JP4145327B2 - 磁性薄膜、磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッドおよび磁気メモリ素子 - Google Patents

磁性薄膜、磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッドおよび磁気メモリ素子 Download PDF

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Description

本発明は、磁性薄膜、この磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子および薄膜磁気ヘッド等に関する。
磁性薄膜は、磁気抵抗効果素子(MR素子)の強磁性層として利用されている。磁気抵抗効果素子は、例えば、ハードディスク装置用の薄膜磁気ヘッドにおける磁気信号読み出し部、および磁気メモリにおけるメモリセルなどに広く用いられている。近年、これらハードディスク装置および磁気メモリの高密度記録化が進んできている。それに伴って、磁気抵抗効果素子に対する高感度化および高出力化の要求が高まっている。
このような要求に対応して、磁化方向が固定されたピンド層と、磁化方向が外部磁界に応じて変化するフリー層とを、非磁性のスペーサ層で挟んだ構造を有するスピンバルブ膜(SV膜)を用いた磁気抵抗効果素子が開発されている。ピンド層およびフリー層は強磁性層として形成され、ピンド層は、反強磁性層上に設けられることによって磁化方向が固定される。また最近では、ピンド層を強磁性体の単層構造から、強磁性層/非磁性金属層/強磁性層の3層構造とすることで、2つの強磁性層間に強い交換結合を与えて、反強磁性層からの交換結合力を実効的に増大させるというシンセティック型のSV膜も開発されている。
また、出力向上という観点から、膜面に対して垂直にセンス電流を流すCPP(Current Perpendicular to Plane)型の磁気抵抗効果素子も提案されている。CPP型の磁気抵抗効果素子では、強磁性層の分極率が大きいことが望まれている。分極率が大きいと、磁気抵抗効果素子の感度を表す指標である磁気抵抗変化率(MR比ともいう)が大きくなる。スピン分極率が高いハーフメタル的な特性を示す材料として、ホイスラー合金が知られている。特許文献1には、ピンド層およびフリー層の少なくとも一方が、組成式がX2YZまたはXYZ(ただし、XはCu、Co、Ni、Rh、Pt、Au、Pd、Ir、Ru、Ag、Zn、Cd、Feのうち1種または2種以上の元素、YはMn、Fe、Ti、V、Zr、Nb、Hf、Ta、Cr、Co、Niのうち1種または2種以上の元素、ZはAl、Sn、In、Sb、Ga、Si、Ge、Pb、Znのうち1種または2種以上の元素)で表されるホイスラー合金層で形成された磁気抵抗効果素子が開示されている。
特開2005−116703号公報
ホイスラー合金層で高い分極率を得るためには、ホイスラー合金層は、所定の原子が所定の格子位置に配列された特定の結晶構造(L21構造やB2構造)をとっていること、すなわち規則化されていることが極めて重要である。ホイスラー合金層は通常、室温においてスパッタ法等によって成膜しただけでは特定の結晶構造にはなっていない。ホイスラー合金層を規則化するためには、成膜中の基板温度を高くすること、または成膜した合金層にアニールといった熱処理(規則化処理ともいう)を施す必要がある。
しかし、規則化のための温度が高いと、以下に述べるような問題点があった。
例えば、磁気抵抗効果素子の製造工程において、成膜中の基板温度が高ければ高いほど、基板が所定の温度に達するまでの時間が長くなる。その結果、磁気抵抗効果素子の製造効率が低下する。また、膜表面に微細なうねりが生じ、このうねりは、以降の成膜にも反映される。そのため、ピンド層とフリー層との間に、オレンジピール効果による層間結合磁場を生じさせる原因となる。さらに、CPP型の磁気抵抗効果素子では、導電性の金属物質が磁気抵抗効果素子の下側に磁気シールド層兼給電層として形成されている。そのため、規則化処理温度を高くすると、磁気抵抗効果素子の製造工程においてすでに形成されている磁気シールド層の結晶粒径が肥大化して透磁率が悪化し、薄膜磁気ヘッドに用いたときの再生特性が劣化する。
そこで本発明は、より低い温度でホイスラー合金の規則化を行い得る構成を有し、結果的に低い温度で規則化が行われることによって、規則化が良好に行われ、かつ高温で規則化を行うことに伴う不具合が解消された磁性薄膜、磁気抵抗効果素子等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の磁性薄膜は、組成式がXYZまたはX2YZ(ただし、Xは、Co、Ir、Rh、Pt、およびCuから選択された1種または2種以上の元素、Yは、V、Cr、Mn、およびFeから選択された1種または2種以上の元素、Zは、Al、Si、Ge、As、Sb、Bi、In、TiおよびPbから選択された1種または2種以上の元素である。XがCu,YがMn,ZがAlである組み合わせを除く。)で表される規則化された結晶構造をもつ合金からなる層を有している。本発明の磁性薄膜は、さらに、この合金に添加された付加元素を有しており、付加元素は、上記の合金の組成に含まれず、かつデバイ温度が300K以下である。
上記の合金に対する付加元素の添加量は、2at.%以上20at.%以下であることが好ましい。また、付加元素としてはAs、Se、Y、Zr、Nb、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Hf、Ta、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、BiおよびLaから選択される元素を用いることができる。
また、本発明の磁気抵抗効果素子は、磁化方向が固定されたピンド層と、磁化方向が外部磁界に応じて変化するフリー層と、ピンド層とフリー層との間に設けられた非磁性のスペーサ層と、を有している。さらに本発明の磁気抵抗効果素子は、ピンド層およびフリー層の少なくとも一方が、上記本発明の磁性薄膜を含んでいる。
本発明の磁性薄膜および磁気抵抗効果素子では、組成式がXYZまたはX2YZで表される合金に、デバイ温度が300K以下の付加元素が添加されており、これによって、付加元素を添加しない場合と比べてこの合金の内部エネルギーが高くなる。そのため、規則化のための熱処理時の原子の動きが促進され、結果的に、付加元素を添加しない場合と比べて低い温度で規則化がなされる。
本発明において、合金に対する付加元素の添加量は2at.%以上20at.%以下であることが好ましい。付加元素としては、Au、Ag、PdおよびNbから選択される元素が挙げられる。
また特に、薄膜磁気ヘッドの構成において、ピンド層は、非磁性中間層と、該非磁性中間層を挟んで設けられた2つの強磁性体層とを有するシンセティックピンド層であってもよい。
本発明は、さらに、上記本発明の磁気抵抗効果素子を備えた磁気薄膜ヘッド、および磁気メモリ素子を提供する。
本発明によれば、組成式がXYZまたはX2YZで表される合金に対して、デバイ温度が300K以下の付加元素を添加することによって、ハーフメタル的な特性をもつ磁性薄膜を、従来よりも低い温度での規則化処理で達成することができる。その結果、本発明の磁気抵抗効果素子は、本発明の磁性薄膜を含むことによって、規則化処理時の温度が高いことに起因する諸問題を解決しつつ、高いMR比を達成することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に、本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの主要部の断面図を概念的に示す。
本実施形態の薄膜磁気ヘッド1は、基板11と、基板11に形成された、記録媒体(不図示)に対する読み出しのための再生部2および書き込みのための記録部3とを有する。
基板11は、耐摩耗性に優れたAl23・TiC(アルティック)からなる。基板11の上面にはアルミナからなる下地層12が形成され、この上に、再生部2および記録部3が積層される。
下地層12の上には、例えばパーマロイ(NiFe)といった磁性材料からなる下部シールド層13が形成されている。下部シールド層13の上の、媒体対向面S側の端部には、MR素子4が、その一端を媒体対向面Sに露出させて形成されている。MR素子4の上には、例えばパーマロイといった磁性材料からなる第1上部シールド層15が形成されている。これら下部シールド層13、MR素子4、および第1上部シールド層15で、再生部2を構成する。下部シールド層13と第1上部シールド層15との間のMR素子4が存在しない部分には、主に絶縁層16aが形成されている。
第1上部シールド層15の上には、絶縁層16bを介して、パーマロイやCoNiFeなどの磁性材料からなる下部磁極層17が形成されている。
下部磁極層17の上には、Ruやアルミナなどの非磁性材料からなる記録ギャップ層18を介して、上部磁極層19が形成されている。記録ギャップ層18は、媒体対向面S側の端部に、媒体対向面Sに一端を露出させて形成される。上部磁極層19の材料としては、パーマロイやCoNiFeなどの磁性材料が用いられる。下部磁極層17と上部磁極層19とは、接続部21によって磁気的に接続され、全体で一つの磁気回路を形成する。
下部磁極層17と上部磁極層19との間において、媒体対向面Sと接続部21との間には、銅などの導電性材料からなるコイル20a,20bが2層に形成されている。各コイル20a,20bは、下部磁極層17と上部磁極層19とに磁束を供給するものであり、それぞれ平面螺旋状となるように接続部21の周囲を周回する形状に形成されている。コイル20a,20bは、絶縁層によって周囲と絶縁されている。本実施形態では2層のコイル20a,20bを示したが、これに限られるものではなく、1層であってもよいし3層以上であってもよい。
オーバーコート層22は、上部磁極層19を覆って設けられ、上述した構造を保護する。オーバーコート層22の材料としては、例えばアルミナなどの絶縁材料が用いられる。
次に、MR素子4について、図1に示すMR素子4を媒体対向面S側から見た図である図2を参照して詳細に説明する。
MR素子4は、前述したように下部シールド層13と上部シールド層15との間に挟まれて形成されており、バッファー層41、反強磁性層42、ピンド層43、スペーサ層44、フリー層45、およびキャップ層46が、下部シールド層13側からこの順番で積層された構成を有している。ここではピンド層43として、非磁性中間層43bをそれぞれ強磁性体からなるアウター層43aとインナー層43cとで挟んだ構成とした例を示している。このようなピンド層43は、シンセティックピンド層と呼ばれる。アウター層43aは反強磁性層42に接して設けられ、インナー層43cはスペーサ層44に接して設けられている。
下部シールド層13および上部シールド層15は、それぞれ電極を兼用している。MR素子4へは、これら下部シールド層13および上部シールド層15を通じて、膜面に直交する方向にセンス電流が流される。
バッファー層41は、その材料として、反強磁性層42とピンド層43のアウター層43aとの交換結合が良好になる組み合わせが選ばれ、例えばTa/NiCr、Ta/Ru、Ta/NiFe等の積層膜から構成される。反強磁性層42は、ピンド層43の磁化方向を固定する役割を果たすものであり、例えばIrMn、PtMn、RuRnMn、NiMn等から構成される。
ピンド層43は、磁性層として形成され、前述したように、アウター層43aと、非磁性中間層43bと、インナー層43cとがこの順番に積層された構成を有する。アウター層43aは、反強磁性層42によって外部磁界に対して磁化方向が固定されており、例えばCoFe/FeCo/CoFeの積層膜から構成される。非磁性中間層43bは、例えばRuから構成される。インナー層43cは、例えばCoFeまたはNiFeといった磁性材料で構成され、単層構造であってもよいし多層構造であってもよい。シンセティックピンド層では、アウター層43aとインナー層43cとの磁気モーメントが互いに相殺され、全体としての漏れ磁界が抑制されるとともに、インナー層43cの磁化方向が強固に固定される。
スペーサ層44は、非磁性材料からなる。スペーサ層44の材料としては、Cu、Au、Ag、Crなどを用いることができ、それらの中でも特にCuが好ましい。
フリー層45は、磁性材料で構成され、外部磁界に応じて磁化方向が変化する。本実施形態では、フリー層45は、ホイスラー合金からなる層を有する。また、フリー層45は、ホイスラー合金からなる層の上または下に、強磁性層として一般に用いられるCoFeやNiFeからなる層を積層した構成であってもよい。ホイスラー合金からなる層は、スペーサ層44と接する側に位置していてもよい。
本形態で用いられるホイスラー合金は、組成式がX2YZまたはXYZで表される合金である。ここで、Xサイトの元素は、Co、Ir、Rh、Pt、およびCuから選択された1種または2種以上の元素である。Yサイトの元素は、V、Cr、Mn、およびFeから選択された1種または2種以上の元素である。Zサイトの元素は、Al、Si、Ge、As、Sb、Bi、In、TiおよびPbから選択された1種または2種以上の元素である。ホイスラー合金は、図3Aに示すL21構造や図3Bに示すB2構造といった結晶構造をもち、この状態のときに、高い分極率が得られる。ホイスラー合金は、成膜段階ではL21構造やB2構造はとっておらず、その後のアニールといった熱処理によって規則化されて、L21構造またはB2構造をとる。
なお、ホイスラー合金からなる層は、フリー層45だけでなくインナー層43cにも含まれていてもよい。または、ホイスラー合金からなる層はインナー層43cのみに含まれていてもよい。インナー層43cがホイスラー合金からなる層を含む場合、インナー層43c全体をホイスラー合金で構成することもできるし、ホイスラー合金からなる層と、CoFeやNiFeからなる層との積層構造とすることもできる。
キャップ層46は、MR素子4の劣化防止のために設けられ、例えばRuなどで構成される。
MR素子4のトラック幅方向(媒体対向面S(図1参照)と平行な平面内での、MR素子4を構成する各層の面内方向)の両側には、絶縁膜47を介してハードバイアス膜48が設けられている。ハードバイアス膜48は、フリー層45にトラック幅方向のバイアス磁界を印加することによってフリー層45を単磁区化する。ハードバイアス膜48には、例えばCoPtやCoCrPtなどの硬磁性材料が用いられる。絶縁膜47は、センス電流がハードバイアス膜48に漏洩するのを防止するためのものであり、例えばAl23といった酸化膜で形成することができる。
以上の説明では、ピンド層43がシンセティックピンド層である例を示したが、例えばCoFeまたはNiFeといった磁性材料のみからなるピンド層であってもよい。また、ピンド層43をホイスラー合金のみで構成してもよいし、ホイスラー合金と磁性材料との積層構成としてもよい。
ここで、本形態において最も特徴的な構成を説明する。本形態において最も特徴的な構成は、フリー層45または/およびピンド層43に含まれるホイスラー合金層が、上記のX、YおよびZを構成している元素とは別の付加元素を含んでいることである。
ホイスラー合金層に含まれる付加元素は、デバイ温度が300K以下の金属元素である。金属の場合、デバイ温度と格子比熱との間に、以下の式(1)、式(2)に示す関係がある。
Figure 0004145327
式(1)、(2)において、Cvは格子比熱、Tは固体の温度、Nは原子数、kBはボルツマン定数、θはデバイ温度である。式(1)、(2)から、デバイ温度が低いと格子比熱が高くなることがわかる。
ホイスラー合金層は、成膜しただけの規則化処理前の段階では、各元素の配列に規則性がなく無秩序な構造をとっているアモルファス状態である。そのため、ホイスラー合金層を構成する元素中に、デバイ温度の低い元素、すなわち格子比熱の高い元素が添加されていると、ホイスラー合金層全体の比熱(内部エネルギー)が高くなる。アモルファス状態の合金層は、加熱されることによって規則化される、すなわちL21構造またはB2構造をとる。この際、ホイスラー合金層は付加元素が添加されていることによって全体の比熱が高くなっているので、熱処理(規則化処理)時の原子の動きが促進され、結果的に、付加元素を添加しない場合と比べて低い温度で規則化が促進される。そして、規則化後は、付加元素は、例えばYサイトの元素と置換されたかたちで格子中に存在していると考えられる。
ホイスラー合金層の規則化が促進されることによって、ホイスラー合金層はその大部分がL21構造またはB2構造をとることができ、ハーフメタル的な特性を持つ磁性薄膜となる。ホイスラー合金層がL21構造をとっているとき、ホイスラー合金の結晶は、(220)面が優先配向しており、その格子定数は0.55nm以上0.58nm以下である。また、ホイスラー合金層がB2構造をとっているとき、ホイスラー合金の結晶は、(110)面が優先配向しており、その格子定数は0.275nm以上0.29nm以下である。
このようなホイスラー合金層は高い分極率を得ることができ、その結果、MR素子4としては大きなMR比を達成することができる。しかも、ホイスラー合金層の規則化処理温度を低くできるので、規則化されたホイスラー合金層の形成に要する時間、さらにはMR素子4の製造に要する時間を短縮することができる。さらに、ホイスラー合金層の規則化処理温度を低くできることによって、膜表面の微細なうねりに起因するインナー層43cとフリー層45との間の層間結合磁場の発生や、ホイスラー合金層に先立って形成されている層の結晶粒径の肥大化といった、規則化処理温度が高いことに起因する諸問題を解決することができる。上述した規則化温度を低くできるという効果は、様々な金属元素の中でもデバイ温度が300K以下の金属元素を添加した場合に現われる。
このような、ホイスラー合金の規則化温度を低減することができる付加元素の例としては、As、Se、Y、Zr、Nb、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Hf、Ta、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、BiおよびLaが挙げられ、その中でもAu、Ag、PdおよびNbを好ましく用いることができる。また、付加元素は極わずか添加されただけでも上記の効果を発揮できるが、付加元素の添加量は2at.%以上20at.%以下であることが好ましい。
上述したMR素子4は、以下のようにして製造することができる。
下部シールド層13上に、バッファー層41、反強磁性層42、アウター層43a、非磁性中間層43b、インナー層43c、およびスペーサ層44を順次形成する。さらにその上に、フリー層45およびキャップ層46を順次形成する。これら各層の形成には、従来のMR素子の製造方法と同様の、スパッタ法といった成膜プロセスを利用することができる。キャップ層46の形成後、アニール処理を行い、これによって、フリー層45に含まれるホイスラー合金はL21構造またはB2構造をとる。インナー層43cがホイスラー合金を含む場合は、インナー層43cに含まれるホイスラー合金も、アニール処理によってL21構造またはB2構造をとる。ホイスラー合金が含まれる層は、付加元素が添加されており、従来よりも低い温度でも規則化がなされるので、従来と比べて低い温度でアニール処理することができる。
ここで、ホイスラー合金層に付加元素を添加することによる効果を確認するため、以下に示す実験を行った。
(実験1)
実験1では、CoMnSiで表される組成のベースに付加元素としてAgを添加した合金膜を基板上に成膜し、その合金膜をアニールによって規則化することによって、L21構造またはB2構造を有する磁性薄膜を形成した。この際、ベースに対するAgの添加量およびアニール温度を変更した種々の条件で磁性薄膜を作製し、これらの条件による規則化の程度を調べた。磁性薄膜の膜厚は80nmとした。アニール後の規則化の程度の評価は、規則化後の磁性薄膜の飽和磁化Ms(A/m)、および(110)面または(220)面でのX線回折強度を測定することによって行った。
CoMnSi合金は400℃のアニールで完全に規則化し、そのときの飽和磁化Msは約850(×103A/m)である。この値と、得られた磁性薄膜の飽和磁化Msとを比較することによって、磁性薄膜の規則化の程度を判断することができる。また、X線回折強度は、CoMnSi合金を400℃のアニールで完全に規則化させたときの強度との比で評価した。
表1に、Agの添加量(at.%)を変えて複数の磁性薄膜を作製し、300℃でアニールしたときの、飽和磁化MsおよびX線回折強度を示す。また、図4に、Ag添加量と飽和磁化Msとの関係のグラフを示す。
Figure 0004145327
表2および図5に、320℃でアニールした磁性薄膜の結果を示す。
Figure 0004145327
表3および図6に、350℃でアニールした磁性薄膜の結果を示す。
Figure 0004145327
以上の結果から、Agを添加しない場合は、アニール温度が300℃および320℃では全く規則化されず、350℃であっても半分程度しか規則化されないことがわかる。飽和磁化Msについては、アニール温度が320℃および350℃の場合はAgの添加量が25at.%で若干の低下が見られるものの、同じ温度条件ではAgの添加量が増加するほど、規則化が促進されていることがいえる。X線回折強度についても、Agの添加量が増加するほど規則化が促進されていることがいえる。総合的に見れば、Agの添加量は2〜20at.%であることが好ましい。
(実験2)
実験2では、実験1と同じ組成の磁性薄膜において、Agの添加量が10at.%と15at.%の場合の、種々の膜厚についての飽和磁化Msの変化を、アニール温度を変えて調べた。
表4に、Agの添加量を10at.%とした場合の結果を示し、その場合の膜厚と飽和磁化Msとの関係のグラフを図7に示す。
Figure 0004145327
表5に、Agの添加量を15at.%とした場合の結果を示し、その場合の膜厚と飽和磁化Msとの関係のグラフを図8に示す。
Figure 0004145327
実験2の結果から、Ag添加量が10at.%の場合と15at.%の場合とで、ほぼ等しい結果が得られていることが分かる。いずれの添加量においても、アニール温度が350℃では、膜厚によらずほぼ一定の飽和磁化Msが得られている。これは、実験1の結果を考慮すると、アニール温度が350℃の場合は、Ag添加量が10〜15at.%の範囲では磁性薄膜は完全に規則化されていることによるものと考えられる。また、アニール温度が300℃および320℃の場合も、膜厚が厚くなるほど飽和磁化Msが低下する傾向にあるものの、膜厚によらずほぼ同程度の値となっている。また、磁性薄膜をMR素子に用いる場合、実用的な膜厚は10nm程度であるので、実用上は問題ないと考える。
(実験3)
実験3では、実験1と同じ組成のベースに、付加元素としてそれぞれデバイ温度の異なる付加元素を添加した複数の合金膜を基板上に成膜し、それをアニールによって規則化させることによって、付加元素のデバイ温度と規則化開始温度との関係を調べた。ベースに対する付加元素の添加量は10at.%とした。なお、比較のため、付加元素を添加しなかった磁性薄膜も作製し、その規則化開始温度を調べた。また、作製した磁性薄膜の膜厚は80nmとした。規則化開始温度は、飽和磁化Msが発生した温度とした。なお、実験3では、付加元素の添加量および磁性薄膜の膜厚を上記の条件で評価しているが、これらの条件については、実験1,2で得られた膜厚依存性および添加量依存性の結果から、規則化開始温度を評価するのに用いる条件として妥当であると考えられる。
表6に、添加した付加元素、そのデバイ温度、および規則化開始温度を示す。また、図9に、付加元素のデバイ温度と規則化開始温度との関係を示す。
Figure 0004145327
実験3の結果から、Au、Ag、Pd、Nbといった、デバイ温度が300K以下の元素を添加することで、添加しない場合に比べて規則化開始温度を低くできることが分かる。逆に、デバイ温度が400K以上といった比較的高い元素を添加した場合は、添加しない場合と比べて規則化開始温度が高くなる。
表7に、本発明における付加元素として用いることのできる元素の例を、そのデバイ温度とともに示す。
Figure 0004145327
表7に示したデバイ温度は、FLAPW法(Full-potentian Linear Augmented Plane-Wave method)によってバンド計算から求めた値であり、独立行政法人 物質・材料研究機構のホームページ(http://www.nims.go.jp/jpn/)内のデータベースから引用した。
なお、表7に示した元素には、付加元素を添加する前のホイスラー合金のZサイトに含まれ得る元素(As、Sb、Bi、In、Pb)も含まれているが、付加元素を添加する前のホイスラー合金がこれらの元素を含んでいる場合は、これらの元素を除いた元素から付加元素が選択される。また、実験1〜3では、付加元素として1種類の元素を添加した場合を示したが、デバイ温度が300K以下の元素であれば、2種類以上の元素を添加した場合でも規則化温度を低くすることができるという効果は同様である。
本発明の薄膜磁気ヘッドは、1枚のウェハに多数個並べられて形成される。図1に示した薄膜磁気ヘッドを含む構造を多数個形成したウェハの概念的な平面図を図10に示す。
ウェハ100は複数のヘッド要素集合体101に区画される。ヘッド要素集合体101は、複数のヘッド要素102を含み、薄膜磁気ヘッド1(図1参照)の媒体対向面Sを研磨加工する際の作業単位となる。ヘッド要素集合体101間およびヘッド要素102間には切断のための切り代(図示せず)が設けられている。ヘッド要素102は、薄膜磁気ヘッド1の構成を含む構造体であり、媒体対向面Sを形成するための研摩加工など、必要な加工がなされて薄膜磁気ヘッド1とされる。この研磨加工は、一般には複数のヘッド要素102を1列に切り出した状態で行う。
次に、本発明の薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置について説明する。まず、図11を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。ハードディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体であるハードディスクに対向するように配置される。スライダ210は、ヘッド要素102(図10参照)から得られた薄膜磁気ヘッド1を有し、ハードディスクに対向する媒体対向面Sにエアベアリング面200が形成されて、全体として略六面体形状をなしている。ハードディスクが図11におけるz方向に回転すると、ハードディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、y方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によってハードディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図11におけるx方向は、ハードディスクのトラック横断方向である。スライダ210の空気流出側の端面211には、再生部2および記録部3(図1参照)への信号入出力用の電極パッドが形成されている。この面は、図1では上端面に相当する。
次に、図12を参照して、ヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、スライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222と、ロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。ベースプレート224は、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、アーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
図12は、ヘッドアームアセンブリの一例を示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
次に、図13および図14を参照して、ヘッドスタックアセンブリおよびハードディスク装置の一例について説明する。図13はハードディスク装置の要部を示す説明図、図14はハードディスク装置の平面図である。ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252の反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、ハードディスク装置に組み込まれる。ハードディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚のハードディスク262を有している。ハードディスク262毎に、ハードディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、スライダ210を支持すると共にハードディスク262に対して位置決めする。
ハードディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210をハードディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッドは、記録部によって、ハードディスク262に情報を記録し、再生部によって、ハードディスク262に記録されている情報を再生する。
なお、薄膜磁気ヘッドは、上述した形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上述した形態では、基板側に読み取り用のMR素子を形成し、その上に、書き込み用の誘導型電磁変換素子を積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。また、上述した実施形態ではMR素子および誘導型電磁変換素子の両方を有する場合を例に挙げたが、MR素子のみを有していてもよい。
以上、本発明の磁気抵抗効果素子およびそれを用いた薄膜磁気ヘッドについて説明したが、本発明の磁気抵抗効果素子は磁気メモリ素子や磁気センサアセンブリに用いることもできる。ここで、磁気メモリ素子とは、上記に説明した磁気抵抗効果素子を複数個備え、複数の磁気抵抗効果素子に接続された配線部を有している。配線部は、複数の磁気抵抗効果素子の任意の一つに選択的に情報を書込み、または任意の一つから選択的に情報を読出す。磁気センサアセンブリは、上記の磁気抵抗効果素子が設けられた基板と、磁気抵抗効果素子に接続され、磁気抵抗効果素子で検出した外部磁界の磁気情報を出力するリード線とを有している。
本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの主要部の断面図である。 図1に示すMR素子を媒体対向面側から見た図である。 ホイスラー合金がL21構造をとったときの各元素の配置を示す模式図である。 ホイスラー合金がB2構造をとったときの各元素の配置を示す模式図である。 実験1で作製した磁性薄膜の、300℃でアニールした場合のAg添加量と飽和磁化Msとの関係を支示すグラフである。 実験1で作製した磁性薄膜の、320℃でアニールした場合のAg添加量と飽和磁化Msとの関係を支示すグラフである。 実験1で作製した磁性薄膜の、350℃でアニールした場合のAg添加量と飽和磁化Msとの関係を支示すグラフである。 実験2で作製した磁性薄膜の、Agの添加量が10at.%の場合の膜厚と飽和磁化Msとの関係を示すグラフである。 実験2で作製した磁性薄膜の、Agの添加量が15at.%の場合の膜厚と飽和磁化Msとの関係を示すグラフである。 実験3で作製した磁性薄膜の、付加元素のデバイ温度と規則化開始温度との関係を示すグラフである。 図1に示す薄膜磁気ヘッドが形成されたウェハの一例の平面図である。 図1に示す薄膜磁気ヘッドを含むスライダの一例の斜視図である。 図10に示すスライダを含むヘッドジンバルアセンブリの斜視図である。 図12に示すヘッドジンバルアセンブリを含むハードディスク装置の要部側面図である。 図12に示すヘッドジンバルアセンブリを含むハードディスク装置の平面図である。
符号の説明
1 薄膜磁気ヘッド
2 再生部
3 記録部
4 MR素子
13 下部シールド層
15 上部シールド層
41 バッファー層
42 反強磁性層
43 ピンド層
43a アウター層
43b 非磁性中間層
43c インナー層
44 スペーサ層
45 フリー層
46 キャップ層
47 絶縁膜
48 ハードバイアス膜

Claims (10)

  1. 組成式がXYZまたはX2YZ(ただし、Xは、Co、Ir、Rh、Pt、およびCuから選択された1種または2種以上の元素、Yは、V、Cr、Mn、およびFeから選択された1種または2種以上の元素、Zは、Al、Si、Ge、As、Sb、Bi、In、TiおよびPbから選択された1種または2種以上の元素である。XがCu,YがMn,ZがAlである組み合わせを除く。)で表される規則化された結晶構造をもつ合金からなる層を有し、
    前記合金に、前記合金の組成に含まれず、かつデバイ温度が300K以下である、少なくとも1種の付加元素が添加されている磁性薄膜。
  2. 前記合金に対する前記付加元素の添加量は2at.%以上20at.%以下である、請求項1に記載の磁性薄膜。
  3. 前記付加元素は、As、Se、Y、Zr、Nb、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Hf、Ta、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、BiおよびLaから選択される元素である、請求項1または2に記載の磁性薄膜。
  4. 前記付加元素は、Au、Ag、PdおよびNbから選択される元素である、請求項3に記載の磁性薄膜。
  5. 前記結晶構造はL21構造であり、(220)面が優先配向し、かつ格子定数が0.55nm以上0.58nm以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の磁性薄膜。
  6. 前記結晶構造はB2構造であり、(110)面が優先配向し、かつ格子定数が0.275nm以上0.29nm以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の磁性薄膜。
  7. 磁化方向が固定されたピンド層と、
    磁化方向が外部磁界に応じて変化するフリー層と、
    前記ピンド層と前記フリー層との間に設けられた非磁性のスペーサ層と、
    を有し、
    前記ピンド層および前記フリー層の少なくとも一方は、請求項1から4のいずれか1項に記載の磁性薄膜を含んでいる磁気抵抗効果素子。
  8. 前記ピンド層は、非磁性中間層と、該非磁性中間層を挟んで設けられた2つの強磁性体層とを有する、請求項7に記載の磁気抵抗効果素子。
  9. 請求項7または8に記載の磁気抵抗効果素子を有する薄膜磁気ヘッド。
  10. 請求項7または8に記載の複数の磁気抵抗効果素子と、
    前記複数の磁気抵抗効果素子に接続され、前記複数の磁気抵抗効果素子の任意の一つに選択的に情報を書込み、または任意の一つから選択的に情報を読出す配線部と、
    を有する、
    磁気メモリ素子。
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