JP2000044407A - 有害微生物撲滅剤 - Google Patents
有害微生物撲滅剤Info
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Abstract
囲の抗菌スペクトルを有し、各種有害微生物に対して良
好な繁殖抑制効果を示し、紙パルプ工業分野における用
水系をはじめ、種々の産業分野において好適に使用しう
る有害微生物撲滅剤を提供する。 【解決手段】 (A)2,2‐ジブロモ‐3‐ニトリロ
プロピオンアミドと、(B)イソチアゾロン化合物やイ
ソチアゾロン錯化合物と、(C)α‐クロロベンズアル
ドキシムアセテート又は2,2‐ジブロモ‐2‐ニトロ
エタノールとを組み合わせて有害微生物撲滅剤とする。
Description
滅剤、さらに詳しくは、従来の工業用殺菌剤と同量以下
の使用で広範囲の抗菌スペクトルを有し、各種有害微生
物に対して良好な繁殖抑制効果を示し、紙パルプ工業分
野における用水系をはじめ、種々の産業分野において好
適に使用しうる有害微生物撲滅剤に関するものである。
系、例えば、抄紙工程からの排水いわゆる白水や各種産
業分野における循環冷却水などの種々の用水系の他、工
業用水を使用して調製される水性塗料、紙用塗工液、ラ
テックス、高分子エマルション、切削油などの金属加工
油剤、皮革、捺染糊、接着剤、木材などの分野で用いら
れる工業用水では、有害な微生物が繁殖しやすく、これ
が生産性や品質の低下の原因となっている。特に紙パル
プ工業分野における用水系では、細菌、糸状菌、酵母類
の増繁殖によるスライムが発生し、パルプスラリーが流
れる水路、とりわけスラリーが接する壁面の粗いチェス
ト、フローボックス、輸送パイプ、その他パルプスラリ
ーの流速が低下して淀みを生じる場所においては、スラ
イムの形成が認められる。
し、紙切れや紙パルプ製品の汚染の原因となるほか、微
生物の繁殖による種々の障害をもたらし、特に高速マシ
ンを使用する際には、著しい生産性低下、経済的損失を
招来する。
系における微生物の増繁殖は、冷却性能や乳化性を阻害
したり、悪臭を発生し作業環境を悪化させるなど公衆衛
生上好ましくない現象を引き起こす。その他、有害微生
物の増繁殖による障害は、水性塗料、紙用塗工液、高分
子ラテックス、製紙用パルプ、糊、皮革、木材、金属加
工油剤などの工業製品にもみられる。
おける有害微生物の発生を抑制あるいは防除する薬剤と
しては、有機金属化合物類、第四級アンモニウム塩化合
物などが使用されてきたが、これらの化合物類は人体に
対して毒性を有する上に、悪臭や異臭を発生したり、発
泡のような取扱い上好ましくない現象を伴う上、これら
の防除剤を含有する水は、これを一般河川や海などに投
流した場合には、魚介類に対し悪影響を与え環境保全上
にも問題がある。
ハロシアノアセトアミドとイソチアゾロン化合物からな
る紙パルプ抄造系用抗菌剤(特開昭61−83105号
公報)、シアノアセトアミド化合物とα‐クロロベンズ
アルドキシムアセテートを有効成分とする非医療用防菌
防藻剤(特公昭57−54482号公報)、イソチアゾ
ロン化合物とα‐クロロベンズアルドキシムアセテート
からなる防菌防カビ剤(特開平6−183917号公
報)、ハロゲン化脂肪族ニトロアルコールとハロシアノ
アセトアミドからなる防菌剤(特開昭60−23160
3号公報)、3‐イソチアゾロン化合物及びその金属塩
コンプレックスの中から選ばれた1種以上と2,2‐ジ
ブロモ‐3‐ニトリロプロピオンアミドからなる工業用
殺菌組成物(特開昭62−70301号公報)及びイソ
チアゾロン錯化合物とハロゲン化脂肪族ニトロアルコー
ルからなる工業用殺菌剤(特開昭63−316702号
公報)などを使用することが提案されているが、これら
のものは、抗菌スペクトルが狭く、しかも抗菌活性を維
持するために多量の殺菌剤を添加する必要があった。
事情のもとで、広範囲の抗菌スペクトルを有し、多くの
微生物に対して良好な繁殖抑制効果を示し、しかも抗菌
活性を維持するための薬剤添加量を従来と同量以下とす
ることができる有害微生物撲滅剤を提供することを目的
としてなされたものである。
抗菌スペクトルを有する有害微生物撲滅剤を開発すべく
種々研究を重ねた結果、従来工業用殺菌剤として用いら
れているハロシアノアセトアミドを主剤とし、これに特
定の薬剤とを組み合わせたものがその相乗効果によっ
て、これまでの工業用殺菌剤よりも広範囲の有害微生物
に対して有効に作用して、その繁殖を抑制することを見
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
ロモ‐3‐ニトリロプロピオンアミドと、(B)イソチ
アゾロン化合物及びイソチアゾロン錯化合物の中から選
ばれた少なくとも1種と、(C)α‐クロロベンズアル
ドキシムアセテート又は2,2‐ジブロモ‐2‐ニトロ
エタノールを含有することを特徴とする有害微生物撲滅
剤を提供するものである。
ては、(A)成分の主剤として、式
ンアミドが用いられる。
て、一般式
り、それらはたがいに同一であってもよいし、異なって
いてもよく、R3は水素原子又は置換若しくは非置換の
一価炭化水素基である)で表わされるイソチアゾロン化
合物、及び一般式
原子であり、それらはたがいに同一であってもよいし、
異なっていてもよく、R6は水素原子又は置換若しくは
非置換の一価炭化水素基であり、Mは金属カチオン又は
アンモニウムイオン、Xは錯化合物を形成するアニオ
ン、aは1又は2、bはアニオンXがカチオンMの原子
価を満たす数である)で表わされるイソチアゾロン錯化
合物の中から選ばれた少なくとも1種を用いることが必
要である。
て、R1、R2、R4およびR5のうち、ハロゲン原子とし
ては、例えば塩素原子、臭素原子が好ましく、異なって
いてもよいが、特に、R1が水素原子でR2が塩素原子、
R4が水素原子でR5が塩素原子であるものが防菌効果が
高いので好ましい。また、R3及びR6のうちの非置換の
炭化水素基としては、例えばメチル基、プロピル基、ブ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などの炭素数
1〜18のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、シクロオクチル基などの炭素数5〜18のシク
ロアルキル基などが挙げられる。置換炭化水素基として
は、上記炭化水素基に適当な置換基、例えば、塩素原子
や臭素原子のようなハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、ヒドロキシル基などが導入されたものを挙げること
ができる。
例としては、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、硫酸亜
鉛、酢酸亜鉛、塩化銅、臭化銅、硫酸銅、塩化ニッケ
ル、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシ
ウム、塩化鉄、塩化マンガン、塩化ナトリウム、塩化バ
リウム、塩化アンモニウムなどが挙げられるが、これら
の中で硝酸マグネシウム及び塩化カルシウムが化合物の
安定性に優れるので好適である。
ン化合物及び一般式(III)で表わされるイソチアゾ
ロン錯化合物としては、例えば、2‐メチル‐3‐イソ
チアゾロン、2‐プロピル‐3‐イソチアゾロン、2‐
オクチル‐3‐イソチアゾロン、4‐クロロ‐2‐メチ
ル‐3‐イソチアゾロン、5‐クロロ‐2‐メチル‐3
‐イソチアゾロン、4‐ブロモ‐2‐メチル‐3‐イソ
チアゾロン、4,5‐ジクロロ‐2‐メチル‐3‐イソ
チアゾロン、4,5‐ジブロモ‐2‐メチル‐3‐イソ
チアゾロン、4,5‐ジクロロ‐2‐オクチル‐3‐イ
ソチアゾロン、4,5‐ジブロモ‐2‐オクチル‐3‐
イソチアゾロン及びその錯化合物を挙げることができる
が、これらの中で、特に5‐クロロ‐2‐メチル‐3‐
イソチアゾロン及び5‐クロロ‐2‐メチル‐3‐イソ
チアゾロンマグネシウムナイトレートが防菌性、殺菌性
に優れるので好ましい。
合物やイソチアゾロン錯化合物は単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を
組み合わせて用いる場合には、5‐クロロ‐2‐メチル
‐3‐イソチアゾロンと2‐メチル‐3‐イソチアゾロ
ンとの重量比15:1ないし1:1の混合物が、イソチ
アゾロン錯化合物の場合、5‐クロロ‐2‐メチル‐3
‐イソチアゾロンマグネシウムナイトレートと2‐メチ
ル‐3‐イソチアゾロンマグネシウムナイトレートとの
重量比5:1ないし1:1の混合物が、殺バクテリア性
及び殺カビ性に優れるので好ましい。
(B)成分との配合割合は、重量比で25:1ないし
1:25の範囲で選ぶのが好ましい。この範囲より
(A)成分が多く(B)成分が少ないとバクテリア育成
抑制効果が低下するおそれがあるし、この範囲より
(A)成分が少なく(B)成分が多いと殺バクテリア効
果が低下する傾向がある。バクテリア育成抑制効果及び
殺バクテリア効果の点から、(A)成分と(B)成分と
のより好ましい配合割合は、重量比で20:1ないし
1:10の範囲である。
らに(C)成分として、式
ト、又は式
を用いることが必要である。
アルドキシムアセテートを用いる場合、その配合量は、
前記(A)成分と(B)成分との合計量100重量部当
り、好ましくは、1〜100重量部、より好ましくは1
〜50重量部の範囲で選ぶのが有利であり、これにより
相乗効果が発揮され、バクテリア、カビに対する殺菌、
抑制効果の優れたものとなる。
モ‐2‐ニトロエタノールを用いる場合には、その配合
量は、前記(A)成分と(B)成分との合計量100重
量部当り、好ましくは1〜300重量部、より好ましく
は5〜300重量部の範囲で選ぶのが有利であり、これ
により、上記と同様に相乗効果が発揮され、バクテリ
ア、カビに対する殺菌、抑制効果の優れたものとなる。
このように、本発明においては、(A)成分、(B)成
分及び(C)成分を組み合わせることにより、はじめて
広範囲の有害微生物に対して有効で、しかも抗菌活性を
維持するための薬剤添加量を従来と同量以下とすること
ができる。
前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を均一に混
合することにより調製されるが、一般的には溶剤溶液と
して使用に供される。ここで使用することのできる溶剤
としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル
系溶剤、炭化水素系溶剤などが挙げられ、また、プロピ
レンカーボネート、エチレンカーボネート、グルタル酸
ジメチル、エチレングリコールジアセテートなどの溶剤
を使用しても安定な製剤を得ることができる。
の添加量は、微生物濃度により異なるが、一般的に紙パ
ルプ工業などの分野における用水系の場合は、(A)成
分、(B)成分及び(C)成分の合計量に基づき1〜5
0ppm程度、水性塗料、糊、皮革などの分野の場合2
0〜400ppm程度であり、この範囲で良好な効果が
得られる。
目的を阻害しない範囲で、所望に応じ安定剤、界面活性
剤などを添加することができる。界面活性剤としては、
カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオ
ン性界面活性剤、両性界面活性剤などが適用できる。特
にノニオン性界面活性剤が製剤の安定性の面で有利であ
る。
有する3成分以上を組み合わせることにより、それぞれ
上記成分からは予想することのできない特有の相乗効果
が発揮され、殺菌しうる微生物の範囲が大幅に拡大され
て、極めて広範囲の抗菌スペクトルを有するとともに、
優れた防菌防カビ効果を発揮し、かつ各種微生物の繁殖
を効果的に抑制することができ、しかも、抗菌活性を維
持するための薬剤添加量を従来と同量以下とすることが
できる。
プ工業における用水系、例えば抄紙工程の白水や各種産
業分野における循環冷却水などの種々の用水系のほか、
水性塗料、紙用塗工液、ラテックス、高分子エマルショ
ン、捺染糊、切削油などの金属加工油剤、接着剤、皮
革、木材などの分野に好適に用いられる。
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
の化合物を意味する。 DBNPA:2,2‐ジブロモ‐3‐ニトリロプロピオ
ンアミド IT :5‐クロロ‐2‐メチル‐3‐イソチアゾ
ロンと2‐メチル‐3‐イソチアゾロンとの重量比1
0:2.6混合物 ITC :5‐クロロ‐2‐メチル‐3‐イソチアゾ
ロンマグネシウムナイトレートと2‐メチル‐3‐イソ
チアゾロンマグネシウムナイトレートとの重量比3:1
混合物 CBA :α‐クロロベンズアルドキシムアセテート DBNE :2,2‐ジブロモ‐2‐ニトロエタノール DEG :ジエチレングリコール PG :プロピレングリコール EGDA :エチレングリコールジアセテート
剤溶液を調製した。この有害微生物撲滅剤溶液につい
て、下記の方法に従い、殺菌試験を行った。結果を表2
に示す。
いて薬剤による殺菌試験を行った。実施例及び比較例の
各有害微生物撲滅剤溶液を白水中に表2に示す薬剤(有
効成分)濃度で添加し、15分間放置後、滅菌水にて希
釈する。この液の1mlを加熱溶解したワックスマン寒
天培地に混合、固化し32℃で培養を行った。48時間
後に微生物の繁殖程度をバクテリアとカビに分けて調
べ、以下に示す基準に従い評価した。また、この結果に
より微生物を殺菌する温度を求めた。
の。 ±:1個以上10個未満のコロニーが見られるもの。 −:コロニーが見られないもの。 カビに対する効果; 2:10個以上100個未満のコロニーが見られるも
の。 1:1個以上10個未満のコロニーが見られるもの。 0:コロニーが見られないもの。
Claims (5)
- 【請求項1】 (A)2,2‐ジブロモ‐3‐ニトリロ
プロピオンアミドと、(B)イソチアゾロン化合物及び
イソチアゾロン錯化合物の中から選ばれた少なくとも1
種と、(C)α‐クロロベンズアルドキシムアセテート
又は2,2‐ジブロモ‐2‐ニトロエタノールを含有す
ることを特徴とする有害微生物撲滅剤。 - 【請求項2】 (A)成分と(B)成分との配合割合が
重量比で25:1ないし1:25である請求項1記載の
有害微生物撲滅剤。 - 【請求項3】 (B)成分が5‐クロロ‐2‐メチル‐
4‐イソチアゾリン‐3‐オンと2‐メチル‐4‐イソ
チアゾリン‐3‐オンとの混合物である請求項1又は2
記載の有害微生物撲滅剤。 - 【請求項4】 (C)成分として、α‐クロロベンズア
ルドキシムアセテートを、(A)成分と(B)成分との
合計量100重量部当り、1〜100重量部の範囲で用
いる請求項1、2又は3記載の有害微生物撲滅剤。 - 【請求項5】 (C)成分として、2,2‐ジブロモ‐
2‐ニトロエタノールを、(A)成分と(B)成分との
合計量100重量部当り、1〜300重量部の範囲で用
いる請求項1、2又は3記載の有害微生物撲滅剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21749498A JP4201885B2 (ja) | 1998-07-31 | 1998-07-31 | 有害微生物撲滅剤 |
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---|---|
JP2000044407A true JP2000044407A (ja) | 2000-02-15 |
JP2000044407A5 JP2000044407A5 (ja) | 2005-10-27 |
JP4201885B2 JP4201885B2 (ja) | 2008-12-24 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21749498A Expired - Fee Related JP4201885B2 (ja) | 1998-07-31 | 1998-07-31 | 有害微生物撲滅剤 |
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JP (1) | JP4201885B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004346002A (ja) * | 2003-05-22 | 2004-12-09 | Kureasutaa:Kk | 持続性防腐剤 |
CN102919235A (zh) * | 2012-11-14 | 2013-02-13 | 安徽大地熊新材料股份有限公司 | 一种循环水的复合杀菌灭藻剂 |
-
1998
- 1998-07-31 JP JP21749498A patent/JP4201885B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004346002A (ja) * | 2003-05-22 | 2004-12-09 | Kureasutaa:Kk | 持続性防腐剤 |
CN102919235A (zh) * | 2012-11-14 | 2013-02-13 | 安徽大地熊新材料股份有限公司 | 一种循环水的复合杀菌灭藻剂 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP4201885B2 (ja) | 2008-12-24 |
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