JP3754988B2 - 工業用殺菌剤及び工業用殺菌方法 - Google Patents

工業用殺菌剤及び工業用殺菌方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、工業用殺菌剤及び工業用殺菌方法に関する。更に詳しくは、この発明は、紙・パルプ工業における抄紙工程水やパルプスラリー、各種工業用の冷却水や洗浄水、並びにコーティングカラー、切削油、ラテックス類、合成樹脂エマルション、澱粉スラリー、炭酸カルシウムスラリー、泥水ポリマー、繊維油剤等の防腐や殺菌用として有用である工業用殺菌剤及び工業用殺菌方法に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
従来から紙・パルプ工業における抄紙工程水や各種工業における冷却水系統には、細菌や真菌によるスライムが発生し、生産品の品質低下や生産効率の低下などの障害があることが知られている。
例えば、コーティングカラー、切削油、ラテックス類、合成樹脂エマルション、澱粉スラリー、炭酸カルシウムスラリー、泥水ポリマー、繊維油剤、金属加工油剤、ペイント類、防汚塗料、紙用塗工液等の工業製品においては、細菌や真菌による腐敗や汚染が発生し、製品を汚損し価値を低下させる。特に、紙・パルプ工業の抄紙工程水やパルプスラリーにスライムが発生すると、これが剥離して紙料やパルプに混入し、紙切れの原因となるため抄紙工程の運転を中断せざるをえなくなる。また、紙やパルプに斑点や着色が発生し、製品の品質を低下させる。
【0003】
これらの微生物による障害を防止するため、多くの殺菌剤が使用されてきた。
この発明の有効成分である、ハロゲン化ヒダントインや2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドは、防腐・防カビ等を目的とする工業用殺菌・静菌剤として知られている(日本防菌防黴学会より昭和61年発行の「日本防菌防黴剤事典」参照)。
また、ハロゲン化ヒダントインの一種である1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントインと水溶性イソチアゾリン系化合物とを含有するスライム防除剤が知られている(特開平4−59707号公報参照)。
【0004】
この発明の殺菌対象系の1つである紙・パルプ工業における抄紙工程には、白水循環系と回収水系とがある(図2参照)。白水循環系とは、ワイヤーを使って白水から紙を抄く系であり、この系で抄いた紙は脱水してシート状にされる。これに対し、回収水系とは、白水循環系より部分的に流入してきた白水をパルプ繊維と回収水とに分離する系である。回収されたパルプ繊維は原料として再利用され、回収水は新水を節約する目的で抄紙機のシャワー水として、また原料の希釈用水として再利用される。
【0005】
白水循環系において発生するスライムは、直接、製品に影響を与えるため、スライムの発生を抑制することが重要であり、従来より種々の有機ハロゲン系殺菌剤が用いられている。これに対し、回収水系において発生するスライムは、製品に影響を与えにくいものの、スクリーンやピット、シャワー水系の配管ラインに付着するため、マシンの運転を停止させるといった障害を起こし問題となっている。
【0006】
回収水系は多量の水を必要とし、それに伴い多量の殺菌剤の添加が必要となるために、コスト面から有機ハロゲン系殺菌剤を使用せず、従来より次亜塩素酸ナトリウム等の安価な塩素系殺菌剤を使用してきた。しかしながら、回収水は抄紙機のシャワー水や原料の希釈用水として再利用するため、製品に影響を及ぼさない程度の残留塩素濃度に抑える必要があり、塩素系殺菌剤の添加量にも制限があった。また、塩素系殺菌剤はその殺菌効果が弱く、従って回収水系でのスライム障害を抑制することが困難であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる状況下、この発明の発明者らは、単独では殺菌効果が弱く使用が困難であったハロゲン化ヒダントインに着目し、スライム防止メカニズムについて更なる研究開発を行った。その結果、ハロゲン化ヒダントインと、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドとを組み合わせることにより、殺菌対象系の塩素濃度を抑制しつつ、その相乗作用により顕著なスライム抑制効果を発揮する事実を意外にも見出し、この発明を完成するに至った。
特に、紙・パルプ工業の抄紙工程においては、対象系により多少の差はあるが、製品に影響を及ぼさない程度の残留塩素濃度0.3〜0.6mg/リットル以下となる範囲内の添加量で、十分その目的を達成することができる。
【0008】
かくしてこの発明によれば、一般式(I):
【0009】
【化2】
Figure 0003754988
【0010】
(式中、R1 及びR2 は同一又は異なって水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基、X1 及びX2 は同一又は異なって臭素原子もしくは塩素原子)
で表されるハロゲン化ヒダントインと、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドとを相乗効果を奏する割合で有効成分として含有することを特徴とする工業用殺菌剤が提供される。
【0011】
また、この発明によれば、工業用殺菌対象系に、上記工業用殺菌剤を、合計濃度として0.2〜100mg/リットルとなるように同時に又は別々に添加することを特徴とする工業用殺菌方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明の有効成分である一般式(I)で表されるハロゲン化ヒダントイン及び2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドは、いずれも市販のものを使用することができる。
【0013】
一般式(I)において、R1 及びR2 で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖及び分枝鎖のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル、エチル、プロピル及びブチルのような直鎖アルキル基、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル及び tert-ブチル等の分枝鎖アルキル基が挙げられ、中でもメチル及びエチルがより好ましい。
【0014】
この発明に用いられる一般式(I)で表されるハロゲン化ヒダントインとしては、1,3−ジハロゲン化−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジハロゲン化−5,5−ジエチルヒダントイン、1,3−ジハロゲン化−5,5−ジブチルヒダントイン、1,3−ジハロゲン化−5−エチル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジハロゲン化−5−エチル−5−プロピルヒダントイン、1,3−ジハロゲン化−5−イソプロピル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジハロゲン化−5−ブチル−5−エチルヒダントイン、1,3−ジハロゲン化−5−ブチル−5−イソプロピルヒダントイン、1,3−ジハロゲン化−5−メチルヒダントイン、1,3−ジハロゲン化−5−エチルヒダントインが挙げられる。また、ハロゲンとしては同一又は異なって臭素原子及び塩素原子が挙げられる。更に、ハロゲン化ヒダントインは前記群から1種以上選択される混合物でもよい。
より具体的には、殺菌効果の点で、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン及び1,3−ジクロロ−5,5−メチルエチルヒダントインが好ましい。
【0015】
この発明のハロゲン化ヒダントインと2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドとの併用割合は、有効成分が相乗効果を奏する割合であり、重量比として1:100〜30:1とするのが好ましく、1:10〜10:1とするのがより好ましい。
【0016】
この発明の殺菌剤は、通常液剤の形態で製剤化して用いるのが好ましい。しかし、これに限定されることなく、使用対象によっては粉剤や錠剤等の形態で用いてもよい。また、有効成分をそれぞれ製剤化し、別々に使用しても差し支えない。
【0017】
液剤とする場合には、水や通常の有機溶媒、更に分散剤を用いて製剤とすることができる。
殺菌対象系が製紙工程のプロセス水や工業用冷却水等の各種水系、澱粉スラリー、合成樹脂エマルション等の場合には、有効成分の溶解、分散性を考慮して、水、親水性有機溶媒及び分散剤を用いた液剤とするのが好ましい。
【0018】
親水性有機溶媒としては、ジメチルホルムアミドに代表されるアミド類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、炭素数8までのアルコール類もしくはメチルアセテート、エチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシメチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、プロピレンカーボネート、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチル等のエステル類が挙げられる。
【0019】
これら親水性有機溶媒の中で、安全性及び安定性の点でジメチルホルムアミドに代表されるアミド類、メチルアセテート、エチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシメチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、プロピレンカーボネート、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチル等のエステル類等が好ましい。また、2種以上を混合して用いてもよく、特に、ジメチルホルムアミドとエステル類との併用が好ましい。
この場合の有機溶媒の配合比は、有効成分の溶解性及び安定性により適宜決定することができる。
【0020】
分散剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤又は両性界面活性剤が適当であり、製剤としての安定性の点でノニオン性界面活性剤が好ましい。
【0021】
このノニオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加物〔エチレンオキサイドは以下、(E.O)と略す〕、アルキルフェノール(E.O)付加物、脂肪酸(E.O)付加物、多価アルコール脂肪酸エステル(E.O)付加物、高級アルキルアミン(E.O)付加物、脂肪酸アミド(E.O)付加物、油脂の(E.O)付加物、プロピレンオキサイド〔以下、(P.O)と略す〕(E.O)共重合体、アルキルアミン(P.O)(E.O)共重合体付加物、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルキロールアミド等が挙げられる。
【0022】
また、これら界面活性剤の代わりに又はその補助剤として、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ゼラチン、CMC(カルボキシメチルセルロース)等の水溶性高分子を用いてもよい。
【0023】
これら製剤の配合割合は、製剤を100重量部としたとき、有効成分の合計量を1〜50重量部、分散剤を該有効成分の合計1重量部に対して少なくとも0.01重量部、残部を親水性有機溶媒とするのが好ましい。
【0024】
また、殺菌対象系が切削油、油性塗料などの油系の場合には、灯油、重油、スピンドル油等の炭化水素溶媒を用いた液剤とするのが好ましく、前記界面活性剤を用いてもよい。
更に、有効成分を2液に分けて製剤化する場合も、それぞれの有効成分について前記溶媒、分散剤及び配合割合で製剤化することができる。
【0025】
この発明の有効成分がそれぞれに直接溶解又は分散しうる殺菌対象系に対しては、直接又は固体希釈剤(例えばカオリン、クレー、ベントナイト、CMC等)で希釈した粉剤としてもよく、各種界面活性剤を用いてもよい。また、液剤と同様にして、粉剤を有効成分に分けて製剤化してもよい。
【0026】
上記の観点から、工業用殺菌対象系に、この発明の工業用殺菌剤を、合計濃度として0.2〜100mg/リットルとなるように同時に又は別々に添加することを特徴とする工業用殺菌方法が提供される。
【0027】
この発明において、工業用殺菌対象系とは、紙・パルプ工業における抄紙工程水やパルプスラリー、各種工業用の冷却水や洗浄水、並びにコーティングカラー、切削油、ラテックス類、合成樹脂エマルション、澱粉スラリー、炭酸カルシウムスラリー、泥水ポリマー、繊維油剤等を意味する。また、この発明の工業用殺菌剤は、殺菌対象系が還元性環境、例えば還元性物質が亜硫酸イオン換算で5mg/リットル以上(好ましくは5〜100mg/リットル)の環境においても、その殺菌効果が減退することはない。
【0028】
殺菌対象系が紙・パルプ工業の抄紙工程水である場合、ハロゲン化ヒダントインと2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドとの混合製剤を白水循環系に添加する方法、及び2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドを白水循環系に、またハロゲン化ヒダントインを回収水系に別々に添加する方法などがある。
【0029】
別々に添加する場合、白水循環系の白水が回収水系に流入するため、白水循環系で添加された2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドも回収水系に流入する。白水循環系から回収水系への白水の流入量が少ないこと、及び添加した2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドが白水循環系で分解することなどを考慮すると、回収水系での2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドの残留濃度は低く、回収水系のスライム障害を抑制しうる濃度ではない。しかしながら、この微量の2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドと、同様に単独ではスライム障害を抑制できない濃度のハロゲン化ヒダントインとを組合わせることにより、回収水系のスライム障害を抑制できる。
【0030】
この発明の殺菌剤の添加量は、殺菌対象水系の種類、スライムの付着状態、スライム構成菌の種類等により異なるが、ことにコーティングカラー、切削油、ラテックス類、合成樹脂エマルション、澱粉スラリー、炭酸カルシウムスラリー、泥水ポリマー、繊維油剤等の防腐対象系については、有効成分濃度として0.5〜200mg/リットル程度の量が好ましい。
また、紙・パルプ工業における抄紙工程水やパルプスラリー、各種工業用の冷却水や洗浄水のスライムコントロール剤として使用する場合は、有効成分濃度として0.2〜100mg/リットルが好ましい。
また、この発明の組成物は、この発明の効果を阻害しない限り、水や界面活性剤を用いてエマルション製剤とすることもでき、公知の殺菌剤を含有させることもできる。
【0031】
【実施例】
この発明を以下の製剤例及び試験例により例示する。
以下の実施例は、この発明の有効成分(2種の化合物)からなる製剤であり、比較例は、この発明の有効成分もしくは公知の殺菌剤の1種の化合物からなるか、或いはそれらの組み合わせからなる製剤である。
また、製剤の調製は、各種親水性有機溶媒に各殺菌有効成分を混合し、攪拌溶解することにより行った。
【0032】
この発明の実施例である製剤例を以下に示す。
(製剤例1)
1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン 10重量部
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド 10重量部
グルタル酸ジメチル 40重量部
ジメチルホルムアミド 40重量部
(製剤例2)
1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン 7重量部
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド 13重量部
グルタル酸ジメチル 40重量部
ジメチルホルムアミド 40重量部
(製剤例3)
1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン 12重量部
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド 8重量部
グルタル酸ジメチル 40重量部
ジメチルホルムアミド 40重量部
【0033】
試験例1[紙・パルプ工場の白水循環系における殺菌効力確認試験]
紙・パルプ工場の製紙工程より採取した白水(中質紙抄造、pH7.5、菌種:シュードモナス属、アルカリゲネス属、エシェリシア属、バチルス属、初期菌数:3.0×10 個/ml)に各供試薬剤を添加し、30℃で30分放置後の殺菌率が99.9%となる薬剤濃度を測定した。測定結果を図1に示す。
図1より、本発明の有効成分である2成分の相乗効果が認められる。
【0034】
試験例2[スライム構成菌に対する殺菌効力確認試験]
工業用水中に煩雑に認めらるスライム構成菌であるシュードモナス属菌の1種であるシュードモナス エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)をブイヨン液体培地に一定量接種し、30℃で培養したのち、滅菌純水に1%接種した。次いで、これを供試水とし、各供試薬剤を添加して、30℃で1時間放置後の生菌数を測定した。測定結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0003754988
【0036】
試験例3[紙・パルプ工場の回収水系におけるスライム付着抑制試験]
微塗工紙抄造マシンの回収水〔pH7.0、生菌数:2.5×107 個/ml、亜硫酸イオン(SO3 2- )換算濃度:0mg/リットル〕1リットルに対し、回収水系に付着した細菌性のスライム(菌種:シュードモナス属、フラボバクテリウム属、キサントモナス属、バチルス属)1gを採取し、それらをミキサーで攪拌した。次いで、この試験液700mlを1リットルビーカーに取り、スライムを付着させるための網(ポリエチレン製、12×35cm)を設置し、30℃で72時間攪拌しながらスライム付着試験を行った。この間、表2に記載の所定濃度の供試薬剤を12時間ごとに30分間、上記スライム付着試験器(網)に接触させた。72時間後、網に付着したスライム重量を測定した。なお、薬剤無添加の場合に付着したスライム重量を100%として各供試薬剤処理時のスライム重量からスライム付着率(%)を算出した。また、残留塩素濃度をオルト−トリジン法により測定した。測定結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
Figure 0003754988
【0038】
試験例3は、紙・パルプ工場の回収水系を想定したスライム付着抑制試験であり、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドの添加濃度は、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドを白水循環系に実用的な濃度添加した場合の回収水系での残留濃度を予想したものである。また、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントインの添加濃度は、回収水系に添加する実用的な濃度である。なお、次亜塩素酸ナトリウムは市販の12%製剤品を用いており、有効塩素濃度としては5mg/リットルである。これは、回収水系に添加する実用的な濃度以上の添加濃度である。
表2より、この発明の殺菌剤の顕著なスライム付着抑制効果が確認できる。一方、公知の殺菌剤である次亜塩素酸ナトリウムを用いた例では、実用的な濃度以上の添加でもスライム付着抑制効果は小さい。
【0039】
【発明の効果】
この発明の工業用殺菌剤は、ハロゲン化ヒダントインと2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドとを組み合わせるので、その相乗効果によって、それぞれ単独では得ることができない優れた殺菌効果、特にスライム抑制効果を得ることができる。また、低濃度で有効であるため残留塩素濃度も低く抑えることができ、特に紙・パルプ工業における抄紙工程水のスライム抑制に用いる場合、製品に対する影響もなく有用である。
更に、この発明の工業用殺菌剤は、殺菌対象系が還元性環境、例えば還元性物質が亜硫酸イオン換算で5mg/リットル以上の環境においても、その殺菌効果が減退することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の殺菌剤、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントインと2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドとの相乗効果を示すグラフである。
【図2】紙・パルプ工業の抄紙工程の水系を示す図である。

Claims (4)

  1. 一般式(I):
    Figure 0003754988
    (式中、R1 及びR2 は同一又は異なって水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基、X1 及びX2 は同一又は異なって臭素原子もしくは塩素原子)
    で表されるハロゲン化ヒダントインと、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドとを相乗効果を奏する割合で有効成分として含有することを特徴とする工業用殺菌剤。
  2. ハロゲン化ヒダントインが、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントインである請求項1記載の工業用殺菌剤。
  3. ハロゲン化ヒダントインと2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドとが、重量比として1:100〜30:1で配合されてなる請求項1又は2記載の工業用殺菌剤。
  4. 工業用殺菌対象系に、請求項1〜3のいずれかに記載の工業用殺菌剤を、合計濃度として0.2〜100mg/リットルとなるように同時に又は別々に添加することを特徴とする工業用殺菌方法。
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JP3260450B2 (ja) 工業用殺菌・殺黴剤及び工業用殺菌・殺黴方法

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