JPH07277910A - 殺菌剤およびそれを用いた殺菌方法 - Google Patents

殺菌剤およびそれを用いた殺菌方法

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JPH07277910A
JPH07277910A JP8747694A JP8747694A JPH07277910A JP H07277910 A JPH07277910 A JP H07277910A JP 8747694 A JP8747694 A JP 8747694A JP 8747694 A JP8747694 A JP 8747694A JP H07277910 A JPH07277910 A JP H07277910A
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nitropropane
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佳子 武田
Yoshinari Morii
嘉也 森井
Daiki Kusaka
大器 日下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少量の添加により高い抗菌活性を長時間に亘
り維持し、殺菌効率を高める。 【構成】 殺菌剤は、下記式(I) 【化1】 (式中、R1 は塩素原子などを示し、R2 は水素原子又
はアルキル基を示す)で表されるイソチアゾロン化合物
(A)と、2,2−ジハロ−2−ニトロエタノール(B
1 )55〜85重量%および2−ハロ−2−ニトロプロ
パン−1,3−ジオール(B2 )45〜15重量%で構
成されたハロニトロアルコール類(B)とを含む。イソ
チアゾロン化合物(A)1重量部に対するハロニトロア
ルコール類(B)の割合は3〜40重量部である。ハロ
ニトロアルコール類におけるハロゲン原子には臭素原子
が含まれる。サイズ剤などの被殺菌液に、0.1〜10
000ppm程度の殺菌剤を添加することにより殺菌す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製紙、塗料、接着剤な
どの分野において、防腐および防黴処理に有用な殺菌剤
および殺菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工業用水、例えば、製紙工程中のパルプ
スラリー循環冷却水を供給するための導管、送液路など
の内壁、特に澱む箇所には、スライム(泥状微粒固形
物)が付着し易く、しばしばスライム障害を引き起こ
す。このスライムの発生には細菌類、真菌類、藻類な
ど、多種多様な生物群が関与しているため、1種類の殺
菌剤で前記生物群を防徐し、スライム障害を十分に防止
することはできない。そして、スライムがパルプスラリ
ーの異物として混入すると、製品の品質を低下させるだ
けでなく紙切れを生じ、抄紙機の連続運転を阻害する要
因となり生産効率を大幅に低下させる。
【0003】また、上記製紙工業や、塗料、接着剤など
の分野で用いられる合成樹脂水性エマルジョンや水性ラ
テックスは、保存中に微生物により腐敗し、粘度変化や
着色だけでなく、悪臭を発生させる。さらに、例えば、
コート紙製造用コーティングカラーなどに利用される澱
粉糊を含むコーティング剤は、いずれも腐敗し易い。ま
た、澱粉糊などを含むサイズ剤に黴が発生すると、供給
ノズルを詰らせて、連続運転が困難となる。
【0004】特開平2−134302号公報には、2,
2−ジブロモ−2−ニトロエタノールとハロニトロアル
カノール系生物致死剤との組合せ、または2,2−ジブ
ロモ−2−ニトロエタノールと非ハロニトロアルカノー
ル系生物致死剤との組合せで構成された抗菌組成物が開
示されている。また、工業用水などの防腐剤、防黴剤と
して、イソチアゾロン化合物が使用されている。例え
ば、特開平4−9305号公報には、イソチアゾロン化
合物と、この化合物を溶解させるための水性溶媒と、安
定化成分としてのニトロブロモ系化合物とを含む水性製
剤が開示され、前記安定化成分としては、2,2−ジブ
ロモ−2−ニトロエタノール、2−ブロモ−2−ニトロ
プロパン−1,3−ジオールなどが記載されている。
【0005】さらに、特公昭60−54281号公報に
は、2種類の殺菌剤を利用した殺菌剤として、5−クロ
ロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどの
イソチアゾロン誘導体と、2,2−ジブロモ−2−ニト
ロエタノール、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,
3−ジオールや3−ブロモ−3−ニトロペンタン−2,
4−ジオールなどのハロゲン化脂肪族ニトロアルコール
とを、前者/後者=1/10〜10/1(重量比)の割
合で含む殺菌剤が開示されている。また、特開昭60−
84203号公報には、高い効力を有する抗菌剤とし
て、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オンなどのイソチアゾロン化合物と、2−ブロモ−2
−ニトロプロパン−1,3−ジオールなどのブロモニト
ロアルコールとを、前者/後者=4/1〜1/4(重量
比)の割合で含む殺菌剤が開示されている。
【0006】前記イソチアゾロン化合物とブロモニトロ
アルコールとを組合せた殺菌剤は、高い抗菌活性を示す
ため、工業用の被処理水、前記エマルジョンやコーティ
ング剤などの防腐・防黴に有用である。しかし、前記殺
菌剤は、効力の持続時間が短いため、頻繁に添加した
り、過剰量の殺菌剤を添加する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、少量であっても抗菌活性を長時間に亘り維持できる
殺菌剤および殺菌方法を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、安定性が高く、高い
抗菌活性を持続できる殺菌剤および殺菌方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、イソチアゾロン化合物
とハロニトロアルコール類とを組合せた組成物におい
て、ハロニトロアルコール類として、2,2−ジハロ−
2−ニトロエタノールと2−ハロ−2−ニトロプロパン
−1,3−ジオールとの割合が抗菌活性の持続性に大き
く影響していること、前記2つの化合物を特定の割合で
組合せて用いると、少量であっても高い抗菌活性を持続
できることを見いだし、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明の殺菌剤は、下記式
(I)
【0011】
【化2】 (式中、R1 は水素原子又はハロゲン原子を示し、R2
は水素原子又はアルキル基を示す)で表される化合物、
2,2−ジハロ−2−ニトロエタノール、および2−ハ
ロ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを含んでい
る。この殺菌剤において、2,2−ジハロ−2−ニトロ
エタノールと2−ハロ−2−ニトロプロパン−1,3−
ジオールとの割合は前者/後者=55〜85/45〜1
5(重量%)である。
【0012】2,2−ジハロ−2−ニトロエタノールお
よび2−ハロ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール
の総量は、例えば、前記式(I)で表される化合物1重
量部に対して、3〜30重量部程度であってもよい。
2,2−ジハロ−2−ニトロエタノールおよび2−ハロ
−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールにおけるハロ
ゲン原子は、塩素原子又は臭素原子である場合が多い。
【0013】前記有効成分で構成された殺菌剤は、種々
の用途に利用でき、例えば、サイズ剤用などの工業用殺
菌剤として有用である。
【0014】本発明の方法では、前記殺菌剤を被殺菌液
(被処理液)に添加することにより、殺菌する。この方
法において、殺菌剤の添加量は、細菌などの微生物や生
物の生育又は繁殖を阻害ないし致死させるのに有効な
量、例えば、0.1〜10000ppm程度であっても
よい。
【0015】前記式(I)で表される化合物において、
1 のハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素およびヨ
ウ素原子が含まれる。好ましいR1 は、水素原子、塩素
原子又は臭素原子、特に塩素原子である。R2 で表され
るアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブ
チル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オ
クチル、ノニル、デシル基などの炭素数1〜10程度の
直鎖又は分岐鎖状アルキル基が例示される。アルキル基
のうち、炭素数1〜4程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキ
ル基と、炭素数6〜10程度の直鎖状又は分岐鎖状アル
キル基が好ましい。特に好ましいR2 には、水素原子、
炭素数1〜3程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基(例
えばメチル基)、炭素数7〜9程度の直鎖状又は分岐鎖
状アルキル基(例えばオクチル基)が含まれる。
【0016】前記式(I)で表される化合物のうち、好
ましい化合物としては、例えば、2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン、2−エチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オン、2−プロピル−4−イソチアゾリン−3
−オン、2−イソプロピル−4−イソチアゾリン−3−
オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ンなどの2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン;2−メチル−5−クロロ−4−イソチアゾリン−3
−オン、2−メチル−5−ブロモ−4−イソチアゾリン
−3−オン、2−エチル−5−クロロ−4−イソチアゾ
リン−3−オン、2−エチル−5−ブロモ−4−イソチ
アゾリン−3−オン、2−n−オクチル−5−クロロ−
4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−5
−ブロモ−4−イソチアゾリン−3−オンなどの2−ア
ルキル−5−ハロ−4−イソチアゾリン−3−オンなど
が例示される。これらのイソチアゾロン化合物は単独で
又は二種以上組合せて使用できる。好ましいイソチアゾ
ロン化合物(1)には、例えば、2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン、2−メチル−5−クロロ−4−
イソチアゾリン−3−オンなどが含まれる。
【0017】本発明の第1の特色は、前記式(I)で表
される化合物と、特定の二種類のハロニトロアルコール
とを組合わせる点にある。すなわち、本発明の殺菌剤
は、前記式(I)で表されるイソチアゾロン化合物と、
2,2−ジハロ−2−ニトロエタノールおよび2−ハロ
−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(以下、2,
2−ジハロ−2−ニトロエタノールおよび2−ハロ−2
−ニトロプロパン−1,3−ジオールを単にハロニトロ
アルコール類という場合がある)とを含んでいる。ハロ
ニトロアルコール類においてハロゲン原子には、フッ
素、塩素、臭素およびヨウ素原子が含まれる。これらの
ハロゲン原子のうち、塩素原子又は臭素原子、特に臭素
原子が好ましい。
【0018】2,2−ジハロ−2−ニトロエタノールの
具体例としては、例えば、2,2−ジクロロ−2−ニト
ロエタノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノー
ル、2−ブロモ−2−クロロ−2−ニトロエタノールな
どが挙げられる。これらの化合物は一種又は二種以上組
合せて使用できる。好ましい化合物には、2,2−ジブ
ロモ−2−ニトロエタノールが含まれる。
【0019】2−ハロ−2−ニトロプロパン−1,3−
ジオールの具体例としては、例えば、2−クロロ−2−
ニトロプロパン−1,3−ジオール、2−ブロモ−2−
ニトロプロパン−1,3−ジオールなどが挙げられる。
これらの化合物も一種又は二種以上組合せて使用でき
る。好ましい化合物には2−ブロモ−2−ニトロプロパ
ン−1,3−ジオールが含まれる。
【0020】本発明の殺菌剤において、好ましい化合物
の組合せは次の通りである。
【0021】(1)2−メチル−5−クロロ−4−イソ
チアゾリン−3−オン、2,2−ジクロロ−2−ニトロ
エタノールおよび2−クロロ−2−ニトロプロパン−
1,3−ジオールの組合せ、(2)2−メチル−5−ク
ロロ−4−イソチアゾリン−3−オン、2,2−ジクロ
ロ−2−ニトロエタノールおよび2−ブロモ−2−ニト
ロプロパン−1,3−ジオールの組合せ、(3)2−メ
チル−5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−オン、
2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノールおよび2−ク
ロロ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールの組合
せ、(4)2−メチル−5−クロロ−4−イソチアゾリ
ン−3−オン、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノー
ルおよび2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジ
オールの組合せ、(5)上記(1)〜(4)において、
2−メチル−5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−オ
ンに2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを添加
した組合せ、(6)上記(1)〜(4)において、2−
メチル−5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−オンを
2−オクチル−5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−
オンで置換した組合せなど。
【0022】特に好ましい化合物の組合せには、前記
(4)の組合せ、および(4)に2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オンを添加した(5)の組合せが含ま
れる。
【0023】本発明の第2の特色は、2−ハロ−2−ニ
トロプロパン−1,3−ジオールに対して2,2−ジハ
ロ−2−ニトロエタノールを過剰量用い、高い抗菌活性
を長期間に亘り安定に維持する点にある。すなわち、本
発明では、2,2−ジハロ−2−ニトロエタノールと2
−ハロ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールとを、
前者/後者=55〜85/45〜15(重量%)、好ま
しくは55〜80/45〜20(重量%)程度の割合で
使用する。上記有効成分の割合は、60〜75/40〜
25(重量%)程度である場合が多い。2,2−ジハロ
−2−ニトロエタノールの割合が55重量%未満である
と、短期間内に被処理液のpHが低下したり、抗菌活性
を長期間に亘り維持するのが困難となり、85重量%を
越えると抗菌活性が低下し易い。
【0024】前記2,2−ジハロ−2−ニトロエタノー
ルおよび2−ハロ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオ
ール(ハロニトロアルコール類)の総量は、高い抗菌活
性を安定に維持できる範囲で選択でき、例えば、式
(I)で表される化合物1重量部に対して3〜40重量
部、好ましくは5〜30重量部、さらに好ましくは10
〜25重量部程度である。なお、前記ハロニトロアコー
ル類の総量は、式(I)で表される化合物1重量部に対
して、10重量部以上、特に10重量部を越える量(例
えば、10.5重量部や11重量部以上)である場合が
多い。式(I)で表される化合物1重量部に対するハロ
ニトロアルコール類の総量が3重量部未満であると、抗
菌活性が低下し易く、40重量部を越えると経済性の点
で不利となり易い。
【0025】なお、2,2−ジハロ−2−ニトロエタノ
ールの使用量は、通常、式(I)で表される化合物1重
量部に対して5〜20重量部(好ましくは5.5〜17
重量部、さらに好ましくは6〜15重量部)程度、2−
ハロ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールの使用量
は、通常、式(I)で表される化合物1重量部に対して
3〜10重量部(好ましくは3.5〜9重量部、さらに
好ましくは4〜8重量部)程度である。
【0026】本発明の殺菌剤は、前記のように3つの有
効成分を組合せているので、広い抗菌スペクトルを示
す。そのため、多種多様の生物群が関与して、腐敗、黴
や悪臭などが発生する被処理液であっても、1つの殺菌
剤により効率よく殺菌できる。
【0027】本発明の殺菌剤は、前記3種類の有効成分
を含む限り、その形態は特に制限されず、例えば、粉
剤、粒剤、微粉剤、ペースト剤などであってもよいが、
通常、乳剤、水和剤、水溶剤、懸濁剤などの液剤、特に
溶液状水性液剤として使用する場合が多い。
【0028】粉剤などにおける固体担体としては、例え
ば、カオリン、ベントナイト、酸性白土などのクレー
類、タルク類、シリカ類、アルミナ、活性炭などが挙げ
られ、これらの固体担体も一種又は二種以上使用でき
る。
【0029】液剤における溶媒(液体担体)としては、
前記3種類の有効成分を溶解又は分散可能な種々の溶
媒、例えば、水及び/又は有機溶媒が使用できる。溶媒
は水単独であってもよいが、有機溶媒と併用する場合が
多い。
【0030】有機溶媒としては、例えば、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール
類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど
のケトン類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭素水素類;ジオ
キサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリ
ルなどの極性溶媒;エチレングリコール、ジエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、グリセリンなどの多
価アルコールとその誘導体などが挙げられる。多価アル
コールの誘導体には、グリコール系溶媒、例えば、エチ
レングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソル
ブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチル
セロルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル
(ブチルセロソルブ)などのセロソルブ類;ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテルなどのカルビトール類、トリプロピ
レングリコールモノメチルエーテルなどが含まれる。こ
れらの溶媒は一種又は二種以上混合して使用できる。
【0031】好ましい溶媒には、水、アルコール類、多
価アルコール類とその誘導体などの親水性有機溶媒(特
に水溶性有機溶媒)が挙げられる。好ましい多価アルコ
ールとその誘導体には、例えば、グリコール類(例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコールなど)、セ
ロソルブ類(例えば、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルな
ど)、カルビトール類(例えば、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテルなど)が含まれる。
【0032】溶媒の使用量は、前記3つの有効成分によ
る殺菌及び/又は抗菌活性が発現する有効濃度である限
り特に制限されない。溶媒として水を用いる場合、通
常、前記3種類の成分で構成された殺菌剤1重量部に対
して、水1〜100重量部程度の範囲から選択でき、有
機溶媒を単独で又は水と併用する場合、有機溶媒の使用
量は、有効成分の総量1重量部に対して1〜100重量
部程度の範囲から選択できる。
【0033】なお、水と有機溶媒との割合は、前記殺菌
剤の活性および安定性を損わない範囲で選択でき、例え
ば、水/有機溶媒=95/5〜5/95(重量比)、好
ましくは10/90〜90/10(重量比)、さらに好
ましくは25/75〜75/25(重量比)程度であ
る。
【0034】前記殺菌剤には、その目的、用途などに応
じて、種々の添加剤、例えば、界面活性剤、カルボキシ
メチルセルロース、アルギン酸とその塩、ポリビニルア
ルコールなどの安定剤、防錆剤などの助剤、ベントナイ
ト、植物油、他の殺菌剤や殺虫剤、香料などを添加して
もよい。
【0035】界面活性剤としては、石鹸類、ノニオン系
界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活
性剤、両イオン系界面活性剤、高分子系界面活性剤など
を使用できる。これらの界面活性剤は一種または二種以
上併用できる。好ましい界面活性剤には、ノニオン系界
面活性剤、アニオン系界面活性剤が含まれる。
【0036】ノニオン系界面活性剤としては、例えば、
ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、脂肪酸多価ア
ルコールエステル、脂肪酸多価アルコールポリオキシエ
チレンエーテル、脂肪酸ショ糖エステル、酸化エチレン
と酸化プロピレンとのブロック共重合体などが挙げられ
る。
【0037】アニオン系界面活性剤としては、例えば、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンス
ルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリカルボ
ン酸とその塩、2−スルホコハク酸ジアルキル塩、ポリ
オキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェ
ート塩、リグニンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩
などが挙げられる。前記塩としては、例えば、アンモニ
ウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属
塩が挙げられる。
【0038】界面活性剤の使用量は、例えば、液剤の場
合、液剤100重量部に対して0.01〜10重量部、
好ましくは0.1〜5重量部程度である場合が多い。
【0039】なお、液剤において、式(I)で表される
イソチアゾロン化合物の濃度は、0.5〜10重量%、
好ましくは0.8〜5重量%、さらに好ましくは1〜2
重量%程度である場合が多い。
【0040】前記液剤は、慣用の方法、例えば、必要に
応じて界面活性剤や他の添加剤とともに、前記成分と溶
媒とを撹拌手段により撹拌混合することにより調製でき
る。
【0041】本発明の殺菌剤は、少量であっても長期に
亘り安定した殺菌及び/又は抗菌活性を示すので、前記
殺菌剤を、防腐や防黴などが必要とされる被殺菌液(被
処理液)に添加することにより効率よく殺菌又は抗菌で
き、高い防腐・防黴効果を維持できる。そのため、前記
殺菌剤は、種々の用途、例えば、製紙パルプ工場、冷却
水循環工程のスライムコントロール剤、殺菌洗浄剤とし
て利用できるととともに、金属加工油剤、カゼイン、澱
粉塗工液、表面サイズ剤、水性塗料、水性接着剤におけ
る防腐剤、防黴剤などの工業用殺菌剤として使用でき
る。
【0042】製紙工程に用いる場合、パルプがスラリー
状で存在する場所、例えば、パルプ濃度の比較的低いリ
フラー、フローボックス、白水ピットなどに殺菌剤を添
加するのが好ましい。また、合成樹脂エマルジン、澱粉
糊、にかわ、切削油などには、殺菌剤を直接添加しても
よく、或いはその二次製品であるコーティングカラー、
塗料、印刷インキ、接着剤、サイズ剤などに殺菌剤を添
加してもよい。また、化粧用品、不織布、皮革などの殺
菌処理などにも利用できる。
【0043】本発明の殺菌剤は、イソチアゾロン化合物
とハロニトロ化合物とを組合せた従来の殺菌剤に比べ
て、同一の添加量では、持続時間が約2倍以上となる。
すなわち、1/2程度の添加量で、従来の殺菌剤と同等
以上の抗菌活性を維持する。そのため、少量の添加によ
り高い活性を維持でき、被処理液の性質、例えば、分散
安定性、流動性などに悪影響を及ぼすことがない。
【0044】殺菌剤の添加量は、被殺菌液(被処理液)
の種類に応じて、0.1〜10000ppm、好ましく
は1〜1000ppm、さらに好ましくは10〜500
ppm程度の範囲から適当に選択できる。殺菌剤の添加
量は、例えば、製紙工業用水の場合は用水量に対して
0.1〜200ppm、好ましくは0.1〜50ppm
程度、合成樹脂エマルジョンに対しては1〜1000p
pm、好ましくは10〜500ppm程度、表面サイズ
剤に対しては1〜1000ppm、好ましくは10〜5
00ppm程度、澱粉糊をバインダーとして用いるコー
ティングカラーに対しては1〜1000ppm、好まし
くは10〜200ppm程度である。
【0045】
【発明の効果】本発明の殺菌剤は、3成分のうち2,2
−ジハロ−2−ニトロエタノールと2−ハロ−2−ニト
ロプロパン−1,3−ジオールとを特定の割合で使用す
るので、少量であっても高い抗菌活性を長時間に亘り維
持できる。また、殺菌剤は、安定性が高く、高い抗菌活
性を持続できる。
【0046】本発明の方法では、前記殺菌剤を用いるの
で、殺菌剤の使用量を低減できるとともに、高い抗菌活
性により、被処理液を効率よく殺菌できる。
【0047】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0048】実施例1 2−メチル−5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−オ
ンの工業用原体(ロームアンドハース社製、ケーソンW
T、有効成分濃度10.5重量%)10.7重量部、2
−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(ナ
ガセ化成(株)製、BNPD)5.0重量部、2,2−
ジブロモ−2−ニトロエタノールの工業用原体(ケイ・
アイ化成(株)製、ジブニロールA−75、有効成分濃
度75.8重量%)19.8重量部とを混合し、エチレ
ングリコールを添加して総量100重量部とした。
【0049】実施例2 2−メチル−5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−オ
ンの工業用原体14.3重量部、2−ブロモ−2−ニト
ロプロパン−1,3−ジオール10.0重量部、2,2
−ジブロモ−2−ニトロエタノールの工業用原体26.
0重量部とを混合し、エチレングリコールで100重量
部とした。
【0050】実施例3 2−メチル−5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−オ
ンの工業用原体10.7重量部、2−ブロモ−2−ニト
ロプロパン−1,3−ジオール5.0重量部、2,2−
ジブロモ−2−ニトロエタノールの工業用原体9.9重
量部とを混合し、エチレングリコールで100重量部と
した。
【0051】比較例1 2−メチル−5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−オ
ンの工業用原体53.5重量部、2−ブロモ−2−ニト
ロプロパン−1,3−ジオール15.0重量部、2,2
−ジブロモ−2−ニトロエタノールの工業用原体19.
8重量部とを混合し、エチレングリコールで100重量
部とした。
【0052】比較例2 2−メチル−5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−オ
ンの工業用原体10.7重量部、2−ブロモ−2−ニト
ロプロパン−1,3−ジオール7.5重量部、2,2−
ジブロモ−2−ニトロエタノールの工業用原体6.6重
量部とを混合し、エチレングリコールで100重量部と
した。
【0053】比較例3 2−メチル−5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−オ
ンの工業用原体14.3重量部、2−ブロモ−2−ニト
ロプロパン−1,3−ジオール20.0重量部、2,2
−ジブロモ−2−ニトロエタノールの工業用原体13.
2重量部とを混合し、エチレングリコールで100重量
部とした。
【0054】比較例4 2−メチル−5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−オ
ンの工業用原体10.7重量部、2−ブロモ−2−ニト
ロプロパン−1,3−ジオール15.0重量部、2,2
−ジブロモ−2−ニトロエタノールの工業用原体6.6
重量部とを混合し、エチレングリコールで100重量部
とした。
【0055】比較例5 2−メチル−5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−オ
ンの工業用原体17.9重量部、2−ブロモ−2−ニト
ロプロパン−1,3−ジオール5.0重量部とを混合
し、エチレングリコールで100重量部とした。
【0056】比較例6 2−メチル−5−クロロ−4−イソチアゾリン−3−オ
ンの工業用原体15.7重量部、2,2−ジブロモ−2
−ニトロエタノールの工業用原体10.6重量部とを混
合し、エチレングリコールで100重量部とした。
【0057】前記実施例1〜3および比較例1〜6で調
製した殺菌剤の組成を表1に示す。
【0058】前記実施例および比較例で調製した殺菌剤
を、それぞれ、表面サイズ剤250mlに表1に示す濃
度で添加し、33℃で密封保存した。そして、試料調製
時から14日間に亘り、試料中の生菌数をブイヨン寒天
培地を用いて測定するとともに、試料のpHも測定し
た。なお、前日と比較して菌数の増加が認められない日
数を、菌の生育抑制日数とし、培地のpHが約8から4
程度に急激に低下する現象が生じるまでの日数を、pH
維持日数として表1に示した。
【0059】
【表1】 表1より明らかなように、三種類の有効成分のうち二種
類の有効成分を特定の割合で組合せた実施例の殺菌剤
は、比較例の殺菌剤に比べて、約1/2の添加量であっ
ても、比較例の殺菌剤と同等又はそれ以上の高い抗菌活
性を長時間に亘って維持できる。また、実施例の殺菌剤
は、pHを長時間に亘り安定に維持でき、被処理液に悪
影響を及ぼすこともない。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素原子又はハロゲン原子を示し、R2
    は水素原子又はアルキル基を示す)で表される化合物、
    2,2−ジハロ−2−ニトロエタノール、および2−ハ
    ロ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを含み、
    2,2−ジハロ−2−ニトロエタノールと2−ハロ−2
    −ニトロプロパン−1,3−ジオールとの割合が前者/
    後者=55〜85/45〜15(重量%)である殺菌
    剤。
  2. 【請求項2】 式(I)で表される化合物1重量部に対
    して、2,2−ジハロ−2−ニトロエタノールおよび2
    −ハロ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを総量
    3〜40重量部含む請求項1記載の殺菌剤。
  3. 【請求項3】 式(I)で表される化合物において、R
    1 が水素原子又は塩素原子であり、R2 が炭素数1〜3
    のアルキル基又は炭素数7〜9のアルキル基である請求
    項1記載の殺菌剤。
  4. 【請求項4】 2,2−ジハロ−2−ニトロエタノール
    および2−ハロ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオー
    ルにおけるハロゲン原子が、塩素原子又は臭素原子であ
    る請求項1記載の殺菌剤。
  5. 【請求項5】 2−メチル−5−クロロ−4−イソチア
    ゾリン−3−オン、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタ
    ノールおよび2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3
    −ジオールを含む請求項1記載の殺菌剤。
  6. 【請求項6】 2−メチル−5−クロロ−4−イソチア
    ゾリン−3−オン1重量部に対して、2,2−ジブロモ
    −2−ニトロエタノールと2−ブロモ−2−ニトロプロ
    パン−1,3−ジオールとの割合が前者/後者=55〜
    85/45〜15(重量%)である薬剤を総量5〜30
    重量部含む請求項1記載の殺菌剤。
  7. 【請求項7】 工業用殺菌剤である請求項1記載の殺菌
    剤。
  8. 【請求項8】 サイズ剤用の殺菌剤である請求項1記載
    の殺菌剤。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の殺菌剤を被殺菌液に添加
    する殺菌方法。
  10. 【請求項10】 殺菌剤0.1〜10000ppmを添
    加する請求項9記載の殺菌方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002003307A (ja) * 2000-06-23 2002-01-09 Takeda Chem Ind Ltd 工業用殺菌剤
JP2004346002A (ja) * 2003-05-22 2004-12-09 Kureasutaa:Kk 持続性防腐剤
JP2011001272A (ja) * 2009-06-16 2011-01-06 Permachem Asia Ltd 工業用防腐、殺菌剤組成物

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