JP2004017504A - 絶縁材付グラファイトフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】100〜200℃の範囲における平均線膨張係数が2.5×10−5cm/cm/℃以下、または/および複屈折が0.13以上であるポリイミドフィルム、または/および特殊な分子構造の繰り返し単位をもつポリイミドの中から選択された少なくとも2種類のポリイミドの共重合体、あるいは混合体からなるフィルムを、2400℃以上の温度で熱処理したフィルム状グラファイトの少なくとも片面に絶縁層を積層することを特徴とした絶縁材付グラファイトフィルムによって上記課題を解決しうる。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放熱フィルム、耐熱シール、ガスケット、発熱体、等として使用される、柔軟、かつ弾力性をもった絶縁材付グラファイトフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
グラファイトフィルムは抜群の耐熱性、耐薬品性、高熱伝導性、高電気伝導性、のため工業材料として重要な位置をしめ、放熱材料、耐熱シール材、ガスケット、発熱体、等として広く使用されている。
【0003】
人工的なグラファイトフィルムの製造方法の代表がエキスパンドグラファイト法と呼ばれる方法である。これは天然グラファイトを濃硫酸と濃硝酸の混合液に浸漬し、その後急激に加熱する事により製造される。この様にして製造されたグラファイトは洗浄によって酸を除いた後、高圧プレスする事によってフィルム状に加工される。しかし、この様にして製造されたグラファイトフィルムは強度も弱く、得られる物性値も十分なものでなく、さらに残留酸の影響などの問題もあった。
【0004】
この様な問題を解決するために、特殊な高分子を直接熱処理、グラファイト化する方法が開発された(以下、高分子グラファイト化法、と呼ぶ)。目的に使用される高分子としては、ポリオキサジアゾール、ポリイミド、ポリフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリアミド、などがある。この方法は従来エキスパンドグラファイト化法に比べて遥かに簡単な方法であり、本質的に酸などの不純物を含まない方法であり、さらには単結晶グラファイトに近い優れた熱伝導性や電気伝導特性が得られる、と言う特徴があった。
【0005】
この方法の詳細は、例えば、特公告平1−49642、特公告平1−57044、特開平4−310569、特開平3−75211、などに記載されている。
【0006】
しかし、この高分子グラファイト化法には以下に述べる二つの欠点があった。その第一は高分子グラファイト化法ではエキスパンドグラファイト法に比べ比較的薄いグラファイトしか得られないと言う点である。この様な欠点を改良するために、いろいろな方法が試みられたが、それでも現状では、出発原料フィルムの厚さが50μm以下でないと良質なグラファイトへの転化は出来ない。これは、熱処理の過程で、フィルム内部から発生するガスのために、フィルム自体がボロボロに破壊されるためであった。
【0007】
ポリイミドを柔軟性のある良質のグラファイトフィルムにするためにはグラファイト化終了時点で、均一発泡したフィルムにならなくてはならない。この状態を図1(a)に示した。この均一発泡状態のフィルムをロールがけする事によって柔軟性に富むグラファイトフィルムが出来るのである。これに対して焼き上がり状態でボロボロになった状況を図1(b)に示した。すなわち、(b)の状況にならない様にするためにはグラファイト化の過程で内部から発生するガスをうまく出す事が必要なのである。ロールがけする事によって出来上がった、柔軟性に富むグラファイトフィルムの状態を図1(c)に示した。
【0008】
第二の欠点は、グラファイト化のためには非常な高温と長時間の処理が必要であるという点である。一般に良質なグラファイトへの転化のためには2800℃以上の温度と当該温度領域で30分以上の保持が必要であった。
さらに近年、熱伝導性、導電性に優れたグラファイトフィルムに絶縁層を積層した絶縁材付グラファイトフィルムの要求も高まっている。絶縁層としては耐熱性、絶縁性及び密着性に優れることが要求されるが、全てを満足するものは得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の高分子グラファイト化法の欠点が解決され、従来の高分子グラファイト化法に比べて厚いグラファイトフィルムの作製が可能であり、かつ同じ厚さの高分子フィルムをグラファイト化する場合には、より低温、短時間でグラファイト化が可能であるフィルム状グラファイトの少なくとも片面に絶縁層を積層した絶縁材付グラファイトフィルムを提供する事にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
我々は、上記の問題を解決するために、グラファイト化可能な高分子の代表であるポリイミドを取り上げ、各種ポリイミドフィルムのグラファイト化を試みた。その結果、どの様なポリイミドでも良質のグラファイトに転化出来る訳ではなく、ポリイミドの分子構造およびその高次構造を制御する事、中でも分子配向性を制御する事が良質のグラファイトへの転化の必要条件である事が分った。
【0011】
本発明の第一は、100〜200℃の範囲における平均線膨張係数が2.5×10−5cm/cm/℃以下であるポリイミドフィルムを2400℃以上の温度で熱処理する事を特徴とするフィルム状グラファイトの少なくとも片面に絶縁層を積層した絶縁材付グラファイトフィルムである。我々はいろいろな観点から良質のグラファイトに転化できるポリイミドと、転化できないポリイミドを検討し、出発原料のどの様な物性値が最終的なグラファイト化に影響を与えるかを研究した。その結果、線膨張係数で表現できる物性が最も直接的に良質のグラファイトに転化出来るかどうかの指標となる事が分った。ここで言う線膨張係数はフィルム面方向の線膨張係数である。
【0012】
この様なポリイミドを出発原料として用いる事によって、グラファイトへの転化は2400℃から始まり、2700℃で十分良質のグラファイトに転化出来る事がわかった。これは、従来フィルム状グラファイトの原材料として用いられているような、例えば線膨張係数が2.5×10−5cm/cm/℃以上のポリイミドフィルムである場合、同じ程度グラファイト化を実現するために2800℃を必要としていたのに比較すると100℃もの低温でグラファイト化が実現した事になる。一般にグラファイト化のためには分子が再配列する必要があるが、配向性にすぐれたポリイミドではその再配列が最小で済むために、低温グラファイト化が実現したものと思われる。
【0013】
本発明の第二は、複屈折が0.13以上であるポリイミドフィルムを2400℃以上の温度で熱処理する事を特徴とする絶縁材付グラファイトフィルムである。複屈折の値はフィルム面方向の分子の配向性をより直接的に表す物性値であり、種々の検討の結果、その値が0.13以上である場合には優れたグラファイトへの転化が実現できる事が分った。
【0014】
本発明の第三は100〜200℃の範囲における平均線膨張係数が2.5×10−5cm/cm/℃以下であり、かつ、複屈折が0.13以上であるポリイミドフィルムを2400℃以上の温度で熱処理する事を特徴とする絶縁材付グラファイトフィルムである。
【0015】
本発明の第四は、下記、一般式(1)、(2)、(3)で表される繰り返し単位をもつポリイミドの中から選択された少なくとも2種類のポリイミドの共重合体、あるいは混合体からなるフィルムを、2400℃以上の温度で熱処理する事を特徴とする絶縁材付グラファイトフィルムである。
【0016】
【化8】
【0017】
【化9】
【0018】
【化10】
であり、R1は、
【0019】
【化11】
からなる群から選択される2価の有機基であって、R2はそれぞれ独立して、−CH3、−Cl、−Br、−F、または−CH3Oであり、
Rは
【0020】
【化12】
であって、ここでnは1〜3の整数。そしてXおよびYはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、カルボキシル基、炭素数6以下の低級アルキル基、または炭素数6以下のアルコキシ基、そしてAは、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、または−CH3−、である。
【0021】
この様なポリイミドを出発原料として用いる事によって、グラファイトへの転化は2400℃から始まり、2700℃で十分良質のグラファイトに転化出来る事がわかった。これは、従来のグラファイト化ポリイミド例としてもっぱら用いられてきたカプトン(一般式(2)からなるポリイミド)の場合、同じ程度グラファイト化を実現するために2800℃を必要としていたのに比較すると100℃もの低温でグラファイト化が実現した事になる。一般にグラファイト化のためには分子が再配列する必要があるが、配向性にすぐれたポリイミドではその再配列が最小で済むために、低温グラファイト化が実現したものと思われる。
【0022】
本発明の第五は、同じく良質のグラファイトに転化できるポリイミドの分子構造を述べたものである。
【0023】
すなわち、上記一般式(1)、(2)、で表される繰り返し単位を持つポリイミドと下記一般式(6)、(7)で表されるポリイミドなかから選択された少なくとも3種類のポリイミドの共重合体あるいは混合物、よりなる高分子フィルムを、2400℃以上の温度で熱処理する事を特徴とする絶縁材付グラファイトフィルムである。
【0024】
【化13】
【0025】
【化14】
すなわち一般式(4)、(5)、(6)、(7)で表される繰り返し単位を持つ、すくなくとも2種類以上のポリイミドの共重合体あるいは混合物、よりなる高分子フィルムを、2400℃以上の温度で熱処理する事を特徴とする絶縁材付グラファイトフィルムである。
【0026】
この様なポリイミドを出発原料として用いる事によって、グラファイトへの転化は2400℃から始まり、2700℃で十分良質のグラファイトに転化出来る事がわかった。これは、従来のグラファイト化ポリイミドの例としてもっぱら用いられてきたカプトン(一般式(2)からなるポリイミド)の場合、同じレベルのグラファイト化を実現するために2800℃を必要としていたのに比較すると100℃もの低温でグラファイト化が実現した事になる。一般にグラファイト化のためには分子が再配列する必要があるが、配向性にすぐれたポリイミドではその再配列が最小で済むために、低温グラファイト化が実現したものと思われる。
【0027】
また、本発明のポリイミドでは200μmの厚さのフィルムでもグラファイト化の過程でフィルムがボロボロになる事無く良質の発泡状態を実現し、ロールがけする事によって柔軟性のあるグラファイトフィルムになる事が分った。これは、グラファイト化の過程で発生ガスが分子配向面にそってうまく抜け出すためであろうと考えられる。これは従来のグラファイト化ポリイミド例としてもっぱら用いられてきたカプトン(一般式(2)からなるポリイミド)を用いた場合には、50μmまでしか良質のグラファイトに転化出来なかったのに比較すると遥かに厚手のグラファイトが出来る事を示している。
【0028】
本発明の第六は、同じく良質のグラファイトに転化できるポリイミドの分子構造を述べたものである。すなわち、4、4‘−オキシジアニリン、およびパラフェニレンジアミンをモル比で9/1〜4/6の割合で含むジアミンを用いて得られる、上記一般式(1)、(2)で表される繰り返し単位をもつポリイミド共重合体フィルムを、2400℃以上の温度で熱処理する事、を特徴とする絶縁材付グラファイトフィルムである。
【0029】
この様なポリイミドを出発原料として用いる事によって、グラファイトへの転化は2400℃から始まり、2700℃で十分良質のグラファイトに転化出来る事がわかった。これは、従来のグラファイト化ポリイミド例としてもっぱら用いられてきたカプトンの場合、同じ程度グラファイト化を実現するために2800℃を必要としていたのに比較すると100℃もの低温でグラファイト化が実現した事になる。一般にグラファイト化のためには分子が再配列する必要があるが、配向性にすぐれたポリイミドではその再配列が最小で済むために、低温グラファイト化が実現したものと思われる。
【0030】
また、本発明のポリイミドでは400μmの厚さのフィルムでもグラファイト化の過程でフィルムがボロボロになる事無く良質の発泡状態を実現し、ロールがけする事によって柔軟性のあるグラファイトフィルムになる事が分った。これは、グラファイト化の過程で発生ガスが分子配向面にそってうまく抜け出すためであろうと考えられる。これは、従来のグラファイト化ポリイミド例としてもっぱら用いられてきたカプトン(一般式(2)からなるポリイミド)を用いた場合には、50μmまでしか良質のグラファイトに転化出来なかったのに比較すると遥かに厚手のグラファイトが出来る事を示している。
【0031】
即ち、本発明のポリイミドは、50μ以上、より好ましくは100μ以上、のポリイミドフィルムのグラファイト化に好ましく使用できる。
【0032】
本発明の第七は、上記一般式(1)、(2)、(6)、(7)で表される繰り返し単位の数をそれぞれ、a、b、c、dとし、a+b+c+dをsとしたとき、(a+b)/s、(a+c)/s、(b+d)/s、(c+d)/sが0.25〜0.75を満たすポリイミドフィルムを2400℃以上の温度で熱処理する事、を特徴とするグラファイトフィルムの製造方法である。この様なポリイミドフィルムを用いる事により、この様なポリイミドを出発原料として用いる事によって、グラファイトへの転化は2400℃から始まり、2700℃で十分良質のグラファイトに転化出来る事がわかった。これは、従来のグラファイト化ポリイミド例としてもっぱら用いられてきたカプトンの場合、同じ程度グラファイト化を実現するために2800℃を必要としていたのに比較すると100℃もの低温でグラファイト化が実現した事になる。一般にグラファイト化のためには分子が再配列する必要があるが、配向性にすぐれたポリイミドではその再配列が最小で済むために、低温グラファイト化が実現したものと思われる。
【0033】
また、本発明のポリイミドでは1000μmの厚さのフィルムでもグラファイト化の過程でフィルムがボロボロになる事無く良質の発泡状態を実現し、ロールがけする事によって柔軟性のあるグラファイトフィルムになる事が分った。これは、グラファイト化の過程で発生ガスが分子配向面にそってうまく抜け出すためであろうと考えられる。従来のグラファイト化ポリイミド例としてもっぱら用いられてきたカプトン(一般式(2)からなるポリイミド)を用いた場合には、50μmまでしか良質のグラファイトに転化出来なかったのに比較すると遥かに厚手のグラファイトが出来る事を示している。
【0034】
本発明の第八は絶縁層がポリイミドを主成分とした絶縁材付グラファイトフィルムである。絶縁性、耐熱性に優れた絶縁材付グラファイトフィルムが得られる。本発明の第九は絶縁層が熱可塑性ポリイミドを主成分とする絶縁材付グラファイトフィルムである。耐熱性、絶縁性に優れ、加工性に優れた絶縁層を形成できる。
【0035】
本発明の第十は絶縁層が溶媒可溶性熱可塑性ポリイミドと熱硬化性樹脂を主成分とする絶縁材付グラファイトフィルムである。熱硬化性樹脂を配合するためには熱可塑性ポリイミドが溶媒可溶であることが望ましい。熱可塑性ポリイミドのもつ耐熱性、絶縁性に加え優れた密着性を有する絶縁層を形成できる。
【0036】
本発明の第十一は絶縁層がフッ素系樹脂を主成分とする絶縁材付グラファイトフィルムである。耐熱性、絶縁性に優れた絶縁層を形成できる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明のポリイミドフィルムは、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の有機溶剤溶液を、エンドレスベルト、ステンレスドラムなどの支持体上に流延し、乾燥・イミド化させることにより製造される。 本発明に用いられるポリアミド酸の製造方法としては公知の方法を用いることができ、通常、芳香族酸二無水物の少なくとも1種とジアミンの少なくとも1種を、実質的等モル量を有機溶媒中に溶解させて、得られたポリアミド酸有機溶媒溶液を、制御された温度条件下で、上記酸二無水物とジアミンの重合が完了するまで攪拌することによって製造される。これらのポリアミド酸溶液は通常5〜35wt%、好ましくは10〜30wt%の濃度で得られる。この範囲の濃度である場合に適当な分子量と溶液粘度を得る。
【0038】
重合方法としてはあらゆる公知の方法を用いることができるが、特に好ましい重合方法として次のような方法が挙げられる。すなわち、
1)芳香族ジアミンを有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させて重合する方法。
【0039】
2)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過小モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る。続いて、全工程において芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物が実質的に等モルとなるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法。
【0040】
3)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過剰モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る。続いてここに芳香族ジアミン化合物を追加添加後、全工程において芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物が実質的に等モルとなるように芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いて重合する方法。
【0041】
4)芳香族テトラカルボン酸二無水物を有機極性溶媒中に溶解及び/または分散させた後、実質的に等モルとなるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法。
【0042】
5)実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法。
などのような方法である。
【0043】
ここで、本発明にかかるポリイミド前駆体ポリアミド酸組成物に用いられる材料について説明する。
【0044】
本ポリイミドにおける使用のための適当な酸無水物は、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びそれらの類似物を含み、これらを単独または、任意の割合の混合物が好ましく用い得る。
【0045】
これらのうち、本発明において用いられるポリイミド前駆体ポリアミド酸組成物において最も適当な酸二無水物はピロメリット酸二無水物及びまたはp−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)あり、これら単独もしくは2者の合計モルが全酸二無水物に対して40モル%以上、更には50モル%以上、更には70モル%以上、また更には80モル%以上用いるのが好ましい。
【0046】
本発明にかかるポリイミド前駆体ポリアミド酸組成物において使用し得る適当なジアミンとしては、4,4‘−オキシジアニリン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル N−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン及びそれらの類似物などが挙げられる。これらジアミン化合物の中で、4,4‘−オキシジアニリン及びp−フェニレンジアミンをモル比で9/1〜4/6の範囲で用いるのが好ましい。これら2種のジアミンのモル比がこの範囲を外れると、線膨張係数が大きくなる、フィルムが脆弱となり耐屈曲性が低下するなどの問題が起きやすくなる。
【0047】
ポリアミド酸を合成するための好ましい溶媒は、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどであり、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが特に好ましく用い得る。
【0048】
これらポリアミド酸溶液からポリイミドフィルムを製造する方法については従来公知の方法を用いることができる。この方法には熱イミド化法と化学イミド化法が挙げられる。化学キュア法は、ポリアミド酸有機溶媒溶液に、無水酢酸等の酸無水物に代表される脱水剤と、イソキノリン、β−ピコリン、ピリジン等の第三級アミン類等に代表されるイミド化触媒とを作用させる方法である。化学イミド化法に熱イミド化法を併用してもよい。加熱条件は、ポリアミド酸の種類、フィルムの厚さ等により、変動し得る。
【0049】
これらのうちで化学イミド化法または化学イミド化法と熱イミド化法の併用を採用する方が熱イミド化法の場合よりも線膨張係数が小さくなる傾向があり好ましい。
【0050】
この様にして100〜200℃の範囲における平均線膨張係数が2.5×10−5cm/cm/℃以下、好ましくは2.0×10−5cm/cm/℃以下、更に好ましくは1.5×10−5cm/cm/℃以下、であるポリイミドフィルムを得ることができる。フィルムの線膨張係数はTMA(熱機械分析装置)を用いて、3mm幅×20mm長で装置にセットし3g荷重、引張りモードで評価した。まず試料を10℃/分の昇温速度で350℃まで昇温させたのち一旦室温まで空冷し、再度10℃/分の昇温速度で350℃まで昇温させ、2回目の昇温時から100℃〜200℃の平均線膨張係数とした。また更にフィルムの弾性率については、200kg/mm2、以上であり、更には250kg/mm2、以上、より好ましくは350kg/mm2、以上である事が好ましい。尚、フィルムの弾性率は、ASTM D 882に準拠して測定した。
【0051】
また、本発明に用いられるポリイミドフィルムは、面内配向性を示す複屈折Δnがフィルム面内のどの方向においても0.13以上、好ましくは0.15以上、最も好ましくは0.16以上であることが好ましい。ここでいう複屈折とはフィルム面内方向の屈折率と厚み方向の屈折率の差であり、本明細書においてはフィルム面内X方向の複屈折Δnxは下式で与えられる。
【0052】
複屈折Δnx=(面内X方向の屈折率Nx)−(厚み方向の屈折率Nz)
具体的測定方法を説明すると、フィルム試料をくさび形に切り出してナトリウム光をフィルム面内のX方向に垂直な方向から当て、偏光顕微鏡で観察すると干渉縞がみられる。この干渉縞の数をnとすると、フィルム面内X方向の複屈折Δnxは、
Δn=n×λ/d
で表される。ここで、λはナトリウム光の波長589nm、dは試料の巾(nm)である。詳しくは「新実験化学講座」第19巻(丸善(株))などに記載されている。
【0053】
なお、前記した「複屈折Δnがフィルム面内のどの方向においても」とは、例えばフィルム製膜時の流れ方向を基準として、面内の0゜方向、45゜方向、90゜方向、135゜方向のどの方向においても、の意味である。
【0054】
次に、ポリイミドフィルムのグラファイト化のプロセスについて述べる。
【0055】
本発明では出発物質であるポリイミドフィルムを窒素ガス中で予備加熱し、炭素化を行う。予備加熱は通常1000℃程度の温度で行い、例えば、10℃/分昇温速度で予備処理を行った場合には1000℃の温度領域で30分程度の保持を行なう事が望ましい。予備処理の段階では出発高分子フィルムの配向性が失われない様に、フィルムの破壊が起きない程度の面方向の圧力を加える事が有効である。
【0056】
次に、上記の方法で炭素化されたフィルムを自由に伸び縮み出来るように超高温炉内にセットし、グラファイトを行なう。グラファイト化は不活性ガス中で行なうが不活性ガスとしてはアルゴンが最も適当であり、アルゴンに少量のヘリウムを加えるとさらに好ましい。処理温度は最低でも2400℃以上が必要で最終的には2700℃以上の温度で処理する事、より好ましくは2800℃以上が好ましい。
【0057】
処理温度は高ければ高いほど良質のグラファイトに転化出来るが、経済性の面からは出来るだけ低温で良質のグラファイトに転化できる事が好ましい。2500℃以上の超高温を作り出すには、通常グラファイトヒーターに直接電流を流し、そのジュ−ル熱を利用して過熱を行なう。このグラファイトヒーターの消耗は2700℃以上で進行し、2800℃では消耗速度は約10倍、2900℃ではさらにその約10倍になる。従って良質のグラファイトに転化出来る温度を、原材料の高分子フィルムの工夫で、例えば2800℃から2700℃に下げる事は大きな経済的な効果を生む。
【0058】
グラファイト化は前処理で作製した炭素化フィルムをグラファイト構造に転化する事によって起きるが、その際には炭素−炭素結合の開裂・再結合化が起きなくてはならない。グラファイト化を出来る限り低温で起こすためには、その開裂・再結合が最小のエネルギーで起こる様にする必要がある。出発ポリイミドフィルムの分子配向は炭素化フィルムの炭素の配列に影響を与え、それはグラファイト化の際の炭素−炭素結合の開裂・再結合化のエネルギーを少なくする効果を持つ。従って分子が配向するように分子設計を行い、高度な配向を生むことで低温でのグラファイト化が可能になるのである。特にこの配向はフィルムの面方向に二次元的な分子配向とすることで一層の効果を持つ。
【0059】
グラファイト化反応の特徴の第二は一般に炭素化フィルムが薄いほどより低温でグラファイト化が進行する事である。これは、先に述べたことと同じ理由で、表面では分子が動きやすいため炭素−炭素間の開裂・再結合化が進行しやすいためである。従って、厚い炭素化フィルムをグラファイト化する時には表面ではグラファイト構造が形成されているのに内部ではまだグラファイト構造になっていないと言う状況が生まれる。炭素化フィルムの配向性はフィルム内部でのグラファイト化を促進し、結果的に低温での良質のグラファイトへの転化を実現する。
【0060】
炭素化フィルムの表面と内部とでほぼ同時にグラファイト化が進行すると言うことは内部から発生するガスのために表面に形成されたグラファイト構造が破壊すると言う事態を避ける事にも役立ち、より厚いフィルムのグラファイト化を可能にする。本発明のポリイミドフィルムはまさにこの様な役割を果たすのに最適な分子配向を有していると考えられる。
【0061】
この様な理由で、本発明のポリイミドフィルムでは従来のグラファイト化可能なポリイミドの厚さより厚いフィルムのグラファイト化が可能であった。具体的には厚さ800μmのフィルムにおいても、適当な熱処理プロセスを選択する事により、良質なグラファイトフィルムへの転化が可能であった。
【0062】
また、絶縁層は得られたフィルム状グラファイトに直接塗布しても良いし、一度フィルム状にした後プレス、ラミネート等の装置を用い積層してもかまわない。フィルム状にする方法としてはPETフィルム等の離型材上に溶液状の絶縁材を塗布した後、加熱乾燥させ溶媒を取り除きPETフィルムを剥がし、単層フィルムを得る方法、ポリイミドフィルムに溶液状の絶縁材を塗布した後、加熱乾燥させ溶媒を取り除きそのままグラファイトに積層する方法等が挙げられるが限定されるものではない。絶縁層の厚みは限定されないが、5〜500μm、好ましくは10〜300μm、さらに好ましくは20〜250μmである。
【0063】
これらのフィルム状グラファイトに絶縁材等を積層する際、絶縁層の密着性を向上させるため、フィルム状グラファイトにコロナ処理やプラズマ処理等の密着性を改善しうる表面改質を行うことが有効である。
【0064】
また、絶縁層として用いられるポリイミド樹脂は限定されない。特に本発明のグラファイトフィルムに用いられる構造のポリイミドが好ましく用いられる。絶縁層として用いられる熱可塑性ポリイミドは絶縁層付グラファイトフィルムをさらに他の被着体に接着させる必要が生じたときに有効である。ガラス転移温度は100℃〜400℃、好ましくは100℃〜350℃、さらに好ましくは150℃〜300℃である。第二の絶縁層として用いられる溶媒可溶性熱可塑性ポリイミドの溶媒はN−メチルピロリドン等のピロリドン系溶媒、DMF、DMAC等のアミド系溶媒、THF、ジオキソラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒等が用いることができるが限定されない。熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂、ナジイミド樹脂等を用いることができるがこれに限定されない。溶媒可溶性熱可塑性ポリイミド樹脂と熱硬化性樹脂は溶媒中で混合した後、上記熱可塑ポリイミドの場合と同様にグラファイトに積層した状態とすることができる。
【0065】
第三の絶縁層として用いられるフッ素系樹脂としては、PTFE、FEP等のフッ素系樹脂を用いることができるがこれに限定されない。
【0066】
【0067】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
【0068】
(フィルム1)
ピロメリット酸二無水物、4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミンをモル比で4/3/1の割合で合成したポリアミド酸の18wt%のDMF溶液100gに無水酢酸20gとイソキノリン10gからなる硬化剤を混合、攪拌し、遠心分離による脱泡の後、アルミ箔上に流延塗布した。攪拌から脱泡までは0℃に冷却しながら行った。このアルミ箔とポリアミド酸溶液の積層体を120℃で150秒間加熱し、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをアルミ箔から剥がし、フレームに固定した。このゲルフィルムを300℃、400℃、500℃で各30秒間加熱して100〜200℃の平均線膨張係数が1.6×10−5cm/cm/℃のポリイミドフィルム((試料A)を製造した。フィルムの線膨張係数は熱機械分析装置(TMA:セイコー電子製SSC/5200H;TMA120C)を用いて、測定試料サイズ:3mm幅×20mm長で所定の治具にセットし、引張モードで3gの荷重をかけて、窒素雰囲気下、まず試料を10℃/分の昇温速度で350℃まで昇温させたのち一旦室温まで空冷し、再度10℃/分の昇温速度で350℃まで昇温させ、2回目の昇温時から100℃〜200℃の平均線膨張係数とした。
【0069】
フィルム厚さは25μm、50μm、75μm、100μm、200μm、400μm、600μm、800μm、の8種類である。これらの方法で作製したフィルムの複屈折率はそれぞれ、0.14、0.14、0.14、0.13、0.13、0.13、0.13、0.13であったなお、上記の手法では400μm以上のフィルムの作製は困難であるため、実験に供するために適当な厚さのポリイミドフィルムを貼り合わせる事によって作製した。貼り合わせ方法はポリアミド酸状態の溶液をポリイミドフィルム表面に塗布し、真空中でホットプレスすることによって行った。ホットプレス温度は350〜500℃間の任意の温度である。
【0070】
それぞれの厚さの試料Aフィルムを電気炉を用いて窒素ガス中、10℃/分の速度で1000℃まで昇温し、1000℃で1時間保って予備処理した。
【0071】
次に得られた炭素化フィルムを自由に伸び縮み出来る様に円筒状のグラファイトヒーターの内部にセットし、20℃/分の昇温速度で2800℃までの適当な最高温度まで昇温、最高温度で10分間保持し、その後40℃/分の速度で降温した。 処理はアルゴン雰囲気で0.5kg/cm2の加圧下でおこなった。得られたグラファアイト化フィルムは出発原料が25〜400μmの範囲の厚さであるものは均一な発泡が実現し、その後のロ−ルがけによって柔軟でしなやかなグラファイトフィルムとなった。
【0072】
グラファイト化の進行状況は、フィルム面方向の電気伝導度を測定する事によって行った。その結果を表1に示す。この実施例のポリイミド(試料A)では2700℃ですでに良質のグラファイトへの転化が起きており、電気伝導度、熱伝導度のいずれもすぐれた特性を示した。フィルム2に示した従来のカプトン型のポリイミドに比較して、遥かに厚いポリイミドフィルムでもグラファイト化が可能であり、2700℃でカプトン型ポリイミドよりも100℃も低い温度での良質グラファイトへの転化が可能である事が分った。
【0073】
【表1】
(フィルム2)
ピロメリット酸二無水物と4,4‘−ジアミノジフェニルエーテルをモル比で1/1の割合で合成したポリアミド酸の18wt%のDMF溶液100gに無水酢酸20gとイソキノリン10gからなる硬化剤を混合、攪拌し、遠心分離による脱泡の後、アルミ箔上に流延塗布した。攪拌から脱泡までは0℃に冷却しながら行った。このアルミ箔とポリアミド酸溶液の積層体を120℃で150秒間加熱し、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをアルミ箔から剥がし、フレームに固定した。このゲルフィルムを300℃、400℃、500℃で各30秒間加熱して、厚さ25μm、50μm、75μm、100μmの、一般式(2)で表される最も代表的なカプトン型ポリイミドフィルムを作製した。これらの100〜200℃の平均線膨張係数は3.0×10−5cm/cm/℃であり、複屈折はそれぞれ0.11、0.10、0.10、0.10であった。フィルム1と同じ方法で熱処理・グラファイト化を行った。最高温度は2800℃とした。その結果厚さ75μm以上のフィルムではボロボロのグラファイトフィルムしか得られず均一発泡が実現したのは25μmと50μmの厚さの2種類のフィルムのみであった。
【0074】
得られたグラファイト化フィルムの電気伝導度、熱伝導度の値を表2に示す。2700℃での熱処理で得られたグラファイト化フィルムの特性は実施例1で示した本発明になるポリイミド(試料A)に比較してかなり劣るものであり、2800℃で処理した物の特性が、ほぼ2700℃で処理した試料Aの特性と同等である。
この事から、本発明のポリイミドのグラファイト化反応における優位性が明らかとなった。
【0075】
【表2】
(フィルム3)
ピロメリット酸二無水物、4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミンをモル比で3/2/1の割合で合成したポリアミド酸の18wt%のDMF溶液100gに無水酢酸20gとイソキノリン10gからなる硬化剤を混合、攪拌し、遠心分離による脱泡の後、アルミ箔上に流延塗布した。攪拌から脱泡までは0℃に冷却しながら行った。このアルミ箔とポリアミド酸溶液の積層体を120℃で150秒間加熱し、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをアルミ箔から剥がし、フレームに固定した。このゲルフィルムを300℃、400℃、500℃で各30秒間加熱して100〜200℃の平均線膨張係数が1.0×10−5cm/cm/℃のポリイミドフィルム(試料B)を製造した。このフィルムの複屈折は、0.15〜0.16の範囲であった。このフィルムを用いてフィルム1と同じ方法でグラファイト化を行った。
得られたグラファイト化フィルムの特性はフィルム1と同じであった。
【0076】
(フィルム4)
ピロメリット酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、パラフェニレンジアミン、4−4‘ジアミノジフェニルエーテル、をそれぞれモル比で1/1/1/1となるようにして合成した
ポリアミド酸の18wt%のDMF溶液100gに無水酢酸20gとイソキノリン10gからなる硬化剤を混合、攪拌し、遠心分離による脱泡の後、アルミ箔上に流延塗布した。その後実施例1とおなじ方法でポリイミドフィルム(試料C)を得た。得られたフィルムの100〜200℃の平均線膨張係数は0.9×10−5cm/cm/℃、複屈折は、0.16〜0.17の範囲であった。なお、上記の手法では400μm以上のフィルムの作製は困難であるため、実験に供するために適当な厚さのポリイミドフィルムを貼り合わせる事によって作製した。貼り合わせ方法はポリアミド酸状態の溶液をポリイミドフィルム表面に塗布し、真空中でホットプレスすることによって行った。ホットプレス温度は350〜500℃間の任意の温度である。
【0077】
得られたフィルムをフィルム1と同じ方法でグラファイト化し、その電気伝導度、熱伝導度特性を測定した。その結果を表3にしめす。
【0078】
試料Cでは、2700℃の処理では600μmの厚さまで、2800℃の処理では400μmの厚さまで均一発泡が実現し、その後のロールがけによって柔軟でしなやかなグラファイトフィルムに転化出来る事が分かった。
【0079】
【表3】
【0080】
【実施例1】系全体を氷水で冷やし、窒素置換をした2000mlの三口のセパラブルフラスコに2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(以下、BAPPという。)を123.1g、ジメチルホルムアミド(以下、DMFという)を716.2g投入し、15分間攪拌した。続いて、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDAという)33.8gを20gのDMFに溶解させた溶液を投入した。続いて、3,3’,4,4’−エチレングリコールジベンゾエートテトラカルボン酸二無水物(以下、TMEGという)76.0gを20gのDMFに溶解させた溶液を投入し、30分間撹拌した。30分間の撹拌の後、更に4.1gのTMEGを36.9gのDMFに溶解させた溶液をフラスコ内の溶液の粘度に注意しながら徐々に投入し、その後1時間撹拌を行い、SC(固形分濃度)が23%のポリアミド酸溶液を得た。
【0081】
得られたポリアミド酸溶液をPET上に乾燥後25μmになるように塗布し、150℃で5分間乾燥後、PETフィルムを剥がしさらに350℃で5分加熱し、イミド化を行った。得られたポリイミドフィルムのTgは190℃であった。
【0082】
また、上記操作で得られたポリアミド酸溶液をフィルム1の片面に、熱可塑性ポリイミド層の最終片面厚みが6μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、150℃で5分間、350℃で5分間加熱して溶媒除去とイミド化を行い、絶縁材付グラファイトフィルムを得た。この絶縁材付グラファイトフィルムの絶縁層の密着性を評価した結果、グラファイト層が凝集破壊するほどの密着性を示した。また、放熱板として用いた場合、変形も認められなかった。
【0083】
【実施例2】フィルム3を用い、実施例1と同様の方法で絶縁材付グラファイトフィルムを得た。この絶縁材付グラファイトフィルムの絶縁層の密着性を評価した結果、グラファイト層が凝集破壊するほどの密着性を示した。また、放熱板として用いた場合、変形も認められなかった。
【0084】
【実施例3】フィルム4を用い、実施例1と同様の方法で絶縁材付グラファイトフィルムを得た。この絶縁材付グラファイトフィルムの絶縁層の密着性を評価した結果、グラファイト層が凝集破壊するほどの密着性を示した。また、放熱板として用いた場合、変形も認められなかった。
【0085】
【実施例4】実施例1で得られたポリアミド酸溶液をポリイミドフィルム(アピカル17HP;鐘淵化学工業株式会社製)の両面に、熱可塑性ポリイミド層の最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、150℃で5分間、350℃で5分間加熱して溶媒除去とイミド化を行い、ボンディングシートを得た。得られたボンディングシートの片面にフィルム1を重ね、プレス温度は260℃、圧力3MPa、プレス時間約5分間で貼り合わせ、絶縁層付グラファイトフィルムを得た。この絶縁材付グラファイトフィルムの絶縁層の密着性を評価した結果、グラファイト層が凝集破壊するほどの密着性を示した。また、放熱板として用いた場合、変形も認められなかった。
【0086】
【実施例5】容量1000mlのガラス製フラスコにジメチルホルムアミド(以下、DMFという)263gに3,3’−ビス(アミノフェノキシフェニル)スルフォン(以下、BAPS−Mという)0.112molを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物(以下、ESDAという)0.112molを徐々に添加した。氷浴下で30分間攪拌し、粘度が1500poiseに達したところで攪拌をやめ、ポリアミド酸溶液を得た。
【0087】
このポリアミド酸溶液にDMF113g、β−ピコリン26g、無水酢酸45gを加え30分間撹拌した後、さらに100℃下で1時間撹拌し、イミド化させた。その後、高速で撹拌したメタノール中にこの溶液を少しづつ垂らした。メタノール中に析出した糸状のポリイミドをミキサーで粉砕し、メタノールでソックスレー洗浄を行い、110℃で2時間乾燥させ、ポリイミド粉末を得た。
【0088】
上記で得たポリイミド粉末を20g、エピコート1032H60(油化シェル社製)を5g、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(硬化剤)1.5gを102gのTHFに添加し、攪拌を行って溶解させ、ポリイミド系接着剤溶液を得た(固形分濃度:SC=20%)。
【0089】
得られたポリイミド系接着剤溶液をフィルム1の片面に、最終片面厚みが6μmとなるように塗布した後、150℃で5分間加熱して溶媒除去を行い、絶縁材付グラファイトフィルムを得た。この絶縁材付グラファイトフィルムの絶縁層の密着性を評価した結果、グラファイト層が凝集破壊するほどの密着性を示した。また、放熱板として用いた場合、変形も認められなかった。
【0090】
【実施例6】実施例5で得られたポリイミド系接着剤溶液をポリイミドフィルム(アピカル17HP;鐘淵化学工業株式会社製)の両面に、熱可塑性ポリイミド層の最終片面厚みが4μmとなるように塗布した後、150℃で5分間加熱して溶媒除去を行い、ボンディングシートを得た。得られたボンディングシートの片面にフィルム1を重ね、プレス温度は200℃、圧力3MPa、プレス時間約5分間で貼り合わせ、絶縁層付グラファイトフィルムを得た。この絶縁材付グラファイトフィルムの絶縁層の密着性を評価した結果、グラファイト層が凝集破壊するほどの密着性を示した。また、放熱板として用いた場合、変形も認められなかった。
【0091】
【実施例7】FEP溶液をフィルム1の片面に、最終片面厚みが6μmとなるように塗布した後、150℃で5分間加熱して溶媒除去を行い、絶縁材付グラファイトフィルムを得た。この絶縁材付グラファイトフィルムの絶縁層の密着性を評価した結果、グラファイト層が凝集破壊するほどの密着性を示した。また、放熱板として用いた場合、変形も認められなかった。
【0092】
【比較例1】共重合ポリアミドアラミンCM−8000(東レ社製、融点;128℃)を20g、80gのメタノールに溶解した。得られたワニスをフィルム1の片面に、最終片面厚みが6μmとなるように塗布した後、100℃で5分間加熱して溶媒除去を行い、絶縁材付グラファイトフィルムを得た。得られたグラファイトフィルムは放熱板として用いた場合、大きな変形を生じ、不適であった。
Claims (11)
- 100〜200℃の範囲における平均線膨張係数が2.5×10−5cm/cm/℃以下であるポリイミドフィルムを2400℃以上の温度で熱処理したフィルム状グラファイトの少なくとも片面に絶縁層を積層する事を特徴とする絶縁材付グラファイトフィルム。
- 前記ポリイミドフィルムの複屈折が0.13以上である事を特徴とする絶縁材付グラファイトフィルム。
- 前記ポリイミドフィルムの100〜200℃の範囲における平均線膨張係数が2.5×10−5cm/cm/℃以下であり、かつ、複屈折が0.13以上である事を特徴とする絶縁材付グラファイトフィルム。
- 前記ポリイミドフィルムが下記、一般式(1)、(2)、(3)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも2種以上の繰り返し単位を有するポリイミドの共重合体フィルム、あるいは、一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドの共重合体、一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリイミドの共重合体、一般式(3)で表される繰り返し単位を有するポリイミドの共重合体からなる群からから選択される少なくとも2種以上のポリイミド共重合体の混合物フィルムである事を特徴とする絶縁材付グラファイトフィルム。
Rは
- 前記ポリイミドフィルムが、上記一般式(1)、(2)および下記一般式(6)、(7)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも3種以上の繰り返し単位を有するポリイミドの共重合体、あるいは、一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドの共重合体、一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリイミドの共重合体、一般式(6)で表される繰り返し単位を有するポリイミドの共重合体、一般式(7)で表される繰り返し単位を有するポリイミドの共重合体からなる群からから選択される少なくとも3種以上のポリイミド共重合体の混合物を含むポリイミド共重合体、である請求項4記載の絶縁材付グラファイトフィルム。
- 前記ポリイミドフィルムが、一般式(1)、(2)で表される繰り返し単位をもつポリイミド共重合体ポリイミドフィルムであって、4、4‘−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンをモル比で9/1〜4/6の割合で含むジアミンを用いて得られるポリイミドフィルムであることを特徴とする、請求項4または5に記載の絶縁材付グラファイトフィルムの製造方法。
- 前記ポリイミドフィルムが、一般式(1)、(2)、(6)、(7)で表される繰り返し単位をもつポリイミド共重合体であって、それぞれの繰り返し単位の数を、a、b、c、dとし、a+b+c+dをsとしたとき、(a+b)/s、(a+c)/s、(b+d)/s、(c+d)/sが0.25〜0.75を満たすポリイミドフィルムである、請求項4〜6に記載の絶縁材付グラファイトフィルム。
- 前記絶縁層がポリイミドを主成分とすることを特徴とする請求項1〜7記載の絶縁材付グラファイトフィルム。
- 前記絶縁層が熱可塑性ポリイミドを主成分とすることを特徴とする請求項1〜7記載の絶縁材付グラファイトフィルム。
- 前記絶縁層が溶媒可溶性熱可塑性ポリイミド及び熱硬化性樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1〜7記載の絶縁材付グラファイトフィルム。
- 前記絶縁層がフッ素系樹脂であることを特徴とする請求項1〜7記載の絶縁材付グラファイトフィルム
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