JP2013189013A - グラファイト複合フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】電子機器等への貼り合わせの際、位置決めが容易であり、グラファイト複合フィルムに皺・折れ・キズ・筋などが入らず、さらに剥離可能なフィルムを剥がす際にグラファイト複合フィルムが破損しにくい薄膜のグラファイト複合フィルムを提供する。薄い絶縁テープや粘着テープで被覆したグラファイト加工品の提供が可能になる。
【解決手段】グラファイトフィルムに絶縁層が形成されているグラファイト複合フィルムにおいて、該グラファイト複合フィルムに剥離可能なフィルムが貼り合わせられている。特に、グラファイトおよび/または絶縁層に剥離可能なフィルムが貼り合わせられており、さらに、前記剥離可能なフィルムにスリットを形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器、精密機器などの放熱フィルムおよびヒートスプレッダ材料として使用される薄膜のグラファイト複合フィルムに関し、(1)剥離フィルムの剥がしやすさ、(2)貼り付け性、が改良された薄膜のグラファイト複合フィルムに関する。
一般に入手できるグラファイトフィルムとして、高分子熱分解法またはエキスパンド法により製造されたグラファイトフィルムが知られている。グラファイトフィルムは、熱伝導性、電気伝導性、耐熱性、耐寒性、耐薬品性および機械強度などにおいて優れた特性を有することが知られているが、特に熱伝導性、電気伝導性に優れたグラファイトフィルムを得る方法として、ポリオキサジアゾール、ポリイミド、ポリフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、またはポリアミド等の高分子フィルムをアルゴン、ヘリウム等の不活性雰囲気下や減圧下で熱処理する高分子熱分解法(特許文献1)が知られている。このようにして作製されたグラファイトフィルムは結晶性に優れ、熱伝導性・電気伝導性に非常に優れている。そのため、電子機器の放熱部材として使用される例が増加している。
具体的な使用例としては、
1.CPUと冷却ファンやヒートシンクの間に挟む放熱スペーサや
2.DVD光ピックアップ部分や筐体部分に貼り熱を拡散させる放熱スプレッダ
等が挙げられる。
特に近年、電子機器の小型化が進行しており、放熱材料により厚みが薄い材料が求められている。また、電子機器の高密度化に伴い、放熱材料が折り曲げた状態や折り畳まれた状態で使用されるケースが増加してきており、放熱材料には柔軟性が求められている。
特開昭61−275116号公報
上記のような電子機器の小型化・高密度化に伴い、グラファイトフィルムに対しても薄膜化・柔軟化の要求が高まっている。その一方で、グラファイトフィルムの薄膜化・柔軟化が進行すると、グラファイトフィルムのコシが非常に弱くなり、フィルム取り扱い時に、グラファイトフィルムに皺や折れが入ったり、裂けたりする場合があった。また、電子機器にグラファイトフィルムを取り付ける場合、グラファイトフィルム単体には粘着性・接着性がないために、粘着テープや接着テープを介して取り付け、グラファイト複合フィルムとする必要がある。さらにグラファイトフィルムが電気伝導性を有するため、電子部品間の電気的ショートを防ぐため、グラファイト表面をエポキシ樹脂、アクリル樹脂、PET樹脂等で保護し、絶縁処理を行う場合もある。このような場合、グラファイトフィルムに粘着層や絶縁層を貼り合わせることでコシを持たせ、皺、折れ、裂けといった問題を解決することもできる。しかし、前述した通り電子機器の小型化・高密度化の傾向は一層強まっており、粘着層、絶縁層においても薄膜化する必要があり、この場合グラファイト複合フィルムのコシが弱くなり、グラファイトフィルム単体と同様の問題が発生する。さらに、グラファイト複合フィルムを電子機器等へ貼り合わせる場合、(1)剥離フィルムを剥がす際の折れや裂けといった問題の発生、(2)貼り付ける際のコシが弱く取り扱いづらいため、作業性が悪くなってしまうといった問題が発生する。本発明は上記の問題を解決するものであり、電子機器等へ貼り付ける際の(1)剥離フィルムの剥がしやすさ、(2)貼り付け性、が改良された薄膜のグラファイト複合フィルムを提供することを課題としている。
(1)両面に、剥離可能なフィルムが貼り合わせられていることを特徴とするグラファイト複合フィルムである。
(2)少なくとも一枚の剥離可能なフィルムにスリットが形成されていることを特徴する(1)に記載のグラファイト複合フィルムである。
(3)片面に、スリットが形成された剥離可能なフィルムが貼り合わせられていることを特徴とするグラファイト複合フィルムである。
(4)グラファイト複合フィルムが、グラファイトフィルム上に絶縁層が形成されたものである、(1)〜(3)のいずれかに記載のグラファイト複合フィルムである。
(5)剥離可能なフィルムが、グラファイトフィルムおよび/または絶縁層の上に貼り合わせられていることを特徴する(1)〜(4)のいずれかに記載のグラファイト複合フィルムである。
(6)端面にグラファイトフィルムが存在することを特徴する(1)〜(5)のいずれかに記載のグラファイト複合フィルムである。
(7)幅5mm以下の部分を有することを特徴する(1)〜(6)のいずれかに記載のグラファイト複合フィルムである。
(8)剥離可能なフィルムが、位置決めのための穴を有することを特徴する(1)〜(7)のいずれかに記載のグラファイト複合フィルムである。
(9)剥離可能なフィルムの少なくとも一部が、グラファイト複合フィルムの端部からはみ出していることを特徴する(1)〜(8)のいずれかに記載のグラファイト複合フィルムである。
(10)グラファイト複合フィルムの厚みが180μm以下であり、グラファイトフィルムの厚みが100μm以下であり、剥離可能なフィルムの密着力が、0.001〜1(N/25mm)であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載のグラファイト複合フィルムである。
(11)剥離可能なフィルムがポリエチレンテレフタレート系フィルムであることを特徴とする(1)〜(10)に記載のグラファイト複合フィルムである。
(12)グラファイトフィルムが、高分子フィルムおよび/または炭素化した高分子フィルムからなる原料フィルムを2000℃以上の温度で熱処理して得られるグラファイトフィルムである(1)〜(11)のいずれかに記載のグラファイト複合フィルムである。
(13)前記グラファイトフィルムの厚みが、50μm以下であることを特徴とする、(1)〜(12)のいずれかに記載のグラファイト複合フィルムである。
(14)前記絶縁層の厚みが、15μm以下であることを特徴とする、(1)〜(13)のいずれかに記載のグラファイト複合フィルムである。
本発明は、グラファイト複合フィルムを電子機器等へ貼り付ける際の(1)剥離フィルムの剥がしやすさ、(2)貼り付け性、が改良された薄膜のグラファイト複合フィルムを提供することを課題としている。
グラファイト複合フィルムの形状 グラファイト複合フィルムの形状 グラファイト複合フィルムの形状 グラファイト複合フィルムの形状 剥離可能なフィルムなフィルムの形状 図5の剥離可能なフィルムにスリットを設けた場合の形状 剥離可能なフィルムなフィルムの形状 図7の剥離可能なフィルムにスリットを設けた場合の形状 剥離可能なフィルムなフィルムの形状 図9の剥離可能なフィルムにスリットを設けた場合の形状 剥離可能なフィルムなフィルムの形状 図11の剥離可能なフィルムにスリットを設けた場合の形状 剥離可能なフィルムなフィルムの形状 図13の剥離可能なフィルムにスリットを設けた場合の形状 剥離可能なフィルムなフィルムの形状 図15の剥離可能なフィルムにスリットを設けた場合の形状 剥離可能なフィルムなフィルムの形状 図17の剥離可能なフィルムにスリットを設けた場合の形状 剥離可能なフィルムなフィルムの形状 図19の剥離可能なフィルムにスリットを設けた場合の形状 剥離可能なフィルムなフィルムの形状 図21の剥離可能なフィルムにスリットを設けた場合の形状 図21の剥離可能なフィルムにスリットを設けた場合の形状
本発明のグラファイト複合フィルムは、グラファイトフィルムに絶縁層が形成されているグラファイト複合フィルムにおいて、該グラファイト複合フィルムに剥離可能なフィルムが貼り合わせられていることを特徴とする。
従来の様な剥離可能なフィルムが設けられていない薄膜のグラファイト複合フィルムの場合、電子機器等への貼り付けの際、コシが弱く折れ曲がってしまい、位置合わせが困難であり、作業性が著しく低下してしまうという問題が発生していた。また、貼り合わせた後の皺や、折れの原因ともなっていた。しかし剥離可能なフィルムを設けることで貼り付けの際もグラファイト複合フィルムのコシを保つことができこの問題を解決可能であり、取扱い性に優れたグラファイト複合フィルムとすることができる。
特に、絶縁層へ剥離可能なフィルムを設けると、グラファイト複合フィルムのコシを保つことができ、且つ、電子機器等への貼り合わせ作業の後に、最上部の層が剥離可能なフィルムとなるため、剥がしやすく、作業性が良くなるため好ましい。
<剥離可能なフィルム>
本発明の剥離可能なフィルムには、スリットが形成されていると良い。スリットとしては、剥離可能なフィルムに対して一部設けられていても良いし、剥離可能なフィルムを切断するように設けられていても良い。
粘着層に剥離可能なフィルムを設けた場合、このようにスリットを設けることで、剥離可能なフィルムを剥がしやすくする効果がある。また、グラファイト複合フィルムを電子機器等へ貼り合わせる際も、スリット部分から一部粘着層を露出させ、その部分を貼り合わせ位置決めをして、その後剥離可能なフィルム全体を剥がすことで、貼り付けの作業性を格段に改善することができる。
また、グラファイトフィルムや絶縁層に剥離可能なフィルムを設けた場合、グラファイト複合フィルムの電子機器等への貼り合わせが容易になることは前述したが、さらに、この剥離可能なフィルムにスリットを入れることで、剥離可能なフィルムを剥がす作業も容易に行うことができ、剥がす際にグラファイト複合フィルムを傷つけてしまうという問題等も改善することができる。
本発明の剥離可能なフィルムとしては、樹脂フィルムを用いることが好ましい。樹脂フィルムはコシが強く、折れにくく、薄膜のグラファイト複合フィルムをうまく補強してくれる。樹脂フィルムとしては、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレート系フィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリイミド系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム等が挙げられ、特に、ポリエチレンテレフタレート系フィルムが好ましい。ポリエチレンテレフタレート系フィルムは、強度が強く、貼り合わせる圧力によって、変形することなく、十分な密着力を得られるために好ましい。またグラファイト複合フィルムに貼り合せられる場合、特に、絶縁層やグラファイトに直接貼り合せる場合には、樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート系フィルムが好ましい。というのは、ポリエチレンテレフタレート系フィルムはコシが強いために、絶縁層やグラファイトからはがす際に、ポリエチレンテレフタレート系フィルムに力が加わりやすくなり、絶縁層とグラファイトの界面、グラファイトの層間で剥離することを抑えることが出来る。またこれら樹脂フィルムに、シリコーン系やフッ素系の撥水処理(離型処理)をしたフィルムが好ましい。剥離処理をすることで、剥離可能なフィルムを絶縁層、粘着層、グラファイトフィルムから引きはがす際に、これらを破損することなく引きはがすことが可能となる。
本発明の剥離可能なフィルムは、グラファイトフィルムに絶縁層が形成されているグラファイト複合フィルムの端部からはみ出すように設けられているほうが良い。このような構成にすることで、剥離可能なフィルムを剥がしやすくすることができ、グラファイト複合フィルムが傷つきにくくなる。本発明において、剥離可能なフィルムがはみ出した部分の最大値は、好ましくは1mm以上、より好ましくは3mm以上、さらに好ましくは5mm以上である。この場合、剥離可能なフィルムの全体がはみ出す必要は無く、一部分がはみ出すだけでも効果がある。
本発明の剥離可能なフィルムの、グラファイトフィルム、もしくは絶縁層、もしくは粘着層との密着力は、通常、0.001〜1(N/25mm)であり、好ましくは0.01〜0.5(N/25mm)、さらに好ましくは0.03〜0.25(N/25mm)である。
本発明における「密着力」とは、グラファイトフィルムおよび粘着層および絶縁層と剥離可能なフィルムとを剥離させる際の応力をいう。密着力は、主に粘着力、接着力、静電気力に基づくものである。ここで、本発明における「密着力」は、JIS Z−0237に準ずる、引張速度:300mm/min、剥離角度:90°の条件での粘着層の粘着力をいう。
密着力が1(N/25mm)以上であると剥離させる際の応力が強くかかりすぎてしまい、薄膜のグラファイト複合フィルムはコシが弱いためにうまく剥がれず、折れや裂け、さらにグラファイトの層間が剥がれるといった問題が発生してしまう。本発明の剥離可能なフィルムがグラファイトフィルムもしくは絶縁層に設けられる場合は、グラファイト複合フィルムを電子機器等へ貼り合わせた後、グラファイトフィルムもしくは絶縁層から剥離可能なフィルムを剥がすことになる。よって、グラファイトフィルムもしくは絶縁層と、本発明の剥離可能なフィルムとの密着力が、グラファイト複合フィルムと電子機器との密着力や、粘着層とグラファイトフィルムとの密着力、絶縁層とグラファイトフィルムとの密着力に対して、大きくなってしまうと、グラファイト複合フィルムが電子機器等から剥がれてしまったり、グラファイトの層間剥離等が発生してしまう。よって、剥離可能なフィルムとグラファイトフィルムの密着力はかなり小さな値でなくてはならず、剥離可能なフィルムとグラファイトフィルムの密着力が1(N/25mm)以下であることが好ましい。また、本発明の剥離可能なフィルムが粘着層に設けられている場合も同様であり、剥離可能なフィルムと粘着層の密着力が、粘着層とグラファイトフィルムの密着力や、絶縁層とグラファイトフィルムの密着力よりも大きくなってしまうと、グラファイト複合フィルムが破損したり、グラファイトフィルムの層間剥離が起こってしまう。
また、密着力が0.001(N/25mm)以下であると粘着層と剥離フィルム自体がうまく貼りあわなくなってしまう。
本発明の剥離可能なフィルムの厚みは、10μm以上、好ましくは30μm以上、さらに好ましくは50μm以上であると良い。この範囲以上にあれば、コシがあり、取り扱い性が良く、皺、折れ、破れ、裂けが発生しにくく、グラファイト複合フィルムの電子機器等への貼り合わせが容易になる。
また、本発明の剥離可能なフィルムの厚みが、500μm以上になると、コシが強すぎるために剥がす際剥がしづらく、グラファイト複合フィルムを傷つけやすくなってしまう。
本発明の剥離可能なフィルムを絶縁層もしくはグラファイトフィルムに貼り合わせる場合、剥離可能なフィルムとして微粘着フィルムを用いるのが良い。微粘着フィルムとしては、基材の少なくとも片面に粘着層が形成された微粘着フィルムがよい。基材と粘着層との構成とすることにより、剥離可能なフィルムのコシと粘着力の機能を、フィルムの基材とフィルムの粘着層で調整することが可能となり好ましい。本発明における微粘着フィルムの粘着層の粘着力は、JIS Z−0237に準ずる、被着体:アクリル板、引張速度:300mm/min、剥離角度:180°の条件での粘着層の粘着力をいう。微粘着フィルムの粘着層の粘着力は、2(N/25mm)以下、好ましくは1(N/25mm)以下、さらに好ましくは0.5(N/25mm)以下、特に好ましくは0.2(N/25mm)以下である。この範囲以下にあれば、絶縁層もしくはグラファイトフィルムから剥離可能なフィルムを剥がす際、グラファイト複合フィルムを傷つけることなく剥がすことができるため好ましい。本発明の微粘着フィルムの粘着力は、0.005(N/25mm)以上、好ましくは0.01(N/25mm)以上、さらに好ましくは0.05(N/25mm)以上である。この範囲以上にあれば、グラファイト複合フィルムの絶縁層もしくはグラファイトフィルムと接着可能であり、グラファイト複合フィルムの取扱い時以外に剥がれてしまうという問題を解消することができる。本発明の微粘着フィルムの粘着層が、合成ゴム系粘着材、アクリル系粘着材であるとよい。これら材料は絶縁層やグラファイトフィルムとの微粘着の範囲を調整する上で好ましい。その結果、剥離可能なフィルムを剥がす際も、シワ、折れ、破れ、裂けが発生することなく、絶縁層やグラファイトフィルムを破損することなく作業可能となる。本発明の微粘着フィルムの基材が、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレート系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム等であることが好ましい。中でも、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリオレフィン系フィルムは柔軟性に優れるため、絶縁層やグラファイトフィルムから微粘着フィルムを剥離しやすくなるため好ましい。ポリエチレンテレフタレート系フィルム、であると、コシがあり、強度が優れるので、薄膜のグラファイト複合フィルムを補強することができ、グラファイト複合フィルムを電子機器等へ貼り合わせる際も位置合わせ等を容易に行うことができる。
<剥離可能なフィルムの枚数>
本発明では、グラファイト複合フィルムの両面に剥離可能なフィルムを貼り合わせることが好ましい。またこの場合、剥離可能なフィルムの少なくとも一枚にスリットが形成されていることが好ましい。こうすることにより、本発明の効果が大きくなる。
また本発明において、グラファイト複合フィルムの片面だけに剥離可能なフィルムを貼り合わせる場合は、剥離可能なフィルムにスリットを形成することが好ましい。こうすることにより、本発明の効果が大きくなる。
<グラファイトフィルムに絶縁層が形成されているグラファイト複合フィルム>
本発明で使用するグラファイトフィルムに絶縁層が形成されているグラファイト複合フィルムとしては、厚みが薄いものが好ましい。薄膜であることで、電子機器において、省スペース化が実現できるために好ましい。具体的には、本発明で使用するグラファイトフィルムに絶縁層が形成されているグラファイト複合フィルムの厚みは180μm以下、好ましくは100μm以下である。180μm以下であることで、電子機器において、省スペース化が実現できるために好ましい。厚みが薄くなるに従い、コシが無くなるが、厚みが薄いほど、剥離可能なフィルムを貼り合わせた際の改善効果が高い。なお、本発明でのグラファイト複合フィルムの厚みは、剥離可能なフィルムを剥がした後の厚みをいう。すなわち剥離可能なフィルムの厚みは算入しない。
本発明で使用するグラファイトフィルムに絶縁層が形成されているグラファイト複合フィルムが、端面にグラファイトフィルムが存在しているものであると、グラファイト複合フィルムを取り扱う際(グラファイト複合フィルムについた剥離可能なフィルムをはがしたり、複合フィルムの貼り付けたりする場合)に、特にグラファイト複合フィルムの端部にて、グラファイトと絶縁層の界面、グラファイトの層間、グラファイトと粘着層の界面等で剥離し、破損しやすい。しかし、グラファイト複合フィルムに剥離可能なフィルムを設けた場合、特に、グラファイトまたは絶縁層に剥離可能なフィルムを貼り合せた場合、グラファイト複合フィルムのコシが強くなり、取り扱い時に、グラファイト複合フィルムが破損することを大幅に抑えることが出来る。また、グラファイト複合フィルムが、端面にグラファイトフィルムが存在しているものであると、剥離可能なフィルムを設けた場合、グラファイトフィルムからの粉落ちを抑制する効果がある。端面にグラファイトフィルムが存在する構成の場合、グラファイトフィルムが端面からむき出しになっているため、グラファイトフィルムからグラファイトの粉が落ちてしまう可能性がある。電子機器等へ使用する場合は、このようなことが起こると、通電し、ショートしてしまう可能性がある。特にこのようなグラファイト複合フィルムを電子機器等へ貼り合わせる際は、グラファイト複合フィルムを手などで持ち、動かしたりすることが多いために、粉落ちが起こりやすい。さらに薄膜のグラファイト複合フィルムであると、コシが無いために位置決めが容易ではなく、位置決めするために触ったり、動かしたりすることが多くなり、粉落ちしやすくなってしまう。しかし、剥離可能なフィルムを設けることで、コシが出て、位置決めも容易になり、粉落ちを抑制することができる。
本発明において、「端面にグラファイトフィルムが存在している」とは、グラファイト複合フィルムの端部から0.5mm以内、好ましくは0.3mm以内、さらに好ましくは0.1mm以内に、グラファイトフィルムが存在していることをいう。
グラファイトフィルムに絶縁層が形成されているグラファイト複合フィルムが、幅の狭い部分を有していると剥離可能なフィルムを設けた場合、グラファイト複合フィルムの取り扱い性向上効果が現れやすい。特に幅5mm以下の部分を有する場合はその効果が顕著となり、幅が細くなるほど、効果が現れやすい。薄膜のグラファイト複合フィルムはコシが弱く、扱いづらい上に、幅の細い部分を持つ構成の場合その部分のコシはさらになくなり、曲がりやすくなってしまう。そのため、電子機器等へ貼り合わせたい場合などは、そのままの構成では難しく、剥離可能なフィルムを設けることで、コシを持たせ、貼り合わせを容易にすると良い。
なお、前記絶縁層の厚みは1μm以上、15μm以下であることが好ましい。ここでいう絶縁層の厚みとは、絶縁層がテープ状のもの(すなわち絶縁材料に粘着剤を積層したもの)である場合、テープ全体の厚みをいう。
<グラファイト複合フィルム>
本発明のグラファイト複合フィルム、特に剥離可能なフィルムには、位置決めのための穴を有していると良い。電子機器等の被着体に位置決めのための凸部を設けた場合、グラファイト複合フィルムの穴を凸部分にセットすることで位置決めを容易に行うことができため、好ましい。
<グラファイトフィルム>
本発明で使用するグラファイトフィルムの構造、性能等に特に制限を受けることなく、一般に市販されているグラファイトフィルムが使用可能である。本発明のグラファイトフィルムは、高分子を熱処理して得られるグラファイトフィルム、天然黒鉛を原料とするエキスパンドして得られるグラファイトフィルム等が適している。高分子熱分解法は、ポリオキサジアゾール、ポリイミド、ポリフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾールまたはポリアミド等の高分子フィルムをアルゴン、ヘリウム等の不活性雰囲気下や減圧下で熱処理する方法である。また、エキスパンド法は、粉状、燐片状の天然黒鉛を酸に浸漬後、加熱によりグラファイト層間を拡げることによって得られる膨張黒鉛をロールプレス加工する方法である。エキスパンド法で作製されたグラファイトは、高分子熱処理法で作製されたグラファイトに比べて、グラファイトと粘着層の界面、グラファイト層間、グラファイトと絶縁層の界面で剥離破損しやすく、剥離可能なフィルムを設けることによる取り扱い性改善効果は非常に高い。
<高分子分解法により得られたグラファイトフィルム>
本発明のグラファイトフィルムとしては、高分子分解法により得られたグラファイトフィルムが好ましい。本方法で作成されたグラファイトフィルムは、厚みが薄く、厚みバラツキが少なく、屈曲性、熱伝導性に優れ、グラファイト複合フィルムとした際も平滑性に優れ、電子機器等との接着性が良く、熱伝導性に優れるグラファイトフィルムへ熱を伝えやすく、放熱性を向上させることができる。また、高分子分解法により得られたグラファイトフィルムは高度な分子構造を示すため、非常に厚みが薄いながらも、強度が強く、屈曲性が高く、熱拡散性が優れたものとなりやすい。
<グラファイトフィルムの厚み>
本発明のグラファイトフィルムの厚みは、薄いものが好ましい。薄膜であることで、電子機器において、省スペース化が実現できるために好ましい。具体的には、本発明のグラファイトフィルムの厚みは100μm以下、好ましくは70μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。100μm以下のグラファイトフィルムであることで、電子機器において、省スペース化が実現できるために好ましい。厚みが薄くなるに従い、取扱い時に、シワ、折れ、裂けが入りやすくなるが、厚みが薄いほど、剥離可能なフィルムを貼り合わせた際の改善効果が高い。
グラファイトフィルムの厚みの測定方法としては、50mm×50mmのフィルムを厚みゲージ(ハイデンハイン(株)社から入手可能な「厚みゲージ」)を用い、室温25℃の恒温室にて、任意の10点を測定し、平均して測定値とした。
<グラファイトフィルムの熱拡散率>
本発明のグラファイトフィルムの面方向の熱拡散率は、8.0×10−4/s以上、好ましくは8.5×10−4/s以上、さらに好ましくは9.0×10−4/s以上であると良い。特にグラファイトフィルムの厚みが薄い場合には、グラファイトフィルムの絶対的な熱拡散性が低下するために、電子機器の熱を拡散するためには8.0×10−4/s以上であることが好ましい。
<グラファイトフィルムのMIT>
本発明のグラファイトフィルムのMITは、50000回以上、好ましくは100000回以上、さらに好ましくは200000回以上であると良い。この範囲以上になると、電子機器の折り曲げ部や折り曲げた状態での熱拡散シートに使用することが可能となるために好ましい。さらに、剥離可能なフィルムを剥がすときに、グラファイトと粘着層の界面、グラファイトの層間、グラファイトと絶縁層で剥離し、破損しにくくなる。また、ハンドリング、ラミネート、抜き加工、端部被覆する際に、グラファイトフィルムに曲げの力が加わる場合があるが、そのような工程において、折れ、曲げ、裂け、皺が入りにくくなるため好ましい。より具体的には、グラファイトフィルムをラミネートのローラーに這わせる際に、グラファイトフィルムに曲率が加わるがそのような過程を経ても熱特性の低下が確認されない。グラファイトフィルムのMIT耐屈曲試験は、東洋精機(株)製のMIT耐揉疲労試験機型式Dを用い、折り曲げ部分の曲率半径R1mm・屈曲角135度で測定した。
<グラファイトフィルムの製法>
本発明の目的に好ましく用いられるグラファイトフィルムの第一の製造方法は、グラファイト粉末をシート状に押し固めたグラファイトフィルムである。グラファイト粉末がフィルム状に成型されるためには粉末がフレーク状、あるいはリン片状になっている必要がある。この様なグラファイト粉末の製造のための最も一般的な方法がエキスパンド(膨張黒鉛)法と呼ばれる方法である。これはグラファイトを硫酸などの酸に浸漬し、グラファイト層間化合物を作製し、しかる後にこれを熱処理、発泡させてグラファイト層間を剥離するものである。剥離後、グラファイト粉末を洗浄して酸を除去し薄膜のグラファイト粉末を得る。この様な方法で得られたグラファイト粉末をさらに圧延ロール成型してフィルム状のグラファイトを得る。この様な手法で得られた、膨張黒鉛を用いて作製されたグラファイトフィルムは柔軟性にとみ、フィルム面方向に高い熱伝導性を有するので本発明の目的に好ましく用いられる。
本発明の目的に好ましく用いられるグラファイトフィルムの第二の製造方法は、フィルム状グラファイトがポリイミド樹脂などの高分子フィルムの熱処理によって作製されたものである。
第二の方法で用いられるグラファイトフィルムの原料フィルムは、ポリイミド、ポリアミド、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾビスイミダゾール、ポリチアゾールのうちから選ばれた少なくとも一種類以上の高分子フィルムである。
特に、本願発明のグラファイトフィルムの原料フィルムとして好ましいのは、ポリイミドフィルムである。ポリイミドフィルムは、他の有機材料を原料とする原料フィルムよりもフィルムの炭化、黒鉛化が進行しやすいため、フィルムの熱拡散率、熱伝導率、電気伝導度が低温で均一に高くなりやすく、かつ熱拡散率、熱伝導率、電気伝導度そのものも高くなりやすい。また、厚みが薄い場合に加え、厚い場合においても熱伝導性の高いグラファイトとなる。また、出来上がるグラファイトの結晶性が優れ、耐熱性、折り曲げ性に優れ、グラファイト複合フィルムとした際も、表面から黒鉛が落ちにくいグラファイト複合フィルムが得られやすい。
高分子からグラファイトフィルムを得るには、まず、出発物質である高分子フィルムを減圧下もしくは不活性ガス中で予備加熱処理して炭素化する。この炭素化は通常1000℃程度の温度で行い、例えば10℃/分の速度で昇温した場合には1000℃の温度領域で30分程度の温度保持を行うことが望ましい。グラファイト化工程は、減圧下もしくは不活性ガス中でおこなわれるが、不活性ガスとしてはアルゴン、ヘリウムが適当である。本願発明のグラファイトフィルムの製造方法においてその熱処理温度としては、最低でも2000℃以上が必要で、最終的には2400℃以上、より好ましくは、2600℃以上さらに好ましくは2800℃以上であり、このような熱処理温度にすることにより、熱伝導性に優れたグラファイトを得ることができる。熱処理温度が高いほど良質のグラファイトへの転化が可能であるが、経済性の観点からはできるだけ低温で良質のグラファイトに転化できることが好ましい。2500℃以上の超高温を得るには、通常はグラファイトヒーターに直接電流を流して、そのジュ−ル熱を利用した加熱が行なわれる。
<用途>
本発明に係るグラファイトフィルム及びグラファイト複合フィルムは、熱伝導性に優れるため、あらゆる熱に関わる用途に使用することが可能である。さらに、柔軟性、電気伝導性にも優れるため、この特徴を活かした用途には特に適している。
グラファイトフィルムの熱伝導に優れるという特徴は、熱を移動させる、熱を逃がす、熱を広げる、熱を均一にする、熱応答を早くする、早く暖める、早く冷ますといった効果が必要な用途には適している。熱を瞬時に広げることで急激な温度変化を防止緩和したり、局所的な熱の集中を回避したりすることが可能である。またその逆で、急激な変化を起こさせたり、わずかな熱の変化を検知したりする用途に使用することが可能である。熱が緩和されることで高温環境下においても強度、接着性を確保できる。また、均一かつ正確に熱を伝えることにより、高精度、高品位、高画質といった特性改善も可能になる。製造装置に用いた場合には、熱を早く、大量に輸送できる特長を活かし、タクトタイム短縮、加熱・冷却効率改善、乾燥効率改善、高速化、待ち時間短縮といった生産性の向上が可能になる。また、熱の均一化や素早い輸送により、不良低減、保温機能も高めることが可能となる。また、様々な機器に採用することで、省スペース化、薄膜化、軽量化、機構の単純化、設置の自由度改善を可能とし、余計な部品を無くすことで、省電力化、静音化も可能となる。また、熱を逃がすことが可能なため、ヒートサイクル環境試験やアニ−ル処理でも特性劣化なく、半田耐熱、接着層の密着性、耐熱性、信頼性、耐久性が改善でき、また断熱性を高めたり、熱に弱い部品から守ったりすることも可能となる。その結果、メンテナンスレス、コストダウンにつながり、安全性も改善することが可能となる。
具体的な用途として、以下のものがあげられる。例えば、サーバー、サーバー用パソコン、デスクトップパソコン、ワードプロセッサ、キーボード、ゲーム等の電子機器、ノートパソコン、電子辞書、PDA、携帯電話、携帯ゲーム機器、ポータブル音楽プレイヤー等の携帯電子機器。液晶ディスプレイ、透過型液晶表示装置、反射型LCDパネル、プラズマディスプレイ、SED、LED、有機EL、無機EL、液晶プロジェクター、リアプロジェクター、液晶パネル、バックライト装置(ばらつき防止、温度ムラ改善)、TFT基板、電子放出素子、電子源基板とフェースプレート(軽量化)、表示パネルフレームとの複合、発光素子、電荷注入型発光素子、時計等の光学・表示機器及びその部品。レーザー、半導体レーザー、発光ダイオード、蛍光灯、白熱電球、発光ドット、発行素子アレー、照明ユニット、平面発光装置、原稿照明装置等の発光・照明装置。インクジェット(熱エネルギーを利用してインクを途出する)用の単体もしくは複数からなる記録ヘッド(ヒーター、断熱材、蓄熱層等)、ラインヘッド、長尺インクヘッド、固体インクジェット装置、インクジェットヘッド用放熱板、インクカートリッジ、インクジェットヘッド用シリコン基板、インクジェット駆動ドライバ、インクジェット記録紙を加熱するための加熱源(ハロゲンランプヒータ)等のインクジェットプリンタ(インクヘッド)装置及びその部品。トナーカートリッジ、レーザー光源を有する装置、走査光学装置(光線出射ユニット、偏向走査ポリゴンミラー、ポリゴンミラー回転駆動モーター、感光体ドラムへ導く光学部品)、露光装置、現像装置(感光ドラム、光受容部材、現像ローラー、現像スリーブ、クリーニング装置)、転写装置(転写ロール、転写ベルト、中間転写ベルト等)、定着装置(定着ロール(芯、外周部材、ハロゲンヒーター等)、サーフヒーター、電磁誘導加熱ヒーター、セラミックヒーター、定着フィルム、フィルム加熱装置、加熱ローラー、加圧ローラー・加熱体、加圧部材、ベルトニップ)、シート冷却装置、シート載置装置、シート排出装置、シート処理装置等からなる電子写真装置・画像形成装置及びその部品。定着装置ではグラファイトフィルムの使用による熱特性の改善効果は顕著であり、幅方向の画質ムラ、画質欠陥、連続通紙における画質バラツキ、立ち上がり・下がり時間、リアルタイム対応、温度の高追従性、通紙部と非通紙部の温度差、皺、強度、省電力、オンデマンド加熱、高温オフセット及び低温オフセット、ヒーター周辺部材の過昇温、ヒーター割れが大幅に改善できる。熱転写式記録装置(リボン)、ドットプリンタ、昇華プリンタ等のその他記録装置。半導体素子、半導体パッケージ、半導体封止ケース、半導体ダイボンディング、液晶表示素子駆動用半導体チップ、CPU、MPU、メモリ、パワートランジスタ、パワートランジスタケース等の半導体関連部品。プリント基板、リジッド配線板、フレキシブル配線板、セラミック配線板、ビルドアップ配線板、実装基板、高密度実装プリント基板、(テープキャリアパッケージ)、TAB、ヒンジ機構、摺動機構、スルーホール、樹脂パッケージング、封止材、多層樹脂成形体、多層基板等の配線基板。CD、DVD(光ピックアップ、レーザー発生装置、レーザー受光装置)、ブルーレイディスク、DRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、光記録再生装置、磁気記録再生装置、光磁気記録再生装置、情報記録媒体、光記録ディスク、光磁気記録媒体(透光性基板、光干渉層、磁壁移動層、中間層、記録層、保護層、放熱層、情報トラック)、受光素子、光検出素子、光ピックアップ装置、磁気ヘッド、光磁気記録用磁気ヘッド、半導体レーザチップ、レーザダイオード、レーザー駆動IC等の記録装置、記録再生装置及びその部品。デジタルカメラ、アナログカメラ、デジタル一眼レフカメラ、アナログ一眼レフカメラ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ一体型VTR用、カメラ一体型VTR用IC、ビデオカメラ用ライト、電子閃光装置、撮像装置、撮像管冷却装置、撮像装置、撮像素子、CCD素子、レンズ鏡筒、イメージセンサ及びそれを用いた情報処理装置、X線吸収体パターン、X線マスク構造体、X線撮影装置、X線露光装置、X線平面検出器、X線デジタル撮影装置、X線エリアセンサー基板、電子顕微鏡用試料冷却ホルダ、電子ビーム描画装置(電子銃、電子銃、電子ビーム描画装置)、放射線検出装置及び放射線撮像システム、スキャナー、画像読取装置、動画用撮像素子と静止画用撮像素子、顕微鏡等の画像記録装置及びその部品。アルカリ電池、マンガン電池等の一次電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素、鉛蓄電池等の二次電池、電気二重層キャパシタ、電解コンデンサ、組電池、太陽電池、太陽電池モジュール設置構造体、光電変換基板、光起電力素子アレー、発電素子、燃料電池(発電セル、筐体外部、燃料タンク内部)等のバッテリー機器等の放熱材料。電源(整流ダイオード、トランス)、DC/DCコンバータ、スイッチング電源装置(フォワード型)、電流リ−ド、超電導装置システム等の電源及びその部品。モーター、リニアモーター、平面モーター、振動波モーター、モーターコイル、回転制御駆動用の回路ユニット、モータドライバ、インナーロータモーター、振動波アクチュエーター等のモーター及びその部品。真空処理装置、半導体製造装置、蒸着装置、薄膜単結晶半導体層製造装置、プラズマCVD、マイクロ波プラズマCVD、スパッタリング装置、減圧チャンバー、真空ポンプ、クライオトラップ・クライオポンプ等の真空排気装置、静電チャック、真空バキュームチャック、ピンチャック型ウエハチャック、スパッタリング用ターゲット、半導体露光装置、レンズ保持装置及び投影露光装置、フォトマスク、等の堆積膜製造装置(温度一定、品質安定)及びその部品。抵抗加熱・誘導加熱・赤外線加熱による熱処理装置、乾燥機、アニール装置、ラミネート装置、リフロー装置、加熱接着(圧着)装置、射出成型装置(ノズル・加熱部)、樹脂成形金型、LIM成型、ローラー成型装置改質ガス製造(改質部、触媒部、加熱部等)スタンパ、(フィルム状、ロール状、記録媒体用)、ボンディングツール、触媒反応器、チラー、カラーフィルタ基板の着色装置、レジストの加熱冷却装置、溶接機器、磁気誘導加熱用フィルム、結露防止ガラス、液体残量検知装置、熱交換装置等の種々製造装置及びその部品。断熱材、真空断熱材、輻射断熱材等の断熱装置。各種電子・電気機器、製造装置のシャーシ、筐体、外装カバー。放熱器、開口部、ヒートパイプ、ヒートシンク、フィン、ファン、放熱用コネクタ等の放熱部品。ペルチェ素子、電気熱変換素子、水冷部品等の冷却部品。温度調節装置、温度制御装置、温度検出装置及び部品。サーミスタ、サーモスイッチ、サーモスタット、温度ヒューズ、過電圧防止素子、サーモプロテクタ、セラミックヒーター、フレキシブルヒーター、ヒーターと熱伝導板と断熱材の複合品、ヒーターコネクタ・電極端子部品等の発熱体関連部品。高放射率を有する放射部品、電磁波遮蔽、電磁波吸収体等の電磁シールド部品、アルミ、銅、シリコン等の金属との複合品、窒化ケイ素、窒化ホウ素、アルミナ等のセラミックとの複合品として好適である。
<使用形態など>
本発明に係るグラファイトフィルムを実際に発熱体、ヒートシンク、ヒートパイプ、水冷冷却装置、ペルチェ素子、筐体、ヒンジ等に適用する場合には、それらとの固定性、熱拡散性、放熱性、取り扱い性を改善するために、片面及び/または両面に接着材層、樹脂層、セラミック層、金属層、絶縁層、導電層等を形成することが好ましい。
以下に実施例により発明の実施態様、効果を示すが、本発明はこれに限られるものではない。
<グラファイトフィルム>
[グラファイトフィルムA]
4,4’−オキシジアニリンの1当量を溶解したDMF(ジメチルフォルムアミド)溶液に、ビロメリット酸二無水物の1当量を溶解してポリアミド酸溶液(18.5wt%)を得た。この溶液を冷却しながら、ポリアミド酸に含まれるカルボン酸基に対して、1当量の無水酢酸、1当量のイソキノリン、およびDMFを含むイミド化触媒を添加し脱泡した。次にこの混合溶液が、乾燥後に所定の厚さになるようにアルミ箔上に塗布した。アルミ箔上の混合溶液層を、熱風オーブン、遠赤外線ヒーターを用いて乾燥した。以上のようにして、厚さ50μmのポリイミドフィルム(弾性率3.1GPa、吸水率2.5%、複屈折0.10、線膨張係数3.0×10−5/℃)を製造した。
このようにして作成したポリイミドフィルムを黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで昇温して炭化処理(炭素化処理)をおこなった。炭素化処理により得られた炭素化フィルムAを黒鉛板に挟み、黒鉛化炉を用いて、2900℃以上に昇温して黒鉛化処理をおこなった。熱処理後のグラファイトを、単板プレスで厚み方向に圧縮して、グラファイトフィルム(厚み25μm、熱拡散率8.8cm/s、熱伝導率1200W/mK、MIT>10000回)を得た。
[グラファイトフィルムB]
厚さ75μmのポリイミドフィルムを用いたこと以外はグラファイトフィルムAと同様にしてグラファイトフィルムB(厚み40μm、熱拡散率8.8cm/s、熱伝導率1200W/mK、MIT>10000回)を得た。
[グラファイトフィルムC]
厚さ25μmのポリイミドフィルムを用いたこと以外はグラファイトフィルムAと同様にしてグラファイトフィルムC(厚み10μm、熱伝導率1600W/mK、MIT>10000回)を得た。
[グラファイトフィルムD]
酸化剤(過酸化水素、過塩素酸等)の存在下、天然鱗状黒鉛の層間に硫酸、硝酸等を挿入し、形成された層間化合物を900〜1200℃程度の5高温で急激に加熱することで分解ガス化し、このときのガス圧によって黒鉛の層間を拡げて黒鉛を膨張させた。以上のようにして得られた膨張黒鉛を圧縮予備成形し、その後ロールで圧延する事によりグラファイトフィルムD(厚み100μm、熱伝導率250W/mK、MIT<10回)を得た。
<グラファイト複合フィルムと剥離可能なフィルムとの密着力測定>
グラファイト複合フィルムと剥離可能なフィルムとの密着力は、JIS Z−0237に準ずる、被着体:粘着層もしくは絶縁層もしくはグラファイトフィルム、引張速度:300mm/min、剥離角度:90°の条件で測定した。
<光交流法によるフィルム面方向の熱拡散率測定>
グラファイト化の進行状況は、フィルム面方向の熱拡散率を測定することによって判定され、熱拡散率が高いほど、グラファイト化が顕著であることを意味している。熱拡散率は、光交流法による熱拡散率測定装置(アルバック理工(株)社から入手可能な「LaserPit」)を用いて、グラファイトフィルムを4×40mmのサンプル形状に切り取り、20℃の雰囲気下、10Hzにおいて測定された。
<グラファイトフィルムの密度測定>
グラファイトフィルムの密度は、グラファイトフィルムの重量(g)をグラファイトフィルムの縦、横、厚みの積で算出した体積(cm)の割り算により算出された。なお、グラファイトフィルムの厚みは、任意の10点で測定した平均値を使用した。密度が高いほど、グラファイト化が顕著であることを意味している。
<グラファイトフィルムの厚み測定>
グラファイトフィルムの厚みの測定方法としては、200mm×250mmのフィルムを厚みゲージ(ハイデンハイン(株)社製、HEIDENHAIN−CERTO)を用い、室温25℃の恒温室にて、任意の10点を測定し、平均して測定値とした。厚みバラツキは、10枚のグラファイトフィルムについて、面内の任意の10点を測定し、その平均値との差とした。
<グラファイトフィルムのMIT屈曲試験>
グラファイトフィルムを1.5×10cmにカットし、東洋精機(株)製のMIT耐揉疲労試験機型式Dを用いて、試験加重100gf(0.98N)、速度90回/分、折り曲げクランプの曲率半径R1mm、折り曲げ角度は右へ135°で測定を行った。
[絶縁層]
PETテープA:寺岡製作所(株)製633K、厚み10μmのポリエチレンテレフタレート製の片面テープを用いた。
PETテープB:寺岡製作所(株)製631S、厚み30μmのポリエチレンテレフタレート製の片面テープを用いた。
[粘着層]
両面テープA:DIC製8603TNW−10、厚み10μmを用いた。
両面テープB:寺岡製作所製707、厚み30μmを用いた。
[剥離可能なフィルム]
剥離可能なフィルムA:厚み100μmの(粘着剤を塗布されていない)PETフィルムを用いた。
剥離可能なフィルムB:厚み100μm、粘着力0.1(N/25mm)のPET製の片面テープを用いた。
剥離可能なフィルムC:厚み100μm、粘着力0.01(N/25mm)のPET製の片面テープを用いた。
剥離可能なフィルムD:厚み100μm、粘着力0.5(N/25mm)のPET製の片面テープを用いた。
剥離可能なフィルムE:厚み100μm、粘着力0.1(N/25mm)のPP製の片面テープを用いた。
[グラファイト複合フィルムの形状]
形状Aを図1、形状Bを図2、形状Cを図3、形状Dを図4として作成した。
(実施例1)
両面テープAの片側に剥離可能なフィルムAを貼り合わせた後、もう一方の側にグラファイトフィルムBを貼り合わせ、図7の形状に切り取った。その後、剥離可能なフィルムA以外の部分を形状Aに切り取った。本実施例のグラファイト複合フィルムの構成を表1にまとめた。なお表1の左側では剥離可能なフィルムを含まない「グラファイト複合フィルム」について、右側では「剥離可能なフィルム」についてまとめている。また表1における剥離可能なフィルム1は、両面テープの片側に直接貼り合わせた剥離可能なフィルムを表し、剥離可能なフィルム2は、剥離可能なフィルム1と反対側の表面に貼り合わせた剥離可能なフィルムを表す。
また本実施例では、グラファイト複合フィルムに貼りあわせる剥離可能なフィルムの構成(剥離可能なフィルムの有無、スリットの有無)の異なる5種類のサンプルを作成した。剥離可能なフィルムを貼りあわせたグラファイト複合フィルムの構成を表2に示す。
尚、剥離可能なフィルムB(表1、2における剥離可能なフィルム2)を設ける場合、剥離可能なフィルムBの形状は、図5の形状とし、グラファイト複合フィルムのグラファイトフィルム側に、剥離可能なフィルムBとグラファイト複合フィルムの内側の四角部分が一致するように貼り合わせた。
また、スリットについては、剥離可能なフィルムAは図6、剥離可能なフィルムBは図8のように入れた。この評価結果を表2にまとめた。
(実施例2〜4、9)
両面テープAの片側に剥離可能なフィルムA(表1、2における剥離可能なフィルム1、以下同様)を貼り合わせた後、もう一方の側にグラファイトフィルムを貼り合わせた。さらにこのグラファイトフィルム側にPETテープAを貼り合わせ、図7の形状に切り取った。その後、剥離可能なフィルムA以外の部分を形状Aに切り取った。構成を表1にまとめた。
5種類のサンプルを作成し、それぞれ表2に示すような構成で、剥離可能なフィルムとスリットを設けたものを作成した。尚、剥離可能なフィルムB(表1、2における剥離可能なフィルム2、以下同様)を設ける場合、剥離可能なフィルムBの形状は、図5の形状とし、グラファイト複合フィルムのグラファイトフィルム側に、剥離可能なフィルムBとグラファイト複合フィルムの内側の四角部分が一致するように貼り合わせた。また、スリットについては、剥離可能なフィルムAは図6、剥離可能なフィルムBは図8のように入れた。
グラファイトフィルムは、以下の通りである。
実施例2:グラファイトフィルムC
実施例3:グラファイトフィルムA
実施例4:グラファイトフィルムB
実施例9:グラファイトフィルムD
この評価結果を表2にまとめた。
(実施例5)
両面テープAの片側に剥離可能なフィルムAを貼り合わせた後、もう一方の側にPETテープAを貼り合わせた後、このPETテープAの側にグラファイトフィルムを貼り合わせた。さらにこのグラファイトフィルム側にPETテープAを貼り合わせ、図7の形状に切り取った。その後、剥離可能なフィルムA以外の部分を形状Aに切り取った。構成を表1にまとめた。
5種類のサンプルを作成し、それぞれ表2に示すような構成で、剥離可能なフィルムとスリットを設けたものを作成した。
尚、剥離可能なフィルムBを設ける場合、剥離可能なフィルムBの形状は、図5の形状とし、グラファイト複合フィルムのグラファイトフィルム側に、剥離可能なフィルムBとグラファイト複合フィルムの内側の四角部分が一致するように貼り合わせた。
また、スリットについては、剥離可能なフィルムAは図6、剥離可能なフィルムBは図8のように入れた。この評価結果を表2にまとめた。
(実施例6)
両面テープAの片側に剥離可能なフィルムAを貼り合わせた後、もう一方の側にPETテープAを貼り合わせた後、このPETテープAの側にグラファイトフィルムを貼り合わせた。さらにこのグラファイトフィルム側にPETテープAを貼り合わせ、図11の形状に切り取った。その後、剥離可能なフィルムA以外の部分を形状Bに切り取った。構成を表1にまとめた。
5種類のサンプルを作成し、それぞれ表2に示すような構成で、剥離可能なフィルムとスリットを設けたものを作成した。
尚、剥離可能なフィルムBを設ける場合、剥離可能なフィルムBの形状は、図9の形状とし、グラファイト複合フィルムのグラファイトフィルム側に、剥離可能なフィルムBとグラファイト複合フィルムの内側の四角部分が一致するように貼り合わせた。
また、スリットについては、剥離可能なフィルムAは図10、剥離可能なフィルムBは図12のように入れた。この評価結果を表2にまとめた。
(実施例7)
両面テープAの片側に剥離可能なフィルムAを貼り合わせた後、もう一方の側にPETテープAを貼り合わせた後、このPETテープAの側にグラファイトフィルムを貼り合わせた。さらにこのグラファイトフィルム側にPETテープAを貼り合わせ、図15の形状に切り取った。その後、剥離可能なフィルムA以外の部分を形状Cに切り取った。構成を表1にまとめた。
5種類のサンプルを作成し、それぞれ表2に示すような構成で、剥離可能なフィルムとスリットを設けたものを作成した。
尚、剥離可能なフィルムBを設ける場合、剥離可能なフィルムBの形状は、図13の形状とし、グラファイト複合フィルムのグラファイトフィルム側に、剥離可能なフィルムBとグラファイト複合フィルムの内側の二辺が一致するように貼り合わせた。
また、スリットについては、剥離可能なフィルムAは図14、剥離可能なフィルムBは図16のように入れた。この評価結果を表2にまとめた。
(実施例8)
図4の形状に切った両面テープAの片側に、図7の形状に切り取った剥離可能なフィルムAを貼り合わせた。次に形状Aに切り取ったグラファイトフィルムの片面に先ほど作成した両面テープをグラファイトフィルムに貼り合わせた後、グラファイトフィルムの反対側の面に、図4の形状に切ったPETテープAを貼り合わせた。構成を表1にまとめた。
5種類のサンプルを作成し、それぞれ表2に示すような構成で、剥離可能なフィルムとスリットを設けたものを作成した。
尚、剥離可能なフィルムBを設ける場合、剥離可能なフィルムBの形状は、図5の形状とし、グラファイト複合フィルムのグラファイトフィルム側に、剥離可能なフィルムBをグラファイト複合フィルムに貼り合わせた。
また、スリットについては、剥離可能なフィルムAは図6、剥離可能なフィルムBは図8のように入れた。この評価結果を表2にまとめた。
(実施例10)
両面テープAの片面に剥離可能なフィルムAを貼り付けた後、両面テープAのもう一方の側にグラファイトフィルムAを貼り合せた。その後、このグラファイト複合フィルムのグラファイトフィルム側にPETテープAを貼り合せた。さらにこのPETテープ側に剥離可能なフィルムBを貼り合せた。このグラファイト複合フィルムを形状Aに切り取った。
また、スリットについては、剥離可能なフィルムA、B(スリットなし)は図21、剥離可能なフィルムA(スリットあり)は図22、剥離可能なフィルムB(スリットあり)は図23のように入れた。この評価結果を表2にまとめた。
(実施例11〜13)
両面テープの片側に剥離可能なフィルムAを貼り合わせた後、もう一方の側にグラファイトフィルムを貼り合わせた。さらにこのグラファイトフィルム側にPETテープを貼り合わせ、図7の形状に切り取った。その後、剥離可能なフィルムA以外の部分を形状Aに切り取った。構成を表1にまとめた。
5種類のサンプルを作成し、それぞれ表2に示すような構成で、剥離可能なフィルムとスリットを設けたものを作成した。
尚、剥離可能なフィルムBを設ける場合、剥離可能なフィルムBの形状は、図5の形状とし、グラファイト複合フィルムのグラファイトフィルム側に、剥離可能なフィルムBとグラファイト複合フィルムの内側の四角部分が一致するように貼り合わせた。
また、スリットについては、剥離可能なフィルムAは図6、剥離可能なフィルムBは図8のように入れた。
PETテープと両面テープは、以下の通りである。
実施例11:PETテープA、両面テープB
実施例12:PETテープB、両面テープA
実施例13:PETテープB、両面テープB
この評価結果を表2にまとめた。
(実施例14〜16)
両面テープAの片側に剥離可能なフィルムAを貼り合わせた後、もう一方の側にグラファイトフィルムAを貼り合わせた。さらにこのグラファイトフィルム側にPETテープAを貼り合わせ、図7の形状に切り取った。その後、剥離可能なフィルムA以外の部分を形状Aに切り取った。構成を表1にまとめた。
5種類のサンプルを作成し、それぞれ表2に示すような構成で、剥離可能なフィルムとスリットを設けたものを作成した。
尚、剥離可能なフィルムC〜Eのいずれかを設ける場合、剥離可能なフィルムC〜Eの形状は、図5の形状とし、グラファイト複合フィルムのグラファイトフィルム側に、剥離可能なフィルムC〜Eとグラファイト複合フィルムの内側の四角部分が一致するように貼り合わせた。
また、スリットについては、剥離可能なフィルムAは図6、剥離可能なフィルムBは図8のように入れた。
剥離可能なフィルムC〜Fは、以下の通りである。
実施例14:剥離可能なフィルムC
実施例15:剥離可能なフィルムD
実施例16:剥離可能なフィルムE
この評価結果を表2にまとめた。
(比較例1〜3)
両面テープAの片面に剥離可能なフィルムAを貼り付けた後、両面テープAのもう一方の側にグラファイトフィルムAを貼り合せた。その後、このグラファイト複合フィルムのグラファイトフィルム側にPETテープAを貼り合せた。このグラファイト複合フィルムを各形状に切り取った。
比較例1:形状A
比較例2:形状B
比較例3:形状C
構成を表1に、評価結果を表2にまとめた。
(比較例4〜6)
両面テープAの片面に剥離可能なフィルムAを貼り付けた後、両面テープAのもう一方の側にグラファイトフィルムBを貼り合せた。その後、このグラファイト複合フィルムのグラファイトフィルム側にPETテープAを貼り合せた。このグラファイト複合フィルムを各形状に切り取った。
比較例1:形状A
比較例2:形状B
比較例3:形状C
構成を表1に、評価結果を表2にまとめた。
<貼り合わせ性、剥離可能なフィルムの剥がし易さの評価手順>
実施例1〜9のグラファイト複合フィルムにおいては、以下の手順により評価した。
(操作1)剥離可能なフィルムAを剥がす。
スリットがある場合:剥離可能なフィルムの中央に設けられているスリット部分から外側に向かって剥がし、粘着層を露出させる。
スリットが無い場合:剥離可能なフィルムの端部から剥がし、粘着層を露出させる。
(操作2)グラファイト複合フィルムを貼り合わせる。
露出させた粘着層をステンレス版の30mm×40mmの枠内に貼り合わせる。
(操作3)(剥離可能なフィルムがある場合は、)剥離可能なフィルムBを剥がす。
スリットがある場合:剥離可能なフィルムのスリット部分から剥離可能なフィルムBを剥がす。
スリットが無い場合:剥離可能なフィルムの端部から剥がす。
<評価方法>
上記の操作1〜操作3の作業において、それぞれ評価を行った。
(操作1及び操作3の評価方法)
剥離可能なフィルムをはがす作業については、それぞれ3個のサンプルを用いて評価をおこなった。そして、グラファイト複合フィルムに皺・折れ・キズ・グラファイト複合フィルムの層間剥離が起こらず作業がおこなえるかを確認した。
「◎」:不良の発生が無く、容易にハンドリングできるもの
「○」:不良が発生しなかったもの
「△」:不良は発生しないが、丁寧に取り扱いが必要とされるもの
「×」:不良が発生する。
「××」:不良が発生し、グラファイト複合フィルムが大きく破損するももの。
(作業2の評価方法)
グラファイト複合フィルムを30mm×40mmの枠内に貼り合わせる作業についても、それぞれ3個のサンプルを用いて評価をおこなった。そして、グラファイト複合フィルムに皺・折れ・キズ・筋などが入らず、枠内に貼り合わせることができるかを確認した。
「◎」:不良の発生が無く、容易にハンドリングできるもの
「○」:不良が発生しなかったもの
「△」:不良は発生しないが、丁寧に取り扱いが必要とされるもの
「×」:不良が発生する。
「××」:不良が発生し、グラファイト複合フィルムが大きく破損するももの。
Figure 2013189013
Figure 2013189013
<評価結果>
実施例1〜16は、比較例1〜6に比べ貼り付け性、剥離可能なフィルムの剥がしやすさともに優れた結果であった。
実施例1〜10の剥離可能なフィルムBを有する構成にした場合、両面テープに設けられている剥離可能なフィルムBを剥がした後もグラファイト複合フィルムのコシを保つことができるため、貼り合わせる際、曲がったり、折れたりすることがなく、位置決めも正確に行うことができた。さらに、貼り合わせ後の外観もシワ、折れ、傷等発生しておらず、貼り合わせ性は、いずれも良かった。さらに、この剥離可能なフィルムBにスリットを設けることで、剥離可能なフィルムBを剥がす際の皺・折れ・キズ・グラファイトフィルムの層間剥離を防ぐことができた。スリットが無い場合は、フィルム端部から剥がすために、グラファイト複合フィルムの端部を傷つけやすく、また、グラファイト複合フィルム端部から層間剥離が起こる場合もあった。同様に、剥離可能なフィルムAにスリットを入れた構成にした場合も、剥がす際の皺・折れ・キズ・グラファイトフィルムの層間剥離を防ぐことができ、効果がみられた。さらに、剥離可能なフィルムBが設けられていない構成においても、剥離可能なフィルムAにスリットを設けた構成とすることで、スリット部分から一部フィルムを剥がし、露出した粘着層の部分を被着体に貼り付けた後、剥離可能なフィルムAを全部剥がすという操作を行うことにより、うまく貼り合わせることができた。
実施例14では、実施例3に比べ、PETテープに設けられている剥離可能なフィルムの粘着力が0.01(N/25mm)と弱くなったが、実施例3と同様の結果を与えた。しかし、実施例15のように粘着力が0.5(N/25mm)と強くなった場合は、PETテープから多少剥がれにくくなり、取り扱い性が低下する結果となった。
実施例16では、PETテープに設ける剥離可能なフィルムをPETではなく、PPにしたところ、PETに比べ、コシの弱いPPでは、貼り合わせ作業時にグラファイト複合フィルムが曲がってしまうことがあり、作業性が低下した。
実施例7のようにグラファイト複合フィルムの形状が、コシがさらに弱くなると考えられる幅3mmと細い形状においても、剥離可能なフィルムを設けることで、コシをもたせることができ、貼り合わせは容易に行うことができた。また、剥離可能なフィルムを剥がす操作においても皺・折れ・キズ・グラファイトフィルムの層間剥離などが多く起こるようなことはなかった。
また、実施例11〜13において、絶縁層の厚みを、10〜30μmの間で変更しても、剥離可能なフィルムを貼り合せることで、取り扱い性は大幅に改善された。特に、絶縁層の厚みが10μmの場合には、剥離可能なフィルムを貼り合せることによる改善効果が高かった。
実施例10のように剥離可能なフィルムの端部とグラファイト複合フィルムの端部が同位置にあるこのような構成の場合、剥離可能なフィルムを設けたことでコシが出て、貼り合わせの作業は容易に行うことができたが、この剥離可能なフィルムにスリットが設けられていない場合は、剥離可能なフィルムの端部から剥がすことになるため、グラファイト複合フィルムを傷つけたり、層間を剥離してしまうこともあった。
また、比較例1〜6は、剥離可能なフィルムを有さないためにコシがなく、貼り合わせの際に、グラファイト複合フィルムが曲がってしまい、所定の位置に貼り合わせることが難しく、はみ出してしまったり、所定の位置に貼り付けられても、グラファイト複合フィルムに皺・折れ・キズ・筋などが入ってしまった。特にグラファイトフィルムが薄膜であるとさらにこの傾向は強かった。また、剥離可能なフィルムAを剥がす際もグラファイトフィルムを傷つけてしまったり、層間を剥離してしまうことが多かった。

Claims (11)

  1. 両面に、剥離可能なフィルムが貼り合わせられているグラファイト複合フィルムであり、
    グラファイト複合フィルムの厚みが180μm以下であり、グラファイトフィルムの厚みが100μm以下であり、剥離可能なフィルムの密着力が、0.001〜1(N/25mm)であることを特徴とするグラファイト複合フィルム。
  2. グラファイト複合フィルムが、グラファイトフィルム上に絶縁層が形成されたものである、請求項1に記載のグラファイト複合フィルム。
  3. 剥離可能なフィルムが、グラファイトフィルムおよび/または絶縁層の上に貼り合わせられていることを特徴とする請求項1または2に記載のグラファイト複合フィルム。
  4. 前記絶縁層の厚みが、15μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のグラファイト複合フィルム。
  5. 端面にグラファイトフィルムが存在することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のグラファイト複合フィルム。
  6. 幅5mm以下の部分を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のグラファイト複合フィルム。
  7. 剥離可能なフィルムが、位置決めのための穴を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のグラファイト複合フィルム。
  8. 剥離可能なフィルムの少なくとも一部が、グラファイト複合フィルムの端部からはみ出していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のグラファイト複合フィルム。
  9. 剥離可能なフィルムがポリエチレンテレフタレート系フィルムであることを特徴とする請求項1〜8に記載のグラファイト複合フィルム。
  10. グラファイトフィルムが、高分子フィルムおよび/または炭素化した高分子フィルムからなる原料フィルムを2000℃以上の温度で熱処理して得られるグラファイトフィルムである請求項1〜9のいずれかに記載のグラファイト複合フィルム。
  11. 前記グラファイトフィルムの厚みが、50μm以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のグラファイト複合フィルム。
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