JP2003209226A - 磁気メモリ - Google Patents
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Abstract
層を設ける場合に、その磁化状態を制御することによ
り、電流磁場を効率的に記録層に印加することができる
磁気メモリを提供することを目的とする。 【解決手段】 磁気記録層を有する磁気抵抗効果素子
(C)と、前記磁気抵抗効果素子の上また下において第
1の方向に延在する第1の配線(BL、WL)と、を備
え、前記第1の配線に電流を流すことにより形成される
磁界によって前記磁気記録層の磁化を所定の方向に変化
させることにより情報を記録する磁気メモリであって、
前記第1の配線は、その両側面の少なくともいずれかに
磁性体からなる被覆層(SM)を有し、前記被覆層は、
前記第1の配線の長手方向に沿って磁化が容易となる一
軸異方性(M)を有することを特徴とする磁気メモリを
提供する。
Description
し、より詳細には、強磁性トンネル接合型などの磁気抵
抗効果素子を有するメモリセルを集積した構造を有し、
メモリセル間のクロストークを解消しつつ低消費電力で
安定した記録、読み出しが可能な磁気メモリに関する。
磁気ヘッド、磁気センサーなどに用いられているととも
に、固体磁気メモリ(磁気抵抗効果メモリ:MRAM
(Magnetic Random Access Memory))に用いることが
提案されている。
体を挿入したサンドイッチ構造膜において、膜面に対し
て垂直に電流を流し、トンネル電流を利用した磁気抵抗
効果素子として、いわゆる「強磁性トンネル接合素子
(Tunneling Magneto-Resistance effect:TMR素
子)」が提案されている。強磁性トンネル接合素子にお
いては、20%以上の磁気抵抗変化率が得られるように
なったことから(J. Appl.Phys. 79, 4724 (1996))、
MRAMへの民生化応用の可能性が高まってきた。
極上に0.6nm〜2.0nm厚の薄いAl(アルミニ
ウム)層を成膜した後、その表面を酸素グロー放電また
は酸素ガスに曝すことによって、Al2O3からなるト
ンネルバリア層を形成することにより、実現できる。
一方の強磁性層に反強磁性層を付与し、片方を磁化固定
層とした構造を有する強磁性1重トンネル接合が提案さ
れている(特開平10−4227号公報)。
た強磁性トンネル接合や、強磁性2重トンネル接合(連
続膜)も提案されている(Phys.Rev.B56(10), R5747 (1
997)、応用磁気学会誌23,4-2, (1999)、Appl. Phys. Le
tt. 73(19), 2829 (1998)、Jpn. J. Appl. Phys.39,L10
35(2001))。
抗変化率が得られるようになったこと、及び、所望の出
力電圧値を得るため強磁性トンネル接合素子に印加する
電圧値を増やしても磁気抵抗変化率の減少が抑えられる
ことから、MRAMへの応用の可能性がある。
磁性2重トンネル接合を用いた磁気記録素子は、不揮発
性で、書き込み読み出し時間も10ナノ秒以下と速く、
書き換え回数も1015以上というポテンシャルを有す
る。特に、強磁性2重トンネル接合を用いた磁気記録素
子は、上述したように、所望の出力電圧値を得るため強
磁性トンネル接合素子に印加する電圧値を増やしても磁
気抵抗変化率の減少が抑えられるため、大きな出力電圧
が得られ、磁気記録素子として好ましい特性を示す。
1Tr(トランジスタ)−1TMRアーキテクチャ(例
えば、USP5、734、605号公報に開示されてい
る)を用いた場合、半導体のDRAM(Dynamic Random
Access Memory)以下にサイズを小さくできないという
問題がある。
t)線とワード(word)線との間にTMRセルとダイオ
ードを直列接続したダイオード型アーキテクチャ(US
P5、640、343号公報)や、ビット線とワード線
の間にTMRセルを配置した単純マトリックス型アーキ
テクチャ(DE 19744095、WO 99147
60)が提案されている。
み時には電流パルスによる電流磁場で反転を行っている
ため、消費電力が大きく、配線の許容電流密度限界があ
るために集積できるセルの数が制限され、また書き込み
電流の絶対値が1mA程度にも及ぶためにドライバの面
積が大きくなる、などの問題がある。
るFeRAM(強誘電体ランダムアクセスメモリ)やフ
ラッシュメモリなどと比較した場合の改善すべき問題が
多い。
に高透磁率の磁性材料からなる薄膜を設けた固体磁気記
憶装置が提案されている(米国特許5,659,499
号、米国特許5,956,267、国際特許出願WO
00/10172及び米国特許5,940,319)。
これらの磁気記憶装置によれば、配線の周囲に高透磁率
磁性膜が設けられているため、磁気記録層への情報書込
に必要な電流値を効率的に低減できる。
許5,659,499号が開示する磁気記憶装置では、
磁気抵抗効果膜の記録層に印加される磁場は不均一であ
り、また、米国特許5,956,267と米国特許5,
940,319に開示されている磁気記憶装置では、
「デュアルスピンバルブ型2重トンネル接合」のよう
に、積層した磁性層の中心部にフリー層(記録層)が設
けられているような構造では、フリー層に効率的に磁場
をかけることは困難である。
172において開示されている磁気記憶装置では、フリ
ー層に大きな磁場が印加できる構造となっているが、そ
の製造は極めて困難となる。
果、書き込み配線の周囲に、このような磁性材料から形
成される被覆層を設けた場合、この被覆層の磁化状態が
極めて重要であることが判明した。すなわち、被覆層の
磁化状態を制御しないと、書き込み配線からの電流磁場
を効率的に磁気抵抗効果素子の記録層に印加することが
できないことが判明した。また、同時に、被覆層の磁化
の方向によっては、近接する磁気抵抗効果素子との間で
磁気的な相互作用が生じ、書き込みや読み出しに悪影響
が生ずる場合があることが判明した。
されたものであり、その目的は、書き込み配線の周囲に
磁性材料からなる被覆層を設ける場合に、その磁化状態
を制御することにより、電流磁場を効率的に記録層に印
加することができる磁気メモリを提供することにある。
め、本発明の第1の磁気メモリは、磁気記録層を有する
磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の上または
下において第1の方向に延在する第1の配線と、を備
え、前記第1の配線に電流を流すことにより形成される
磁界によって前記磁気記録層に情報を記録する磁気メモ
リであって、前記第1の配線は、その両側面の少なくと
もいずれかに磁性体からなる被覆層を有し、前記被覆層
は、前記第1の配線の長手方向に沿って磁化が容易とな
る一軸異方性を有することを特徴とする。
の書き込みクロストークを解消しつつ、被覆層を介した
書き込み磁界を安定して磁気抵抗効果素子に印加するこ
とができ、さらにこの磁気抵抗効果素子との間での無用
な磁気的相互作用も解消することができる。
の方向に延在する第1の配線と、前記第1の配線の上に
設けられた磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子
の上において、前記第1の方向と交差する方向に延在す
る第2の配線と、を備え、前記第1及び第2の配線にそ
れぞれ電流を流すことにより形成される磁界によって前
記磁気抵抗効果素子の記録層に2値情報のいずれかを記
録する磁気メモリであって、前記第1及び第2の配線の
少なくともいずれかは、少なくともその両側面に磁性体
からなる被覆層を有し、前記被覆層は、その被覆層が設
けられた配線の長手方向に沿って磁化が容易となる一軸
異方性を有することを特徴とする。
への書き込みクロストークを解消しつつ、被覆層を介し
た書き込み磁界を安定して磁気抵抗効果素子に印加する
ことができ、さらにこの磁気抵抗効果素子との間での無
用な磁気的相互作用も解消することができる。
いて2本の配線が平行でなく且つ交わることもなく配置
された状態をいうものとする。
して垂直な方向にみたその長さが、1μm以下であるも
のとすれば、形状効果による一軸異方性を生じやすくな
る。また、前記被覆層の厚みを、0.05μm以下とす
ることによっても、形状効果による一軸異方性を生じや
すくなる。
方向に延在し互いに略平行な複数の部分に分割されて設
けられたものとすれば、形状効果による一軸異方性を生
じやすくなる。
が積層されてなるもとすれば、磁化容易方向を確実且つ
容易に固定することができる。
記第1及び第2の配線のそれぞれが前記被覆層を有し、
前記第1の配線が有する前記被覆層には、第1のネール
温度を有する反強磁性体からなる層が積層され、前記第
2の配線が有する前記被覆層には、前記第1のネール温
度とは異なる第2のネール温度を有する反強磁性体から
なる層が積層されてなるものとすれば、ネール温度の違
いを利用して、それぞれの被覆層に対して、配線長軸方
向の一軸異方性を付与することが容易となる。
子に向けて前記配線よりも突出した突出部を有するもの
とすれば、磁気ヨークとして作用する被覆層の磁気放出
端を磁気抵抗効果素子に近接させることより、発生磁界
をさらに効率的に磁気記録層に印加できる。
前記配線に近接して設けられた部分とは分離して設けら
れたものとすれば、形状効果による一軸異方性を付与す
ることが容易となる。
接的に接触した状態に限らず、例えば、配線から隙間を
空けて配置された状態や、窒化チタンなどのバリアメタ
ルなどを介在して隣接した状態も含むものとする。
Fe)合金、コバルト鉄(Co−Fe)合金、コバルト
鉄ニッケル(Co−Fe−Ni)合金、コバルト(C
o)とジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ニ
オブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)の少
なくともいずれかとの合金、(Co,Fe,Ni)−
(Si,B)−(P,Al,Mo,Nb,Mn)系アモ
ルファス合金、(Fe,Co)−(B,Si,Hf,Z
r,Sm,Ta,Al)−(F,O,N)系の金属−非
金属ナノグラニュラー膜、及び絶縁性フェライトよりな
る群から選択されたいずれかにより構成されるものとす
れば、書き込み磁界の漏洩を確実に防止し、磁気ヨーク
としての作用も確保できる。
実施の形態について説明する。
要部を単純化して表した模式図である。すなわち、同図
(a)はメモリセルに含まれる一対の書き込み配線及び
磁気抵抗効果素子を表す正面図であり、同図(b)はそ
の平面図、同図(c)はその側面図である。
抗効果素子Cの上下に、略直交する一対の書き込み配線
BL、WLが対向して設けられている。磁気抵抗効果素
子Cには磁界を印加することにより、その磁化方向が反
転可能な磁気記録層が設けられている。そして、一対の
書き込み配線BL、WLにそれぞれ書き込み電流を流す
ことにより生ずる合成磁場によって、この磁気記録層の
磁化方向を適宜反転させて「書き込み」すなわち情報の
記録を実行する。
に磁性材料からなる被覆層SMを有する。被覆層SM
は、それぞれの配線の両側面及び磁気抵抗効果素子Cか
らみた裏面側にそれぞれ設けられ、磁界の漏洩を防ぐ役
割を有する。すなわち、被覆層SMを設けることによ
り、書き込み配線BL、WLから生ずる電流磁場による
左右方向あるいは上下方向に隣接する他のメモリセルへ
の「書き込みクロストーク」を防ぐことができる。
れ自体がいわゆる「磁気ヨーク」となり、書き込み配線
BL、WLの周囲に生ずる電流磁場を誘導して、磁気抵
抗効果素子Cの磁気記録層に集中させる作用も有する。
その結果として、書き込み電流を低減し、メモリの消費
電力を下げることも可能となる。
層SMの磁化容易方向Mを、配線BL、WLの長手方向
に対して平行な方向に形成する。このような配線の長軸
方向に一軸異方性を被覆層SMに設けておけば、その直
下あるいは直上の磁気抵抗効果素子Cとの磁気的相互作
用の影響を小さくすることができ、書き込み電流により
生じる電流磁界の「ばらつき」を抑えられ、配線上のク
ロストークの影響を小さくすることができる。
れていないと、電流磁界による被覆層SMの磁化方向の
反転が一定でなくなるために、磁気抵抗効果素子の磁気
記録層に印加される書き込み磁界がバラツク虞がある。
また、被覆層SMの磁化方向が磁気抵抗効果素子Cの方
向に向いていると、磁気的な相互作用が生ずるために、
書き込みや読み出し動作において不安定な現象が生ずる
虞がある。
を配線BL、WLの長手方向に規定しておけば、これら
の問題が解消され、安定した書き込み、読み出しが可能
となる。このような被覆層SMの材料としては、ニッケ
ル鉄(Ni−Fe)合金、コバルト鉄(Co−Fe)合
金、コバルト鉄ニッケル(Co−Fe−Ni)合金また
は、コバルト(Co)とジルコニウム(Zr)、ハフニ
ウム(Hf)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チ
タン(Ti)の少なくともいずれかとの合金またはアモ
ルファス合金、または、(Co,Fe,Ni)−(S
i,B)−(P,Al,Mo,Nb,Mn)系などのア
モルファス合金、(Fe,Co)−(B,Si,Hf,
Zr,Sm,Ta,Al)−(F,O,N)系などの金
属−非金属ナノグラニュラー膜、あるいは絶縁性フェラ
イトなどを用いることができる。
層として用いてもよく、あるいは複数種類の薄膜を積層
して用いてもよい。
て、配線BL、WLの長軸方向に沿った一軸異方性を与
えるためには、被覆層SMの形状を規定したり、あるい
は磁性層を付与すればよい。
WLの周囲に沿った被覆層SMの長さの合計(2L2+
L3)を、配線BL、WLの長軸方向の被覆層SMな長
さL 1より短くすると、形状効果により、長軸方向に沿
った一軸異方性が生ずる。
ドメインサイズを考慮すると、上記した被覆層SMの長
さの合計(2L2+L3)を1μm以下とすることがさ
らに望ましい。すなわち、この範囲内とすると、配線長
軸方向以外の磁化が生じにくくなる。
覆層SMの長さL1を、磁気抵抗効果素子の長軸方向の
長さd1の約1.5倍以上とすると、書き込み配線B
L、WLからの浮遊磁場(stray field)の影響がな
く、安定したスイッチング特性が得られる。
05μm以下にすると、その膜厚方向の反磁界が大きく
なり、磁場中アニール時にも膜厚方向に沿った磁気異方
性は形成されない。その結果として、直下あるいは直上
の磁気抵抗効果素子Cとの磁気的相互作用の影響を小さ
くすることができ、書き込み電流により生じる書き込み
磁界のばらつきが抑えられ、配線上のクロストークの影
響を小さくすることができる。
うひとつの方法として、配線BL、WLの周囲に設ける
被覆層SMを複数に分割する方法がある。
を有する配線断面を例示する模式図である。すなわち、
同図(a)に表した具体例の場合、被覆層SMは、配線
BL、WLの両側面および裏面において、それぞれ分割
して独立に設けられている。このように配線の周囲方向
に被覆層SMを分割すると、それぞれの被覆層SMを配
線の長手方向に沿った「細長い」形状とすることが容易
であり、配線長軸方向に沿った一軸異方性を容易に与え
ることができる。なお、配線BL、WLに形成される書
き込み電流磁界は、配線BL、WLの周囲を被覆層SM
の内部を還流するように形成されるので、分割された被
覆層SMの「つなぎ目」においても、被覆層SMの端面
から端面に磁束が通過する。従って、このように被覆層
SMを分割しても、その「つなぎ目」から周囲に磁界が
漏洩する心配は殆どない。
被覆層SMは、配線BL、WLの左右に分割されてい
る。このように分割した場合、配線の角を被覆層SMが
覆っているので、磁束の漏洩に対しては特に有利であ
る。
配線BL、WLの側面において被覆層SMが分割されて
いる。さらに、図3(d)の具体例の場合には、裏面に
おいても被覆層SMが分割されている。
を配線BL、WLの周囲方向に分割することにより、被
覆層SMを「細長い」形状とすることが容易となり、配
線長軸方向に沿った一軸異方性を確実且つ容易に与える
ことができる。
法として、反強磁性体からなる層を積層する方法があ
る。
た被覆層を表す概念図である。
囲に反強磁性層AFが積層されている。このように反強
磁性層AFを積層させることにより、被覆層の磁化方向
を配線長軸方向に固定することが可能である。この際
に、反強磁性層AFは、図4(a)に表したように被覆
層SMの外側に積層させてもよく、あるいは図4(b)
に表したように被覆層SMの内側に積層させてもよい。
または、2層あるいはそれ以上の被覆層SMの層間に反
強磁性層AFを挿入してもよい。
分割して、それぞれに反強磁性層AFを積層させてもよ
い。このようにすれば、さらに確実な一軸異方性を与え
る事が可能である。
L、WLのそれぞれにこのように反強磁性層AFを設け
る場合、それぞれの反強磁性層AFの磁化方向をそれぞ
れの配線長軸方向に固定するプロセスが必要である。
いて、ネール温度が異なる反強磁性層を用いればよい。
すなわち、磁場中アニール処理により、高温から温度を
低下させる過程で、まず、ネール温度が高い反強磁性層
が形成された配線の長軸方向に平行な磁場を印加しつつ
このネール温度よりも低温まで冷却することにより、磁
化方向を固定する。しかる後に、もう一方の配線の長軸
方向に対して平行な方向に磁場を印加しつつ、この配線
に形成された反強磁性層のネール温度よりも低温まで冷
却することにより、磁化方向を固定する。
方向を変えながら順次温度を低下させることにより、略
直交する一対の書き込み配線のそれぞれについて、被覆
層SMの磁化を配線長軸方向に固定することができる。
は被覆層SMの外側には、窒化タンタル(TaN)、窒
化シリコン(SiN)、窒化チタン(TiN)などから
なる「バリアメタル」を設けることが望ましい。また、
被覆層SMと反強磁性膜との間に銅(Cu)などからな
る非磁性層を挿入し、被覆層SMと反強磁性膜との相互
作用を調整して、軟磁性特性を調整するようにしてもよ
い。
法について説明した。
効果素子Cに向けた突出部をさらに設けることにより、
さらに低消費電力、低電流でのスピン反転を実現でき
る。
を例示する模式図である。
配線BL、WLの側面から磁気抵抗効果素子Cの方向に
向かって突出した突出部Pを設ける。
Mの中を誘導された書き込み磁界を磁気抵抗効果素子C
の磁化記録層に集中させることができる。すなわち、本
発明における被覆層SMは、「磁気ヨーク」として作用
し、配線BL、WLの周囲に形成される書き込み磁界を
誘導する。そして、このような突出部Pを設けることに
より、書き込み磁界の放出端を磁気抵抗効果素子Cの磁
気記録層に接近させて効果的に印加することができる。
設けた場合の配線BL、WLと磁気抵抗効果素子Cとの
関係を例示する模式図である。すなわち、図6の具体例
の場合、上側の配線の被覆層SMに突出部Pが設けられ
いる。そして、図7の具体例の場合には、さらに下側の
配線の被覆層SMにも突出部Pが設けられている。
Pを設けることにより、書き込み磁界の放出端を磁気抵
抗効果素子Cに近づけることが可能となり、より電流磁
界効率がアップし、低消費電力化、低電流化が可能とな
る。
ば、駆動回路の容量も小さくでき、書き込み配線の太さ
も細くできるので、メモリのサイズを縮小し、集積度を
上げることも可能となる。
により、書き込み配線におけるエレクトロマイグレーシ
ョンなどの問題も抑制し、磁気メモリの信頼性を向上さ
せて寿命も伸ばすことができる。
時の、被覆層の磁区(ドメイン)の変化を例示する模式
図である。すなわち、同図(a)はビット線BLに対し
て平行な方向から眺めた図、同図(b)はワード線WL
に対して平行な方向から眺めた図である。
過すると、電流パルスの幅(印加時間に対応する)によ
り被覆層SMに磁壁が形成される。そして、書き込み配
線BL、WLの長軸方向にみて、電流パルスが存在する
ところのみ、磁気抵抗効果素子Cに有効に磁界Hが伝わ
り、上下の配線からの磁界Hの合成磁界により磁気抵抗
効果素子Cの磁気記録層が磁化反転する。
は、図8に表したように、必ずしも直線状である必要は
なく、「エッジドメイン」などを形成することにより屈
曲したものであってもよい。すなわち、磁気記録層の磁
化方向は、その平面形態に応じて種々に変化する。
の磁気記録層の平面形態の具体例を表す模式図である。
すなわち、磁気抵抗効果素子の磁気記録層は、例えば、
同図(a)に表したように、長方形の一方の対角両端に
突出部を付加した形状や、同図(b)に表したような平
行四辺形、同図(c)に表したような菱形、同図(d)
に表したような楕円形、(e)エッジ傾斜型などの各種
の形状とすることができる。これらそれぞれの具体例に
おいて、矢印で表したように磁化が形成される。
(c)、(e)に表した形状にパターニングする場合、
実際には角部が丸まる場合が多いが、そのように角部が
丸まってもよい。 これらの非対称な形状は、フォトリ
ソグラフィにおいて用いるレチクルのパターン形状を非
対称形状にすることにより容易に作製できる。
層の幅Wと長さLの比L/Dは、1.2以上であること
が望ましく、長さLの方向に一軸異方性が付与されてい
ることが望ましい。
できる磁気抵抗効果素子Cの構造について、図10〜図
14を参照しつつ説明する。
接合を有する磁気抵抗効果素子の断面構造を表す模式図
である。
合、下地層BFの上に、反強磁性層AF、強磁性層FM
1、トンネルバリア層TB、強磁性層FM2、保護層P
Bがこの順に積層されている。反強磁性層AFに隣接し
て積層された強磁性層FM1が磁化固着層(ピン層)と
して作用し、トンネルバリア層TBの上に積層された強
磁性層FM2が記録層(フリー層)として作用する。゜
図11の磁気抵抗効果素子の場合、トンネルバリア層T
Bの上下において、強磁性層FMと非磁性層NMと強磁
性層FMとが積層された積層膜SLがそれぞれ設けられ
ている。この場合も、反強磁性層AFとトンネルバリア
層TBの間に設けられた積層膜SLが磁化固着層として
作用し、トンネルバリア層TBの上に設けられた積層膜
SLが記録層として作用する。
接合を有する磁気抵抗効果素子の断面構造を例示する模
式図である。これらの図面については、図11及び図1
2に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を
付して詳細な説明は省略する。
いずれも2層のトンネルバリア層TBが設けられ、その
上下に強磁性層FMあるいは、強磁性層FMと非磁性層
NMとの積層膜SLが設けられている。ここに例示した
2重トンネル接合素子の場合には、上下の反強磁性層A
Fに隣接して積層された強磁性層FMあるいは積層膜が
磁化固着層として作用し、2層のトンネルバリア層TB
の間に設けられた強磁性層FMあるいは積層膜SLが記
録層として作用する。
と、記録層の磁化方向に対する電流変化(もしくは電圧
変化)を大きくすることができる点で有利である。
磁気抵抗効果素子は、図10乃至図14に例示したもの
には限定されず、これら以外にも例えば、第1の強磁性
層と非磁性層と第2の強磁性層とを積層させたいわゆる
「スピンバルブ構造」の磁気抵抗効果素子などを用いる
こともできる。
用した場合も、一方の強磁性層を、磁化方向が実質的に
固定された「磁化固着層(「ピン層」などと称される場
合もある)」として作用させ、他方の強磁性層を、外部
からの磁界を印加することにより磁化方向を可変とした
「磁気記録層(磁気記録層)」として作用させることが
できる。
によっては、反強磁性層に隣接して設けられた強磁性層
を、記録層として用いることもできる。
固着層として用いることができる強磁性体としては、例
えば、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケ
ル)またはこれらの合金や、スピン分極率の大きいマグ
ネタイト、CrO2、RXMnO3−y(ここでRは希
土類、XはCa(カルシウム)、Ba(バリウム)、S
r(ストロンチウム)のいずれかを表す)などの酸化
物、あるいは、NiMnSb(ニッケル・マンガン・ア
ンチモン)、PtMnSb(白金マンガン・アンチモ
ン)などのホイスラー合金を用いることができる。
向異方性を有することが望ましい。またその厚さは0.
1nm以上100nm以下であることが望ましい。さら
に、この強磁性層の膜厚は、超常磁性にならない程度の
厚さが必要であり、0.4nm以上であることがより望
ましい。
は、反強磁性膜を付加して磁化を固着することが望まし
い。そのような反強磁性膜としては、Fe(鉄)−Mn
(マンガン)、Pt(白金)−Mn(マンガン)、Pt
(白金)−Cr(クロム)−Mn(マンガン)、Ni
(ニッケル)−Mn(マンガン)、Ir(イリジウム)
−Mn(マンガン)、NiO(酸化ニッケル)、Fe2
O3(酸化鉄)、または上述した磁性半導体などを挙げ
ることができる。
u(銅)、Au(金)、Al(アルミニウム)、Mg
(マグネシウム)、Si(シリコン)、Bi(ビスマ
ス)、Ta(タンタル)、B(ボロン)、C(炭素)、
O(酸素)、N(窒素)、Pd(パラジウム)、Pt
(白金)、Zr(ジルコニウム)、Ir(イリジウ
ム)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Nb
(ニオブ)H(水素)などの非磁性元素を添加して、磁
気特性を調節したり、その他、結晶性、機械的特性、化
学的特性などの各種物性を調節することができる。
性層との積層膜を用いても良い。例えば、図11などに
例示したような強磁性層/非磁性層/強磁性層という3
層構造を用いることができる。この場合、非磁性層を介
して両側の強磁性層に反強磁性的な層間の相互作用が働
いていることが望ましい。
る方法として、Co(Co−Fe)/Ru(ルテニウ
ム)/Co(Co−Fe)、 Co(Co−Fe)/I
r(イリジウム)/Co(Co−Fe)、 Co(Co
−Fe)/Os(オスニウム)/Co(Co−Fe)、
磁性半導体強磁性層/磁性半導体非磁性層/磁性半導体
強磁性層などの3層構造の積層膜を磁化固着層とし、さ
らに、これに隣接して反強磁性膜を設けることが望まし
い。
ものと同様に、Fe−Mn、Pt−Mn、Pt−Cr−
Mn、Ni−Mn、Ir−Mn、NiO、Fe2O3、
磁性半導体などを用いることかできる。この構造を用い
ると、磁化固着層の磁化がしっかりと磁化が固着される
他、磁化固着層からの漏洩磁界(stray field)を減少
(あるいは調節)でき、磁化固着層を形成する2層の強
磁性層の膜厚を変えることにより、磁気記録層(磁気記
録層)の磁化シフトを調整することができる。
ても、磁化固着層と同様に、例えば、例えば、Fe
(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)またはこ
れらの合金や、スピン分極率の大きいマグネタイト、C
rO2、RXMnO3−y(ここでRは希土類、XはC
a(カルシウム)、Ba(バリウム)、Sr(ストロン
チウム)のいずれかを表す)などの酸化物、あるいは、
NiMnSb(ニッケル・マンガン・アンチモン)、P
tMnSb(白金マンガン・アンチモン)などのホイス
ラー合金などを用いることができる。
磁性層は、膜面に対して略平行な方向の一軸異方性を有
することが望ましい。またその厚さは0.1nm以上、
100nm以下であることが望ましい。さらに、この強
磁性層の膜厚は、超常磁性にならない程度の厚さが必要
であり、0.4nm以上であることがより望ましい。
性層という2層構造、または、強磁性層/軟磁性層/強
磁性層という3層構造を用いても良い。磁気記録層とし
て、強磁性層/非磁性層/強磁性層という3層構造また
は、強磁性層/非磁性層/強磁性層/非磁性層/強磁性
層という5層構造を用いて、強磁性層の層間の相互作用
の強さを制御することにより、メモリセルである磁気記
録層のセル幅がサブミクロン以下になっても、電流磁界
の消費電力を増大させずに済むというより好ましい効果
が得られる。5層構造の場合、中間強磁性層は軟磁性
層、または、非磁性元素で分断された強磁性層を用いる
とより好ましい。
Ag(銀)、Cu(銅)、Au(金)、Al(アルミニ
ウム)、Mg(マグネシウム)、Si(シリコン)、B
i(ビスマス)、Ta(タンタル)、B(ボロン)、C
(炭素)、O(酸素)、N(窒素)、Pd(パラジウ
ム)、Pt(白金)、Zr(ジルコニウム)、Ir(イ
リジウム)、W(タングステン)、Mo(モリブデ
ン)、Nb(ニオブ)、H(水素)などの非磁性元素を
添加して、磁気特性を調節したり、その他、結晶性、機
械的特性、化学的特性などの各種物性を調節することが
できる。
を用いる場合に、磁化固着層と磁化記録層との間に設け
られるトンネルバリア層TBの材料としては、Al2O
3(酸化アルミニウム)、SiO2(酸化シリコン)、
MgO(酸化マグネシウム)、AlN(窒化アルミニウ
ム)、Bi2O3(酸化ビスマス)、MgF2(フッ化
マグネシウム)、CaF2(フッ化カルシウム)、Sr
TiO2(酸化チタン・ストロンチウム)、AlLaO
3(酸化ランタン・アルミニウム)、Al−N−O(酸
化窒化アルニウム)、非磁性半導体(ZnO、InM
n、GaN、GaAs、TiO2、Zn、Te、または
それらに遷移金属がドープされたもの)などを用いるこ
とができる。
に正確な組成である必要はなく、酸素、窒素、フッ素な
どの欠損、あるいは過不足が存在していてもよい。ま
た、この絶縁層(誘電体層)の厚さは、トンネル電流が
流れる程度に薄い方が望ましく、実際上は、10nm以
下であることが望ましい。
ッタ法、蒸着法、分子線エピタキシャル法、CVD法な
どの通常の薄膜形成手段を用いて、所定の基板上に形成
することができる。この場合の基板としては、例えば、
Si(シリコン)、SiO2(酸化シリコン)、Al2
O3(酸化アルミニウム)、スピネル、AlN(窒化ア
ルニウム)、GaAs、GaNなど各種の基板を用いる
ことができる。
して、Ta(タンタル)、Ti(チタン)、Pt(白
金)、Pd(パラジウム)、Au(金)、Ti(チタ
ン)/Pt(白金)、Ta(タンタル)/Pt(白
金)、Ti(チタン)/Pd(パラジウム)、Ta(タ
ンタル)/Pd(パラジウム)、Cu(銅)、Al(ア
ルミニウム)‐Cu(銅)、Ru(ルテニウム)、Ir
(イリジウム)、Os(オスミウム)、GaAs、Ga
N、ZnO、TiO2などの半導体下地などからなる層
を設けてもよい。
磁気抵抗効果素子の積層構造について説明した。
いて具体例を挙げて説明する。
ジスタを用いた場合のセルのアーキテクチャを表す模式
断面図である。すなわち、同図(a)はビット線BLに
対して垂直な方向から眺めた図、同図(b)はワード線
WLに対して垂直な方向から眺めた図である。
ET(Metal-Oxide-SemiconductorField Effect Transi
stor)を用いた場合、読み出しは下部選択トランジスタ
Tをオンにし、磁気抵抗効果素子Cを介してビット線B
Lにセンス電流を流することにより行う。
とワード線WLとを用いて行う。そして、これらビット
線BL及びワード線WLには、図1乃至図8に関して前
述したような一軸異方性が付与された被覆層SMが設け
られている。
層SMに突出部Pが設けられ、ビット線BL、ワード線
WLともに被覆層SMを磁気抵抗効果素子Cに近づける
ことができるため、さらに低消費電力、低電流で書き込
みを行うことができる。
層SMの突出部Pが分割して設けられている。すなわ
ち、突出部Pは、ビット線BLに設けられた被覆層SM
から分離して、磁気抵抗効果素子Cに接続されている読
み出し用ビット線RBLの側面に設けられている。突出
部Pを設ける場合には、ビット線BLの周囲方向の被覆
層の長さが長くなりやすいので、形状効果が低下する場
合がある。これに対して、本具体例のように突出部Pを
分離して設けることにより、形状効果による一軸異方性
を付与することができる。
ためには、メモリアレーを積層化できるアーキテクチャ
を用いて、多層化することが望ましい。
きるアーキテクチャの第2の具体例を表す模式図であ
る。すなわち、同図は、メモリアレーの断面構造を表
す。このアーキテクチャにおいては、読み出し/書き込
み用ビット線BLに磁気抵抗効果素子Cが並列に接続さ
れている。それぞれの磁気抵抗効果素子Cの他端には、
ダイオードDを介して読み出し/書き込み用ワード線W
Lが接続されている。
Cに接続されているビット線BLとワード線WLとを選
択トランジスタSTにより選択してセンスアンプSAに
より電流を検出する。また、書き込み時には、やはり目
的の磁気抵抗効果素子Cに接続されているビット線BL
とワード線WLとを選択トランジスタSTにより選択し
て、書き込み電流を流す。この際に、ビット線BLとワ
ード線WLにそれぞれ発生する磁界を合成した書き込み
磁界が磁気抵抗効果素子Cの磁気記録層の磁化を所定の
方向に向けることにより、書き込みができる。
は書き込み時に、マトリクス状に配線されている他の磁
気抵抗効果素子Cを介して流れる迂回電流を遮断する役
割を有する。
チャにおいて採用できる被覆層SMの具体例を表す模式
図である。
ビット線BL、磁気抵抗効果素子C、ダイオードD、ワ
ード線WLのみを表し、それら以外の要素は省略した。
これら具体例のメモリセルにおいては、書きこみは、直
交するビット線BLとワード線WLとを用いて行う。ビ
ット線BL及びワード線WLには、図1乃至図8に関し
て前述した被覆層SMが設けられ、さらに、突出部Pも
形成されている。
が分離してダイオードDの側面に設けられ、形状効果に
よる一軸異方性がより確実に生ずるようにされている。
ーキテクチャの第3の具体例について説明する。
ーキテクチャの第3の具体例を表す模式図である。すな
わち、同図は、メモリアレーの断面構造を表す。
/書き込み用ビット線BLと読み出し用ビット線Brと
の間に複数の磁気抵抗効果素子Cが並列に接続された
「ハシゴ型」の構成とされている。さらに、それぞれの
磁気抵抗効果素子Cに近接して、書き込みワード線WL
がビット線と交差する方向に配線されている。
し/書き込み用ビット線BLに書き込み電流を流すこと
により発生する磁界と、書き込みワード線WLに書き込
み電流を流すことにより発生する磁界との合成磁界を磁
気抵抗効果素子の磁気記録層に作用させることにより、
行うことができる。
びBrの間で電圧を印加する。すると、これらの間で並
列に接続されている全ての磁気抵抗効果素子に電流が流
れる。この電流の合計をセンスアンプSAにより検出し
ながら、目的の磁気抵抗効果素子に近接したワード線W
Lに書き込み電流を印加して、目的の磁気抵抗効果素子
の磁気記録層の磁化を所定の方向に書き換える。この時
の電流変化を検出することにより、目的の磁気抵抗効果
素子の読み出しを行うことができる。
方向が書き換え後の磁化方向と同一であれば、センスア
ンプSAにより検出される電流は変化しない。しかし、
書き換え前後で磁気記録層の磁化方向が反転する場合に
は、センスアンプSAにより検出される電流が磁気抵抗
効果により変化する。このようにして書き換え前の磁気
記録層の磁化方向すなわち、格納データを読み出すこと
ができる。
ータを変化させる、いわゆる「破壊読み出し」に対応す
る。
を、磁化自由層/絶縁層(非磁性層)/磁気記録層、と
いう構造とした場合には、いわゆる「非破壊読み出し」
が可能である。すなわち、この構造の磁気抵抗効果素子
を用いる場合には、磁気記録層に磁化方向を記録し、読
み出しの際には、磁化自由層の磁化方向を適宜変化させ
てセンス電流を比較することにより、磁気記録層の磁化
方向を読み出すことができる。但しこの場合には、磁気
記録層の磁化反転磁界よりも磁化自由層の磁化反転磁界
のほうが小さくなるように設計する必要がある。
て設けられる被覆層SMを例示する模式図である。ここ
でも、簡単のために、ビット線BL、磁気抵抗効果素子
C、ワード線WLのみを表し、それら以外の要素は省略
した。図22に表した具体例においても、書き込みは、
直交するビット線BLとワード線WLとを用いて行う。
そして、これらに被覆層SMを設けることにより、書き
込みクロストークの心配が無く、低消費電力、低電流で
書き込みを行うことができる。
ーキテクチャの第4の具体例について説明する。
ーキテクチャの第4の具体例を表す模式図である。すな
わち、同図は、メモリアレーの断面構造を表し、すなわ
ち、同図(a)はビット線BLに対して垂直な方向から
眺めた図、同図(b)はワード線WLに対して垂直な方
向から眺めた図である。
/書き込み用ビット線BLに複数の磁気抵抗効果素子C
が並列に接続され、これら磁気抵抗効果素子の他端に
は、それぞれ読み出し用ビット線Brがマトリクス状に
接続されている。
近接して、書き込み用ワード線WLが配線されている。
し/書き込み用ビット線BLに書き込み電流を流すこと
により発生する磁界と、書き込みワード線WLに書き込
み電流を流すことにより発生する磁界との合成磁界を磁
気抵抗効果素子の磁気記録層に作用させることにより、
行うことができる。
タSTによりビット線BLとBrとを選択することによ
り、目的の磁気抵抗効果素子にセンス電流を流してセン
スアンプSAにより検出することができる。
チャにおいて設けることができる被覆層SMを表す模式
図である。すなわち、同図(a)はビット線BLに対し
て平行な方向から眺めた図、同図(b)はワード線WL
に対して平行な方向から眺めた図である。
下関係を反転させた状態を表す。また、これらの図面に
おいても、簡単のために、ビット線BL及びBr、磁気
抵抗効果素子C、ワード線WLのみを表し、それら以外
の要素は省略した。
ワード線WLには、一軸異方性を有する被覆層SMを設
け、さらにワード線においては突出部Pが形成されてい
る。
無く、低消費電力、低電流で書き込みを行うことができ
る。
ド線WLにおいて、突出部Pが分離して設けられてい
る。つまり、この突出部Pは、ワード線WLの周囲に設
けられた被覆層SMとは分離して、読み出し用ビット線
Brの側面に形成されている。このように分離すれば、
形状効果による一軸異方性が生じやすくなる。
ーキテクチャの第5の具体例について説明する。
きるアーキテクチャの第5の具体例を表す模式図であ
る。すなわち、同図は、メモリアレーの断面構造を表
す。
rがリードLを介して磁気抵抗効果素子に接続され、磁
気抵抗効果素子の直下には書き込み用ワード線WLが配
線されている。
る被覆層の具体例を表す模式図である。同図において
も、簡単のために、ビット線BL、磁気抵抗効果素子
C、ワード線WLのみを表し、それら以外の要素は省略
した。このようにビット線BLおよびワード線WLに、
一軸異方性を有する被覆層SMを設けることにより、書
き込みクロストークの心配が無く、書き込み及び読み出
し動作が安定で、低消費電力、低電流で書き込みを行う
ことができる。
ることができる被覆層のさらなる変型例を表す模式図で
ある。
に、磁気抵抗効果素子Cを絶縁体INにより埋め込み、
その両側を覆うように被覆層SMを延出させて形成する
こともできる。
表したアーキテクチャを積層させた構造を表す模式断面
である。これらの図面については、図1乃至図29に関
して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して
詳細な説明は省略する。
20に関して前述したアーキテクチャを積層させた構造
を表す。
WLをその上下の磁気抵抗効果素子C1、C2に対して
共通に用いるので、被覆層SMは、側面にのみ設ける。
この場合にも、被覆層SMに配線長手方向の一軸異方性
を与えることにより、安定した記録、再生が可能とな
る。
ド線WLの中に被覆層SMが挿入されている。この被覆
層SMは、上下のビット線BLから発生する書き込み磁
界を遮断し、上下間の書き込みクロストークを抑制する
役割を有する。また、この被覆層SMを絶縁体により形
成した場合には、その上下のワード線WLをそれぞれ独
立して用いることも可能である。
22に関して前述したアーキテクチャを積層させた構造
を表す。
WLをその上下の磁気抵抗効果素子C1、C2に対して
共通に用いるので、被覆層SMは、側面にのみ設ける。
この場合にも、被覆層SMに配線長手方向の一軸異方性
を与えることにより、安定した記録、再生が可能とな
る。
ド線WLの中に被覆層SMが挿入されている。この被覆
層SMは、上下のビット線BLから発生する書き込み磁
界を遮断し、上下間の書き込みクロストークを抑制する
役割を有する。また、この被覆層SMを絶縁体により形
成した場合には、その上下のワード線WLをそれぞれ独
立して用いることも可能である。
24に関して前述したアーキテクチャを積層させた構造
を表す。
WLをその上下の磁気抵抗効果素子C1、C2に対して
共通に用いるので、被覆層SMは、側面にのみ設ける。
この場合にも、被覆層SMに配線長手方向の一軸異方性
を与えることにより、安定した記録、再生が可能とな
る。
ド線WLの中に被覆層SMが挿入されている。この被覆
層SMは、上下のビット線BLから発生する書き込み磁
界を遮断し、上下間の書き込みクロストークを抑制する
役割を有する。また、この被覆層SMを絶縁体により形
成した場合には、その上下のワード線WLをそれぞれ独
立して用いることも可能である。
27に関して前述したアーキテクチャを積層させた構造
を表す。
WLをその上下の磁気抵抗効果素子C1、C2に対して
共通に用いるので、被覆層SMは、側面にのみ設ける。
この場合にも、被覆層SMに配線長手方向の一軸異方性
を与えることにより、安定した記録、再生が可能とな
る。
ド線WLの中に被覆層SMが挿入されている。この被覆
層SMは、上下のビット線BLから発生する書き込み磁
界を遮断し、上下間の書き込みクロストークを抑制する
役割を有する。また、この被覆層SMを絶縁体により形
成した場合には、その上下のワード線WLをそれぞれ独
立して用いることも可能である。
積層型の構造にすると、更なる大容量化が可能となる。
このように積層化した場合にも、本発明は図1乃至図8
に関して前述したように、顕著な作用効果を奏する。
態についてさらに詳細に説明する。
施例として、図23及び図24に表した単純マトリック
ス構造のメモリアレーを基本として、10×10個のT
MRセルを有する磁気メモリを形成した。
手順に沿って説明すれば、以下の如くである。
線BLとして、メッキ法によりニッケル鉄(NiFe)
からなる被覆層SMを有する配線を形成した。ここで、
配線の本体は、銅(Cu)からなる厚み1μmの導電層
とした。しかる後に、絶縁層をCVD法で作製した後、
CMP(Chemical Mechanical Polishing)を行い、平
坦化を行った。その後、強磁性2重トンネル接合を有す
るTMRの積層構造膜をスパッタ法により成膜した。
に、Ta(30nm)/Ru(3nm)/Ir−Mn
(8nm)/CoFe(3nm)/Ru(1nm)/C
oFe(3nm)/AlOx(1nm)/CoFeNi
(2nm)/Cu(1.5nm)/CoFeNi(2n
m)/AlOx(1nm)/CoFe(3nm)/Ru
(1nm)/CoFe(3nm)/IrMn(8nm)
/Ta(9nm)/Ru(30nm)とした。
て用い、塩素系のエッチングガスを用いたRIE(Reac
tive Ion Etching)により下側のRu/Ta配線層まで
積層構造膜をエッチングすることにより、TMR素子の
孤立パターンを作製した。
ス(TEOS)法により堆積してCMPにより平坦化し
た後、読み出しビット線Brを成膜、パターニングによ
り形成した。
し、平坦化を行った後、ワード線WLを成膜し、パター
ニングを行った後、メッキ法により被覆層SMを形成し
た。この際、被覆層SMの厚さは0.01μm〜0.0
6μmとし、TMR素子の短軸の長さを0.25μmと
し、長軸の長さ0.3μm〜0.8μmの範囲で変化さ
せた試料に対して、L3(図2に表されている)の長さ
はTMRの長さ+0.15μmとした。
Lの被覆層SMの長さ(図2のL1)をTMRの長軸の
長さから2.0μmまでの範囲内で変化させた試料を作
製した。L1が2.0μmの時に、隣接する被覆層SM
同士は完全につながって一体化する。このとき、ワード
線WLの被覆層SMの膜面垂直方向の長さ(図2の
L 2)は0.2μmとした。
し、TMR素子の磁気記録層に一軸異方性を導入し、ま
た磁気固着層に一方向異方性を導入した。
リにおいて、書き込みを10回行った後のTMR信号出
力を測定し、チェッカーフラッグパターンでTMR素子
の「1」レベルと「0」レベルとを反転し、動作不良の
有無を調べた。その際、書き込み電流パルス電流値とパ
ルス幅を最適化し、もっともクロストークが小さくなる
条件で行った。
して表す。これらの結果から、被覆層SMにおいて、形
状効果により一軸異方性が生じている場合には動作不良
が観測されず、良好な特性が得られていることが分か
る。
さが0.06μmよりも薄い場合、また特に、L1>1
μm>(2L2+L3)である場合に動作不良が無いこ
とがわかる。
0.5nm)を介してFeMn(厚み8nm)とIrM
n(厚み4nm)をそれぞれの配線に付与した実施例の
結果を、図42乃至図44に一覧表として表す。反強磁
性膜が付与された場合、動作不良が著しく減少し、より
好ましい効果が得られることが分かった。
施例として、図26及び図27に表したマトリックス構
造のメモリアレーを基本として、10×10個のTMR
セルを有する磁気メモリを形成した。
手順に沿って説明すれば、以下の如くである。
線BLとして、メッキ法によりニッケル鉄(NiFe)
からなる被覆層SMを有し、銅(Cu)からなる厚み1
μmの配線層を作製した。しかる後に、絶縁層をCVD
法で作製した後、ビアを形成しW電極を埋め込んだ後、
CMPを行い、平坦化を行った。その後、コンタクト配
線Mxと強磁性2重トンネル接合を有するTMRの積層
構造膜をスパッタ法により成膜した。
に、Ta(30nm)/Ru(3nm)/Pt−Mn
(12nm)/CoFe(3nm)/Ru(1nm)/
CoFe(3nm)/AlOx(1nm)/CoFeN
i(2nm)/Ru(1.5nm)/CoFeNi(2
nm)/AlOx(1nm)/CoFe(3nm)/R
u(1nm)/CoFe(3nm)/Pt−Mn(12
nm)/Ta(9nm)/Ru(30nm)とした。
て用い、塩素系のエッチングガスを用いたRIEにより
下側のRu/Ta配線層まで積層構造膜をエッチングす
ることにより、TMR素子の孤立パターンを作製した。
ス法により堆積してCMPにより平坦化した後、読み出
しビット線Brを成膜、パターニングにより形成したそ
の後、同様の方法で層間絶縁膜を形成し、平坦化を行っ
た後、ワード線WLを成膜し、パターニングを行った
後、メッキ法で被覆層SMを作製した。
mから0.06μmの範囲で変化させ、TMRの短軸の
長さを0.25μmとし、長軸の長さ0.3μmから
0.8μmの範囲で変化させた試料に対して、L3の長
さはTMRの長さプラス0.15μmとした。また、上
部ワード線WLと下部ワード線WLの被覆層SMの長さ
(L1)を長軸の長さから2.0μmまでの範囲で変化
させた試料を作製した。L1が2.0μmの場合に被覆
層SMは完全につながる。このとき、ワード線WLに被
覆した被覆層SMの膜面垂直方向の長さ(L2)は0.
2μmとした。
し、TMR素子の磁気記録層に一軸異方性を、磁気固着
層に一方向異方性をそれぞれ導入した。
リにおいて、書き込みを10回行った後のTMR信号出
力を測定し、チェッカーフラッグパターンでTMR素子
の「1」レベルと「0」レベルを反転し、動作不良の影
響を調べた。その際、書き込み電流パルス電流値とパル
ス幅を最適化し、もっともクロストークが小さくなる条
件で行った。
して表す。これらの結果から、被覆層SMにおいて、形
状効果により一軸異方性が生じている場合には動作不良
が観測されず、良好な特性が得られていることが分か
る。
さが<0.06μmよりも薄い場合、また特に、L1>
1μm>(2L2+L3)である場合に、動作不良が無
いことがわかる。
(厚み0.7nm)を介してFeMn(厚み6nm)と
IrMn(厚み5nm)をそれぞれの配線に付与した実
施例の結果を、図49乃至図51に一覧表として表す。
反強磁性膜が付与された場合、動作不良が著しく減少
し、より高い効果が得られることが確認できた。
の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの
具体例に限定されるものではない。例えば、磁気メモリ
の磁気抵抗効果素子を構成する強磁性体層、絶縁膜、反
強磁性体層、非磁性金属層、電極などの具体的な材料
や、膜厚、形状、寸法などに関しては、当業者が適宜選
択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を
得ることができるものも本発明の範囲に包含される。
要素の構造、材質、形状、寸法についても、当業者が適
宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効
果を得ることができるものも本発明の範囲に包含され
る。
た磁気メモリを基にして、当業者が適宜設計変更して実
施しうるすべての磁気メモリも同様に本発明の範囲に属
する。
超低消費電力・低電流・クロストークのない大容量磁気
メモリを実現することができ、産業上のメリットは多大
である。
して表した模式図であり、同図(a)はメモリセルに含
まれる一対の書き込み配線及び磁気抵抗効果素子を表す
正面図であり、同図(b)はその平面図、同図(c)は
その側面図である。
が生ずることを説明するための概念図である。
する模式図である。
す概念図である。
る。
抵抗効果素子Cとの関係を例示する模式図である。
抵抗効果素子Cとの関係を例示する模式図である。
の磁区(ドメイン)の変化を例示する模式図である。
の平面形態の具体例を表す模式図である。
果素子の断面構造を表す模式図である。
果素子の断面構造を表す模式図である。
果素子の断面構造を例示する模式図である。
果素子の断面構造を例示する模式図である。
果素子の断面構造を例示する模式図である。
ルのアーキテクチャを表す模式断面図である。
ルのアーキテクチャを表す模式断面図である。
ルのアーキテクチャを表す模式断面図である。
クチャの第2の具体例を表す模式図である。
被覆層SMの具体例を表す模式図である。
被覆層SMの具体例を表す模式図である。
の第3の具体例を表す模式図である。
被覆層SMを例示する模式図である。
の第4の具体例を表す模式図である。
ができる被覆層SMを表す模式図である。
ができる被覆層SMを表す模式図である。
クチャの第5の具体例を表す模式図である。
体例を表す模式図である。
さらなる変型例を表す模式図である。
さらなる変型例を表す模式図である。
クチャを積層させた構造を表す。
クチャを積層させた構造を表す。
クチャを積層させた構造を表す。
クチャを積層させた構造を表す。
クチャを積層させた構造を表す。
クチャを積層させた構造を表す。
クチャを積層させた構造を表す。
クチャを積層させた構造を表す。
である。
である。
である。
である。
型例における評価結果を表す一覧表である。
型例における評価結果を表す一覧表である。
型例における評価結果を表す一覧表である。
である。
である。
である。
である。
型例における評価結果を表す一覧表である。
型例における評価結果を表す一覧表である。
型例における評価結果を表す一覧表である。
Claims (10)
- 【請求項1】磁気記録層を有する磁気抵抗効果素子と、 前記磁気抵抗効果素子の上または下において第1の方向
に延在する第1の配線と、 を備え、前記第1の配線に電流を流すことにより形成さ
れる磁界によって前記磁気記録層に情報を記録する磁気
メモリであって、 前記第1の配線は、その両側面の少なくともいずれかに
磁性体からなる被覆層を有し、 前記被覆層は、前記第1の配線の長手方向に沿って磁化
が容易となる一軸異方性を有することを特徴とする磁気
メモリ。 - 【請求項2】第1の方向に延在する第1の配線と、 前記第1の配線の上に設けられた磁気抵抗効果素子と、 前記磁気抵抗効果素子の上において、前記第1の方向と
交差する方向に延在する第2の配線と、 を備え、前記第1及び第2の配線にそれぞれ電流を流す
ことにより形成される磁界によって前記磁気抵抗効果素
子の記録層に2値情報のいずれかを記録する磁気メモリ
であって、 前記第1及び第2の配線の少なくともいずれかは、少な
くともその両側面に磁性体からなる被覆層を有し、 前記被覆層は、その被覆層が設けられた配線の長手方向
に沿って磁化が容易となる一軸異方性を有することを特
徴とする磁気メモリ。 - 【請求項3】前記被覆層は、前記長手方向に対して垂直
な方向にみたその長さが、1μm以下であることを特徴
とする請求項1または2に記載の磁気メモリ。 - 【請求項4】前記被覆層の厚みは、0.05μm以下で
あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載
の磁気メモリ。 - 【請求項5】前記被覆層は、前記配線の前記長手方向に
延在し互いに略平行な複数の部分に分割されて設けられ
たことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載
の磁気メモリ。 - 【請求項6】前記被覆層に反強磁性体からなる層が積層
されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1
つに記載の磁気メモリ。 - 【請求項7】( 前記第1及び第2の配線のそれぞれが前記被覆層を有
し、 前記第1の配線が有する前記被覆層には、第1のネール
温度を有する反強磁性体からなる層が積層され、 前記第2の配線が有する前記被覆層には、前記第1のネ
ール温度とは異なる第2のネール温度を有する反強磁性
体からなる層が積層されてなることを特徴とする請求項
2記載の磁気メモリ。 - 【請求項8】前記被覆層は、前記磁気抵抗効果素子に向
けて前記配線よりも突出した突出部を有することを特徴
とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の磁気メモ
リ。 - 【請求項9】前記突出部は、前記被覆層のうちの前記配
線に近接して設けられた部分とは分離して設けられたこ
とを特徴とする請求項8記載の磁気メモリ。 - 【請求項10】前記被覆層は、ニッケル鉄(Ni−F
e)合金、コバルト鉄(Co−Fe)合金、コバルト鉄
ニッケル(Co−Fe−Ni)合金、コバルト(Co)
とジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ニオブ
(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)の少なく
ともいずれかとの合金またはアモルファス合金、(C
o,Fe,Ni)−(Si,B)−(P,Al,Mo,
Nb,Mn)系アモルファス合金、(Fe,Co)−
(B,Si,Hf,Zr,Sm,Ta,Al)−(F,
O,N)系の金属−非金属ナノグラニュラー膜、及び絶
縁性フェライトよりなる群から選択されたいずれかによ
り構成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか
1つに記載の磁気メモリ。
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