JP2008097700A - 薄膜磁気ヘッド、スライダ、ウエハ、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド、スライダ、ウエハ、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置 Download PDF

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晋治 原
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幸司 島沢
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Abstract

【課題】CPP−GMR素子等において、硬磁性層のバイアス磁界を積層膜に集中させ、上部シールド層への影響を緩和する。
【解決手段】薄膜磁気ヘッドは、ピンド層7とフリー層9と中間層8とを有し膜面直交方向にセンス電流Sが流れるようにされた積層膜15と、上部シールド層3および下部シールド層4と、積層膜の両側に設けられた一対の硬磁性層13と、硬磁性層と下部シールド層との間、および硬磁性層と積層膜の側面との間に設けられた一対の下地層12と、を有している。下地層12は、下部シールド層3に面する水平部121と、積層膜15に面する傾斜部122と、を有している。水平部121は硬磁性層13の磁化を水平部と平行な方向に配向させ、傾斜部122は硬磁性層13の磁化を傾斜部と直交する方向に配向させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、薄膜磁気ヘッド、スライダ、ウエハ、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置に関し、特に、CPP(Current Perpendicular to the Plane)−GMR(Giant Magneto-Resistive)素子およびTMR(Tunneling Magneto-resistance)素子における硬磁性層の下地層の構造に関する。
ハードディスク等に用いられる薄膜磁気ヘッドとして、従来からセンス電流を膜面平行方向に流すCIP(Current In Plane)−GMR型の磁気ヘッドが知られている。これに対して、近年一層の高感度、高出力ヘッドの要求を満たす磁気ヘッドとして、センス電流を膜面直交方向に流すTMR素子、およびCPP−GMR素子が注目されている。
TMR素子は、磁性体からなるピンド層と同じく磁性体からなるフリー層とが非磁性非導電性のトンネルバリア層を挟んで積層された構成を有している。センス電流を膜面直交方向に流すと、電子はトンネルバリア層のエネルギ障壁を通過して、ピンド層からフリー層へ(またはその逆に)流れる。センス電流に対する抵抗値は、フリー層の磁化の向きとピンド層の磁化の向きとの相対的な角度に応じて変化する。TMR素子は、フリー層の磁化の向きが外部磁界に応じて変化することによって生じる、センス電流に対する抵抗値の変化(磁気抵抗変化)を検出して、記録媒体の磁気情報を読み取る。
CPP−GMR素子は、磁性体からなるフリー層と同じく磁性体からなるピンド層とが非磁性のスペーサ層を挟んで積層された構成を有している。センス電流を膜面直交方向に流すと、電子はスペーサ層を通過して、ピンド層からフリー層へ(またはその逆に)流れる。CPP−GMR素子は、TMR素子の場合と同様に、センス電流に対する抵抗値の変化(磁気抵抗変化)を検出して、記録媒体の磁気情報を読み取る。
図17は、従来技術におけるCPP−GMR素子の膜構成を示す模式図である。薄膜磁気ヘッドは、バッファ層5、反強磁性層6、ピンド層7、スペーサ層8、フリー層9、およびキャップ層10がこの順に積層されたCPP−GMR型の積層膜15を備えている。積層膜15は、記録媒体の読込み対象ビット以外のビットからの磁界の影響を抑制するため、上部シールド層3と下部シールド層4とに挟まれている。積層膜15には、上部シールド層3と下部シールド層4との間にかかる電圧によって、センス電流が膜面直交方向に流れる。このため、上部シールド層3および下部シールド層4は、センス電流を積層膜15の膜面直交方向に流す電極としての機能も有している。本明細書では、ピンド層とフリー層と中間層(スペーサ層またはトンネルバリア層)とを含む積層体を「積層膜」と呼ぶ。
フリー層9には、積層膜15のトラック幅方向両側にある硬磁性層13から、常時一方向に磁界(バイアス磁界)がかけられている。この磁界の強さは、外部磁界の影響を受けないときにはフリー層9の磁化の方向が一定方向に揃い(フリー層が単磁区化される。)、記録媒体からの外部磁界を受けたときは、フリー層9の磁化の方向が所定の角度だけ回転するように設定されている。これによって、フリー層9の磁化の向きを外部磁界によって一斉に切り替え、大きな磁気抵抗変化を得ることができる。また、バイアス磁界の大きさを適切に設定することによって、磁気抵抗変化と、外部磁界の変化に対する抵抗変化の線形性および低ノイズ性(磁界強度に対して磁化の変化が鋸歯状に変化するバルクハウゼンノイズの抑制)とのバランスを図ることができる。
センス電流の硬磁性層13へのバイパスを防止し、センス電流を積層膜15に集中させるため、積層膜15の側方、および積層膜15周囲の下部シールド層4上には絶縁層11が設けられている。硬磁性層13は、Cr系材料からなる下地層112を介して絶縁層11の上に形成されている。下地層112を設けることによって、硬磁性層13としての良好な磁気特性を確保することが容易となる。
特開2002−43655号公報 特開2005−310264号公報 特許第3774375号
下地層112として、下地層112の材料として一般的なCr系材料を用いた場合、硬磁性層13の磁化方向は下地層112の面内方向を向くことが知られている(例えば、特許文献1)。下地層112は下部シールド層4上を水平に延び、積層膜15の側方で、上部シールド層3に向けて湾曲する。積層膜15は通常上部シールド層3に向けて断面積が縮小するテーパ状の形状を有しているため、下地層112はより正確には、積層膜15の側方を上部シールド層3に向けて斜め上方に湾曲する。硬磁性層13はこのように湾曲した下地層112の延びる方向に沿って磁化される。この結果、図17に矢印で示したように、下部シールド層4の上方に形成された硬磁性層13の一般部13aでは硬磁性層13は水平方向に磁化されるが、積層膜15の側方に形成された部分13bでは磁化方向は上部シールド層3に向けて斜め上方となる。このため、バイアス磁界の印加が必要なフリー層9に十分な磁界がかからないという問題があった。また、硬磁性層13で発生した磁界が上部シールド層3に印加される結果、上部シールド層3の磁化状態が部分的に擾乱される。上部シールド層3のこの磁区構造の乱れはフリー層9の急峻な動きにつながり、バルクハウゼンノイズを誘発する。これらの現象は、いずれも薄膜磁気ヘッドのノイズレベルの増加につながる。
特許文献2には、CIP-GMR素子を対象として、下地層としてRi,Ti等の材料を用いる技術が開示されている。これらの材料は、下地層の上に設けられる硬磁性層の磁化容易軸を下地層に対して直交方向に向けることができるため、硬磁性層で発生する磁界をフリー層により有効に印加し、上部シールド層への磁束の漏れを抑制することが可能となる。しかし、同文献中にも述べられているように、硬磁性層の厚さが20nmを超えると、磁化の向きが下地層に対して直交方向を向かなくなってしまう。
CPP-GMR素子およびTMR素子においては、センス電流が積層膜を貫通して流れることから、積層膜の各層内部における伝導電子の散乱、すなわちバルク散乱がCIP-GMR素子よりも大きく、磁気抵抗変化に寄与しやすい。このため、これらの素子では、フリー層およびピンド層を厚くすることが大きな抵抗変化を得るために効果的であり、積層膜は厚くなる傾向にある。また、電極が積層膜の両脇にあるCIP-GMR素子と異なり、CPP-GMR素子およびTMR素子では、積層膜の両脇には通常硬磁性層だけが配置される。これらの理由によって、CPP-GMR素子あるいはTMR素子においては硬磁性層は厚く形成されやすく(一般に20〜40nm程度)、特許文献2の技術を有効に適用することは難しい。この結果、CPP-GMR素子あるいはTMR素子においては、図17に示したように、バイアス磁界がフリー層を向かず、上部シールド層を向いてしまう現象が生じやすい。
本発明は、センス電流が積層膜の膜面直交方向に流れる方式の薄膜磁気ヘッドを対象として、硬磁性層のバイアス磁界を積層膜に集中させ、上部シールド層への影響を緩和することによってノイズの低減を可能とする薄膜磁気ヘッドを提供することを目的とする。また、本発明はかかる薄膜磁気ヘッドを用いたハードディスク装置等を提供することを目的とする。
本発明の薄膜磁気ヘッドは、外部磁界に対して磁化方向が固定されたピンド層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化するフリー層と、ピンド層とフリー層との間に設けられた中間層と、を有し、膜面直交方向にセンス電流が流れるようにされた積層膜と、積層膜の積層方向における両側の位置に、積層膜の膜面と平行に設けられた上部シールド層および下部シールド層と、積層膜のトラック幅方向における両側の位置に設けられた一対の硬磁性層と、硬磁性層と下部シールド層との間、および硬磁性層と積層膜の側面との間に設けられた一対の下地層と、を有している。下地層は、下部シールド層に面する水平部と、積層膜に面する傾斜部と、を有している。下地層の水平部は、硬磁性層の磁化を水平部と平行な方向に配向させ、下地層の傾斜部は、硬磁性層の磁化を傾斜部と直交する方向に配向させるようにされている。
下地層の水平部上に設けられた硬磁性層は水平方向に磁化されるので、硬磁性層で発生した磁束は積層膜に向かって水平に流れ、積層膜の手前で上部シールド層に漏れ出すおそれも少ない。一方、硬磁性層の磁化は、傾斜部においては傾斜部と直交する方向を向くため、硬磁性層からの磁界は積層膜に集中し、上部シールド層に抜ける磁束は制限される。これらの効果により、硬磁性層によって生じる磁界の上部シールド層への影響が軽減される。また、硬磁性層で生じる磁界は効率的に積層膜に印加されるため、フリー層の単磁区化も促進される。この両者の効果が相俟って、薄膜磁気ヘッドの低ノイズ化が容易となる。
水平部の水平配向性と傾斜部の面直配向性とを両立させるためには以下の2つの方法がある。ひとつは、下地層を一層構成として、下地層の膜厚を調整することによって、水平部の水平配向性と傾斜部の面直配向性とを両立させる方法である。この場合、下部シールド層と下地層との間、および硬磁性層と積層膜の側面との間にSiO2,AlN,Si34,SiNのいずれかからなる絶縁層が設けられ、下地層はCr,CrTi,CrMo,CrV,W,TiWのいずれか、またはこれらの少なくとも1種を含む合金からなり、硬磁性層はCoPt、CoTa,CoCrPt,CoCrTaのいずれか、またはこれらの少なくとも1種を含む合金より構成することが好ましい。このとき、下地層の水平部における膜厚は2.5nm以上であり、下地層の傾斜部における、傾斜部と直交する方向の膜厚は2.0nm以下(0nmを除く)であることが好ましい。
二つ目は、下地層を二層構成として、各々の下地層によって水平部の水平配向性と傾斜部の面直配向性とを両立させる方法である。この場合、下地層は、傾斜部の少なくとも一部で硬磁性層と直接接して設けられた第1の下地層と、第1の下地層と硬磁性層との間にはさまれ、少なくとも水平部で硬磁性層と直接接して設けられた第2の下地層とを有していることが好ましい。このとき、第1の下地層は、硬磁性層の磁化を第1の下地層と直交する方向に配向させ、第2の下地層は、硬磁性層の磁化を第2の下地層と平行な方向に配向させるようにされていることが望ましい。
本発明のスライダは、上記の薄膜磁気ヘッドを備えたている。
本発明のウエハは、上記の薄膜磁気ヘッドが形成されている。
本発明のヘッドジンバルアセンブリは、記録媒体に対向して配置される上記のスライダと、スライダを弾性的に支持するサスペンションと、を有している。
本発明のハードディスク装置は、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向して配置される上記のスライダと、スライダを支持するとともに、スライダを記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と、を有している。
以上説明したように、本発明によれば、硬磁性層のバイアス磁界を積層膜に集中させ、上部シールド層への影響を低減することによってノイズの低減を可能とする薄膜磁気ヘッドを提供することが可能となる。また、本発明によれば、上記の薄膜磁気ヘッドを用いたハードディスク装置等を提供することが可能となる。
本発明の薄膜磁気ヘッドの実施形態を、図面を用いて説明する。以下に示す第1の実施形態は、課題を解決する手段における、下地層を一層構成として、下地層の膜厚を調整することによって、水平部の水平配向性と傾斜部の面直配向性とを両立させる方法に対応する。第2の実施形態は、課題を解決する手段における、下地層を二層構成として、各々の下地層によって水平部の水平配向性と傾斜部の面直配向性とを両立させる方法に対応する。
(第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に係る磁気抵抗素子の部分斜視図である。薄膜磁気ヘッド1は読み込み専用のヘッドでもよく、記録部をさらに有するMR/インダクティブ複合ヘッドでもよい。
図2は、図1のA−A方向、すなわち媒体対向面から見た薄膜磁気ヘッドの側面図である。媒体対向面とは、薄膜磁気ヘッド1の、記録媒体21との対向面である。薄膜磁気ヘッド1は、バッファ層5、反強磁性層6、ピンド層7、スペーサ層8、フリー層9、およびキャップ層10がこの順に積層されたCPP−GMR型の積層膜15を備えている。
積層膜15は厚さ2μm程度のNiFe層からなる下部シールド層4と、同じく厚さ2μm程度のNiFe層からなる上部シールド層3との間に挟まれている。下部シールド層4および上部シールド層3は、積層膜15の膜面方向とほぼ平行に設けられている。積層膜15は上部シールド層3に向けて断面積が縮小するテーパ状の形状を有し、その一端が記録媒体21と対向する位置に配置されている。しかし、積層膜15のテーパ形状は一様な勾配を有している必要はなく、部分的なくびれや垂直部があってもよく、積層膜15の底部が頂部よりも大きな断面を有していればよい。積層膜15には、上部シールド層3と下部シールド層4との間にかかる電圧によって、センス電流Sが膜面直交方向に流れる。積層膜15との対向面における記録媒体21の磁界は、記録媒体21の移動方向23への移動につれて変化する。薄膜磁気ヘッド1は、この磁界の変化を、GMR効果によって得られるセンス電流Sの電気抵抗変化として検出することにより、記録媒体21の各磁区に書き込まれた磁気情報を読み出す。本実施形態の薄膜磁気ヘッド1は、ピンド層7が下部シールド層3側にあり、フリー層9が上部シールド層4側にあるボトムスピン型であるが、ピンド層7が上部シールド層4側にあり、フリー層9が下部シールド層3側にあるトップスピン型であってもよい。
バッファ層5は、その上に形成される反強磁性層6の結晶性を高めるために設けられ、Ta層からなる金属層と、NiFeCr層からなる下地層とがこの順に積層されて形成されている。
バッファ層5の上には、IrMnからなる反強磁性層6が設けられている。反強磁性層6は、後述するアウターピンド層71との交換結合によって、アウターピンド層71の磁化を固定する。
反強磁性層6の上にはピンド層7が設けられている。ピンド層7は外部磁界に対して磁化方向が固定された層である。ピンド層7は、本実施形態ではシンセティックピンド層が用いられている。ピンド層7は、積層方向下方からCoFeからなるアウターピンド層(図示せず)と、Ruからなる非磁性中間層(図示せず)と、CoFeからなるインナーピンド層(図示せず)と、がこの順に積層されて形成されている。インナーピンド層の磁化方向は、非磁性中間層を介したアウターピンド層との反強磁性的結合によって、所定方向に固定されている。シンセティックピンド層では、アウターピンド層とインナーピンド層の磁気モーメントが互いに相殺されて、ピンド層7全体の漏れ磁界が抑えられる。ピンド層7はシンセティックピンド層でなくてもよく、非磁性中間層のない単層構成としてもよい。
ピンド層7の上には、Cuからなるスペーサ層8を介してフリー層9が設けられている。フリー層9は、外部磁界に応じて磁化方向が変化する層である。フリー層9は、CoFe層とNiFe層とがこの順に積層されて形成されている。
フリー層9の上にはキャップ層10が設けられている。キャップ層10はRu層とTa層とがこの順に積層されて形成されている。キャップ層10は積層された各層の劣化防止のために設けられている。
キャップ層10の上には、シールド下地層14を介して上部シールド層3が形成されている。
薄膜磁気ヘッド1の側方、すなわちトラック幅方向TWに関し積層膜15の両側には一対の硬磁性層13が設けられている。硬磁性層13は、フリー層9にバイアス磁界を印加し、フリー層9の単磁区化を促進する。硬磁性層13は、CoPt、CoTa,CoCrPt,CoCrTaのいずれか、またはこれらの少なくとも1種を含む合金から形成されている。「合金」とは、CoPt、CoTa,CoCrPt,またはCoCrTaを80%以上の原子分率で含む組成物をいう。
硬磁性層13と下部シールド層4との間には、アルミナからなる絶縁層11を介して、一対の下地層12が設けられている。絶縁層11は硬磁性層13と下部シールド層3との間、および硬磁性層13と積層膜15との間に設けられ、センス電流の硬磁性層13へのバイパスを防止している。絶縁層11の膜厚は3.0nm以上であることが望ましい。絶縁層11には、Al23(アルミナ)のほか、SiO2,SiN,AlN,Si34,Ta25,TiO2,ZrO2,HfO2を用いることができる。
下地層12はCr,CrTi,CrMo,CrV,W,TiWのいずれか、またはこれらの少なくとも1種を含む合金からなる。「合金」とは、Cr,CrTi,CrMo,CrV,W,またはTiWを80%以上の原子分率で含む組成物をいう。下地層12は、下部シールド層4に面する水平部121と、積層膜15に面する傾斜部122と、を有している。
図3は、絶縁層11としてアルミナ、下地層12としてCrまたはCrTi、硬磁性層13としてCoPtを用いたときの、硬磁性層の面内方向保磁力を示すグラフである。面内方向保磁力とは、下地層の延びる方向(面内方向)における硬磁性層の保磁力のことである。図示するように、下地層12としてCrを用いる場合、2.2〜2.5nm付近の膜厚を境にそれより小さい膜厚では面内方向保磁力が急激に低下している。
図4は、面内方向保磁力が生じるメカニズムを説明する概念図である。体心立方構造(bcc)を有するCr系の下地層12の上に、六方柱六方晶構造(hcp)を有するCo系の硬磁性層13を形成する場合、下地層12が十分に厚いと、硬磁性層13の磁化容易軸c1は下地層12に対して水平方向を向く。すなわち、硬磁性層13の磁化方向は面内配向となる。このとき、図示するように、硬磁性層13は面内でばらばらの方向に磁化されている。
これに対して、下地層12の膜厚が小さいと、図3に示すように、硬磁性層13の面内方向保磁力が低下し、硬磁性層13の磁化が面内方向に配向しにくくなる。その結果、硬磁性層13の磁化容易軸は磁化容易軸c1と直交する方向c2に回転し、硬磁性層13の磁化方向は下地層12と直交する方向を向く(以下、面直配向という。)。このように磁化容易軸が面内方向から面直方向に90度回転する膜厚を臨界膜厚と呼ぶが、Crを下地層として用いた場合の臨界膜厚は2.2〜2.5nmの付近にあり、2.0nm以下の膜厚であれば確実に面直配向を実現することができる。
図3には下地層12としてCrTiを用いた場合も示しているが、同様の傾向を示している。下地層として体心立方構造(bcc)を有するCr系材料を用いれば同様の結果が予想されるので、下地層12をCrMoまたはCrV、あるいは、Cr,CrTi,CrMo,またはCrVの少なくとも1種を含む合金で形成しても同様の結果が得られると考えられる。さらに、下地層12を、WまたはTiW、あるいは、WまたはTiWの少なくとも1種を含む合金で形成することも可能である。また、臨界膜厚は多少の添加物が含まれていても大きく変わらないと考えられる。
図5は、下地層の膜厚を示す図である。下地層12の傾斜部122は、硬磁性層13の磁化を傾斜部122と直交する方向に配向させるように、傾斜部122と直交する方向の膜厚を2.0nm以下(0nmを除く)としている。バイアス磁界の向きはフリー層9に対して重要であることから、下地層12の膜厚はフリー層9の側方近傍(図中B点)で規定することが望ましい。
下地層12は傾斜部122の一部に設けないことも可能である。この場合、硬磁性層13の一部は絶縁層11と直接接触するが、絶縁層11も硬磁性層13を面直配向させる性質を有しているため、同様の効果が得られる。
一方、下地層12の水平部121は、硬磁性層13の磁化を水平部121と平行な方向に配向させるために、2.5nm以上の膜厚が確保されている。水平部121の膜厚は積層膜15から十分離れた場所で規定するのが望ましく、一例では、フリー層9の端部から40nmの地点(図中A点)で規定している。
図17は、従来技術における下地層の構成およびバイアス磁界の向きを示す模式図である。従来技術では下地層112は臨界膜厚以上の膜厚で設けられていたため、水平部121上に形成された硬磁性層13aは、本実施形態と同様面内配向される。しかし、傾斜部122に隣接する硬磁性層13bでも磁化は面内配向のままであるので、図中矢印に示すように、バイアス磁界はフリー層9に有効に印加されず、上部シールド層3に漏れ出し、上部シールド層3の磁化が乱される(図17の上部シールド層3内部の矢印参照。)原因となっていた。
これに対して、本実施形態では、下地層12の膜厚を水平部121で臨界膜厚よりも厚くして硬磁性層13を面内配向させ、傾斜部122で臨界膜厚よりも薄くして硬磁性層13を面直配向させている。このため、図2に示すように、硬磁性層13で発生したバイアス磁界をフリー層9に有効に伝えつつ、上部シールド層3への漏れを抑制することができる。すなわち、硬磁性層13aで発生した磁束は積層膜15に向かって水平に伝わるので、フリー層9に有効に磁界が印加されやすくなり、硬磁性層13aから上部シールド層3に漏れにくくなる。また、図中矢印に示すように、積層膜15の近傍では硬磁性層13bの磁化が下地層12に対して直交方向を向くので、硬磁性層13bから上部シールド層3への磁束の漏れがさらに抑制される(上部シールド層3内部の矢印参照。)。しかも、積層膜15に隣接する硬磁性層13b内の磁束は積層膜15に向かってより深い角度で伝わるので、積層膜15、とりわけフリー層9に有効に磁界が印加される。
本実施形態は、下地層の膜厚を積層膜から離れたところでは臨界膜厚以上に、積層膜の近傍では臨界膜厚以下、または部分的に設けない構成とするだけで以上の効果が得られる。このような膜厚分布を持った下地層は、例えばウエハの法線とイオンビームの入射角との相対角度を0度に近い角度にして、ウエハをイオンビームに対して対向させた状態でイオンビームスパッタリングを適用することによって、容易に形成することができる。反応性イオンエッチングを用いて所望の膜厚分布を得ることもできる。
また、本実施形態では、積層膜15の側面と硬磁性層13との間には、絶縁層11のほかに膜厚の薄い下地層12しか形成されていないので、硬磁性層13からのバイアス磁界がフリー層9に一層効果的に印加され、素子のノイズ低減にも効果的である。
(第2の実施形態)
本実施形態は、下地層が2層構成となっている点が第1の実施形態と異なり、その他の点については第1の実施形態と同様である。したがって、共通する部分についての説明は省略し、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図6は、下地層および硬磁性層の近傍の部分詳細図である。下地層22は、第1の下地層22aと、第1の下地層22aと硬磁性層13との間にはさまれた第2の下地層22bと、を有している。下地層22はまた、積層膜15に面する傾斜部222と、下部シールド層4に面する水平部221とに分割される。第2の下地層22bは傾斜部222の途中までしか形成されておらず、この結果、第1の下地層22aは傾斜部222の上部で硬磁性層13と直接接している。第2の下地層22bは傾斜部222まで延びていなくてもよく、その場合は第1の下地層22aは傾斜部222の全面で硬磁性層13と直接接する。しかし、第2の下地層22bは水平部221を少なくとも傾斜部222との境界まで延びていることが望ましい。
第1の下地層22aはRu,Ti,RuCoのいずれかからなり、硬磁性層13の磁化を第1の下地層22aと直交する方向に配向させる。第2の下地層22bは、Cr,CrTi,CrMo,CrV,W,TiWのいずれか、またはこれらの少なくとも1種を含む合金から形成されている。「合金」とは、Cr,CrTi,CrMo,CrV,W,またはTiWを80%以上の原子分率で含む組成物をいう。第2の下地層22bは、硬磁性層13の磁化を第2の下地層22bと平行な方向に配向させる。具体的には、下部シールド層3上の硬磁性層13aの磁化は面内配向しているが、積層膜15の側方に設けられた硬磁性膜13bの磁化は面直配向している。すなわち、本実施形態では下地層の膜厚によって硬磁性層を面内配向または面直配向させる代わりに、面内配向に適した膜と、面直配向に適した膜とをそれぞれ硬磁性層13に直接接するように設けることで、同様の効果を実現している。
図7は、第1の下地層22aの膜厚と面直保磁力との関係を示すグラフである。このグラフは、図6に示す膜構成において、第1の下地層22aが硬磁性層13と直接接するA部の面直配向性を示している。第1の下地層22aにはRuを用い、絶縁層としてアルミナ、硬磁性層としてCoPt(水平部上の膜厚25nm)を用いた。Ru層の膜厚が1.5nmを超えると面直保磁力はRu層が設けられていない場合よりも増加し、硬磁性層の磁化を面直配向させる効果が現れる。したがって、Ru層の膜厚は1.5nm以上、5.0nm(確認範囲上限)以下の範囲から選定することが望ましい。
図8は、第1の下地層22aと第2の下地層22bとが積層された状態における、第2の下地層22bの膜厚と面直保磁力との関係を示すグラフである。このグラフは、図6に示す膜構成において、第1の下地層22aが第2の下地層22bを介して硬磁性層13と接しているB部の面直配向性を示している。第1の下地層22aにはRuを用い、その上にCrからなる第2の下地層22bを積層した。絶縁層としてアルミナ、硬磁性層としてCoPt(水平部上の膜厚25nm)を用いた。Ruの膜厚は、上記の検討結果に基づき、1.5nmと3.0nmの2ケースとした。Cr層の膜厚が増えるとCrの有する面内配向性が支配的となり、硬磁性層の面直保磁力が低下していく。Cr層が1.5nmを超えると急激に面直保磁力が減少し、傾斜部に適切な面直配向が実現されなくなる。したがって、Cr層の膜厚は1.5nm以下とすることが望ましい。バイアス磁界の向きはフリー層9に対して重要であることから、第1の実施形態と同様、第2の下地層22bの膜厚はフリー層9の側方近傍(図中B点)で規定することが望ましい。
本実施形態では、下地層を構成する2つの膜は面内配向または面直配向の機能だけを担うため、各々に対して適切な材料を用いることができる。したがって、第1の下地層22aは、面直配向性を有するアルミナ,SiO2,SiN,AlN,Si34等を用いることもできる。この場合、第1の下地層22aに絶縁層の機能を持たせることも可能である。すなわち、絶縁層11を省略し、第1の下地層22aを下部シールド層3と接して設けることも可能である。
なお、以上説明した各実施形態はCPP−GMR素子を対象としたが、同様の構造の下地層を有するTMR素子にも全く同様に適用できることはいうまでもない。
(実施例)次に実施例として素子のノイズ特性を評価指標として、各実施形態の効果を確認した。評価指標としては、バルクハウゼンノイズなどに起因して生じるシールド磁区の不安定性を表す指標である出力ジャンプ量を用いた。図9は、出力ジャンプの概念を示す模式図である。具体的には、素子に±47.7kA/m(600Oe)の磁化を印加し、出力変化を測定する。出力曲線はバルクハウゼンノイズ等の影響によって、図に示すように不連続的な変化(ジャンプ)を生じる。実際の素子では不連続点は多数生じるが、図では変化量が最大となるものだけを示している。最大の出力変化をJumpmax、印加磁界に対する出力変化の最大値をAmpmaxとし、変化量の大きさを、
Bjump = Jumpmax / Ampmax
と定義する。そして、Bjumpが10%以上となる素子を「Bjump不良」とした。
(実施例1)まず、図2に示す第1の実施形態の素子を作成した。下地層はCrで作成し、下地層の膜厚は図5のA点で3.4〜3.5nm、B点でパラメータとした。膜厚はイオンビームスパッタリングにおいて成膜角度を調整して変動させた。硬磁性層はCoPtで作成し、膜厚は30nmとした。絶縁層はアルミナ(膜厚約10nm)とした。CPP−GMR素子の膜構成は、バッファ層からキャップ層に向けてTa(1)/NiFeCr(3)/IrMn(7)/CoFe(4)/Ru(0.8)/CoFe(4)/Cu(3)/CoFe(1)/NiFe(3)/Ru(10)/Ta(3)とした(カッコ内は膜厚(nm))。
表1および図10に結果を示す。Cr下地層の膜厚が2nm程度まではBjump不良率は1%前後と低い値となっているが、それを超えると3〜6%と急激に悪化する。2nmの膜厚は図3で示した臨界膜厚にほぼ一致しており、本実施形態で想定されたメカニズムが実際の素子でも生じていたものと考えられる。
Figure 2008097700
次に、上記と同一の素子構成でCr下地層の膜厚を、図5のB点で2.0nm程度、A点でパラメータとして、下地層の水平部の膜厚の影響を確認した。B点の膜厚は若干ばらついているが、すべて傾斜部の面直配向が実現されていると考えられる膜厚である。
表2および図11に結果を示す。Cr下地層の膜厚が2.0nm程度より小さい範囲ではBjump不良率は3〜4%の高い値となっているが、2.5nm以上の範囲では1%前後の値に低下する。2.5nmの膜厚は図3で示した臨界膜厚にほぼ一致しており、本実施形態で想定されたメカニズムが実際の素子でも生じていたものと考えられる。
以上より、本発明の第1の実施形態の効果が、実際の素子においても確認された。
Figure 2008097700
(実施例2)まず、図6に示す第2の実施形態の素子を作成した。絶縁層上にRuまたはTiからなる第1の下地層を膜厚1nmで作成し、傾斜部でも均一な厚さになるように形成し、その上にCrからなる第2の下地層を積層した。第2の下地層の膜厚は、図5のA点に相当する位置で約3.5nm、B点に相当する位置で約0.5nmとした。CPP−GMR素子、硬磁性層、および絶縁層の膜構成は実施例1と同じとした。
表3に結果を示す。第1の下地層として面直配向膜であるRuまたはTiを用いることによってBjump不良率が低下し、第2の実施形態の効果が実際の素子においても確認された。
Figure 2008097700
次に、上述した薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるウエハについて説明する。図12はウエハの概念的な平面図である。ウエハ100は、少なくとも下部シールド層3から上部シールド層4までが積層された複数の薄膜磁気ヘッド1を含んでいる。ウエハ100を切断することによって、薄膜磁気ヘッド1が一列に配列された複数のバー101に分割される。バー101は、媒体対向面を研磨加工する際の作業単位となる。バー101は、研磨加工後さらに切断されて、薄膜磁気ヘッド1を含むスライダに分離される。ウエハ100には、バー101およびスライダに切断するための切り代(図示せず)が設けられている。
次に、薄膜磁気ヘッドを用いたヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置について説明する。まず、図13を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。スライダ210は、ハードディスク装置内に、回転駆動される円盤状の記録媒体であるハードディスクに対向するように配置されている積層体である。スライダ210は、ほぼ六面体形状をなしており、そのうちの一面はハードディスクと対向する媒体対向面ABSとなっている。ハードディスクが図13におけるz方向に回転すると、ハードディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、y方向下向きに揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によってハードディスクの表面から浮上するようになっている。スライダ210の空気流出側の端部(図13における左下の端部)の近傍には、本発明の薄膜磁気ヘッド1が形成されている。
次に、図14を参照して、薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、スライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222と、ロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。フレクシャ223の、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
ヘッドジンバルアセンブリ220を1つのアーム230に取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。アーム230は、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向xに移動させる。アーム230の一端はベースプレート224に取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持する軸234が取り付けられた軸受け部233が設けられている。アーム230および、アーム230を駆動するボイスコイルモータは、アクチュエータを構成する。
次に、図15および図16を参照して、薄膜磁気ヘッドをヘッド素子として用いたヘッドスタックアセンブリとハードディスク装置について説明する。ヘッドスタックアセンブリとは、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものである。図15はハードディスク装置の要部を示す説明図、図16はハードディスク装置の平面図である。ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。各々のアーム252には、ヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251の、アーム252の反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ボイスコイルモータは、コイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
図16を参照すると、ヘッドスタックアセンブリ250は、ハードディスク装置に組み込まれている。ハードディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚のハードディスク262を有している。ハードディスク262毎に、ハードディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置されている。スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、本発明における位置決め装置に対応し、スライダ210を支持すると共に、スライダ210をハードディスク262に対して位置決めする。スライダ210はアクチュエータによって、ハードディスク262のトラック横断方向に動かされ、ハードディスク262に対して位置決めされる。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッド1は、記録ヘッドによってハードディスク262に情報を記録し、再生ヘッドによってハードディスク262に記録されている情報を再生する。
本発明の第1の実施形態に係る磁気抵抗素子の部分斜視図である。 図1のA−A方向から見た薄膜磁気ヘッドの側面図である。 下地層の膜厚と硬磁性層の面内方向保磁力との関係を示すグラフである。 面内保磁力が生じるメカニズムを説明する概念図である。 下地層の膜厚を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る磁気抵抗素子の下地層および硬磁性層の近傍の部分詳細図である。 第1の下地層の膜厚と面直保磁力との関係を示すグラフである。 第2の下地層の膜厚と面直保磁力との関係を示すグラフである。 出力ジャンプの概念を示す模式図である。 Cr下地層のB点での膜厚とBjump不良率との関係を示すグラフである。 Cr下地層のA点での膜厚とBjump不良率との関係を示すグラフである。 本発明の積層体の製造に係るウエハの平面図である。 本発明の積層体を組み込んだヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。 本発明の積層体を組み込んだヘッドジンバルアセンブリを含むヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。 本発明の積層体を組み込んだハードディスク装置の要部を示す説明図である。 本発明の積層体を組み込んだハードディスク装置の平面図である。 従来技術における下地層の構成およびバイアス磁界の向きを示す模式図である。
符号の説明
1 薄膜磁気ヘッド
3 上部シールド層
4 下部シールド層
5 バッファ層
6 反強磁性層
7 ピンド層
8 スペーサ層
9 フリー層
10 キャップ層
11 絶縁層
12 下地層
121,221 水平部
122,222 傾斜部
13 硬磁性層
15 積層膜
22 下地層
22a 第1の下地層
22b 第2の下地層
S センス電流

Claims (16)

  1. 外部磁界に対して磁化方向が固定されたピンド層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化するフリー層と、該ピンド層と該フリー層との間に設けられた中間層と、を有し、膜面直交方向にセンス電流が流れるようにされた積層膜と、
    前記積層膜の積層方向における両側の位置に、該積層膜の膜面と平行に設けられた上部シールド層および下部シールド層と、
    前記積層膜のトラック幅方向における両側の位置に設けられた一対の硬磁性層と、
    前記硬磁性層と前記下部シールド層との間、および前記硬磁性層と前記積層膜の側面との間に設けられた一対の下地層と、
    を有し、
    前記下地層は、
    前記下部シールド層に面する水平部と、
    前記積層膜に面する傾斜部と、
    を有し、
    前記下地層の前記水平部は、前記硬磁性層の磁化を該水平部と平行な方向に配向させ、
    前記下地層の前記傾斜部は、前記硬磁性層の磁化を該傾斜部と直交する方向に配向させる、
    薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記下部シールド層と前記下地層との間、および前記硬磁性層と前記積層膜の側面との間に、SiO2,AlN,Si34,SiNのいずれかからなる絶縁層が設けられ、
    前記下地層はCr,CrTi,CrMo,CrV,W,TiWのいずれか、またはこれらの少なくとも1種を含む合金からなり、
    前記硬磁性層はCoPt、CoTa,CoCrPt,CoCrTaのいずれか、またはこれらの少なくとも1種を含む合金よりなる、
    請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記下地層の前記水平部における膜厚は2.5nm以上であり、
    前記下地層の前記傾斜部における、該傾斜部と直交する方向の膜厚は2.0nm以下(0nmを除く)である、
    請求項2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記下地層は前記傾斜部の一部には設けられていない、請求項3に記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記傾斜部と直交する方向の膜厚はフリー層の側方で2.0nm以下(0nmを除く)である、請求項3に記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記下地層は、
    前記傾斜部の少なくとも一部で前記硬磁性層と直接接して設けられた第1の下地層と、
    前記第1の下地層と前記硬磁性層との間にはさまれ、少なくとも前記水平部で前記硬磁性層と直接接して設けられた第2の下地層とを有し、
    前記第1の下地層は、前記硬磁性層の磁化を該第1の下地層と直交する方向に配向させ、
    前記第2の下地層は、前記硬磁性層の磁化を該第2の下地層と平行な方向に配向させる、
    請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 前記第1の下地層は、Ru,Ti,RuCoのいずれかからなる、請求項6に記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 前記第1の下地層はRuからなり、
    前記第1の下地層の、該第1の下地層と直交する方向の膜厚は1.5nm以上、5.0nm以下である、請求項7に記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 前記第2の下地層はCr,CrTi,CrMo,CrV,W,TiWのいずれか、またはこれらの少なくとも1種を含む合金からなり、
    前記第2の下地層の、該第2の下地層と直交する方向の膜厚は1.5nm以下(0nmを除く)である、
    請求項8に記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 前記第2の下地層は前記傾斜部の一部には設けられていない、請求項9に記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 前記第2の下地層の、該第2の下地層と直交する方向の膜厚は前記フリー層の側方で1.5nm以下(0nmを除く)である、請求項9に記載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 前記第1の下地層はSiO2,AlN,Si34,SiNのいずれかからなり、前記下部シールド層と接して設けられている、請求項6に記載の薄膜磁気ヘッド。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドを備えたスライダ。
  14. 請求項1から12のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドが形成されたウエハ。
  15. 記録媒体に対向して配置される請求項13に記載のスライダと、
    前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと、
    を有するヘッドジンバルアセンブリ。
  16. 回転駆動される円盤状の記録媒体に対向して配置される請求項13に記載のスライダと、
    前記スライダを支持するとともに、該スライダを前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と、
    を有するハードディスク装置。
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