JP2005302229A - 薄膜磁気センサー、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置 - Google Patents

薄膜磁気センサー、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 トラック端部における読みにじみを低減させるとともに、高い出力安定性を得ることができる薄膜磁気ヘッドを提供する。
【解決手段】 磁気抵抗効果素子と、磁気抵抗効果素子の上下方向に配置された上部シールド層および下部シールド層と、上部シールド層の上方に形成されたオーバーコート層と、を有してなる薄膜磁気ヘッドであって、磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗効果膜の両端部に配置形成された縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層と、磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流すための一対の電極とを有し、一対のバイアス磁界印加層が実質的にバイアス磁界印加用軟磁性層のみから構成されているように構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気記録媒体等の磁界強度を信号として読み取るための磁気抵抗効果素子を備える薄膜磁気センサー、薄膜磁気ヘッド、ならびにその薄膜磁気ヘッドを含むヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置に関する。
近年、ハードディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能の向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、基板に対して、読み出し専用の磁気抵抗効果素子(以下、単にMR(Magneto-resistive)素子と簡略に記すことがある)を有する再生ヘッドと、書き込み専用の誘導型磁気変換素子を有する記録ヘッドと、を積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く使用されている。
MR素子としては、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magneto-resistive)効果を用いたAMR素子や、巨大磁気抵抗(Giant Magneto-resistive)効果を用いたGMR素子や、トンネル磁気抵抗(Tunnel-type Magneto-resistive)効果を用いたTMR素子等が挙げられる。
GMR素子としては、スピンバルブ型GMR素子多く用いられている。スピンバルブ型GMR素子は、非磁性層と、この非磁性層の一方の面に形成された軟磁性層と、非磁性層の他方の面に形成された強磁性層と、非磁性層とは反対に位置する側の強磁性層の上に形成されたピンニング層(一般には反強磁性層)とを有している。軟磁性層は外部からの信号磁界に応じて磁化の方向が変化するよう作用する層であり、強磁性層は、ピンニング層(反強磁性層)からの磁界によって、磁化の方向が固定された層である。
再生ヘッドの特性としては、出力が大きいこと、バルクハウゼンノイズが小さいことが要求される。バルクハウゼンノイズを低減させる手段としては、通常、MR素子に対して長手方向にバイアス磁界(以下、縦バイアス磁界と称す)を印加することが行われている。MR素子に対する縦バイアス磁界の印加は、例えばMR素子の両側に、永久磁石や、強磁性層と反強磁性層との積層体等によって構成されたバイアス磁界印加層を配置することによって行われる。
特開2002−185059号公報(特許文献1)には、バルクハウゼンノイズを確実に低減することができる磁気抵抗効果膜を提供することを目的として、上部シールド層の残留磁化に基づき縦バイアス磁界が弱められることを回避するための技術が開示されている。すなわち、「基礎層の表面に沿って広がる磁気抵抗効果膜と、基礎層の表面に沿って広がり磁気抵抗効果膜を挟み込む例えばCoPtやCoCrPtの硬磁性膜からなる1対の磁区制御膜と、任意の1平面に沿って広がる第1境界面で磁気抵抗効果膜の表面に向き合うとともに、その1平面に沿って広がる第2境界面で磁区制御膜に向き合う上部シールド層を備える磁気抵抗効果素子」の提案がなされている。
しかしながら、このような構造では、1対の磁区制御膜が接続されているMR素子の端部から隣接トラックからの記録磁界を吸収し、トラック端部における読みにじみを低減することはできず実行トラック幅が広がってしまうという問題がある。
また、特開平11−175928号公報(特許文献2)にはトラック端部の読みにじみを低減することを目的として、電極が磁気抵抗効果素子の内側に乗り上げた構造を有した狭トラック対応の磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、電極の一部に軟磁性膜を配置することにより、軟磁性膜にシールドと同じ効果を発揮させる旨の提案がなされている。
しかしながら、このような提案では、永久磁石等の磁区制御膜と軟磁性電極層の2つの層からフリー層に縦バイアスが印加され、バイアスが強くなりすぎて、再生出力が低下してしまうという問題がある。
また、特開2001−84531号公報(特許文献3)には、高記録密度化のための狭トラック及び狭隣接トラック間隔に対応した狭再生ヘッドギャップ幅にも拘わらず、クロストークノイズを低減し、再生感度の低下を抑制することができる薄膜磁気ヘッドを提供することを目的とし、GMR素子の上面を凸型の形状とし、その凸型形状の上面を再生ヘッドギャップ幅とすることによって、あるいはGMR素子の左右側端面にGMR素子と略同じ膜厚の軟磁性層を形成し、更にその左右両側端面に縦バイアス層を設け、軟磁性層を介してGMR素子と縦バイアス層を磁気的に結合させてなる構造の提案がなされている。
しかしながら、縦バイアス層の影響でこれに連接されている軟磁性層の端部が複雑な磁区構造を有し、そこから発生する磁界がMR素子に悪影響を及ぼすことで、サイドローブと呼ばれる不良が発生することがある。
特開2002−185059号公報 特開平11−175928号公報 特開2001−84531号公報
本発明はこのような実状のものに創案されたものであって、その目的は、トラック端部における読みにじみを低減させるとともに、高い出力安定性を得ることができる薄膜磁気ヘッドを提供すること、ならびにこのように改善された薄膜磁気ヘッドを備えるヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置を提供することにある。さらには、同様な作用をする薄膜磁気センサーを提供することにある。
このような課題を解決するために、本発明は、磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の上下方向に配置された上部シールド層および下部シールド層と、上部シールド層の上方に形成されたオーバーコート層と、を有してなる薄膜磁気ヘッドであって、前記磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の両端部に配置形成された縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層と、前記磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流すための一対の電極層とを有し、前記一対のバイアス磁界印加層が実質的にバイアス磁界印加用の軟磁性層のみから構成される。
また、本発明における前記一対のバイアス磁界印加層は、反強磁性層および硬磁性層のいずれも含まない構成とされる。
また、本発明における好ましい態様として、前記オーバーコート層は、磁気抵抗効果素子が記録媒体と対向する面に相当するABS(Air Bearing Surface)方向に向けて膨張しようと作用する圧縮応力膜特性を有するように構成されており、前記バイアス磁界印加用軟磁性層が負の磁歪を有するように構成される。
また、本発明における好ましい態様として、前記バイアス磁界印加用軟磁性層の負の磁歪定数が、−1×10-6〜−5×10-5の範囲に設定される。
また、本発明における好ましい態様として、前記オーバーコート層は、磁気抵抗効果素子が記録媒体と対向する面に相当するABS(Air Bearing Surface)から素子の内側に向けて収縮しようと作用する引張り応力膜特性を有するように構成されており、前記バイアス磁界印加用軟磁性層が正の磁歪を有するように構成される。
また、本発明における好ましい態様として、前記バイアス磁界印加用軟磁性層の正の磁歪定数が、1×10-6〜5×10-5の範囲に設定される。
また、本発明における好ましい態様として、前記上部シールド層は、軟磁性特性を備える膜から構成されており、当該上部シールド層の磁気抵抗効果素子に影響を与える磁化方向が、バイアス磁界印加用軟磁性層の磁化方向とは反平行となるように構成される。
また、本発明における好ましい態様として、前記下部シールド層は、軟磁性特性を備える膜から構成されており、当該上部シールド層の磁気抵抗効果素子に影響を与える磁化方向が、バイアス磁界印加用軟磁性層の磁化方向とは反平行となるように構成される。
また、本発明における好ましい態様として、前記磁気抵抗効果膜の上部位置における上部シールドギャップ層の厚さで規定することができる、前記上部シールド層と、バイアス磁界印加用軟磁性層のとの距離が、60〜200Åであるように構成される。
また、本発明における好ましい態様として、前記下部シールド層と、バイアス磁界印加用軟磁性層のとの距離が、60〜200Åであるように構成される。
また、本発明における好ましい態様として、前記磁気抵抗効果膜は、非磁性層と、非磁性層の一方の面に形成された強磁性層と、非磁性層の他方の面に形成された軟磁性層と、前記強磁性層の磁化の向きをピン止めするために強磁性層の片面(非磁性層と接する面と反対側の面)に接して形成されたピンニング層とを有する多層膜として構成される。
本発明のヘッドジンバルアセンブリは、前記薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと、を備えてなるように構成される。
本発明のハードディスク装置は、前記薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、前記スライダを支持するとともに前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と、を備えてなるように構成される。
また、本発明は、磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の上下方向に配置された上部シールド層および下部シールド層と、上部シールド層の上方に形成されたオーバーコート層と、を有してなる薄膜磁気センサーであって、前記磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の両端部に配置形成された縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層と、前記磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流すための一対の電極層とを有し、前記一対のバイアス磁界印加層が実質的にバイアス磁界印加用の軟磁性層のみから構成される。
本発明の薄膜磁気ヘッドは、磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の上下方向に配置された上部シールド層および下部シールド層と、上部シールド層の上方に形成されたオーバーコート層と、を有してなる薄膜磁気ヘッドであって、前記磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の両端部に配置形成された縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層と、前記磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流すための一対の電極とを有し、前記一対のバイアス磁界印加層が実質的にバイアス磁界印加用軟磁性層のみから構成されているので、トラック端部における読みにじみを低減させるとともに、高い出力安定性を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における主として再生ヘッドのABS(Air Bearing Surface)を模式的に示した図面である。ABSとは、再生ヘッドが記録媒体と対向する面に相当する。
図2は、本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明するための図面であり、薄膜磁気ヘッドのABSおよび基板に垂直な断面を示した図面である。図3は、本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明するための図面であり、薄膜磁気ヘッドの磁極部分のABSに平行な断面を示した図面である。図4は、本発明の一実施の形態におけるヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。図5は、本発明の一実施の形態におけるヘッドジンバルアセンブリを含むヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。図6は、本発明の一実施の形態におけるハードディスク装置の要部を示す説明図である。図7は、本発明の一実施の形態におけるハードディスク装置の平面図である。
図1に示されるように本発明の薄膜磁気ヘッドは、図面の略中央に位置する磁気抵抗効果膜5を有する磁気抵抗効果素子と、この磁気抵抗効果素子の上下方向にそれぞれ配置された上部シールド層8および下部シールド層3と、上部シールド層8の上方であって特に薄膜磁気ヘッドの上部を覆うように形成されたオーバーコート層17を有してなるように構成されている。
磁気抵抗効果素子(MR素子)を構成する好適な磁気抵抗効果膜5は、非磁性層53と、この非磁性層53の一方の面(この実施例では図面の下方側)に形成された強磁性層52と、非磁性層の他方の面(この実施例では図面の上方側)に形成され磁気情報である外部磁場に応答して自由に磁化の向きが変えられるように作用することのできる軟磁性層54と、前記強磁性層52の磁化の向きをピン止めするために強磁性層52の片面(非磁性層53と接する面と反対側の面)に接して形成されたピンニング層51とを有する多層膜構造を備えている。
図面で示されている好適例は、ピンニング層51をボトム側に位置させた、いわゆる、ピンニング層ボトムタイプのスピンバル膜構成である。より具体的には、ピンニング層51、強磁性層52、非磁性層53、軟磁性層54、および必要に応じて形成される保護層55を順次積層した構造とされている。
強磁性層52は、磁化の方向が固定された層であり、通常、強磁性膜から構成される。強磁性層52は1層のみの構成に限定されることなく強磁性膜的作用をする多層構造としてもよい。ピンニング層51は、強磁性層52における磁化の方向を固定するための層であり、通常、反強磁性膜から構成される。非磁性層53は、非磁性の導電膜であり、例えばCu、Au,Ag膜等から構成される。軟磁性層54は、記録媒体からの信号磁界に応じて磁化の方向が変化する層であり、通常、軟磁性膜から構成される。軟磁性層54は1層のみの構成に限定されることなく軟磁性膜的作用をする多層構造としてもよい。
保護層55の材料としては、例えばTaが用いられる。
強磁性層52や軟磁性層54は、例えば、Fe,Co,Ni,FeCo,NiFe,CoZrNb,FeCoNi等が用いられる。
ピンニング層51を構成する反強磁性膜としては、例えば、PtMn,IrMn,RuRhMn,FeMn,NiMn,PdPtMn,PhMn,CrMnPtなどのMn系合金が用いられる。
磁気抵抗効果膜の構成は、図1に示されるような形態に限定されるものではなく、各層の構成が変形や置換されたもの、あるいは、感磁部分を2つ備えるいわゆるデュアル・スピンバルブ膜の形態であってもよい。
そして、図1に示されるように本発明における磁気抵抗効果素子(MR素子)を構成する磁気抵抗効果膜5の少なくとも軟磁性層54の両端部5e、5fには、それぞれ、軟磁性層54に縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層21、21が配置されている。この上にMR素子に対して磁気的信号検出用の電流である信号検出電流(センス電流)を流すための一対の電極層6、6が形成されている。電極層6は、例えばAu等の導電性材料によって形成される。電極層6、6はバイアス磁界印加層21の上に配置されているが、バイアス磁界印加層21のない領域では、電極層6は後述する下部シールドギャップ膜の上に配置されている。
本発明における一対のバイアス磁界印加層21、21は、実質的にバイアス磁界印加用の軟磁性層のみから構成されている。「実質的にバイアス磁界印加用の軟磁性層のみ」という文言は、バイアス磁界印加層の構成として、反強磁性層および硬磁性層のいずれの層も含まない趣旨である。従って、本願の従来技術として引用された先行技術文献に開示された構造はいずれも含まない。
バイアス磁界印加用の軟磁性層として用いられ得る具体的材料としては、Ni(70〜81at%)Fe合金、Ni(83〜90at%)Fe合金、Co(70〜87at%)Fe合金、Co(92〜95at%)Fe合金、CoNiFe合金、またはこれらの合金にTi,W,Mo,Ta.V,Cr,Nb,Zr,B等を添加した合金等が用いられる。なお、軟磁性層の磁歪定数は組成のみならず、成膜方法等によっても影響を受ける。
また、このようなバイアス磁界印加用の軟磁性層21,21は、オーバーコート層17の膜特性に応じて、軟磁性層21,21そのものの磁歪特性を適宜選定することが望まれる。
すなわち、
(1)オーバーコート層17が、磁気抵抗効果素子が記録媒体と対向する面に相当するABS(Air Bearing Surface)方向に向けて膨張しようと作用する圧縮応力膜特性を有するように構成されている場合には、バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21は、負の磁歪を有するように構成される。
この場合、バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21は、MR素子と比べて格段と厚膜に形成されているオーバーコート層17の圧縮応力膜特性に同調するように影響を受け、ABS(Air Bearing Surface)方向に向けて膨張するように作用する。この際に、バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21を、負の磁歪を有するように構成しておくことにより、バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21の磁化容易軸は縦バイアスの方向と同じ方向になる。従って、例えば、ヘッド加工後、バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21に縦バイアスの方向と同じ方向の外部磁界を一度印加しておくことにより軟磁性層21,21には縦バイアス磁界が印加できるだけの磁化が残留する。このような構成とすることにより、バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21は、バイアス磁界印加用としても作用することは勿論のこと、トラック端部から隣接トラックの磁気情報等の侵入を排除する磁気シールド効果も発揮することができる。
この一方で、
(2)オーバーコート層17が、磁気抵抗効果素子が記録媒体と対向する面に相当するABS(Air Bearing Surface)から素子の内側に向けて収縮しようと作用する引張り応力膜特性を有するように構成されている場合には、バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21は、正の磁歪を有するように構成される。
この場合、バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21は、MR素子と比べて格段と厚膜に形成されているオーバーコート層17の引張り応力膜特性に同調するように影響を受け、ABS(Air Bearing Surface)から素子の内側に向けて収縮しようとする。この際に、バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21を、正の磁歪を有するように構成しておくことにより、バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21の磁化容易軸は縦バイアスの方向と同じ方向になる。従って、例えば、ヘッド加工後、バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21に縦バイアスの方向と同じ方向の外部磁界を一度印加しておくことにより軟磁性層21,21には縦バイアス磁界が印加できるだけの磁化が残留する。このような構成とすることにより、バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21は、バイアス磁界印加用としても作用することは勿論のこと、トラック端部から隣接トラックの磁気情報等の侵入を排除する磁気シールド効果も発揮することができる。
オーバーコート層17の膜特性に注目するのは、上述したようにオーバーコート層17の膜厚が他の積層膜の膜厚に比べて極めて厚く(例えば、厚さは15〜30μm程度である)、オーバーコート層17の膜特性そのものがMR素子の挙動に大きな影響を与えるということが本発明者らによって見出されたことによるものである。
オーバーコート層17の膜特性を圧縮応力膜にしたり、引張り応力膜にしたりするのは、オーバーコート層17の材質選定や、膜の形成方法の選定等の要因を考慮することにより行われる。
バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21の具体的材料は前述した通りであり、特に、応力が印加された後の磁化困難軸方向における磁化曲線のヒステリシスが小さいといった磁気特性を備えるものが好ましい。
バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21に負の磁歪を持たせる場合、その磁歪定数は、−1×10-6〜−5×10-5、好ましくは−5×10-6〜−3×10-5とされる。
また、バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21に正の磁歪を持たせる場合、その磁歪定数定数は、1×10-6〜5×10-5、好ましくは5×10-6〜3×10-5とされる。
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの構造において、上部シールド層8は、例えばパーマロイ、センダスト、CoZrTa等の軟磁性特性を備える膜から構成されており、この上部シールド層8は磁気抵抗効果膜5を有する磁気抵抗効果素子に影響を与える磁化方向が、バイアス磁界印加用軟磁性層の磁化方向(図1の矢印(α)方向)とは反平行(図1の矢印(β)方向)となるように構成されていることが望ましい。
このような磁化反平行の構成(図1の矢印(α)方向に対して矢印(β)方向の関係)によって、図1に示されるように上部シールド層8からの磁界が縦バイアスをアシストするように作用する。磁気抵抗効果素子(特に磁気抵抗効果膜5)の基板に平行な面における大きさは、例えば、0.1μm×0.1μm程度の大きさであって、上部シールド層8の磁区1個分にスッポリと納まって余りある関係にあると言える。従って、上部シールド層が磁気抵抗効果素子に影響を与える磁化方向は、素子のちょうど真上に位置する磁区の磁化方向の向きが重要となる。
上部シールド層8における好適な反平行の磁化方向を得るためには、上部シールド層8そのものの大きさを調整(寸法調整)したり、上部シールド層8へ外部磁界を印加したりすればよい。
上部シールド層8と、バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21のとの距離は、出来るだけ近づけることが望ましい。すなわち、図1の符号Gで示される距離が60〜200Åとすることが望ましい。このGの距離は、磁気抵抗効果膜の上部位置における上部シールドギャップ層の厚さで略規定することができる、上部シールド層と、バイアス磁界印加用軟磁性層との距離に相当する。
また、薄膜磁気ヘッドには上部シールド層8と同様な軟磁性特性を備える下部シールド層3が同様に形成されている。この下部シールド層3もまた、磁気抵抗効果素子に影響を与える磁化方向が、バイアス磁界印加用軟磁性層の磁化方向とは反平行となるように構成することが望ましい。
下部シールド層3と、バイアス磁界印加用の軟磁性層21,21のとの距離は、出来るだけ近づけることが望ましく、具体的には60〜200Åの距離とすることが望ましい。
図1において、MR素子は、下部シールドギャップ膜4の上に形成されているが、例えばTaやNiCrの下地層を介在させて、この下地層の上にMR素子を形成するようにしてもよい。
なお、本発明でいう磁気抵抗効果素子としては、上記のスピンバル膜構成のもの限定されることなく、トンネル磁気抵抗(Tunnel-type Magneto-resistive)効果を用いたTMR素子や、CPP(Current Perpendicular to Plane)−GMR素子などのように、広く磁気抵抗効果を示す素子を含んでいる。
(薄膜磁気ヘッドの全体構成の説明)
次いで、上述してきた磁気抵抗効果素子を備えてなる薄膜磁気ヘッドの全体構成について説明する。図2および図3は本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明するための図面であり、図2は、薄膜磁気ヘッドのABSおよび基板に垂直な断面を示している。図3は、薄膜磁気ヘッドの磁極部分のABSに平行な断面を示している。ここで、ABSとは、前述したように磁気記録媒体と対向する薄膜磁気ヘッドの対向面をいう。
薄膜磁気ヘッドの全体構造は、その製造工程に沿って説明することによりその構造が容易に理解できると思われる。そのため、以下、製造工程を踏まえて薄膜磁気ヘッドの全体構造を説明する。
まず、アルティック(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1の上に、スパッタ法等によって、アルミナ(Al23)、二酸化珪素(SiO2)等の絶縁材料からなる絶縁層2を形成する。厚さは、例えば0.5〜20μm程度とする。
次に、この絶縁層2の上に、磁性材料からなる再生ヘッド用の下部シールド層3を形成する。厚さは、例えば0.1〜5μm程度とする。このような下部シールド層3に用いられる磁性材料としては、例えば、FeAlSi、NiFe、CoFe、CoFeNi、FeN、FeZrN、FeTaN、CoZrNb、CoZrTa等が挙げられる。下部シールド層3は、スパッタ法またはめっき法等によって形成される。
次に、下部シールド層3の上に、スパッタ法等によって、Al23、SiO2等の絶縁材料からなる下部シールドギャップ膜4を形成する。厚さは、例えば10〜200nm程度とする。
次に、下部シールドギャップ膜4の上に、磁気抵抗効果素子(MR素子)5を形成するために、再生用の磁気抵抗効果膜5と、図示していないバイアス磁界印加層と、電極層をそれぞれ、形成する。
次に、MR素子および下部シールドギャップ膜4の上に、スパッタ法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなす上部シールドギャップ膜7を例えば10〜200nmの厚さに形成する。
次に、上部シールドギャップ膜7の上に、磁性材料からなり、記録ヘッドの下部磁極層を兼ねた再生ヘッドの上部シールド層8を、例えば3〜4μm程度の厚さに形成する。なお、上部シールド膜8に用いられる磁性材料は、上述した下部シールド層3と同様な材料を用いればよい。上部シールド膜8はスパッタ法またはメッキ法等によって形成される。
なお、上部シールド層8の代わりに、上部シールド層と、この上部シールド層の上にスパッタ法等によって形成されたアルミナ等の非磁性材料よりなる分離層と、この分離層の上に形成された下部磁性層とを設けるように構成してもよい。磁極とシールドの機能を兼用させることなく、別個に分けて構成した場合の構成例である。
次に、上部シールド層8の上に、スパッタ法等によって、アルミナ等の絶縁材料からなる記録ギャップ層9を、例えば50〜300nmの厚さに形成する。
次に、磁路形成のために、後述する薄膜コイルの中心部において、記録ギャップ層9を部分的にエッチングしてコンタクトホール9aを形成する。
次に、記録ギャップ層9の上に、例えば銅(Cu)からなる薄膜コイルの第1層部分10を、例えば2〜3μmの厚さに形成する。なお、図2において、符号10aは、第1層部分10のうち、後述する薄膜コイルの第2層部分15に接続される接続部を示している。第1層部分10は、コンタクトホール9aの周囲に巻回される。
次に、薄膜コイルの第1層部分10およびその周辺の記録ギャップ層9を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機材料からなる絶縁層11を所定のパターンに形成する。
次に、絶縁層11の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層11の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
次に、絶縁層11のうちの後述するABS20側の斜面部分からABS20側にかけての領域において、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に、記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のトラック幅規定層12aを形成する。上部磁極層12は、このトラック幅規定層12aと、後述する連結部分層12bおよびヨーク部分層12cとで構成される。
トラック幅規定層12aは、記録ギャップ層9の上に形成され上部磁極層12の磁極部分となる先端部と、絶縁層11のABS20側の斜面部分の上に形成されヨーク部分層12cに接続される接続部と、を有している。先端部の幅は記録トラック幅と等しくなっている。接続部の幅は、先端部の幅よりも大きくなっている。
トラック幅規定層12aを形成する際には、同時にコンタクトホール9aの上に磁性材料からなる連結部分層12bを形成するとともに、接続部10aの上に磁性材料からなる接続層13を形成する。連結部分層12bは、上部磁極層12のうち、上部シールド層8に磁気的に連結される部分を構成する。
次に、磁極トリミングを行なう。すなわち、トラック幅規定層12aの周辺領域において、トラック幅規定層12aをマスクとして、記録ギャップ層9および上部シールド層8の磁極部分における記録ギャップ層9側の少なくとも一部をエッチングする。これにより、図3に示されるごとく、上部磁極層12の磁極部分、記録ギャップ層9および上部シールド層8の磁極部分の少なくとも一部の各幅が揃えられたトリム(Trim)構造が形成される。このトリム構造によれば、記録ギャップ層9の近傍における磁束の広がりによる実効的なトラック幅の増加を防止することができる。
次に、全体に、アルミナ等の無機絶縁材料からなる絶縁層14を、例えば3〜4μm厚さに形成する。
次に、この絶縁層14を、例えば化学機械研摩によって、トラック幅規定層12a、連結部分層12b、接続層13の表面に至るまで研摩して平坦化する。
次に、平坦化された絶縁層14の上に、例えば銅(Cu)からなる薄膜コイルの第2層部分15を、例えば2〜3μmの厚さに形成する。なお、図2において、符号15aは、第2層部分15のうち、接続層13を介して薄膜コイルの第1層部分10の接続部10aに接続される接続部を示している。第2層部分15は、連結部分層12bの周囲に巻回される。
次に、薄膜コイルの第2層部分15およびその周辺の絶縁層14を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機材料からなる絶縁層16を所定のパターンに形成する。
次に、絶縁層16の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層16の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
次に、トラック幅規定層12a、絶縁層14、16および連結部分層12bの上にパーマロイ等の記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁性層12のヨーク部分を構成するヨーク部分層12cを形成する。ヨーク部分層12cのABS20側の端部は、ABS20から離れた位置に配置されている。また、ヨーク部分層12cは、連結部分層12bを介して上部シールド層8に接続されている。
次に、全体を覆うように、例えばアルミナからなるオーバーコート層17を形成する。最後に、上記各層を含むスライダの機械加工を行い、記録ヘッドおよび再生ヘッドを含む薄膜ヘッドのABS20を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
このようにして製造される薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する対向面(ABS20)と、再生ヘッドと、記録ヘッド(誘導型磁気変換素子)とを備えている。再生ヘッドは、MR素子と、ABS20側の一部がMR素子を挟んで対向するように配置された、MR素子をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層8とを有している。
記録ヘッドは、ABS20側において互いに対向する磁極部分を含むとともに、互いに磁気的に連結された下部磁極層(上部シールド層8)および上部磁極層12と、この下部磁極層の磁極部分と上部磁極層12の磁極部分との間に設けられた記録ギャップ層9と、少なくとも一部が下部磁極層および上部磁極層12の間に、これらに対して絶縁された状態で配置された薄膜コイル10、15と、を有している。
この薄膜磁気ヘッドでは、図2に示されるように、ABS20から、絶縁層11のABS側の端部までの長さが、スロートハイト(図面上、符号THで示される)となる。なお、スロートハイトとは、ABS20から、2つの磁極層の間隔が開き始める位置までの長さ(高さ)をいう。
(薄膜磁気ヘッドの作用の説明)
次に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの作用について説明する。薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって記録媒体に情報を記録し、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生する。
再生ヘッドにおいて、バイアス磁界印加層21による縦バイアス磁界によって、MR素子中の軟磁性層54に実質的に印加される縦バイアス磁界の方向は、ABS20に垂直な方向と直交している。MR素子において、信号磁界がない状態では、軟磁性層54の磁化の方向は、縦バイアス磁界の方向に揃えられている。一方、強磁性層52の磁化の方向は、ABS20に垂直な方向に固定されている。
MR素子では、記録媒体からの信号磁界に応じて軟磁性層54の磁化の方向が変化し、これにより、軟磁性層54の磁化の方向と強磁性層52の磁化の方向との間の相対角度が変化し、その結果、MR素子の抵抗値が変化する。MR素子の抵抗値は、2つの電極層6によってMR素子にセンス電流を流したときの2つの電極層6間の電位差より求めることができる。このようにして、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生することができる。
(ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置についての説明)
以下、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置について説明する。
まず、図4を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。ハードディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体であるハードディスクに対向するように配置される。このスライダ210は、主に図2における基板1およびオーバーコート17からなる基体211を備えている。
基体211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の六面のうちの一面は、ハードディスクに対向するようになっている。この一面には、ABS20が形成されている。
ハードディスクが図4におけるz方向に回転すると、ハードディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、図4におけるy方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によってハードディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図4におけるx方向は、ハードディスクのトラック横断方向である。
スライダ210の空気流出側の端部(図4における左下の端部)の近傍には、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド100が形成されている。
次に、図5を参照して、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、このスライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222、このロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。
ベースプレート224は、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、このアーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
図5は、ヘッドアームアセンブリの一例を示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
次に図6および図7を参照して、ヘッドスタックアセンブリの一例と本実施の形態に係るハードディスク装置について説明する。
図6はハードディスク装置の要部を示す説明図、図7はハードディスク装置の平面図である。
ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252とは反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、ハードディスク装置に組み込まれる。
ハードディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚のハードディスク262を有している。各ハードディスク262毎に、ハードディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、本発明における位置決め装置に対応しスライダ210を支持すると共にハードディスク262に対して位置決めする。
本実施の形態に係るハードディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210をハードディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって、ハードディスク262に情報を記録し、再生ヘッドによって、ハードディスク262に記録されている情報を再生する。
本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置は、前述の本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同様の効果を奏する。
また、実施の形態では、基本側に再生ヘッドを形成し、その上に、記録ヘッドを積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。また、読み取り専用として用いる場合には、薄膜磁気ヘッドを、再生ヘッドだけを備えた構成としてもよい。
また、本発明の要部は磁気ヘッドに限らず、いわゆる磁界を検知するための薄膜磁界センサーとして応用することができる。すなわち、薄膜磁気センサーは、磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の上下方向に配置された上部シールド層および下部シールド層と、上部シールド層の上方に形成されたオーバーコート層と、を有し前記磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の両端部に配置形成された縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層と、前記磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流すための一対の電極層とを有し、前記一対のバイアス磁界印加層が実質的にバイアス磁界印加用の軟磁性層のみから構成されてなるように構成することができる。
前述のごとく一対のバイアス磁界印加層は、反強磁性層および硬磁性層のいずれも含まない構造とされる。
一つの態様として、前記オーバーコート層は、磁気抵抗効果素子が被検出磁界と対向する方向に向けて膨張しようと作用する圧縮応力膜特性を有するように構成されており、前記バイアス磁界印加用軟磁性層が負の磁歪を有するように構成されている。この場合の負の磁歪定数は上述したとおりである。
他の一つの態様として、前記オーバーコート層は、磁気抵抗効果素子が被検出磁界と対向する方向から素子の内側に向けて収縮しようと作用する引張り応力膜特性を有するように構成されており、前記バイアス磁界印加用軟磁性層が正の磁歪を有するように構成されている。この場合の正の磁歪定数は上述したとおりである。
また、前述のごとく上部シールド層は、軟磁性特性を備える膜から構成されており、当該上部シールド層の磁気抵抗効果素子に影響を与える磁化方向が、バイアス磁界印加用軟磁性層の磁化方向とは反平行となるように構成されることが望ましい。
同様に、前記下部シールド層は、軟磁性特性を備える膜から構成されており、当該上部シールド層の磁気抵抗効果素子に影響を与える磁化方向が、バイアス磁界印加用軟磁性層の磁化方向とは反平行となるように構成されることが望ましい。
上述してきた薄膜磁気ヘッドの発明を、以下に示す具体的実施例によりさらに詳細に説明する。
〔実施例1〕
下記の要領で、図1〜図3に示されるような実施例1の薄膜磁気ヘッドサンプル群(トラック幅が異なる種々のサンプル)を作製した。以下、実施の要部のみ記載する。
アルティック(Al23・TiC)のセラミック材料よりなる基板1の上に、スパッタ法によって、アルミナ(Al23)絶縁材料からなる絶縁層2を形成した。厚さは、2μmとした。
次に、この絶縁層2の上に、NiFe磁性材料からなる再生ヘッド用の下部シールド層3をスパッタ法で形成した。厚さは、2μmとした。
次に、下部シールド層3の上に、スパッタ法によって、Al23絶縁材料からなる下部シールドギャップ膜4を形成した。厚さは、15nmとした。
次に、下部シールドギャップ膜4の上に、下地層(NiCr;厚さ5nm)、ピンニング層51(PtMn反強磁性層;厚さ20nm)、強磁性層52(CoFe(厚さ1.5nm)/Ru(厚さ0.8nm)/CoFe(厚さ2nm)の3層積層体からなる強磁性層)、非磁性層53(Cu;厚さ2nm)、軟磁性層54(CoFe(厚さ1nm)/NiFe(厚さ3nm)の2層積層体からなる軟磁性層)、保護層55(Ta;厚さ2nm)からなる積層膜を形成した。
なお、ピンニング層51による強磁性層52の磁化方向の固定は、真空中において、温度300℃、印加磁場790kA/m(10kOe)、処理時間5時間の磁場中熱処理によって行なった。その後、磁気抵抗効果膜の上に、エッチングによってMR素子の形状を定めるためのマスクを形成した。このマスクは2つの有機膜からなるレジスト層をパターニングして、底面が上面よりも小さくなるようにアンダーカットを有する形状とした。
このマスクを用いて磁気抵抗効果膜を選択的にイオンミリングでドライエッチングしてパターニングされた磁気抵抗効果素子を得た。次いで、下地層の上にバイアス磁界印加用の軟磁性層21(材質:Ni84Fe16;厚さ:30nm)を形成した。次いで、バイアス磁界印加用の軟磁性層21の上に電極層6(材質:Au;厚さ:40nm)を形成した。
再生トラック幅RTWの大きさは、下記表1に示されるように種々の幅(光学幅)のサンプルのものを作製した。
このようなMR素子の上に、スパッタ法によって、Al23絶縁材料からなる上部シールドギャップ膜7を形成した。厚さは、15nmとした。
この上部シールドギャップ膜7の上に、NiFe磁性材料(パーマロイ)からなる再生ヘッド用の上部シールド層8をスパッタ法で形成した。厚さは、2.5μmとした。
次に、上部シールド層8の上に、スパッタ法によって、アルミナ絶縁材料からなる記録ギャップ層9を形成した。次に、磁路形成のために、銅(Cu)からなる薄膜コイルを形成した。
次に、薄膜コイルおよびその周辺の記録ギャップ層9を覆うように、フォトレジスト有機材料からなる絶縁層11を所定のパターンに形成した後、この絶縁層11の表面を平坦にするための加熱処理を行った。
次に、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に、記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12を形成するとともに、所定のエッチング処理によって磁極トリミングを行ない、上部磁極層12の磁極部分、記録ギャップ層9および上部シールド層8の磁極部分の少なくとも一部の各幅が揃えられたトリム(Trim)構造を形成した。
次に、全体に、アルミナ無機絶縁材料からなる絶縁層14を、4μm厚さに形成した。
次に、この絶縁層14を化学機械研摩によって平坦化した後、平坦化された絶縁層14の上に、銅(Cu)からなる薄膜コイルの第2層部分15を形成し、次いでフォトレジスト有機材料からなる絶縁層16を所定のパターンに形成した。次いで、パーマロイからなる記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁性層12のヨーク部分を構成した。
次に、全体を覆うようにアルミナからなるオーバーコート層17を厚さ40μmにスパッタ法で形成し、その後、機械的研磨加工法により10μmの削除を行った。
次いで、上記各層を含むスライダの機械加工を行い、記録ヘッドおよび再生ヘッドを含む薄膜ヘッドのABS20を形成した。上記バイアス磁界印加層21は、室温、395kA/m(5kOe)の磁場中で着磁して薄膜磁気ヘッドのサンプルを作製した。
〔比較例1〕
上記の実施例1において、バイアス磁界印加層の構造を軟磁性層から硬質磁性層に変更した。それ以外は、上記の実施例1と同じ要領で、比較例1の薄膜磁気ヘッドサンプル群(トラック幅が異なる種々のサンプル)を作製した。
すなわち、図11に示されるように磁気抵抗効果膜5の両端部に硬質磁性層からなるバイアス磁界印加層121(材質:CoCrPt;厚さ:30nm)を形成した。それ以外は、上記の実施例1と同じ要領で、比較例1の薄膜磁気ヘッドサンプル群(トラック幅が異なる種々のサンプル)を作製した。
上記の実施例1および比較例1の薄膜磁気ヘッドサンプル群(トラック幅が異なる)について、(1)光学トラック幅および(2)実効トラック幅を下記の要領で測定した。
(1)光学トラック幅(μm)
SEMにより実際に形成されている物理的構造のトラック幅(図1のRTWで示される)を測定した。
(2)実効トラック幅(μm)
孤立波出力の20%まで出力が減少するように書込みパターンのトラック左右から消去を行い、今回の試作ヘッドの例では30nm程度の狭トラック書込みパターンを形成した。すなわち、マイクロトラックを形成した。実効トラック幅は、このマイクロトラックを用いて再生ヘッドのオフトラックプロファイルを測定し、その半値幅から実効トラック幅を導いた。
実験結果を下記表1に示すとともに、この結果が視認し易いように表1の結果を図8のグラフに示した。
Figure 2005302229
表1および図8のグラフより、比較例1においては光学トラック幅が0.2μmより小さくなると、読みにじみが顕著に現れるようになっているのがわかる。これに対して本発明の構造(実施例1)を採択することによって、「読みにじみ」が低減し、実効トラック幅と光学トラック幅の差が小さくなっているのが分かる。
〔比較例2〕
上記の実施例1において、バイアス磁界印加層21の構造を軟磁性層から、反強磁性体層と軟磁性層との2層構造に変更した。それ以外は、上記の実施例1と同じ要領で、比較例2の薄膜磁気ヘッドサンプルを作製した。
すなわち、図12に示されるように磁気抵抗効果膜5の両端部に反強磁性体層141(材質:IrMn;厚さ:7nm)と軟磁性層131(材質:Ni80Fe20;厚さ:30nm)の2層構造からなるバイアス磁界印加層を形成した。それ以外は、上記の実施例1と同じ要領で、比較例2の薄膜磁気ヘッドサンプルを作製した。光学トラック幅は0.18μmとした。
このような比較例2の薄膜磁気ヘッドサンプルについて、マイクロトラックを用いて再生ヘッドのオフトラックプロファイルを測定したところ図10(a)〜(c)に示されるようなトラックプロファイルに「肩(サイドロープ)」が出るサンプルが観察された。そして、この比較例2のサンプルにおけるサイドロープ発生の確率は23%であった(測定対象としたサンプル数は、60個)。
これに対して、実施例1の本発明では、トラックプロファイルに「肩(サイドロープ)」が出るサンプルは確認されずに、図9(a)〜(c)に示されるような対象性に優れた綺麗なプロファイルが得られた。なお、実施例1で測定対象としたサンプル数は、比較例2と同様の60個とした。光学トラック幅も比較例2と同様の0.18μmとした。
以上の実験結果より本発明の効果は明らかである。
すなわち、本発明の薄膜磁気ヘッドは、磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の上下方向に配置された上部シールド層および下部シールド層と、上部シールド層の上方に形成されたオーバーコート層と、を有してなる薄膜磁気ヘッドであって、前記磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の両端部に配置形成された縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層と、前記磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流すための一対の電極とを有し、前記一対のバイアス磁界印加層が実質的にバイアス磁界印加用軟磁性層のみから構成されているので、トラック端部における読みにじみを低減させるとともに、高い出力安定性を得ることができる。
磁気記録媒体等の磁界強度を信号として読み取るための磁気抵抗効果素子を備えるハードディスク装置の産業に利用できる。
図1は、本発明の実施の形態における主として再生ヘッドのABS(Air Bearing Surface)を模式的に示した図面である。 図2は、本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明するための図面であり、薄膜磁気ヘッドのABSおよび基板に垂直な断面を示した図面である。 図3は、本発明の好適な一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明するための図面であり、薄膜磁気ヘッドの磁極部分のABSに平行な断面を示した図面である。 図4は、本発明の一実施の形態におけるヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。 図5は、本発明の一実施の形態におけるヘッドジンバルアセンブリを含むヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。 図6は、本発明の一実施の形態におけるハードディスク装置の要部を示す説明図である。 図7は、本発明の一実施の形態におけるハードディスク装置の平面図である。 図8は、表1の結果をグラフにしたものである。 図9(a)〜(c)は、それぞれ、本発明の薄膜ヘッドにおける再生出力波形を示したものである。 図10(a)〜(c)は、それぞれ、比較例である従来タイプの薄膜ヘッドにおける再生出力波形を示したものである。 図11は、比較例である従来タイプの薄膜ヘッド構造を模式的に示した図面である。 図12は、比較例である従来タイプの薄膜ヘッド構造を模式的に示した図面である。
符号の説明
1…基板
2…絶縁層
3…下部シールド層
4…下部シールドギャップ膜
5…磁気抵抗効果膜
6…電極層
7…上部シールドギャップ層
8…上部シールド層
9…記録ギャップ層
10…薄膜コイルの第1層部分
12…上部磁極層
15…薄膜コイル第2層部分
17…オーバーコート層
20…ABS
21…バイアス磁界印加層
51…ピンニング層
52…強磁性層
53…非磁性層
54…軟磁性層

Claims (21)

  1. 磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の上下方向に配置された上部シールド層および下部シールド層と、上部シールド層の上方に形成されたオーバーコート層と、を有してなる薄膜磁気ヘッドであって、
    前記磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の両端部に配置形成された縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層と、前記磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流すための一対の電極層とを有し、
    前記一対のバイアス磁界印加層が実質的にバイアス磁界印加用の軟磁性層のみから構成されてなることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記一対のバイアス磁界印加層は、反強磁性層および硬磁性層のいずれも含まない請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記オーバーコート層は、磁気抵抗効果素子が記録媒体と対向する面に相当するABS(Air Bearing Surface)方向に向けて膨張しようと作用する圧縮応力膜特性を有するように構成されており、前記バイアス磁界印加用軟磁性層が負の磁歪を有するように構成されてなる請求項1または請求項2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記バイアス磁界印加用軟磁性層の負の磁歪定数が、−1×10-6〜−5×10-5である請求項3に記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記オーバーコート層は、磁気抵抗効果素子が記録媒体と対向する面に相当するABS(Air Bearing Surface)から素子の内側に向けて収縮しようと作用する引張り応力膜特性を有するように構成されており、前記バイアス磁界印加用軟磁性層が正の磁歪を有するように構成されてなる請求項1または請求項2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記バイアス磁界印加用軟磁性層の正の磁歪定数が、1×10-6〜5×10-5である請求項5に記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 前記上部シールド層は、軟磁性特性を備える膜から構成されており、当該上部シールド層の磁気抵抗効果素子に影響を与える磁化方向が、バイアス磁界印加用軟磁性層の磁化方向とは反平行となるように構成されてなる請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 前記下部シールド層は、軟磁性特性を備える膜から構成されており、当該上部シールド層の磁気抵抗効果素子に影響を与える磁化方向が、バイアス磁界印加用軟磁性層の磁化方向とは反平行となるように構成されてなる請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 磁気抵抗効果膜の上部位置における上部シールドギャップ層の厚さで規定することができる、前記上部シールド層と、バイアス磁界印加用軟磁性層のとの距離が、60〜200Åである請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 前記下部シールド層と、バイアス磁界印加用軟磁性層のとの距離が、60〜200Åである請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 前記磁気抵抗効果膜は、非磁性層と、非磁性層の一方の面に形成された強磁性層と、非磁性層の他方の面に形成された軟磁性層と、前記強磁性層の磁化の向きをピン止めするために強磁性層の片面(非磁性層と接する面と反対側の面)に接して形成されたピンニング層とを有する多層膜である請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 前記請求項1ないし請求項11のいずれかに記載された薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと、
    を備えてなることを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。
  13. 前記請求項1ないし請求項11のいずれかに記載された薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを支持するとともに前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と、
    を備えてなることを特徴とするハードディスク装置。
  14. 磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の上下方向に配置された上部シールド層および下部シールド層と、上部シールド層の上方に形成されたオーバーコート層と、を有してなる薄膜磁気センサーであって、
    前記磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の両端部に配置形成された縦バイアス磁界を与えるための一対のバイアス磁界印加層と、前記磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流すための一対の電極層とを有し、
    前記一対のバイアス磁界印加層が実質的にバイアス磁界印加用の軟磁性層のみから構成されてなることを特徴とする薄膜磁気センサー。
  15. 前記一対のバイアス磁界印加層は、反強磁性層および硬磁性層のいずれも含まない請求項14に記載の薄膜磁気センサー。
  16. 前記オーバーコート層は、磁気抵抗効果素子が被検出磁界と対向する方向に向けて膨張しようと作用する圧縮応力膜特性を有するように構成されており、前記バイアス磁界印加用軟磁性層が負の磁歪を有するように構成されてなる請求項14または請求項15に記載の薄膜磁気センサー。
  17. 前記バイアス磁界印加用軟磁性層の負の磁歪定数が、−1×10-6〜−5×10-5である請求項16に記載の薄膜磁気センサー。
  18. 前記オーバーコート層は、磁気抵抗効果素子が被検出磁界と対向する方向から素子の内側に向けて収縮しようと作用する引張り応力膜特性を有するように構成されており、前記バイアス磁界印加用軟磁性層が正の磁歪を有するように構成されてなる請求項14または請求項15に記載の薄膜磁気センサー。
  19. 前記バイアス磁界印加用軟磁性層の正の磁歪定数が、1×10-6〜5×10-5である請求項18に記載の薄膜磁気センサー。
  20. 前記上部シールド層は、軟磁性特性を備える膜から構成されており、当該上部シールド層の磁気抵抗効果素子に影響を与える磁化方向が、バイアス磁界印加用軟磁性層の磁化方向とは反平行となるように構成されてなる請求項14ないし請求項19のいずれかに記載の薄膜磁気センサー。
  21. 前記下部シールド層は、軟磁性特性を備える膜から構成されており、当該上部シールド層の磁気抵抗効果素子に影響を与える磁化方向が、バイアス磁界印加用軟磁性層の磁化方向とは反平行となるように構成されてなる請求項14ないし請求項19のいずれかに記載の薄膜磁気センサー。
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