JP4670890B2 - Cpp構造の磁気抵抗効果素子および磁気ディスク装置 - Google Patents

Cpp構造の磁気抵抗効果素子および磁気ディスク装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁気記録媒体等の磁界強度を信号として読み取るためのCPP構造の磁気抵抗効果素子、その磁気抵抗効果素子を備える薄膜磁気ヘッド、ならびにその薄膜磁気ヘッドを含むヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置に関する。
近年、磁気ディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能の向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、基板に対して、読み出し専用の磁気抵抗効果素子(以下、単にMR(Magneto-resistive)素子と簡略に記すことがある)を有する再生ヘッドと、書き込み専用の誘導型磁気変換素子を有する記録ヘッドと、を積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く使用されている。
MR素子としては、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magneto-resistive)効果を用いたAMR素子や、巨大磁気抵抗(Giant Magneto-resistive)効果を用いたGMR素子や、トンネル磁気抵抗(Tunnel-type Magneto-resistive)効果を用いたTMR素子等が挙げられる。
再生ヘッドの特性としては、特に、高感度で高出力であることが要求される。このような要求を満たす再生ヘッドとして、既に、スピンバルブ型GMR素子を用いたGMRヘッドが量産されている。また、近年では面記録密度のさらなる向上に応じてTMR素子を用いた再生ヘッドの量産も行なわれている。
スピンバルブ型GMR素子は、一般に、非磁性層と、この非磁性層の一方の面に形成されたフリー層と、非磁性層の他方の面に形成された磁化固定層と、非磁性層とは反対に位置する側の磁化固定層に接して形成されたピンニング層(一般には反強磁性層)とを有している。フリー層は外部からの信号磁界に応じて磁化の方向が変化するよう作用する層であり、磁化固定層は、ピンニング層(反強磁性層)からの交換結合磁界によって、磁化の方向が固定される層である。
ところで、従来のGMRヘッドは、磁気的信号検出用の電流(いわゆる、センス電流)を、GMR素子を構成する各層の面に対して平行な方向に流す構造、すなわち、CIP(Current In Plane)構造が主流となっていた(CIP−GMR素子)。これに対して、センス電流を、GMR素子を構成する各層の面に対して垂直方向(積層方向)に流す構造、すなわち、CPP(Current Perpendicular to Plane)構造のGMR素子(CPP−GMR素子)も次世代の素子として開発が進められている。
前述したTMR素子も電流を流す方向のみからの分類でいえば、CPP構造の範疇に入っている。しかしながら、TMR素子の積層膜構成および検出原理は、CPP−GMR素子のそれらとは、異なる。すなわち、TMR素子は、一般には、フリー層と、磁化固定層と、これらの間に配置されたトンネルバリア層と、磁化固定層のトンネルバリア層と接する面とは反対側の面に配置された反強磁性層とを有している。トンネルバリア層は、トンネル効果によりスピンを保存した状態で電子が通過できる非磁性絶縁層である。それ以外の層、例えば、フリー層、磁化固定層、および反強磁性層は、スピンバルブ型GMR素子に用いられるものと基本的に同様であるといえる。
ところで、TMR素子を再生ヘッドに用いる場合には、TMR素子の低抵抗化が要求される。その理由は以下のとおりである。つまり、磁気ディスク装置では、記録密度の向上とデータ転送レートの向上が要求されており、それに伴い、再生ヘッドには高周波応答性が良いことが要求される。ところが、TMR素子の抵抗値が大きいと、TMR素子およびそれに接続される回路において発生する浮遊容量が大きくなり、再生ヘッドの高周波応答特性が低下してしまう。そのため、TMR素子には、必然的に素子の低抵抗化が要求されるのである。
一般的に、TMR素子の低抵抗化のためには、トンネルバリヤ層の厚みを小さくすることが有効である。しかしながら、トンネルバリア層の厚みを小さくし過ぎると、トンネルバリア層に多くのピンホールが生じることによって、TMR素子の寿命が短くなったり、フリー層と磁化固定層との間で磁気的な結合が生じることによって、ノイズの増大やMR比の低下といったTMR素子の特性の劣化が生じたりするという問題が発生する。ここで、再生ヘッドにおいて発生するノイズをヘッドノイズと言う。TMR素子を用いた再生ヘッドにおけるヘッドノイズには、GMR素子を用いた再生ヘッドでは発生しないノイズ成分であるショットノイズが含まれる。そのため、TMR素子を用いた再生ヘッドでは、ヘッドノイズが大きいという問題がある。
この一方で、CPP−GMR素子では、十分に大きなMR比が得られないという問題点がある。その原因としては、非磁性導電層と磁性層との界面や、非磁性導電層中において、スピン偏極電子が散乱されてスピン情報を失ってしまうためと考えられる。
また、CPP−GMR素子では、抵抗値が小さいため、抵抗変化量も小さくなる。そのため、CPP−GMR素子を用いて大きな再生出力を得るためには、素子に印加する電圧を大きくする必要がある。しかし、素子に印加する電圧を大きくすると、以下のような問題が発生する。つまり、CPP−GMR素子では、各層の面に対して垂直な方向に電流が流される。すると、フリー層から磁化固定層へ、あるいは磁化固定層からフリー層へスピン偏極電子が注入される。このスピン偏極電子は、フリー層、または磁化固定層において、それらの磁化を回転させるトルク(以下、スピントルク)を発生させる。このスピントルクの大きさは電流密度に比例する。CPP−GMR素子に印加する電圧を大きくすると、電流密度が増加し、その結果、スピントルクが大きくなる。スピントルクが大きくなると磁化固定層の磁化の方向が変化してしまうという問題や、フリー層が外部磁界に対して自由に磁化方向を変えることができないという問題が発生する。
このような問題点を解決するために、本願出願人は、すでに、特願2006−275972として、ノイズを抑制し、かつスピントルクの影響を抑制しながら大きなMR比を得ることができるようにしたCPP−GMR素子の発明の提案を行なっている。すなわち、フリー層と磁化固定層との間に介在されるスペーサー層の構造を、好適な態様として、例えば、Cu/ZnO/Cuとなるように構成しつつ、磁気抵抗効果素子の面積抵抗(AR:Area Resistivity)およびスペーサー層の導電率を所定の範囲内となるように規定している。
この提案によれば、上述のごとくスペーサー層を、例えばCu/ZnO/Cuの三層構造とすることによって、ノイズを抑制し、かつスピントルクの影響を抑制しながら大きなMR比が得られている。
本願発明は、本願出願人がすでに提案している特願2006−275972の発明をさらに改良した発明であり、その提案趣旨は以下の通りである。
すなわち、次世代の1Tbpsiを超えるような記録密度を考慮すると、さらなるMR変化率の向上が望まれており、少なくとも特願2006−275972の提案の構成におけるMR変化率をさらに上回る特性を備える新規な磁気抵抗効果素子を提案することにある。さらには、素子の耐熱性の向上を図ることにある。すなわち、素子形成後に熱処理を加えることによって、MR変化率が低下してしまったり、磁気抵抗効果素子の面積抵抗(AR:Area Resistivity)が変化してしまうという問題が生じ得ることが分っており、これらの耐熱性の問題を解消することにある。
なお、すでに公知となっている先行技術として本願発明に最も関連があると思われる文献として、特開2003−8102号が挙げられる。この文献には、磁化方向が固着された磁化固着層と、磁化方向が外部磁界に対応して変化する磁化自由層と、磁化固着層と磁化自由層との間に設けられた非磁性金属中間層と、磁化固着層と磁化自由層との間に設けられ、伝導キャリア数が1022個/cm3以下の材料からなる抵抗調節層とを備えたCPP−GMR素子が開示されている。この文献中には、抵抗調節層の材料の一つとして半導体が開示されているが、本願発明の構成に関する示唆は何らなされていない。
特開2003−8102号
本願発明は、上述したごとく、本願出願人がすでに日本国特許庁に出願している特願2006−275972をさらに上記の趣旨に沿って改良せんとするものである。
すなわち、本発明は、スペーサー層と、前記スペーサー層を挟むようにして積層形成される2つの磁性層を有し、この積層方向にセンス電流が印加されてなるCPP(Current Perpendicular to Plane)構造の磁気抵抗効果素子であって、前記スペーサー層は、非磁性金属材料から形成された第1の非磁性金属層および第2の非磁性金属層と、これらの第1の非磁性金属層および第2の非磁性金属層の間に介在された半導体酸化物層を有し、前記スペーサー層を構成する半導体酸化物層は、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、および酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)のグループから選択された少なくとも1つから構成され、前記第1の非磁性金属層は、Cuから構成され、前記第2の非磁性金属層は、実質的にZnから構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記2つの磁性層は、磁化固定層およびフリー層であり、この積層方向にセンス電流が印加されてなるCPP(Current Perpendicular to Plane)構造の巨大磁気抵抗効果素子(CPP−GMR素子)であって、前記フリー層は、外部磁界に応じて磁化の方向が変化するように機能してなるように構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記第1の非磁性金属層は、前記磁化固定層と接し、かつ、前記第2の非磁性金属層は前記フリー層と接するように、前記スペーサー層が配置されてなるように構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記第1の非磁性金属層は前記フリー層と接し、かつ、前記第2の非磁性金属層は前記磁化固定層と接するように、前記スペーサー層が配置されてなるように構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記第1の非磁性金属層の膜厚は、0.1〜1.2nmであり、前記第2の非磁性金属層の膜厚は、0.1〜1.2nmであり、前記スペーサー層を構成する半導体酸化物層の厚さは、1.0〜4.0nmであるように構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記第2の非磁性金属層は、Znの単層、ZnとGaとの合金層、あるいはZnとGaOとの積層体から構成されてなるように構成される。
また、本発明の好ましい態様として、磁気抵抗効果素子の面積抵抗が、0.1〜0.3Ω・μm2であるように構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記スペーサー層の導電率が、133〜432(S/cm)であるように構成される。
本発明の薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面と、前記記録媒体からの信号磁界を検出するために前記媒体対向面の近傍に配置された前記の磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の積層方向に電流を流すための一対の電極と、を有してなるように構成される。
本発明のヘッドジンバルアセンブリは、前記の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと、を備えてなるように構成される。
本発明の磁気ディスク装置は、前記の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、前記スライダを支持するとともに前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と、を備えてなるように構成される。
本発明は、スペーサー層と、前記スペーサー層を挟むようにして積層形成される2つの磁性層を有し、この積層方向にセンス電流が印加されてなるCPP(Current Perpendicular to Plane)構造の磁気抵抗効果素子であって、前記スペーサー層は、非磁性金属材料から形成された第1の非磁性金属層および第2の非磁性金属層と、これらの第1の非磁性金属層および第2の非磁性金属層の間に介在された半導体酸化物層を有し、前記スペーサー層を構成する半導体酸化物層は、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、および酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)のグループから選択された少なくとも1つから構成され、前記第1の非磁性金属層は、Cuから構成され、前記第2の非磁性金属層は、実質的にZnから構成されているので、MR変化率のさらなる向上が図れる。さらに、耐熱性も向上し、素子形成後の追加アニールによる素子の特性変動が抑制される。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における再生ヘッドのABS(Air Bearing Surface)であって、特に本発明の要部であるCPP構造の巨大磁気抵抗効果素子(CPP−GMR素子)のABSを模式的に示した図面である。ABSとは、再生ヘッドが記録媒体と対向する面(以下、媒体対向面ともいう)に相当するのであるが、本発明でいうABSは素子の積層構造が明瞭に観察できる位置での断面までを含む趣旨であり、例えば、厳密な意味での媒体対向面に位置しているDLC等の保護層(素子を覆う保護層)は必要に応じて省略して考えることができる。
図2は、本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を説明するための図面であり、薄膜磁気ヘッドのABSおよび基板に垂直な断面を示した図面である。
図3は、本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を説明するための図面であり、特に、薄膜磁気ヘッドの磁極部分のABSに平行な断面を示した図面である。
図4は、本発明の一実施の形態におけるヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。図5は、本発明の一実施の形態におけるヘッドジンバルアセンブリを含むヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。図6は、本発明の一実施の形態における磁気ディスク装置の要部を示す説明図である。図7は、本発明の一実施の形態における磁気ディスク装置の平面図である。
〔CPP構造の巨大磁気抵抗効果素子(CPP−GMR素子)〕
図1を参照して、本発明のCPP構造の巨大磁気抵抗効果素子(CPP−GMR素子)を有する再生ヘッドの構成について、詳細に説明する。
図1は、上述したように、再生ヘッドの媒体対向面に平行な断面に相当する断面図である。
本実施の形態における再生ヘッドは、図1に示されるように所定の間隔を開けて図面の上下に対向配置された第1のシールド層3および第2のシールド層8と、これら第1のシールド層3と第2のシールド層8との間に配置された巨大磁気抵抗効果素子5(以下、単に「GMR素子5」と称す)と、GMR素子5の2つの側部およびこの側部に沿って第1のシールド層3の上面の一部を覆う絶縁膜4と、絶縁膜4を介してGMR素子5の2つの側部に隣接する2つのバイアス磁界印加層6とを有している。
本実施の形態における第1のシールド層3と第2のシールド層8は、いわゆる磁気シールドの役目と、一対の電極として役目を兼ね備えている。つまり、磁気シールド機能に加え、センス電流をGMR素子に対して、GMR素子5を構成する各層の面と交差する方向、例えば、GMR素子を構成する各層の面に対して垂直な方向(積層方向)に流すための一対の電極としての機能をも有している。
なお、第1のシールド層3と第2のシールド層8とは別に、新たに、GMR素子の上下に一対の電極を形成するようにしてもよい。
本発明における再生ヘッドは、本発明の要部であるCPP構造のGMR素子5を有している。
本発明におけるCPP構造のGMR素子5は、その構造を大きな概念でわかやすく区分して説明すると、図1に示されるごとく、スペーサー層40と、このスペーサー層40を挟むようにして積層形成される磁化固定層30およびフリー層50を有している。そして、GMR素子5の積層方向にセンス電流が印加されて、その素子機能を発揮するようになっている。つまり、CPP(Current Perpendicular to Plane)構造のGMR素子5である。
フリー層50は、外部磁界、すなわち記録媒体からの信号磁界に応じて磁化の方向が変化する層であり、磁化固定層30は、反強磁性層22の作用によって磁化の方向が固定された層である。図1には、反強磁性層22をボトム側(第1のシールド層3側)に形成した実施の形態が示されているが、反強磁性層22をトップ側(第2のシールド層8側)に形成して、フリー層50と磁化固定層30の位置を入れ替えた実施の形態とすることもできる。
(磁化固定層30の説明)
本発明における磁化固定層30は、第1のシールド層3の上に形成された下地層21を介して形成されたピンニング作用を果たす反強磁性層22の上に形成されている。
好適な態様として磁化固定層30は、反強磁性層22側から、アウター層31、非磁性中間層32、およびインナー層33が順次積層された構成、すなわち、いわゆるシンセティックピンド層を構成している。
アウター層31およびインナー層33は、例えば、CoやFeを含む強磁性材料からなる強磁性層を有して構成される。アウター層31とインナー層33は、反強磁性的に結合し、互いの磁化の方向が逆方向となるように固定されている。
アウター層31およびインナー層33は、例えば、Co65-70Fe(原子%)の合金層とすることが好ましい。アウター層の厚さは、2〜7nm程度、インナー層33の厚さは2〜10nm程度とすることが好ましい。また、インナー層33には、ホイスラー合金層を含んでいてもよい。
非磁性中間層32は、例えば、Ru,Rh,Ir,Re,Cr,Zr,Cuのグループから選ばれた少なくとも1種を含む非磁性材料から構成される。非磁性中間層32の厚さは、例えば0.35〜1.0nm程度とされる。非磁性中間層32はインナー層33の磁化と、アウター層31の磁化とを互いに逆方向に固定するために設けられている。「磁化が互いに逆方向」というのは、これらの2つの磁化が互いに180°異なる場合のみに狭く限定解釈されることなく、180°±20°異なる場合をも含む広い概念である。
(フリー層50の説明)
フリー層50は、外部磁界、すなわち記録媒体からの信号磁界に応じて磁化の方向が変化する層であり、保磁力が小さい強磁性層(軟磁性層)により構成されている。フリー層50の厚さは、例えば2〜10nm程度とされる。単層のみで構成することもできるが、積層された複数の強磁性層を含んだ多層膜としてもよい。また、フリー層50には、ホイスラー合金層を含んでいてもよい。
このようなフリー層50の上には、図1に示されるごとく、例えばTaやRu層からなる保護層26が形成される。その厚さは、0.5〜20nm程度とされる。
(スペーサー層40の説明)
本発明におけるスペーサー層40は、第1の非磁性金属層41および第2の非磁性金属層43と、これらの第1および第2の非磁性金属層41,43の間に介在された半導体酸化物層42を有し構成される。
より具体的には、第1の非磁性金属層41/半導体酸化物層42/第2の非磁性金属層43を順次積層させた3層積層体から構成されている。本実施の形態では、図1に示されるように第1の非磁性金属層41が磁化固定層30側に位置しており、第2の非磁性金属層43がフリー層50側に位置している。以下、構成要素ごとに詳細に説明する。
半導体酸化物層42
本発明におけるスペーサー層40を構成する半導体酸化物層42は、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、および酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)のグループから選択された少なくとも1つから構成される。以下、各態様ごとに説明する。
1)半導体酸化物層42が酸化亜鉛(ZnO)から構成される態様
スペーサー層40を構成する半導体酸化物層42は、その主成分が酸化亜鉛(ZnO)から構成される。酸化亜鉛(ZnO)の層は、例えば、ZnOをターゲットとしてスパッタ成膜すればよい。また、Znをスパッタ形成後、酸化処理を行なって形成してもよい。
このような薄膜は、通常、成膜後に200〜350℃、1〜10時間の熱処理が行なわれる。ZnO層を結晶化させて、膜の低抵抗化を図るためである。成膜後とは、半導体酸化物層の成膜後の意味と、素子全体の成膜後の意味の両方を含む。通常は、素子全体の成膜後に熱処理が行なわれる。
(2)半導体酸化物層42が酸化インジウム(In 2 3 )から構成される態様
前記スペーサー層を構成する半導体酸化物層は、酸化インジウム(In23)から構成される。
酸化インジウム層の形成は、例えば、酸化インジウム(In23)のターゲットを用いて、スパッタ成膜すればよい。
このような薄膜は、通常、成膜後に200〜350℃、1〜10時間の熱処理が行なわれる。酸化インジウム(In23)層を結晶化させて、膜の低抵抗化を図るためである。成膜後とは、半導体酸化物層の成膜後の意味と、素子全体の成膜後の意味の両方を含む。通常は、素子全体の成膜後に熱処理が行なわれる。
(3)半導体酸化物層42が酸化錫(SnO 2 )から構成される態様
前記スペーサー層を構成する半導体酸化物層は、酸化錫(SnO2)から構成される。
酸化錫層の形成は、例えば、酸化錫(SnO2)のターゲットを用いて、スパッタ成膜すればよい。
このような薄膜は、通常、成膜後に200〜350℃、1〜10時間の熱処理が行なわれる。酸化錫(SnO2)層を結晶化させて、膜の低抵抗化を図るためである。成膜後とは、半導体酸化物層の成膜後の意味と、素子全体の成膜後の意味の両方を含む。通常は、素子全体の成膜後に熱処理が行なわれる。
(4)半導体酸化物層42が酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)から構成される態様
酸化インジウム錫(ITO)は、酸化インジウム(In23)に数%の酸化錫(SnO2)を添加した化合物である。酸化錫(SnO2)の含有量は、0.1〜20.0モル%、好ましくは0.3〜10.0モル%とされる。成膜方法としては、例えば、酸化インジウム(In23)のターゲットに、SnO2のチップを貼り付けて所定の複合ターゲットを作製した後に、スパッタ成膜するようにすればよい。また、酸化インジウム(In23)に所定量のSnO2を混合させた後に、焼成したターゲットを用いて、通常のスパッタ成膜をするようにしてもよい。また、酸化インジウム(In23)と酸化錫(SnO2)のターゲットを同時放電させて作製してもよい。
このような薄膜は、通常、成膜後に200〜350℃、1〜10時間の熱処理が行なわれる。酸化インジウム錫(ITO)層を結晶化させて、膜の低抵抗化を図るためである。成膜後とは、半導体酸化物層の成膜後の意味と、素子全体の成膜後の意味の両方を含む。通常は、素子全体の成膜後に熱処理が行なわれる。
上述してきた各態様を備える半導体酸化物層42の厚さは、1.0〜4.0nm、好ましくは1.2〜2.8nmの範囲で使用されるのがよい。この値が1.0nm未満となると、素子の面積抵抗ARをはじめとする素子特性のバラツキが大きくなるという不都合が生じやすくなるという傾向が生じる。一方、この厚さが4.0nmを超えるとスピンの散乱によりMR特性が劣化するという不都合が生じやすくなるという傾向が生じる。また、CPP−GMR素子として求められている抵抗領域を逸脱してしまうという不都合も生じる。
第1の非磁性金属層41、第2の非磁性金属層43
本発明における第1の非磁性金属層41は、Cuから構成される。
本発明における第2の非磁性金属層43は、好適にはZnから構成される。また、第2の非磁性金属層43は、ZnとGaとの合金層、あるいはZnとGaOとの積層体から構成されていてもよい。本発明において、第2の非磁性金属層43が、『実質的にZnから構成される』と表現してある場合には、(1)第2の非磁性金属層43がZnから構成される態様、(2)ZnとGaとの合金層から構成される態様、(3)ZnとGaOとの積層体から構成される態様、の全ての態様が含まれる。
図1に示される実施形態では、第1の非磁性金属層41が磁化固定層30と接し、かつ、第2の非磁性金属層43がフリー層50と接するように、スペーサー層40がフリー層50と磁化固定層30との間に配置されている。また、図1に示されるスペーサー層40を転倒させて(つまり、スペーサー層40の図面の上下を逆転させる)、第1の非磁性金属層41がフリー層50と接し、かつ、第2の非磁性金属層43が磁化固定層30と接するようにスペーサー層40を配置してもよい。本発明においては、第1の非磁性金属層41が一方の磁性層(磁化固定層30またはフリー層50)と接し、第2の非磁性金属層43が他方の磁性層(フリー層50または磁化固定層30)と接するように配置されていればよい。
前記第1の非磁性金属層41の膜厚は、0.1〜1.2nm、好ましくは0.3〜1.0nmとされる。また、前記第2の非磁性金属層の膜厚は、0.1〜1.2nm、好ましくは0.3〜1.0nmとされる。
このような構成からなるスペーサー層40の導電率は、133〜432S/cmの範囲内とすることが望ましい。スペーサー層40の導電率は、スペーサー層40の抵抗率(Ω・cm)の逆数として定義される。
(反強磁性層22の説明)
反強磁性層22は、上述したように磁化固定層30との交換結合により、磁化固定層30の磁化の方向を固定するように作用している。
反強磁性層22は、例えば、Pt,Ru,Rh,Pd,Ni,Cu,Ir,CrおよびFeのグループの中から選ばれた少なくとも1種からなる元素M´と、Mnとを含む反強磁性材料から構成される。Mnの含有量は35〜95原子%とすることが好ましい。反強磁性材料の中には、(1)熱処理しなくても反強磁性を示して強磁性材料との間で交換結合磁界を誘起する非熱処理系反強磁性材料と、(2)熱処理により反強磁性を示すようになる熱処理系反強磁性材料とがある。上記(1)のタイプの反強磁性材料においても交換結合の方向をそろえるために通常、熱処理を行っている。本発明においては(1)、(2)のいずれのタイプを用いても良い。非熱処理系反強磁性材料としては、RuRhMn,FeMn、IrMn等が例示できる。熱処理系反強磁性材料としては、PtMn,NiMn,PtRhMn等が例示できる。
反強磁性層22の厚さは、4〜30nm程度とされる。
なお、磁化固定層30の磁化の方向を固定するための層として、上記反強磁性層に代えてCoPt等の硬磁性材料からなる硬磁性層を設けるようにしてもよい。
また、反磁性層22の下に形成されている下地層21は、その上に形成される各層の結晶性や配向性を向上させるための層であり、特に、反強磁性層22と磁化固定層30との交換結合を良好にするために設けられる。このような下地層21としては、例えばTa層とNiCr層との積層体や、Ta層とRu層の積層体が用いられる。下地層21の厚さは、例えば2〜6nm程度とされる。
本発明における磁気抵抗効果素子5(CPP−GMR素子5)の面積抵抗AR(AR:Area Resistivity)は、0.1〜0.3Ω・μm2の範囲、好ましくは、0.12〜0.3Ω・μm2の範囲、より好ましくは、0.14〜0.28Ω・μm2の範囲とされる。0.1〜0.3Ω・μm2の範囲を外れると、ノイズを抑制し、かつスピントルクの影響を抑制しながら大きなMR比を得ることが困難となってしまう。
面積抵抗の測定対象となる素子(CPP−GMR素子)は、図1に示されるごとく、下地層21、反強磁性層22、磁化固定層30、スペーサー層40、フリー層50、および保護層26の積層体である。
さらに、図1に示される絶縁層4を構成する材料としては、例えばアルミナが用いられる。バイアス磁界印加層6としては、例えば、硬磁性層(ハードマグネット)や、強磁性層と反強磁性層との積層体が用いられ、具体的には、CoPtやCoCrPtを例示することができる。
上述してきた本発明の実施形態におけるCPP構造の巨大磁気抵抗効果素子(CPP−GMR素子)は、スパッタ法等の真空成膜法を用いて形成することができる。また、必要に応じて、成膜後の熱処理が施される。
(薄膜磁気ヘッドの全体構成の説明)
次いで、上述してきた磁気抵抗効果素子を備えてなる薄膜磁気ヘッドの全体構成について説明する。前述したように図2および図3は本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明するための図面であり、図2は、薄膜磁気ヘッドのABSおよび基板に垂直な断面を示している。図3は、薄膜磁気ヘッドの磁極部分のABSに平行な断面を示している。
薄膜磁気ヘッドの全体構造は、その製造工程に沿って説明することによりその構造が容易に理解できると思われる。そのため、以下、製造工程を踏まえて薄膜磁気ヘッドの全体構造を説明する。
まず、アルティック(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1の上に、スパッタ法等によって、アルミナ(Al23)、二酸化珪素(SiO2)等の絶縁材料からなる絶縁層2を形成する。厚さは、例えば0.2〜20μm程度とする。
次に、この絶縁層2の上に、磁性材料からなる再生ヘッド用の下部シールド層3を形成する。厚さは、例えば0.1〜5μm程度とする。このような下部シールド層3に用いられる磁性材料としては、例えば、FeAlSi、NiFe、CoFe、CoFeNi、FeN、FeZrN、FeTaN、CoZrNb、CoZrTa等が挙げられる。下部シールド層3は、スパッタ法またはめっき法等によって形成される。
次に、下部シールド層3の上に、再生用のCPP−GMR素子5を形成する。
次に、図面では示していないが、MR素子の2つの側部および第1のシールド層3の上面を覆うように絶縁膜を形成する。絶縁膜はアルミナ等の絶縁材料より形成される。
次に、絶縁膜を介してMR素子5の2つの側部に隣接するように、2つのバイアス磁界印加層6を形成する。次に、CPP−GMR素子5およびバイアス磁界印加層6の周囲に配置されるように絶縁膜7を形成する。絶縁膜7は、アルミナ等の絶縁材料によって形成される。
次に、CPP−GMR素子5、バイアス磁界印加層6および絶縁層7の上に、磁性材料からなる再生ヘッド用の第2のシールド層8を形成する。第2のシールド層8は、例えば、めっき法やスパッタ法により形成される。
次に、上部シールド層8の上に、スパッタ法等によって、アルミナ等の絶縁材料からなる分離層18を形成する。次に、この分離層18の上に、例えば、めっき法やスパッタ法により、磁性材料からなる記録ヘッド用の下部磁極層19を形成する。第2のシールド層8および下部磁極層19に用いられる磁性材料としては、NiFe,CoFe,CoFeNi,FeN等の軟磁性材料があげられる。なお、第2のシールド層8、分離層18および下部磁極層19の積層体の代わりに、下部磁極層を兼ねた第2のシールド層を設けても良い。
次に、下部磁極層19の上に、スパッタ法等によって、アルミナ等の非磁性材料からなる記録ギャップ層9が形成される。厚さは、50〜300nm程度とされる。
次に、磁路形成のために、後述する薄膜コイルの中心部において、記録ギャップ層9を部分的にエッチングしてコンタクトホール9aを形成する。
次に、記録ギャップ層9の上に、例えば銅(Cu)からなる薄膜コイルの第1層部分10を、例えば2〜3μmの厚さに形成する。なお、図2において、符号10aは、第1層部分10のうち、後述する薄膜コイルの第2層部分15に接続される接続部を示している。第1層部分10は、コンタクトホール9aの周囲に巻回される。
次に、薄膜コイルの第1層部分10およびその周辺の記録ギャップ層9を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機材料からなる絶縁層11を所定のパターンに形成する。
次に、絶縁層11の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層11の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
次に、絶縁層11のうちの後述する媒体対向面20側の斜面部分から媒体対向面20側にかけての領域において、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に、記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のトラック幅規定層12aを形成する。上部磁極層12は、このトラック幅規定層12aと、後述する連結部分層12bおよびヨーク部分層12cとで構成される。
トラック幅規定層12aは、記録ギャップ層9の上に形成され、上部磁極層12の磁極部分となる先端部と、絶縁層11の媒体対向面20側の斜面部分の上に形成されヨーク部分層12cに接続される接続部と、を有している。先端部の幅は記録トラック幅と等しくなっている。接続部の幅は、先端部の幅よりも大きくなっている。
トラック幅規定層12aを形成する際には、同時にコンタクトホール9aの上に磁性材料からなる連結部分層12bを形成するとともに、接続部10aの上に磁性材料からなる接続層13を形成する。連結部分層12bは、上部磁極層12のうち、上部シールド層8に磁気的に連結される部分を構成する。
次に、磁極トリミングを行なう。すなわち、トラック幅規定層12aの周辺領域において、トラック幅規定層12aをマスクとして、記録ギャップ層9および上部シールド層8の磁極部分における記録ギャップ層9側の少なくとも一部をエッチングする。これにより、図3に示されるごとく、上部磁極層12の磁極部分、記録ギャップ層9および上部シールド層8の磁極部分の少なくとも一部の各幅が揃えられたトリム(Trim)構造が形成される。このトリム構造によれば、記録ギャップ層9の近傍における磁束の広がりによる実効的なトラック幅の増加を防止することができる。
次に、全体に、アルミナ等の無機絶縁材料からなる絶縁層14を、例えば3〜4μm厚さに形成する。
次に、この絶縁層14を、例えば化学機械研摩によって、トラック幅規定層12a、連結部分層12b、接続層13の表面に至るまで研摩して平坦化する。
次に、平坦化された絶縁層14の上に、例えば銅(Cu)からなる薄膜コイルの第2層部分15を、例えば2〜3μmの厚さに形成する。なお、図2において、符号15aは、第2層部分15のうち、接続層13を介して薄膜コイルの第1層部分10の接続部10aに接続される接続部を示している。第2層部分15は、連結部分層12bの周囲に巻回される。
次に、薄膜コイルの第2層部分15およびその周辺の絶縁層14を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機材料からなる絶縁層16を所定のパターンに形成する。
次に、絶縁層16の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層16の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
次に、トラック幅規定層12a、絶縁層14、16および連結部分層12bの上にパーマロイ等の記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁性層12のヨーク部分を構成するヨーク部分層12cを形成する。ヨーク部分層12cの媒体対向面20側の端部は、媒体対向面20から離れた位置に配置されている。また、ヨーク部分層12cは、連結部分層12bを介して下部磁極層19に接続されている。
次に、全体を覆うように、例えばアルミナからなるオーバーコート層17を形成する。最後に、上記各層を含むスライダの機械加工を行い、記録ヘッドおよび再生ヘッドを含む薄膜ヘッドの媒体対向面20を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
このようにして製造される薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面20と、前述した再生ヘッドと、記録ヘッド(誘導型磁気変換素子)とを備えている。
記録ヘッドは、媒体対向面20側において互いに対向する磁極部分を含むとともに、互いに磁気的に連結された下部磁極層19および上部磁極層12と、この下部磁極層19の磁極部分と上部磁極層12の磁極部分との間に設けられた記録ギャップ層9と、少なくとも一部が下部磁極層19および上部磁極層12の間に、これらに対して絶縁された状態で配置された薄膜コイル10、15と、を有している。
このような薄膜磁気ヘッドでは、図2に示されるように、媒体対向面20から、絶縁層11の媒体対向面側の端部までの長さが、スロートハイト(図面上、符号THで示される)となる。なお、スロートハイトとは、媒体対向面20から、2つの磁極層の間隔が開き始める位置までの長さ(高さ)をいう。
なお、記録ヘッドの形式は何ら限定されるものではなく、垂直磁気記録用のヘッドでもよい。例えば、特開2006−155866号公報に記載されている垂直磁気記録用のヘッド構造でもよい。
(薄膜磁気ヘッドの作用の説明)
次に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの作用について説明する。薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって記録媒体に情報を記録し、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生する。
再生ヘッドにおいて、バイアス磁界印加層6によるバイアス磁界の方向は、媒体対向面20に垂直な方向と直交している。CPP−GMR素子5において、信号磁界がない状態では、フリー層50の磁化の方向は、バイアス磁界の方向に揃えられている。磁化固定層30の磁化の方向は、媒体対向面20に垂直な方向に固定されている。
CPP−GMR素子5では、記録媒体からの信号磁界に応じてフリー層50の磁化の方向が変化し、これにより、フリー層50の磁化の方向と磁化固定層30の磁化の方向との間の相対角度が変化し、その結果、CPP−GMR素子5の抵抗値が変化する。CPP−GMR素子5の抵抗値は、第1および第2のシールド層3,8によって、MR素子にセンス電流を流したときの2つの電極層3,8間の電位差より求めることができる。このようにして、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生することができる。
(ヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置についての説明)
以下、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置について説明する。
まず、図4を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。磁気ディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体であるハードディスクに対向するように配置される。このスライダ210は、主に図2における基板1およびオーバーコート17からなる基体211を備えている。
基体211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の六面のうちの一面は、ハードディスクに対向するようになっている。この一面には、媒体対向面20が形成されている。
ハードディスクが図4におけるz方向に回転すると、ハードディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、図4におけるy方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によってハードディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図4におけるx方向は、ハードディスクのトラック横断方向である。
スライダ210の空気流出側の端部(図4における左下の端部)の近傍には、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド100が形成されている。
次に、図5を参照して、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、このスライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222、このロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。
ベースプレート224は、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、このアーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
図5は、ヘッドアームアセンブリの一例を示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
次に図6および図7を参照して、ヘッドスタックアセンブリの一例と本実施の形態に係る磁気ディスク装置について説明する。
図6は磁気ディスク装置の要部を示す説明図、図7は磁気ディスク装置の平面図である。
ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252とは反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、磁気ディスク装置に組み込まれる。
磁気ディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚のハードディスク262を有している。各ハードディスク262毎に、ハードディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、本発明における位置決め装置に対応しスライダ210を支持すると共にハードディスク262に対して位置決めする。
本実施の形態に係る磁気ディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210をハードディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって、ハードディスク262に情報を記録し、再生ヘッドによって、ハードディスク262に記録されている情報を再生する。
本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置は、前述の本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同様の効果を奏する。
また、実施の形態では、基板側に再生ヘッドを形成し、その上に、記録ヘッドを積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。また、読み取り専用として用いる場合には、薄膜磁気ヘッドを、再生ヘッドだけを備えた構成としてもよい。
また、本発明の要部は磁気ヘッドに限らず、いわゆる磁界を検知するための薄膜磁界センサーとして応用することができる。
上述してきたCPP−GMR素子の発明を、以下に示す具体的実験例によりさらに詳細に説明する。
〔実験例I〕
下記表1に示されるような積層構造からなる本発明のCPP−GMR素子サンプル、並びに参考例および比較例となるCPP−GMR素子サンプルを、それぞれスパッタ法にて成膜して準備した。第1および第2の非磁性金属層、ならびに半導体酸化物層の具体的構成は下記表2を参照されたい。なおバイアス磁界印加層6としては、CoPtを用いた。
Figure 0004670890
なお、具体的なサンプルの作製に際しては、表1中のスペーサー層の一部を構成する半半導体酸化物層の組成および厚さ、並びに第1および第2の非磁性金属層の組成および厚さそれぞれ変え、表2に示されるような種々のサンプルを作製した。
なお、表2中の参考例I-1は、表1中のスペーサー層の一部を構成する第2の非磁性金属層の組成がCuから構成されている。
サンプル作製は、CPP−GMR素子を構成する各層を順次成膜して積層体を形成した後に、270℃、3時間の熱処理を行なった。熱処理は主として半導体酸化物層を結晶化させて低抵抗化させるため、およびピンド層の磁化方向を揃えるために行った。なお、この熱処理は、200〜350℃の範囲が好ましいことが実験的に確認されている。
なお、スペーサー層の一部を構成する半導体酸化物層((ZnO)、(SnO2)、(In23)、(ITO:(In23+SnO2)))の形成方法は以下のように行なった。
(i)半導体酸化物層をZnOから構成する場合
ZnO層は、ZnOのターゲットを用いて半導体酸化物層をスパッタ成膜した。
素子を構成する各層を成膜した後に、270℃、3時間で熱処理を行い、ZnO層を結晶化させて低抵抗化させた。
このような素子の基本部分を構成する積層膜を柱状に加工し、側面を絶縁体で保護し、CPP−GMR素子を作製した。
(ii)半導体酸化物層を(SnO 2 )から構成する場合
SnO2ターゲットを用いて、半導体酸化物層をスパッタ成膜した。
素子を構成する各層を成膜した後に、270℃、3時間で熱処理を行い、SnO2層を結晶化させて低抵抗化させた。
このような素子の基本部分を構成する積層膜を柱状に加工し、側面を絶縁体で保護し、CPP−GMR素子を作製した。
(iii)半導体酸化物層を(In 2 3 )から構成する場合
In23ターゲットを用いて、半導体酸化物層をスパッタ成膜した。
素子を構成する各層を成膜した後に、270℃、3時間で熱処理を行い、In23層を結晶化させて低抵抗化させた。
このような素子の基本部分を構成する積層膜を柱状に加工し、側面を絶縁体で保護し、CPP−GMR素子を作製した。
(iV)半導体酸化物層を(ITO:In 2 3 +SnO 2 )として構成する場合
In23に所定量のSnO2を混合させ、焼成したターゲットを用いて半導体酸化物層をスパッタ成膜した。表2に示される添加の状態では、成膜された膜中に、5モル%のSnO2が含有されるようにした。
素子を構成する各層を成膜した後に、270℃、3時間で熱処理を行い、(In23+SnO2)層を結晶化させて低抵抗化させた。
このような素子の基本部分を構成する積層膜を柱状に加工し、側面を絶縁体で保護し、CPP−GMR素子を作製した。
上述の要領で作製した各CPP−GMR素子サンプルの上から見た形状は、幅0.06μm(トラック幅方向の長さ)の、長さ0.10μm(ABSに対して奥行き方向に垂直な方向(MRハイト方向)の長さ)の長方形である。この形状は、実際に再生ヘッドに用いられるGMR素子の形状と近い形状である。また、実験結果は素子の形状によらず、傾向は実質的に同じであった。
これらの各CPP−GMR素子サンプルについて、(1)MR比、および(2)素子の面積抵抗AR(Ω・μm2)を、それぞれ、下記の要領で求めて評価した。
(1)MR比
通常の直流4端子法でMR比を測定した。MR比は、抵抗の変化量ΔRを、抵抗値Rで割った値であり、ΔR/Rで表される。数値が小さいために%表示に換算した。
なお、MR比は、サンプル数100個の素子での平均値として求めた。
(2)素子の面積抵抗AR(Ω・μm2
直流4端子法で測定した。
結果を下記表2に示した。
Figure 0004670890
上記表2に示される結果より、本発明の効果は明らかである。すなわち、スペーサー層の構成を本発明の構成とすることによって、MR変化率のさらなる向上が図れることが分る。素子の面積抵抗AR(Ω・μm2)についても、良好は数値範囲が得られている。
〔実験例II〕
上記表2の中から選定した下記表3に示されるようなCPP−GMR素子サンプルを用いて、耐熱性の実験を行なった。すなわち、素子形成後に、再度、270℃、3時間の加熱処理(アニール)を行うことによって、素子の特性がどのように変化するかを確認する実験を行った。測定項目は上記のMR比、および素子の面積抵抗ARとした。
結果を下記表3に示した。
Figure 0004670890
表3に示される実験結果より、本発明の効果は明らかである。すなわち、スペーサー層の構成を本発明の構成とすることによって、素子形成後の追加アニールによる素子の特性変動が抑制されていることがわかる。このメカニズムの詳細は現時点では明らかではないが、酸素の移動のパラメータが何らかの形で寄与しているのではないかと考えられる。
上述してきた実験結果より、本発明の効果は明らかである。すなわち、本発明は、スペーサー層と、前記スペーサー層を挟むようにして積層形成される2つの磁性層を有し、この積層方向にセンス電流が印加されてなるCPP(Current Perpendicular to Plane)構造の磁気抵抗効果素子であって、前記スペーサー層は、非磁性金属材料から形成された第1の非磁性金属層および第2の非磁性金属層と、これらの第1の非磁性金属層および第2の非磁性金属層の間に介在された半導体酸化物層を有し、前記スペーサー層を構成する半導体酸化物層は、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、および酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)のグループから選択された少なくとも1つから構成され、前記第1の非磁性金属層は、Cuから構成され、前記第2の非磁性金属層は、実質的にZnから構成されているので、MR変化率のさらなる向上が図れる。さらに、耐熱性も向上し、素子形成後の追加アニールによる素子の特性変動が抑制される。
本発明の産業上の利用可能性として、本発明は、磁気記録媒体等の磁界強度を信号として読み取るための磁気抵抗効果素子を備える磁気ディスク装置の産業に利用できる。
図1は、本発明の実施の形態における主として再生ヘッドの媒体対向面に平行な断面を示す断面図である。 図2は、本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明するための図面であり、薄膜磁気ヘッドの媒体対向面および基板に垂直な断面を示す断面図である。 図3は、本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明するための図面で、薄膜磁気ヘッドの磁極部分の媒体対向面に平行な断面を示す断面図である。 図4は、本発明の一実施の形態におけるヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。 図5は、本発明の一実施の形態におけるヘッドジンバルアセンブリを含むヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。 図6は、本発明の一実施の形態における磁気ディスク装置の要部を示す説明図である。 図7は、本発明の一実施の形態における磁気ディスク装置の平面図である。
符号の説明
30…磁性層
40…スペーサー層
41…第1の非磁性金属層
42…半導体酸化物層
43…第2の非磁性金属層
50…磁性層

Claims (11)

  1. スペーサー層と、
    前記スペーサー層を挟むようにして積層形成される2つの磁性層を有し、この積層方向にセンス電流が印加されてなるCPP(Current Perpendicular to Plane)構造の磁気抵抗効果素子であって、
    前記スペーサー層は、非磁性金属材料から形成された第1の非磁性金属層および第2の非磁性金属層と、これらの第1の非磁性金属層および第2の非磁性金属層の間に介在された半導体酸化物層を有し、
    前記スペーサー層を構成する半導体酸化物層は、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、および酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)のグループから選択された少なくとも1つから構成され、
    前記第1の非磁性金属層は、Cuから構成され、
    前記第2の非磁性金属層は、実質的にZnから構成されてなることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 前記2つの磁性層は、磁化固定層およびフリー層であり、この積層方向にセンス電流が印加されてなるCPP(Current Perpendicular to Plane)構造の巨大磁気抵抗効果素子(CPP−GMR素子)であって、
    前記フリー層は、外部磁界に応じて磁化の方向が変化するように機能してなる請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記第1の非磁性金属層は前記磁化固定層と接し、かつ、
    前記第2の非磁性金属層は前記フリー層と接するように、前記スペーサー層が配置されてなる請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記第1の非磁性金属層は前記フリー層と接し、かつ、
    前記第2の非磁性金属層は前記磁化固定層と接するように、前記スペーサー層が配置されてなる請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記第1の非磁性金属層の膜厚は、0.1〜1.2nmであり、前記第2の非磁性金属層の膜厚は、0.1〜1.2nmであり、前記スペーサー層を構成する半導体酸化物層の厚さは、1.0〜4.0nmである請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 前記第2の非磁性金属層は、Znの単層、ZnとGaとの合金層、あるいはZnとGaOとの積層体から構成されてなる請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  7. 磁気抵抗効果素子の面積抵抗が、0.1〜0.3Ω・μm2である請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  8. 前記スペーサー層の導電率が、133〜432(S/cm)である請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  9. 記録媒体に対向する媒体対向面と、
    前記記録媒体からの信号磁界を検出するために前記媒体対向面の近傍に配置された請求項1ないし請求項8のいずれかに記載された磁気抵抗効果素子と、
    前記磁気抵抗効果素子の積層方向に電流を流すための一対の電極と、
    を有してなることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  10. 請求項9に記載された薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと、
    を備えてなることを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。
  11. 請求項9に記載された薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを支持するとともに前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と、
    を備えてなることを特徴とする磁気ディスク装置。
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