JP4160945B2 - 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4160945B2
JP4160945B2 JP2004299979A JP2004299979A JP4160945B2 JP 4160945 B2 JP4160945 B2 JP 4160945B2 JP 2004299979 A JP2004299979 A JP 2004299979A JP 2004299979 A JP2004299979 A JP 2004299979A JP 4160945 B2 JP4160945 B2 JP 4160945B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
cobalt
film thickness
element according
cobalt iron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004299979A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005244169A (ja
Inventor
大助 宮内
友人 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2004299979A priority Critical patent/JP4160945B2/ja
Priority to US11/043,118 priority patent/US7310210B2/en
Publication of JP2005244169A publication Critical patent/JP2005244169A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4160945B2 publication Critical patent/JP4160945B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/33Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only
    • G11B5/39Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects
    • G11B5/3903Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects using magnetic thin film layers or their effects, the films being part of integrated structures
    • G11B5/3906Details related to the use of magnetic thin film layers or to their effects
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/33Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only
    • G11B5/39Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects
    • G11B2005/3996Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects large or giant magnetoresistive effects [GMR], e.g. as generated in spin-valve [SV] devices

Description

本発明は磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置に関し、特にハードディスク装置の等の磁気記録装置の薄膜磁気ヘッドに用いられる磁気抵抗効果素子に関する。
磁気記録の高密度化に対応するため、再生素子としてGMR(Giant Magneto-resistive)膜を用いた磁気ヘッドが開発されている。とりわけ、スピンバルブ(SV)膜を用いたGMR素子は、記録媒体の記録を読み出すために素子に流されるセンス電流に対する抵抗変化が大きく、より高感度の磁気ヘッドを提供することができる。ここでSV膜とは、磁化の方向が一方向に固定された強磁性膜(以下、ピンド層ともいう。)と、記録媒体が発生する外部磁界に応じて磁化の方向を変える強磁性膜(以下、フリー層ともいう。)との間に非磁性中間層を挟んで構成された積層膜である。SV膜では、フリー層の磁化方向は、ピンド層の磁化方向に対して、外部磁界に応じて相対角度をなし、相対角度に応じて伝導電子のスピン依存散乱が変化して磁気抵抗変化が生じる。磁気ヘッドは、この磁気抵抗変化を検出して、記録媒体の磁気情報を読み取る。
SV膜を使用したMR素子は、従来、膜面に平行にセンス電流を流すCIP(Current in Plane)-GMR素子が中心であったが、最近では、更なる高密度化に対応するため、膜面に垂直にセンス電流を流すCPP(Current Perpendicular to the Plane)-GMR素子を用いた磁気ヘッドの開発も進められている。CPPタイプの素子としては、他にTMR(Tunnnel Magneto-resistance)膜を用いたTMR素子があるが、CPP-GMR素子は、TMR素子と比較して低抵抗であること、CIP-GMR素子と比較して狭トラック幅での読み取りでも高出力が得られることから、高いポテンシャルを持つ素子として期待されている。
しかしながら、CIP-GMR素子と同様の膜構成のSV膜をそのままCPP-GMR素子に適用しても、十分な磁気抵抗変化を得ることができない。これは、抵抗変化に寄与する部分(フリー層、ピンド層、非磁性中間層)の抵抗が、素子全体の抵抗の中で占める割合が少ないことが主な原因である。すなわち、CIP-GMR素子の場合、通電方向は膜面内方向であるため、界面におけるスピン依存散乱による磁気抵抗変化が面内方向に十分得られるのに対し、CPP-GMR素子では、センス電流は膜面すなわち界面を垂直に通過するので、界面におけるスピン依存散乱が十分に生じず、しかも、通常のGMR素子では界面数は非磁性中間層とフリー層、ピンド層との間の2つしかないため、界面の磁気抵抗変化への寄与が少ないことが大きな要因である。一方、CPP-GMR素子においては、センス電流が各層を貫通して流れることから、各層内部の伝導電子の散乱、すなわちバルク散乱は一般にCIP素子よりも大きく、磁気抵抗変化に寄与しやすい。このため、CPP-GMR素子では、フリー層、ピンド層を厚くすることが大きな抵抗変化を得るために効果的である。
また、SV膜のフリー層、ピンド層を厚くする代わりに、フリー層またはピンド層に非磁性中間層を挿入し、界面数を増やすことによって磁気抵抗効果を大きくする技術も開示されている(例えば、特許文献1参照。)。具体的には、ニッケル鉄合金CoFeBと、非磁性層Cuと、コバルト鉄合金CoFeBとを積層したフリー層構成が提案されている(CoFeB/Cu/CoFeB積層構造)。このような膜構成では、CoFe系合金とCuとの間の界面のスピン分極が大きいため、スピン依存散乱が促進され、大きな磁気抵抗変化を得ることができる。
さらに、CIP-GMR素子のフリー層のように、CoFe/NiFeを用いた積層構造とCu層とを積層する膜構成も開示されている(NiFe/CoFe/Cu/CoFe/NiFe積層構造。例えば、特許文献2参照。)。CoFeとNiFeとを積層することによって、CoFe/Cu界面の大きなスピン分極と、NiFeの軟磁気特性とを併せ持たせることができる。
特開2003−152239号公報 特開2003−8103号公報
このように、CPP-GMR素子ではフリー層、ピンド層が厚くなる傾向にあるが、フリー層においては、低ノイズ化、スタビリティの確保が重要であり、そのために軟磁気特性が重要となる。さらにヘッドの高感度化の観点からも、軟磁気特性が重要である。高感度化に対しては、記録媒体からの限られた磁束でフリー層の磁化を回転させることが必要となるため、フリー層の膜厚を大きくすることは望ましくない。
また、特許文献1、2には、磁気抵抗変化の大きなフリー層を構成する技術について、基本的な膜構成は開示されているものの、磁気抵抗変化特性、磁歪等の軟磁気特性を考慮した好適な膜構成は明らかにされていない。
本発明は、以上の事情に鑑み、フリー層の軟磁気特性に優れ、かつ、より大きな磁気抵抗変化を得ることのできる磁気抵抗効果素子および薄膜磁気ヘッド等を提供することにある。
本発明の磁気抵抗効果素子は、外部磁界に対して磁化方向が固定されたピンド層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化するフリー層と、ピンド層とフリー層とに挟まれた、銅を主成分とするスペーサ層とを有し、ピンド層、スペーサ層、およびフリー層の各層を略積層方向にセンス電流が流れる。フリー層は、銅を主成分とする非磁性層と、非磁性層の両側界面に設けられたコバルト鉄合金からなる第1のコバルト鉄層とを有する少なくとも1つの中間積層体と、中間積層体の両側界面に設けられたニッケル鉄合金層と、中間積層体とニッケル鉄合金層とからなる積層体の、スペーサ層に面する側の界面に、スペーサ層と接して形成された、コバルト鉄合金からなる第2のコバルト鉄層と、中間積層体とニッケル鉄合金層とからなる積層体の他方の面に形成された、コバルト鉄合金からなる第3のコバルト鉄層と、を有している。
このように構成された磁気抵抗効果素子では、フリー層に、非磁性層の両側界面をコバルト鉄合金で挟んだ中間積層体を設けることによって、非磁性層界面のスピン分極率が大きくなり、磁気抵抗効果が増加する。また、中間積層体をニッケル鉄合金で挟むことによって軟磁気特性が改善される。この結果、大きな磁気抵抗変化と、良好な軟磁気特性とを有する磁気抵抗効果素子を得ることができる。また、中間積層体とニッケル鉄合金層とからなる積層体の、スペーサ層に面する側の界面にコバルト鉄合金層を挿入することによって、界面散乱効果を高めるとともに、スペーサ層との拡散を抑え、さらにはバルク散乱効果を高めることもできる。
ここで、第1、第2、第3のコバルト鉄層のコバルト原子分率はいずれも50%以上90%以下で、かつ、ニッケル鉄合金層のニッケル原子分率は70%以上90%以下であるのが好ましい。
また、第1、第2、第3のコバルト鉄層のコバルト原子分率は、各々65%以上75%以下であるのが好ましい。
一方、第1のコバルト鉄層の膜厚は、0.2nm以上1nm以下であるのが好ましい。
第2のコバルト鉄層の膜厚は、0.5nm以上1.5nm以下であるのが好ましく、より好ましくは略1nmである。
第3のコバルト鉄層の膜厚は、0.5nm以上1.5nm以下であるのが好ましく、より好ましくは略1nmである。
ニッケル鉄合金層の膜厚は、1.5nm以上3nm以下であるのが好ましい。
さらに、第1のコバルト鉄層は、コバルト原子分率が略70%、膜厚が略0.5nmであり、第2、第3のコバルト鉄層は、コバルト原子分率が略70%、膜厚が略1nmであり、ニッケル鉄合金層は、ニッケル原子分率が略81%、膜厚が略2nmであるのが好ましい。
本発明の薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面に、記録媒体に記録されたデータを読み取る、上記の磁気抵抗効果素子を有する。
本発明のヘッドジンバルアセンブリは、上記の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向して配置されるスライダと、スライダを弾性的に支持するサスペンションとを有する。
本発明のハードディスク装置は、上記の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向して配置されるスライダと、スライダを支持するとともに記録媒体に対して位置決めする位置決め装置とを有する。
以上説明したように、本発明によれば、フリー層に、非磁性層の両界面がコバルト鉄合金で挟まれた中間積層体を用いることで磁気抵抗効果が向上し、この中間積層体をニッケル鉄合金で挟むことで軟磁気特性が改善される。このようにして、CPP−GMR素子のフリー層に求められる磁気特性が一段と改善され、再生出力の品質に優れた磁気抵抗効果素子を提供することができる。
本発明の磁気抵抗効果素子(以下CPP素子2という。)の実施形態を、図面を用いて説明する。図1は本発明の磁気抵抗素子を用いた薄膜磁気ヘッド1の部分斜視図である。薄膜磁気ヘッド1は読み込み専用のヘッドでもよく、記録部をさらに有するMR/インダクティブ複合ヘッドでもよい。CPP素子2は、上部電極兼シールド3と下部電極兼シールド4との間に挟まれ、先端部が記録媒体21と対向する位置に配置されている。CPP素子2には、図1中の矢印に示すように、上部電極兼シールド3と下部電極兼シールド4との間にかかる電圧によって、上部電極兼シールド3からCPP素子2を積層方向に貫通して下部電極兼シールド4に向かうセンス電流22が流れている。CPP素子2との対向面における記録媒体21の磁界は、記録媒体21の記録媒体移動方向23への移動につれて変化する。CPP素子2は、この磁界の変化を、GMR効果によって得られるセンス電流22の電気抵抗変化として検出することにより、記録媒体21の各磁区に書き込まれた磁気情報を読み出すことができる。
図2にはCPP素子2の断面構成を示す。本断面は図1におけるA−A方向の断面図であり、ABS面から見た積層構造を示している。なお、ABS面とは、薄膜磁気ヘッド1の、記録媒体21との対向面である。
CPP素子2は、NiFeCr層からなる下部電極兼シールド4の上に、Ta/NiCr層からなるバッファ層5、IrMn層からなる反強磁性層6、ピンド層7、Cuからなるスペーサ層8、フリー層9、キャップ層10がこの順に積層された積層部を有している。スペーサ層8のCu層には多少の添加物が含まれていてもよく、少なくともCuが主成分となっていればよい。バッファ層5からキャップ層10までの積層部はSV膜と呼ばれる。キャップ層10はCu層とRu層からなり、SV膜の劣化防止のために設けられる。キャップ層10の上にはNiFe膜からなる上部電極兼シールド3が形成されている。ピンド層7は、外部磁界に対して磁化方向が固定され、フリー層9は、外部磁界に応じて磁化方向が変化する。CPP素子2の側方には、絶縁膜11を介して硬質磁性層12が形成されている。硬質磁性層12はフリー層9の磁区を単磁区化するための磁区制御膜である。絶縁膜11はAl2O3、硬質磁性層12はCoPt、CoCrPtなどが用いられる。再生トラック幅はSV膜の幅によって規定され、0.1μm以下程度の幅に形成されている。
表1にはCPP素子2の膜構成の一例を示す。表1は、下部電極兼シールド4に接するバッファー層5のTa層から、上部電極兼シールド3に接するキャップ層10のRu層に向けて積層順に下から上に記載している。
Figure 0004160945
本明細書では、膜構成を示すのにA/B/(C/D)x/E/Fなる表記をする場合がある。ここでxは整数であり、例えばx=2の場合、積層体は、層A、層B、層C、層D,層C、層D,層E、層Fの順に積層されていることを示す。また、Co70Fe30等の記載は原子分率(数値の単位は%)を意味する。ただし、Co70Fe30等の表記をする場合であっても、同等の磁気特性が得られる範囲において、他の微量の元素が添加されていてもよく、厳密な意味で、各層が表記された元素だけで構成されることを意味しない。以下、表1に基づいて、ピンド層7とフリー層9について詳細に説明する。
ピンド層7は、磁性層であるアウターピンド層71と、非磁性中間層72と、磁性層であるインナーピンド層73とがこの順で積層されたシンセティックピンド層である。シンセティックピンド層では、アウターピンド層71とインナーピンド層73とが非磁性中間層72によって反強磁性的に結合され、ピンド層7の実効磁化が抑制され、安定な磁化状態を保つことができる。
ピンド層7に要求される磁気特性は、磁化が強く固定され、外部磁界に対して応答しにくいことである。したがって、シンセティックピンド層においては、まず、反強磁性層6とアウターピンド層71との交換結合が強いことが必要とされ、さらに、アウターピンド層71とインナーピンド層73との反強磁性的結合が強いことが必要とされる。これらの要求を満たすため、アウターピンド層71としては、例えばCo50Fe50が、非磁性中間層72としてはRu層が用いられる。また、インナーピンド層73としては、例えばCo50Fe50/Cu/Co50Fe50やCo50Fe50が用いられる。インナーピンド層73にCu層を挿入すると、界面数が増え、界面散乱効果が増加し磁気抵抗効果を大きくする効果が得られる。
CPP−GMR素子では、磁気抵抗効果に対するバルク散乱の寄与が大きいため、より厚い磁性膜を用いることによって、より大きな磁気抵抗変化が得られる。また、インナーピンド層73とアウターピンド層71の磁化を揃える必要があるので、結果的にアウターピンド層71も厚くなる。このため、ピンド層7の膜厚は全体で9nmとかなり大きい。
フリー層9は、Co70Fe30からなる第2CoFe合金層91、Ni81Fe19からなるNiFe合金層92a、Co70Fe30からなる第1CoFe合金層93a、Cuからなる非磁性層94、第1CoFe合金層93bと同一の組成、膜厚を持つ第1CoFe合金層93b、NiFe合金層92aと同一の組成、膜厚を持つNiFe合金層92b、Co70Fe30からなる第3CoFe合金層95がこの順で積層されて形成されている。非磁性層94のCu層には多少の添加物が含まれていてもよく、少なくともCuが主成分となっていればよい。
フリー層9の基本膜構成は、より一般的にはCoFe/NiFe/CoFe/Cu/(CoFe/NiFe/CoFe/Cu)x-1/CoFe/NiFe/CoFe(xは1以上の整数。)と表記することができ、上述の構成はx=1の場合に相当する。ここで、この基本膜構成がどのような考え方に基づき得られるのかを、各層の機能とともに説明する。
フリー層9は、まずCoFe/Cu/CoFe(第1CoFe合金層93a/非磁性層94/第1CoFe合金層93b)で構成される中間積層体98を有している。Cu層である非磁性層94は界面散乱を増やし、磁気抵抗変化率を大きくするために挿入される。Cu層の界面散乱効果を高めるためには、Cu層の両側界面をCoFe層とするのが好ましく、特にCo70Fe30を用いることが好ましい。中間積層体98は複数組でも1組でもよい。中間積層体98の両側界面にはNiFe層(NiFe合金層92a、92b)を設けられている。これは、フリー層9の軟磁気特性を向上させるためである。本発明では中間積層体98にややFe原子分率の高い(Feリッチ)Co70Fe30を用いており、フリー層9の軟磁気特性が悪化する可能性がある。軟磁性層であるNiFe合金層92a、92bは、この軟磁気特性の悪化を補償することができる。
この結果、NiFe/中間積層体/NiFe、またはNiFe/中間積層体/NiFe/中間積層体/・・・/NiFeという積層体99が形成される。この積層体99の両界面をさらに、第2CoFe合金層91と第3CoFe合金層95とで覆ったのが上述の基本膜構成である。ここで、第2CoFe合金層91は、Cu層であるスペーサ層8との間の界面散乱を高める狙いがある。また、第2CoFe合金層91と第3CoFe合金層95はともに、スペーサ層8やキャップ層10のCu層との拡散を抑え、バルク散乱を高める狙いがある。さらに、後述するように、第2CoFe合金層91と第3CoFe合金層95の組成、膜厚を調整することによって、磁歪や保磁力が適正化される。
このようにして、フリー層9は、界面散乱の増加等による磁気抵抗変化率の向上と、磁歪の抑制等による軟磁気特性の改善とを図ることが可能となる。なお、ここでは軟磁性層としてNiFeを用いたが、代わりにNiFeCoを用いることもできる。
図3には、表1に示す素子の磁気抵抗変化率の測定例を示す。磁気抵抗変化率の測定においては、下部電極には実際の素子と同じNiFe合金を、上部電極にはCu膜を用いた。SV膜はミリングによって加工され、側方にAl2O3からなる絶縁膜が埋め戻された。成膜プロセスにはスパッタ法を用い、成膜後はピンド層7の固定のため、270度、4時間のアニールが施された。SV膜の形状は、0.2μm径のピラー形状とした。図中、横軸は印加磁界、縦軸は磁気抵抗変化率を示す。磁気抵抗変化率は、−79.6kA/mの磁界を印加したときのピラー抵抗Rに対する各磁界強度における抵抗変化dRの比、すなわちdR/Rとして得られる。ただし、本明細書においては、磁気抵抗変化率はdR/Rの最大値の意味で用いられる。
図4には、表1に示す素子の保磁力の測定例を示す。保磁力および磁歪の測定に用いた素子は、酸化Si基板上に成膜したSV膜である。同図はSV膜に面内方向に電流を流したときのMR曲線を示しており、保磁力は、このMR曲線のマイナーループから見積もられた。保磁力はVSM(Vibration sample magnetometer)によって測定することもできるが、MR曲線から見積もるほうがより正確と考えられる。なお、図4において、縦軸の磁気抵抗変化率は参考値に過ぎない。また、磁歪は、サンプルに磁界を印加し、長さの変化ΔL/Lで定義される。
これらの測定の結果、表1に示す素子は、磁気抵抗変化率3.1%、保磁力310A/m、磁歪3.1×10-7であった。これらはいずれも良好な値であり、本発明の磁気抵抗効果素子は、高い磁気抵抗変化率と、小さな磁歪等による良好な軟磁気特性というフリー層に必要な諸特性を満足し、高品質の再生出力を実現できることを意味している。
このように、表1に示す膜構成は本発明の磁気抵抗変化素子における好ましい実施形態の一つであるが、膜構成は表1に限定されない。そこで、膜構成の好適範囲を検討するため、以下の7種類の検討を行った。
第1の検討:第1CoFe合金層93a、93b、非磁性層94の有無
第2の検討:第1CoFe合金層93a、93b、第2CoFe合金層91、第3CoFe合金層95のCo原子分率の好適範囲
第3の検討:NiFe合金層92a、92bのNi原子分率の好適範囲
第4の検討:第1CoFe合金層93a、93bの膜厚の好適範囲
第5の検討:第2CoFe合金層91および第3CoFe合金層95の膜厚の好適範囲
第6の検討:NiFe合金層92a、92bの膜厚の好適範囲
第7の検討:非磁性層94の膜厚の好適範囲
以下、順に検討結果を説明する。なお、以下の検討で、「ベースケース」は表1に示した膜構成を意味する。また、フリー層以外の膜構成は表1の膜構成と同一であるため、記載を省略した。
(第1の検討)第1CoFe合金層93a、93b、非磁性層94の有無
まず、第1CoFe合金層93a、93b、非磁性層94、すなわち中間積層体98の効果を検討するため、ベースケースと中間積層体98を設けない膜構成との比較をおこなった。フリー層9のトータル厚はいずれのケースも7nmとした。表2に結果を示す。Cu層の挿入(中間積層体98の挿入)により、大幅な磁気抵抗変化の向上が確認された。以降の検討では、中間積層体98を挿入したフリー層の膜構成をベースとして、磁気抵抗変化、磁歪、保磁力の観点から、組成、層厚の最適化を図った。
Figure 0004160945
(第2の検討)第1CoFe合金層93a、93b、第2CoFe合金層91、第3CoFe合金層95のCo原子分率の好適範囲
まず、フリー層9の各CoFe層のCo原子分率が磁気抵抗変化率に及ぼす影響を検討するため、すべてのCoFe層(第1CoFe合金層93a、93b、第2CoFe合金層91、第3CoFe合金層95)のCo原子分率を変えて、磁気抵抗変化率を測定した。表3に結果を示す。磁気抵抗変化率はCo原子分率が低く、Feの原子分率が高いほうが有利である。
Figure 0004160945
フリー層9の各CoFe層のうち、特に磁気抵抗変化に寄与すると考えられるのは、非磁性中間磁性層8に接する第2CoFe合金層91である。そこで次に、第2CoFe合金層91のCo原子分率だけを変え、同様に磁気抵抗変化率を測定した。本検討では特記ない場合、各層の膜厚は「ベースケース」と同一とした。表4に結果を示す。第2CoFe合金層91のCo原子分率と磁気抵抗変化との関係は、表3と同様な傾向にあり、第2CoFe合金層91のCo原子分率の寄与が大きいことが確認された。
以上の検討より、第1CoFe合金層93a、93b、第2CoFe合金層91、第3CoFe合金層95のCo原子分率は、90%以下であれば実用上大きな問題はないが、好ましくは75%以下とするのがよい。また、特に第2CoFe合金層91は、磁気抵抗変化率への寄与の観点から、上記のCo原子分率の範囲内とすることが重要である。
なお、上記の組成の中で、Co90Fe10のみがfcc(面心立方)構造の膜であり、その他の組成はbcc(体心立方)構造の膜である。これより、bcc構造のCoFe層を用いることによって、より大きな磁気抵抗変化率が得られることがわかる。
Figure 0004160945
前述のとおり、フリー層9は磁気抵抗変化率だけでなく、ヘッドの感度やスタビリティの向上のために、軟磁気特性が重要である。そこで、同様にフリー層9の各CoFe層のCo原子分率を変え、保磁力と磁歪を測定した。まず、第1のケースとして、スペーサ層8と隣接する第2CoFe合金層91以外のCoFe層の組成をCo90Fe10とした。第2CoFe合金層91のCo原子分率は70%のままとした。これは、上述の検討結果(特に表4)に基づき、磁気抵抗変化率の悪化を避けるためである。次に、第2のケースとして、第2CoFe合金層91の組成をCo50Fe50とした。第2CoFe合金層91以外のCoFe層のCo原子分率は70%のままとした。これは、保磁力、磁歪の悪化を避けるためである。
表5に結果を示す。これより、保磁力、磁歪の観点からは、Co原子分率70%程度がよく、90%でも良好な特性が得られる。しかし、Co原子分率50%では軟磁気特性が悪化する。
Figure 0004160945
これらの検討より、フリー層9の各CoFe層(第1CoFe合金層93a、93b、第2CoFe合金層91、第3CoFe合金層95)のCo原子分率は、上限値は表3,4に示す磁気抵抗変化によって規定され、90%以下が好ましく、75%以下がより好ましい。下限値は表5,6に示す保磁力と磁歪とによって規定され、50%未満まで下げることは好ましくなく、保磁力と磁歪をある程度抑えるために、65%程度以上を確保することが望ましい。た、表3〜5の結果を総合判断すると、70%付近が最も好ましい。
(第3の検討)NiFe合金層92a、92bのNi原子分率の好適範囲
次に、フリー層9のNiFe合金層92a、92bのNi原子分率が保磁力と磁歪に及ぼす影響を検討するため、NiFe合金層92a、92bのNi原子分率を変えて保磁力と磁歪を測定した。各層の膜厚は「ベースケース」と同一とした。表6に結果を示す。Ni81Fe19近傍の組成では、基本的に軟磁気特性が良好であり、磁歪、保磁力とも大きく変ることはない。Ni原子分率は、90%を越えると磁歪が大きな負値となり、70%を下回ると保磁力が増加するので、70%から90%の範囲が好ましく、特に79〜83%が好ましい。
Figure 0004160945
(第4の検討)第1CoFe合金層93a、93bの膜厚の好適範囲
次に、第1CoFe合金層93a、93bの膜厚が磁気抵抗変化率に及ぼす影響を検討するため、第1CoFe合金層93a、93bの膜厚を互いに同一の値で変化させ、磁気抵抗変化率を測定した。表7に結果を示す。磁気抵抗変化率は、膜厚に対して比較的鈍感であるが、1nmを超えると磁気抵抗変化率はほとんど増加しない。一方、フリー層は、高感度化のために飽和磁化と膜厚の積が小さいことが望ましいので、同程度の磁気抵抗変化率であれば、フリー層の膜厚は小さい方が望ましい。これより、膜厚の上限値は1nm程度が好ましい。一方、下限値は、成膜の再現性の観点から、0.2nm程度とした。
Figure 0004160945
(第5の検討)第2CoFe合金層91、第3CoFe合金層95の膜厚の好適範囲
まず、第2CoFe合金層91の膜厚が磁気抵抗変化率に及ぼす影響を検討するため、第2CoFe合金層91の膜厚を変え、磁気抵抗変化率を測定した。表8に結果を示す。磁気抵抗変化率は、膜厚に対して比較的鈍感であるが、膜厚の増加とともに磁気抵抗変化率が徐々に大きくなる。ただし、膜厚を1nmから1.5nmに増やしても、磁気抵抗変化率はほとんど変わらず、1.5nm以上の膜厚とする意味は小さい。第4の検討と同様、フリー層は、同じ磁気抵抗変化率であれば、膜厚は小さいほうがよいので、膜厚の上限値は1.5nmが好ましい。一方、膜厚を薄くしていくと磁気抵抗変化率が下がっていき、0.3nmでは大きく磁気抵抗変化率が低下している。これより、膜厚の下限値は0.5nmが好ましい。
Figure 0004160945
同様にして、第3CoFe合金層95の膜厚が磁気抵抗変化率に及ぼす影響を検討するため、第3CoFe合金層95の膜厚を変え、磁気抵抗変化率を測定した。表9に結果を示す。磁気抵抗変化率は、膜厚に対して比較的鈍感であり、上述の理由から膜厚を大きくする必要性は小さい。
Figure 0004160945
そこで、次に、軟磁気特性の観点から好適範囲を検討するため、第2CoFe合金層91、第3CoFe合金層95の膜厚をいずれかまたは両方を0.5nmとして、保磁力と磁歪を測定した。また、第2CoFe合金層91については膜厚を1.5nmとした場合も検討した。表10に結果を示す。
第2CoFe合金層91、第3CoFe合金層95の膜厚がベースケースよりも減ると、保磁力は減少する傾向にある。一方、第2CoFe合金層91の膜厚を1.5nmまで増やすと、保磁力も増えるが、まだ比較的小さな保磁力を維持できる。
一方、磁歪は、第2CoFe合金層91、第3CoFe合金層95の膜厚が大きく影響する。これらの膜厚がいずれも0.5nmの場合には磁歪が正の比較的大きな値となり、これ以上膜厚を下げることは好ましくない。しかし、少なくともいずれか一方の層厚を1nmとすれば、磁歪の絶対値を低減することが可能である。
以上の検討より、第2CoFe合金層91、第3CoFe合金層95の膜厚は0.5nm〜1.5nmの範囲とすれば実用上の問題は少ない。ただし、少なくともいずれかは1nm程度あるのが好ましく、ともに1nm付近とするのがより好ましい。
Figure 0004160945
(第6の検討)NiFe合金層92a、92bの膜厚の好適範囲
次に、NiFe合金層92a、92bの膜厚が磁気抵抗変化率に及ぼす影響を検討するため、NiFe合金層92a、92bの膜厚を互いに同一の値で変化させ、磁気抵抗変化率を測定した。表11に結果を示す。NiFe層厚に対しても、磁気抵抗変化率は比較的鈍感であるが、1nmを下回ると磁気抵抗変化率の点からは好ましくない。また、上述したとおり、フリー層の軟磁気特性はNiFe層に依存しているため、NiFe層が薄くなることは好ましくない。このため、膜厚の下限値は1.5nm程度が好ましい。一方、膜厚を上げていくと、3.5nm付近で磁気抵抗変化率が減少する。これは、磁性層が厚くなりすぎることにより、伝導電子のスピンが保持されずに、むしろ磁気抵抗変化率が低下したためと考えられる。また、同程度の磁気抵抗変化率であれば、フリー層の膜厚は小さいことが望ましい。これらを考慮し、膜厚の上限値は3nm程度が好ましい。
Figure 0004160945
(第7の検討)非磁性層94の膜厚の好適範囲
次に、非磁性層94の膜厚が磁気抵抗変化率に及ぼす影響を検討するため、非磁性層94の膜厚を変え、磁気抵抗変化率を測定した。表12に結果を示す。磁気抵抗変化率は、非磁性層94の膜厚に対して比較的鈍感であるが、0.2nm程度の層厚が磁気抵抗変化率の観点から適している。
以上より、本願発明の磁気抵抗効果素子において、磁気抵抗変化率、保磁力、フリー層の磁歪のいずれもが良好な膜構成の範囲を確認した。
Figure 0004160945
最後に、ベースケースの膜構成(表1参照)のCPPヘッドを試作し、素子としての特性を評価した。比較例1として、第1の検討で用いた第1CoFe合金層93a、93b、非磁性層94のないCPPヘッドを試作した。また、比較例2として、第2の検討で用いた第2CoFe合金層91のCo原子分率を50%としたCPPヘッドを試作した。いずれのCPPヘッドも、ジャンクションサイズは0.1μm×0.1μmとし、絶縁膜11には膜厚10nmのAl2O3膜、硬質磁性層12には膜厚30nmのCoCrPt膜を用いた。測定時のセンス電流は、5mAとした。評価項目は孤立再生波の出力と、ベースケースでの値で規準化したバルクハウゼンノイズの発生確率とした。
結果を表13に示す。比較例1は再生出力が大きく劣り、比較例2はバルクハウゼンノイズの発生確率が非常に大きくなり、ヘッドの安定性という点で問題がある。これらの傾向はSV膜としての上述の検討結果ともよく整合しており、本発明に係るSV膜の膜構成は、ヘッドとして組み立てても良好な再生特性が得られることが確認された。
Figure 0004160945
次に、上述したCPP素子2をヘッド素子とした薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるウエハについて説明する。図5はウエハの概念的な平面図である。ウエハ100は複数の薄膜磁気変換素子集合体101に区画される。薄膜磁気変換素子集合体101は、CPP素子2が積層された薄膜磁気変換素子102を含み、媒体対向面ABSを研磨加工する際の作業単位となる。薄膜磁気変換素子集合体101間および薄膜磁気変換素子102間には切断のための切り代(図示せず)が設けられている。
次に、CPP素子2をヘッド素子として用いたヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置について説明する。まず、図6を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。ハードディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体であるハードディスクに対向するように配置される。スライダ210は、主に図6における基板1およびオーバーコート層17からなる基体211を備えている。基体211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の六面のうちの一面は、ハードディスクに対向するようになっている。この一面には、媒体対向面となるエアベアリング面20が形成されている。ハードディスクが図6におけるz方向に回転すると、ハードディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、図6におけるy方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によってハードディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図6におけるx方向は、ハードディスクのトラック横断方向である。スライダ210の空気流出側の端部(図6における左下の端部)の近傍には、CPP素子2をヘッド素子として用いた薄膜磁気ヘッド100が形成されている。
次に、図7を参照して、CPP素子2をヘッド素子として用いたヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、スライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222と、ロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。ベースプレート224は、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、アーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
図7は、ヘッドアームアセンブリの一例を示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
次に、図8および図9を参照して、CPP素子2をヘッド素子として用いたヘッドスタックアセンブリとハードディスク装置について説明する。図8はハードディスク装置の要部を示す説明図、図9はハードディスク装置の平面図である。ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252の反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、ハードディスク装置に組み込まれる。ハードディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚のハードディスク262を有している。ハードディスク262毎に、ハードディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、本発明における位置決め装置に対応し、スライダ210を支持すると共にハードディスク262に対して位置決めする。
本ハードディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210をハードディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって、ハードディスク262に情報を記録し、CPP素子2をヘッド素子として用いた再生ヘッドによって、ハードディスク262に記録されている情報を再生する。
なお、本発明の磁気抵抗効果素子は、以上説明した範囲に限定されない。たとえばピンド層としては、シンセティックピンド層だけでなく単層の強磁性層を用いてもよい。NiFe層は、同様な軟磁気特性が維持される範囲内であれば、微量のCoをはじめとする元素を添加してもよい。さらに、SV膜の全体構成としてボトムSV膜に限定されるものではなく、デュアルSV膜としてもよい。その場合は、フリー層上に非磁性中間層、シンセティックピンド層、反強磁性層、キャップ層がこの順で積層された膜構成となる。
本発明の磁気抵抗効果素子を組み込んだ薄膜磁気ヘッドの斜視図である。 図1に示す磁気抵抗効果素子をABS面から見た断面図である。 本発明の磁気抵抗効果素子の磁気抵抗変化率の測定例を示す図である。 本発明の磁気抵抗効果素子の保磁力の測定例を示す図である。 本発明の磁気抵抗効果素子を組み込んだ薄膜磁気ヘッドの製造に係るウエハの平面図である。 本発明の磁気抵抗効果素子を組み込んだヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。 本発明の磁気抵抗効果素子を組み込んだヘッドジンバルアセンブリを含むヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。 本発明の磁気抵抗効果素子を組み込んだハードディスク装置の要部を示す説明図である。 本発明の磁気抵抗効果素子を組み込んだハードディスク装置の平面図である。
符号の説明
1 薄膜磁気ヘッド
2 CPP素子
3 上部電極兼シールド
4 下部電極兼シールド
5 バッファ層
6 反強磁性層
7 ピンド層
71 アウターピンド層
72 非磁性中間層
73 インナーピンド層
8 非磁性中間層
9 フリー層
91 第2CoFe層
92a、92b NiFe層
93a、93b 第1CoFe層
94 非磁性層
95 第3CoFe層
10 上部磁極層
10 キャップ層
11 絶縁膜
12 硬質磁性層
21 記録媒体
22 センス電流
23 記録媒体移動方向

Claims (15)

  1. 外部磁界に対して磁化方向が固定されたピンド層と、
    前記外部磁界に応じて磁化方向が変化するフリー層と、
    前記ピンド層と前記フリー層とに挟まれた、銅を主成分とするスペーサ層とを有し、
    前記ピンド層、前記スペーサ層、および前記フリー層の各層を略積層方向にセンス電流が流れ、
    前記フリー層は、銅を主成分とする非磁性層と、該非磁性層の両側界面に設けられたコバルト鉄合金からなる第1のコバルト鉄層とを有する少なくとも1つの中間積層体と、
    該中間積層体の両側界面に設けられたニッケル鉄合金層と、
    前記中間積層体と前記ニッケル鉄合金層とからなる積層体の、前記スペーサ層に面する側の界面に、該スペーサ層と接して形成された、コバルト鉄合金からなる第2のコバルト鉄層と、
    前記中間積層体と前記ニッケル鉄合金層とからなる前記積層体の他方の面に形成された、コバルト鉄合金からなる第3のコバルト鉄層と、
    を有する、磁気抵抗効果素子。
  2. 前記第1、第2、第3のコバルト鉄層のコバルト原子分率は50%以上90%以下であり、
    前記ニッケル鉄合金層のニッケル原子分率は70%以上90%以下である、
    請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記第1のコバルト鉄層のコバルト原子分率は65%以上75%以下である、請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記第2のコバルト鉄層のコバルト原子分率は65%以上75%以下である、請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記第3のコバルト鉄層のコバルト原子分率は65%以上75%以下である、請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 前記第1のコバルト鉄層の膜厚は、0.2nm以上1nm以下である、請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
  7. 前記第2のコバルト鉄層の膜厚は、0.5nm以上1.5nm以下である、請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
  8. 前記第2のコバルト鉄層の膜厚は、略1nmである、請求項7に記載の磁気抵抗効果素子。
  9. 前記第3のコバルト鉄層の膜厚は、0.5nm以上1.5nm以下である、請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
  10. 前記第3のコバルト鉄層の膜厚は、略1nmである、請求項9に記載の磁気抵抗効果素子。
  11. 前記ニッケル鉄合金層の膜厚は、1.5nm以上3nm以下である、請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
  12. 前記第1のコバルト鉄層は、コバルト原子分率が略70%、膜厚が略0.5nmであり、
    前記第2、第3のコバルト鉄層は、コバルト原子分率が略70%、膜厚が略1nmであり、
    前記ニッケル鉄合金層は、ニッケル原子分率が略81%、膜厚が略2nmである、請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
  13. 記録媒体に対向する媒体対向面に、該記録媒体に記録されたデータを読み取る請求項1から12のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子を有する薄膜磁気ヘッド。
  14. 請求項13に記載の薄膜磁気ヘッドを含み、前記記録媒体に対向して配置されるスライダと、
    前記スライダを弾性的に支持するサスペンションとを有するヘッドジンバルアセンブリ。
  15. 請求項13に記載の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向して配置されるスライダと、
    前記スライダを支持するとともに前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置とを有するハードディスク装置。
JP2004299979A 2004-01-30 2004-10-14 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置 Expired - Fee Related JP4160945B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004299979A JP4160945B2 (ja) 2004-01-30 2004-10-14 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置
US11/043,118 US7310210B2 (en) 2004-01-30 2005-01-27 Magnetoresistive sensor having cobalt-iron alloy layer in free layer

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004023267 2004-01-30
JP2004299979A JP4160945B2 (ja) 2004-01-30 2004-10-14 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005244169A JP2005244169A (ja) 2005-09-08
JP4160945B2 true JP4160945B2 (ja) 2008-10-08

Family

ID=34810170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004299979A Expired - Fee Related JP4160945B2 (ja) 2004-01-30 2004-10-14 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7310210B2 (ja)
JP (1) JP4160945B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8056111B2 (en) 2006-03-29 2011-11-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Audiovisual (AV) device and control method thereof

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006086476A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Toshiba Corp 磁気記録素子および磁気記録装置
JP2006245275A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Alps Electric Co Ltd 磁気検出素子
US7791845B2 (en) * 2006-12-26 2010-09-07 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Tunneling magnetoresistive sensor having a high iron concentration free layer and an oxides of magnesium barrier layer
US7916429B2 (en) 2007-07-30 2011-03-29 Tdk Corporation Magnetic field detecting element having thin stack with a plurality of free layers and thick bias magnetic layer
US7961438B2 (en) 2008-05-28 2011-06-14 Tdk Corporation Magnetoresistive device of the CPP type, and magnetic disk system
US20100061023A1 (en) * 2008-09-11 2010-03-11 Tdk Corporation Magnetic head device and magnetic disk drive apparatus with the magnetic head device
US9040178B2 (en) * 2008-09-22 2015-05-26 Headway Technologies, Inc. TMR device with novel free layer structure
US8653615B2 (en) * 2008-11-19 2014-02-18 Headway Technologies, Inc. MR device with synthetic free layer structure
JP5132706B2 (ja) * 2010-03-31 2013-01-30 株式会社東芝 磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリおよび磁気記録再生装置
JP2012129225A (ja) * 2010-12-13 2012-07-05 Sony Corp 記憶素子、メモリ装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3590006B2 (ja) 2001-06-22 2004-11-17 株式会社東芝 磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気再生装置
JP2003152239A (ja) 2001-11-12 2003-05-23 Fujitsu Ltd 磁気抵抗効果素子、及び、それを有する読み取りヘッド並びにドライブ
JP2003309305A (ja) * 2002-04-17 2003-10-31 Alps Electric Co Ltd 磁気検出素子
US7394626B2 (en) * 2002-11-01 2008-07-01 Nec Corporation Magnetoresistance device with a diffusion barrier between a conductor and a magnetoresistance element and method of fabricating the same
US7277260B2 (en) * 2004-09-21 2007-10-02 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands, B.V. Magnetic head spin valve structure with CoFeCu magnetic layer and ZnOx/TaOx cap layer

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8056111B2 (en) 2006-03-29 2011-11-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Audiovisual (AV) device and control method thereof
US8375417B2 (en) 2006-03-29 2013-02-12 Kabushiki Kaisha Toshiba Audiovisual (AV) device and control method thereof

Also Published As

Publication number Publication date
US7310210B2 (en) 2007-12-18
JP2005244169A (ja) 2005-09-08
US20050168888A1 (en) 2005-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4458302B2 (ja) Cpp型磁界検出素子及びその製造方法
JP4811497B2 (ja) 一対のシールド層に結合する一対の自由層を有する磁気抵抗効果素子
JP4735872B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP4008456B2 (ja) 磁界検出センサ、薄膜磁気ヘッド、薄膜磁気ヘッドのウエハ、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置
US7310210B2 (en) Magnetoresistive sensor having cobalt-iron alloy layer in free layer
JP4449951B2 (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
US8098464B2 (en) CPP-type magneto resistance element having a pair of free layers and spacer layer sandwiched therebetween
JP2008112841A (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、基体、ウェハ、ヘッドジンバルアセンブリ、ハードディスク装置
JP2008047737A (ja) 磁気抵抗効果装置、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP2007317824A (ja) 磁気抵抗効果素子およびその製造方法、ならびに薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置
US7580231B2 (en) Magneto-resistive element having a free layer provided with a ternary alloy layer
JP4308109B2 (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置
US7760475B2 (en) Magneto-resistance effect element having free layer including magnetostriction reduction layer and thin-film magnetic head
US7782576B2 (en) Exchange-coupling film incorporating stacked antiferromagnetic layer and pinned layer, and magnetoresistive element including the exchange-coupling film
JP2006086275A (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置
US8194364B2 (en) Magnetoresistive effect element in CPP-type structure including ferromagnetic layer configured with CoFe system alloy and magnetic disk device therewith
JP2008097700A (ja) 薄膜磁気ヘッド、スライダ、ウエハ、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置
JP2006286669A (ja) 磁気抵抗効果素子の製造方法
JP2009176400A (ja) Cpp型磁気抵抗効果素子および磁気ディスク装置
JP3683577B1 (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP2005223193A (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、薄膜磁気ヘッドのウエハ、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリ、ヘッドスタックアセンブリ、およびハードディスク装置
JP4471020B2 (ja) Cpp構造の磁気抵抗効果素子および磁気ディスク装置
JP2008021896A (ja) Cpp構造のgmr素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
JP2006351684A (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置
JP2005302938A (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、薄膜磁気ヘッドのウエハ、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリ、ヘッドスタックアセンブリ、およびハードディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080702

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080718

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees