JP4120398B2 - 電界放射型電子源の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界放射により電子線を放射するようにした電界放射型電子源の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ナノ結晶シリコン(ナノメータオーダのシリコン微結晶)を利用した電子デバイスとして図7や図8に示す構成の電界放射型電子源10’,10”が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
図7に示す構成の電界放射型電子源10’は、導電性基板としてのn形シリコン基板1の主表面(一表面)側に酸化した多孔質多結晶シリコン層よりなる強電界ドリフト層6が形成され、強電界ドリフト層6上に金属薄膜(例えば、金薄膜)よりなる表面電極7が形成されている。また、n形シリコン基板1の裏面にはオーミック電極2が形成されており、n形シリコン基板1とオーミック電極2とで下部電極12を構成している。なお、図7に示す例では、n形シリコン基板1と強電界ドリフト層6との間にノンドープの多結晶シリコン層3を介在させてあり、多結晶シリコン層3と強電界ドリフト層6とで電子が通過する電子通過部を構成しているが、多結晶シリコン層3を介在させずに強電界ドリフト層6のみで電子通過部を構成したものも提案されている。
【0004】
図7に示す構成の電界放射型電子源10’から電子を放出させるには、例えば、表面電極7に対向配置されたコレクタ電極21を設け、表面電極7とコレクタ電極21との間を真空とした状態で、表面電極7が下部電極12に対して高電位側となるように表面電極7と下部電極12との間に直流電圧Vpsを印加するとともに、コレクタ電極21が表面電極7に対して高電位側となるようにコレクタ電極21と表面電極7との間に直流電圧Vcを印加する。ここに、直流電圧Vpsを適宜に設定すれば、下部電極12から注入された電子が強電界ドリフト層6をドリフトし表面電極7を通して放出される(図7中の一点鎖線は表面電極7を通して放出された電子e−の流れを示す)。なお、表面電極7の厚さは10〜15nm程度に設定されている。
【0005】
ところで、図7に示した構成の電界放射型電子源10’では、n形シリコン基板1とオーミック電極2とで下部電極12を構成しているが、図8に示すように、例えば絶縁性を有するガラス基板11の一表面上に金属薄膜よりなる下部電極12を形成した電界放射型電子源10”も提案されている。ここに、上述の図7に示した電界放射型電子源10’と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0006】
図8に示す構成の電界放射型電子源10”から電子を放出させるには、例えば、表面電極7に対向配置されたコレクタ電極21を設け、表面電極7とコレクタ電極21との間を真空とした状態で、表面電極7が下部電極12に対して高電位側となるように表面電極7と下部電極12との間に直流電圧Vpsを印加するとともに、コレクタ電極21が表面電極7に対して高電位側となるようにコレクタ電極21と表面電極7との間に直流電圧Vcを印加する。ここに、直流電圧Vpsを適宜に設定すれば、下部電極12から注入された電子が強電界ドリフト層6をドリフトし表面電極7を通して放出される(図8中の一点鎖線は表面電極7を通して放出された電子e−の流れを示す)。なお、強電界ドリフト層6の表面に到達した電子はホットエレクトロンであると考えられ、表面電極7を容易にトンネルし真空中に放出される。
【0007】
上述の各電界放射型電子源10’,10”では、表面電極7と下部電極12との間に流れる電流をダイオード電流Ipsと呼び、コレクタ電極21と表面電極7との間に流れる電流をエミッション電流(放出電子電流)Ieと呼ぶことにすれば(図7および図8参照)、ダイオード電流Ipsに対するエミッション電流Ieの比率(=Ie/Ips)が大きいほど電子放出効率(=(Ie/Ips)×100〔%〕)が高くなる。なお、上述の電界放射型電子源10’,10”では、表面電極7と下部電極12との間に印加する直流電圧Vpsを10〜20V程度の低電圧としても電子を放出させることができ、直流電圧Vpsが大きいほどエミッション電流Ieが大きくなる。
【0008】
ところで、図8に示す構成の電界放射型電子源10”を製造する場合には、例えば、ガラス基板11の一表面上に下部電極12をスパッタ法などにより形成した後、ガラス基板11の一表面側の全面にプラズマCVD法などによって400℃以上の基板温度でノンドープの多結晶シリコン層3を形成し(図9(a)参照)、その後、多結晶シリコン層3を所定深さまで陽極酸化することにより多結晶シリコンのグレインおよび多数のナノメータオーダのシリコン微結晶を含む多孔質多結晶シリコン層4’を形成し(図9(b)参照)、多孔質多結晶シリコン層4’を急速加熱法ないし電気化学的な酸化方法によって酸化することで強電界ドリフト層6を形成し(図9(c)参照)、続いて、強電界ドリフト層6上に表面電極7を蒸着法などによって形成している(図9(d)参照)。
【0009】
また、図8に示した電界放射型電子源10”をディスプレイの電子源とし応用する場合には、例えば図10に示す構成を採用すればよい。
【0010】
図10に示すディスプレイは、電界放射型電子源10に対向して平板状のガラス基板よりなるフェースプレート30が配置され、フェースプレート30における電界放射型電子源10との対向面には透明な導電膜(例えば、ITO膜)よりなるコレクタ電極(以下、アノード電極と称す)21が形成されている。また、アノード電極21における電界放射型電子源10との対向面には、画素ごとに形成された蛍光物質と蛍光物質間に形成された黒色材料からなるブラックストライプとが設けられている。ここに、蛍光物質はアノード電極21における電界放射型電子源10との対向面に塗布されており、電界放射型電子源10から放射される電子線によって可視光を発光する。なお、蛍光物質には電界放射型電子源10から放射されアノード電極21に印加された電圧によって加速された高エネルギの電子が衝突するようになっており、蛍光物質としてはR(赤色),G(緑色),B(青色)の各発光色のものを用いている。また、フェースプレート30は図示しない矩形枠状のフレームによって電界放射型電子源10と離間させてあり、フェースプレート30と電界放射型電子源10との間に形成される気密空間を真空にしてある。
【0011】
図10に示した電界放射型電子源10は、絶縁性を有するガラス基板11と、ガラス基板11の一表面上に列設された複数の下部電極12と、下部電極12にそれぞれ重なる形で形成された複数の多結晶シリコン層3と、多結晶シリコン層3にそれぞれ重なる形で形成された酸化した多孔質多結晶シリコン層よりなる複数の強電界ドリフト層6と、隣り合う強電界ドリフト層6間および隣り合う多結晶シリコン層3間を埋める多結晶シリコン層よりなる分離層16と、強電界ドリフト層6および分離層16の上で強電界ドリフト層6および分離層16に跨って下部電極12に交差する方向に列設された複数の表面電極7とを備えている。ここにおいて、図10に示す電界放射型電子源10では、強電界ドリフト層6と多結晶シリコン層3と分離層16とで電子通過部5を構成しており、図11に示すように、ガラス基板11の一表面上に列設された複数の下部電極12とガラス基板11の一表面に平行な面内で下部電極12に直交する方向に列設された複数の表面電極7とで電子通過部5を挟んでいる。なお、強電界ドリフト層6と下部電極12との間に多結晶シリコン層3を介在させずに強電界ドリフト層6と分離層16とで電子通過部5を構成したものも提案されている。
【0012】
この電界放射型電子源10では、ガラス基板11の一表面上に列設された複数の下部電極12と、下部電極12に交差する方向に列設された複数の表面電極7との交点に相当する部位に強電界ドリフト層6の一部が挟まれているから、表面電極7と下部電極12との組を適宜選択して選択した組間に電圧を印加することにより、強電界ドリフト層6において選択された表面電極7と下部電極12との交点に相当する部位に強電界が作用して電子が放出される。つまり、複数の表面電極7の群と複数の下部電極12の群とからなるマトリクス(格子)の格子点に、下部電極12と、下部電極12上の多結晶シリコン層3と、多結晶シリコン層3上の強電界ドリフト層6と、強電界ドリフト層6上の表面電極7とからなる電子源素子10aを配置したことに相当し、電圧を印加する表面電極7と下部電極12との組を選択することによって所望の電子源素子10aから電子を放出させることが可能になる。なお、上述の記載から分かるように、電子源素子10aは画素ごとに設けられることになる。
【0013】
図10に示す構成の電界放射型電子源10は、ガラス基板11の一表面上に複数の下部電極12を形成した後、ガラス基板11の上記一表面側の全面にプラズマCVD法や減圧CVD法や触媒CVD法などによって200℃以上(例えば、200℃〜600℃)の基板温度でノンドープの多結晶シリコン層3を成膜し、その後、多結晶シリコン層3のうち下部電極12に重なる部分をフッ化水素水溶液を含む電解液中で陽極酸化することにより多結晶シリコンのグレインおよび多数のナノメータオーダのシリコン微結晶を含む多孔質多結晶シリコン層を形成し、多孔質多結晶シリコン層を急速加熱法ないし電気化学的な酸化方法によって酸化することで強電界ドリフト層6を形成している。ここに、強電界ドリフト層6は、多結晶シリコンのグレイン、多数のナノメータオーダのシリコン微結晶、各グレインの表面に形成された薄いシリコン酸化膜、各シリコン微結晶の表面に形成されたシリコン酸化膜とを有している。
【0014】
【特許文献1】
特許第2987140号公報(第4頁−第7頁、図1−図3)
【特許文献2】
特許第3112456号公報(第10頁−第14頁、図1、図2、図8、図9)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、図10に示した構成の電界放射型電子源10は、その製造にあたって、ガラス基板11の上記一表面上にパターニングされた下部電極12を形成した後でガラス基板11の上記一表面側の全面に多結晶シリコン層3を成膜して、多結晶シリコン層3のうち下部電極12に重なる部分を陽極酸化することによって多孔質化し、さらに酸化することによって強電界ドリフト層6を形成しているものである。
【0016】
ここにおいて、図10に示した構成の電界放射型電子源10では、その製造にあたって、ガラス基板11の上記一表面側の全面に多結晶シリコン層3を成膜するプロセスを行う際にガラス基板11を例えば他表面側から基板加熱用のヒータ(以下、基板加熱ヒータと称す)のような加熱源により加熱する必要があるが、ガラス基板11上に形成された下部電極12のパターンの形状の違いによって、ガラス基板11の面内で温度が変化してしまい、電子通過部5のもと(ベース)になる多結晶シリコン層3の膜質が面内でばらつき、結果的に電子通過部5における強電界ドリフト層6の膜質がばらついてしまい、電子放出特性が面内でばらついてしまうという問題があった。なお、このような問題は、図10に示す構成の電界放射型電子源10に限らず、例えば、ガラス基板の一表面側に下部電極と絶縁層と上部電極とからなる複数のMIM型の電子源素子を備えた電界放射型電子源の製造時においても起こりうる問題である。すなわち、ガラス基板の一表面側にパターニングされた下部電極を形成した後にガラス基板を他表面側から加熱する必要のあるプロセスを含んで形成される電子通過部を備えた電界放射型電子源では、上述の問題が起こるものと考えられる。
【0017】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、従来に比べて電子放出特性の面内ばらつきが小さな電界放射型電子源の製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、絶縁性を有するガラス基板と、ガラス基板の一表面上においてパターニングされた下部電極と、ガラス基板の厚み方向において下部電極に対向する表面電極と、ガラス基板の前記一表面側に形成され下部電極と表面電極とで挟まれた部分を下部電極から注入された電子が表面電極へ向かって通過する電子通過部とを備えた電界放射型電子源の製造方法であって、ガラス基板の前記一表面側に下部電極を形成した後、電子通過部の基礎となるノンドープの多結晶シリコン層の形成にあたっては、ガラス基板の他表面側からガラス基板を加熱源により加熱しながら成膜するようにし、当該ノンドープの多結晶シリコン層の成膜以前にガラス基板の他方面側に赤外線反射膜を形成することを特徴とし、電子通過部の基礎となるノンドープの多結晶シリコン層の形成にあたってガラス基板を他表面側から加熱する際に赤外線反射膜が存在することによって赤外線成分による加熱を抑制することができ、電子通過部の膜質が下部電極の形状に起因して面内でばらつくのを防止することができるので、従来に比べて電子放出特性の面内ばらつきが小さな電界放射型電子源を提供することができる。また、赤外線反射膜をガラス基板の前記他表面側に形成していることによって、赤外線反射膜がガラス基板の前記一表面側に形成される下部電極、電子通過部、表面電極などの形状に影響を与えるのを防止することができるという利点がある。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記赤外線反射膜は、金属材料からなるので、前記赤外線反射膜を例えばスパッタ法、蒸着法、CVD法などの一般的な薄膜形成方法で容易に形成することができる。
【0021】
請求項3の発明は、絶縁性を有するガラス基板と、ガラス基板の一表面上においてパターニングされた下部電極と、ガラス基板の厚み方向において下部電極に対向する表面電極と、ガラス基板の前記一表面側に形成され下部電極と表面電極とで挟まれた部分を下部電極から注入された電子が表面電極へ向かって通過する電子通過部とを備えた電界放射型電子源の製造方法であって、ガラス基板の前記一表面側に下部電極を形成した後、電子通過部の基礎となるノンドープの多結晶シリコン層の形成にあたっては、ガラス基板の他表面側からガラス基板を加熱源により加熱しながら成膜するようにし、当該ノンドープの多結晶シリコン層の成膜前にガラス基板の前記他表面と前記加熱源との間に赤外線を反射する赤外線反射部材を配置しておくことを特徴とし、電子通過部の基礎となるノンドープの多結晶シリコン層の形成にあたってガラス基板を他表面側から加熱する際に赤外線反射部材が存在することによって赤外線成分による加熱を抑制することができ、電子通過部の膜質が下部電極の形状に起因して面内でばらつくのを防止することができるので、従来に比べて電子放出特性の面内ばらつきが小さな電界放射型電子源を提供することができる。また、赤外線反射部材がガラス基板の前記一表面側に形成される下部電極、電子通過部、表面電極などの形状に影響を与えるのを防止することができ、しかも、請求項1の発明のようにガラス基板の前記他表面側に赤外線反射膜を形成する場合に比べて、製造が容易になるとともに低コスト化を図れるという利点がある。
【0022】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記赤外線反射部材として一面にAuからなる金属膜を設けたシリコンウェハを用いるので、前記赤外線反射部材として専用の部材を用意する必要がなく、仮に破損したとしても直ちに交換することができるから、前記ノンドープの多結晶シリコン層の成膜に用いる装置の稼動率を向上可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本実施形態の電界放射型電子源10は、図2および図3に示すように、絶縁性を有するガラス基板11と、ガラス基板11上に列設された複数の下部電極12と、ガラス11の上記一表面に平行な面内で下部電極12に直交する方向に列設された複数の表面電極7と、ガラス基板11の上記一表面側に設けられた電子通過部5と、ガラス基板11の他表面側に形成された赤外線反射膜13とを備えている。なお、下部電極12はガラス基板11の上記一表面上においてパターニングされている。
【0024】
上述の電子通過部5は、各下部電極12にそれぞれ重なる形で形成された複数のノンドープの多結晶シリコン層3と、多結晶シリコン層3にそれぞれ重なる形で形成された複数の強電界ドリフト層6と、隣り合う強電界ドリフト層6間および隣り合う多結晶シリコン層3間を埋める多結晶シリコン層よりなる分離層16とで構成されている。
【0025】
下部電極12は金属材料からなる単層(例えば、W,Mo,Cr,Ti,Ta,Ni,Al,Cu,Au,Pt,Agなどの金属あるいは合金あるいはシリサイドなど金属間化合物からなる単層)の金属薄膜をパターニングすることにより構成されているが、多層(例えば、W,Mo,Cr,Ti,Ta,Ni,Al,Cu,Au,Pt,Agなどの金属あるいは合金あるいはシリサイドなど金属間化合物からなる多層)の薄膜をパターニングすることにより構成してもよい。なお、下部電極12の厚さは数百nm〜数千nm程度に設定されている。
【0026】
また、表面電極7の材料には仕事関数の小さな材料(例えば、金)が採用されているが、表面電極7の材料は金に限定されるものではなく、また、表面電極7は単層構造に限らず、多層構造としてもよい。表面電極7の厚さは強電界ドリフト層6を通ってきた電子がトンネルできる厚さであればよく、4nm〜15nm程度に設定すればよい。なお、各下部電極12および各表面電極7はそれぞれ短冊状に形成されており、ガラス基板11の厚み方向において表面電極7の一部が下部電極12と対向している。また、各下部電極12の長手方向の両端部上にはパッド28が形成され、各表面電極7の長手方向の両端部上にはパッド27が形成されている。
【0027】
本実施形態の電界放射型電子源10は、図10に示した従来構成と同様に、ガラス基板11の一表面側において列設された複数の下部電極12と、下部電極12に交差する方向に列設された複数の表面電極7との交点に相当する部位に強電界ドリフト層6の一部が挟まれているから、表面電極7と下部電極12との組を適宜選択して選択した組間に電圧を印加することにより、強電界ドリフト層6において選択された表面電極7と下部電極12との交点に相当する部位に強電界が作用して電子が放出される。つまり、複数の表面電極7の群と複数の下部電極12の群とからなるマトリクス(格子)の格子点に、下部電極12と、下部電極12上の多結晶シリコン層3と、多結晶シリコン層3上の強電界ドリフト層6と、強電界ドリフト層6上の表面電極7とからなる電子源素子10aを配置したことに相当し、電圧を印加する表面電極7と下部電極12との組を選択することによって所望の電子源素子10aから電子を放出させることが可能になる。したがって、表面電極7は必ずしも短冊状に形成する必要はなく、電子源素子10aに対応する部位にのみ形成して下部電極12に直交する方向に並んだ表面電極7を低抵抗のバス電極により電気的に接続するようにしてもよい。
【0028】
強電界ドリフト層6は、後述のナノ結晶化プロセスおよび酸化プロセスを行うことにより形成されており、図4に示すように、少なくとも、下部電極12の表面側に列設された柱状の多結晶シリコンのグレイン(半導体結晶)51と、グレイン51の表面に形成された薄いシリコン酸化膜52と、グレイン51間に介在する多数のナノメータオーダのシリコン微結晶(半導体微結晶)63と、各シリコン微結晶63の表面に形成され当該シリコン微結晶63の結晶粒径よりも小さな膜厚の酸化膜である多数のシリコン酸化膜(絶縁膜)64とから構成されると考えられる。なお、各グレイン51は、下部電極12の厚み方向に延びている。
【0029】
本実施形態の電界放射型電子源10では、次のようなモデルで電子放出が起こると考えられる。すなわち、表面電極7と下部電極12との間に表面電極7を高電位側として直流電圧Vpsを印加することにより、下部電極12から強電界ドリフト層6へ電子e−が注入される。一方、強電界ドリフト層6に印加された電界の大部分はシリコン酸化膜64にかかるから、注入された電子e−はシリコン酸化膜64にかかっている強電界により加速され、強電界ドリフト層6におけるグレイン51の間の領域を表面に向かって図4中の矢印の向き(図4における上向き)へドリフトし、表面電極7をトンネルし真空中に放出される。しかして、強電界ドリフト層6では下部電極12から注入された電子がシリコン微結晶63でほとんど散乱されることなくシリコン酸化膜64にかかっている電界で加速されてドリフトし、表面電極7を通して放出され、強電界ドリフト層6で発生した熱がグレイン51を通して放熱されるから、電子放出時にポッピング現象が発生せず、安定して電子を放出することができる。なお、強電界ドリフト層6の表面に到達した電子はホットエレクトロンであると考えられ、表面電極7を容易にトンネルし真空中に放出される。
【0030】
以下、本実施形態の電界放射型電子源10の製造方法について図1を参照しながら簡単に説明する。
【0031】
まず、ガラス基板11の上記一表面上に下部電極12を形成するために所定膜厚(例えば、300nm)の金属薄膜(例えば、タングステン膜)を例えばスパッタ法によって成膜した後、金属薄膜上にフォトレジスト層を塗布形成し、金属薄膜のうち下部電極12となる部分を残すためにフォトレジスト層をフォトリソグラフィ技術を利用してパターニングしてから、フォトレジスト層をマスクとして金属薄膜を反応性イオンエッチング法によってパターニングすることでそれぞれ金属薄膜の一部からなる複数の下部電極12を形成し、続いてフォトレジスト層を除去することにより、図1(a)に示す構造が得られる。
【0032】
その後、ガラス基板11の上記他表面側に赤外線を反射する性質を有する金属膜或いは多層膜からなる赤外線反射膜13を例えばスパッタ法によって成膜することにより、図1(b)に示す構造が得られる。なお、赤外線反射膜13の成膜方法はスパッタ法に限定するものではなく、例えば、蒸着法やCVD法などでもよい。
【0033】
次に、ガラス基板11の上記一表面側の全面に所定膜厚(例えば、1.5μm)のノンドープの多結晶シリコン層3を例えばプラズマCVD法によって所定の基板温度(例えば、450℃)で成膜するプロセスを行うことにより、図1(c)に示す構造が得られる。ここに、多結晶シリコン層3の成膜時には、赤外線反射膜13がプラズマCVD装置からなる膜形成装置の基板保持台に設けた基板加熱ヒータに対向するようにしてガラス基板11を基板保持台に保持させた状態で、ガラス基板11の温度が予め設定した基板温度になるように基板加熱ヒータへ通電することにより、ガラス基板11を上記他表面側から加熱する。このようにガラス基板11を加熱した場合、基板加熱ヒータからガラス基板11に向かう向きに赤外線が放射されたとしても、本実施形態ではガラス基板11の上記他表面側に赤外線反射膜13が設けられているので、ガラス基板11の上記一表面側の温度の面内ばらつきを従来のように赤外線反射膜13が設けていない場合に比べて小さくすることができ、多結晶シリコン層3の膜質の面内ばらつきを従来に比べて小さくすることができる。なお、多結晶シリコン層3の成膜方法は、プラズマCVD法に限定するものではなく、ガラス基板11を上記他表面側から加熱しながら成膜する成膜方法であればよく、例えば、スパッタ法や蒸着法などのプラズマCVD法以外の薄膜形成方法を採用してもよい。
【0034】
ノンドープの多結晶シリコン層3を形成した後、上述のナノ結晶化プロセスを行うことにより、多結晶シリコンの多数のグレイン51(図4参照)と多数のシリコン微結晶63(図4参照)とが混在する複合ナノ結晶層(以下、第1の複合ナノ結晶層と称す)を強電界ドリフト層6の形成予定部位に形成し、ナノ結晶化プロセスが終了した後に、上述の酸化プロセスを行うことで第1の複合ナノ結晶層を電気化学的に酸化することによって、図4のような構成を有する複合ナノ結晶層(以下、第2の複合ナノ結晶層と称す)からなる強電界ドリフト層6を多結晶シリコン層3において下部電極12に重なる部位に形成することにより、図1(d)に示す構造が得られる。ここにおいて、ナノ結晶化プロセスでは、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを略1:1で混合した混合液よりなる電解液を用い、下部電極12を陽極とし、電解液中において多結晶シリコン層3に白金電極よりなる陰極を対向配置して、500Wのタングステンランプからなる光源により多結晶シリコン層3の主表面に光照射を行いながら、電源から陽極と陰極との間に定電流(例えば、電流密度が12mA/cm2の電流)を所定時間(例えば、10秒)だけ流すことによって、多結晶シリコンのグレイン51およびシリコン微結晶63を含む第1の複合ナノ結晶層4を多結晶シリコン層3において下部電極12に重なる部位に形成する。また、酸化プロセスでは、エチレングリコールからなる有機溶媒中に0.04mol/lの硝酸カリウムからなる溶質を溶かした溶液よりなる電解液を用い、下部電極12を陽極とし、電解液中において第1の複合ナノ結晶層4に白金電極よりなる陰極を対向配置して、下部電極12を陽極とし、電源から陽極と陰極との間に定電流(例えば、電流密度が0.1mA/cm2の電流)を流し陽極と陰極との間の電圧が20Vだけ上昇するまで第1の複合ナノ結晶層4を電気化学的に酸化することによって、上述のグレイン51、シリコン微結晶63、各シリコン酸化膜52,64を含む第2の複合ナノ結晶層からなる強電界ドリフト層6を形成するようになっている。ここにおいて、多結晶シリコン層3のうち隣り合う強電界ドリフト層6の間を埋める部分が上述の分離層16となる。なお、本実施形態では、上述のナノ結晶化プロセスを行うことによって形成される第1の複合ナノ結晶層においてグレイン51、シリコン微結晶63以外の領域はアモルファスシリコンからなるアモルファス領域となっており、強電界ドリフト層6においてグレイン51、シリコン微結晶63、各シリコン酸化膜52,64以外の領域がアモルファスシリコン若しくは一部が酸化したアモルファスシリコンからなるアモルファス領域65となっているが、ナノ結晶化プロセスの条件によってはアモルファス領域65が孔となり、このような場合の第1の複合ナノ結晶層4は多孔質多結晶シリコン層4’(図9参照)と同じ構成とみなすことができる。
【0035】
強電界ドリフト層6および分離層16を形成した後は、例えば蒸着法などによって金薄膜からなる表面電極7を形成することにより、図1(e)に示す構造の電界放射型電子源10が得られる。
【0036】
以上説明した製造方法によれば、ガラス基板11の上記一表面側に下部電極12を形成した後、ガラス基板11の上記他表面側に赤外線反射膜13を形成してから、多結晶シリコン層3の成膜プロセス、ナノ結晶化プロセス、酸化プロセスを行うことで電子通過部5を形成するので、上記成膜プロセスにより成膜され電子通過部5のベースとなるノンドープの多結晶シリコン層3の膜質が下部電極12の形状に起因して面内でばらつくのを防止することができ、結果的に電子通過部5のうち下部電極12と表面電極7とに挟まれた多結晶シリコン層3および強電界ドリフト層6それぞれの膜質や強電界ドリフト層6と分離層16との境界近傍の膜質が下部電極12の形状に起因して面内でばらつくのを防止することができるから、従来に比べて電子放出特性(エミッション電流Ie、電子放出効率など)の面内ばらつきが小さな電界放射型電子源10を提供することができる。
【0037】
言い換えれば、上述の製造方法にて製造した本実施形態の電界放射型電子源10は、ガラス基板11の上記一表面上に電子通過部5の形成前に形成された赤外線反射膜13を備えており、電子通過部5の形成時に赤外線反射膜13が存在していることにより、ガラス基板11を上記他表面側から加熱する必要のあるプロセスを行う際に赤外線成分による加熱を抑制することができ、電子通過部5の膜質が下部電極12の形状に起因して面内でばらつくことを防止されているので、従来に比べて電子放出特性の面内ばらつきを小さくすることができる。要するに、電子通過部5に含まれる多数の強電界ドリフト層6で電子放出特性がばらつくのを抑えることができ、電界放射型電子源10をディスプレイの電子源として応用した場合にディスプレイの輝度の面内ばらつきを抑制することが可能となる。
【0038】
また、本実施形態では、赤外線反射膜13を金属膜あるいは多層膜により構成しているので、赤外線反射膜13をスパッタ法、蒸着法、CVD法などの一般的な薄膜形成方法で容易に形成することができる。また、赤外線反射膜13をガラス基板11の上記他表面側に形成してあるので、赤外線反射膜13がガラス基板11の上記一表面側に形成される下部電極12、電子通過部5、表面電極7などの形状に影響を与えるのを防止することができる。
【0039】
ところで、上記実施形態では、ガラス基板11の上記他表面側に赤外線反射膜13を形成してから電子通過部5を形成していたが、ガラス基板11の上記他表面側に赤外線反射膜13を形成する代わりに、図5に示すようにガラス基板11の上記他表面とノンドープの多結晶シリコン層3の成膜プロセスに用いる基板加熱ヒータ40との間に赤外線を反射する赤外線反射部材としてのシリコンウェハ14を配置してから、ノンドープの多結晶シリコン層3を成膜するようにしてもよいし、図6に示すように赤外線反射部材としてシリコンウェハ14の一面(基板加熱ヒータ40側の面)側に赤外線反射率の高い金属材料(例えば、Auなど)からなる金属膜15を設けたものをガラス基板11の上記他表面とノンドープの多結晶シリコン層3の成膜プロセスに用いる基板加熱ヒータ40との間に配置してから、ノンドープの多結晶シリコン層3を成膜するようにしてもよい。このようにすれば、ガラス基板11の上記他表面側に赤外線反射膜13が形成されていなくても、電子通過部5の形成にあたってガラス基板11を上記他表面側から加熱する必要のあるプロセスを行う際に赤外線反射部材が存在することによって赤外線成分による加熱を抑制することができ、電子通過部5の膜質が下部電極12の形状に起因して面内でばらつくのを防止することができるので、従来に比べて電子放出特性の面内ばらつきが小さな電界放射型電子源10を提供することができる。また、赤外線反射部材がガラス基板11の上記一表面側に形成される下部電極12、電子通過部5、表面電極7などの形状に影響を与えるのを防止することができ、しかも、ガラス基板11の上記他表面側に赤外線反射膜13を形成する場合に比べて、製造が容易になるとともに低コスト化を図れるという利点がある。また、赤外線反射部材としてシリコンウェハ14を用いるので、赤外線反射部材として専用の部材を用意する必要がなく、仮に破損したとしても直ちに交換することができるから、電子通過部5の形成においてガラス基板11を上記他表面側から加熱する必要のある装置の稼動率を向上可能となる。
【0040】
また、上記実施形態では、上記成膜プロセスにより成膜したノンドープの多結晶シリコン層3に対してナノ結晶化プロセスを行って、その後、酸化プロセスを行うことにより強電界ドリフト層6を形成しているが、多結晶シリコン層3の代わりに他の半導体層を採用することも考えられる。また、本実施形態では、シリコン酸化膜64が絶縁膜を構成しており絶縁膜の形成に酸化プロセスを採用しているが、酸化プロセスの代わりに窒化プロセスないし酸窒化プロセスを採用してもよく、窒化プロセスを採用した場合には図4にて説明した各シリコン酸化膜52,64がいずれもシリコン窒化膜となり、酸窒化プロセスを採用した場合には各シリコン酸化膜52,64がシリコン酸窒化膜となる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1の発明は、絶縁性を有するガラス基板と、ガラス基板の一表面上においてパターニングされた下部電極と、ガラス基板の厚み方向において下部電極に対向する表面電極と、ガラス基板の前記一表面側に形成され下部電極と表面電極とで挟まれた部分を下部電極から注入された電子が表面電極へ向かって通過する電子通過部とを備えた電界放射型電子源の製造方法であって、ガラス基板の前記一表面側に下部電極を形成した後、電子通過部の基礎となるノンドープの多結晶シリコン層の形成にあたっては、ガラス基板の他表面側からガラス基板を加熱源により加熱しながら成膜するようにし、当該ノンドープの多結晶シリコン層の成膜以前にガラス基板の他方面側に赤外線反射膜を形成することを特徴とし、電子通過部の基礎となるノンドープの多結晶シリコン層の形成にあたってガラス基板を他表面側から加熱する際に赤外線反射膜が存在することによって赤外線成分による加熱を抑制することができ、電子通過部の膜質が下部電極の形状に起因して面内でばらつくのを防止することができるので、従来に比べて電子放出特性の面内ばらつきが小さな電界放射型電子源を提供することができるという効果がある。また、赤外線反射膜をガラス基板の前記他表面側に形成していることによって、赤外線反射膜がガラス基板の前記一表面側に形成される下部電極、電子通過部、表面電極などの形状に影響を与えるのを防止することができるという利点がある。
【0042】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記赤外線反射膜は、金属材料からなるので、前記赤外線反射膜を例えばスパッタ法、蒸着法、CVD法などの一般的な薄膜形成方法で容易に形成することができるという効果がある。
【0044】
請求項3の発明は、絶縁性を有するガラス基板と、ガラス基板の一表面上においてパターニングされた下部電極と、ガラス基板の厚み方向において下部電極に対向する表面電極と、ガラス基板の前記一表面側に形成され下部電極と表面電極とで挟まれた部分を下部電極から注入された電子が表面電極へ向かって通過する電子通過部とを備えた電界放射型電子源の製造方法であって、ガラス基板の前記一表面側に下部電極を形成した後、電子通過部の基礎となるノンドープの多結晶シリコン層の形成にあたっては、ガラス基板の他表面側からガラス基板を加熱源により加熱しながら成膜するようにし、当該ノンドープの多結晶シリコン層の成膜前にガラス基板の前記他表面と前記加熱源との間に赤外線を反射する赤外線反射部材を配置しておくことを特徴とし、電子通過部の基礎となるノンドープの多結晶シリコン層の形成にあたってガラス基板を他表面側から加熱する際に赤外線反射部材が存在することによって赤外線成分による加熱を抑制することができ、電子通過部の膜質が下部電極の形状に起因して面内でばらつくのを防止することができるので、従来に比べて電子放出特性の面内ばらつきが小さな電界放射型電子源を提供することができる。また、赤外線反射部材がガラス基板の前記一表面側に形成される下部電極、電子通過部、表面電極などの形状に影響を与えるのを防止することができ、しかも、請求項1の発明のようにガラス基板の前記他表面側に赤外線反射膜を形成する場合に比べて、製造が容易になるとともに低コスト化を図れるという利点がある。
【0045】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記赤外線反射部材として一面にAuからなる金属膜を設けたシリコンウェハを用いるので、前記赤外線反射部材として専用の部材を用意する必要がなく、仮に破損したとしても直ちに交換することができるから、前記ノンドープの多結晶シリコン層の成膜に用いる装置の稼動率を向上可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における電界放射型電子源の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図2】同上における電界放射型電子源の一部破断した概略斜視図である。
【図3】同上における電界放射型電子源の要部概略断面図である。
【図4】同上における電界放射型電子源の要部概略構成図である。
【図5】同上における電界放射型電子源の他の構成例の製造方法の説明図である。
【図6】同上における電界放射型電子源の別の構成例の製造方法の説明図である。
【図7】従来例を示す電界放射型電子源の動作説明図である。
【図8】他の従来例を示す電界放射型電子源の動作説明図である。
【図9】同上の電界放射型電子源の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図10】同上を応用したディスプレイの概略構成図である。
【図11】同上を応用したディスプレイにおける電界放射型電子源の概略斜視図である。
【符号の説明】
3 多結晶シリコン層
5 電子通過部
6 強電界ドリフト層
7 表面電極
10 電界放射型電子源
10a 電子源素子
11 ガラス基板
12 下部電極
13 赤外線反射膜
16 分離層
Claims (4)
- 絶縁性を有するガラス基板と、ガラス基板の一表面上においてパターニングされた下部電極と、ガラス基板の厚み方向において下部電極に対向する表面電極と、ガラス基板の前記一表面側に形成され下部電極と表面電極とで挟まれた部分を下部電極から注入された電子が表面電極へ向かって通過する電子通過部とを備えた電界放射型電子源の製造方法であって、ガラス基板の前記一表面側に下部電極を形成した後、電子通過部の基礎となるノンドープの多結晶シリコン層の形成にあたっては、ガラス基板の他表面側からガラス基板を加熱源により加熱しながら成膜するようにし、当該ノンドープの多結晶シリコン層の成膜以前にガラス基板の他方面側に赤外線反射膜を形成することを特徴とする電界放射型電子源の製造方法。
- 前記赤外線反射膜は、金属材料からなることを特徴とする請求項1記載の電界放射型電子源の製造方法。
- 絶縁性を有するガラス基板と、ガラス基板の一表面上においてパターニングされた下部電極と、ガラス基板の厚み方向において下部電極に対向する表面電極と、ガラス基板の前記一表面側に形成され下部電極と表面電極とで挟まれた部分を下部電極から注入された電子が表面電極へ向かって通過する電子通過部とを備えた電界放射型電子源の製造方法であって、ガラス基板の前記一表面側に下部電極を形成した後、電子通過部の基礎となるノンドープの多結晶シリコン層の形成にあたっては、ガラス基板の他表面側からガラス基板を加熱源により加熱しながら成膜するようにし、当該ノンドープの多結晶シリコン層の成膜前にガラス基板の前記他表面と前記加熱源との間に赤外線を反射する赤外線反射部材を配置しておくことを特徴とする電界放射型電子源の製造方法。
- 前記赤外線反射部材として一面にAuからなる金属膜を設けたシリコンウェハを用いることを特徴とする請求項3記載の電界放射型電子源の製造方法。
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