JP4146818B2 - 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁気記録媒体等の磁界強度を信号として読み取るための磁気抵抗効果素子を備える薄膜磁気ヘッド、ならびにその薄膜磁気ヘッドを含むヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置に関する。
近年、ハードディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能の向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、基板に対して、読み出し専用の磁気抵抗効果素子(以下、単にMR(Magneto-resistive)素子と簡略に記すことがある)を有する再生ヘッドと、書き込み専用の誘導型磁気変換素子を有する記録ヘッドと、を積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く使用されている。
MR素子としては、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magneto-resistive)効果を用いたAMR素子や、巨大磁気抵抗(Giant Magneto-resistive)効果を用いたGMR素子や、トンネル磁気抵抗(Tunnel-type Magneto-resistive)効果を用いたTMR素子等が挙げられる。
GMR素子としては、スピンバルブ型GMR素子多く用いられている。スピンバルブ型GMR素子は、非磁性層と、この非磁性層の一方の面に形成された軟磁性層と、非磁性層の他方の面に形成された強磁性層と、非磁性層とは反対に位置する側の強磁性層の上に形成されたピンニング層(一般には反強磁性層)とを有している。軟磁性層は外部からの信号磁界に応じて磁化の方向が変化するよう作用する層であり、強磁性層は、ピンニング層(反強磁性層)からの磁界によって、磁化の方向が固定された層である。
再生ヘッドの特性としては、出力が大きいこと、バルクハウゼンノイズが小さいことが要求される。バルクハウゼンノイズを低減させる手段としては、通常、MR素子に対して長手方向にバイアス磁界(以下、縦バイアス磁界と称す)を印加することが行われている。MR素子に対する縦バイアス磁界の印加は、例えばMR素子の両側に、永久磁石や、強磁性層と反強磁性層との積層体等によって構成されたバイアス磁界印加層を配置することによって行われる。
永久磁石によりバイアス磁界を印加する方法の場合、保磁力の大きさや高耐食性という観点からCoPtにCrを添加したCoCrPtが一般に用いられている。また、永久磁石のバイアス磁界層を形成する際の下地層としては、六方晶であるCoCrPtのc軸を膜面内に寝かせることができるCrやCrTiといった下地が用いられる。
WO97/11458号公報(特許文献1)には、永久磁石膜の結晶軸の配向性を変化させ膜面に水平方向の磁化成分を増大させること、および磁気抵抗効果膜が永久磁石膜の特性に及ぼす影響を軽減して永久磁石膜の特性を均一なものとするために、FeおよびCrを主成分とする強磁性下地膜を素子のテーパー部に敷設し、この上に永久磁石膜を形成させる旨の提案がなされている。
また、特開平11−250419号公報(特許文献2)には、素子の下地層としてCr,Ta,Tiからなる群より少なくとも1つ選択された金属により構成する旨の提案がなされている。このような下地膜の選定理由として、融点が高く、かつ製造時に永久磁石膜等との密着性の高い金属である旨が述べられている。また、当該公報に開示されている素子はスピンバルブ素子構造のものではなく、また、当該公報の実施例において、具体的な積層膜構成の記載がないばかりか、下地層や永久磁石膜厚さの最適化への具体的検討もなされていない。
一般に、バイアス磁界印加層から発生される磁界が大きい場合には、バルクハウゼンノイズが低減され好ましい。同時に、再生波形対象性のバラツキも抑制される。しかしながら不必要に強いバイアス磁界を与えた場合には再生出力が劣化するという問題がある。
現状の開発動向として、ハードディスクの高密度化に伴う再生ヘッドの狭トラック化やフリー層の薄層化に伴い、バイアス磁界印加層の薄層化も進められている。従って、素子全体の薄層化に応じて、最適なバイアス磁界が得られるようなバイアス磁界印加層周辺の膜設計が要求されている。
WO97/11458号公報 特開平11−250419号公報 特開2000−132817号公報 特開2002−25019号公報
本発明はこのような実状のものに創案されたものであって、その目的は、素子全体の薄層化に応じて、最適なバイアス磁界が得られるようなバイアス磁界印加層周辺の膜設計を行い、薄いバイアス磁界印加層でも再生出力が大きく、再生波形対象性のバラツキが少なく再生波形対象性に優れ、バルクハウゼンノイズの発生率が少ない薄膜磁気ヘッドを提供すること、ならびにこのように改善された薄膜磁気ヘッドを備えるヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置を提供することにある。
このような課題を解決するために、本発明は、磁気抵抗効果膜を有する磁気抵抗効果素子を備えてなる薄膜磁気ヘッドであって、前記磁気抵抗効果膜は、非磁性層と、非磁性層の一方の面に形成された強磁性層と、非磁性層の他方の面に形成された軟磁性層と、前記強磁性層の磁化の向きをピン止めするために強磁性層の片面(非磁性層と接する面と反対側の面)に接して形成されたピンニング層とを有する多層膜であり、前記磁気抵抗効果膜の両端部はジャンクションテーパ形状をなし、このジャンクションテーパ形状をなす両端部に、下地層を介して前記軟磁性層に縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層が配置されており、前記下地層は、Ru,Ti,Zr,Hf,Znのグループから選ばれた少なくとも1つの元素からなる薄膜、あるいは、これらのグループから選ばれた少なくとも1つの元素を主成分とする合金薄膜からなり、前記下地層の上に形成されるバイアス磁界印加層は、硬質磁性層から構成され、その膜厚が200Å以下(零を含まない)となるように構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記バイアス磁界印加層の膜厚は、150〜200Åとなるように構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記磁気抵抗効果素子はスピンバルブ型磁気抵抗効果素子であり、前記下地層は、Tiからなる薄膜、あるいは、Tiを主成分とする合金薄膜からなるように構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記バイアス磁界印加層は、六方柱六方晶系の結晶構造を有してなるように構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記バイアス磁界印加層は、Co系の硬質磁性層から構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記Co系の硬質磁性層は、CoPt、CoCrPt、CoCrTa、あるいはこれらを含む合金として構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記磁気抵抗効果膜の両端部におけるジャンクションテーパ形状のテーパ角度θが、底部基準面に対して45〜85°となるように構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記下地層の厚さが、10〜100Åであるように構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記磁気抵抗効果膜は、ピンニング層、強磁性層、非磁性層、および軟磁性層のトータル厚さが、120〜350Åとなるように構成される。
また、本発明は、磁気抵抗効果膜を有する磁気抵抗効果素子を備えてなる薄膜磁気ヘッドであって、前記磁気抵抗効果膜は、非磁性層と、非磁性層の一方の面に形成された強磁性層と、非磁性層の他方の面に形成された軟磁性層と、前記強磁性層の磁化の向きをピン止めするために強磁性層の片面(非磁性層と接する面と反対側の面)に接して形成されたピンニング層とを有する多層膜であり、前記磁気抵抗効果膜の両端部はジャンクションテーパ形状をなし、このジャンクションテーパ形状をなす両端部に、第1の下地層を介して前記軟磁性層に縦バイアス磁界を与えるための一対の第1のバイアス磁界印加層が配置されており、この第1のバイアス磁界印加層の上に第2の下地層を介して前記軟磁性層に縦バイアス磁界を与えるための一対の第2のバイアス磁界印加層が配置されており、前記第1の下地層は、Ru,Ti,Zr,Hf,Znのグループから選ばれた少なくとも1つの元素からなる薄膜、あるいは、これらのグループから選ばれた少なくとも1つの元素を主成分とする合金薄膜からなり、前記第2の下地層は、Cr、CrTi、NiCr、TiW、FeCo、FeCoMoのグループから選ばれた薄膜からなり、前記第1のバイアス磁界印加層および第2のバイアス磁界印加層は、硬質磁性層から構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記第1のバイアス磁界印加層および第2のバイアス磁界印加層は、六方柱六方晶系の結晶構造を有してなるように構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記第1のバイアス磁界印加層および第2のバイアス磁界印加層は、Co系の硬質磁性層から構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記第1のバイアス磁界印加層の膜厚は、150〜200Åであり、前記第2のバイアス磁界印加層の膜厚は、150〜300Åとなるように構成される。
また、本発明の好ましい態様として、前記第1の下地層の厚さが、10〜100Åであり、前記第2の下地層の厚さが、10〜100Åとなるように構成される。
本発明のヘッドジンバルアセンブリは、上記の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと、を備えてなるように構成される。
本発明のハードディスク装置は、上記の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、前記スライダを支持するとともに前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と、を備えてなるように構成される。
本発明の薄膜磁気ヘッドは、素子全体の薄層化に応じて、最適なバイアス磁界が得られるようなバイアス磁界印加層周辺の膜設計を行なっているので、薄いバイアス磁界印加層でも再生出力が大きく、再生波形対象性のバラツキが少なく再生波形対象性に優れ、バルクハウゼンノイズの発生率が少ない薄膜磁気ヘッドを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
(第1の発明の態様の説明)
本発明の要部は再生ヘッドに組み込まれた磁気抵抗効果膜を有する磁気抵抗効果素子の構造にある。
図1は、本発明の実施の形態における再生ヘッドの要部を示す平面図であり、図2は図1におけるA−A断面図であり、図3は図1におけるB−B線断面図である。
図2に示されるように磁気抵抗効果素子(MR素子)を構成する磁気抵抗効果膜5は、非磁性層53と、この非磁性層53の一方の面(この実施例では図面の下方側)に形成された強磁性層52と、非磁性層の他方の面(この実施例では図面の上方側)に形成され磁気情報である外部磁場に応答して自由に磁化の向きが変えられるように作用することのできる軟磁性層54と、前記強磁性層52の磁化の向きをピン止めするために強磁性層52の片面(非磁性層53と接する面と反対側の面)に接して形成されたピンニング層51とを有する多層膜構造を備えている。
図面で示されている好適例は、ピンニング層51をボトム側に位置させた、いわゆる、ピンニング層ボトムタイプのスピンバル膜構成である。
より具体的には、ベース下地層25の上にピンニング層51、強磁性層52、非磁性層53、軟磁性層54、および保護層55を順次積層した構造としている。強磁性層52は、磁化の方向が固定された層であり、通常、強磁性膜から構成される。強磁性層52は1層のみの構成に限定されることなく強磁性膜的作用をする多層構造としてもよい。例えば、CoFe/Ru/CoFeの積層体が好適例として挙げられる。
ピンニング層51は、強磁性層52における磁化の方向を固定するための層であり、通常、PtMn等の反強磁性膜から構成される。非磁性層53は、例えばCu膜等から構成される。軟磁性層54は、記録媒体からの信号磁界に応じて磁化の方向が変化する層であり、通常、軟磁性膜から構成される。軟磁性層54は1層のみの構成に限定されることなく軟磁性膜的作用をする多層構造としてもよい。例えば、CoFe/NiFeの積層体が好適例として挙げられる。
保護層55の材料としては、例えばTaが用いられる。
図2に示されるように本発明における磁気抵抗効果素子(MR素子)を構成する磁気抵抗効果膜5の両端部5eおよび5fはそれぞれジャンクションテーパ形状(断面台形形状のテーパ部分)をなしており、このジャンクションテーパ形状のテーパ角度θは、底部基準面(例えば、ウエーハ基板やベース下地層が基準となる)に対して45〜85°、好ましくは60〜80°に設定される。この値が、45°未満となると、バイアス磁界が有効に印加されないという不都合が生じ、また、この値が80°を超えるとジャンクションテーパー部に下地層やバイアス磁界印加層の膜の付着状態が悪くなるという不都合が生じる。
本発明において、このようなジャンクションテーパ形状をなす両端部5e、5fには、それぞれ、下地層27を介して軟磁性層54に縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層21、21が配置されている。すなわち、磁気抵抗効果素子とバイアス磁界印加層21との接続箇所に下地層27が設けられている。なお、通常、下地層27は、磁気抵抗効果素子(MR素子)を形成した後に形成されるために、図2に示されるようにベース下地層25の上にも部分的に形成されている。
バイアス磁界印加層21の上には、MR素子を構成する磁気抵抗効果膜に対して磁気的信号検出用の電流であるセンス電流を流すための2つの電極層6、6が形成されている。電極層6は、例えばAu等の導電性材料によって形成される。
本発明の要部は再生ヘッドに組み込まれた磁気抵抗効果膜5を有する磁気抵抗効果素子の構造、特に、磁気抵抗効果膜の少なくとも軟磁性層の両端部に配置される下地層27およびバイアス磁界印加層21の構成にある。
すなわち、図1に示されるようにバイアス磁界印加層21と直接に接している下地層27は、Ru,Ti,Zr,Hf,Znのグループから選ばれた少なくとも1つの元素からなる薄膜、あるいは、これらのグループから選ばれた少なくとも1つの元素を主成分とする合金薄膜(例えば、RuCo)から構成される。これらの中でも特に、Ru、Ti,Zr,RuCo(Co=18〜22at%)が好ましい。本発明における下地層27の下には、さらに、Ta等の膜特性初期化層を設けても良い。Ta等の膜特性初期化層は、下地層27そのものの機能を確実に発揮させるためのベース層として機能する。
本発明における下地層27の膜厚は、10〜100Å、好ましくは、20〜80Åとされる。下地層27の膜厚があまりに薄くなりすぎると、下地膜敷設の効果が発現しなくなるし、下地層27の膜厚があまりに厚くなりすぎるとバイアス磁界印加の妨げとなってしまう。
バイアス磁界印加層21の構成について
本発明において、下地層27の上に形成されるバイアス磁界印加層21は、図5に示されるような六方柱六方晶系の結晶構造を有しているものを用いることが望まれる。この結晶構造において、六角面内の格子定数がbで表され、かつ六角柱高さ方向の格子定数がcで表される。c軸方向が磁化方向に相当する。
バイアス磁界印加層21を構成する具体的磁性材料としては、Coを主成分とするCo系の硬質磁性層(ハードマグネット層)が好適例として挙げられる。より具体的にはCoPt、CoCrPt、CoCrTa、あるいはこれらを主成分として含む合金を用いるのが良い。
このようなバイアス磁界印加層21の厚さは、200Å以下(零を含まない)、好ましくは、150〜200Å、より好ましくは、160〜180Åとされる。MR素子のトータル厚さよりも薄いことが望ましい。
本発明者らによって鋭意研究された結果、上記のごとく選定された材質からなる下地層27を予めバイアス磁界印加層21の下に直接敷設することによって、図6のイメージ図に示されるごとく、バイアス磁界印加層21を構成する六方柱六方晶系の結晶粒21´は、ジャンクションテーパ形状のテーパに対して略垂直方向に磁化容易軸であるc軸が向くように堆積される。すなわち、六方柱六方晶系の結晶粒21´の磁化容易軸であるc軸がトラック幅方向を向くようになり、強くて、バイアス磁界の信頼性に優れる性能均一な薄膜磁気ヘッドの実現が図れる。なお、参考図面として、図14には従来のバイアス磁界印加層21を構成する六方柱六方晶系の結晶粒21´の堆積イメージが描かれている。これによれば、ジャンクションテーパ形状のテーパに対して結晶粒21´のc軸は略水平となっており、かつ面内のc軸方向が個々の結晶粒でばらばらの向きを向いていることが理解できる。
なお、薄膜磁気ヘッドの小型化により、ジャンクションテーパ形状部に堆積される六方柱六方晶系の結晶粒21aの個数は数個であり、その磁化容易軸がどの方向に向くか、規則性をもって並ぶか否かはヘッドの信頼性に大きな影響を及ぼす。
なお、上述のバイアス磁界印加層21の厚さが、200Åを超えると、その厚さを超えた後に堆積するバイアス磁界印加層21は、軟磁性層54(フリー層)に対して与えたいバイアス磁界とほぼ平行にc軸(磁化容易軸)を向けることが出来なくなる。そのため、バイアス磁界印加層21の膜厚を厚くして再生出力を犠牲にしてもそれに見合うだけの再生波形対象性のバラツキの抑制効果がでないという不都合が生じてしまう。
ただし、このようにバイアス磁界印加層21の厚さを1層で構成し、かつ必要以上に厚膜にすることにより生じる不都合は、以下に説明する第2の発明の態様により解消することができる。しかもさらなる本願発明の効果の向上を図ることができる。
(第2の発明の態様の説明)
第2の発明の実施形態が図4が示される。図4において、図2と同じ符号の部材は実質的に同じ部材を示している。
図4に示される第2の発明の実施形態が図2に示される第1の実施形態と基本的に異なるのは、図4に示されるようにジャンクションテーパ形状をなす両端部5e,5fに、第1の下地層27を介して軟磁性層54に縦バイアス磁界を与えるための一対の第1のバイアス磁界印加層21aが配置されており、この第1のバイアス磁界印加層21aの上に第2の下地層28を介して軟磁性層54に縦バイアス磁界を与えるための一対の第2のバイアス磁界印加層21bを配置されている点にある。
第1の下地層27は、前記図2に示される第1の発明の実施形態の場合と同様に、Ru,Ti,Zr,Hf,Znのグループから選ばれた少なくとも1つの元素からなる薄膜、あるいは、これらのグループから選ばれた少なくとも1つの元素を主成分とする合金薄膜から構成される。特に好ましい材料や膜厚等については上述した第1の発明の場合と同様である。
第1の下地層27の上に直接形成される第1のバイアス磁界印加層21aは、前記図2に示される第1の発明の実施形態の場合と同様に六方柱六方晶系の結晶構造を有しているものを用いることが望まれる。すなわち、第1のバイアス磁界印加層21aを構成する具体的磁性材料としては、Coを主成分とするCo系の硬質磁性層(ハードマグネット層)が好適例として挙げられる。CoPt、CoCrPt、CoCrTa、あるいはこれらを主成分として含む合金を用いるのが良い。
このような第1のバイアス磁界印加層21aの厚さは、150〜200Å、より好ましくは、160〜180Åとされる。厚さが下限未満となり薄くなり過ぎると、バイアス磁界印加層そのものの効果が発現しなくなる傾向が生じ、この一方で、厚さが上限を超えて厚くなりすぎると、ジャンクションから遠い部分では基板面を基準にして磁化容易軸cが垂直に配向される傾向が現れ、c軸がトラック幅方向を向かなくなってしまいバイアスが思惑どおり十分に印加されないという傾向が生じてしまう。
このような観点から、第1のバイアス磁界印加層21aには第2の下地層28が形成され、この上に直接、第2のバイアス磁界印加層21bが形成される。
第2の下地層28は、Cr、CrTi、NiCr、TiW、FeCo、FeCoMoのグループから選ばれた薄膜から構成される。第2の下地層28の厚さは、10〜100Å、好ましくは20〜80Åとされる。
本発明における第2の下地層28の下には、さらに、Ta等の膜特性初期化層を設けても良い。Ta等の膜特性初期化層は、第2の下地層28そのものの機能を確実に発揮させるためのベース層として機能する。
第2の下地層28の上に直接形成される第2のバイアス磁界印加層21bは、前記図2に示される第1の発明の実施形態の場合と同様に六方柱六方晶系の結晶構造を有しているものを用いることが望まれる。すなわち、第2のバイアス磁界印加層21bを構成する具体的磁性材料としては、Coを主成分とするCo系の硬質磁性層(ハードマグネット層)が好適例として挙げられる。CoPt、CoCrPt、CoCrTa、あるいはこれらを主成分として含む合金を用いるのが良い。
このような第2のバイアス磁界印加層21bの厚さは、150〜300Å、より好ましくは、180〜230Åとされる。
第2のバイアス磁界印加層21bの下に直接敷設された第2の下地層28の影響を受けて、第2のバイアス磁界印加層21bの結晶粒の磁化容易軸cは基板面を基準にして略水平に配向される傾向が現れる。これにより、バイアス磁界印加層を厚くした場合にジャンクションから遠い部分で、c軸(バイアス磁界印加層の磁化容易軸)がトラック幅方向を向かなくなってしまいバイアスが思惑どおり十分に印加されないという不都合が回避できる。
なお、図4に示される磁気抵抗効果膜5は、図2に示されすでに詳述した磁気抵抗効果膜5と実質的に同じ構成のものであるので、ここでの詳細な説明は省略する。
(再生ヘッドの他の構成部分についての説明)
図1〜図3に示される再生ヘッドの構成について、簡単に補足説明しておく。
図1〜図3に示される本実施の形態では、MR素子におけるABS(Air bearing Surface)20とは反対側に、アルミナ(Al23)層23が配置されている。
また、MR素子を構成する磁気抵抗効果膜5は、互いに反対側を向く2つの面5a、5bと、ABS20に配置された端部5cと、端部5cとは反対側の端部5dと、2つの側部5e、5f(ジャンクションテーパ形状をなす両端部)とを有している。
バイアス磁界印加層21は、上述したように下地層27を介して、MR素子を構成する磁気抵抗効果膜5の側部5e、5fにそれぞれ隣接するように配置されている。下地層27は、図2に示されるように磁気抵抗効果膜の側部5e、5fを含めて、ベース下地層25の上まで延びるように形成され、バイアス磁界印加層21とベース下地層25とで挟持される部分を含むように形成してもよい。
電極層6はバイアス磁界印加層21の上に配置されているが、バイアス磁界印加層21のない領域では、電極層6は後述する下部シールドギャップ膜の上に配置されている。
図2および図3に示されるように、MR素子を構成する磁気抵抗効果膜5やバイアス磁界印加層21は、ベース下地層25の上に直接または間接的に配置されている。ベース下地層25は後述する下部シールドギャップ膜の上に配置されている。ベース下地層25の材料としては、例えばTaやNiCrが用いられる。なお、ベース下地層25を設けずに、磁気抵抗効果膜5、バイアス磁界印加層21を、下部シールドギャップ膜の上に配置してもよい。
なお、本発明における磁気抵抗効果膜の多層膜構造は、前述した図2に示されるようなピンニング層51をボトム側に位置させた、いわゆる、ピンニング層ボトムタイプのスピンバル膜構成に限定されるものではなく、種々の変形態様が可能である。
例えば、ピンニング層をトップ側に配置させた、いわゆる、ピンニング層トップタイプのスピンバル膜構成としてもよい。また、感磁部分を2つ備えたいわゆるデュアル(Dual)タイプの積層膜構成としてもよい。
ピンニング層、強磁性層、非磁性層、および軟磁性層のトータル厚さは、150〜350Åとすることが望ましい。
なお、本発明でいう磁気抵抗効果素子としては、上記のスピンバル膜構成のものに限定されることなく、トンネル磁気抵抗効果(Tunnel-type Magneto-resistive)を用いたTMR素子や、CPP(Current Perpendicular to Plane)−GMR素子などのように、広く磁気抵抗効果を示す素子を含む概念である。
(薄膜磁気ヘッドの全体構成の説明)
次いで、上述してきた磁気抵抗効果素子を備えてなる薄膜磁気ヘッドの全体構成について説明する。図7および図8は本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を説明するための図面であり、図7は、薄膜磁気ヘッドのABSおよび基板に垂直な断面を示し、図8は、薄膜磁気ヘッドの磁極部分のABSに平行な断面を示している。ここで、ABSは、磁気記録媒体と対向する薄膜磁気ヘッドの対向面に相当する。
薄膜磁気ヘッドの全体構造は、その製造工程に沿って説明することによりその構造が容易に理解できると思われる。そのため、以下、製造工程を踏まえて薄膜磁気ヘッドの全体構造を説明する。
まず、アルティック(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1の上に、スパッタ法等によって、アルミナ(Al23)、二酸化珪素(SiO2)等の絶縁材料からなる絶縁層2を形成する。厚さは、例えば0.5〜20μm程度とする。
次に、この絶縁層2の上に、磁性材料からなる再生ヘッド用の下部シールド層3を形成する。厚さは、例えば0.1〜5μm程度とする。このような下部シールド層3に用いられる磁性材料としては、例えば、FeAlSi、NiFe、CoFe、CoFeNi、FeN、FeZrN、FeTaN、CoZrNb、CoZrTa等が挙げられる。下部シールド層3は、スパッタ法またはめっき法等によって形成される。
次に、下部シールド層3の上に、スパッタ法等によって、Al23、SiO2等の絶縁材料からなる下部シールドギャップ膜4を形成する。厚さは、例えば10〜200nm程度とする。
次に、下部シールドギャップ膜4の上に、磁気抵抗効果素子(磁気抵抗効果膜5)を形成するために、再生用の磁気抵抗効果膜と、電極層6と、図示していない下地層27、バイアス磁界印加層21をそれぞれ、形成する。
次に、MR素子および下部シールドギャップ膜4の上に、スパッタ法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなる上部シールドギャップ膜7を、例えば10〜200nmの厚さに形成する。
次に、上部シールドギャップ膜7の上に、磁性材料からなり、記録ヘッドの下部磁極層を兼ねた再生ヘッドの上部シールド層8を、例えば3〜4μm程度の厚さに形成する。なお、上部シールド膜8に用いられる磁性材料は、上述した下部シールド層3と同様な材料を用いればよい。上部シールド膜8はスパッタ法またはメッキ法等によって形成される。
なお、上部シールド層8の代わりに、上部シールド層と、この上部シールド層の上にスパッタ法等によって形成されたアルミナ等の非磁性材料よりなる分離層と、この分離層の上に形成された下部磁性層とを設けるように構成してもよい。磁極とシールドの機能を兼用させることなく、別個に分けて構成した場合の構成例である。
次に、上部シールド層8の上に、スパッタ法等によって、アルミナ等の絶縁材料からなる記録ギャップ層9を、例えば50〜300nmの厚さに形成する。
次に、磁路形成のために、後述する薄膜コイルの中心部において、記録ギャップ層9を部分的にエッチングしてコンタクトホール9aを形成する。
次に、記録ギャップ層9の上に、例えば銅(Cu)からなる薄膜コイルの第1層部分10を、例えば2〜3μmの厚さに形成する。なお、図7において、符号10aは、第1層部分10のうち、後述する薄膜コイルの第2層部分15に接続される接続部を示している。第1層部分10は、コンタクトホール9aの周囲に巻回される。
次に、薄膜コイルの第1層部分10およびその周辺の記録ギャップ層9を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機材料からなる絶縁層11を所定のパターンに形成する。
次に、絶縁層11の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層11の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
次に、絶縁層11のうちの後述するABS20側の斜面部分からABS20側にかけての領域において、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に、記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のトラック幅規定層12aを形成する。上部磁極層12は、このトラック幅規定層12aと、後述する連結部分層12bおよびヨーク部分層12cとで構成される。
トラック幅規定層12aは、記録ギャップ層9の上に形成され上部磁極層12の磁極部分となる先端部と、絶縁層11のABS20側の斜面部分の上に形成されヨーク部分層12cに接続される接続部と、を有している。先端部の幅は記録トラック幅と等しくなっている。接続部の幅は、先端部の幅よりも大きくなっている。
トラック幅規定層12aを形成する際には、同時にコンタクトホール9aの上に磁性材料からなる連結部分層12bを形成するとともに、接続部10aの上に磁性材料からなる接続層13を形成する。連結部分層12bは、上部磁極層12のうち、上部シールド層8に磁気的に連結される部分を構成する。
次に、磁極トリミングを行なう。すなわち、トラック幅規定層12aの周辺領域において、トラック幅規定層12aをマスクとして、記録ギャップ層9および上部シールド層8の磁極部分における記録ギャップ層9側の少なくとも一部をエッチングする。これにより、図8に示されるごとく、上部磁極層12の磁極部分、記録ギャップ層9および上部シールド層8の磁極部分の少なくとも一部の各幅が揃えられたトリム(Trim)構造が形成される。このトリム構造によれば、記録ギャップ層9の近傍における磁束の広がりによる実効的なトラック幅の増加を防止することができる。
次に、全体に、アルミナ等の無機絶縁材料からなる絶縁層14を、例えば3〜4μm厚さに形成する。
次に、この絶縁層14を、例えば化学機械研摩によって、トラック幅規定層12a、連結部分層12b、接続層13の表面に至るまで研摩して平坦化する。
次に、平坦化された絶縁層14の上に、例えば銅(Cu)からなる薄膜コイルの第2層部分15を、例えば2〜3μmの厚さに形成する。なお、図7において、符号15aは、第2層部分15のうち、接続層13を介して薄膜コイルの第1層部分10の接続部10aに接続される接続部を示している。第2層部分15は、連結部分層12bの周囲に巻回される。
次に、薄膜コイルの第2層部分15およびその周辺の絶縁層14を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機材料からなる絶縁層16を所定のパターンに形成する。
次に、絶縁層16の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層16の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
次に、トラック幅規定層12a、絶縁層14、16および連結部分層12bの上にパーマロイ等の記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁性層12のヨーク部分を構成するヨーク部分層12cを形成する。ヨーク部分層12cのABS20側の端部は、ABS20から離れた位置に配置されている。また、ヨーク部分層12cは、連結部分層12bを介して上部シールド層8に接続されている。
次に、全体を覆うように、例えばアルミナからなるオーバーコート層17を形成する。最後に、上記各層を含むスライダの機械加工を行い、記録ヘッドおよび再生ヘッドを含む薄膜ヘッドのABS20を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
このようにして製造される薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する対向面(ABS20)と、再生ヘッドと、記録ヘッド(誘導型磁気変換素子)とを備えている。再生ヘッドは、MR素子(磁気抵抗効果膜5)と、ABS20側の一部がMR素子を挟んで対向するように配置された、MR素子をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層8とを有している。
記録ヘッドは、ABS20側において互いに対向する磁極部分を含むとともに、互いに磁気的に連結された下部磁極層(上部シールド層8)および上部磁極層12と、この下部磁極層の磁極部分と上部磁極層12の磁極部分との間に設けられた記録ギャップ層9と、少なくとも一部が下部磁極層および上部磁極層12の間に、これらに対して絶縁された状態で配置された薄膜コイル10、15と、を有している。この薄膜磁気ヘッドでは、図7に示されるように、ABS20から、絶縁層11のABS側の端部までの長さが、スロートハイト(図面上、符号THで示される)となる。なお、スロートハイトとは、ABS20から、2つの磁極層の間隔が開き始める位置までの長さ(高さ)をいう。
(薄膜磁気ヘッドの作用の説明)
次に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの作用について説明する。薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって記録媒体に情報を記録し、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生する。
再生ヘッドにおいて、バイアス磁界印加層21による縦バイアス磁界の方向は、トラック幅方向と同じである。MR素子において、信号磁界がない状態では、軟磁性層54の磁化の方向は、バイアス磁界の方向に揃えられている。一方、強磁性層52の磁化の方向は、ABS20に垂直な方向に固定されている。
MR素子では、記録媒体からの信号磁界に応じて軟磁性層54の磁化の方向が変化し、これにより、軟磁性層54の磁化の方向と強磁性層52の磁化の方向との間の相対角度が変化し、その結果、MR素子の抵抗値が変化する。MR素子の抵抗値は、2つの電極層6によってMR素子にセンス電流を流したときの2つの電極層6間の電位差より求めることができる。このようにして、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生することができる。
図2に示されるように本発明における磁気抵抗効果膜5の少なくとも軟磁性層54の両端部(ジャンクションテーパ部)には、下地層27を介して軟磁性層54に縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層21が配置されており、所定材料の下地層27の作用で、ジャンクション近傍のバイアス磁界印加層21を構成する結晶粒の磁化容易軸がトラック幅方向を向くようになる。従って、薄いバイアス磁界印加層でも再生出力が大きく、再生波形対象性のバラツキが少なく再生波形対象性に優れ、バルクハウゼンノイズの発生率が少ない薄膜磁気ヘッドを提供することができる。
(ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置についての説明)
以下、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置について説明する。
まず、図9を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。ハードディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体であるハードディスクに対向するように配置される。このスライダ210は、主に図7における基板1およびオーバーコート17からなる基体211を備えている。
基体211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の六面のうちの一面は、ハードディスクに対向するようになっている。この一面には、ABS20が形成されている。
ハードディスクが図9におけるz方向に回転すると、ハードディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、図9におけるy方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によってハードディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図9におけるx方向は、ハードディスクのトラック横断方向である。
スライダ210の空気流出側の端部(図9における左下の端部)の近傍には、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド100が形成されている。
次に、図10を参照して、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、このスライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222、このロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。
ベースプレート224は、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、このアーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
図10は、ヘッドアームアセンブリの一例を示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
次に図11および図12を参照して、ヘッドスタックアセンブリの一例と本実施の形態に係るハードディスク装置について説明する。
図11はハードディスク装置の要部を示す説明図、図12はハードディスク装置の平面図である。
ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252とは反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、ハードディスク装置に組み込まれる。
ハードディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚のハードディスク262を有している。各ハードディスク262毎に、ハードディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、本発明における位置決め装置に対応しスライダ210を支持すると共にハードディスク262に対して位置決めする。
本実施の形態に係るハードディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210をハードディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって、ハードディスク262に情報を記録し、再生ヘッドによって、ハードディスク262に記録されている情報を再生する。
本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置は、前述の本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同様の効果を奏する。
また、実施の形態では、基本側に再生ヘッドを形成し、その上に、記録ヘッドを積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。また、読み取り専用として用いる場合には、薄膜磁気ヘッドを、再生ヘッドだけを備えた構成としてもよい。
以下、具体的実験例を示し、本発明の薄膜磁気ヘッドの構成をさらに詳細に説明する。
〔実験例I〕
実験例Iでは、下記の要領で図2に示されるような第1の発明の実施形態におけるヘッドサンプルを作製して、本発明と従来例の比較実験を行った。
(実施例1)
図2に示されるようなピンニング層51がボトムに位置するピンニング層ボトムタイプのスピンバルブ磁気抵抗効果素子を備える再生ヘッドサンプルを作製した。以下、実施の要部のみ記載する。
図7に示されるごとく下部シールド層3をNiFeで形成し、この上に下部シールドギャップ膜4をAl23で形成し、この上に磁気抵抗効果素子を構成する積層膜を形成した。すなわち、Al23からなる下部シールドギャップ膜4の上に、ベース下地層25(NiCr;厚さ50Å)、ピンニング層51(IrMn反強磁性層;厚さ70Å)、強磁性層52(CoFe(厚さ15Å)/Ru(厚さ8Å)/CoFe(厚さ15Å)の3層積層体からなる強磁性層)、非磁性層53(Cu;厚さ17Å)、軟磁性層54(CoFe(厚さ20Å))、保護層(Ru;厚さ5Å)、および保護層(Ta;厚さ20Å)からなる積層膜(トータル厚さ221Å)を形成した。
ピンニング層51による強磁性層52の磁化方向の固定は、真空中において、温度270℃、印加磁場790kA/m(10kOe)、処理時間5時間の磁場中熱処理によって行なった。
次いで、磁気抵抗効果膜の上に、エッチングによってMR素子の形状を定めるためのマスクを形成した。このマスクは2つの有機膜からなるレジスト層をパターニングして、底面が上面よりも小さくなるようにアンダーカットを有する形状とした。
このマスクを用いて磁気抵抗効果膜を選択的にイオンミリング等のドライエッチングしてパターニングされた磁気抵抗効果膜を得た。次いで、下地層27(材質:Ru;厚さ50Å)およびバイアス磁界印加層21(材質:Co78Cr9Pt13(at%);厚さは表1に示すように100〜350Åの範囲で変えた)を形成した。なお、下地層27の下には膜特性初期化層としてTaを50Å敷設しており、下記表1中ではこのTaも含めて下地層として表示している。
次いで、バイアス磁界印加層21の上に電極層6(材質:Au;厚さ:40nm)を形成した。
再生トラック幅の大きさは、光学トラック幅100nmであった。
なお、上記バイアス磁界印加層21は、室温にて948kA/m(12kOe)の磁場中で60秒の着磁条件で着磁して、軟磁性層54に対して、縦バイアス磁界を付与した。
このようなMR素子の上に、Al23からなる上部シールドギャップ層およびNiFeからなる上部シールド層を形成し、実験に必要とされる再生ヘッドサンプルを作製した。
なお、磁気抵抗効果膜の両端部におけるジャンクションテーパ形状のテーパ角度θは、底部基準面に対して80°とした。
(実施例2)
上記実施例1において、下地層の材料をRuからTiに変えた。それ以外は、上記実施例1と同様の要領で実施例2のヘッドサンプルを作製した(バイアス磁界印加層21の厚さを表1に示すように100〜350Åの範囲で変えたことも同じである)。
(実施例3)
上記実施例1において、下地層の材料をRuからRu80Co20(単位:at%)に変えた。それ以外は、上記実施例1と同様の要領で実施例3のヘッドサンプルを作製した(バイアス磁界印加層21の厚さを表1に示すように100〜350Åの範囲で変えたことも同じである)。
(実施例4)
上記実施例1において、下地層の材料をRuからZrに変えた。それ以外は、上記実施例1と同様の要領で実施例4のヘッドサンプルを作製した(バイアス磁界印加層21の厚さを表1に示すように100〜350Åの範囲で変えたことも同じである)。
(比較例1)
上記実施例1において、下地層の材料をRuからCr80Ti20(単位:at%)に変えた。それ以外は、上記実施例1と同様の要領で比較例1のヘッドサンプルを作製した(バイアス磁界印加層21の厚さを表1に示すように100〜350Åの範囲で変えたことも同じである)。
このようにして作製した再生ヘッドサンプルを用いて、下記の要領で(1)孤立波再生出力(mVpp)、(2)Asym-σ(%)、および(3)バルクハウゼンノイズ発生率(%)を求めた。
(1)孤立波再生出力(mVpp)
スピンスタンドを用いて、3.5インチの媒体を7200rpmで回転させ、そこに試作ヘッドを浮上させ、1MHzの周波数で記録媒体の1トラックに書き込みを行った。その後、試作サンプルヘッドに3mAの測定電流を流し、1トラックの平均の再生出力を測定した。
(2)Asym-σ(%)
各サンプルごとの全数(サンプル数:120個)に対してダイナミックプロパティのパフォーマンスを測定して、出力波形の対称性(Symmetry)を求めた後、出力波形の非対称性(Asymmetry)の程度をパーセント(%)表示し、この非対称性(Asymmetry)パーセント(%)をグラフ化して標準偏差値σを求めた。このσ値が小さいほど出力波形の非対称性(Asymmetry)が少ないサンプル群であることがわかる。
(3)バルクハウゼンノイズ発生率(%)
1000回の再生を繰り返したときにノイズが検出された回数の割合をバルクハウゼンノイズ(BHN)発生率(%)とした。
測定の結果を下記表1に示した。
Figure 0004146818
Figure 0004146818
表1の結果より、再生出力値が向上するとAsym-σの値が悪くなるという、いわゆるトレードオフの関係が存在する傾向にあることがわかる。しかしながら、本発明の場合、従来例である比較例1と比べて、同じ出力値であってもAsym-σの値が小さくなる傾向にあることがわかる。また、バイアス磁界印加層であるハードマグネット(CoCrPt)の厚さが薄い領域においてもバルクハウゼンノイズ(BHN)の発生率が低いことがわかる。すなわち、本発明は、素子の高性能化、小型化に極めて有利であることがわかる。
なお、本発明において、バイアス磁界印加層であるハードマグネット(CoCrPt)の厚さが200Åを超える厚い領域(250Å〜350Å)では、トレードオフの関係にある出力を犠牲にしているにも拘わらず、それに見合うだけのAsym-σの値が改善されていない。これはジャンクションから遠い部分においては、基板に対して垂直に磁化している成分が存在しているためであると考えられる(ジャンクション面に対してc軸が垂直方向を向いていない)。このような不都合を改善するための実施例が次の実験例IIに示される。
〔実験例II〕
実験例IIでは、図4に示されるような第2の発明の実施形態におけるヘッドサンプルを作製して、本発明のさらなる特性向上が図れることを確認するための実験を行った。
すなわち、下記表2に示されるような第1の下地層、第1のバイアス磁界印加層(厚さは100〜250Åで変動)の上に、さらに、Ta(厚さ30Å)/CrTi(第2の下地層;厚さ30Å)/CoCrPt(第2のバイアス磁界印加層;厚さ200Å)を追加して積層した第2の発明の実施形態サンプルを作製した(実施例5)。
これらのサンプルについて、上記実験例Iと同様な手法で、(1)孤立波再生出力(mVpp)、(2)Asym-σ(%)、および(3)バルクハウゼンノイズ発生率(%)を求めた。
結果を下記表2に示した。
Figure 0004146818
また、表2における孤立波再生出力(mVpp)とAsym-σ(%)との関係を図13のグラフに示した。また、参考のために図13には実施例1のデータも併記した。表2および図13のグラフから分かるように、第2のバイアス磁界印加層は、膜面に平行に磁化容易軸を配置するような成膜がなされていると思われ、第1のバイアス磁界印加層が厚い場合の特性を改善することができている。すなわち、孤立波再生出力(mVpp)を同じ値にした場合、Asym-σ(%)の値はより低下させることができている。
磁気記録媒体等の磁界強度を信号として読み取るための磁気抵抗効果素子を備えるハードディスク装置の産業に利用できる。
図1は、本発明の実施の形態における再生ヘッドの要部を示す平面図である。 図2は、図1におけるA−A断面図である。 図3は、図1におけるB−B線断面図である。 図4は、図2相当図であり、第2の実施形態を示す図面である。 図5、は六方柱六方晶系の結晶構造を模式的に示す図面である。 図6、はジャンクション部分における本発明のバイアス磁界印加層を構成する六方柱六方晶系の結晶粒の堆積イメージ(特にc軸の向き)を描いた図面である。 図7は、本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明するための図面であり、薄膜磁気ヘッドのABSおよび基板に垂直な断面を示した図面である。 図8は、本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明するための図面であり、薄膜磁気ヘッドの磁極部分のABSに平行な断面を示した図面である。 図9は、本発明の一実施の形態におけるヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。 図10は、本発明の一実施の形態におけるヘッドジンバルアセンブリを含むヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。 図11は、本発明の一実施の形態におけるハードディスク装置の要部を示す説明図である。 図12は、本発明の一実施の形態におけるハードディスク装置の平面図である。 図13は、表2の結果をグラフにしたものである。 図14は、ジャンクション部分における従来のバイアス磁界印加層を構成する六方柱六方晶系の結晶粒の堆積イメージ(特にc軸の向き)を描いた図面である。
符号の説明
1…基板
2…絶縁層
3…下部シールド層
4…下部シールドギャップ膜
5…磁気抵抗効果膜
6…電極層
7…上部シールドギャップ層
8…上部シールド層
9…記録ギャップ層
10…薄膜コイルの第1層部分
12…上部磁極層
15…薄膜コイル第2層部分
17…オーバーコート層
20…ABS
21…バイアス磁界印加層
21a…第1のバイアス磁界印加層
21b…第2のバイアス磁界印加層
27…下地層(第1の下地層)
28…第2の下地層
51…ピンニング層
52…強磁性層
53…非磁性層
54…軟磁性層

Claims (19)

  1. 磁気抵抗効果膜を有する磁気抵抗効果素子を備えてなる薄膜磁気ヘッドであって、
    前記磁気抵抗効果膜は、非磁性層と、非磁性層の一方の面に形成された強磁性層と、非磁性層の他方の面に形成された軟磁性層と、前記強磁性層の磁化の向きをピン止めするために強磁性層の片面(非磁性層と接する面と反対側の面)に接して形成されたピンニング層とを有する多層膜であり、
    前記磁気抵抗効果膜の両端部はジャンクションテーパ形状をなし、このジャンクションテーパ形状をなす両端部に、下地層を介して前記軟磁性層に縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層が配置されており、
    前記下地層は、Ru、あるいはRuを主成分とする合金薄膜からなり、
    前記下地層の上に形成されるバイアス磁界印加層は、硬質磁性層から構成され、その膜厚が200Å以下(零を含まない)であることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記バイアス磁界印加層の膜厚は、150〜200Åである請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記磁気抵抗効果素子はスピンバルブ型磁気抵抗効果素子であ請求項1または請求項2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記バイアス磁界印加層は、六方柱六方晶系の結晶構造を有してなる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記バイアス磁界印加層は、Co系の硬質磁性層から構成されてなる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記Co系の硬質磁性層は、CoPt、CoCrPt、CoCrTa、あるいはこれらを含む合金である請求項5に記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 前記磁気抵抗効果膜の両端部におけるジャンクションテーパ形状のテーパ角度θが、底部基準面に対して45〜85°である請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 前記下地層の厚さが、10〜100Åである請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 前記磁気抵抗効果膜は、ピンニング層、強磁性層、非磁性層、および軟磁性層のトータル厚さが、120〜350Åである請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 磁気抵抗効果膜を有する磁気抵抗効果素子を備えてなる薄膜磁気ヘッドであって、
    前記磁気抵抗効果膜は、非磁性層と、非磁性層の一方の面に形成された強磁性層と、非磁性層の他方の面に形成された軟磁性層と、前記強磁性層の磁化の向きをピン止めするために強磁性層の片面(非磁性層と接する面と反対側の面)に接して形成されたピンニング層とを有する多層膜であり、
    前記磁気抵抗効果膜の両端部はジャンクションテーパ形状をなし、このジャンクションテーパ形状をなす両端部に、第1の下地層を介して前記軟磁性層に縦バイアス磁界を与えるための一対の第1のバイアス磁界印加層が配置されており、この第1のバイアス磁界印加層の上に第2の下地層を介して前記軟磁性層に縦バイアス磁界を与えるための一対の第2のバイアス磁界印加層が配置されており、
    前記第1の下地層は、Ru、あるいはRuを主成分とする合金薄膜からなり、
    前記第2の下地層は、Cr、CrTi、NiCr、TiW、FeCo、FeCoMoのグループから選ばれた薄膜からなり、
    前記第1のバイアス磁界印加層および第2のバイアス磁界印加層は、硬質磁性層から構成されてなることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  11. 前記第1のバイアス磁界印加層および第2のバイアス磁界印加層は、六方柱六方晶系の結晶構造を有してなる請求項10に記載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 前記第1のバイアス磁界印加層および第2のバイアス磁界印加層は、Co系の硬質磁性層から構成されてなる請求項10に記載の薄膜磁気ヘッド。
  13. 前記Co系の硬質磁性層は、CoPt、CoCrPt、CoCrTa、あるいはこれらを含む合金である請求項12に記載の薄膜磁気ヘッド。
  14. 前記第1のバイアス磁界印加層の膜厚は、150〜200Åであり、前記第2のバイアス磁界印加層の膜厚は、150〜300Åである請求項10ないし請求項13のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  15. 前記磁気抵抗効果膜の両端部におけるジャンクションテーパ形状のテーパ角度θが、底部基準面に対して45〜85°である請求項10ないし請求項14のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  16. 前記第1の下地層の厚さが、10〜100Åであり、前記第2の下地層の厚さが、10〜100Åである請求項10ないし請求項15のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  17. 前記磁気抵抗効果膜は、ピンニング層、強磁性層、非磁性層、および軟磁性層のトータル厚さが、150〜350Åである請求項10ないし請求項16のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  18. 前記請求項1ないし請求項17のいずれかに記載された薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと、
    を備えてなることを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。
  19. 前記請求項1ないし請求項17のいずれかに記載された薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを支持するとともに前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と、
    を備えてなることを特徴とするハードディスク装置。
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