JP2003338619A - 量子デバイス - Google Patents

量子デバイス

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JP2003338619A
JP2003338619A JP2003062141A JP2003062141A JP2003338619A JP 2003338619 A JP2003338619 A JP 2003338619A JP 2003062141 A JP2003062141 A JP 2003062141A JP 2003062141 A JP2003062141 A JP 2003062141A JP 2003338619 A JP2003338619 A JP 2003338619A
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勉 櫟原
Takuya Komoda
卓哉 菰田
Nobuyoshi Koshida
信義 越田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来に比べて長寿命化が可能な量子デバイスを
提供する。 【解決手段】量子デバイスとしての電子源10は、絶縁
性基板1の一表面側に電子源素子10aが形成されてい
る。電子源素子10aは、下部電極2と複合ナノ結晶層
6と表面電極7とで構成している。複合ナノ結晶層6
は、多結晶シリコンの複数のグレイン51と、各グレイ
ン51それぞれの表面に形成された薄いシリコン酸化膜
52と、隣り合うグレイン51間に介在する多数のナノ
結晶シリコン63と、各ナノ結晶シリコン63の表面に
形成され当該ナノ結晶シリコン63の結晶粒径よりも小
さな膜厚の絶縁膜である多数のシリコン酸化膜64とを
含んでいる。表面電極7は、複合ナノ結晶層6に積層さ
れた炭素薄膜7aと、炭素薄膜7aに積層された金属薄
膜7bとで構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナノ結晶シリコン
を利用した電子デバイスであって、電界励起によって量
子効果を発現する量子デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ナノ結晶シリコンを利用した
電子デバイスとして、電子源(例えば、特許文献1参
照)や発光デバイス(例えば、特許文献2参照)が研究
・開発されている。
【0003】この種の電子源としては、下部電極と、下
部電極に対向する金属薄膜よりなる表面電極(上部電
極)と、下部電極と表面電極との間に介在し下部電極と
表面電極との間に表面電極を高電位側として電圧を印加
したときに作用する電界により下部電極から表面電極へ
向かって電子がドリフトする強電界ドリフト層とを備え
たものが提案されており、表面電極を真空中に配置する
とともに表面電極に対向してコレクタ電極を配置し、表
面電極と下部電極との間に表面電極を高電位側として電
圧を印加するとともに、コレクタ電極と表面電極との間
にコレクタ電極を高電位側として電圧を印加することに
より、下部電極から注入され強電界ドリフト層をドリフ
トした電子が表面電極を通して放出される。ここにおい
て、上述の電子源は、強電界ドリフト層が多数のナノ結
晶シリコンを含んでおり、表面電極が10nm程度の膜
厚の金属薄膜(例えば、金薄膜)により構成されてい
る。なお、上述の電子源においては、抵抗率が導体の抵
抗率に比較的近い半導体基板と当該半導体基板の裏面に
形成したオーミック電極とで下部電極を構成したもの
や、絶縁性基板(例えば、絶縁性を有するガラス基板、
絶縁性を有するセラミック基板など)上に形成された金
属材料からなる導電性層により下部電極を構成したもの
などがある。
【0004】また、上述の発光デバイスは、多数のナノ
結晶シリコンからなる発光層の厚み方向の両側に電極を
設け、両電極間に電圧を印加することにより発光層にて
発光した光を一方の電極を通して放出させるものであ
り、当該一方の電極を光が透過できる程度の膜厚の金属
薄膜により構成されている。
【0005】なお、上述の電子源や発光デバイスにおけ
る金属薄膜はスパッタ法などにより形成されている。
【0006】
【特許文献1】特許第2966842号公報
【特許文献2】特開平6−90019号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の電子
源や発光デバイスなどの量子デバイスにおける金属薄膜
は上述の説明から明らかなように、より薄膜化すること
が望ましいが、金属薄膜は薄膜化するにつれ下地層(強
電界ドリフト層や発光層)に対する被覆性が低下した
り、表面張力などにより凝集が起こるので、電子源や発
光デバイスの寿命が短くなってしまうという不具合があ
った。また、電子源を真空封止する工程で熱がかかるこ
とによって、金属薄膜にて凝集が起こり下地層に対する
被覆性が低下し寿命が短くなってしまうという不具合が
あった。
【0008】これらの不具合を解消するために、金属薄
膜の材料として、金に比べて被覆性の良いクロムを採用
することが考えられるが、クロムは酸化しやすく(つま
り、耐酸化性が低く)、金属薄膜が酸化することにより
抵抗が高くなって、電子源の電子放出特性や発光デバイ
スの発光特性が低下するとともに消費電力が増加してし
まうという不具合があった。また、クロムは真空中に残
留する不純物ガス(特に、酸素)や水分の影響を受けや
すく、不純物ガスや水分の影響で寿命が低下してしまう
という不具合があった。
【0009】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、従来に比べて長寿命化が可能な量子
デバイスを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、下部電極と、下部電極上に形成
され多数のナノ結晶シリコンを具備し電界励起によって
量子効果を発現する結晶層と、少なくとも結晶層上に形
成された炭素薄膜からなる表面電極とを備えてなること
を特徴とするものであり、表面電極が下地となる結晶層
との相性が良く且つ撥水性の高い炭素薄膜を有してお
り、しかも、炭素薄膜は薄膜化を図りながらも良好な被
覆性を得ることができて結晶層への酸素や水分などの不
純物の侵入を防ぐことができ、さらに、炭素薄膜は結晶
層との密着性に優れ、耐熱性および耐酸化性にも優れる
という性質を有するので、従来のように表面電極が金属
薄膜のみにより形成されているものに比べて、電子放出
効率の低下を抑制しながらも長寿命化を図ることができ
る。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記表面電極は、前記炭素薄膜と、前記炭素薄膜上
に形成された金属薄膜とからなるので、前記表面電極を
前記炭素薄膜のみにより構成する場合に比べて前記表面
電極の低抵抗化を図ることができる。
【0012】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、前記金属薄膜は、金、白金、銀、銅、ハフニウム、
ジルコニウム、チタン、タンタル、イリジウム、ニオ
ブ、クロム、アルミニウムから選択される金属材料ある
いは前記金属材料の炭化物あるいは前記金属材料の窒化
物により形成されているので、前記金属薄膜と前記炭素
薄膜との密着性を高めることができ、製造時の歩留まり
の向上を図れるとともに、より一層の長寿命化を図るこ
とができる。
【0013】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、前記結晶層が電界励起により前記下
部電極から注入された電子を前記表面電極へ向かって加
速する強電界ドリフト層であり、前記下部電極と強電界
ドリフト層と前記表面電極とで電子源素子を構成してあ
るので、従来のように表面電極が金属薄膜により形成さ
れているものに比べて、電子放出効率の低下を抑制しな
がらも長寿命化を図ることができる。
【0014】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記強電界ドリフト層は、多結晶シリコンおよび多
結晶シリコンの粒界付近に存在する前記多数のナノ結晶
シリコンおよび各ナノ結晶シリコンそれぞれの表面に形
成されナノ結晶シリコンの結晶粒径よりも小さな膜厚の
多数の絶縁膜が混在する複合ナノ結晶層であるので、強
電界ドリフト層で発生した熱を多結晶シリコンのグレイ
ンを通して放熱することができ、電子放出特性が安定す
る。
【0015】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、前記結晶層が電界励起により発光す
る発光層であり、前記下部電極と発光層と前記表面電極
とで発光デバイスを構成してあるので、発光層にて発光
した光を前記表面電極を通して取り出すようにすれば、
従来のように発光層にて発光した光を外部へ取り出す側
の電極が金属薄膜により形成されているものに比べて、
光出力の低下を抑制しながらも長寿命化を図ることがで
きる。
【0016】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
6の発明において、前記炭素薄膜は、グラファイト若し
くはグラファイトライクカーボンよりなるので、前記炭
素薄膜をアモルファスカーボンやダイヤモンドライクカ
ーボンにより構成する場合に比べて、前記炭素薄膜の抵
抗を小さくすることができ、駆動電圧の低電圧化、低消
費電力化、前記炭素薄膜での発熱や電圧降下による影響
の低減などを図ることができる。
【0017】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項
7の発明において、前記炭素薄膜は、不純物のドーピン
グにより導電性が付与されてあるので、ドーピングして
いない場合に比べて、前記炭素薄膜の抵抗を小さくする
ことができ、駆動電圧の低電圧化、低消費電力化、前記
炭素薄膜での発熱や電圧降下による影響の低減などを図
ることができる。
【0018】請求項9の発明は、請求項1ないし請求項
8の発明において、前記炭素薄膜の膜厚は5nmを超え
ないように設定されているので、出力の低下を抑制する
ことができる。なお、量子デバイスが電子源である場合
にはエミッション電流の低下を抑制できて結果的に電子
放出効率の低下を抑制することができ、量子デバイスが
発光デバイスである場合には表面電極での光吸収による
光出力の低下を抑制することができる。
【0019】請求項10の発明は、請求項9の発明にお
いて、前記炭素薄膜の膜厚は1nm以上に設定されてい
るので、出力の経時変化を小さくすることができる。
【0020】請求項11の発明は、請求項1ないし請求
項10の発明において、前記炭素薄膜は、前記結晶層の
形成後に真空チャンバ内で250℃以上の加熱温度であ
って且つ前記下部電極および前記結晶層へ悪影響を与え
ない加熱温度で前記結晶層の加熱を行ってから250℃
以上の成膜温度であって且つ前記下部電極および前記結
晶層へ悪影響を与えない成膜温度で成膜されているの
で、前記炭素薄膜の成膜前に前記結晶層に吸着している
水分を除去することができ、しかも前記炭素薄膜を成膜
することにより前記結晶層へ水分が吸着することが防止
されるから、出力特性および出力特性の安定性を向上さ
せることができる。なお、量子デバイスが電子源である
場合の出力特性としてはエミッション電流、電子放出効
率などが挙げられ、量子デバイスが発光デバイスである
場合の出力特性としては光出力、発光効率などが挙げら
れる。
【0021】請求項12の発明は、請求項1ないし請求
項11の発明において、前記表面電極は、前記炭素薄膜
を形成した後で前記結晶層に電界を印加する前に熱処理
が施されているので、前記炭素薄膜の膜質を向上させる
ことができ、耐熱性が向上する。
【0022】請求項13の発明は、請求項2または請求
項3の発明において、前記表面電極は、前記炭素薄膜お
よび前記金属薄膜を形成した後で電界を印加する前に熱
処理が施されているので、前記炭素薄膜の膜質を向上さ
せることができ、耐熱性が向上する。
【0023】請求項14の発明は、請求項12または請
求項13の発明において、前記表面電極は、前記熱処理
が380℃〜420℃の温度範囲内で施されているの
で、出力特性の経時安定性が向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本実施形態では、
ナノ結晶シリコンを利用した量子デバイス(電子デバイ
ス)として電界放射により電子を放出する電子源を例示
する。
【0025】本実施形態の電子源10は、図1(a)に
示すように、絶縁性基板(例えば、絶縁性を有するガラ
ス基板、絶縁性を有するセラミック基板など)1の一表
面側に電子源素子10aが形成されている。ここにおい
て、電子源素子10aは、絶縁性基板1の上記一表面側
に形成された下部電極2と、下部電極2上に形成された
後述の複合ナノ結晶層6と、複合ナノ結晶層6上に形成
された表面電極7とで構成されている。つまり、電子源
素子10aは、表面電極7と下部電極2とが対向してお
り、表面電極7と下部電極2との間に複合ナノ結晶層6
が挟まれている。ここに、下部電極2の厚さは300n
m程度(例えば、330nm)の厚さに設定してあり、
表面電極7の厚さは10nm程度に設定してある。な
お、本実施形態では、複合ナノ結晶層6が下部電極2上
に形成された結晶層を構成している。
【0026】ところで、下部電極2は金属材料からなる
単層(例えば、Cr,W,Ti,Ta,Ni,Al,C
u,Au,Pt,Moなどの金属あるいは合金あるいは
シリサイドなど金属間化合物からなる単層)または多層
(例えば、Cr,W,Ti,Ta,Ni,Al,Cu,
Au,Pt,Moなどの金属あるいは合金あるいはシリ
サイドなど金属間化合物からなる多層)の金属薄膜によ
り構成されている。
【0027】また、複合ナノ結晶層6は、多結晶シリコ
ン層に対して後述のナノ結晶化プロセスおよび酸化プロ
セスを行うことにより形成されており、図1(b)に示
すように、多結晶シリコンの複数のグレイン51と、各
グレイン51それぞれの表面に形成された薄いシリコン
酸化膜52と、隣り合うグレイン51間に介在する多数
のナノ結晶シリコン63と、各ナノ結晶シリコン63の
表面に形成され当該ナノ結晶シリコン63の結晶粒径よ
りも小さな膜厚の絶縁膜である多数のシリコン酸化膜6
4とを含んでおり、グレイン51、ナノ結晶シリコン6
3、各シリコン酸化膜52,64以外の領域はアモルフ
ァスシリコン若しくは一部が酸化したアモルファスシリ
コンよりなるアモルファス領域65により構成されてい
ると考えられる。すなわち、複合ナノ結晶層6は、多結
晶シリコンおよび多結晶シリコンの粒界付近に存在する
多数のナノ結晶シリコン63が混在している。なお、各
グレイン51は、絶縁性基板1の厚み方向に沿って延び
ている(つまり、各グレイン51は下部電極2の厚み方
向に延びている)。また、本実施形態では、複数ナノ結
晶層6が強電界ドリフト層を構成している。
【0028】また、表面電極7は、複合ナノ結晶層6に
積層された炭素薄膜7aと、炭素薄膜7aに積層された
金属薄膜7bとで構成している。表面電極7は、電子放
出効率の低下を抑制するなどの観点から、炭素薄膜7a
の膜厚が5nmを超えないように1nm以上5nm以下
の範囲で設定してあり、炭素薄膜7aと金属薄膜7bと
を合わせた厚さが10nm程度となるように設定してあ
る。ここに、炭素薄膜7aの膜厚は1nm以上3nm以
下の範囲とすることがより好ましい。
【0029】ここにおいて、炭素薄膜7aは、下地とな
る複合ナノ結晶層6の主成分であるシリコンと同じ4族
元素の炭素を構成元素とするものであるから、複合ナノ
結晶層6との相性が良く、また、撥水性が高いという特
徴を有している。しかも、炭素薄膜7aは、薄膜化を図
りながらも良好な被覆性を得ることができて複合ナノ結
晶層6への酸素や水分などの不純物の侵入を防ぐことが
でき、さらに、炭素薄膜7aは、複合ナノ結晶層6との
密着性に優れ、耐熱性および耐酸化性にも優れるという
性質を有する。
【0030】炭素薄膜7aは、アモルファスカーボン、
グラファイト、グラファイトライクカーボン、ダイヤモ
ンド、ダイヤモンドライクカーボンなどをはじめ、各種
形態の炭素薄膜を採用可能であるが、グラファイト若し
くはグラファイトライクカーボンを採用すればアモルフ
ァスカーボンやダイヤモンド、ダイヤモンドライクカー
ボンなどを採用する場合に比べて炭素薄膜7aの抵抗を
小さくすることができ、駆動電圧の低電圧化、低消費電
力化、炭素薄膜7aでの発熱や電圧降下による影響の低
減などを図ることが可能になる。また、不純物のドーピ
ングにより炭素薄膜7aに導電性を付与しておけば、ド
ーピングしていない場合に比べて炭素薄膜7aの抵抗を
小さくすることができ、駆動電圧の低電圧化、低消費電
力化、炭素薄膜7aでの発熱や電圧降下による影響の低
減などを図ることが可能になる。
【0031】また、金属薄膜7bには、導電率が比較的
高く且つ仕事関数が比較的小さく、耐酸化性に優れ化学
的に安定な金属材料を採用することが好ましく、例え
ば、金、白金、銀、銅、ハフニウム、ジルコニウム、チ
タン、タンタル、イリジウム、ニオブ、クロム、アルミ
ニウムから選択される金属材料あるいは上記金属材料の
炭化物あるいは上記金属材料の窒化物などを採用すれ
ば、炭素薄膜7aとの密着性を高めることができ、製造
時の歩留まりを向上できるとともに、電子源10の長寿
命化を図ることができる。なお、金属薄膜7bの金属材
料としては、タングステンなどを採用してもよい。
【0032】図1(a)に示す構成の電子源素子10a
から電子を放出させるには、例えば、図2に示すよう
に、表面電極7に対向配置されたコレクタ電極9を設
け、表面電極7とコレクタ電極9との間を真空とした状
態で、表面電極7が下部電極2に対して高電位側となる
ように表面電極7と下部電極2との間に直流電圧Vpsを
印加するとともに、コレクタ電極9が表面電極7に対し
て高電位側となるようにコレクタ電極9と表面電極7と
の間に直流電圧Vcを印加する。各直流電圧Vps,Vc
を適宜に設定すれば、下部電極2から注入された電子が
複合ナノ結晶層6をドリフトし表面電極7を通して放出
される(図2中の一点鎖線は表面電極7を通して放出さ
れた電子eの流れを示す)。なお、複合ナノ結晶層6
の表面に到達した電子はホットエレクトロンであると考
えられ、表面電極7を容易にトンネルし真空中に放出さ
れる。つまり、複合ナノ結晶層6では、下部電極2に対
して表面電極7を高電位側としたときに作用する電界に
より下部電極2から表面電極7へ向かう向きへ電子が加
速されてドリフトする量子効果が発現することになる。
【0033】電子源素子10aでは、表面電極7と下部
電極2との間に流れる電流をダイオード電流Ipsと呼
び、コレクタ電極9と表面電極7との間に流れる電流を
エミッション電流(放出電子電流)Ieと呼ぶことにす
れば(図2参照)、ダイオード電流Ipsに対するエミッ
ション電流Ieの比率(=Ie/Ips)が大きいほど電
子放出効率(=(Ie/Ips)×100〔%〕)が高く
なるが、表面電極7と下部電極2との間に印加する直流
電圧Vpsを10〜20V程度の低電圧としても電子を放
出させることができ、電子放出特性の真空度依存性が小
さくポッピング現象が発生せず安定して電子を放出する
ことができる。
【0034】上述の電子源素子10aでは、次のような
モデルで電子放出が起こると考えられる。電子源素子1
0aから電子を放出させるには、例えば、表面電極7と
下部電極2との間に表面電極7を高電位側として直流電
圧Vpsを印加するとともに、コレクタ電極9と表面電極
7との間にコレクタ電極9を高電位側として直流電圧V
cを印加する。ここで、電子eは下部電極2から複合
ナノ結晶層6に熱的に励起されて注入される。一方、複
合ナノ結晶層6に直流電圧Vpsを印加すると、大部分の
電界はシリコン酸化膜64にかかる。このため、複合ナ
ノ結晶層6に注入された電子eはシリコン酸化膜64
にかかっている強電界により加速され、複合ナノ結晶層
6内でグレイン51の間の領域を表面電極7に向かって
図1(b)中の矢印の向き(図1(b)における上向
き)にドリフトする。ここで、直流電圧Vpsが所定値
(例えば、表面電極7の電位が仕事関数以上となる電
圧)以上であれば、表面電極7に到達した電子eが表
面電極7をトンネルし真空中に放出される。ここで、複
合ナノ結晶層6中の各ナノ結晶シリコン63はボーア半
径程度の大きさであり、電子eはナノ結晶シリコン6
3で散乱されることなくトンネルする。このため、ナノ
結晶シリコン63表面の薄いシリコン酸化膜64にかか
っている強電界で加速された電子eは、複合ナノ結晶
層6中をほとんど散乱されることなくドリフトし、表面
電極7を通して真空中に放出される。また、強電界ドリ
フト層6で発生した熱はグレイン51を通して放熱され
るから、電子放出時にポッピング現象が発生せず、安定
して電子を放出することができる。なお、強電界ドリフ
ト層6の表面に到達した電子はホットエレクトロンであ
ると考えられ、表面電極7を容易にトンネルし真空中に
放出される。以上説明した動作原理の電子源素子は、弾
道電子面放出型電子源(Ballistic electron Surface
-emitting Device)と呼ばれている。
【0035】しかして、本実施形態の電子源10では、
表面電極7が下地となる複合ナノ結晶層6との相性が良
く且つ撥水性の高い炭素薄膜7aを介して金属薄膜7b
を形成してあり、しかも、炭素薄膜7aは薄膜化を図り
ながらも良好な被覆性を得ることができて複合ナノ結晶
層6への酸素や水分などの不純物の侵入を防ぐことがで
き、さらに、炭素薄膜7aは複合ナノ結晶層6との密着
性に優れ、耐熱性および耐酸化性にも優れるという性質
を有するので、表面電極7が複合ナノ結晶層6から剥離
したり、表面電極7の構成材料の凝集が起こったり、表
面電極7が酸化したりするような不具合の発生を抑制す
ることができ、従来のように表面電極が金属薄膜のみに
より形成されているものに比べて、電子放出効率の低下
を抑制しながらも長寿命化を図ることができる。
【0036】以下、上述の電子源10の製造方法につい
て図3を参照しながら説明する。
【0037】まず、絶縁性基板1の一表面側に第1の金
属層と第2の金属層との積層膜からなる所定膜厚(例え
ば、チタンからなる第1の金属層の膜厚を80nm、タ
ングステンからなる第2の金属層の膜厚を250nmと
すれば、330nm)の下部電極2を形成し、続いて、
下部電極2上に所定膜厚(例えば、1.5μm)のノン
ドープの多結晶シリコン層3を形成することにより、図
3(a)に示すような構造が得られる。なお、下部電極
2の形成方法としては、例えば、スパッタ法や蒸着法な
どを採用すればよい。また、ノンドープの多結晶シリコ
ン層3の形成方法としては、例えば、CVD法(LPC
VD法、プラズマCVD法、触媒CVD法など)やスパ
ッタ法やCGS(Continuous Grain Silicon)法、ア
モルファスシリコンを堆積させた後にレーザアニールす
る方法などを採用すればよい。
【0038】ノンドープの多結晶シリコン層3を形成し
た後、上述のナノ結晶化プロセスを行うことにより、多
結晶シリコンのグレイン51とナノ結晶シリコン63と
アモルファスシリコンとが混在する複合ナノ結晶層4が
形成され、図3(b)に示すような構造が得られる。こ
こにおいて、ナノ結晶化プロセスでは、55wt%のフ
ッ化水素水溶液とエタノールとを略1:1で混合した混
合液よりなる電解液の入った処理槽を利用し、白金電極
(図示せず)と下部電極2との間に電圧を印加して、多
結晶シリコン層3に光照射を行いながら所定の電流を流
すことによって複合ナノ結晶層4が形成される。
【0039】上述のナノ結晶化プロセスの終了した後
に、酸化プロセスを行うことによって上述の図1(b)
のような構成の複合ナノ結晶層6が形成され、図3
(c)に示すような構造が得られる。酸化プロセスで
は、電解質溶液(例えば、1mol/lのHSO
1mol/lのHNO、王水など)の入った酸化処理
槽を利用し、白金電極(図示せず)と下部電極2との間
に所定の電圧を印加し複合ナノ結晶層4を電気化学的に
酸化することによって上述のグレイン51、ナノ結晶シ
リコン63、各シリコン酸化膜52,64を含む複合ナ
ノ結晶層6を形成している。なお、酸化プロセスは、電
気化学的な酸化方法に限らず、例えば、急速加熱法によ
り急速熱酸化する方法を採用してもよい。
【0040】複合ナノ結晶層6を形成した後は、炭素薄
膜7a、金属薄膜7bを順次形成することで炭素薄膜7
aと金属薄膜7bとの積層膜からなる表面電極7が複合
ナノ結晶層6上に形成されることになり、図3(d)に
示す構造の電子源10が得られる。ここに、炭素薄膜7
aの形成方法としては、蒸着法、スパッタ法、イオンプ
レーティング法、熱CVD法、PECVD法などをはじ
め種々の薄膜形成方法が採用可能であるが、膜厚均一
性、被覆性に優れた薄膜形成方法を採用することは勿論
である。また、金属薄膜7bの形成方法としては、蒸着
法、スパッタ法、イオンプレーティング法、CVD法な
ど種々の薄膜形成方法が採用可能である。なお、炭素薄
膜7aは、複合ナノ結晶層6の形成後に250℃以上の
成膜温度であって且つ複合ナノ結晶層6および下部電極
12および絶縁性基板1へ悪影響を与えない成膜温度で
成膜することが好ましく、例えば絶縁性基板1としてガ
ラス基板を採用している場合にはガラス基板へ悪影響を
与えないようにガラス基板の耐熱温度以下の成膜温度で
成膜することが好ましく、また、複合ナノ結晶層6のナ
ノ結晶シリコン63が酸化されないような成膜温度で成
膜することが好ましく、このような成膜温度で成膜する
ことにより、電子放出特性および電子放出特性の安定性
を向上させることができる。ここに、炭素薄膜7aをス
パッタ法で成膜する場合には成膜温度を例えば300℃
〜400℃の範囲で設定すればよい。
【0041】以上説明した製造方法によれば、電子放出
特性の低下を抑制しながらも長寿命化を図った電子源1
0を高歩留まりで製造することができる。
【0042】ところで、本実施形態では、複合ナノ結晶
層6が多結晶シリコンのグレイン51およびナノ結晶シ
リコン63以外にシリコン酸化膜52,64を含んでい
るが、シリコン酸化膜52,64の代わりにシリコン窒
化膜やシリコン酸窒化膜を含むようにしてもよい。な
お、この場合には、上述の酸化プロセスの代わりに、窒
化プロセスや酸窒化プロセスを採用すればよい。
【0043】なお、本実施形態の電子源10をディスプ
レイの電子源として利用する場合には、下部電極2、表
面電極7、複合ナノ結晶層6などを適宜にパターニング
して多数の電子源素子10aを絶縁性基板1の上記一表
面側にマトリクス状に配列すればよい。また、上記実施
形態では、表面電極7を炭素薄膜7aと金属薄膜7bと
の積層膜により構成してあるが、表面電極7を炭素薄膜
7aのみにより構成するようにしてもよく、このように
表面電極7を炭素薄膜7aのみにより構成する場合に
は、表面電極7の抵抗を小さくするために炭素薄膜7a
の膜厚を3nm以上に設定することが望ましい。また、
金属薄膜7bについては、単層構造に限らず多層構造と
してもよい。
【0044】(実施例1)上記実施形態1にて説明した
電子源10の製造方法に基づいて電子源10を作成して
ダイオード電流Ipsおよびエミッション電流Ieの経時
特性を測定した結果を図4に示す。
【0045】ただし、本実施例では、絶縁性基板1とし
てはガラス基板を採用し、下部電極2としては80nm
のチタン層と250nmのタングステン層との積層膜を
スパッタ法により形成した。
【0046】また、ノンドープの多結晶シリコン層3
(図3(a)参照)の厚さは1.5μmとしプラズマC
VD法により形成した。また、ナノ結晶化プロセスで
は、電解液として、55wt%のフッ化水素水溶液とエ
タノールとを略1:1で混合した電解液を用い、電解液
を0℃に冷却した状態で光源としての500Wのタング
ステンランプから多結晶シリコン層3の主表面に光照射
を行いながら、陽極たる下部電極12と白金電極からな
る陰極との間に電源から25mA/cmの定電流を8
秒だけ流した。また、酸化プロセスでは、電気化学的な
酸化方法を採用し、1mol/lのHSOの入った
酸化処理槽を利用し、白金電極(図示せず)と下部電極
2との間に27Vの電圧を30秒だけ印加した。
【0047】また、表面電極7としては2nmの炭素薄
膜7aと10nmの金薄膜よりなる金属薄膜7bとの積
層膜をスパッタ法により形成した。
【0048】本実施例の電子源10のダイオード電流I
psおよびエミッション電流Ieの測定は、真空チャンバ
(図示せず)内に電子源10を導入して、上述の図2の
ように、表面電極7に対向してコレクタ電極9を配置
し、表面電極7を下部電極2に対して高電位側として直
流電圧Vpsを印加するとともに、コレクタ電極9を表面
電極7に対して高電位側として直流電圧Vcを印加する
ことによって行った。図4は真空チャンバ内の真空度を
1×10−3Pa、上述の直流電圧Vpsを19Vとした
ときの電子放出特性の測定結果を示したものであって、
横軸が経過時間、縦軸が電流密度であり、「イ」がダイ
オード電流Ipsの電流密度の経時特性、「ロ」がエミッ
ション電流Ieの電流密度の経時特性を示している。
【0049】図4から、本実施例の電子源10では、ダ
イオード電流Ipsおよびエミッション電流Ieについて
良好な経時特性が得られていることが分かる。
【0050】また、図5には本実施例の電子源10と比
較例1の電子源との経時特性を合わせて示してある。こ
こに、図5では、横軸が経過時間、左側の縦軸がダイオ
ード電流Ipsの電流密度、右側の縦軸がエミッション電
流Ieの電流密度であり、「イ」が本実施例の電子源1
0のダイオード電流Ipsの電流密度の経時特性、「ロ」
が本実施例の電子源10のエミッション電流Ieの電流
密度の経時特性を示し、「ハ」が比較例1の電子源のダ
イオード電流Ipsの電流密度の経時特性、「ニ」が比較
例1のエミッション電流Ieの電流密度の経時特性を示
している。ただし、図5の測定に用いた本実施例の電子
源10では、上述の酸化プロセスでの印加電圧を32V
としている点のみ図4の測定に用いたものと相違し、比
較例1の電子源は表面電極が10nmの金薄膜のみによ
り構成されている点が相違する。
【0051】図5から、表面電極7として炭素薄膜7a
と金属薄膜7bとの積層膜を採用した本実施例の電子源
10では、表面電極を金属薄膜のみにより構成した比較
例1に比べてエミッション電流Ieの経時特性が改善さ
れていることが分かる。すなわち、本実施例の電子源1
0では、エミッション電流Ieおよび電子放出効率の経
時安定性が比較例1に比べて向上することが分かる。
【0052】(実施例2)図6には、上述のナノ結晶化
プロセスおよび酸化プロセスの条件を実施例1とは異な
らせて作成した本実施例の電子源10のダイオード電流
Ipsおよびエミッション電流Ieの経時特性を示してあ
る。図6の結果が得られた本実施例の電子源10は、上
述のナノ結晶化プロセスにおいて2.5mA/cm
電流を2秒間流す低電流期間と25mA/cmの電流
を4秒流す高電流期間とを1サイクルとして3サイクル
繰り返した点、および、酸化プロセスとして急速熱酸化
を行った点が相違するが、図4の結果が得られた実施例
1の電子源10と同様に、良好な経時安定性が得られて
いることが分かる。
【0053】(実施例3)上記実施形態1にて説明した
電子源10の製造方法に基づいて電子源10を作成して
ダイオード電流Ipsおよびエミッション電流Ieの経時
特性を測定した結果を図7に示す。なお、本実施例の電
子源10の基本構成および製造方法は実施例1と略同じ
であって、炭素薄膜7aの膜厚を1nmに設定している
点が相違するだけである。また、比較例2として炭素薄
膜7aの膜厚を0.5nmに設定して作成した電子源に
ついてダイオード電流Ipsおよびエミッション電流Ie
の経時特性を測定した結果を図8に示す。
【0054】ここに、図7および図8では、横軸が経過
時間、左側の縦軸が電流密度、右側の縦軸が電子放出効
率であり、「イ」がダイオード電流Ipsの電流密度の経
時特性、「ロ」がエミッション電流Ieの電流密度の経
時特性を示し、「ハ」が電子放出効率の経時特性を示し
ている。
【0055】図7および図8から、表面電極7における
炭素薄膜7aの膜厚を1nmに設定した本実施例の電子
源10では、表面電極7における炭素薄膜7aの膜厚を
0.5nmに設定した比較例2に比べてエミッション電
流Ieの経時特性が改善されていることが分かる。すな
わち、本実施例の電子源10では、エミッション電流I
eおよび電子放出効率の経時安定性が比較例2に比べて
向上していることが分かる。
【0056】なお、炭素薄膜7aの膜厚を1nmに設定
した本実施例の電子源10に比べて炭素薄膜7aの膜厚
を0.5nmに設定した比較例2のエミッション電流I
eの経時変化が大きい理由としては、炭素薄膜7aの膜
厚を0.5nmとした場合には炭素薄膜7aの成膜時に
結晶核が島状に成長して平坦な膜を形成することができ
なかったり膜厚が薄過ぎることによって、結晶層たる複
合ナノ結晶層6へ酸素や水分などの不純物が侵入して複
合ナノ結晶層6が劣化してしまうことが考えられる。
【0057】(実施形態2)本実施形態の量子デバイス
は、実施形態1と同様の電子源10であって、表面電極
7における炭素薄膜7aをスパッタ法により形成するに
あたって、結晶層たる複合ナノ結晶層6の形成後にスパ
ッタ装置の真空チャンバ内で250℃以上の加熱温度で
あって且つ複合ナノ結晶層6および下部電極12および
絶縁性基板1へ悪影響を与えない加熱温度で複合ナノ結
晶層6の加熱を行ってから、連続して、同一チャンバ内
で250℃以上の成膜温度であって且つ複合ナノ結晶層
6および下部電極12および絶縁性基板1へ悪影響を与
えない成膜温度(例えば、250℃〜600℃)で炭素
薄膜7aが成膜されている点が相違する。
【0058】ここにおいて、複合ナノ結晶6を形成して
大気に曝した後で昇温脱離ガス分析法(TDS法)によ
る分析を行った結果を図9に示す。図9の横軸は温度、
縦軸はイオン電流であって、図9にはHOの脱離スペ
クトルを示してある。
【0059】図9から、複合ナノ結晶層6には250℃
以下の温度で脱離する水分が比較的多く吸着しているこ
とが分かる。
【0060】しかして、上述のように、複合ナノ結晶層
6の形成後にスパッタ装置の真空チャンバ内で250℃
以上の加熱温度であって且つ複合ナノ結晶層6および下
部電極12および絶縁性基板1へ悪影響を与えない加熱
温度で複合ナノ結晶層6の加熱を行うことにより、炭素
薄膜7aの成膜前に複合ナノ結晶層6に吸着している水
分を除去することができ、その後、大気に曝すことなく
連続して、炭素薄膜7aを同一チャンバ内で250℃以
上の成膜温度であって且つ複合ナノ結晶層6および下部
電極12および絶縁性基板1へ悪影響を与えない成膜温
度で成膜することにより、複合ナノ結晶層6の表面が炭
素薄膜7aによりキャップされて複合ナノ結晶層6へ水
分が吸着することが防止されるから、エミッション電
流、電子放出効率など出力特性および出力特性の安定性
を向上させることができる。
【0061】また、本実施形態では、表面電極7が、炭
素薄膜7aを形成した後で結晶層たる複合ナノ結晶層6
に電界を印加する前に熱処理が施されている点が相違す
る。ここにおいて、熱処理は、炭素薄膜7aを形成して
金属薄膜7bを形成する前に行ってもよいし、炭素薄膜
7aおよび金属薄膜7bを形成した後に行うようにして
もよい。ここにおいて、上記熱処理の温度としては、3
80℃〜400℃の温度範囲内に設定することが望まし
い。なお、本実施形態においても表面電極7を炭素薄膜
7aのみにより構成してもよいことは勿論である。
【0062】本実施形態の電子源10では、上述の熱処
理を施してあることにより、実施形態1の電子源10に
比べて炭素薄膜7aの膜質を向上させることができ、耐
熱性が向上する。
【0063】(実施例4)上記実施形態2にて説明した
電子源10の製造方法に基づいて電子源10を作成して
電子放出特性を測定した結果を図10に示す。ここに、
本実施例の電子源10の基本構成および製造方法は実施
例2と略同じであって、炭素薄膜7aの形成にあたって
スパッタ装置の真空チャンバ内の真空度を1×10−5
Pa以下としてから基板温度を250℃に昇温して複合
ナノ結晶層6の水分を脱離させた後で膜厚が1nmの炭
素薄膜7aを250℃で成膜し、真空度を維持したまま
室温に戻し、炭素薄膜7a上に膜厚が2nmのクロム薄
膜と膜厚が8nmの金薄膜との積層膜からなる金属薄膜
7bを成膜している点と、表面電極7の形成後であって
電界を印加する前にN雰囲気で400℃、1時間の熱
処理を行っている点が相違する。また、比較例3として
表面電極7形成後の熱処理を行っていない電子源につい
てダイオード電流Ipsおよびエミッション電流Ieの経
時特性を測定した結果を図11に示す。なお、本実施例
では、炭素薄膜7aの形成にあたってスパッタ装置の真
空チャンバ内の真空度を1×10−5Pa以下としてか
ら基板温度を250℃に昇温して複合ナノ結晶層6の水
分を脱離させる際に真空度が一旦低下するが、大部分の
水分が脱離すると昇温前の真空度まで回復するので、真
空度が昇温前の真空度に回復した後に炭素薄膜7aの成
膜を行っている。要するに、真空チャンバ内の真空度を
監視することで炭素薄膜7aの成膜開始時期を判断する
ことができる。
【0064】図10(a),(b)および図11
(a),(b)では、横軸が駆動電圧(上記直流電圧V
ps)、縦軸が電流密度であり、各グラフの上側の3種類
のマークで区別した特性はダイオード電流Ipsの電流密
度Jps、各グラフの下側の3種類のマークで区別した特
性はエミッション電流Ieの電流密度Jeを示しており、
同じグラフ中において同じマークが同一のサンプル(電
子源)の特性を示している。また、図10(a)および
図11(a)はN雰囲気で400℃、1時間の加熱試
験を行う前の電子放出特性を示し、図10(b)および
図11(b)は加熱試験後の電子放出特性を示してい
る。
【0065】図10および図11から、表面電極7の形
成後に上記熱処理を施した本実施例の電子源10では、
上記熱処理を施していない比較例3に比べて加熱試験前
後での電子放出特性の変化が少ないことが分かる。すな
わち、本実施例の電子源10では、比較例3に比べて耐
熱性が向上していることが分かる。ここにおいて、比較
例3の電子源の電子放出特性が加熱試験によって劣化し
た原因としては、熱処理を行わずに電界を印加した場
合、炭素薄膜7aの膜質が不安定な状態で量子(ここで
は、電子)が炭素薄膜7aを通過するため、炭素薄膜7
aの劣化が起こったものと考えられる。
【0066】なお、本実施例の電子源10を表示装置や
発光装置などの電子源として利用する場合には、本実施
例の電子源10の製造後に容器内に配置してフリットガ
ラスなどにより容器を真空封止する封止工程を行う必要
があるが、この封止工程はフリットガラスを溶融させる
ために400℃程度の行われるので、400℃での耐熱
性は実用上重要な特性である。
【0067】(実施形態3)本実施形態では、ナノ結晶
シリコンを利用した量子デバイス(電子デバイス)とし
て電界励起により量子効果が発現して発光する発光デバ
イスを例示する。
【0068】本実施形態の発光デバイス20は、図12
(a)に示すように、n形のシリコン基板21の裏面に
オーミック電極22が形成され、シリコン基板21の表
面上に多数のナノ結晶シリコン63(図12(b)参
照)を具備した後述の発光層26が形成され、発光層2
6上に上部電極27が形成されている。本実施形態で
は、シリコン基板21とオーミック電極22とで下部電
極25を構成しており、下部電極25と上部電極27と
の間に発光層26が挟まれている(つまり、発光層26
の厚み方向の一方に下部電極25が形成され他方に上部
電極27が形成されており、下部電極25と上部電極2
7とが一対の電極を構成している)。ここに、本実施形
態の発光デバイス20は、発光層26にて発光した光を
上部電極27を通して外部へ出力するものであり、上部
電極27の厚さは10nm程度に設定してある。
【0069】上述の発光層26は、シリコン層である多
結晶シリコン層に対して後述のナノ結晶化プロセスおよ
び酸化プロセスを行うことにより形成されており、図1
2(b)に示すように、多結晶シリコンの複数のグレイ
ン51と、各グレイン51それぞれの表面に形成された
薄いシリコン酸化膜52と、隣り合うグレイン51間に
介在する多数のナノ結晶シリコン63と、各ナノ結晶シ
リコン63の表面に形成され当該ナノ結晶シリコン63
の結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜である多数のシリ
コン酸化膜64とを含んでおり、グレイン51、ナノ結
晶シリコン63、各シリコン酸化膜52,64以外の領
域はアモルファスシリコン若しくは一部が酸化したアモ
ルファスシリコンにより構成されていると考えられる。
すなわち、発光層26は、多結晶シリコンおよび多結晶
シリコンの粒界付近に存在する多数のナノ結晶シリコン
63が混在している。なお、各グレイン51は、シリコ
ン基板21の厚み方向に沿って延びている(つまり、各
グレイン51は下部電極25の厚み方向に延びてい
る)。
【0070】また、上部電極27は、発光層26に積層
された炭素薄膜27aと、炭素薄膜27aに積層された
金属薄膜27bとで構成している。ところで、上部電極
27は、発光層26にて発光した光の吸収を抑制して光
出力の低下を防止するという観点から、炭素薄膜27a
の膜厚が5nmを超えないように1nm以上5nm以下
の範囲で設定してあり、炭素薄膜27aと金属薄膜27
bとを合わせた厚さが10nm程度となるように設定し
てある。ここに、炭素薄膜27aの膜厚は1nm以上3
nm以下の範囲とすることがより好ましい。なお、本実
施形態では、発光層26が下部電極25上に形成された
結晶層を構成し、上部電極27が結晶層上の表面電極を
構成している。
【0071】ここにおいて、炭素薄膜27aは、下地と
なる発光層26の主成分であるシリコンと同じ4族元素
の炭素を構成元素とするものであるから、発光層26と
の相性が良く、また、撥水性が高いという特徴を有して
いる。しかも、炭素薄膜27aは、薄膜化を図りながら
も良好な被覆性を得ることができて発光層26への酸素
や水分などの不純物の侵入を防ぐことができ、さらに、
炭素薄膜27aは、発光層26との密着性に優れ、耐熱
性および耐酸化性にも優れるという性質を有する。
【0072】炭素薄膜27aは、アモルファスカーボ
ン、グラファイト、グラファイトライクカーボン、ダイ
ヤモンド、ダイヤモンドライクカーボンなどをはじめ、
各種形態の炭素薄膜を採用可能であるが、グラファイト
若しくはグラファイトライクカーボンを採用すればアモ
ルファスカーボンやダイヤモンド、ダイヤモンドライク
カーボンなどを採用する場合に比べて炭素薄膜27aの
抵抗を小さくすることができ、駆動電圧の低電圧化、低
消費電力化、炭素薄膜27aでの発熱や電圧降下による
影響の低減などを図ることが可能になる。また、不純物
のドーピングにより炭素薄膜27aに導電性を付与して
おけば、ドーピングしていない場合に比べて炭素薄膜2
7aの抵抗を小さくすることができ、駆動電圧の低電圧
化、低消費電力化、炭素薄膜7aでの発熱や電圧降下に
よる影響の低減などを図ることが可能になる。
【0073】また、金属薄膜27bには、導電率が比較
的高く、耐酸化性に優れ化学的に安定な金属材料を採用
することが好ましく、例えば、金、白金、銀、銅、ハフ
ニウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、イリジウ
ム、ニオブ、クロム、アルミニウムから選択される金属
材料あるいは上記金属材料の炭化物あるいは上記金属材
料の窒化物などを採用すれば、炭素薄膜27aとの密着
性を高めることができ、製造時の歩留まりを向上できる
とともに、発光デバイス20の長寿命化を図ることがで
きる。なお、金属薄膜27bの金属材料としては、タン
グステンなどを採用してもよい。
【0074】図12(a)に示す構成の発光デバイス2
0から光を放出させるには、上部電極27と下部電極2
5との間に電圧を印加すればよく、上部電極27と下部
電極25との間に電圧を印加することによって発光層2
6に電界が作用して発光層26が発光する量子効果が発
現し、発光層26にて発光した光が上部電極27を透過
して外部へ放出される。
【0075】しかして、本実施形態の発光デバイス20
では、上部電極27が下地となる発光層26との相性が
良く且つ撥水性の高い炭素薄膜27aを介して金属薄膜
27bを形成してあり、しかも、炭素薄膜27aは薄膜
化を図りながらも良好な被覆性を得ることができて発光
層26への酸素や水分などの不純物の侵入を防ぐことが
でき、さらに、炭素薄膜27aは発光層26との密着性
に優れ、耐熱性および耐酸化性にも優れるという性質を
有するので、上部電極27が発光層26から剥離した
り、上部電極27の構成材料の凝集が起こったり、上部
電極27が酸化したりするような不具合の発生を抑制す
ることができ、従来のように上部電極27が金属薄膜の
みにより形成されているものに比べて、光出力の低下を
抑制しながらも長寿命化を図ることができる。
【0076】以下、上述の発光デバイス20の製造方法
について図13を参照しながら説明する。
【0077】まず、シリコン基板21の裏面にオーミッ
ク電極2を形成した後、シリコン基板21の主表面上に
所定膜厚(例えば、1.5μm)のノンドープの多結晶
シリコン層23を形成することにより、図13(a)に
示すような構造が得られる。なお、ノンドープの多結晶
シリコン層23の形成方法としては、例えば、CVD法
(LPCVD法、プラズマCVD法、触媒CVD法な
ど)やスパッタ法やCGS(Continuous Grain Silic
on)法、アモルファスシリコンを堆積させた後にレーザ
アニールする方法などを採用すればよい。
【0078】ノンドープの多結晶シリコン層23を形成
した後、上述のナノ結晶化プロセスを行うことにより、
多結晶シリコンとナノ結晶シリコンとアモルファスシリ
コンとが混在するナノ結晶層24が形成され、図13
(b)に示すような構造が得られる。ここにおいて、ナ
ノ結晶化プロセスでは、55wt%のフッ化水素水溶液
とエタノールとを略1:1で混合した混合液よりなる電
解液の入った処理槽を利用し、白金電極(図示せず)と
下部電極25との間に電圧を印加して、多結晶シリコン
層23に光照射を行いながら電流を流すことによってナ
ノ結晶層24が形成される。
【0079】上述のナノ結晶化プロセスの終了した後
に、酸化プロセスを行うことによって上述の図12
(b)のような構成の発光層26が形成され、図13
(c)に示すような構造が得られる。酸化プロセスで
は、電解質溶液(例えば、1mol/lのHSO
1mol/lのHNO、王水など)の入った酸化処理
槽を利用し、白金電極(図示せず)と下部電極25との
間に所定の電圧を印加しナノ結晶層24を電気化学的に
酸化することによって上述のグレイン51、ナノ結晶シ
リコン63、各シリコン酸化膜52,64を含む発光層
26を形成している。なお、酸化プロセスは、電気化学
的な酸化方法に限らず、例えば、急速加熱法により急速
熱酸化する方法を採用してもよい。
【0080】発光層26を形成した後は、炭素薄膜27
a、金属薄膜27bを順次形成することで炭素薄膜27
aと金属薄膜27bとの積層膜からなる上部電極27が
発光層26上に形成されることになり、図13(d)に
示す構造の発光デバイス20が得られる。ここに、炭素
薄膜27aの形成方法としては、蒸着法、スパッタ法、
イオンプレーティング法、熱CVD法、PECVD法な
どをはじめ種々の薄膜形成方法が採用可能であるが、膜
厚均一性、被覆性に優れた薄膜形成方法を採用すること
は勿論である。また、金属薄膜27bの形成方法として
は、蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、C
VD法など種々の薄膜形成方法が採用可能である。な
お、炭素薄膜27aは、結晶層たる発光層26の形成後
に250℃以上の成膜温度であって且つ発光層26およ
び下部電極25へ悪影響を与えない成膜温度で成膜する
ことが好ましく、発光層26のナノ結晶シリコン63が
酸化されないような成膜温度で成膜することが好まし
く、このような成膜温度で成膜することにより、光出力
特性および光出力特性の安定性を向上させることができ
る。ここに、炭素薄膜27aをスパッタ法で成膜する場
合には成膜温度を例えば300℃〜400℃の範囲で設
定すればよい。
【0081】以上説明した製造方法によれば、光出力の
低下を抑制しながらも長寿命化を図った発光デバイス2
0を高歩留まりで製造することができる。
【0082】ところで、本実施形態では、発光層26が
多結晶シリコンのグレイン51およびナノ結晶シリコン
63以外にシリコン酸化膜52,64を含んでいるが、
シリコン酸化膜52,64の代わりにシリコン窒化膜や
シリコン酸窒化膜を含むようにしてもよく、これらの場
合には、上述の酸化プロセスの代わりに、窒化プロセス
や酸窒化プロセスを採用すればよい。また、本実施形態
では、発光層26が多結晶シリコンのグレイン51およ
びグレイン51の表面に形成されたシリコン酸化膜52
を含んでいるが、グレイン51およびグレイン51表面
のシリコン酸化膜52は必ずしも設ける必要はない。
【0083】なお、上記実施形態では、上部電極27を
炭素薄膜27aと金属薄膜27bとの積層膜により構成
してあるが、上部電極27を炭素薄膜27aのみにより
構成するようにしてもよく、このように上部電極27を
炭素薄膜27aのみにより構成する場合には、上部電極
27の抵抗を小さくするために炭素薄膜27aの膜厚を
3nm以上に設定することが望ましい。
【0084】また、本実施形態では、シリコン基板21
とオーミック電極22とで下部電極25を構成している
が、絶縁性基板(例えば、絶縁性を有するガラス基板、
絶縁性を有するセラミック基板など)上に形成した金属
材料からなる単層(例えば、Cr,W,Ti,Ta,N
i,Al,Cu,Au,Pt,Moなどの金属あるいは
合金あるいはシリサイドなど金属間化合物からなる単
層)または多層(例えば、Cr,W,Ti,Ta,N
i,Al,Cu,Au,Pt,Moなどの金属あるいは
合金あるいはシリサイドなど金属間化合物からなる多
層)の金属薄膜により下部電極25を構成するようにし
てもよい。
【0085】また、発光層26は、少なくともナノ結晶
シリコン63を含んでいればよく、必ずしもグレイン5
1を含んでいる必要はなく、このような場合には、シリ
コン基板21の主表面上に多結晶シリコン層23を形成
することなくシリコン基板21の主表面側の一部に対し
てナノ結晶化プロセス、酸化プロセスを施すようにして
もよい。また、シリコン酸化膜52,64についても必
ずしも必要とせず、この場合には酸化プロセスを省略し
たり、シリコン酸化膜52,64を形成した後に当該シ
リコン酸化膜52,64を除去するようにすればよい。
なお、本実施形態では、n形のシリコン基板21上にノ
ンドープの多結晶シリコン層23を形成しているが、多
結晶シリコン層23の導電形をn形としてもよく、ま
た、シリコン基板21の導電形をp形として多結晶シリ
コン層23の導電形をp形としてもよい。
【0086】(実施例5)上記実施形態3にて説明した
発光デバイス20の製造方法に基づいて発光デバイス2
0を作成して両電極27,25間への電圧印加時の電圧
電流特性およびエレクトロルミネセンス強度(EL強
度)を測定した結果を図14に示す。
【0087】ただし、本実施例では、シリコン基板21
としては導電形がn形で、抵抗率が0.1Ωcmの(1
00)基板を用いている。
【0088】また、ノンドープの多結晶シリコン層23
(図13(a)参照)の厚さは1.5μmとしプラズマ
CVD法により形成した。また、ナノ結晶化プロセスで
は、電解液として、55wt%のフッ化水素水溶液とエ
タノールとを略1:1で混合した電解液を用い、電解液
を0℃に冷却した状態で光源としての500Wのタング
ステンランプから多結晶シリコン層23の主表面に光照
射を行いながら、陽極たる下部電極12と白金電極から
なる陰極との間に電源から25mA/cmの定電流を
8秒だけ流した。また、酸化プロセスでは、電気化学的
な酸化方法を採用し、1mol/lのHSOの入っ
た酸化処理槽を利用し、白金電極(図示せず)と下部電
極2との間に27Vの電圧を30秒だけ印加した。
【0089】また、上部電極27としては2nmの炭素
薄膜27aと10nmの金薄膜よりなる金属薄膜27b
との積層膜をスパッタ法により形成した。
【0090】本実施例の発光デバイス20の特性を示し
た図14では、横軸が上部電極27と下部電極25との
間に印加する電圧、左側の縦軸が上部電極27と下部電
極25との間に流れる電流の電流密度、右側の縦軸がエ
レクトロルミネセンス強度であり、「イ」が両電極2
7,25間に流れる電流の電流密度の印加電圧依存性、
「ロ」がエレクトロルミネセンス強度の印加電圧依存性
を示している。
【0091】図14から、本実施例の発光デバイス20
では、上部電極27と下部電極25との間の印加電圧の
極性にかかわらず光出力が得られていることが分かる。
【0092】また、図15には本実施例の発光デバイス
20における両電極27,25間に流れる電流の電流密
度およびエレクトロルミネセンス強度の経時特性を示し
てある。ここに、図15では、横軸が経過時間、左側の
縦軸が上部電極27と下部電極25との間に流れる電流
の電流密度、右側の縦軸がエレクトロルミネセンス強度
であり、「イ」が上部電極27と下部電極25との間に
流れる電流の電流密度の経時特性、「ロ」がエレクトロ
ルミネセンス強度の経時特性を示しており、良好な経時
特性が得られていることが分かる。なお、図15には図
示していないが、上部電極27を金属薄膜のみにより構
成したものに比べて電流密度、エレクトロルミネセンス
強度のいずれの経時特性も改善されている。
【0093】なお、上記実施形態3の発光デバイス20
においても、上記実施形態2と同様に、表面電極たる上
部電極27における炭素薄膜27aをスパッタ法により
形成するにあたって、結晶層たる発光層26の形成後に
スパッタ装置の真空チャンバ内で250℃以上の加熱温
度であって且つ発光層26および下部電極25およびシ
リコン基板21へ悪影響を与えない加熱温度で発光層2
6の加熱を行ってから、連続して、同一チャンバ内で2
50℃以上の成膜温度であって且つ発光層26および下
部電極25およびシリコン基板21へ悪影響を与えない
成膜温度(例えば、250℃〜600℃)で炭素薄膜2
7aを成膜するようにしてもよい。このようなプロセス
を採用することにより、炭素薄膜27aの成膜前に発光
層26に吸着している水分を除去することができ、その
後、大気に曝すことなく連続して、炭素薄膜27aを同
一チャンバ内で250℃以上の成膜温度であって且つ発
光層26および下部電極25およびシリコン基板21へ
悪影響を与えない成膜温度で成膜することにより、発光
層26の表面が炭素薄膜27aによりキャップされて発
光層26へ水分が吸着することが防止されるから、光出
力特性および光出力特性の安定性を向上させることがで
きる。
【0094】さらに、実施形態3の発光デバイス20に
おいて、実施形態2と同様に、表面電極たる上部電極2
7が、炭素薄膜27aを形成した後で結晶層たる発光層
26に電界を印加する前に熱処理が施されているように
してもよい。ここにおいて、熱処理は、炭素薄膜27a
を形成して金属薄膜27bを形成する前に行ってもよい
し、炭素薄膜27aおよび金属薄膜27bを形成した後
に行うようにしてもよい。このようなプロセスを採用す
ることにより、実施形態3の発光デバイス20に比べて
炭素薄膜27aの膜質を向上させることができ、耐熱性
が向上する。
【0095】
【発明の効果】請求項1の発明は、下部電極と、下部電
極上に形成され多数のナノ結晶シリコンを具備し電界励
起によって量子効果を発現する結晶層と、少なくとも結
晶層上に形成された炭素薄膜からなる表面電極とを備え
てなるものであり、表面電極が下地となる結晶層との相
性が良く且つ撥水性の高い炭素薄膜を有しており、しか
も、炭素薄膜は薄膜化を図りながらも良好な被覆性を得
ることができて結晶層への酸素や水分などの不純物の侵
入を防ぐことができ、さらに、炭素薄膜は結晶層との密
着性に優れ、耐熱性および耐酸化性にも優れるという性
質を有するので、従来のように表面電極が金属薄膜のみ
により形成されているものに比べて、電子放出効率の低
下を抑制しながらも長寿命化を図ることができるという
効果がある。
【0096】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記表面電極は、前記炭素薄膜と、前記炭素薄膜上
に形成された金属薄膜とからなるので、前記表面電極を
前記炭素薄膜のみにより構成する場合に比べて前記表面
電極の低抵抗化を図ることができるという効果がある。
【0097】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、前記金属薄膜は、金、白金、銀、銅、ハフニウム、
ジルコニウム、チタン、タンタル、イリジウム、ニオ
ブ、クロム、アルミニウムから選択される金属材料ある
いは前記金属材料の炭化物あるいは前記金属材料の窒化
物により形成されているので、前記金属薄膜と前記炭素
薄膜との密着性を高めることができ、製造時の歩留まり
の向上を図れるとともに、より一層の長寿命化を図るこ
とができるという効果がある。
【0098】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、前記結晶層が電界励起により前記下
部電極から注入された電子を前記表面電極へ向かって加
速する強電界ドリフト層であり、前記下部電極と強電界
ドリフト層と前記表面電極とで電子源素子を構成してあ
るので、従来のように表面電極が金属薄膜により形成さ
れているものに比べて、電子放出効率の低下を抑制しな
がらも長寿命化を図ることができるという効果がある。
【0099】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記強電界ドリフト層は、多結晶シリコンおよび多
結晶シリコンの粒界付近に存在する前記多数のナノ結晶
シリコンおよび各ナノ結晶シリコンそれぞれの表面に形
成されナノ結晶シリコンの結晶粒径よりも小さな膜厚の
多数の絶縁膜が混在する複合ナノ結晶層であるので、強
電界ドリフト層で発生した熱を多結晶シリコンのグレイ
ンを通して放熱することができ、電子放出特性が安定す
るという効果がある。
【0100】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、前記結晶層が電界励起により発光す
る発光層であり、前記下部電極と発光層と前記表面電極
とで発光デバイスを構成してあるので、発光層にて発光
した光を前記表面電極を通して取り出すようにすれば、
従来のように発光層にて発光した光を外部へ取り出す側
の電極が金属薄膜により形成されているものに比べて、
光出力の低下を抑制しながらも長寿命化を図ることがで
きるという効果がある。
【0101】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
6の発明において、前記炭素薄膜は、グラファイト若し
くはグラファイトライクカーボンよりなるので、前記炭
素薄膜をアモルファスカーボンやダイヤモンドライクカ
ーボンにより構成する場合に比べて、前記炭素薄膜の抵
抗を小さくすることができ、駆動電圧の低電圧化、低消
費電力化、前記炭素薄膜での発熱や電圧降下による影響
の低減などを図ることができるという効果がある。
【0102】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項
7の発明において、前記炭素薄膜は、不純物のドーピン
グにより導電性が付与されてあるので、ドーピングして
いない場合に比べて、前記炭素薄膜の抵抗を小さくする
ことができ、駆動電圧の低電圧化、低消費電力化、前記
炭素薄膜での発熱や電圧降下による影響の低減などを図
ることができるという効果がある。
【0103】請求項9の発明は、請求項1ないし請求項
8の発明において、前記炭素薄膜の膜厚は5nmを超え
ないように設定されているので、出力の低下を抑制する
ことができるという効果がある。
【0104】請求項10の発明は、請求項9の発明にお
いて、前記炭素薄膜の膜厚は1nm以上に設定されてい
るので、出力の経時変化を小さくすることができるとい
う効果がある。
【0105】請求項11の発明は、請求項1ないし請求
項10の発明において、前記炭素薄膜は、前記結晶層の
形成後に真空チャンバ内で250℃以上の加熱温度であ
って且つ前記下部電極および前記結晶層へ悪影響を与え
ない加熱温度で前記結晶層の加熱を行ってから250℃
以上の成膜温度であって且つ前記下部電極および前記結
晶層へ悪影響を与えない成膜温度で成膜されているの
で、前記炭素薄膜の成膜前に前記結晶層に吸着している
水分を除去することができ、しかも前記炭素薄膜を成膜
することにより前記結晶層へ水分が吸着することが防止
されるから、出力特性および出力特性の安定性を向上さ
せることができるという効果がある。
【0106】請求項12の発明は、請求項1ないし請求
項11の発明において、前記表面電極は、前記炭素薄膜
を形成した後で前記結晶層に電界を印加する前に熱処理
が施されているので、前記炭素薄膜の膜質を向上させる
ことができ、耐熱性が向上するという効果がある。
【0107】請求項13の発明は、請求項2または請求
項3の発明において、前記表面電極は、前記炭素薄膜お
よび前記金属薄膜を形成した後で電界を印加する前に熱
処理が施されているので、前記炭素薄膜の膜質を向上さ
せることができ、耐熱性が向上するという効果がある。
【0108】請求項14の発明は、請求項12または請
求項13の発明において、前記表面電極は、前記熱処理
が380℃〜420℃の温度範囲内で施されているの
で、量子デバイスの製造後に例えば容器内に配置してフ
リットガラスなどにより容器を真空封止する際の加熱温
度(例えば、400℃)に起因して特性が劣化するのを
防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示し、(a)は電子源の概略断面
図、(b)は(a)の要部説明図である。
【図2】同上の電子源の動作説明図である。
【図3】同上の電子源の製造方法を説明するための主要
工程断面図である。
【図4】実施例1の電子源の特性図である。
【図5】実施例1の電子源と比較例1の電子源との特性
比較図である。
【図6】実施例2の電子源の特性図である。
【図7】実施例3の電子源の特性図である。
【図8】比較例2の電子源の特性図である。
【図9】実施形態2における製造方法により形成した複
合ナノ結晶層の昇温脱離ガス分析法による脱離スペクト
ル図である。
【図10】実施例4の電子源の特性図である。
【図11】比較例3の電子源の特性図である。
【図12】実施形態3を示し、(a)は発光デバイスの
概略断面図、(b)は(a)の要部説明図である。
【図13】同上の発光デバイスの製造方法を説明するた
めの主要工程断面図である。
【図14】実施例5の発光デバイスの特性図である。
【図15】実施例5の発光デバイスの特性図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 下部電極 6 複合ナノ結晶層 7 表面電極 7a 炭素薄膜 7b 金属薄膜 10 電子源 10a 電子源素子 20 発光デバイス 21 シリコン基板 22 オーミック電極 25 下部電極 26 発光層 27 上部電極 27a 炭素薄膜 27b 金属薄膜 51 グレイン 52 シリコン酸化膜 63 ナノ結晶シリコン 64 シリコン酸化膜
フロントページの続き (72)発明者 菰田 卓哉 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 越田 信義 東京都小金井市緑町3−12−8 Fターム(参考) 5C135 DD07 DD09 GG10 GG13 HH02 HH03 HH06 HH07 HH15 HH17

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部電極と、下部電極上に形成され多数
    のナノ結晶シリコンを具備し電界励起によって量子効果
    を発現する結晶層と、少なくとも結晶層上に形成された
    炭素薄膜からなる表面電極とを備えてなることを特徴と
    する量子デバイス。
  2. 【請求項2】 前記表面電極は、前記炭素薄膜と、前記
    炭素薄膜上に形成された金属薄膜とからなることを特徴
    とする請求項1記載の量子デバイス。
  3. 【請求項3】 前記金属薄膜は、金、白金、銀、銅、ハ
    フニウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、イリジウ
    ム、ニオブ、クロム、アルミニウムから選択される金属
    材料あるいは前記金属材料の炭化物あるいは前記金属材
    料の窒化物により形成されてなることを特徴とする請求
    項2記載の量子デバイス。
  4. 【請求項4】 前記結晶層が電界励起により前記下部電
    極から注入された電子を前記表面電極へ向かって加速す
    る強電界ドリフト層であり、前記下部電極と強電界ドリ
    フト層と前記表面電極とで電子源素子を構成してなるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の量子デバイス。
  5. 【請求項5】 前記強電界ドリフト層は、多結晶シリコ
    ンおよび多結晶シリコンの粒界付近に存在する前記多数
    のナノ結晶シリコンおよび各ナノ結晶シリコンそれぞれ
    の表面に形成されナノ結晶シリコンの結晶粒径よりも小
    さな膜厚の多数の絶縁膜が混在する複合ナノ結晶層であ
    ることを特徴とする請求項4記載の量子デバイス。
  6. 【請求項6】 前記結晶層が電界励起により発光する発
    光層であり、前記下部電極と発光層と前記表面電極とで
    発光デバイスを構成してなることを特徴とする請求項1
    ないし請求項3のいずれかに記載の量子デバイス。
  7. 【請求項7】 前記炭素薄膜は、グラファイト若しくは
    グラファイトライクカーボンよりなることを特徴とする
    請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の量子デバイ
    ス。
  8. 【請求項8】 前記炭素薄膜は、不純物のドーピングに
    より導電性が付与されてなることを特徴とする請求項1
    ないし請求項7のいずれかに記載の量子デバイス。
  9. 【請求項9】 前記炭素薄膜の膜厚は5nmを超えない
    ように設定されてなることを特徴とする請求項1ないし
    請求項8のいずれかに記載の量子デバイス。
  10. 【請求項10】 前記炭素薄膜の膜厚は1nm以上に設
    定されてなることを特徴とする請求項9記載の量子デバ
    イス。
  11. 【請求項11】 前記炭素薄膜は、前記結晶層の形成後
    に真空チャンバ内で250℃以上の加熱温度であって且
    つ前記下部電極および前記結晶層へ悪影響を与えない加
    熱温度で前記結晶層の加熱を行ってから250℃以上の
    成膜温度であって且つ前記下部電極および前記結晶層へ
    悪影響を与えない成膜温度で成膜されてなることを特徴
    とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の量
    子デバイス。
  12. 【請求項12】 前記表面電極は、前記炭素薄膜を形成
    した後で前記結晶層に電界を印加する前に熱処理が施さ
    れてなることを特徴とする請求項1ないし請求項11の
    いずれかに記載の量子デバイス。
  13. 【請求項13】 前記表面電極は、前記炭素薄膜および
    前記金属薄膜を形成した後で電界を印加する前に熱処理
    が施されてなることを特徴とする請求項2または請求項
    3記載の量子デバイス。
  14. 【請求項14】 前記表面電極は、前記熱処理が380
    ℃〜420℃の温度範囲内で施されてなることを特徴と
    する請求項12または請求項13記載の量子デバイス。
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