JP4657649B2 - グラファイトフィルムの製造方法 - Google Patents

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本発明は、放熱フィルムとして使用されるグラファイトフィルムの製造方法に関する。
熱伝導性に優れたグラファイトフィルムを得る方法として、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリイミド、ポリフェニレンイソフラスアミド、ポリフェニレンベンゾイミダゾール、ポリチアゾール、ポリパラフェニレンビニレンのうちから選ばれた少なくとも1種類の高分子フィルムを2200℃以上の焼成を行う工程を有するものであって、少なくとも1000℃までは、1分間に5℃以下の昇温速度で、2000℃以上の温度領域での熱処理は不活性ガス中で行うことを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法(特許文献1)が知られている。
特開平9−156913 しかし、(特許文献1)の請求項にあるように、優れた熱伝導性、密着性を有するグラファイトフィルムを得るためには、1000℃までの昇温速度を5℃/分以下と遅く設定する必要があり、生産性よく熱伝導性、密着性に優れたグラファイトフィルムを得ることは困難な課題であった。
具体的には、(特許文献1)の実施例に、ポリイミドフィルムの1000℃まで炭化処理を昇温速度2℃/分で実施する例が開示されていた。しかしこの場合には、熱伝導性、密着性に優れたグラファイトフィルムは得られたが、炭化には8時間以上の時間が必要となり、非常に生産性に劣るものであった。一方、(特許文献1)の比較例にあるように、1000℃までの炭化処理を昇温速度10℃/分で行うという炭化処理時間の短い例が開示されていた。しかしこの場合には、実施例に比較して生産性は改善されているものの、熱伝導性、密着性に著しく劣るグラファイトフィルムしか得られなかった。
熱伝導性、密着性に加え、切断性、外観に優れたグラファイトフィルムを生産性良く得る。
本発明の第1は、複屈折が0.12以上の高分子フィルムを2000℃以上の温度で熱処理するグラファイトフィルムの製造方法であって、1000℃以下の温度領域における昇温速度が1分間に5℃を超える熱処理をする工程を含むことを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法、である。
本発明の第2は、複屈折が0.12以上の高分子フィルムを1000℃以下の温度領域においる昇温速度が1分間に5℃を超える熱処理をしたフィルムを、2000℃以上の温度で熱処理することを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法、である。
本発明の第3は、前記高分子フィルムが、ポリイミド、ポリアミド、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾビスイミダゾールのうちから選ばれた少なくとも一種類以上の高分子からなることを特徴とする、請求項1乃至2記載の、グラファイトフィルムの製造方法、である。
本発明の第4は、前記ポリイミドフィルムが、前駆体であるポリアミド酸を脱水剤とイミド化促進剤を用いてイミド化して作製されるポリイミドフィルムであることを特徴とする、請求項3記載のグラファイトフィルムの製造方法、である。
本発明の第5は、前記ポリイミドフィルムが、ピロメリット酸二無水物、p−フェニレンジアミンを含むポリアミド酸を、脱水剤とイミド化促進剤とを用いてイミド化して作製されるポリイミドフィルムであることを特徴とする、請求項3乃至4記載のグラファイトフィルムの製造方法、である。
本発明の第6は、前記ポリイミドフィルムが、ジアミンと酸二無水物を用いて前記酸二無水物を両末端に有するプレポリマを合成し、前記プレポリマに前記とは異なるジアミンを反応させてポリアミド酸を合成し、前記ポリアミド酸をイミド化して作製されるポリイミドフィルムであることを特徴とする、請求項3乃至5記載のグラファイトフィルムの製造方法、である。
本発明の第7は、前記1000℃以下の温度領域における昇温速度を1分間に10℃以上とすることを特徴とする、請求項1乃至6記載のグラファイトフィルムの製造方法。
本発明の第8は、前記1000℃以下の温度領域における昇温速度を1分間に17℃以上とすることを特徴とする、請求項1乃至6記載のグラファイトフィルムの製造方法。
従来技術では、優れた熱伝導性、密着性を有するグラファイトフィルムを得るためには、1000℃までの昇温速度を5℃/分以下と遅く設定する必要があり、昇温速度を速くして生産性よく熱伝導性、密着性に優れたグラファイトフィルムを得ることは困難な課題であった。一方、本発明による場合は、複屈折が0.12以上の高分子フィルムを急速昇温で炭化することにより、フィルムの表面及び内部で均質に炭化が進行し、熱伝導性、密着性に優れたグラファイトフィルムを生産性良く得ることができる。さらに、発熱部材の形状に合わせて切断できること、また表面から黒鉛片が剥がれないように外観がきれいであることも非常に重要であり、本発明の方法を用いることにより、切断性、外観にも優れたグラファイトフィルムを得ることができる。
本発明のグラファイトフィルムの製造方法の第一は、複屈折が0.12以上の高分子フィルムを2000℃以上の温度で熱処理するグラファイトフィルムの製造方法であって、1000℃以下の温度領域における昇温速度が1分間に5℃を超える熱処理をする工程を含むことを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法、である。
また、本発明のグラファイトフィルムの製造方法の第二は、複屈折が0.12以上の高分子フィルムを1000℃以下の温度領域において昇温速度が1分間に5℃を超える熱処理をした炭素化フィルムを、2000℃以上の温度で熱処理することを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法、である。
<グラファイトフィルム>
本発明の製造方法で作製されるグラファイトフィルムは、熱伝導性が高いために、例えば、サーバー、サーバー用コンピュータ、デスクトップパソコン、DVD、プラズマテレビ、液晶プロジェクタ、インクジェットプリンタ、電子写真装置等の電子機器や、ノートパソコン、電子辞書、PDA、携帯電話、ポータブル音楽プレイヤー等の携帯電子機器や、半導体製造装置、液晶製造装置等の産業機器の放熱材料として好適である。
<高分子フィルム>
本発明で用いることができる高分子フィルムは、分子の面内配向性に関連する複屈折Δnが、フィルム面内のどの方向に関しても0.12以上、好ましくは0.13以上、さらに好ましくは0.14以上である高分子フィルムである。高分子フィルムとしては、特に限定はされないが、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリオキサジアゾール(POD)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリベンゾビスオキサザール(PBBO)、ポリチアゾール(PT)、ポリベンゾチアゾール(PBT)、ポリベンゾビスチアゾール(PBBT)、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリベンゾビスイミダゾール(PBBI)が挙げられ、これらのうちから選ばれる少なくとも1種を含む耐熱芳香族性高分子フィルムであることが、最終的に得られるグラファイトの電気伝導性、熱伝導性が大きくなることから好ましい。これらのフィルムは、公知の製造方法で製造すればよい。この中でもポリイミドは、原料モノマーを種々選択することによって様々な構造および特性を有するものを得ることができるために好ましい。また、ポリイミドフィルムは、他の有機材料を原料とする高分子フィルムよりもフィルムの炭化、黒鉛化が進行しやすいため、結晶性、熱伝導性に優れたグラファイトとなりやすい。
<高分子フィルムと複屈折>
複屈折が高くなるほど、フィルムの炭化(炭素化)、黒鉛化が進行しやすくなる。その結果、グラファイトの結晶配向性がよくなり、熱伝導性、密着性、切断性が顕著に改善される。また、炭化が進行しやすいため、炭化中の昇温速度を速く、熱処理時間を短くしても、品質の優れたグラファイトとなる。また、黒鉛化が進行しやすいため、最高温度を下げて熱処理時間を短くしても品質の優れたグラファイトとなる。
また低温で炭化(炭素化)及び黒鉛化が進行するために、低温の熱処理中からフィルムの熱伝導性が高くなり、表面及び内部へ充分に熱が伝わり、均一な黒鉛化が進行しやすくなる。
また、原料の厚みが厚くなったとしても、表面と内部で均一に黒鉛化が進行するため、熱伝導性の優れたグラファイトが得られる。
複屈折が高い高分子フィルムの場合では、炭化がすばやく進行するため、昇温速度が遅い(炭化処理時間が長い)場合には、表面での炭化が内部よりも早く進行し、フィルム全体で不均一な炭化が起こり、黒鉛化後に外観上一部剥がれが発生する場合がある。しかし、昇温速度が速い(炭化処理時間が短い)場合には、表面及び内部の炭化が均一に起こり、黒鉛化後の外観の優れたグラファイトフィルムが得られる。
複屈折が高くなると黒鉛化しやすくなる理由は明らかではないが、グラファイト化のためには分子が再配列する必要があり、複屈折の高い分子配向性に優れたポリイミドフィルムでは分子の再配列が最小で済むことから、ポリイミドフィルムの中でも、より配向性に優れたポリイミドフィルムの方が、比較的低温の最高処理温度で、厚みが厚くても、結晶性の高いグラファイトフィルムになると推測される。
<複屈折>
ここでいう複屈折とは、フィルム面内の任意方向の屈折率と厚み方向の屈折率との差を意味し、フィルム面内の任意方向Xの複屈折Δnxは次式(数式1)で与えられる。
Figure 0004657649
図1と図2において、複屈折の具体的な測定方法が図解されている。図1の平面図において、フィルム1から細いくさび形シート2が測定試料として切り出される。このくさび形シート2は一つの斜辺を有する細長い台形の形状を有しており、その一底角が直角である。このとき、その台形の底辺はX方向と平行な方向に切り出される。図2は、このようにして切り出された測定試料2を斜視図で示している。台形試料2の底辺に対応する切り出し断面に直角にナトリウム光4を照射し、台形試料2の斜辺に対応する切り出し断面側から偏光顕微鏡で観察すれば、干渉縞5が観察される。この干渉縞の数をnとすれば、フィルム面内X方向の複屈折Δnxは、次式(数式2)で表される。
Figure 0004657649
ここで、λはナトリウムD線の波長589nmであり、dは試料2の台形の高さに相当する試料の幅3である。
なお、前述の「フィルム面内の任意方向X」とは、例えばフィルム形成時における材料流れの方向を基準として、X方向が面内の0゜方向、45゜方向、90゜方向、135゜方向のどの方向においても、の意味である。サンプル測定個所・測定回数は、好ましくは、下記の通りである。例えば、ロール状の原料フィルム(幅514mm、)からサンプルを切り出す際には、幅方向に例えば6カ所サンプリングし(端部2カ所および、端部から幅方向へ約10cm間隔に4カ所サンプリングし)、各部位で複屈折を測定する。その平均を複屈折とする。
<ポリイミドフィルムの熱的性質、機械的性質、物理的性質、化学的性質>
また、本発明に用いられるグラファイトの原料となるポリイミドフィルムは、100〜200℃の範囲において2.5×10-5/℃未満の平均線膨張係数を有しているとよい。線膨張係数が2.5×10-5/℃未満であれば、熱処理中の伸びが小さく、スムースに黒鉛化が進行し、脆くなく、種々の特性に優れたグラファイトを得ることができる。 このようなポリイミドフィルムを原料に用いることで、グラファイトへの転化が2400℃から始まり、2700℃で十分結晶性の高いグラファイトに転化が生じ得る。なお、その線膨張係数は、2.0×10-5/℃以下であることがより好ましい。
なお、高分子フィルムの線膨張係数は、TMA(熱機械分析装置)を用いて、まず試料を10℃/分の昇温速度で350℃まで昇温させた後に一旦室温まで空冷し、再度10℃/分の昇温速度で350℃まで昇温させ、2回目の昇温時の100℃〜200℃における平均線膨張係数を測定することによって得られる。具体的には、熱機械分析装置(TMA:セイコー電子製SSC/5200H;TMA120C)を用いて、3mm幅×20mm長のサイズのフィルム試料を所定の治具にセットし、引張モードで3gの荷重をかけて窒素雰囲気下で測定が行われる。
また、本発明に用いられるポリイミドフィルムは、その弾性率が350kgf/mm2上であれば、グラファイト化をより容易に行い得るということから好ましい。すなわち、弾性率が350kgf/mm2以上であれば、熱処理中のフィルムの収縮によるフィルムの破損を防止することができ、種々の特性に優れたグラファイトを得ることができる。
なお、フィルムの弾性率は、ASTM−D−882に準拠して測定することができる。ポリイミドフィルムのより好ましい弾性率は400kgf/mm2以上であり、さらに好ましくは500kgf/mm2以上である。フィルムの弾性率が350kgf/mm2より小さければ、熱処理中のフィルムの収縮で破損および変形しやすくなり、得られるグラファイトの結晶性は劣り、密度および熱伝導性が劣る傾向にある。
フィルムの吸水率は、下記のごとく測定した。フィルムを絶乾するために、100℃で30分乾燥して、25μm厚み10cm角のサンプルを作製した。この重量を測定してA1とする。25μm厚み10cm角のサンプルを蒸留水に23℃で24時間浸漬し、表面の水を拭いて除去し直ちに重量を測定した。この重量をA2とする。下記式より吸水率を求めた。
吸水率(%)=(A2−A1)÷A1×100
<ポリイミドフィルムの作製方法>
本発明で用いられるポリイミドフィルムは、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の有機溶液をイミド化促進剤と混合した後、エンドレスベルトまたはステンレスドラムなどの支持体上に流延し、それを乾燥および焼成してイミド化させることにより製造され得る。
本発明に用いられるポリアミド酸の製造方法としては公知の方法を用いることができ、通常は、芳香族酸二無水物の少なくとも1種とジアミンの少なくとも1種が実質的に等モル量で有機溶媒中に溶解させられる。そして、得られた有機溶液は酸二無水物とジアミンの重合が完了するまで制御された温度条件下で攪拌され、これによってポリアミド酸が製造され得る。このようなポリアミド酸溶液は、通常は5〜35wt%、好ましくは10〜30wt%の濃度で得られる。この範囲の濃度である場合に、適当な分子量と溶液粘度を得ることができる。
重合方法としてはあらゆる公知の方法を用いることができるが、例えば次のような重合方法(1)−(5)が好ましい。
(1) 芳香族ジアミンを有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させて重合する方法。
(2) 芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対して過小モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマを得る。続いて、芳香族テトラカルボン酸二無水物に対して実質的に等モルになるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法。
これは、請求項6で記載した、ジアミンと酸二無水物を用いて前記酸二無水物を両末端に有するプレポリマを合成し、前記プレポリマに前記とは異なるジアミンを反応させてポリアミド酸を合成する方法と同様である。
(3) 芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過剰モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマを得る。続いて、このプレポリマに芳香族ジアミン化合物を追加添加後に、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物が実質的に等モルとなるように芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いて重合する方法。
(4) 芳香族テトラカルボン酸二無水物を有機極性溶媒中に溶解および/または分散させた後に、その酸二無水物に対して実質的に等モルになるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法。
(5) 実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法。
これらの中でも(2)、(3)に示すプレポリマを経由するシーケンシャル制御(シーケンスコントロール)(ブロックポリマー同士の組み合わせ・ブロックポリマー分子同士の繋がりの制御)をして重合する方法が好ましい。というのは、この方法を用いることで、複屈折が大きく、線膨張係数が小さいポリイミドフィルムが得られやすく、このポリイミドフィルムを熱処理することにより、結晶性が高く、密度および熱伝導性が優れたグラファイトを得やすくなるからである。また、規則正しく、制御されることで、芳香環の重なりが多くなり、低温の熱処理でもグラファイト化が進行しやすくなると推定される。また複屈折を高めるために、イミド基含有量を増やすと、樹脂中の炭素比率が減り、黒鉛処理後の炭素化収率が減るが、シーケンシャル制御をして合成されるポリイミドフィルムは、樹脂中の炭素比率を落とすことなく、複屈折を高めることが出来るために好ましい。炭素比率が高まるために、分解ガスの発生を抑えることができ、外観上優れたグラファイトフィルムが得られやすくなる。また芳香環の再配列を抑えることができ、熱伝導性に優れたグラファイトフィルムを得ることができる。
本発明においてポリイミドの合成に用いられ得る酸二無水物は、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、およびそれらの類似物を含み、それらを単独でまたは任意の割合の混合物で用いることができる。
本発明においてポリイミドの合成に用いられ得るジアミンとしては、4,4’−オキシジアニリン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−オキシジアニリン)、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル(3,3’−オキシジアニリン)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(3,4’−オキシジアニリン)、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル N−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼンおよびそれらの類似物を含み、それらを単独でまたは任意の割合の混合物で用いることができる。
特に、線膨張係数を小さくして弾性率を高くかつ複屈折を大きくし得るという観点から、本発明におけるポリイミドフィルムの製造では、下記式(1)で表される酸二無水物を原料に用いることが好ましい。
Figure 0004657649
ここで、R1は、下記の式(2)〜式(13)に含まれる2価の有機基の群から選択されるいずれかであって、
Figure 0004657649
ここで、R2、R3、R4、およびR5の各々は−CH3、−Cl、−Br、−F、または−OCH3の群から選択されるいずれかであり得る。
上述の酸二無水物を用いることによって比較的低吸水率のポリイミドフィルムが得られ、このことはグラファイト化過程において水分による発泡を防止し得るという観点からも好ましい。
特に、酸二無水物におけるR1として式(2)〜式(13)に示されているようなベンゼン核を含む有機基を使用すれば、得られるポリイミドフィルムの分子配向性が高くなり、線膨張係数が小さく、弾性率が大きく、複屈折が高く、さらには吸水率が低くなるという観点から好ましい。
さらに線膨張係数を小さく、弾性率を高く、複屈折を大きく、吸水率を小さくするためには、本発明におけるポリイミドの合成に下記式(14)で表される酸二無水物を原料に用いればよい。
Figure 0004657649
特に、2つ以上のエステル結合でベンゼン環が直線状に結合された構造を有する酸二無水物を原料に用いて得られるポリイミドフィルムは、屈曲鎖を含むけれども全体として非常に直線的なコンフォメーションをとりやすく、比較的剛直な性質を有する。その結果、この原料を用いることによってポリイミドフィルムの線膨張係数を小さくすることができ、例えば1.5×10-5/℃以下にすることができる。また、弾性率は500kgf/mm2以上に大きくすることができ、吸水率は1.5%以下に小さくすることができる。
さらに線膨張係数を小さく、弾性率を高く、複屈折を大きくするためには、本発明におけるポリイミドは、p−フェニレンジアミンを原料に用いて合成されることが好ましい。
また、本発明においてポリイミドの合成に用いられる最も適当なジアミンは4,4’−オキシジアニリンとp−フェニレンジアミンであり、これらの単独または2者の合計モルが全ジアミンに対して40モル%以上、さらには50モル%以上、さらには70モル%以上、またさらには80モル%以上であることが好ましい。さらに、p−フェニレンジアミンが10モル%以上、さらには20モル%以上、さらには30モル%以上、またさらには40モル%以上を含むことが好ましい。これらのジアミンの含有量がこれらのモル%範囲の下限値未満になれば、得られるポリイミドフィルムの線膨張係数が大きく、弾性率が小さく、複屈折が小さくなる傾向になる。但し、ジアミンの全量をp−フェニレンジアミンにすると、発泡の少ない厚みの厚いポリイミドフィルムを得るのが難しくなるため、4,4’−オキシジアニリンを使用するのが良い。また炭素比率が減り、分解ガスの発生量を減らすことができ、芳香環の再配列の必要が減り、外観、熱伝導性に優れたグラファイトを得ることができる。
本発明においてポリイミドフィルムの合成に用いられる最も適当な酸二無水物はピロメリット酸二無水物および/または式(14)で表されるp−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸二無水物)であり、これらの単独または2者の合計モルが全酸二無水物に対して40モル%以上、さらには50モル%以上、さらには70モル%以上、またさらには80モル%以上であることが好ましい。これら酸二無水物の使用量が40モル%未満であれば、得られるポリイミドフィルムの線膨張係数が大きく、弾性率が小さく、複屈折が小さくなる傾向になる。
また、ポリイミドフィルム、ポリアミド酸、ポリイミド樹脂に対して、カーボンブラック、グラファイト等の添加剤を添加しても良い。
ポリアミド酸を合成するための好ましい溶媒は、アミド系溶媒であるN,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどであり、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが特に好ましく用いられ得る。
次に、ポリイミドの製造方法には、前駆体であるポリアミド酸を加熱でイミド転化する熱キュア法、またはポリアミド酸に無水酢酸等の酸無水物に代表される脱水剤やピコリン、キノリン、イソキノリン、ピリジン等の第3級アミン類をイミド化促進剤として用いてイミド転化するケミカルキュア法のいずれを用いてもよい。中でも、イソキノリンのように沸点の高いものほど好ましい。というのは、フィルム作製中の初期段階では蒸発せず、乾燥の最後の過程まで、触媒効果が発揮されやすいため好ましい。特に、得られるフィルムの線膨張係数が小さく、弾性率が高く、複屈折が大きくなりやすく、また比較的低温で迅速なグラファイト化が可能で、品質のよいグラファイトを得ることができるという観点からケミカルキュアの方が好ましい。特に、脱水剤とイミド化促進剤を併用することは、得られるフィルムの線膨張係数が小さく、弾性率が大きく、複屈折が大きくなり得るので好ましい。また、ケミカルキュア法は、イミド化反応がより速く進行するので加熱処理においてイミド化反応を短時間で完結させることができ、生産性に優れた工業的に有利な方法である。
具体的なケミカルキュアによるフィルムの製造においては、まずポリアミド酸溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒からなるイミド化促進剤を加えて、支持板、PET等の有機フィルム、ドラム、またはエンドレスベルト等の支持体上に流延または塗布して膜状にし、有機溶媒を蒸発させることによって自己支持性を有する膜を得る。次いで、この自己支持性膜をさらに加熱して乾燥させつつイミド化させてポリイミド膜を得る。この加熱の際の温度は、150℃から550℃の範囲内にあることが好ましい。加熱の際の昇温速度には特に制限はないが、連続的もしくは段階的に、徐々に加熱して最高温度がその所定温度範囲内になるようにするのが好ましい。加熱時間はフィルム厚みや最高温度によって異なるが、一般的には最高温度に達してから10秒から10分の範囲が好ましい。さらに、ポリイミドフィルムの製造工程中に、収縮を防止するためにフィルムを固定したり延伸したりする工程を含めば、得られるフィルムの線膨張係数が小さく、弾性率が高く、複屈折が大きくなりやすい傾向にあるので好ましい。
<グラファイト化の方法>
本発明のグラファイト化は、大きく下記の2つに分類できる。
(その1) 複屈折が0.12以上の高分子フィルムを2000℃以上の温度で熱処理するグラファイトフィルムの製造方法であって、1000℃以下の温度領域において昇温速度が1分間に5℃を超える熱処理をする工程を含むことを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法である。この方法では、高分子フィルムを炭素化する工程と黒鉛化する工程を別々に行う
(その2)複屈折が0.12以上の高分子フィルムを1000℃以下の温度領域における昇温速度が1分間に5℃を超える熱処理をしたフィルムを、2000℃以上の温度で熱処理することを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法。この方法では、高分子フィルム炭素化する工程と黒鉛化する工程を連続的に行う。
<高分子フィルムの炭素化プロセス>
本発明で用いられる高分子フィルムの炭素化は、出発物質である複屈折が0.12以上の高分子フィルムを減圧下もしくは不活性ガス中で熱処理して行われる。この熱処理は500℃以上の温度で行われ、通常最高温度が800℃から1500℃の温度で行われる。また、炭化の最高温度に達した時点で30分から1時間程度の保持を行っても良い。
炭素化時の昇温速度は1分間に5℃を超える、好ましくは10℃以上、さらに好ましくは17℃以上である。出発原料に複屈折が0.12以上の高分子フィルムを用いた場合では、昇温速度が速いほど、熱伝導性、密着性、切断性、外観に優れたグラファイトフィルムとなる。
分解ガスの発生は、主に400℃〜1000℃の範囲で最も多くなる。そのため、400℃〜1000℃の温度領域での温度制御は非常に重要である。炭化中に一定の昇温速度で熱処理を行っても、温度領域に応じて昇温速度を変更しても良い。本発明においては、400℃〜1000℃の温度領域において、昇温速度が5℃を超える工程を含む必要がある。
<炭素化後の黒鉛化プロセス>
黒鉛化は、炭素化した高分子フィルムを一度取り出した後、黒鉛化用の炉に移し変えてからおこなっても良いし、炭素化から黒鉛化を連続的におこなっても良い。黒鉛化は、減圧下もしくは不活性ガス中でおこなわれるが、不活性ガスとしてはアルゴン、ヘリウムが適当である。熱処理温度としては最低でも2000℃以上が必要で、最終的には2400℃以上の温度で熱処理することが好ましく、2600℃以上で熱処理することがより好ましい。
熱処理温度が高いほど良質のグラファイトへの転化が可能であるが、経済性の観点からはできるだけ低温で良質のグラファイトに転化できることが好ましい。2500℃以上の超高温を得るには、通常はグラファイトヒーターに直接電流を流して、そのジュ−ル熱を利用した加熱が行なわれる。グラファイトヒーターの消耗は2700℃以上で進行し、2800℃ではその消耗速度が約10倍になり、2900℃ではさらにその約10倍になる。したがって、原材料の高分子フィルムの改善によって、良質のグラファイトへの転化が可能な温度を例えば2800℃から2700℃に下げることは大きな経済的効果を生じる。
本発明の熱処理では、容器に高分子フィルムを固定して行われる。本発明のような2000℃の温度領域まで加熱されるような用途では、取り扱いの容易さや、工業的な入手の容易さ等を勘案すると、黒鉛製の容器が、特に好ましい。ここでいう黒鉛とは、上記の温度領域まで加熱することができる限りにおいて、黒鉛を主に含むような材料までを含む広い概念であるが、例えば、等方性黒鉛、押出製黒鉛、が挙げられ、電気伝導性、熱伝導性に優れ、均質性にも優れる等方性黒鉛が、繰り返し用いる場合には好ましい。容器の形状は、特に制約を受けず、単純な平板などの形状でよい。また容器は円筒状で、高分子フィルムを容器に巻きつける方法でも良い。容器の形状は、高分子フィルムを保持できる限りにおいて、特に制約を受けない。
<高分子フィルムの固定方法>
なお、黒鉛製容器内に、高分子フィルムを保持する方法とは、例えば、高分子フィルムをグラファイト板で挟んだ上で、グラファイト板の自重以外には特には加圧しない状態で容器壁や容器底に接するように保持する方法や円筒の黒鉛容器に巻きつける方法が有るが、必ずしもこれらの方法だけに制約を受けるものではない。
<高分子フィルムのグラファイト化>
高分子フィルムのグラファイト化機構について説明する。
高分子フィルムのグラファイト化は、炭素化と黒鉛化の2段階を経由して起こる。まず、一般に炭素化とは、高分子フィルムを1000℃まで熱処理して、炭素分が主成分となる物質に変化させる過程のことを意味する。具体的には、高分子フィルムを分解温度で熱処理すると結合の開裂が起こり、分解成分は二酸化炭素、一酸化炭素、窒素、水素等のガスとなって離脱し、1000℃まで熱処理されると、炭素が主成分の材料となる。次に黒鉛化とは、炭素質材料を2800℃以上の温度で熱処理し、芳香環が平面状に繋がったグラファイト層が多数積層した構造に変換させる過程のことを意味する。
しかし、高分子を熱処理して得られた炭素質材料が全て黒鉛になるわけではなく、エポキシやフェノール樹脂を熱処理して作製した炭素質材料は、2800℃以上の温度で熱処理しても黒鉛になることはなくガラス状炭素のままであり、ポリイミド、ポリオキサジアゾール等の芳香環を有する高分子で芳香環が面内にある程度配向し耐熱性が高い限られた高分子材料を熱処理して得られる炭素質材料でのみが黒鉛となる。
<ポリイミドフィルムを含む、高分子フィルムのグラファイト化>
高分子フィルムのグラファイト化は上述の通り、炭素化と黒鉛化の2段階を経由しておこり、熱処理により炭素化した後、さらに高温で熱処理することでグラファイト構造に転化させられる。この過程では炭素−炭素結合の開裂と再結合が起きなければならない。グラファイト化をできる限り起こしやすくするためには、その開裂と再結合が最小のエネルギーで起こるようにする必要がある。出発高分子フィルム(例えば、上記に列記した高分子フィルム、特にポリイミドフィルム)の分子配向は炭素化フィルム中の炭素原子の配列に影響を与え、その分子配向はグラファイト化の際に結合の開裂と再結合化のエネルギーを少なくする効果を生じ得る。したがって、高度な分子配向が生じやすくなるように分子設計を行うことによって、グラファイト化の促進が可能になる。この分子配向の効果は、フィルム面に平行な二次元的分子配向とすることによって一層顕著になる。
グラファイト化反応における第二の特徴は、高分子フィルムが厚ければグラファイト化が進行しにくいということである。したがって、厚い高分子フィルムをグラファイト化する場合には、表面層ではグラファイト構造が形成されているのに内部ではまだグラファイト構造になっていないという状況が生じ得る。高分子フィルムの分子配向性はフィルム内部でのグラファイト化を促進し、結果的により低温で良質のグラファイトへの転化を可能にする。
高分子フィルムの表面層と内部とでほぼ同時にグラファイト化が進行するということは、内部から発生するガスのために表面層に形成されたグラファイト構造が破壊されるという事態を避けることにも役立ち、より厚いフィルムのグラファイト化を可能にする。本発明において使用される高分子フィルム(例えば、上記に列記した高分子フィルム、特にポリイミドフィルム)は、まさにこのような効果を生じるのに最適な分子配向を有していると考えられる。
<従来の、複屈折が0.12より小さい高分子フィルムの黒鉛化>
従来の、複屈折が0.12より小さい高分子フィルムを用いた場合では、1000℃までの昇温速度を5℃/min以下にすると、熱伝導性、密着性に優れたグラファイトフィルムが得られるが、1000℃までの昇温速度を5℃/minを超えるようにすると、熱伝導性、密着性に劣るグラファイトフィルムになる。
この従来の複屈折が0.12より小さい高分子フィルムにおける炭素化時の昇温速度が黒鉛化に及ぼす影響について説明する。
複屈折が0.12より小さい高分子フィルムを昇温速度が遅くして炭素化した場合、高分子の分解がゆっくり起こり、分解による分解ガスの発生もゆるやかに起こる。そのため、面内に整列した芳香環が壊れることなく、高分子の分解、分解ガスの発生がおこり、その結果、面内の配向性を保持したまま芳香環が再結合し、面内に芳香環が整列した炭素フィルムとなる。一方、炭素化の昇温速度が速い場合には、高分子の分解、分解ガスの発生が短時間で起こるため、短時間に大量のガスが発生し、フィルム面内で配向していた芳香環が乱され、芳香環がランダムになった状態で、芳香環の再結合が起こり、ガラス状の炭素となる。
その結果、炭素化の昇温速度が遅い場合には、炭素化後に芳香環が面内に整列した炭素質フィルムとなっているため、2000℃以上に熱処理すると、黒鉛となり、熱伝導性、密着性に優れたグラファイトとなる。一方、炭素化の昇温速度が速い場合には、炭素化後に芳香環が面内にランダムな状態で再結合したガラス状の炭素となっているため、2000℃以上に熱処理したとしても、黒鉛にならず、ガラス状炭素のままで、熱伝導性、密着性に劣る炭素質フィルムしか得られなかった。
以上のことから、従来の方法では、熱伝導性、密着性に優れたグラファイトフィルムを得るためには、炭素化の昇温速度を遅くすることは必要不可欠な条件であり、熱伝導性、密着性に優れたグラファイトフィルムを得るためには、炭素化の昇温速度を遅くするといった生産性の劣る方法をとる必要があった。
<本発明の複屈折が0.12以上の高分子フィルムの黒鉛化>
しかし、本発明では、複屈折が0.12以上の高分子フィルムを出発原料に用いることで、従来では、黒鉛化せず、熱伝導性、密着性に優れたグラファイトを得ることが困難であった早い炭素化の昇温速度でも、熱伝導性、密着性に優れたグラファイトを得ることができ、さらに外観上にも優れたグラファイトを得ることができた。
複屈折が0.12以上の高分子フィルムの黒鉛化における炭素化時の昇温速度が黒鉛化に及ぼす影響について説明する。
従来の出発原料に複屈折が0.12以下の高分子フィルムを用いると、炭化時の昇温速度を遅くすると、短時間での分解ガス発生により、炭素化後には、芳香環が乱れたガラス状カーボンしか得られず、それを2000℃以上で熱処理しても黒鉛とならなかった。一方、出発原料に複屈折が0.12以上の高分子フィルムを用いると、出発原料の芳香環が面内によく配向しているため、昇温速度が速くて、短時間で分解ガスが発生し、面内の配向が乱されたとしても、黒鉛化するには十分な芳香環が面内に配向した炭素質フィルムとなり、2000℃以上に熱処理すると、熱伝導性、密着性に優れたグラファイトフィルムになった。
さらに、出発原料に複屈折が0.12以上の高分子フィルムを用いた場合、炭化時の昇温速度を遅くすると、芳香環が面内に非常に配向した炭素化フィルムとなる。特に昇温速度が遅いために、表面からゆっくり炭素化が起こり、表面部分で芳香環が面配向した炭素化フィルムが得られる。その結果、黒鉛化処理することで熱伝導性、密着性が優れたグラファイトが得られるものの、面配向が非常に優れるがゆえに、表面部分の黒鉛化が非常に進みすぎ、出来上がりのグラファイト表面から若干黒鉛片が剥がれることがある。一方、炭化時の昇温速度を早くすると、瞬間的にフィルム全体に熱が伝わり、炭素化がフィルムの表面及び内部で均質に起こり、芳香環が配向し、フィルムの表面及び内部で均質な炭素質フィルムが得られる。その結果、本材料を黒鉛化処理することで熱伝導性、密着性が優れ、さらに外観も非常に優れたグラファイトが得られる。
本発明によるグラファイトフィルムの製造方法が従来製造方法よりも優れている理由や機構、本発明によるグラファイトフィルムが従来製造方法によるグラファイトフィルムよりも優れた均一性を発現する理由や機構については、学術的詳細研究がさらに必要ではあるが、上記のとおりと、推定できる。
<得られるグラファイトフィルムの特性>
本発明の製造方法で作製されるグラファイトフィルムの熱拡散率は、5.0×10-42/S以上、好ましくは7.0×10-42/S以上であると良い。5.0×10-42/S以上になると、熱伝導性が高いために、発熱機器から熱を逃がしやすくなり、発熱機器の温度上昇を抑えることが可能となる。一方、5.0×10-42/S未満になると、熱伝導性が悪いために、発熱機器から熱を逃がすことができなくなり、発熱機器の温度上昇を抑えることができなくなる。
本発明の製造方法で用いられる高分子フィルムの厚みは、50μm以上、好ましくは75以上、さらに好ましくは125μm以上であると良い。50μm以上になると、熱輸送能力が高まり、発熱機器から熱を逃がしやすくなり、発熱機器の温度上昇を抑えることが可能となる。
また、本発明の製造方法で作製されるグラファイトフィルムの発熱部品に対する密着性は優れているため、発熱部品の温度上昇を効果的に抑えることが出来る。また、本発明の製造方法で作製されるグラファイトフィルムは、ハサミやカッターを用いて容易に切断することが可能で、各種発熱部品に応じた形状に成形することが可能となる。さらに、本発明の製造方法で作製されるグラファイトフィルムは、外観上も綺麗なグラファイトとなっており、ゴミを嫌う用途には特に最適である。
以上のように、本発明において複屈折が0.12以上の高分子フィルムを2000℃以上の温度で熱処理するグラファイトフィルムの製造方法であって、1000℃以下の温度領域における昇温速度が1分間に5℃を超える熱処理をする工程を含むことを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法とすることで、従来よりも熱伝導性、密着性、切断性性、外観に優れた厚みの厚いグラファイトフィルムを生産性良く製造することが可能となる。
以下において、本発明の種々の実施例がいくつかの比較例と共に説明される。
(実施例1)
4,4’−オキシジアニリンの3当量を溶解したDMF溶液にピロメリット酸二無水物の4当量を溶解して、両末端に酸無水物を有するプレポリマが合成された後、そのプレポリマを含む溶液にp−フェニレンジアミンの1当量を溶解することによって得られたポリアミド酸を18.5wt%含む溶液が得られた。
この溶液を冷却しながら、ポリアミド酸に含まれるカルボン酸基に対して、1当量の無水酢酸、1当量のイソキノリン、およびDMFを含むイミド化触媒を添加し脱泡した。次にこの混合溶液が、乾燥後に所定の厚さになるようにアルミ箔上に塗布された。アルミ箔上の混合溶液層は、熱風オーブン、遠赤外線ヒーターを用いて乾燥された。
出来上がり厚みが75μmの場合の乾燥条件を示す。アルミ箔上の混合溶液層は、熱風オーブンで120℃において240秒乾燥されて、自己支持性を有するゲルフィルムにされた。そのゲルフィルムはアルミ箔から引き剥がされ、フレームに固定された。さらに、ゲルフィルムは、熱風オーブンにて120℃で30秒、275℃で40秒、400℃で43秒、450℃で50秒、および遠赤外線ヒータ−にて460℃で23秒段階的に加熱されて乾燥された。その他厚みに対しては、厚みに比例して焼成時間が調整された。例えば厚さ25μmのフィルムの場合には、75μmの場合よりも焼成時間を1/3に短く設定した。また、厚みが厚い場合には、ポリイミドフィルムの溶媒やイミド化触媒蒸発による発泡を防ぐために低温での焼成時間を十分とる必要がある。
以上のようにして、厚さ25μm、50μm、75μm、125μmの4種類のポリイミドフィルム(試料A:弾性率420kgf/mm2、吸水率2.2%、複屈折0.14、線膨張係数1.6×10-5/℃)が製造された。
試料Aを黒鉛板に挟み、電気炉を用いて窒素雰囲気下で、1℃/分、2℃/分.5.1℃/分、10℃/分、17℃/分、20℃/分、25℃/分、50℃/分、100℃/分の昇温速度で1000℃まで昇温された後、1000℃で1時間熱処理して炭化処理(炭素化処理)が行われた。この炭素化フィルムを炭素化フィルムA’とする。
得られた炭素化フィルムA’を黒鉛板に挟み、黒鉛化炉を用いて2100℃以下では減圧下、2100℃以上ではアルゴン雰囲気下で、10℃/分の昇温速度で2800℃まで加熱し、グラファイトフィルムが作製された。
(実施例2)
試料Aを黒鉛板に挟み、黒鉛製の炉を用いて窒素雰囲気下で、1℃/分、2℃/分.5.1℃/分、10℃/分、17℃/分、20℃/分、25℃/分、50℃/分、100℃/分の昇温速度で1000℃まで昇温された後、そのまま、2100℃以下では減圧下、2100℃以上ではアルゴン雰囲気下で、10℃/分の昇温速度で2800℃まで加熱し、グラファイトフィルムが作製された。
(実施例3)
ポリアミド酸に4,4’−オキシジアニリンの1当量、p−フェニレンジアミンの1当量を溶解したDMF(ジメチルフォルムアミド)溶液に、ピロメリット酸二無水物の2当量を溶解して得られたポリアミド酸を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ25μm、50μm、75μm、125μmの4種類のポリイミドフィルム(試料B:弾性率500kgf/mm2、吸水率3.0%、複屈折0.14、線膨張係数1.5×10-5/℃)が製造された。
このフィルムBを用いて、実施例1と同様に一旦炭素化処理をし、炭素化フィルムB’を経由して、グラファイトフィルムが作製された。
(比較例1)
4,4’−オキシジアニリンの1当量を溶解したDMF(ジメチルフォルムアミド)溶液に、ピロメリット酸二無水物の1当量を溶解して、ポリアミド酸酸を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ25μm、50μm、75μm、125μmの4種類のポリイミドフィルム(試料C:弾性率320kgf/mm2、吸水率3.0%、複屈折0.10、線膨張係数3.0×10-5/℃)が製造された。
このフィルムCを用いて、実施例1と同様に一旦炭素化処理をし、炭素化フィルムC’を経由して、グラファイトフィルムが作製された。
(比較例2)
比較例1のポリアミド酸溶液を用い、触媒を添加されていないポリアミド酸溶液が、乾燥後に所定の厚さになるようにアルミ箔上に塗布された。アルミ箔上の混合溶液層は、熱風オーブン、遠赤外線ヒータを用いて乾燥された。
アルミ箔上の混合溶液層は、熱風オーブンで120℃において10分乾燥されて、自己支持性を有するゲルフィルムにされた。そのゲルフィルムはアルミ箔から引き剥がされ、フレームに固定された。さらに、ゲルフィルムは、熱風オーブンにて120℃から400℃まで1時間かけて昇温して乾燥された。厚さ25μm、50μm、75μmおよび125μmの4種類のポリイミドフィルム(試料D:弾性率300kgf/mm2、吸水率>2.0%、複屈折0.08、線膨張係数3.5×10-5/℃)が製造された。また、厚みが厚い場合には、ポリイミドフィルムの溶媒の蒸発による発泡を防ぐために低温での焼成時間を十分とる必要がある。
このフィルムDを用いて、実施例1と同様に一旦炭素化処理をし、炭素化フィルムD’を経由して、グラファイトフィルムが作製された。
実施例1〜3、比較例1、2で得られたグラファイトフィルムの熱拡散率、密着性、切断性、外観が表1に示されている。なお、複屈折、強度、線膨脹係数は、高分子フィルムの特性である。高分子フィルムの厚みは、字義のとおり高分子フィルムの厚みである。また、熱拡散率、密着性、切断性、外観は、グラファイトフィルムの特性である。
Figure 0004657649
グラファイトフィルムの熱拡散率は、4mm×20mmのグラファイトフィルムを光交流法による熱拡散率測定装置(アルバック理工(株)社から入手可能な「LaserPit」)を用いて、20℃の雰囲気下、10Hzにおいて測定された。グラファイト化の進行状況は、フィルム面方向の熱拡散率を測定することによって判定され、熱拡散率が高いほど、グラファイト化が顕著であることを意味している。
グラファイトフィルムの密着性は、金属板に押し付け、金属部材に密着できるかを目視により判断した。密着するものを「○」、密着しないものを「×」とした。密着するのは、グラファイトフィルムが柔軟性であるかもしくは表面が平坦である場合である。密着しないのは、グラファイトフィルムが硬く変形しないことを意味する。
グラファイトフィルムの切断性は、グラファイトフィルムがはさみで任意に切断することが出来るかにより判断した。切断可能なものを「○」、切断できないものを「×」とした。発熱部材に応じてカッティングすることは、限られたスペースで効果的に放熱を行ううえで非常に重要な課題である。切断可能であることは、グラファイトフィルムがガラス状炭素ではなく黒鉛化が進行しており、脆くないことを意味する。
グラファイトフィルムの外観は、表面の銀色、均質性、剥がれが無いかを目視により判断した。表面が銀色で均質で剥がれが無いものを「○」、表面が銀色だが一部剥がれがあるものを「△」、黒色を「×」とした。銀色であると、充分黒鉛化が進行していることを意味し、黒色であるとガラス状炭素の状態で黒鉛化が進行していないことを意味する。
実施例1〜3で得られたグラファイトフィルムの熱拡散率は、炭化時の昇温速度に関係なく、いずれの水準も7.0×10-42/S以上と高い熱伝導性を示した。また、密着性、切断性、外観にも優れていた。このことから、複屈折の高い高分子フィルムを原料に用いることによって、炭化時の昇温速度を早めるという生産性を高める手法をとるによっても熱伝導性、密着性、切断性、外観を損なうことなく品質に優れたグラファイトフィルムを得ることができることがわかった。特に20℃/min以上の水準は、10℃/min以下の水準よりも高い熱伝導性を示し、外観にも優れており、むしろ炭化時の昇温速度を早くするほど高い熱伝導性を有するグラファイトフィルムになることが分かった。
一方、比較例1で得られたグラファイトフィルムの熱拡散率は、唯一ポリイミドフィルムCを炭化時の昇温速度1℃/minで処理したものにおいてのみ、7.0×10-42/S以上と高い熱伝導性を示し、炭化時の昇温速度が速くなるほど、熱拡散率は急速に低下していた。また昇温速度が遅くなるほど、密着性、切断性が低下し、非常に硬く脆いものになり、さらに、外観も黒色をしており、黒鉛化が充分進行しておらず、ガラス状炭素に近いと考えられる。このことから、複屈折が0.12以下の高分子フィルムを用いた場合には、炭化時の昇温速度を早くすると、熱伝導性が低いグラファイトフィルムしか得られないことがわかった。
実施例1、3で得られたグラファイトフィルムでは、実施例1の方が実施例3より優れていた。実施例1が実施例3よりも優れていた理由としては、実施例1では出発原料がシーケンスコントロールされて製造されているため、黒鉛化中の分子の再配列を容易にしたものと考える。また、出発原料の炭素比率が高いために、分解ガスの発生量が少なく、スムースに黒鉛化が進行したものと考える。
ポリイミドフィルム及びくさび形シート くさび形シートの斜視図
符号の説明
1 ポリイミドフィルム
2 くさび形シート
3 くさび形シートの幅
4 ナトリウム光
5 干渉縞

Claims (9)

  1. 複屈折が0.12以上の高分子フィルムを2000℃以上の温度で熱処理するグラファイトフィルムの製造方法であって、500℃以上800℃以下の温度領域における昇温速度が1分間に5℃を超える熱処理をする工程を含むものであり、
    前記高分子フィルムが、ジアミンと酸二無水物を用いて前記酸二無水物を両末端に有するプレポリマを合成し、前記プレポリマに前記とは異なるジアミンを反応させてポリアミド酸を合成し、前記ポリアミド酸をイミド化して作製されるポリイミドフィルムであることを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法。
  2. 複屈折が0.12以上の高分子フィルムを500℃以上800℃以下の温度領域における昇温速度が1分間に5℃を超える熱処理をしたフィルムを、2000℃以上の温度で熱処理するものであり、
    前記高分子フィルムが、ジアミンと酸二無水物を用いて前記酸二無水物を両末端に有するプレポリマを合成し、前記プレポリマに前記とは異なるジアミンを反応させてポリアミド酸を合成し、前記ポリアミド酸をイミド化して作製されるポリイミドフィルムであることを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法。
  3. 複屈折が0.12以上のポリイミドフィルムを2000℃以上の温度で熱処理するグラファイトフィルムの製造方法であって、500℃以上800℃以下の温度領域における昇温速度が1分間に20℃を超える熱処理をする工程を含むことを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法。
  4. 複屈折が0.12以上のポリイミドフィルムを500℃以上800℃以下の温度領域における昇温速度が1分間に20℃を超える熱処理をしたフィルムを、2000℃以上の温度で熱処理することを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法。
  5. 前記ポリイミドフィルムが、前駆体であるポリアミド酸を脱水剤とイミド化促進剤を用いてイミド化して作製されるポリイミドフィルムであることを特徴とする、請求項1乃至4記載のグラファイトフィルムの製造方法。
  6. 前記ポリイミドフィルムが、4,4’−オキシジアニリンとピロメリット酸二無水物とを用いて前記酸二無水物を両末端に有するプレポリマを合成し、前記プレポリマにp−フェニレンジアミンを反応させてポリアミド酸を合成し、前記ポリアミド酸をイミド化して作製されるポリイミドフィルムであることを特徴とする、請求項1乃至5記載のグラファイトフィルムの製造方法。
  7. 前記ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびp−フェニレンジアミンの比は、4:3:1であることを特徴とする請求項6に記載のグラファイトフィルムの製造方法。
  8. 前記500℃以上800℃以下の温度領域における昇温速度を1分間に20℃以上とすることを特徴とする、請求項1又は2記載のグラファイトフィルムの製造方法。
  9. 前記昇温速度を制御する温度領域が、400℃以上1000℃以下であることを特徴とする請求項1乃至8記載のグラファイトフィルムの製造方法。
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