JP4134080B2 - 磁気抵抗効果素子およびその製造方法、ならびに磁気抵抗効果装置、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子およびその製造方法、ならびに磁気抵抗効果装置、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁気抵抗効果素子およびその製造方法、ならびに、磁気抵抗効果素子を有する磁気抵抗効果装置、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置に関する。
近年、磁気ディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、基板に対して、読み出し用の磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magnetoresistive)素子とも記す。)を有する再生ヘッドと書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
MR素子としては、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magnetoresistive)効果を用いたAMR素子や、巨大磁気抵抗(Giant Magnetoresistive)効果を用いたGMR素子や、トンネル磁気抵抗(Tunnel-type Magnetoresistive)効果を用いたTMR素子等がある。
再生ヘッドの特性としては、高感度および高出力であることが要求される。この要求を満たす再生ヘッドとして、既に、スピンバルブ型GMR素子を用いたGMRヘッドが量産されている。最近では、面記録密度の更なる向上に対応するために、TMR素子を用いた再生ヘッドの開発が進められている。
スピンバルブ型GMR素子は、一般的には、互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層と、この非磁性導電層の一方の面に隣接するように配置されたフリー層と、非磁性導電層の他方の面に隣接するように配置されたピンド層と、このピンド層における非磁性導電層とは反対側の面に隣接するように配置された反強磁性層とを有している。フリー層は信号磁界に応じて磁化の方向が変化する層である。ピンド層は、磁化の方向が固定された強磁性層である。反強磁性層は、ピンド層との交換結合により、ピンド層における磁化の方向を固定する層である。
ところで、従来のGMRヘッドでは、磁気的信号検出用の電流(以下、センス電流という。)を、GMR素子を構成する各層の面に対して平行な方向に流す構造になっていた。このような構造は、CIP(Current In Plane)構造と呼ばれる。これに対し、センス電流を、GMR素子を構成する各層の面と交差する方向、例えばGMR素子を構成する各層の面に対して垂直な方向に流す構造のGMRヘッドの開発も進められている。このような構造は、CPP(Current Perpendicular to Plane)構造と呼ばれる。以下、CPP構造の再生ヘッドに用いられるGMR素子をCPP−GMR素子と呼び、CIP構造の再生ヘッドに用いられるGMR素子をCIP−GMR素子と呼ぶ。なお、前述のTMR素子を用いた再生ヘッドもCPP構造となる。
一般的なCPP−GMR素子では、それを構成する全ての層が金属材料によって構成されているため、TMR素子に比べて、電気抵抗が非常に小さい。そのため、一般的なCPP−GMR素子では、電気抵抗と磁気抵抗変化率との積である磁気抵抗変化量が小さいという問題点があった。また、このようなCPP−GMR素子を用いた再生ヘッドでは、磁気抵抗変化量に比例する出力電圧が小さくなる。このことが、CPP−GMR素子の実用上の問題となっている。この問題を解決するために、ピンド層やフリー層を多層化する種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、CPP−GMR素子におけるピンド層とフリー層の少なくとも一方を、強磁性層と非磁性層とを交互に積層した積層体を有する構造とする技術が記載されている。この技術は、強磁性層と非磁性層との界面を多く設け、この界面におけるスピンに依存した電子の散乱の効果により、磁気抵抗変化量を大きくする技術である。
また、特許文献2には、CPP−GMR素子における強磁性層(ピンド層およびフリー層)の層中、あるいは強磁性層と非磁性導電層との界面に、酸化物、窒化物、酸窒化物、リン化物またはフッ化物を有する極薄の薄膜層を挿入する技術が記載されている。薄膜層は、薄膜層の近傍における強磁性層のバンド構造を変調させて、電子のスピンフィルタ作用を生じさせる。この技術は、素子抵抗を上昇させることなく、磁気抵抗変化率の大きなCPP−GMR素子を実現することを目的としている。
また、特許文献3には、CPP−GMR素子中に、センス電流の通路を横切る高抵抗層を設ける技術が記載されている。この技術は、素子抵抗を増加させることによって磁気抵抗変化量を大きくすることを目的としている。
特開2002−92826号公報 特開2004−6589号公報 特開2002−359412号公報
ピンド層やフリー層を多層化することにより、CPP−GMR素子の電気抵抗や磁気抵抗変化率を大きくすることは可能である。それでも、これまでのCPP−GMR素子では、磁気抵抗変化量が十分に大きいとは言えなかった。
また、CPP−GMR素子には、大きな磁界感度(磁気抵抗変化/外部磁界変化)を有することも要求される。CPP−GMR素子において、大きな磁界感度を実現するためには、フリー層が良好な軟磁気特性を有することが必要である。良好な軟磁気特性とは、具体的には、磁歪定数および保磁力が小さいことである。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、磁気抵抗効果素子を構成する各層の面と交差する方向に電流が流される磁気抵抗効果素子であって、磁気抵抗変化量が大きく、且つフリー層が良好な軟磁気特性を有する磁気抵抗効果素子およびその製造方法、ならびに、この磁気抵抗効果素子を有する磁気抵抗効果装置、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置を提供することにある。
本発明の磁気抵抗効果素子は、互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層と、非磁性導電層における一方の面に隣接するように配置され、外部磁界に応じて磁化の方向が変化するフリー層と、非磁性導電層の他方の面に隣接するように配置され、磁化の方向が固定されたピンド層とを備え、磁気的信号検出用の電流が、各層の面と交差する方向に流されるものである。本発明の磁気抵抗効果素子において、フリー層は、非磁性導電層における一方の面に接する位置に配置された第1層を含む複数の層を有し、第1層は、コバルトをa原子%、鉄を(100−a)原子%含み、aが20以上、50以下である合金よりなり、フリー層の磁歪定数の絶対値は、1×10−6以下であり、フリー層の保磁力は、20×79.6A/m以下である。
本発明の磁気抵抗効果素子では、フリー層が、コバルトをa原子%、鉄を(100−a)原子%含み、aが20以上、50以下である合金よりなる第1層を有することにより、磁気抵抗効果素子の磁気抵抗変化量を大きくし、且つ、フリー層の磁歪定数の絶対値が1×10−6以下となり、フリー層の保磁力が20×79.6A/m以下となるように、フリー層の軟磁気特性を良好にすることが可能になる。
本発明の磁気抵抗効果素子において、フリー層は、第1層における非磁性導電層とは反対側に配置された第2層を有し、第2層は、コバルトをb原子%、鉄を(100−b)原子%含み、bが70以上、90以下である合金によって形成され、且つ第2層における第1層とは反対側の面に酸化処理が施されていてもよい。
また、本発明の磁気抵抗効果素子において、フリー層は、第2層における第1層とは反対側に配置された第3層を有し、第3層は、ニッケルと鉄を含む合金よりなるものであってもよい。第3層は、ニッケルをc原子%、鉄を(100−c)原子%含み、cが82以上、85以下である合金よりなるものであってもよい。あるいは、第3層は、ニッケルをc原子%、鉄を(100−c)原子%含み、cが82または85である合金よりなるものであってもよい。
また、本発明の磁気抵抗効果素子において、フリー層は、第3層における第2層とは反対側に順に配置された第4層、第5層および第6層を有し、第4層は、コバルトをd原子%、鉄を(100−d)原子%含み、dが70以上、90以下である合金よりなり、第5層は、ニッケルと鉄を含む合金よりなり、第6層は、コバルトをf原子%、鉄を(100−f)原子%含み、fが70以上、90以下である合金よりなるものであってもよい。第5層は、ニッケルをe原子%、鉄を(100−e)原子%含み、eが82以上、85以下である合金よりなるものであってもよい。あるいは、第5層は、ニッケルをe原子%、鉄を(100−e)原子%含み、eが82または85である合金よりなるものであってもよい。
本発明の製造方法によって製造される磁気抵抗効果素子は、互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層と、非磁性導電層における一方の面に隣接するように配置され、外部磁界に応じて磁化の方向が変化するフリー層と、非磁性導電層の他方の面に隣接するように配置され、磁化の方向が固定されたピンド層とを備え、磁気的信号検出用の電流が、各層の面と交差する方向に流される磁気抵抗効果素子を製造する方法である。
本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法は、ピンド層、非磁性導電層、フリー層を形成する各工程を備えている。フリー層を形成する工程は、非磁性導電層における一方の面に接する位置に配置される第1層を含む複数の層を形成し、第1層は、コバルトをa原子%、鉄を(100−a)原子%含み、aが20以上、50以下である合金よりなり、フリー層の磁歪定数の絶対値は、1×10−6以下であり、フリー層の保磁力は、20×79.6A/m以下である。
本発明の磁気抵抗効果装置は、本発明の磁気抵抗効果素子と、磁気的信号検出用の電流を、磁気抵抗効果素子に対して、磁気抵抗効果素子を構成する各層の面と交差する方向に流すための一対の電極とを備えたものである。
本発明の薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面と、記録媒体からの信号磁界を検出するために媒体対向面の近傍に配置された本発明の磁気抵抗効果素子と、磁気的信号検出用の電流を、磁気抵抗効果素子に対して、磁気抵抗効果素子を構成する各層の面と交差する方向に流すための一対の電極とを備えたものである。
本発明のヘッドジンバルアセンブリは、本発明の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを弾性的に支持するサスペンションとを備えたものである。また、本発明のヘッドアームアセンブリは、本発明の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを弾性的に支持するサスペンションと、スライダを記録媒体のトラック横断方向に移動させるためのアームとを備え、サスペンションがアームに取り付けられているものである。
本発明の磁気ディスク装置は、本発明の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを支持すると共に記録媒体に対して位置決めする位置決め装置とを備えたものである。
本発明では、磁気抵抗効果素子のフリー層が、コバルトをa原子%、鉄を(100−a)原子%含み、aが20以上、50以下である合金よりなる第1層を有し、フリー層の磁歪定数の絶対値を1×10−6以下とし、フリー層の保磁力を20×79.6A/m以下としている。これにより、本発明によれば、磁気抵抗効果素子の磁気抵抗変化量を大きくし、且つ、フリー層の軟磁気特性を良好にすることが可能になるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図2および図3を参照して、本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成および製造方法の概略について説明する。図2は薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面および基板に垂直な断面を示す断面図、図3は薄膜磁気ヘッドの磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、アルティック(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1の上に、スパッタ法等によって、アルミナ(Al23)等の絶縁材料よりなる絶縁層2を、例えば1〜5μmの厚さに形成する。次に、絶縁層2の上に、めっき法等によって、NiFe、FeAlSi等の磁性材料よりなる再生ヘッド用の第1のシールド層3を、所定のパターンに形成する。次に、図示しないが、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層を形成する。次に、例えば化学機械研磨(以下、CMPという。)によって、第1のシールド層3が露出するまで絶縁層を研磨して、第1のシールド層3および絶縁層の上面を平坦化する。
次に、第1のシールド層3の上に、再生用のMR素子5を形成する。次に、図示しないが、MR素子5の2つの側部および第1のシールド層3の上面を覆うように絶縁膜を形成する。絶縁膜は、アルミナ等の絶縁材料によって形成される。次に、絶縁膜を介してMR素子5の2つの側部に隣接するように2つのバイアス磁界印加層6を形成する。次に、MR素子5およびバイアス磁界印加層6の周囲に配置されるように絶縁層7を形成する。絶縁層7は、アルミナ等の絶縁材料によって形成される。
次に、MR素子5、バイアス磁界印加層6および絶縁層7の上に、磁性材料からなる、再生ヘッド用の第2のシールド層8を形成する。第2のシールド層8は、例えばめっき法またはスパッタ法によって形成される。次に、第2のシールド層8の上に、スパッタ法等によって、アルミナ等の非磁性材料よりなる分離層18を形成する。次に、この分離層18の上に、例えばめっき法またはスパッタ法によって、磁性材料よりなる、記録ヘッド用の下部磁極層19を形成する。第2のシールド層8および下部磁極層19に用いる磁性材料は、NiFe、CoFe、CoFeNi、FeN等の軟磁性材料である。なお、第2のシールド層8、分離層18および下部磁極層19の代わりに、下部磁極層を兼ねた第2のシールド層を設けてもよい。
次に、下部磁極層19の上に、スパッタ法等によって、アルミナ等の非磁性材料よりなる記録ギャップ層9を、例えば50〜300nmの厚みに形成する。次に、磁路形成のために、後述する薄膜コイルの中心部分において、記録ギャップ層9を部分的にエッチングしてコンタクトホール9aを形成する。
次に、記録ギャップ層9の上に、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第1層部分10を、例えば2〜3μmの厚みに形成する。なお、図2において、符号10aは、第1層部分10のうち、後述する薄膜コイルの第2層部分15に接続される接続部を表している。第1層部分10は、コンタクトホール9aの周囲に巻回される。
次に、薄膜コイルの第1層部分10およびその周辺の記録ギャップ層9を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機絶縁材料よりなる絶縁層11を所定のパターンに形成する。次に、絶縁層11の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層11の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
次に、絶縁層11のうちの後述するエアベアリング面20側の斜面部分からエアベアリング面20側にかけての領域において、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に、記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のトラック幅規定層12aを形成する。上部磁極層12は、このトラック幅規定層12aと、後述する連結部分層12bおよびヨーク部分層12cとで構成される。
トラック幅規定層12aは、記録ギャップ層9の上に形成され、上部磁極層12の磁極部分となる先端部と、絶縁層11のエアベアリング面20側の斜面部分の上に形成され、ヨーク部分層12cに接続される接続部とを有している。先端部の幅は記録トラック幅と等しくなっている。接続部の幅は、先端部の幅よりも大きくなっている。
トラック幅規定層12aを形成する際には、同時に、コンタクトホール9aの上に磁性材料よりなる連結部分層12bを形成すると共に、接続部10aの上に磁性材料よりなる接続層13を形成する。連結部分層12bは、上部磁極層12のうち、下部磁極層19に磁気的に連結される部分を構成する。
次に、磁極トリミングを行う。すなわち、トラック幅規定層12aの周辺領域において、トラック幅規定層12aをマスクとして、記録ギャップ層9および下部磁極層19の磁極部分における記録ギャップ層9側の少なくとも一部をエッチングする。これにより、図3に示したように、上部磁極層12の磁極部分、記録ギャップ層9および下部磁極層19の磁極部分の少なくとも一部の各幅が揃えられたトリム(Trim)構造が形成される。このトリム構造によれば、記録ギャップ層9の近傍における磁束の広がりによる実効的なトラック幅の増加を防止することができる。
次に、全体に、アルミナ等の無機絶縁材料よりなる絶縁層14を、例えば3〜4μmの厚みに形成する。次に、この絶縁層14を、例えばCMPによって、トラック幅規定層12a、連結部分層12bおよび接続層13の表面に至るまで研磨して平坦化する。
次に、平坦化された絶縁層14の上に、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第2層部分15を、例えば2〜3μmの厚みに形成する。なお、図2において、符号15aは、第2層部分15のうち、接続層13を介して薄膜コイルの第1層部分10の接続部10aに接続される接続部を表している。第2層部分15は、連結部分層12bの周囲に巻回される。
次に、薄膜コイルの第2層部分15およびその周辺の絶縁層14を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機絶縁材料よりなる絶縁層16を所定のパターンに形成する。次に、絶縁層16の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層16の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
次に、トラック幅規定層12a、絶縁層14,16および連結部分層12bの上に、パーマロイ等の記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のヨーク部分を構成するヨーク部分層12cを形成する。ヨーク部分層12cのエアベアリング面20側の端部は、エアベアリング面20から離れた位置に配置されている。また、ヨーク部分層12cは、連結部分層12bを介して下部磁極層19に接続されている。
次に、全体を覆うように、例えばアルミナよりなるオーバーコート層17を形成する。最後に、上記各層を含むスライダの機械加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドを含む薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面20を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
このようにして製造される薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面としてのエアベアリング面20と再生ヘッドと記録ヘッドとを備えている。再生ヘッドの構成については、後で詳しく説明する。
記録ヘッドは、エアベアリング面20側において互いに対向する磁極部分を含むと共に、互いに磁気的に連結された下部磁極層19および上部磁極層12と、この下部磁極層19の磁極部分と上部磁極層12の磁極部分との間に設けられた記録ギャップ層9と、少なくとも一部が下部磁極層19および上部磁極層12の間に、これらに対して絶縁された状態で配設された薄膜コイル10,15とを有している。この薄膜磁気ヘッドでは、図2に示したように、エアベアリング面20から、絶縁層11のエアベアリング面20側の端部までの長さが、スロートハイトTHとなる。なお、スロートハイトとは、エアベアリング面20から、2つの磁極層の間隔が大きくなり始める位置までの長さ(高さ)をいう。
次に、図1を参照して、再生ヘッドの構成について詳しく説明する。図1は再生ヘッドのエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。再生ヘッドは、本発明における磁気抵抗効果装置に対応する。
本実施の形態における再生ヘッドは、所定の間隔を開けて配置された第1のシールド層3および第2のシールド層8と、第1のシールド層3と第2のシールド層8との間に配置されたMR素子5と、MR素子5の2つの側部および第1のシールド層3の上面を覆う絶縁膜4と、絶縁膜4を介してMR素子5の2つの側部に隣接する2つのバイアス磁界印加層6とを備えている。絶縁膜4は、例えばアルミナによって形成される。バイアス磁界印加層6は、硬磁性層(ハードマグネット)や、強磁性層と反強磁性層との積層体等を用いて構成される。具体的には、バイアス磁界印加層6は、例えばCoPtやCoCrPtによって形成される。
本実施の形態における再生ヘッドは、CPP構造の再生ヘッドである。第1のシールド層3と第2のシールド層8は、センス電流を、MR素子5に対して、MR素子5を構成する各層の面と交差する方向、例えばMR素子5を構成する各層の面に対して垂直な方向に流すための一対の電極を兼ねている。なお、第1のシールド層3および第2のシールド層8とは別に、MR素子5の上下に一対の電極を設けてもよい。MR素子5は、スピンバルブ型GMR素子である。MR素子5は、外部磁界、すなわち記録媒体からの信号磁界に応じて抵抗値が変化する。センス電流は、MR素子5を構成する各層の面と交差する方向、例えばMR素子5を構成する各層の面に対して垂直な方向に流れる。MR素子5の抵抗値はセンス電流より求めることができる。このようにして、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生することができる。
MR素子5は、第1のシールド層3の上に順に積層された下地層21、反強磁性層22、ピンド層23、非磁性導電層24、フリー層25および保護層26を備えている。ピンド層23は磁化の方向が固定された層であり、反強磁性層22は、ピンド層23との交換結合により、ピンド層23における磁化の方向を固定する層である。下地層21は、その上に形成される各層の結晶性や配向性を向上させ、特に、反強磁性層22とピンド層23との交換結合を良好にするために設けられる。フリー層25は、外部磁界、すなわち記録媒体からの信号磁界に応じて磁化の方向が変化する層である。保護層26は、その下の各層を保護するための層である。
下地層21の厚さは、例えば2〜6nmである。下地層21としては、例えばTa層とNiFeCr層との積層体が用いられる。
反強磁性層22の厚さは、例えば5〜30nmである。反強磁性層22は、例えば、Pt、Ru、Rh、Pd、Ni、Cu、Ir、CrおよびFeからなる群のうちの少なくとも1種MIIと、Mnとを含む反強磁性材料により構成されている。このうちMnの含有量は35原子%以上95原子%以下、その他の元素MIIの含有量は5原子%以上65原子%以下であることが好ましい。この反強磁性材料には、熱処理しなくても反強磁性を示し、強磁性材料との間に交換結合磁界を誘起する非熱処理系反強磁性材料と、熱処理により反強磁性を示すようになる熱処理系反強磁性材料とがある。この反強磁性層22は、そのどちらにより構成されていてもよい。
なお、非熱処理系反強磁性材料にはγ相を有するMn合金等があり、具体的には、RuRhMn、FeMnあるいはIrMn等がある。熱処理系反強磁性材料には規則結晶構造を有するMn合金等があり、具体的には、PtMn、NiMnおよびPtRhMn等がある。
ピンド層23では、反強磁性層22との界面における交換結合により、磁化の向きが固定されている。本実施の形態におけるピンド層23は、反強磁性層22の上に順に積層されたアウター層31、非磁性中間層32およびインナー層33を有し、いわゆるシンセティックピンド層になっている。インナー層33とアウター層31は、例えば、CoおよびFeからなる群のうちの少なくともCoを含む強磁性材料により構成された磁性層を含んでいる。インナー層33とアウター層31は、反強磁性的に結合し、磁化の方向が互いに逆方向に固定されている。インナー層33の厚さは、例えば3〜7nmである。アウター層31の厚さは、例えば3〜7nmである。
また、インナー層33は、1つの磁性層によって構成されていてもよいし、磁性層の他にCu層等の非磁性層を含む複数の層によって構成されていてもよい。インナー層33を、磁性層の他にCu層等の非磁性層を含む複数の層によって構成することにより、MR素子5の磁気抵抗変化を大きくすることが可能になる。
ピンド層23における非磁性中間層32の厚さは、例えば0.35〜1.0nmである。非磁性中間層32は、例えば、Ru、Rh、Ir、Re、Cr、ZrおよびCuからなる群のうち少なくとも1種を含む非磁性材料により構成されている。この非磁性中間層32は、インナー層33とアウター層31の間に反強磁性交換結合を生じさせ、インナー層33の磁化とアウター層31の磁化とを互いに逆方向に固定するためのものである。なお、インナー層33の磁化とアウター層31の磁化が互いに逆方向というのは、これら2つの磁化の方向が互いに180°異なる場合のみならず、2つの磁化の方向が180°±20°異なる場合を含む。
非磁性導電層24の厚さは、例えば1.0〜4.0nmである。非磁性導電層24は、例えば、Cu、AuおよびAgからなる群のうち少なくとも1種を80重量%以上含む非磁性の導電性材料により構成されている。
フリー層25は、非磁性導電層24の上に順に積層された第1層51、第2層52、第3層53、第4層54、第5層55および第6層56を有している。これら各層については、後で詳しく説明する。
保護層26の厚さは、例えば0.5〜10nmである。保護層26としては、例えば、厚さ5.0nmのCu層と厚さ5.0nmのRu層との積層体が用いられる。
本実施の形態に係るMR素子5の製造方法は、例えばスパッタ法によって、第1のシールド層3の上に順に下地層21、反強磁性層22、ピンド層23、非磁性導電層24、フリー層25および保護層26を形成する各工程を備えている。
次に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの作用について説明する。薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって記録媒体に情報を記録し、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生する。
再生ヘッドにおいて、バイアス磁界印加層6によるバイアス磁界の方向は、エアベアリング面20に垂直な方向と直交している。MR素子5において、信号磁界がない状態では、フリー層25の磁化の方向は、バイアス磁界の方向に揃えられている。ピンド層23の磁化の方向は、エアベアリング面20に垂直な方向に固定されている。
MR素子5では、記録媒体からの信号磁界に応じてフリー層25の磁化の方向が変化し、これにより、フリー層25の磁化の方向とピンド層23の磁化の方向との間の相対角度が変化し、その結果、MR素子5の抵抗値が変化する。MR素子5の抵抗値は、第1および第2のシールド層3,8によってMR素子5にセンス電流を流したときのシールド層3,8間の電位差より求めることができる。このようにして、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生することができる。
次に、本実施の形態に係るMR素子5の特徴について説明する。本実施の形態に係るMR素子5は、互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層24と、非磁性導電層24における一方の面(上面)に隣接するように配置され、外部磁界に応じて磁化の方向が変化するフリー層25と、非磁性導電層24の他方の面(下面)に隣接するように配置され、磁化の方向が固定されたピンド層23とを備えている。
本実施の形態におけるフリー層25は、非磁性導電層24の上に順に積層された第1層51、第2層52、第3層53、第4層54、第5層55および第6層56を有している。フリー層25の磁歪定数の絶対値は、1×10−6以下である。なお、フリー層25の磁歪定数の絶対値の下限値は0であり、フリー層25の磁歪定数の絶対値は0に近いほど好ましい。また、フリー層25の保磁力は、20×79.6A/m以下である。なお、フリー層25の保磁力の下限値は0であり、フリー層25の保磁力は0に近いほど好ましい。
第1層51は、非磁性導電層24における一方の面(上面)に接する位置に配置されている。第1層51は、コバルトをa原子%、鉄を(100−a)原子%含み、aが20以上、50以下である合金よりなる。
第2層52は、第1層51における非磁性導電層24とは反対側に配置されている。第2層52は、コバルトをb原子%、鉄を(100−b)原子%含み、bが70以上、90以下である合金によって形成されている。また、第2層52における第1層51とは反対側の面には、必要に応じて酸化処理が施されている。
第3層53は、第2層52における第1層51とは反対側に配置されている。第3層53は、ニッケルと鉄を含む合金よりなる。第3層53は、ニッケルをc原子%、鉄を(100−c)原子%含み、cが82以上、85以下である合金よりなるものであってもよい。あるいは、第3層53は、ニッケルをc原子%、鉄を(100−c)原子%含み、cが82または85である合金よりなるものであってもよい。
第4層54、第5層55、第6層56は、第3層53における第2層52とは反対側に順に配置されている。第4層54は、コバルトをd原子%、鉄を(100−d)原子%含み、dが70以上、90以下である合金よりなる。第5層55は、ニッケルと鉄を含む合金よりなる。第6層56は、コバルトをf原子%、鉄を(100−f)原子%含み、fが70以上、90以下である合金よりなる。第5層55は、ニッケルをe原子%、鉄を(100−e)原子%含み、eが82以上、85以下である合金よりなるものであってもよい。あるいは、第5層55は、ニッケルをe原子%、鉄を(100−e)原子%含み、eが82または85である合金よりなるものであってもよい。
本実施の形態に係るMR素子5の製造方法において、フリー層25を形成する工程は、例えばスパッタ法によって、非磁性導電層24の上に順に、第1層51、第2層52、第3層53、第4層54、第5層55および第6層56を形成する各工程を含んでいる。また、フリー層25を形成する工程は、必要に応じて、第2層52における第1層51とは反対側の面に酸化処理を施す工程を含んでいる。
ここで、下記の表1に、本実施の形態に係るMR素子5の具体的な構成の一例を示す。以下、コバルト(Co)をX原子%、鉄(Fe)をY原子%含むCoFe合金を、CoFeと表す。同様に、ニッケル(Ni)をX原子%、鉄(Fe)をY原子%含むNiFe合金を、NiFeと表す。また、表1中の“酸化処理”は、第2層52における第1層51とは反対側の面に酸化処理が施されていることを表す。
Figure 0004134080
上記の表1において、フリー層25の第3層53を構成するNicFe(100−c)におけるcの値およびフリー層25の第5層55を構成するNieFe(100−e)におけるeの値は、例えば、82以上85以下である。
次に、本実施の形態におけるフリー層25の構成の特徴について、実験の結果を交えて説明する。まず、第1の実験について説明する。第1の実験では、インナー層33を構成する各層のうち、非磁性導電層24に接する層と、フリー層25の第1層51を、いずれもCoFe合金によって構成し、このCoFe合金中のCoの割合とMR素子の磁気抵抗変化量との関係を調べた。なお、CoFe合金は、スピン分極率が大きい合金である。このスピン分極率が大きいほど、MR素子の磁気抵抗変化量は大きくなる。第1の実験では、下記の表2に示す構成の複数の試料を作製した。この複数の試料において、インナー層33を構成する各層のうち、非磁性導電層24に接する層と、フリー層25の第1層51は、CoXFe(100-X)によって構成されている。このCoFe合金中のCoの割合X(原子%)は、試料毎に異なっている。
Figure 0004134080
第1の実験では、CoFe合金中のCoの割合X(原子%)の異なる複数の試料の磁気抵抗変化量を測定した。この測定結果を図8に示す。図8は、CoFe合金中のCoの割合X(原子%)と磁気抵抗変化量(相対値)との関係を示している。ここで、磁気抵抗変化量(相対値)は、Xが90の試料における磁気抵抗変化量を1として規格化した磁気抵抗変化量である。図8から、磁気抵抗変化量が最大となるときのXの値は、30〜50の範囲内にあることが分かる。また、Xが30〜50の範囲では、磁気抵抗変化量が十分大きくなることが分かる。このことから、インナー層33を構成する各層のうち、非磁性導電層24に接する層と、フリー層25の第1層51は、Coの割合が30〜50原子%のCoFe合金で構成するのが好ましい。
フリー層25は、磁気抵抗変化量だけでなく、磁界感度(磁気抵抗変化/外部磁界変化)が大きいことも必要である。そのため、フリー層25には、磁歪定数および保磁力が小さいことが要求される。具体的には、フリー層25の磁歪定数の絶対値は、1×10−6以下であることが好ましく、フリー層25の保磁力は、20Oe(=20×79.6A/m)以下であることが好ましい。そこで、本実施の形態では、フリー層25における磁歪定数の許容範囲を、磁歪定数の絶対値が1×10−6以下である範囲とする。また、フリー層25における保磁力の許容範囲を、0〜20Oe(Oe=79.6A/m)とする。
第1の実験では、フリー層25の第2層52における第1層51とは反対側の面に酸化処理を施した試料も作製した。酸化処理は、1sccmの酸素流量の雰囲気を用いて30秒間行った。そして、このように酸化処理を施した試料と酸化処理を施さない試料の両方について、フリー層25の保磁力を測定した。この測定結果を図9に示す。図9は、CoFe合金中のCoの割合X(原子%)とフリー層25の保磁力との関係を示している。図9において、“酸化処理無し”は、上記の酸化処理を施さない試料についての測定結果を示し、“酸化処理有り”は、上記の酸化処理を施した試料についての測定結果を示している。
図10は、フリー層25に使われているCoFe合金中のCoの割合X(原子%)と、このCoFe合金の磁歪定数との関係を示している。
図9から分かるように、上記の酸化処理を施さない場合には、CoFe合金中のCoの割合が30原子%以下になると、フリー層25の保磁力が20Oe(=20×79.6A/m)を超えてしまう。しかし、上記の酸化処理を施した場合には、CoFe合金中のCoの割合が20原子%以上の範囲で、フリー層25の保磁力を20Oe(=20×79.6A/m)以下にすることができる。なお、図8から分かるように、CoFe合金中のCoの割合が20原子%以上、30原子%未満の範囲では、Coの割合が30原子%の場合に比べて、磁気抵抗変化量が若干小さくなる。しかし、図10から分かるように、CoFe合金中のCoの割合が20原子%以上、30原子%未満の範囲では、Coの割合が20原子%に近づくに従って、CoFe合金の磁歪定数は大きく減少する。従って、CoFe合金中のCoの割合が20原子%以上、30原子%未満の範囲では、磁気抵抗変化量は若干小さくなるものの、軟磁気特性の優れたフリー層25を実現できる。従って、CoFe合金中のCoの割合が20原子%以上、30原子%未満の範囲も有用である。
以上のことから、フリー層25の第1層51を構成するCoFe合金中のCoの割合は20原子%以上、50原子%以下であることが好ましい。この範囲では、MR素子の磁気抵抗変化量を大きくでき、且つ必要に応じて第2層52における第1層51とは反対側の面に酸化処理を施すことにより、フリー層25の保磁力を20Oe(=20×79.6A/m)以下にすることができる。なお、図10から分かるように、CoFe合金中のCoの割合が20原子%以上、50原子%以下の範囲において、CoFe合金の磁歪定数の絶対値は1×10−6を超えている。しかし、後で説明するように、フリー層25中の第1層51以外の層の組成を制御することにより、フリー層25の磁歪定数の絶対値を1×10−6以下にすることが可能である。
次に、第2の実験について説明する。第2の実験は、酸化処理の条件に関するものである。前述のように、第2層52における第1層51とは反対側の面に酸化処理を施すことにより、フリー層25の保磁力を小さくすることが可能である。ただし、この酸化処理は、第1層51を構成するCoFe合金の磁化を減少させないことが必要である。なぜならば、このCoFe合金の磁化を減少させると、CoFe合金中のCoの割合を減少させたことと同じことになり、MR素子の磁気抵抗変化量が減少するからである。そこで、第2の実験では、酸化処理の条件と、フリー層25の保磁力およびフリー層25の磁化との関係を調べた。第2の実験では、下記の表3に示す構成の複数の試料を作製した。この複数の試料において、第2層52における第1層51とは反対側の面に対する酸化処理の条件は、試料毎に異なっている。具体的には、酸化処理は、試料毎に酸素流量の異なる雰囲気を用いて30秒間行った。
Figure 0004134080
第2の実験の測定結果を図11ないし図13に示す。図11は、酸化処理における酸素流量とフリー層25の保磁力との関係を示している。図12は、図11における一部を拡大して示している。図13は、酸化処理における酸素流量とフリー層25の磁化との関係を示している。これらの図から、酸素流量を大きくしてゆくと、酸素流量が2sccmのときにフリー層25の保磁力が最小になるが、このとき既にフリー層25の磁化の減少が始まっていることが分かる。ただし、酸化処理を施さない場合(酸素流量が0sccmのとき)に比べて、酸素流量が2sccmのときのフリー層25の磁化の減少はわずかである。一方、酸素流量が1sccmのときには、酸化処理を施さない場合(酸素流量が0sccmのとき)に比べてフリー層25の磁化は減少せず、フリー層25の保磁力は約10Oe(=10×79.6A/m)となっており、許容範囲内であり、且つ値も小さい。従って、酸化処理の時間を30秒としたとき、酸素流量は1〜2sccmの範囲内であることが好ましく、特に1sccm程度であることが好ましい。
酸素流量を、2sccmよりも更に大きくしてゆくと、フリー層25の保磁力は増加し、フリー層25の磁化は減少する。そして、酸素流量100sccmの付近でフリー層25の保磁力は飽和する。図示しないが、フリー層25の保磁力が飽和したときのフリー層25の磁化は、酸化処理を施さない場合におけるフリー層25の磁化の4分の1程度にまで減少していた。また、フリー層25の保磁力が飽和したときのフリー層25の面抵抗は、酸化処理を施さない場合におけるフリー層25の面抵抗の2.3倍に増加していた。これらのことから分かるように、本実施の形態における酸化処理は、第2層52および第1層51を完全に酸化するものではなく、フリー層25の磁化を減少させずにフリー層25の保磁力を低下させるために、第2層52における第1層51とは反対側の面をわずかに酸化させる程度のものである。
第1および第2実験から、磁気抵抗変化量が大きく、且つフリー層25の保磁力が小さいMR素子の構成の一例として、下記の表4に示す構成が考えられる。なお、表4中の“酸化処理”は、第2層52における第1層51とは反対側の面に対して、1sccmの酸素流量の雰囲気を用いて30秒間の酸化処理を行うことを表している。
Figure 0004134080
次に、第3の実験について説明する。第3の実験では、フリー層25中の第1層51以外の層の組成とフリー層25の磁歪定数との関係を調べた。第3の実験では、まず、下記の表5に示す構成のフリー層25の試料1〜7を作製し、各試料の磁歪定数と保磁力を測定した。なお、表5中の“層”の項目における数字1〜6は、フリー層25の第1層ないし第6層を表している。また、表5中の“酸化処理”は、第2層52における第1層51とは反対側の面に対して、1sccmの酸素流量の雰囲気を用いて30秒間の酸化処理を行ったことを表している。また、表5において、“←”が記載された欄は、その左側の欄と同じ内容であることを表している。また、表5には、各試料の磁歪定数と保磁力も記載している。
Figure 0004134080
試料1〜7において、第2層52の組成と第5層55の組成以外の条件は同じである。第2層52は、Co50Fe50、Co70Fe30、Co90Fe10、Coのいずれかによって構成されている。第5層55は、Ni85Fe15またはNi82Fe18によって構成されている。Ni82Fe18の磁歪定数は、ほぼ0である。Ni85Fe15の磁歪定数は、絶対値の大きな負の値である。
上記の表5から分かるように、試料2〜5によれば、磁歪定数と保磁力の両方を許容範囲内とすることができる。また、上記の表5から、第2層52の組成を、Co70Fe30からCo90Fe10に変えることにより、フリー層25の保磁力はほとんど変わらずに、フリー層25の磁歪定数が低下することが分かる。なお、ここでは測定結果を示さないが、第2層52を構成するCoFe合金中のCoの割合が70〜90原子%の範囲では、Coの割合が90原子%に近づくに従って、フリー層25の磁歪定数は単調に低下することが分かった。以上のことから、第2層52を構成するCoFe合金中のCoの割合が70原子%以上、90原子%以下であれば、フリー層25の磁歪定数および保磁力を許容範囲内の値とすることが可能である。
第3の実験では、更に、下記の表6に示す構成のフリー層25の試料11〜17を作製し、各試料の磁歪定数と保磁力を測定した。なお、表6中の“層”の項目における数字1〜6は、フリー層25の第1層ないし第6層を表している。また、表6中の“酸化処理”は、第2層52における第1層51とは反対側の面に対して、1sccmの酸素流量の雰囲気を用いて30秒間の酸化処理を行ったことを表している。また、表6において、“←”が記載された欄は、その左側の欄と同じ内容であることを表している。また、表6には、各試料の磁歪定数と保磁力も記載している。
Figure 0004134080
試料11〜17が試料1〜7と異なる点は、第4層54の組成だけである。すなわち、第4層54の組成は、試料1〜7ではCo70Fe30であるのに対し、試料11〜17ではCo90Fe10になっている。上記の表6から分かるように、試料12〜15によれば、磁歪定数と保磁力の両方を許容範囲内とすることができる。この結果から、第4層54の組成がCo90Fe10のときも、第2層52を構成するCoFe合金中のCoの割合が70原子%以上、90原子%以下であれば、フリー層25の磁歪定数および保磁力を許容範囲内の値とすることが可能であることが分かる。また、第4層54の組成を、Co70Fe30からCo90Fe10に変えることにより、フリー層25の保磁力はほとんど変わらずに、フリー層25の磁歪定数が低下することが分かる。また、ここでは測定結果を示さないが、第4層54の場合と同様に、第6層56の組成を、Co70Fe30からCo90Fe10に変えた場合にも、フリー層25の保磁力はほとんど変わらずに、フリー層25の磁歪定数が低下することが分った。また、第2層52の場合と同様に、第4層54、第6層56においても、CoFe合金中のCoの割合が70〜90原子%の範囲では、Coの割合が90原子%に近づくに従って、フリー層25の磁歪定数は単調に低下することが分かった。以上のことから、第2層52、第4層54、第6層56を構成するCoFe合金中のCoの割合が70原子%以上、90原子%以下であれば、フリー層25の磁歪定数および保磁力を許容範囲内の値とすることが可能である。
また、NiFe合金の磁歪定数は、NiFe合金中のNiの割合によって変化することはよく知られている。従って、第3層53、第5層55を構成するNiFe合金の組成を制御することによって、フリー層25の磁歪定数を、0に近づくように制御することも可能である。特に、NiFe合金中のNiの割合が82原子%のときNiFe合金の磁歪定数は、ほぼ0であり、NiFe合金中のNiの割合が85原子%のときNiFe合金の磁歪定数は、絶対値の大きな負の値である。そして、NiFe合金中のNiの割合が82〜85原子%の範囲では、Niの割合が85原子%に近づくに従って、NiFe合金の磁歪定数は単調に低下する。従って、第3層53、第5層55を構成するNiFe合金としては、Niの割合が82原子%以上、85原子%以下の範囲内のNiFe合金で、フリー層25の磁歪定数が0に近づくようなものを選択すればよい。
以上の第1ないし第3の実験の結果から、フリー層25の好ましい構成として、下記の表7に示す構成が考えられる。
Figure 0004134080
上記の表7中の“酸化処理”は、第2層52における第1層51とは反対側の面に酸化処理が施されていることを表す。この酸化処理は、例えば、1sccmの酸素流量の雰囲気を用いて30秒間行われる。また、第3層53を構成するNicFe(100−c)におけるcの値および第5層55を構成するNieFe(100−e)におけるeの値は、他の層の条件との組み合わせに応じて、フリー層25の磁歪定数が0に近づくようなものが選択される。c,dの値は、82以上85以下であることが好ましく、特に、82または85が好ましい。
次に、第4の実験について説明する。第4の実験では、実施例のMR素子と比較例1〜3のMR素子とを作製して、それらについて、フリー層25の磁歪定数、フリー層25の保磁力、MR素子の直径、MR素子の電気抵抗、およびMR素子の磁気抵抗変化量を測定した。実施例のMR素子と比較例1〜3のMR素子におけるフリー層25以外の層の構成は、表1に示した構成と同様である。実施例のMR素子におけるフリー層25の構成を下記の表8に示す。この構成は、上記の表7に示したフリー層25の好ましい構成に含まれるものである。なお、表8中の“層”の項目における数字1〜6は、フリー層25の第1層ないし第6層を表している。また、表8中の“酸化処理”は、第2層52における第1層51とは反対側の面に対して、1sccmの酸素流量の雰囲気を用いて30秒間の酸化処理を行ったことを表している。
Figure 0004134080
次に、比較例1〜3におけるフリー層25の構成を下記の表9ないし表11に示す。なお、表9ないし表11における“層”の項目における数字は、下側から数えた層の順番を表し、本実施の形態における第1層ないし第6層に対応するものではない。
Figure 0004134080
Figure 0004134080
Figure 0004134080
比較例1〜3におけるフリー層25は、いずれも、強磁性層と非磁性層との界面におけるスピンに依存した電子の散乱の効果により磁気抵抗変化量を大きくするために、Co70Fe30層、Cu層およびCo70Fe30層よりなる積層体を含んでいる。
下記の表12に、比較例1〜3のMR素子および実施例のMR素子におけるフリー層25の磁歪定数、フリー層25の保磁力、MR素子の直径、MR素子の電気抵抗およびMR素子の磁気抵抗変化量を示す。
Figure 0004134080
実施例のMR素子では、磁歪定数と保磁力の両方が許容範囲内にあり、且つ比較例1〜3のMR素子に比べて磁気抵抗変化量が大きい。比較例1〜3のうちで最も磁歪定数の絶対値および保磁力が小さい比較例1と比較すると、実施例のMR素子の磁気抵抗変化量は17%増加している。
ここで、比較例1のMR素子と実施例のMR素子の発熱量について考察する。まず、比較例1のMR素子の磁気抵抗変化量をΔR(Ω)とする。また、比較例1のMR素子を使用した再生ヘッドにおける出力電圧、センス電流をそれぞれΔV(mV)、I(mA)とする。すると、オームの法則から、以下の式(1)が成り立つ。
ΔV=ΔR×I …(1)
次に、実施例のMR素子を使用した再生ヘッドにおける出力電圧、センス電流をそれぞれΔV(mV)、I´(mA)とする。実施例のMR素子では、比較例1のMR素子に比べて、磁気抵抗変化量は17%増加していることから、実施例のMR素子の磁気抵抗変化量は1.17×ΔR(Ω)となる。そして、以下の式(2)が成り立つ。
ΔV=1.17×ΔR×I´ …(2)
式(1)、(2)から、I=1.17I´となる。比較例1のMR素子の発熱量(ジュール熱)と実施例のMR素子の発熱量(ジュール熱)をそれぞれJ(mW)、J´(mW)とすると、これらの比は、次の式で表される。
J/J´=IΔV/I´ΔV=1.17
このことから、比較例1のMR素子は、実施例のMR素子よりも発熱量が17%大きいことが分かる。また、J´/Jの値は、0.85となり、実施例のMR素子では、比較例1のMR素子よりも発熱量が15%低減されると言える。従って、実施例のMR素子によれば、比較例1のMR素子に比べて、寿命が長くなることが期待できる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、磁気抵抗変化量が大きく、且つフリー層25が良好な軟磁気特性を有するMR素子5を実現することができる。
以下、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置について説明する。まず、図4を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。磁気ディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体である磁気ディスクに対向するように配置される。このスライダ210は、主に図2における基板1およびオーバーコート層17からなる基体211を備えている。基体211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の六面のうちの一面は、磁気ディスクに対向するようになっている。この一面には、エアベアリング面20が形成されている。磁気ディスクが図4におけるz方向に回転すると、磁気ディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、図4におけるy方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によって磁気ディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図4におけるx方向は、磁気ディスクのトラック横断方向である。スライダ210の空気流出側の端部(図4における左下の端部)の近傍には、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド100が形成されている。
次に、図5を参照して、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、このスライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222、このロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。ベースプレート224は、スライダ210を磁気ディスク262のトラック横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、このアーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
図5は、本実施の形態に係るヘッドアームアセンブリを示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
次に、図6および図7を参照して、ヘッドスタックアセンブリの一例と本実施の形態に係る磁気ディスク装置について説明する。図6は磁気ディスク装置の要部を示す説明図、図7は磁気ディスク装置の平面図である。ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252とは反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、磁気ディスク装置に組み込まれる。磁気ディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚の磁気ディスク262を有している。各磁気ディスク262毎に、磁気ディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、本発明における位置決め装置に対応し、スライダ210を支持すると共に磁気ディスク262に対して位置決めする。
本実施の形態に係る磁気ディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210を磁気ディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210を磁気ディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって、磁気ディスク262に情報を記録し、再生ヘッドによって、磁気ディスク262に記録されている情報を再生する。
本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置は、前述の本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同様の効果を奏する。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明において、ピンド層23はシンセティックピンド層に限らない。
また、各実施の形態では、基体側に再生ヘッドを形成し、その上に、記録ヘッドを積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
また、読み取り専用として用いる場合には、薄膜磁気ヘッドを、再生ヘッドだけを備えた構成としてもよい。
また、本発明の磁気抵抗効果素子は、薄膜磁気ヘッドにおける再生ヘッドに限らず、磁気センサ等の他の用途にも用いることができる。
本発明の一実施の形態における再生ヘッドのエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面および基板に垂直な断面を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ディスク装置の要部を説明するための説明図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ディスク装置の平面図である。 本発明の一実施の形態の特徴を説明するための第1の実験の結果を示す特性図である。 本発明の一実施の形態の特徴を説明するための第1の実験の結果を示す特性図である。 本発明の一実施の形態におけるフリー層に使われているCoFe合金中のCoの割合とCoFe合金の磁歪定数との関係を示す特性図である。 本発明の一実施の形態の特徴を説明するための第2の実験の結果を示す特性図である。 本発明の一実施の形態の特徴を説明するための第2の実験の結果を示す特性図である。 本発明の一実施の形態の特徴を説明するための第2の実験の結果を示す特性図である。
符号の説明
1…基板、2…絶縁層、3…第1のシールド層、4…絶縁膜、5…MR素子、6…バイアス磁界印加層、7…絶縁層、8…第2のシールド層、9…記録ギャップ層、10…薄膜コイルの第1層部分、12…上部磁極層、15…薄膜コイルの第2層部分、17…オーバーコート層、20…エアベアリング面、21…下地層、22…反強磁性層、23…ピンド層、24…非磁性導電層、25…フリー層、26…保護層、51…第1層、52…第2層、53…第3層、54…第4層、55…第5層、56…第6層。

Claims (9)

  1. 互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層と、
    前記非磁性導電層における一方の面に隣接するように配置され、外部磁界に応じて磁化の方向が変化するフリー層と、
    前記非磁性導電層の他方の面に隣接するように配置され、磁化の方向が固定されたピンド層とを備え、
    磁気的信号検出用の電流が、前記各層の面と交差する方向に流される磁気抵抗効果素子であって、
    前記フリー層は、前記非磁性導電層における一方の面に接する位置に配置された第1層と、前記第1層における前記非磁性導電層とは反対側に配置された第2層と、前記第2層における前記第1層とは反対側に配置された第3層と、前記第3層における前記第2層とは反対側に順に配置された第4層、第5層および第6層を含む複数の層を有し、
    前記第1層は、コバルトをa原子%、鉄を(100−a)原子%含み、aが20以上、50以下である合金よりなり、
    前記第2層は、コバルトをb原子%、鉄を(100−b)原子%含み、bが70以上、90以下である合金によって形成され、且つ前記第2層における前記第1層とは反対側の面に酸化処理が施されており、
    前記第3層は、ニッケルをc原子%、鉄を(100−c)原子%含み、cが82以上、85以下である合金よりなり、
    前記第4層は、コバルトをd原子%、鉄を(100−d)原子%含み、dが70以上、90以下である合金よりなり、
    前記第5層は、ニッケルをe原子%、鉄を(100−e)原子%含み、eが82以上、85以下である合金よりなり、
    前記第6層は、コバルトをf原子%、鉄を(100−f)原子%含み、fが70以上、90以下である合金よりなり、
    前記フリー層の磁歪定数の絶対値は、1×10−6以下であり、
    前記フリー層の保磁力は、20×79.6A/m以下であることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 前記第3層は、前記cが82または85である合金よりなることを特徴とする請求項記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記第5層は、前記eが82または85である合金よりなることを特徴とする請求項1または2記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層と、
    前記非磁性導電層における一方の面に隣接するように配置され、外部磁界に応じて磁化の方向が変化するフリー層と、
    前記非磁性導電層の他方の面に隣接するように配置され、磁化の方向が固定されたピンド層とを備え、
    磁気的信号検出用の電流が、前記各層の面と交差する方向に流される磁気抵抗効果素子を製造する方法であって、
    前記ピンド層、非磁性導電層、フリー層を形成する各工程を備え、
    前記フリー層を形成する工程は、前記非磁性導電層における一方の面に接する位置に配置される第1層と、前記第1層における前記非磁性導電層とは反対側に配置される第2層と、前記第2層における前記第1層とは反対側に配置される第3層と、前記第3層における前記第2層とは反対側に順に配置される第4層、第5層および第6層を含む複数の層を形成し、
    前記第1層は、コバルトをa原子%、鉄を(100−a)原子%含み、aが20以上、50以下である合金よりなり、
    前記第2層は、コバルトをb原子%、鉄を(100−b)原子%含み、bが70以上、90以下である合金によって形成され、且つ前記第2層における前記第1層とは反対側の面に酸化処理が施されており、
    前記第3層は、ニッケルをc原子%、鉄を(100−c)原子%含み、cが82以上、85以下である合金よりなり、
    前記第4層は、コバルトをd原子%、鉄を(100−d)原子%含み、dが70以上、90以下である合金よりなり、
    前記第5層は、ニッケルをe原子%、鉄を(100−e)原子%含み、eが82以上、85以下である合金よりなり、
    前記第6層は、コバルトをf原子%、鉄を(100−f)原子%含み、fが70以上、90以下である合金よりなり、
    前記フリー層の磁歪定数の絶対値は、1×10−6以下であり、
    前記フリー層の保磁力は、20×79.6A/m以下であることを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  5. 請求項1ないしのいずれかに記載の磁気抵抗効果素子と、
    磁気的信号検出用の電流を、前記磁気抵抗効果素子に対して、磁気抵抗効果素子を構成する各層の面と交差する方向に流すための一対の電極と
    を備えたことを特徴とする磁気抵抗効果装置。
  6. 記録媒体に対向する媒体対向面と、
    前記記録媒体からの信号磁界を検出するために前記媒体対向面の近傍に配置された請求項1ないしのいずれかに記載の磁気抵抗効果素子と、
    磁気的信号検出用の電流を、前記磁気抵抗効果素子に対して、磁気抵抗効果素子を構成する各層の面と交差する方向に流すための一対の電極と
    を備えたことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  7. 請求項記載の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと
    を備えたことを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。
  8. 請求項記載の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと、
    前記スライダを記録媒体のトラック横断方向に移動させるためのアームと
    を備え、前記サスペンションが前記アームに取り付けられていることを特徴とするヘッドアームアセンブリ。
  9. 請求項記載の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを支持すると共に前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と
    を備えたことを特徴とする磁気ディスク装置。
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