3−イソチアゾロン系化合物に対
しある特定の割合で併用した場合に限り、3−イソチア
ゾロンの分解が抑制されて殺菌効果を持続させることが
できる事実を見出し、この発明を完成させるに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくしてこの発明による
と、一般式(I):
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1及びR2は、同一又は異なっ
て、水素原子又はハロゲン原子、R3はフェニル基で置
換されていてもよいC1-8アルキル基を示す。)で表さ
れる3−イソチアゾロン系化合物(A)と、一般式(I
I):
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R4は水素原子、ハロゲン原子、
又はヒドロキシ基で置換されていてもよい低級アルキル
基、R5は水素原子又は低級アルキル基、Xはハロゲン
原子を示す。)で表されるハロゲン化脂肪族ニトロアル
コール(B)とを、(A):(B)が1:11.5〜1:5
00(重量比)の割合で含有することを特徴とする持続
性3−イソチアゾロン系工業用殺菌防腐剤が提供され
る。
【0013】この発明の工業用殺菌防腐剤は、3−イソ
チアゾロン系化合物とハロゲン化脂肪族ニトロアルコー
ルの組合せにおいて、3−イソチアゾロン系化合物に対
するハロゲン化脂肪族ニトロアルコールの比率を、従来
相乗作用に用いられる比率又は3−イソチアゾロン系化
合物の安定化剤として用いられる比率よりも、非常に大
きい比率で用いることを特徴としている。これによっ
て、3−イソチアゾロン系化合物の分解を防止すること
ができ、それにより長期間の殺菌防腐効果を得ることが
できる。
【0014】また同時に単独では非常に分解の速いハロ
ゲン化脂肪族ニトロアルコールの分解も防止できるとい
う意外な事実に基づいてなされたものである(試験例1
の試験結果を示した表2中、試験No.1〜11参
照)。
【0015】一般式(I)において、R1及びR2で示さ
れるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子が挙げられるが、塩素原子が好ましい。また、フ
ェニル基で置換されていてもよいC1-8アルキル基とし
ては、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどのア
ルキル基、ベンジル、フェネチルなどのフェニル置換ア
ルキル基が含まれる。この発明において一般式(I)で
表される3−イソチアゾロン系化合物(A)としては、
例えば2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5
−クロロ−2−メチル−4−イチアゾリン−3−オン、
4,5−ジクロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オン、4,5−ジクロロ−2−オクチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチ
アゾリン−3−オン、4−ブロモ−2−メチル−4−イ
ソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−ベンジル−
4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−
オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン等が挙げら
れ、この中でも2−メチル−4−イソチアゾリン−3−
オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オン、4,5−ジクロロ−2−オクチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチ
アゾリン−3−オンを用いるのが好ましい。
【0016】これらの3−イソチアゾロン系化合物
(A)は、例えば特公昭46-12723号公報記載の合成法に
従って製造でき、通常2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オン及び5−クロロ−2−メチル−4−イソチア
ゾリン−3−オンは混合物として得られ、また、エチレ
ングリコール溶液として市販されており、これらの混合
物もこの発明に好適に用いられる。
【0017】一般式(II)において、R4及びR5で示さ
れる低級アルキル基としては、メチル、エチル、プロピ
ル、i−プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルのよう
な炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、特にメチル基
が好ましい。またXで示されるハロゲン原子としては、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子が挙げら
れ、特に臭素原子が好ましい。この発明において一般式
(II)で表されるハロゲン化脂肪族ニトロアルコール
(B)としては、例えば2−クロロ−2−ニトロエタノ
ール、1−クロロ−1−ニトロプロパノール−2、3−
クロロ−3−ニトロブタノール−2、2−クロロ−2−
ニトロブタンジオール−1,3、1−クロロ−1−ニト
ロブタノール−2、2−クロロ−2−ニトロブタノー
ル、2−クロロ−2−ニトロペンタノール−3、2,2
−ジクロロ−2−ニトロエタノール、2−クロロ−2−
ブロモ−2−ニトロエタノール、3−クロロ−3−ニト
ロ−ペンタンジオール−2,4、4−クロロ−4−ニト
ロヘキサノール−3、2−ブロモ−2−ニトロエタノー
ル、2−ブロモ−2−ニトロプロパノール、2−ブロモ
−2−ニトロ−1,3−ブタンジオール、2−ブロモ−
2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−
2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパン、3−ブロ
モ−3−ニトロペンタンジオール−2,4、2,2−ジ
ブロモ−2−ニトロエタノール、2,2−ジブロモ−2
−ニトロプロパノール−2、4−ブロモ−4−ニトロヘ
キサノール−3、2−フルオロ−2−ニトロエタノー
ル、2−フルオロ−2−ニトロブタンジオール−1,
3、3−ヨード−3−ニトロブタノール−2、2−フル
オロ−2−クロロ−2−ニトロエタノール、2−ヨード
−2−ブロモ−2−ニトロエタノール等が挙げられ、こ
の中でも、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパン
ジオールまたは2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノー
ルを用いるのが好ましい。これらは1種のみならず2種
以上組合わせて用いてもよい。
【0018】この発明の工業用殺菌防腐剤は、通常
(A)化合物と(B)化合物を1:11.5〜1:500
(重量比)の割合で含有する。(A)化合物1に対し、
(B)化合物が重量比で11以下の量であると、充分な
(A)化合物の分解防止効果が得られない。また、
(A)化合物1に対し(B)化合物を重量比で500よ
り多く添加しても(A)化合物の残留率は一定であるの
で、経済性等を考慮して500以下とするのが適してお
り、特に(A):(B)が1:11.5〜1:350である
のが好ましい。
【0019】この発明の工業用殺菌防腐剤は、通常液剤
の形態で用いられ、すなわち、式(I)の化合物(A)
及び式(II)の化合物(B)だけから調製してもよく、
或いはこれらに水及び/又は親水性有機溶媒を加えて、
さらに必要があれば分散剤を加えて混合撹拌して調製し
てもよい。しかしこれに限定されることなく、使用対象
系によっては、粉剤の形態で用いてもよい。
【0020】この親水性有機溶媒としては、ジメチルホ
ルムアミド等のアミド類、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、フェ
ニルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ト
リプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコ
ールエーテル類、炭素数8までのアルコール類もしくは
メチルアセテート、エチルアセテート、3−メトキシブ
チルアセテート、2−エトキシメチルアセテート、2−
エトキシエチルアセテート、プロピレンカーボネート等
のエステル類及び水が挙げられる。
【0021】分散剤としては、カチオン性界面活性剤、
アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤又は両性
界面活性剤が適当であり、製剤としての安定性の点でノ
ニオン界面活性剤が好ましい。このノニオン性界面活性
剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加物
(エチレンオキサイドは以下E.Oと略す)、アルキル
フェノール(E.O)付加物、脂肪酸(E.O)付加
物、多価アルコール脂肪酸エステル(E.O)付加物、
高級アルキルアミン(E.O)付加物、脂肪酸アミド
(E.O)付加物、油脂の(E.O)付加物、プロピレ
ンオキサイドP.Oと略す(E.O)共重合体、アルキ
ルアミン(P.O)(E.O)共重合体付加物、グリセ
リンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸
エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステ
ル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキ
ルエーテル、アルキロールアミド等が挙げられる。
【0022】これら製剤の配合割合は、防腐剤有効成分
の合計量1〜50重量部、分散剤が該有効成分の合計1
重量部に対して0〜0.01重量部であり、残部を水及び/
又は親水性有機溶媒とするのが好ましい。この発明の工
業用殺菌防腐剤は、紙・パルプ工業における抄紙工程
水、各種工業用の冷却水や洗浄水、工業製品、例えば、 1)紙・パルプ工場で使用される紙用塗工液(コーティ
ングカラー、表面サイズ剤等)、塗工液原料(炭酸カル
シウムスラリー、クレースラリー等)、合成樹脂エマル
ジョン、ロジンエマルジョン、ラテックス、染料、澱粉
糊料、パルプスラリー等及び 2)クーラント、繊維油剤、エマルジョン塗料、接着
剤、糊料、ラテックスコンパウンド、セメント分散剤等
の防腐や殺菌に適用される。 特にこれらの系のpHが7以上であるか及び/又は亜硫
酸イオン換算として1mg/L以上を含有する還元性対
象系である時、工業用殺菌防腐剤の各成分単独あるいは
特定割合外での上記2成分の併用からは予測することの
できない顕著な(A)化合物の分解防止効果が得られ、
その結果、(A)化合物の有する細菌、かび及び酵母に
対する強力な持続的殺菌防腐効果が発揮される。さら
に、防腐対象系のpHが8以上であるか、又は、亜硫酸
イオン換算として3mg/L以上を含有する還元性であ
る時、より一層顕著な(A)化合物の分解防止効果が得
られる。
【0023】この発明の工業用殺菌防腐剤が適用される
防腐対象系が、切削油等の金属加工油、油性塗料などの
油系の場合には、灯油、重油、スピンドル油等の炭化水
素溶媒を用いた液剤とするのが好ましく、上記分散剤を
用いてもよい。また、防腐剤有効成分がそれぞれに直接
溶解又は分散しうる防腐対象系に対しては、直接又は固
体希釈剤(例えばカオリン、クレー、ベントナイト、C
MC等)で希釈した粉剤としてもよく、さらに上記分散
剤を用いてもよい。
【0024】上記液剤においては、上記溶媒等の希釈剤
や界面活性剤等の分散剤を含有しない製剤が輸送面での
経済性及び製剤安定性の点で好ましい。この発明の防腐
剤の添加量は、対象系により変化するが、通常有効成分
の1〜500ppm、好ましくは1〜350ppmであ
る。この発明を以下の製剤例及び試験例により例示す
る。
【0025】
【実施例】製剤例 イソチアゾロン化合物として、5−クロロ−2−メチル
−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イ
ソチアゾリン−3−オンの重量比9:1混合物、又はD
COT(4,5−ジクロロ−2−オクチル−イソチアゾ
リン−3−オン)を用い、及びハロゲン化脂肪族ニトロ
アルコールとしてBNPD又はDBNEを用い、これを
表1に記載の溶媒に溶解し、撹拌混合を行い、製剤例1
〜15の製剤品を得た。その結果を表1に示す(なお、
表中の数字はすべて重量部を示す)。
【0026】
【表1】
【0027】なお、上記表中の略号は以下の化合物を意
味する。以下の試験例においてもこの略号を用いる。 Cl−MIT:5−クロロ−2−メチル−4−イソチア
ゾリン−3−オン H−MIT :2−メチル−4−イソチアゾリン−3−
オン DOCT :4,5−ジクロロ−2−オクチル−4−イ
ソチアゾリン−3−オン BNPD :2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロ
パンジオール DBNE :2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エ
タノール EG :エチレングリコール MDG :ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル DEG :ジエチレングリコール
【0028】試験例1〔pH9.2のSBRラテックス中
における殺菌防腐有効成分の経日的残留率の測定〕 pH9.2のSBR系ラテックス50gを蓋付の広口瓶
(70ml)に入れ、表1に示す供試薬剤、即ち、Cl
−MIT、BNPDを単独又は併用して、表2に示す濃
度になるように添加した。ついで40℃に放置し、経日
的に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で供試薬
剤の残留濃度を測定した。その結果を表2及び図1,2
に示す。
【0029】
【表2】
【0030】*:表中、残留率(%)の表示において、
0はHPLCにより測定物質が検出されなかったことを
示す(以下の表においても同様)。 〔考察〕長期間にわたり、防腐効力の維持が要求される
ラテックスにおいて、そのpHが高くなるとCl−MI
T、BNPDが各々単独では、殺菌防腐有効成分濃度が
時間の経過とともに著しく減少し、殺菌防腐作用が持続
されず、効力を示さなくなる(試験No.3〜8参照)。
【0031】また、Cl−MITとBNPDとを併用添
加した場合でも、その併用割合がBNPD/Cl−MI
Tとして10以下では、それぞれ単独のに比較して、各
殺菌防腐有効成分濃度の減少が抑制されているが、4週
間経過後には、Cl−MIT、BNPDとも0〜14%
の残留率となり、殺菌防腐効力が持続されないことがわ
かる(試験No.9〜11参照)。
【0032】これらに比較して、本願発明の実施例(試
験No.1,2参照)においては、比較例9〜11の2週
間目の残留率に比較して、4週間経過後においても各薬
剤の残留率が高く、各殺菌防腐有効成分濃度の減少が顕
著に抑制されていることがわかる。試験例2 〔還元物質が存在するロジンエマルジョンサイ
ズ剤中における殺菌防腐有効成分の経日的残留率の測
定〕 ロジンエマルジョンサイズ剤(pH6、還元物質(亜硫
酸イオン換算)濃度5ppm)50gを、蓋付の広口瓶
(70ml)に入れ、試験例1と同じ供試薬剤を表3に
示す濃度になるように添加した。ついで40℃に放置
し、経日的にHPLCで供試薬剤の残留濃度を測定し
た。その結果を表3及び図3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】試験例3〔pH8.6のアクリルエマルジョ
ン中における殺菌防腐有効成分の経日的残留率の測定〕 pH8.6のアクリルエマルジョン50gを蓋付の広口瓶
(70ml)に入れ、試験例1と同様の供試薬剤を表4
に示す濃度になるように添加した。ついで40℃に放置
し、経日的にHPLCで供試薬剤の残留濃度を測定し
た。その結果を表4及び図4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】試験例4〔pH8.9のコーティングカラー
中における殺菌防腐有効成分の経日的残留率の測定〕 某製紙会社のコーティングカラー(pH8.9)50gを
蓋付の広口瓶(70ml)に入れ、DBNE(2,2−
ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノール)以外は試験例
1と同様の供試薬剤を表5に示す濃度になるように添加
した。ついで40℃に放置し、経時的にHPLCで供試
薬剤の残留濃度を測定した。その結果を表5、図5及び
図6に示す。
【0037】
【表5】
【0038】〔考察〕Cl−MITは、抗菌スペクトル
が広く、殺菌速度も早く有用な防腐剤である。しかし、
コーティングカラーには顔料として炭酸カルシウムが配
合される為pHが高く、Cl−MIT単独では急速に分
解が起こり使用が難しかった。コーティングカラーに
は、バインダーとして澱粉、ラテックスが用いられ、菌
の増殖が早い為、短時間での有効成分の分解は、防腐管
理上非常に不利である。
【0039】DBNE、BNPDの併用により1日後に
おいても、分解が抑制されコーティングカラーへの使用
が可能となった。試験例5 〔チオ硫酸ナリトウム・5水和物50ppmを
添加したpH7のリン酸緩衝液中における殺菌防腐有効
成分の経日的残留率の測定〕 チオ硫酸ナトリウム・5水和物50ppmを添加したリ
ン酸緩衝液(pH7)50gを蓋付の広口瓶(70m
l)に入れ、Cl−MIT20ppmを添加し、BNP
D,DBNEは表6に示す各比率に対応する濃度になる
ように添加した。
【0040】ついで40℃に放置し経日的にHPLCで
供試薬剤の残留濃度を測定した。その結果を表6、図7
〜図10に示す。
【0041】
【表6】
【0042】試験例6〔pH8.1のSBRラテックス中
における殺菌防腐有効成分の経日的残留率の測定〕 pH8.1のSBRラテックス50gを蓋付の広口瓶(7
0ml)に入れ、試験例4及び5と同様の供試薬剤を、
表7に示す濃度になるように添加した。ついで40℃に
放置し経日的に生菌数を測定した。また、3週間後のC
l−MITの残留濃度をHPLCで測定した。その結果
を表7に示す。
【0043】
【表7】
【0044】試験例7〔pH8.6の切削油における殺菌
防腐有効成分の経日的残留率の測定〕 pH8.6の切削油(某社切削現場より採取したもの)5
0gを蓋付の広口瓶に入れ、試験例4〜6と同様の供試
薬剤を表8に示す濃度になるように添加した。ついで4
0℃に放置し、経日的に生菌数及びCl−MITの残留
濃度を測定した。その結果を表8に示す。
【0045】
【表8】
【0046】
【発明の効果】この工業用殺菌防腐剤は、イソチアゾロ
ン系化合物とハロゲン化ニトロ脂肪族アルコールを重量
比で、1:11.5〜1:500の割合で含有することによ
り、特にpH7以上又は還元物質存在下の防腐対象系に
おいて、イソチアゾロン系化合物の分解を長期間防止
し、それにより長期に亘る殺菌防腐効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】SBR系Latex(pH9.2)中、本願発明工業用
殺菌防腐剤(Cl−MIT+BNPD)におけるCl−
MITの経日的残留率を示すグラフ図である。
【図2】SBR系Latex(pH9.2)中、本願発明工業用
殺菌防腐剤(Cl−MIT+BNPD)におけるBNP
Dの経日的残留率を示すグラフ図である。
【図3】ロジンエマルジョン(還元物質存在下)中、本
願発明工業用殺菌防腐剤(Cl−MIT+BNPD)に
おけるCl−MITの経日的残留率を示すグラフ図であ
る。
【図4】アクリルエマルジョン(pH8.6)中、本願発
明工業用殺菌防腐剤(Cl−MIT+BNPD)におけ
るCl−MITの経時的残留率を示すグラフ図である。
【図5】コーティングカラー(pH8.9)中、本願発明
工業用殺菌防腐剤(Cl−MIT+BNPD)における
Cl−MITの経時的残留率を示すグラフ図である。
【図6】コーティングカラー(pH8.9)中、本願発明
工業用殺菌防腐剤(Cl−MIT+DBNE)における
Cl−MITの経時的残留率を示すグラフ図である。
【図7】緩衝液(pH7、チオ硫酸ナリトウム添加)
中、本願発明工業用殺菌防腐剤(Cl−MIT+DBN
E)におけるCl−MITの経日的残留率を示すグラフ
図である。
【図8】緩衝液(pH7、チオ硫酸ナリトウム添加)
中、本願発明工業用殺菌防腐剤(Cl−MIT+BNP
D)におけるCl−MITの経日的残留率を示すグラフ
図である。
【図9】緩衝液(pH7、チオ硫酸ナリトウム添加)
中、本願発明工業用殺菌防腐剤(Cl−MIT+BNP
D)において、Cl−MIT 1に対するBNPDの各
比率における2週間後のCl−MIT残留率を示すグラ
フ図である。
【図10】緩衝液(pH7、チオ硫酸ナリトウム添加)
中、本願発明工業殺菌防腐剤(Cl−MIT+DBN
E)において、Cl−MIT 1に対するDBNE各比
率における2週間後のCl−MIT残留率を示すグラフ
図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又
    はハロゲン原子、R3はフェニル基で置換されていても
    よいC1-8アルキル基を示す。)で表される3−イソチ
    アゾロン系化合物(A)と、 一般式(II): 【化2】 (式中、R4は水素原子、ハロゲン原子、又はヒドロキ
    シ基で置換されていてもよい低級アルキル基、R5は水
    素原子又は低級アルキル基、Xはハロゲン原子を示
    す。)で表されるハロゲン化脂肪族ニトロアルコール
    (B)とを、(A):(B)が1:11.5〜1:500
    (重量比)の割合で含有することを特徴とする持続性3
    −イソチアゾロン系工業用殺菌防腐剤。
  2. 【請求項2】 pH7以上の防腐対象系に用いられる請
    求項1記載の工業用殺菌防腐剤。
  3. 【請求項3】 亜硫酸イオン換算として1mg/L以上
    を含有する還元性の防腐対象系に用いられる請求項1記
    載の工業用殺菌防腐剤。
JP27404394A 1994-11-08 1994-11-08 持続性3−イソチアゾロン系工業用殺菌防腐剤 Pending JPH08133913A (ja)

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