JP4023312B2 - 電界放射型電子源の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界放射により電子線を放射するようにした電界放射型電子源の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ナノ結晶シリコン(ナノメータオーダのシリコン微結晶)を利用した電子デバイスとして図5や図6に示す構成の電界放射型電子源10’,10”が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
図5に示す構成の電界放射型電子源10’は、導電性基板としてのn形シリコン基板1の主表面(一表面)側に酸化した多孔質多結晶シリコン層よりなる強電界ドリフト層6が形成され、強電界ドリフト層6上に金属薄膜(例えば、金薄膜)よりなる表面電極7が形成されている。また、n形シリコン基板1の裏面にはオーミック電極2が形成されており、n形シリコン基板1とオーミック電極2とで下部電極12を構成している。なお、図5に示す例では、n形シリコン基板1と強電界ドリフト層6との間にノンドープの多結晶シリコン層3を介在させてあり、多結晶シリコン層3と強電界ドリフト層6とで電子が通過する電子通過部を構成しているが、多結晶シリコン層3を介在させずに強電界ドリフト層6のみで電子通過部を構成したものも提案されている。
【0004】
図5に示す構成の電界放射型電子源10’から電子を放出させるには、例えば、表面電極7に対向配置されたコレクタ電極21を設け、表面電極7とコレクタ電極21との間を真空とした状態で、表面電極7が下部電極12に対して高電位側となるように表面電極7と下部電極12との間に直流電圧Vpsを印加するとともに、コレクタ電極21が表面電極7に対して高電位側となるようにコレクタ電極21と表面電極7との間に直流電圧Vcを印加する。ここに、直流電圧Vpsを適宜に設定すれば、下部電極12から注入された電子が強電界ドリフト層6をドリフトし表面電極7を通して放出される(図5中の一点鎖線は表面電極7を通して放出された電子eの流れを示す)。なお、表面電極7の厚さは10〜15nm程度に設定されている。
【0005】
ところで、図5に示した構成の電界放射型電子源10’では、n形シリコン基板1とオーミック電極2とで下部電極12を構成しているが、図6に示すように、例えば絶縁性を有するガラス基板よりなる絶縁性基板11の一表面上に金属薄膜よりなる下部電極12を形成した電界放射型電子源10”も提案されている。ここに、上述の図5に示した電界放射型電子源10’と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0006】
図6に示す構成の電界放射型電子源10”から電子を放出させるには、例えば、表面電極7に対向配置されたコレクタ電極21を設け、表面電極7とコレクタ電極21との間を真空とした状態で、表面電極7が下部電極12に対して高電位側となるように表面電極7と下部電極12との間に直流電圧Vpsを印加するとともに、コレクタ電極21が表面電極7に対して高電位側となるようにコレクタ電極21と表面電極7との間に直流電圧Vcを印加する。ここに、直流電圧Vpsを適宜に設定すれば、下部電極12から注入された電子が強電界ドリフト層6をドリフトし表面電極7を通して放出される(図6中の一点鎖線は表面電極7を通して放出された電子eの流れを示す)。なお、強電界ドリフト層6の表面に到達した電子はホットエレクトロンであると考えられ、表面電極7を容易にトンネルし真空中に放出される。
【0007】
上述の各電界放射型電子源10’,10”では、表面電極7と下部電極12との間に流れる電流をダイオード電流Ipsと呼び、コレクタ電極21と表面電極7との間に流れる電流をエミッション電流(放出電子電流)Ieと呼ぶことにすれば(図5および図6参照)、ダイオード電流Ipsに対するエミッション電流Ieの比率(=Ie/Ips)が大きいほど電子放出効率(=(Ie/Ips)×100〔%〕)が高くなる。なお、上述の電界放射型電子源10’,10”では、表面電極7と下部電極12との間に印加する直流電圧Vpsを10〜20V程度の低電圧としても電子を放出させることができ、直流電圧Vpsが大きいほどエミッション電流Ieが大きくなる。
【0008】
ところで、図6に示す構成の電界放射型電子源10”を製造する場合には、例えば、絶縁性基板11の一表面上に下部電極12をスパッタ法などにより形成した後、絶縁性基板11の一表面側の全面にプラズマCVD法などによって400℃以上の基板温度でノンドープの多結晶シリコン層3を形成し(図7(a)参照)、その後、多結晶シリコン層3を所定深さまで陽極酸化することにより多結晶シリコンのグレインおよび多数のナノメータオーダのシリコン微結晶を含む多孔質多結晶シリコン層4’を形成し(図7(b)参照)、多孔質多結晶シリコン層4’を急速加熱法ないし電気化学的な酸化方法によって酸化することで強電界ドリフト層6を形成し(図7(c)参照)、続いて、強電界ドリフト層6上に表面電極7を蒸着法などによって形成している(図7(d)参照)。
【0009】
また、図6に示した電界放射型電子源10”をディスプレイの電子源とし応用する場合には、例えば図8に示す構成を採用すればよい。
【0010】
図8に示すディスプレイは、電界放射型電子源10に対向して平板状のガラス基板よりなるフェースプレート30が配置され、フェースプレート30における電界放射型電子源10との対向面には透明な導電膜(例えば、ITO膜)よりなるコレクタ電極(以下、アノード電極と称す)21が形成されている。また、アノード電極21における電界放射型電子源10との対向面には、画素ごとに形成された蛍光物質と蛍光物質間に形成された黒色材料からなるブラックストライプとが設けられている。ここに、蛍光物質はアノード電極21における電界放射型電子源10との対向面に塗布されており、電界放射型電子源10から放射される電子線によって可視光を発光する。なお、蛍光物質には電界放射型電子源10から放射されアノード電極21に印加された電圧によって加速された高エネルギの電子が衝突するようになっており、蛍光物質としてはR(赤色),G(緑色),B(青色)の各発光色のものを用いている。また、フェースプレート30は図示しない矩形枠状のフレームによって電界放射型電子源10と離間させてあり、フェースプレート30と電界放射型電子源10との間に形成される気密空間を真空にしてある。
【0011】
図8に示した電界放射型電子源10は、絶縁性を有するガラス基板よりなる絶縁性基板11と、絶縁性基板11の一表面上に列設された複数の下部電極12と、下部電極12にそれぞれ重なる形で形成された複数の多結晶シリコン層3と、多結晶シリコン層3にそれぞれ重なる形で形成された酸化した多孔質多結晶シリコン層よりなる複数の強電界ドリフト層6と、隣り合う強電界ドリフト層6間および隣り合う多結晶シリコン層3間を埋める多結晶シリコン層よりなる分離層16と、強電界ドリフト層6および分離層16の上で強電界ドリフト層6および分離層16に跨って下部電極12に交差する方向に列設された複数の表面電極7とを備えている。ここにおいて、図8に示す電界放射型電子源10では、強電界ドリフト層6と多結晶シリコン層3と分離層16とで電子通過部5を構成しており、図9に示すように、絶縁性基板11の一表面上に列設された複数の下部電極12と絶縁性基板11の一表面に平行な面内で下部電極12に直交する方向に列設された複数の表面電極7とで電子通過部5を挟んでいる。なお、強電界ドリフト層6と下部電極12との間に多結晶シリコン層3を介在させずに強電界ドリフト層6と分離層16とで電子通過部5を構成したものも提案されている。
【0012】
この電界放射型電子源10では、絶縁性基板11の一表面上に列設された複数の下部電極12と、下部電極12に交差する方向に列設された複数の表面電極7との交点に相当する部位に強電界ドリフト層6の一部が挟まれているから、表面電極7と下部電極12との組を適宜選択して選択した組間に電圧を印加することにより、強電界ドリフト層6において選択された表面電極7と下部電極12との交点に相当する部位に強電界が作用して電子が放出される。つまり、複数の表面電極7の群と複数の下部電極12の群とからなるマトリクス(格子)の格子点に、下部電極12と、下部電極12上の多結晶シリコン層3と、多結晶シリコン層3上の強電界ドリフト層6と、強電界ドリフト層6上の表面電極7とからなる電子源素子10aを配置したことに相当し、電圧を印加する表面電極7と下部電極12との組を選択することによって所望の電子源素子10aから電子を放出させることが可能になる。なお、上述の記載から分かるように、電子源素子10aは画素ごとに設けられることになる。
【0013】
図8に示す構成の電界放射型電子源10は、絶縁性基板11の一表面上に複数の下部電極12を形成した後、絶縁性基板11の上記一表面側の全面にプラズマCVD法や減圧CVD法などによって400℃以上(例えば、400℃〜600℃)の基板温度でノンドープの多結晶シリコン層3を成膜し、その後、多結晶シリコン層3のうち下部電極12に重なる部分をフッ化水素水溶液を含む電解液中で陽極酸化することにより多結晶シリコンのグレインおよび多数のナノメータオーダのシリコン微結晶を含む多孔質多結晶シリコン層を形成し、多孔質多結晶シリコン層を急速加熱法ないし電気化学的な酸化方法によって酸化することで強電界ドリフト層6を形成している。ここに、強電界ドリフト層6は、多結晶シリコンのグレイン、多数のナノメータオーダのシリコン微結晶、各グレインの表面に形成された薄いシリコン酸化膜、各シリコン微結晶の表面に形成されたシリコン酸化膜とを有している。
【0014】
【特許文献1】
特許第2987140号公報(第4頁−第7頁、図1−図3)
【特許文献2】
特許第3112456号公報(第10頁−第14頁、図1、図2、図8、図9)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図8に示した構成の電界放射型電子源10では、絶縁性基板11の上記一表面側にパターニングされた下部電極12を形成した後で図10(a)に示すように絶縁性基板11の上記一表面側の全面に多結晶シリコン層3を堆積させて、図10(b)に示すように多結晶シリコン層3のうち下部電極12に重ならない部分の表面を覆い下部電極12に重なる部分の表面が露出するように開孔されたマスク層13’を形成してから、マスク層13’をマスクとして多結晶シリコン層3のうち下部電極12に重なる部分を陽極酸化することによって多孔質化し、さらに酸化することによって強電界ドリフト層6を形成しているものである。ここにおいて、本願発明者らは強電界ドリフト層6の厚さを薄くするにつれて単位面積当たりの電子放出量が多くなり電子放出効率が高くなることを実験的に確かめている。
【0016】
しかしながら、図8に示した構成の電界放射型電子源10では、その製造にあたって下部電極12の厚さにもよるが多結晶シリコン層3の膜厚が比較的薄い場合(例えば、多結晶シリコン層3の膜厚が1.5μm程度の場合)に図10(a)のように多結晶シリコン層3の表面が平坦化されずに段差部3aが形成され、多結晶シリコン層3における段差部3aのところで深さ方向へ走るクラック3bが発生してしまうので、陽極酸化時に電解液が多結晶シリコン層3のうちマスク層13’により覆われていない表面からクラック3bを通って浸入し下部電極12に到達する恐れがあった。このため、絶縁性基板11としてガラスなど、下部電極12としてクロムやチタンなどのようなフッ化水素に対する耐性(耐腐食性)の低い材料を採用している場合、絶縁性基板11や下部電極12が腐食されてしまい、下部電極12が断線したり多結晶シリコン層3が剥離してしまうことがあるので、歩留まりが低くなるとともに信頼性が低くなるという問題があった。
【0017】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、従来に比べて製造時の歩留まりを向上でき且つ信頼性を向上できる電界放射型電子源の製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、絶縁性基板と、絶縁性基板の一表面上でパターニングされた下部電極と、絶縁性基板の厚み方向において下部電極に対向する表面電極と、絶縁性基板の前記一表面側に設けられ下部電極と表面電極とで挟まれた部分に多数のナノメータオーダの半導体微結晶および各半導体微結晶それぞれの表面に形成された半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の多数の絶縁膜を有する電子通過部とを備え、半導体微結晶が絶縁性基板の前記一表面側に成膜した多結晶半導体層のうち下部電極に重なる部分をナノ結晶化することにより形成された電界放射型電子源の製造方法であって、前記電子通過部の形成にあたっては、前記一表面側において下部電極がパターニングされた絶縁性基板の前記一表面側に多結晶半導体層を成膜する成膜工程と、多結晶半導体層の表面のうち下部電極に重ならない部分および重なる部分と重ならない部分とに跨って形成された段差部を覆い当該段差部のところで多結晶半導体層に発生したクラックを覆うようにマスク層を形成するマスク層形成工程と、多結晶半導体層のうち下部電極に重なる部分を電解液を用いナノ結晶化することで半導体微結晶を形成するナノ結晶化工程と、半導体微結晶の表面に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程とを備えることを特徴とし、ナノ結晶化工程を行う際のマスク層として、多結晶半導体層の表面のうち下部電極に重ならない部分および重なる部分と重ならない部分とに跨って形成された段差部を覆い当該段差部のところで多結晶半導体層に発生したクラックを覆うように形成したマスク層を用いているので、多結晶半導体層の段差部に深さ方向へ走るクラックが形成されていてもナノ結晶化工程において電解液が多結晶半導体層の段差部に形成されたクラックを通して浸入するのを防止することができ、製造時の歩留まりを向上できるとともに長期的な信頼性を向上できる。また、ナノ結晶化工程において下部電極や絶縁性基板が電解液によって腐食されるのを防止することが可能となって、絶縁性基板および下部電極の材料の選択肢が多くなるという利点がある。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記多結晶半導体層が多結晶シリコン層であって、前記ナノ結晶化工程で用いる前記電解液がフッ化水素水溶液を含み、前記マスク層の材料が窒化シリコンであるので、前記マスク層の前記電解液に対する耐性を高めることができる。
【0020】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記マスク層の材料がフォトレジストであるので、前記マスク層のパターニングが容易になるとともに、前記ナノ結晶化工程の後で前記マスク層を容易に除去することができる。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記多結晶半導体層が多結晶シリコン層であって、前記ナノ結晶化工程で用いる前記電解液がフッ化水素水溶液を含み、前記マスク層の材料がゴム系のフォトレジストであるので、前記マスク層の前記電解液に対する耐性を高めることができ、また、前記マスク層のパターニングが容易になるとともに、前記ナノ結晶化工程の後で前記マスク層を容易に除去することができる。
【0022】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記マスク層形成工程の前に前記多結晶半導体層の表面の自然酸化膜を除去する酸化膜除去工程を備えるので、前記ナノ結晶化工程で用いる前記電解液が前記多結晶半導体層と前記マスク層との間に介在する自然酸化膜を溶かして前記多結晶半導体層において前記マスク層に重なる部分に浸入するのを防止することができ、歩留まりをより向上できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態における電界放射型電子源10の基本構成は図8に示した従来構成と略同じであって、図3に示すように、絶縁性を有するガラス基板よりなる絶縁性基板11と、絶縁性基板11の一表面上に列設された複数の下部電極12と、絶縁性基板11の上記一表面に平行な面内で下部電極12に直交する方向に列設された複数の表面電極7と、絶縁性基板11の上記一表面側に設けられた電子通過部5とを備えている。ここにおいて、電子通過部5は、各下部電極12にそれぞれ重なる形で形成された複数のノンドープの多結晶シリコン層3と、多結晶シリコン層3にそれぞれ重なる形で形成された複数の強電界ドリフト層6と、隣り合う強電界ドリフト層6間および隣り合う多結晶シリコン層3間を埋めるノンドープの多結晶シリコン層よりなる分離層16とで構成されている。
【0024】
下部電極12は金属材料からなる単層(例えば、W,Ti,Mo,Cr,Ta,Ni,Al,Cu,Au,Ptなどの金属あるいは合金あるいはシリサイドなど金属間化合物からなる単層)の金属薄膜をパターニングすることにより構成してもよいし、多層(例えば、W,Ti,Mo,Cr,Ta,Ni,Al,Cu,Au,Ptなどの金属あるいは合金あるいはシリサイドなど金属間化合物からなる多層)の薄膜をパターニングすることにより構成してもよい。なお、本実施形態では、下部電極12を絶縁性基板11上に形成したチタン薄膜とチタン薄膜上に形成したタングステン薄膜との積層膜により構成している。また、本実施形態では、下部電極12の膜厚を3000Å程度に設定してあり、上記チタン薄膜の膜厚を500Å、上記タングステン薄膜の膜厚を2500Åに設定してある。
【0025】
また、表面電極7の材料には仕事関数の小さな材料(例えば、金)が採用されているが、表面電極7の材料は金に限定されるものではなく、また、表面電極7は単層構造に限らず、多層構造としてもよい。表面電極7の厚さは強電界ドリフト層6を通ってきた電子がトンネルできる厚さであればよく、10〜15nm程度に設定すればよい。なお、各下部電極12および各表面電極7はそれぞれ短冊状に形成されており、絶縁性基板11の厚み方向において表面電極7の一部が下部電極12と対向している。また、各下部電極12の長手方向の両端部上にはパッド28が形成され、各表面電極7の長手方向の両端部上にはパッド27が形成されている。
【0026】
本実施形態における電界放射型電子源10は、図8に示した従来構成と同様に、絶縁性基板11の一表面上に列設された複数の下部電極12と、下部電極12に交差する方向に列設された複数の表面電極7との交点に相当する部位に強電界ドリフト層6の一部が挟まれているから、表面電極7と下部電極12との組を適宜選択して選択した組間に電圧を印加することにより、強電界ドリフト層6において選択された表面電極7と下部電極12との交点に相当する部位に強電界が作用して電子が放出される。つまり、複数の表面電極7の群と複数の下部電極12の群とからなるマトリクス(格子)の格子点に、下部電極12と、下部電極12上の多結晶シリコン層3と、多結晶シリコン層3上の強電界ドリフト層6と、強電界ドリフト層6上の表面電極7とからなる電子源素子10aを配置したことに相当し、電圧を印加する表面電極7と下部電極12との組を選択することによって所望の電子源素子10aから電子を放出させることが可能になる。したがって、表面電極7は必ずしも短冊状に形成する必要はなく、電子源素子10aに対応する部位にのみ形成して下部電極12に直交する方向に並んだ表面電極7を低抵抗のバス電極により電気的に接続するようにしてもよい。
【0027】
強電界ドリフト層6は、後述のナノ結晶化プロセスおよび酸化プロセスを行うことにより形成されており、図4に示すように、少なくとも、下部電極12の表面側に列設された柱状の多結晶シリコンのグレイン(半導体結晶)51と、グレイン51の表面に形成された薄いシリコン酸化膜52と、グレイン51間に介在する多数のナノメータオーダのシリコン微結晶(半導体微結晶)63と、各シリコン微結晶63の表面に形成され当該シリコン微結晶63の結晶粒径よりも小さな膜厚の酸化膜である多数のシリコン酸化膜(絶縁膜)64とから構成されると考えられる。なお、各グレイン51は、下部電極12の厚み方向に延びている。
【0028】
本実施形態の電界放射型電子源10では、次のようなモデルで電子放出が起こると考えられる。すなわち、表面電極7と下部電極12との間に表面電極7を高電位側として直流電圧Vpsを印加することにより、下部電極12から強電界ドリフト層6へ電子eが注入される。一方、強電界ドリフト層6に印加された電界の大部分はシリコン酸化膜64にかかるから、注入された電子eはシリコン酸化膜64にかかっている強電界により加速され、強電界ドリフト層6におけるグレイン51の間の領域を表面に向かって図4中の矢印の向き(図4における上向き)へドリフトし、表面電極7をトンネルし真空中に放出される。しかして、強電界ドリフト層6では下部電極12から注入された電子がシリコン微結晶63でほとんど散乱されることなくシリコン酸化膜64にかかっている電界で加速されてドリフトし、表面電極7を通して放出され、強電界ドリフト層6で発生した熱がグレイン51を通して放熱されるから、電子放出時にポッピング現象が発生せず、安定して電子を放出することができる。なお、強電界ドリフト層6の表面に到達した電子はホットエレクトロンであると考えられ、表面電極7を容易にトンネルし真空中に放出される。
【0029】
以下、本実施形態の電界放射型電子源10の製造方法について図1を参照しながら説明する。
【0030】
まず、下部電極12を形成するために所定厚さ(例えば、0.7mm)の絶縁性基板11の上記一表面上に例えば膜厚が500Åのチタン薄膜と膜厚が2500Åのタングステン薄膜との積層膜からなる金属薄膜を例えばスパッタ法によって形成した後、金属薄膜上にフォトレジスト層を塗布形成し、金属薄膜のうち下部電極12となる部分を残すためにフォトレジスト層をフォトリソグラフィ技術を利用してパターニングしてから、フォトレジスト層をエッチングマスクとして金属薄膜を例えば反応性イオンエッチング法によってパターニングすることでそれぞれ金属薄膜の一部からなる複数の下部電極12を形成し、続いて、フォトレジスト層を除去してから、絶縁性基板11の上記一表面側の全面に所定膜厚(例えば、1.5μm)のノンドープの多結晶シリコン層3を例えばプラズマCVD法によって成膜することにより、図1(a)に示す構造が得られる。なお、本実施形態では、多結晶シリコン層3が絶縁性基板11の上記一表面側に成膜した多結晶半導体層を構成しており、多結晶シリコン層3を成膜する工程が成膜工程となる。
【0031】
ノンドープの多結晶シリコン層3を形成した後、上述のナノ結晶化プロセスを行う前に、多結晶シリコン層3の表面のうち下部電極12に重ならない部分および重なる部分と重ならない部分とに跨って形成された段差部3aを覆うようにマスク層13を形成するマスク層形成工程を行うことにより、図1(b)に示す構造が得られる。ここにおいて、マスク層13の材料としては、ナノ結晶化プロセスで用いる電解液に対して耐性の優れた材料を採用することが好ましく、例えば、窒化シリコンやフォトレジストを採用すればよい。マスク層13の材料として窒化シリコンを採用する場合には、例えばマスク層13の形成予定領域が開孔されたレジスト層を形成してからプラズマCVD法によって窒化シリコン膜を堆積させ、リフトオフを行うことでパターニングされた窒化シリコン膜からなるマスク層13を形成することができる。また、マスク層13の材料としてフォトレジストを採用する場合には、スピンコーティングにより多結晶シリコン層3上にレジスト層を形成し、リソグラフィ技術によってレジスト層のうち不要部分を除去することでパターニングされたレジスト層からなるマスク層13を形成することができる。ここで、マスク層13の材料としてフォトレジストを採用する場合、ゴム系のフォトレジストを採用することで電解液に対する耐性を高めることができる。マスク層13の材料として、ゴム系のフォトレジストを採用する場合、例えば、多結晶シリコン層3を上記一表面側に形成した絶縁性基板11をスピンコータにセットし、多結晶シリコン層3表面に濃度が0.1Pa・sのOMR83(東京応化工業株式会社製のフォトレジストの商品名)を滴下した後、毎分1000回転の回転速度で30秒間回転させることで膜厚が約4μmのレジスト層を形成し、マスク層13の形成予定領域以外の部分に紫外線を照射して現像を行うことによりマスク層13を形成すればよい。なお、マスク層13を構成するレジスト層の膜厚は2μm以上であることが望ましい。
【0032】
マスク層13を形成した後、上述のナノ結晶化プロセス(ナノ結晶化工程)を行うことにより、多結晶シリコンの多数のグレイン51(図4参照)と多数のシリコン微結晶63(図4参照)とが混在する複合ナノ結晶層(以下、第1の複合ナノ結晶層と称す)4を強電界ドリフト層6の形成予定部位に形成することにより、図1(c)に示す構造が得られる。ナノ結晶化プロセスでは、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを略1:1で混合した混合液よりなる電解液を用い、下部電極12を陽極とし、電解液中において多結晶シリコン層3に白金電極よりなる陰極を対向配置して、500Wのタングステンランプからなる光源により多結晶シリコン層3の主表面に光照射を行いながら、電源から陽極と陰極との間に定電流(例えば、電流密度が12mA/cmの電流)を所定時間(例えば、10秒)だけ流すことによって、多結晶シリコンのグレイン51およびシリコン微結晶63を含む第1の複合ナノ結晶層4を多結晶シリコン層3において下部電極12に重なる部位に形成する。ここにおいて、本実施形態では、マスク層13が多結晶シリコン層3の段差部3aを覆うように形成されているので、多結晶シリコン層3の段差部3aのところで深さ方向に走るクラック3bを通して電解液が浸入するのを防止することができ、下部電極12や絶縁性基板11が腐食されるのを防止することができる。なお、ナノ結晶化プロセスでは、多結晶シリコン層3の露出表面およびマスク層13の表面以外の部分が電解液に触れないように絶縁性基板11をセットできるようにした処理槽を利用することが好ましい。
【0033】
ナノ結晶化プロセスが終了した後に、上述の酸化プロセスを行うことで第1の複合ナノ結晶層4を電気化学的に酸化することによって、図4のような構成の複合ナノ結晶層(以下、第2の複合ナノ結晶層と称す)からなる強電界ドリフト層6を多結晶シリコン層3において下部電極12に重なる部位に形成し、マスク層13を除去してから、例えば蒸着法などによって金薄膜からなる表面電極7を形成することにより、図1(d)に示す構造の電界放射型電子源10が得られる。なお、上述のマスク層13としてフォトレジストを採用していた場合には、マスク層13を発煙硝酸などによって容易に除去することができる。
【0034】
酸化プロセスでは、エチレングリコールからなる有機溶媒中に0.04mol/lの硝酸カリウムからなる溶質を溶かした溶液よりなる電解液を用い、下部電極12を陽極とし、電解液中において第1の複合ナノ結晶層4に白金電極よりなる陰極を対向配置して、下部電極12を陽極とし、電源から陽極と陰極との間に定電流(例えば、電流密度が0.1mA/cmの電流)を流し陽極と陰極との間の電圧が20Vだけ上昇するまで第1の複合ナノ結晶層4を電気化学的に酸化することによって、上述のグレイン51、シリコン微結晶63、各シリコン酸化膜52,64を含む第2の複合ナノ結晶層からなる強電界ドリフト層6を形成するようになっている。ここにおいて、多結晶シリコン層3のうち隣り合う強電界ドリフト層6の間を埋める部分が上述の分離層16となる。本実施形態では、シリコン酸化膜64が絶縁膜を構成しており、酸化プロセスが絶縁膜形成工程となる。なお、本実施形態では、上述のナノ結晶化プロセスを行うことによって形成される第1の複合ナノ結晶層4においてグレイン51、シリコン微結晶63以外の領域はアモルファスシリコンからなるアモルファス領域となっており、強電界ドリフト層6においてグレイン51、シリコン微結晶63、各シリコン酸化膜52,64以外の領域がアモルファスシリコン若しくは一部が酸化したアモルファスシリコンからなるアモルファス領域65となっているが、ナノ結晶化プロセスの条件によってはアモルファス領域65が孔となり、このような場合の第1の複合ナノ結晶層4は多孔質多結晶シリコン層4’(図7参照)と同じ構成とみなすことができる。
【0035】
以上説明した製造方法にて製造した本実施形態の電界放射型電子源10は、ナノ結晶化工程を行う際のマスク層として、多結晶半導体層たる多結晶シリコン層3の表面のうち下部電極12に重ならない部分および重なる部分と重ならない部分とに跨って形成された段差部3aを覆うように形成したマスク層13を用いていることにより、多結晶シリコン層3の段差部3aに深さ方向へ走るクラック3bが形成されていてもナノ結晶化工程において電解液が多結晶シリコン層3の段差部3aに形成されたクラック3bを通して浸入するのを防止することができ、製造時の歩留まりを向上できるとともに長期的な信頼性を向上できる。また、ナノ結晶化工程において下部電極12や絶縁性基板11が電解液によって腐食されるのを防止することが可能となって、絶縁性基板11および下部電極12の材料の選択肢が多くなるという利点がある。
【0036】
ここにおいて、マスク層13の材料としてフォトレジストを採用すれば、マスク層13のパターニングが容易になるとともに、ナノ結晶化工程の後でマスク層13を容易に除去することができ、マスク層13の材料としてゴム系のフォトレジストを採用すれば、マスク層13の電解液に対する耐性を高めることができる。
【0037】
ところで、上述のマスク層形成工程を行う際に図2に示すように多結晶シリコン層3の表面に自然酸化膜18が形成されたままマスク層13を形成すると、ナノ結晶化工程の際に電解液が多結晶シリコン層3とマスク層13との間に介在する自然酸化膜18を溶かして多結晶シリコン層3においてマスク層13に重なる部分に浸入し、クラック3bを通って下部電極12を腐食させる恐れがある。そこで、マスク層形成工程の前には、多結晶シリコン層3の表面の自然酸化膜18を除去する酸化膜除去工程を行うことが好ましい。ここに、マスク層形成工程の直前に酸化膜除去工程を行うことにより、ナノ結晶化工程で用いる電解液が多結晶シリコン層3とマスク層13との間に介在する自然酸化膜18を溶かして多結晶シリコン層3においてマスク層13に重なる部分に浸入するのを防止することができ、歩留まりをより向上できる。酸化膜除去工程では、フッ化水素水溶液を用いればよいが、濃度が薄過ぎると自然酸化膜18の除去に時間がかかりすぎてスループットが低下し、濃度が濃過ぎると自然酸化膜18の除去中にクラック3bを通して浸入したフッ化水素水溶液によって下部電極12が腐食される恐れがあるので、濃度が0.5〜20%のフッ化水素水溶液を用いるのが望ましい。
【0038】
なお、本実施形態では、多結晶シリコン層に対してナノ結晶化プロセスを行って、その後、酸化プロセスを行うことにより強電界ドリフト層6を形成しているが、多結晶シリコン層の代わりに他の多結晶半導体層を採用してもよい。また、絶縁膜形成工程としては、酸化プロセスの代わりに窒化プロセスないし酸窒化プロセスを採用してもよく、窒化プロセスを採用した場合には図4にて説明した各シリコン酸化膜52,64がいずれもシリコン窒化膜となり、酸窒化プロセスを採用した場合には各シリコン酸化膜52,64がシリコン酸窒化膜となる。すなわち、酸化プロセスを採用した場合にはシリコン酸化膜64が半導体微結晶たるシリコン微結晶63の表面に形成された絶縁膜を構成しているが、窒化プロセスを採用した場合にはシリコン酸化膜64の代わりに形成されるシリコン窒化膜が絶縁膜を構成し、酸窒化プロセスを採用した場合にはシリコン酸化膜64の代わりに形成されるシリコン酸窒化膜が絶縁膜を構成する。また、本実施形態における酸化プロセスでは電気化学的な酸化方法を採用しているが、絶縁性基板11として耐熱温度が高い基板を採用している場合には酸化プロセスとして急速加熱法を採用して急速熱酸化(RTO)を行うようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
請求項1の発明は、絶縁性基板と、絶縁性基板の一表面上でパターニングされた下部電極と、絶縁性基板の厚み方向において下部電極に対向する表面電極と、絶縁性基板の前記一表面側に設けられ下部電極と表面電極とで挟まれた部分に多数のナノメータオーダの半導体微結晶および各半導体微結晶それぞれの表面に形成された半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の多数の絶縁膜を有する電子通過部とを備え、半導体微結晶が絶縁性基板の前記一表面側に成膜した多結晶半導体層のうち下部電極に重なる部分をナノ結晶化することにより形成された電界放射型電子源の製造方法であって、前記電子通過部の形成にあたっては、前記一表面側において下部電極がパターニングされた絶縁性基板の前記一表面側に多結晶半導体層を成膜する成膜工程と、多結晶半導体層の表面のうち下部電極に重ならない部分および重なる部分と重ならない部分とに跨って形成された段差部を覆い当該段差部のところで多結晶半導体層に発生したクラックを覆うようにマスク層を形成するマスク層形成工程と、多結晶半導体層のうち下部電極に重なる部分を電解液を用いナノ結晶化することで半導体微結晶を形成するナノ結晶化工程と、半導体微結晶の表面に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程とを備えるので、ナノ結晶化工程を行う際のマスク層として、多結晶半導体層の表面のうち下部電極に重ならない部分および重なる部分と重ならない部分とに跨って形成された段差部を覆い当該段差部のところで多結晶半導体層に発生したクラックを覆うように形成したマスク層を用いていることにより、多結晶半導体層の段差部に深さ方向へ走るクラックが形成されていてもナノ結晶化工程において電解液が多結晶半導体層の段差部に形成されたクラックを通して浸入するのを防止することができ、製造時の歩留まりを向上できるとともに長期的な信頼性を向上できるという効果がある。また、ナノ結晶化工程において下部電極や絶縁性基板が電解液によって腐食されるのを防止することが可能となって、絶縁性基板および下部電極の材料の選択肢が多くなるという利点がある。
【0040】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記多結晶半導体層が多結晶シリコン層であって、前記ナノ結晶化工程で用いる前記電解液がフッ化水素水溶液を含み、前記マスク層の材料が窒化シリコンであるので、前記マスク層の前記電解液に対する耐性を高めることができるという効果がある。
【0041】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記マスク層の材料がフォトレジストであるので、前記マスク層のパターニングが容易になるとともに、前記ナノ結晶化工程の後で前記マスク層を容易に除去することができるという効果がある。
【0042】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記多結晶半導体層が多結晶シリコン層であって、前記ナノ結晶化工程で用いる前記電解液がフッ化水素水溶液を含み、前記マスク層の材料がゴム系のフォトレジストであるので、前記マスク層の前記電解液に対する耐性を高めることができるという効果があり、また、前記マスク層のパターニングが容易になるとともに、前記ナノ結晶化工程の後で前記マスク層を容易に除去することができるという効果がある。
【0043】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記マスク層形成工程の前に前記多結晶半導体層の表面の自然酸化膜を除去する酸化膜除去工程を備えるので、前記ナノ結晶化工程で用いる前記電解液が前記多結晶半導体層と前記マスク層との間に介在する自然酸化膜を溶かして前記多結晶半導体層において前記マスク層に重なる部分に浸入するのを防止することができ、歩留まりをより向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における電界放射型電子源の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図2】同上における電界放射型電子源の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図3】同上における電界放射型電子源の一部破断した概略斜視図である。
【図4】同上の要部概略構成図である。
【図5】従来例を示す電界放射型電子源の動作説明図である。
【図6】他の従来例を示す電界放射型電子源の動作説明図である。
【図7】同上の電界放射型電子源の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図8】同上を応用したディスプレイの概略構成図である。
【図9】同上を応用したディスプレイにおける電界放射型電子源の概略斜視図である。
【図10】同上を応用したディスプレイにおける電界放射型電子源の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【符号の説明】
3 多結晶シリコン層
3a 段差部
3b クラック
4 複合ナノ結晶層
5 電子通過部
6 強電界ドリフト層
7 表面電極
10 電界放射型電子源
10a 電子源素子
11 絶縁性基板
12 下部電極
13 マスク層
16 分離層
51 グレイン
52 シリコン酸化膜
63 シリコン微結晶
64 シリコン酸化膜

Claims (5)

  1. 絶縁性基板と、絶縁性基板の一表面上でパターニングされた下部電極と、絶縁性基板の厚み方向において下部電極に対向する表面電極と、絶縁性基板の前記一表面側に設けられ下部電極と表面電極とで挟まれた部分に多数のナノメータオーダの半導体微結晶および各半導体微結晶それぞれの表面に形成された半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の多数の絶縁膜を有する電子通過部とを備え、半導体微結晶が絶縁性基板の前記一表面側に成膜した多結晶半導体層のうち下部電極に重なる部分をナノ結晶化することにより形成された電界放射型電子源の製造方法であって、前記電子通過部の形成にあたっては、前記一表面側において下部電極がパターニングされた絶縁性基板の前記一表面側に多結晶半導体層を成膜する成膜工程と、多結晶半導体層の表面のうち下部電極に重ならない部分および重なる部分と重ならない部分とに跨って形成された段差部を覆い当該段差部のところで多結晶半導体層に発生したクラックを覆うようにマスク層を形成するマスク層形成工程と、多結晶半導体層のうち下部電極に重なる部分を電解液を用いナノ結晶化することで半導体微結晶を形成するナノ結晶化工程と、半導体微結晶の表面に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程とを備えることを特徴とする電界放射型電子源の製造方法。
  2. 前記多結晶半導体層が多結晶シリコン層であって、前記ナノ結晶化工程で用いる前記電解液がフッ化水素水溶液を含み、前記マスク層の材料が窒化シリコンであることを特徴とする請求項1記載の電界放射型電子源の製造方法。
  3. 前記マスク層の材料がフォトレジストであることを特徴とする請求項1記載の電界放射型電子源の製造方法。
  4. 前記多結晶半導体層が多結晶シリコン層であって、前記ナノ結晶化工程で用いる前記電解液がフッ化水素水溶液を含み、前記マスク層の材料がゴム系のフォトレジストであることを特徴とする請求項1記載の電界放射型電子源の製造方法。
  5. 前記マスク層形成工程の前に前記多結晶半導体層の表面の自然酸化膜を除去する酸化膜除去工程を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電界放射型電子源の製造方法。
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