JP2008112841A - 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、基体、ウェハ、ヘッドジンバルアセンブリ、ハードディスク装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、基体、ウェハ、ヘッドジンバルアセンブリ、ハードディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スピントランスファートルクの影響を抑え、十分な出力が得られる磁気抵抗効果素子を提供する。
【解決手段】磁化方向が固定されたピンド層43と、非磁性のスペーサ層44と、磁化方向が外部磁界に応じて変化するフリー層45とが順番に積層されたMR素子4において、フリー層45は、4f電子を有する元素が2〜25at.%の割合で混合された磁性体を含む多層構造である。具体的には、スペーサ層44と接する第1層45aと第3,5,7層45c,45e,45gは、Coの割合が70at.%以下のCoFe中にNd、Sm、Gd、またはTbが混合された層であり、第2,6層45b,45fは、Niの割合が70at.%以上100at.%未満のNiFe中にNd、Sm、Gd、またはTbが混合された層である。第3層はCuである。このフリー層45のダンピング定数は0.018よりも大きい。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハードディスク装置に好適に用いられる磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、基体、ウェハ、ヘッドジンバルアセンブリ、およびハードディスク装置に関する。
ハードディスク装置には、磁気信号読み出し用の磁気抵抗効果素子(MR(Magneto-resistance)素子)を有する薄膜磁気ヘッドが用いられている。近年、ハードディスク装置の高記録密度化が進んできており、それに伴い、薄膜磁気ヘッドにおいても磁気抵抗効果素子に対する高感度化および高出力化の要求が特に高まっている。
従来、薄膜磁気ヘッドの再生素子として、強磁性層と強磁性層との中間に非磁性層を有し、膜面に対して平行にセンス電流を流す巨大磁気抵抗効果素子であるCIP−GMR(Current in Plane - Giant Magneto-resistance)素子が開発されてきた。一方、さらなる高密度化に対応するため、中間に非磁性層ではなく絶縁層を有し、膜面に垂直にセンス電流を流すTMR(Tunnel Magneto-resistance)素子を用いた磁気ヘッドの開発も進められている。さらに、中間に非磁性層を有するGMR素子において、TMR素子と同様に膜面に垂直にセンス電流を流すCPP(Current Perpendicular to Plane)−GMR素子を用いた磁気ヘッドの開発も進められている。CPP−GMR素子は、TMR素子と比較して低抵抗であり、CIP−GMR素子と比較して狭いトラック幅において高出力が得られるという利点を有している。
一般に、CPP−GMR素子は、それぞれ電極膜を兼ねる下部シールド層と上部シールド層に挟まれた構成であり、スピンバルブ膜(SV膜)とも呼ばれる。このCPP−GMR素子は所望のサイズの柱状の形状であり、磁化方向が固定された強磁性層であるピンド層(磁化固定層)と、磁化方向が外部磁界に応じて変化する強磁性層であるフリー層とで、非磁性のスペーサ層を挟んだ構造である。ピンド層は、反強磁性層上に設けられることによって磁化方向が固定されている。最近では、ピンド層を、強磁性体の単層構造ではなく、強磁性層(インナー層)/非磁性金属層(非磁性中間層)/強磁性層(アウター層)の3層構造(シンセティックピンド層)とすることで、2つの強磁性層の間に強い交換結合を与えて、反強磁性層からの交換結合力を実効的に増大させるCPP−GMR素子が開発されている。
なお、CPP−GMR素子の周囲には、Al23などの絶縁膜を介して、CoPtやCoCrPtからなる硬質磁性膜(ハードバイアス膜)が設けられている。このハードバイアス膜は、トラック幅方向においてCPP−GMR素子の側方に位置する、フリー層の磁区制御膜である。なお、CPP−GMR素子の上下端部にはキャップ層とバッファー層がそれぞれ設けられており、上部シールド層と下部シールド層に挟まれた構成になっている。
特許文献1に開示されているように、従来、CPP−GMR素子のフリー層としてNiFe合金層やCoFe合金層が用いられている。
特開2005−294453号公報 特開2003−110167号公報 特開2001−028466号公報 特開2003−218428号公報 「マグネトストリクション アンド アンギュラー ディペンデンス オブ フェロマグネティック レゾナンス ラインワイズ イン Tbドープト Ni0.8Fe0.2 シン フィルムズ(Magnetostriction and angular dependence of ferromagnetic resonance linewidth in Tb-doped Ni0.8Fe0.2 thin films)」、ステフェン イー リウセック(Stephen E. Riussek)他、ジャーナル オブ アプライド フィジックス ボリューム91 ナンバー10(Journal of Applied Physics Volume 91, Number 10)、第8659〜8661頁、アメリカン インスティテュート オブ フィジックス(American Institute of Physics)、2002年5月15日発行
近年、ハードディスク装置の記録密度が高くなるのに伴って、CPP−GMR素子の小型化が進み、平面的に見たときに0.1μm×0.1μm以下の寸法になる場合がある。このように平面形状の寸法が小さくなることにより、電流密度が、例えば10-7(A/cm2)程度以上まで高くなる。電流密度が高くなると、スピントランスファートルクが発生して磁気抵抗効果素子の出力を抑制してしまうという問題が生じる。
そこで本発明の目的は、スピントランスファートルクの影響を抑え、十分な出力が得られる磁気抵抗効果素子と、それを含む薄膜磁気ヘッド、基体、ウェハ、ヘッドジンバルアセンブリ、ハードディスク装置を提供することにある。
本発明の特徴は、磁化方向が固定されたピンド層と、非磁性のスペーサ層と、磁化方向が外部磁界に応じて変化するフリー層とが、スペーサ層がピンド層とフリー層との間に位置するように積層された磁気抵抗効果素子において、フリー層は、4f電子を有する元素が混合された磁性体を含む多層構造であり、スペーサ層と接する部分がCoFeを含む層からなるところにある。
この構成によると、フリー層中に4f電子を有する元素が混入しているため、伝導電子のスピン反転によるトルクを、4f電子を有する元素が受け取り、フリー層の母体である磁性体はそのトルクの影響をほとんど受けない。フリー層の磁化は、主に、4f電子を有する元素ではなく磁性体によって決まるため、磁性体がトルクの影響をほとんど受けなければ、フリー層の磁化はほとんど変化せず、磁化反転が抑えられる。また、CoFeを含む層はスペーサ層上で良好に膜成長するため、フリー層が良好に形成できる。
4f電子を有する元素はNd、Sm、Gd、Tbのうちの少なくとも1つであり、磁性体はNiFe合金またはCoFe合金であってもよい。
NiFe合金中のNiの割合は70at.%以上かつ100at.%未満であり、CoFe合金中のCoの割合は0at.%よりも大きくかつ70at.%以下であることが好ましい。また、4f電子を有する元素は、2at.%以上かつ25at.%以下の割合で磁性体に混合されていることが好ましい。そして、フリー層のダンピング定数は0.018よりも大きいことが好ましい。これらの構成によると、一般的な条件下で磁気抵抗効果素子に加わる外部磁界による電流密度よりも磁化反転臨界電流を大きくすることができ、通常の使用時にフリー層に磁化反転が生じるのを抑える信頼性が高い。
本発明の薄膜磁気ヘッドは、前記した構成の磁気抵抗効果素子を有するものであり、本発明の基体は、その薄膜磁気ヘッドを有するものである。本発明のウェハは、前記した構成の基体の製造に用いられる、少なくとも1つの、前記した構成の薄膜磁気ヘッドが設けられたものである。さらに、本発明のヘッドジンバルアセンブリは、前記した構成の基体を含み、記録媒体に対向して配置されるスライダと、そのスライダを弾性的に支持するサスペンションとを有するものである。そして、本発明のハードディスク装置は、前記した構成の基体を含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向して配置されるスライダと、そのスライダを支持するとともに、記録媒体に対して位置決めする位置決め装置とを有するものである。
本発明によると、磁気抵抗効果素子において、スピントランスファートルクに起因するフリー層の磁化反転が抑制され、十分な出力が得られる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[薄膜磁気ヘッドの構成]
図1に、本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの主要部の断面図を概念的に示す。
本実施形態の薄膜磁気ヘッド1は、基板11と、基板11に形成された、記録媒体(不図示)に対する読み出しのための再生部2および書き込みのための記録部3とを有する。
基板11は、耐摩耗性に優れたAl23・TiC(アルティック)からなる。基板11の上面にはアルミナからなる下地層12が形成され、この上に、再生部2および記録部3が積層されている。
下地層12の上には、例えばパーマロイ(NiFe)等の磁性材料からなる下部シールド層13が形成されている。下部シールド層13の上の、媒体対向面S側の端部には、磁気抵抗効果素子であるCPP−GMR素子(以下、単に「MR素子」と言う)4が、その一端が媒体対向面Sに露出するように形成されている。MR素子4の上には、例えばパーマロイ等の磁性材料からなる第1上部シールド層15が形成されている。これらの下部シールド層13、MR素子4、および第1上部シールド層15により、再生部2が構成されている。下部シールド層13と第1上部シールド層15との間にMR素子4が存在しない部分には、主に絶縁層16aが形成されている。なお、このMR素子4は、SV膜(スピンバルブ膜)とも言う。
第1上部シールド層15の上には、絶縁層16bを介して、パーマロイやCoNiFeなどの磁性材料からなる下部磁極層17が形成されている。下部磁極層17は、記録部3の下部磁極層としての機能の他に、MR素子4の第2上部シールド層としての機能も兼ねている。
第2上部シールド層としても機能する下部磁極層17の上には、Ruやアルミナなどの非磁性材料からなる記録ギャップ層18を介して、上部磁極層19が形成されている。記録ギャップ層18は、媒体対向面S側の端部に、媒体対向面Sに一端が露出するように形成されている。上部磁極層19の材料としては、パーマロイやCoNiFeなどの磁性材料が用いられる。下部磁極層(第2上部シールド層)17と上部磁極層19とは、接続部21によって磁気的に接続され、全体で一つの磁気回路を形成する。
下部磁極層17と上部磁極層19との間において、媒体対向面Sと接続部21との間には、銅などの導電性材料からなるコイル20a,20bが2層に形成されている。各コイル20a,20bは、下部磁極層17と上部磁極層19とに磁束を供給するものであり、それぞれ平面形状が接続部21の周囲を周回する螺旋状になるように形成されている。コイル20a,20bは、絶縁層によって周囲と絶縁されている。本実施形態では2層のコイル20a,20bを示したが、これに限られるものではなく、1層であってもよいし3層以上であってもよい。
オーバーコート層22は、上部磁極層19を覆って設けられ、上述した構造を保護する。オーバーコート層22の材料としては、例えばアルミナなどの絶縁材料が用いられる。
[MR素子の構成]
次に、MR素子(SV膜)4について、媒体対向面S側から見た図である図2を参照して詳細に説明する。
MR素子4は、前述したように下部シールド層13と上部シールド層15との間に挟まれて形成されており、バッファー層41、反強磁性層42、ピンド層43、スペーサ層44、フリー層45、およびキャップ層46が、下部シールド層13側からこの順番で積層された構成を有している。図2(a)に示す例では、ピンド層43は、非磁性中間層43bを、それぞれ強磁性体からなるアウター層43aとインナー層43cとで挟んだ構成である。このようなピンド層43は、シンセティックピンド層と呼ばれる。アウター層43aは反強磁性層42に接して設けられ、インナー層43cはスペーサ層44に接して設けられている。なお、各層の材料と厚さの一例を表1に示している。
Figure 2008112841
下部シールド層13および上部シールド層15は、それぞれ電極を兼ねている。MR素子4には、下部シールド層13および上部シールド層15を通じて、膜面に直交する方向にセンス電流が流される。下部シールド層13および上部シールド層15は、約2μm以下のNiFe膜からなる。
バッファー層41は、その材料として、反強磁性層42とピンド層43のアウター層43aとの交換結合が良好になる組み合わせが選ばれ、Ta/NiCr等の積層膜から構成される。なお、本明細書中で、多層膜構造を示す「/」は、「/」の左側の材料が右側の材料よりも下層であること、すなわち先に形成された層であることを意味する。反強磁性層42は、ピンド層43の磁化方向を固定する役割を果たすものであり、例えば7.0nmのIrMn膜等から構成される。
ピンド層43は、磁性層として形成され、前述したように、アウター層43aと、非磁性中間層43bと、インナー層43cとがこの順番に積層された構成を有する。アウター層43aは、反強磁性層42によって外部磁界に対して磁化方向が固定されており、例えば厚さ5.0nmのCo70Fe30膜から構成されている。なお、「Co70Fe30」等の記載は「CoFe」等をより詳細に表した表現であり、各成分の原子分率を百分率で示しており、例えばCoを70%、Feを30%含む層という意味である。非磁性中間層43bは、例えば厚さ0.4〜0.8nmのRu膜から構成されている。インナー層43cは強磁性層であり、例えば、Co70Fe30/Co2MnSi/Co30Fe70からなる層である。このようなシンセティックピンド層では、アウター層43aとインナー層43cとの磁気モーメントが互いに相殺され、全体としての漏れ磁界が抑制されるとともに、インナー層43cの磁化方向が強固に固定される。
スペーサ層44は非磁性材料からなり、例えば厚さ3.0nmのCuから構成されている。
フリー層45は、外部磁界に応じて磁化方向が変化する。本発明のフリー層45は、少なくとも4f電子を有する元素が混合された磁性体を含む多層構造である。具体的には、例えば、(CoFe−X)/(NiFe−X)/(CoFe−X)/Cu/(CoFe−X)/(NiFe−X)/(CoFe−X)である。ここで、「−X」とはXが添加されていることを表し、Xは4f電子を有する元素を表す。すなわち、このフリー層45は、図2(b)に示すように、例えば厚さ1.0nmの第1層(CoFe−X膜)45a、厚さ2.0nmの第1層(NiFe−X膜)45b、厚さ0.5nmの第3層(CoFe−X膜)45c、厚さ0.2nmの第4層(Cu膜)45d、厚さ0.5nmの第5層(CoFe−X膜)45e、厚さ2.0nmの第6層(NiFe−X膜)45f、厚さ1.0nmの第7層(CoFe−X膜)45gが順番に積層された多層構造である。なお、Xは、Nd、Sm、Gd、Tbのいずれかであることが好ましい。このフリー層45の作用効果については後述する。
キャップ層46は、MR素子4の劣化防止のために設けられ、例えば厚さ10.0nmのRuで構成されている。
MR素子4のトラック幅方向(媒体対向面S(図1参照)と平行な平面内での、MR素子4を構成する各層の面内方向)の両側(図2の左右両側)には、絶縁膜47を介してハードバイアス膜48が設けられている。ハードバイアス膜48は、フリー層45にトラック幅方向のバイアス磁界を印加することによってフリー層45を単磁区化する。ハードバイアス膜48には、例えばCoPtやCoCrPtなどの硬磁性材料が用いられる。絶縁膜47は、センス電流がハードバイアス膜48に漏洩するのを防止するためのものであり、例えばAl23といった酸化膜で形成することができる。絶縁膜47は絶縁層16aの一部であってもよい。
[フリー層の構成および作用効果]
ここで、本実施形態において最も特徴的な構成であるフリー層45の構成と、その作用効果について説明する。本発明のフリー層45は、4f電子を有する元素を含む多層構造であり、スペーサ層と接する第1層45aはCoFeを含む層からなるものである。一例としては、前記したように、(CoFe−X)/(NiFe−X)/(CoFe−X)/Cu/(CoFe−X)/(NiFe−X)/(CoFe−X)の7層構造が挙げられ、XはNd、Sm、Gd、Tbのいずれかであることが好ましい。このようなフリー層45を用いることによって、MR素子4におけるスピントランスファートルクの影響を抑えることができる。この点について以下に説明する。
まず、本発明において問題にしているスピントランスファートルクについて説明する。スピン分極した伝導電子が磁性層に注入されると、注入された伝導電子は磁性層中のスピンに、自らと同じ方向へ向くように回転させようとする。このスピンを回転させようとする現象をスピントランスファートルクという。スピントランスファートルクの結果、磁性層の磁化状態が揺らぎ、場合によっては磁化反転することがある。このようなスピントランスファートルクは、MRAM等において磁化反転を積極的に起こしたい場合に有効に利用されることがあるが、薄膜磁気ヘッドの再生素子の場合、記録媒体以外の要因でフリー層の磁化方向が決まる可能性があるためスピントランスファートルクは好ましくない。
CPP−GMR素子における具体的なスピントランスファートルクについて説明する。前記した通り、ピンド層43とスペーサ層44とフリー層45が積層されたMR素子4において、ピンド層43からフリー層45に伝導電子が通過するように電流を流すと、スピンがピンド層43の磁化方向と平行な状態の伝導電子は容易にピンド層43を通過するが、スピンがピンド層43の磁化方向と反平行な状態の伝導電子はピンド層43を通過できずに反射される。すなわち、ピンド層43はスピンフィルターとして作用する。その結果、スピンがピンド層43の磁化方向と平行な状態である伝導電子のみがスペーサ層44に流入する。このようにして、スピン分極状態になっている伝導電子がスペーサ層44を通過してフリー層45に注入されることになる。磁化方向が固定されていないフリー層45に、スピン分極状態になっている伝導電子が注入されると、フリー層45の磁性体のスピンを、注入された伝導電子のスピン方向に一致させるようにスピントランスファートルクが働く。このように注入されるスピン分極状態の伝導電子の量が多いと、フリー層45に磁化の揺らぎが生じ、場合によっては磁化反転を生じる。すなわち、MR素子4中を電気伝導する際にスピン反転を生じてトルクを受けた伝導電子が、フリー層45を構成する磁性体(例えばCoFe合金やNiFe合金)の持つ3d電子と相互作用し、結果として、この磁性体自体の磁化が伝導電子のトルクの影響を受けてしまう。それによって、フリー層45の磁化反転が生じる。
MR素子4を薄膜磁気ヘッド1の再生素子として用いる場合には、外部磁界、すなわち磁気記録媒体に記録された磁気に従ってフリー層45の磁化方向が決定され、その磁化方向を検知することによって、磁気記録媒体の記録を読み取ることができる。しかし、前記したように、スピン分極状態になっている伝導電子がフリー層45に注入されることにより磁化反転を生じると、外部の磁界(磁気記録媒体からの磁気)を検知することが困難になり、薄膜磁気ヘッド1の再生素子として感度が悪くなり、最悪の場合には使用不能になる。
そこで、MR素子4のフリー層45に磁化反転が生じないようにするために、本発明では、フリー層45を構成する磁性体(例えばCoFe合金やNiFe合金)中に、4f電子を有する元素(例えばNd、Sm、Gd、Tb)を混合させている。この場合、トルクを受けた伝導電子が、フリー層45の磁性体の3d電子ではなく、4f電子と主に相互作用する。そして、4f電子を有する元素がフリー層45の磁化を左右しない構成、すなわち、フリー層45の磁化が4f電子を有する元素によって決まるのではなく、3d電子を有する磁性体によって決まる構成になっていれば、4f電子が、伝導電子のスピン反転によるトルクを受け取ったとしても、その影響がフリー層45の磁化に及ぶことはない。従って、フリー層45の磁化反転は起きないか、または軽減すると考えられる。
このように、本発明では、フリー層45を構成する磁性体中に、フリー層45自体の磁化を担わない(フリー層45の磁化にほとんど影響しない)程度に、伝導電子のスピン反転のトルクを受け取る4f電子を有する元素を混ぜることによって、スピントランスファートルクがフリー層45の磁化に影響を及ぼすのを抑えている。従って、スピントランスファートルクによってフリー層45が磁化反転することが抑制され、MR素子4の本来の出力を発揮することができる。これが本発明の主な特徴である。
一例として、磁性体であるCo30Fe70合金に4f電子を有する元素であるGdを混入した構成のフリー層45を有するMR素子4と、Co30Fe70合金のみからなるフリー層を有する従来のMR素子とを対比して、図3に示している。図3を見ると、フリー層45がGdを含むMR素子4は、特に外部から加わる磁界の大きさHが0〜1000[Oe](=0〜79577[A/m])の範囲において、従来のMR素子に比べて大きなMR比が得られることが確認できる。
このように、フリー層45中の磁性体に、4f電子を有する元素を混合させる技術的意義についてさらに詳しく説明する。
従来のMR素子の問題は、前記した通り、スピントランスファートルクの影響でフリー層45が磁化反転を起こし、その結果、外部の磁界を感度良く検知することができなくなることである。フリー層45の磁化反転の生じやすさは磁化反転臨界電流の大きさによって表され、磁化反転臨界電流が大きいほど、磁化反転が生じにくいと言える。この磁化反転臨界電流を求めるために、まず、LLG(Landau Lifshitz Gilbert)の式に従って、フリー層に加わるトルクの総和が以下の式(1)で求められる。なお、Sfreeはフリー層45の全スピン角運動量、γは磁気回転比、μは透磁率、αはダンピング定数である。
Figure 2008112841
図4に示す、磁化Mと外部磁場Hとの間のトルクTM×H、磁化Mを磁場H方向に飽和させるダンピングトルクTdamping、磁化Mの飽和を妨げるスピントルクTspin-torqueは、以下の通りである。ダンピングは、磁化Mが磁場H方向に飽和するように作用するが、スピントルクTspin-torqueは、それを妨げるように作用する(厳密には、ダンピングは電流方向に依存し、本発明の場合にはピンド層43からフリー層45に向かって通電しており、これは平行状態になりにくく、フリー層45の磁化がピンド層43の磁化と平行になりにくい状態になっている)。なお、Heffはフリー層に加わる実効磁界(外部磁界+メディア磁界+ハードバイアス磁界)である。
Figure 2008112841
ここで、フリー層45が完全に磁化反転するのは、磁場H方向に飽和しようとするダンピングトルクTdampingにスピントルクTspin-torqueが打ち勝った時なので、磁化反転の条件は、Tdamping、とTspin-torqueが相殺する時、すなわち、以下の式(2)が成り立つときである。
Figure 2008112841
この式(2)は、式(3)のように書き換えることができる。なお、Pi Freeはフリー層のスピン分極率、Iは電流、eは電荷素量、?はプランク定数である。
Figure 2008112841
そして、以下の式(4)に基づいて、磁化反転臨界電流Jcriticalは式(5)で表される。なお、Vはフリー層の体積、Msはフリー層の磁性体の飽和磁化である。
Figure 2008112841
Figure 2008112841
なお、スピン分極率Pは、ここでは、磁性体中の通電電流の偏極によって定義されるものであり、以下の式(6)で表される。
Figure 2008112841
前記した式(5)から判るように、磁化反転臨界電流Jcriticalはダンピング定数αに比例するため、ダンピング定数αが大きいほど磁化反転が生じにくい。一例として、一般的なCPP−GMR素子のフリー層45である厚さ6.0nmのCo70Fe30膜において、外部から加わる磁界が500[Oe](=39789[A/m])である場合の、ダンピング定数αと磁化反転臨界電流Jcriticalとの関係を計算して図5に示す。この図5から、磁化反転臨界電流Jcriticalを大きくしてフリー層45の磁化反転をできるだけ抑えるためには、ダンピング定数αをできるだけ大きくするのが好ましいことが確認できる。
一般的な条件として、MR素子4の平面形状が0.05μm×0.05μmで、このMR素子4に流すセンス電流が5mAである場合を考えると、この場合の電流密度は、約2.0×10-8[A/cm2]である。通常のCoFe合金やNiFe合金のダンピング定数αは0.008程度であり、その場合の磁化反転臨界電流Jcriticalは、図5を見ると約9.1×10-7[A/cm2]である。これは、前記した一般的な条件下における電流密度2.0×10-8[A/cm2]よりも小さいため、スピントランスファートルクによるフリー層45の磁化反転が生じやすいことが判る。すなわち、MR素子の本来の出力を発揮できない。ここで、磁化反転臨界電流Jcriticalが電流密度2.0×10-8[A/cm2]と一致する際のダンピング定数αを図5から求めると、α=約0.018である。従って、ダンピング定数αが0.018以上であると、一般的な条件下において、スピントランスファートルクの影響を排除してMR素子4の本来の出力を得ることができる。
以上のように、ダンピング定数αが大きいとスピントランスファートルクによる悪影響を抑えるために効果的であることが判る。そこで、本発明では、4f電子を有する元素をフリー層45中に混入させることでダンピング定数αを大きくするようにした(なお、非特許文献1には、NiFe合金にTbやGdを混ぜるとダンピング定数αが大きくなることが示唆されている)。
代表的な4f電子を有する元素であるNd、Sm、Gd、Tbを、従来のフリー層に用いられている代表的な磁性体であるCo70Fe30とNi80Fe20に混合させた場合の、濃度(混合率)とダンピング定数αとの関係を実験的に求めて表2,3および図6,7に示している。この表2,3および図6,7を見ると、Nd、Sm、Gd、Tbのいずれもほぼ同様に、濃度が増えるほどダンピング定数αが大きくなっており、濃度が約2at.%以上ではダンピング定数αが0.018以上であることが判る。
Figure 2008112841
Figure 2008112841
一方、4f電子を有する元素は、フリー層45の母体である磁性体に不純物として添加されるため、あまり多量に添加されると分極率を低下させてしまう。Nd、Sm、Gd、TbをCo70Fe30とNi80Fe20に混合させた場合の、濃度(混合率)と分極率との関係を実験的に求めて表4,5および図8,9に示している。表4,5および図8,9を見ると、Nd、Sm、Gd、Tbのいずれもほぼ同様に、磁性体中に添加すると分極率が大きくなるが、濃度約10at.%において最高の分極率を呈した後、濃度が増えるほど分極率が小さくなってしまう。そして、濃度が25at.%より大きくなると、濃度0の時、すなわち4f電子を有する元素が添加されない時の分極率0.4よりも小さくなってしまう。このように、4f電子を有する元素の濃度が25at.%よりも大きいと、従来のMR素子よりも分極率が小さくなり、それに伴って従来のMR素子よりもMR比が小さくなってしまう。そうすると、MR素子のMR比を高めて十分な出力電圧を確保するという本発明の最終的な目的を達成できないので、4f電子を有する元素を添加する意味がない。表4,5および図8,9によると、濃度が約25at.%以下で0.4以上の分極率が確保でき、本発明の最終的な目的を達成するための条件を満たすことが判る。
Figure 2008112841
Figure 2008112841
これらの結果を考慮すると、4f電子を有する元素の濃度は2at.%以上かつ25at.%以下の範囲が好ましいと言える。
次に、4f電子を有する元素を磁性体に混合させた場合に、磁性体の組成がダンピング定数αに及ぼす影響について、GdとCoFeおよびNiFeを例にとって実験し、その結果を図10,11に示している。図10,11を見ると、少なくとも、Gdの濃度が前記した2〜25at.%である場合に、CoFe中のCoが70at.%以下、NiFe中のNiが95at.%以下であるならば、ダンピング定数αの変動は小さく、α>0.018が確保できることが判る。前記した通り4f電子を有する元素の存在がフリー層のダンピング定数を増加させているので、この実験例からも判るように、磁性体(CoFeやNiFe等)の組成に関係なく、4f電子を有する元素を添加するとダンピング定数は増大すると考えられる。
ただし、別の要因によってCoFeおよびNiFeの組成が限定される。すなわち、CoFeは、Coの濃度が70at.%以下の範囲で体心立方格子構造(bcc構造)をとることが知られており、フリー層がbcc構造であるとMR比が大きいことが判っている。従って、Coは0at.%よりも大きく70at.%以下であることが好ましい。また、NiFeは、Niが80at.%以上100at.%未満の範囲内で負磁歪を示すことが知られている。bcc構造によって増加した正磁歪を負磁歪で相殺するために、NiFeのNiを80at.%以上100at.%未満の範囲に設定することが好ましい。
なお、フリー層の構成としては、前記した(CoFe−X)/(NiFe−X)/(CoFe−X)/Cu/(CoFe−X)/(NiFe−X)/(CoFe−X)の7層構造に限られず、様々な構成にすることができる。例えば、[(CoFe−X)/Cu]nの多層構造や、[(NiFe−X)/Cu]nの多層構造にすることも考えられる。これらの構成において、Cu膜は、界面分極率を増加させるために挿入されるが、Au、Ag、Ru、Rh、Cr、Mn、Ir、V、Zn、Pd、Pt、Taなどに置き換えることもできる。
さらに他の構成例として、(CoFe−X)/Co2MnSiまたはCo2MnGe/(NiFe−X)の3層構造とすることもできる。この場合、厚さ1.0nmのCoFe−X膜、厚さ4.0nmのCo2MnSi膜またはCo2MnGe膜、厚さ1.0nmのNiFe−X膜を積層してフリー層を構成すればよい。この場合のXもNd、Sm、Gd、Tbに代表される4f電子を有する元素であり、前記したとおり濃度が2〜25at.%であることが好ましい。また、CoFe中のCoの濃度は70at.%以下、NiFe中のNiの濃度は80at.%以上100at.%未満であることが好ましい。この構成において、Co2MnSiおよびCo2MnGeはホイスラー合金であり、他の組成のホイスラー合金と置き換えることもできる。なお、ホイスラー合金は、組成式がX2YZまたはXYZ(ただし、XはCu、Co、Ni、Rh、Pt、Au、Pd、Ir、Ru、Ag、Zn、Cd、Feのうち1種または2種以上の元素、YはMn、Fe、Ti、V、Zr、Nb、Hf、Ta、Cr、Co、Niのうち1種または2種以上の元素、ZはAl、Sn、In、Sb、Ga、Si、Ge、Pb、Znのうち1種または2種以上の元素)で表されるものである。仮に、ホイスラー合金をスペーサ層44のCu上に直接形成するとあまり良好な膜成長が望めないが、この構成では、CoFe−XがCuとホイスラー合金との間に介在しているので、フリー層45を良好に形成できる。また、この構成のようにフリー層45にホイスラー合金を用いることにより良好なMR比が得られることが知られている(特許文献4参照)。
以上説明したようにフリー層45を多層構造にすると、層同士の界面が多いため、界面のMR効果を有効に利用することができる。また、膜成長を考慮すると、多層構造のフリー層45の、スペーサ層44と接触する位置には、少なくともホイスラー合金層は配置せず、CoFe−X層を配置することが好ましい。
なお、以上の説明では本発明を適用したCPP−GMR素子について例示したが、その他の種類のMR素子、例えばTMR素子等についても本発明を適用することができる。
[薄膜磁気ヘッドを含むヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置]
本発明の薄膜磁気ヘッド1は、1枚のウェハに多数個並べて形成される。図1に示した薄膜磁気ヘッドを含む構造体(基体)が多数個形成されたウェハの模式的な平面図を図12に示す。
ウェハ100は複数のヘッド要素集合体101に区画されている。ヘッド要素集合体101は、複数のヘッド要素102を含み、薄膜磁気ヘッド1(図1参照)の媒体対向面Sを研磨加工する際の作業単位となる。ヘッド要素集合体101同士の間およびヘッド要素102同士の間には切断のための切り代(図示せず)がそれぞれ設けられている。ヘッド要素102は、薄膜磁気ヘッド1の構成を含む構造体(基体)であり、媒体対向面Sを形成するための研摩加工など、必要な加工が施されて薄膜磁気ヘッド1になる。この研磨加工は、一般には複数のヘッド要素102を1列に切り出した状態で行う。
次に、本発明の薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置について説明する。まず、図13を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。ハードディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体であるハードディスクに対向するように配置される。スライダ210は、ヘッド要素102(図12参照)から得られた薄膜磁気ヘッド1を有し、ハードディスクに対向する媒体対向面Sにエアベアリング面200が形成されて、全体として略六面体形状をなしている。ハードディスクが図13におけるz方向に回転すると、ハードディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、y方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によってハードディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図13におけるx方向は、ハードディスクのトラック横断方向である。スライダ210の空気流出側の端面211には、再生部2および記録部3(図1参照)への信号入出力用の電極パッドが形成されている。この面は、図1では上端面に相当する。
次に、図14を参照して、ヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、スライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222と、ロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。ベースプレート224は、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、アーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
図14は、ヘッドアームアセンブリの一例を示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
次に、図15および図16を参照して、ヘッドスタックアセンブリおよびハードディスク装置の一例について説明する。図15はハードディスク装置の要部を示す説明図、図16はハードディスク装置の平面図である。ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252の反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、ハードディスク装置に組み込まれる。ハードディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚のハードディスク(磁気記録媒体)262を有している。ハードディスク262毎に、ハードディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、スライダ210を支持すると共にハードディスク262に対して位置決めする。
ハードディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210をハードディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッド1は、記録部3によって、ハードディスク262に情報を記録し、再生部2によって、ハードディスク262に記録されている情報を再生する。
なお、薄膜磁気ヘッド1は、上述した形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上述した形態では、基板11側に読み取り用のMR素子4を形成し、その上に、書き込み用の誘導型電磁変換素子を積層した構造の薄膜磁気ヘッド1について説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。また、上述した実施形態ではMR素子4および誘導型電磁変換素子の両方を有する場合を例に挙げたが、MR素子4のみを有していてもよい。
本発明の一実施形態による薄膜磁気ヘッドの主要部の断面図である。 (a)は図1に示すMR素子を媒体対向面側から見た図、(b)はそのフリー層付近の拡大図である。 フリー層中にGdを含むMR素子とフリー層中にGdを含まないMR素子の、外部磁界とMR比の関係を表すグラフである。 外部磁界と、フリー層の磁化と、フリー層内のスピンに加わるトルクとの関係を示す模式図である。 MR素子のフリー層のダンピング定数と磁化反転臨界電流の関係を示すグラフである。 MR素子のフリー層中の4f電子を有する元素の濃度とダンピング定数との関係を示すグラフである。 MR素子のフリー層中の4f電子を有する元素の濃度とダンピング定数との関係を示すグラフである。 MR素子のフリー層中の4f電子を有する元素の濃度と分極率との関係を示すグラフである。 MR素子のフリー層中の4f電子を有する元素の濃度と分極率との関係を示すグラフである。 MR素子のフリー層の磁性体の組成とダンピング定数との関係を示すグラフである。 MR素子のフリー層の磁性体の組成とダンピング定数との関係を示すグラフである。 図1に示す薄膜磁気ヘッドが形成されたウェハの一例の平面図である。 図1に示す薄膜磁気ヘッドを含むスライダの一例の斜視図である。 図13に示すスライダを含むヘッドジンバルアセンブリの斜視図である。 図14に示すヘッドジンバルアセンブリを含むハードディスク装置の要部側面図である。 図14に示すヘッドジンバルアセンブリを含むハードディスク装置の平面図である。
符号の説明
1 薄膜磁気ヘッド
2 再生部
3 記録部
4 MR素子(磁気抵抗効果素子)
13 下部シールド層
15 上部シールド層
41 バッファー層
42 反強磁性層
43 ピンド層
43a アウター層
43b 非磁性中間層
43c インナー層
44 スペーサ層
45 フリー層
46 キャップ層
47 絶縁膜
48 ハードバイアス膜

Claims (10)

  1. 磁化方向が固定されたピンド層と、非磁性のスペーサ層と、磁化方向が外部磁界に応じて変化するフリー層とが、前記スペーサ層が前記ピンド層と前記フリー層との間に位置するように積層された磁気抵抗効果素子において、
    前記フリー層は、4f電子を有する元素が混合された磁性体を含む多層構造であり、前記スペーサ層と接する部分はCoFeを含む層からなる
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 前記4f電子を有する元素はNd、Sm、Gd、Tbのうちの少なくとも1つであり、前記磁性体はNiFe合金またはCoFe合金である、請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記NiFe合金中のNiの割合は70at.%以上かつ100at.%未満であり、前記CoFe合金中のCoの割合は0at.%よりも大きくかつ70at.%以下である、請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記4f電子を有する元素は、2at.%以上かつ25at.%以下の割合で磁性体に混合されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記フリー層のダンピング定数は0.018よりも大きい、請求項1から4のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子を有する薄膜磁気ヘッド。
  7. 請求項6に記載の薄膜磁気ヘッドを有する基体。
  8. 請求項7に記載の基体の製造に用いられる、少なくとも1つの前記薄膜磁気ヘッドが設けられたウェハ。
  9. 請求項7に記載の基体を含み、記録媒体に対向して配置されるスライダと、
    前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと、
    を有するヘッドジンバルアセンブリ。
  10. 請求項7に記載の基体を含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向して配置されるスライダと、
    前記スライダを支持するとともに、前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と、
    を有するハードディスク装置。
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