JP2003183593A - 漁網類防汚組成物、該漁網類防汚組成物が塗布された漁網類および該漁網類防汚組成物を用いる漁網類の防汚方法 - Google Patents
漁網類防汚組成物、該漁網類防汚組成物が塗布された漁網類および該漁網類防汚組成物を用いる漁網類の防汚方法Info
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Abstract
良好で、旧網を使用した場合でも長期間すぐれた防汚効
果を維持することのできる漁網防汚剤を提供する。 【解決手段】 ビヒクル、溶出コントロール剤および防
汚薬剤からなる漁網類防汚組成物において、ビヒクルと
して、分子内に少なくとも1つの、一般式(I): 【化1】 (式中、R1、R2、R3は相互に同一または異なって、
それぞれアルキル基、アラルキル基またはアリール基を
示す)で表わされる有機ケイ素エステル基を有する重合
体の1種または2種以上を含有することを特徴とする漁
網類防汚組成物。
Description
に海中の汚損生物が、養殖用または定置網用の漁網およ
びこれらに使用される浮き子、ロープなどの漁網付属具
(以下、これらを総称して漁網類という場合がある)に
付着するのを長期にわたって防止するための漁網類防汚
組成物、該漁網類防汚組成物が塗布された漁網類および
該漁網類防汚組成物を用いる漁網類の防汚方法に関す
る。
属具などは、海中で長期保持されるため、海藻類、フジ
ツボ、セルプラ、コケムシ、軟体動物類などの水棲汚損
生物の付着が激しく、それらの保守には多大の労力と費
用がかかっている。
めに、従来は有機錫化合物が使用されてきた。特にトリ
ブチル錫基を有する重合体の塗膜は、塗膜表面が海水中
で徐々に加水分解され、防汚成分であるトリブチル錫基
が溶出するとともに、樹脂成分も海水に溶解し、塗膜表
面が常に更新され、長期間防汚効果が維持されることか
ら、船底塗料だけでなく、漁網や漁網付属具にも、広く
使用されてきたが、環境に対する配慮などから使用が中
止された。
用いた漁網防汚剤に替わるものとして、銅化合物、亜鉛
化合物、チオカーバメイト化合物、チウラム化合物、マ
レイミド化合物、有機塩素化合物、トリフェニルボロン
化合物などの防汚薬剤を有効成分とし、これを油性系ま
たは合成樹脂系ビヒクルに配合した漁網防汚剤が使用さ
れてきたが、これらの漁網防汚剤は、樹脂が海水にほと
んど溶解せず漁網に残るため、新網を使用した場合は防
汚効果が満足できるものであっても、海水中で使用後の
網(旧網)の再網染め使用(使用後の網に漁網防汚剤を
再度塗布して使用すること)においては、旧網に残った
樹脂分が溶剤に再溶解するため漁網防汚剤の配合バラン
スが崩れ防汚効果が悪くなる欠点があった。
鑑みて、漁網および漁網付属具に対する塗布作業性が良
好で、旧網を使用した場合でも長期間すぐれた防汚効果
を維持することのできる漁網防汚剤を提供することを課
題とする。
点から、鋭意検討を進めた結果、分子内に少なくとも1
つの、一般式(I):
は異なって、それぞれアルキル基、アラルキル基または
アリール基を示す)で表わされる有機ケイ素エステル基
を有する重合体の1種または2種以上をビヒクルとし、
さらに溶出コントロール剤および防汚薬剤を配合して漁
網防汚剤として用いることにより、新網はもちろんのこ
と、旧網使用時においても長期間防汚効果を持続するこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
物、該漁網類防汚組成物が塗布された漁網類および該漁
網類防汚組成物を用いる漁網類の防汚方法を提供する。
び防汚薬剤からなる漁網類防汚組成物において、ビヒク
ルが、分子内に少なくとも1つの、一般式(I):
は異なって、それぞれアルキル基、アラルキル基または
アリール基を示す)で表わされる有機ケイ素エステル基
を有する重合体の1種または2種以上を含有することを
特徴とする漁網類防汚組成物。
る有機ケイ素エステル基を有する重合体の1種または2
種以上と、ロジン、ロジン誘導体およびそれらの金属塩
よりなる群から選ばれるロジン系化合物の1種または2
種以上とからなる前記(1)記載の漁網類防汚組成物。
ステル基を有する重合体が、一般式(II):
R5、R6、R7は相互に同一または異なって、それぞれ
アルキル基、アラルキル基またはアリール基を示し、少
なくとも1つは炭素数3以上のアルキル基、アラルキル
基またはアリール基である)で表わされる有機ケイ素エ
ステル基を有する単量体の1種または2種以上と、一般
式(III):
R9はアルキレン基、R10はアルキル基、アラルキル基
またはアリール基を示し、nは1〜100の整数であ
る)で表わされる有機エステル基を有する単量体の1種
または2種以上とを含む単量体混合物の共重合体である
前記(1)または(2)記載の漁網類防汚組成物。
ン、炭素数2〜18のアルコキシアルキルアミンまたは
ロジンアミンを示す)で表わされるトリフェニルボロン
化合物、一般式(V):
を示す)で表わされるテトラアルキルチウラムジスルフ
ィド化合物、ビスジメチルジチオカーバモイルジンクエ
チレンビスジチオカーバメート、2−メルカプトピリジ
ンN−オキシド亜鉛塩、2−メルカプトピリジンN−オ
キシド銅塩、亜酸化銅および銅粉よりなる群から選ばれ
る少なくとも1種の化合物である前記(1)〜(3)の
いずれかに記載の漁網類防汚組成物。
以下である前記(4)記載の漁網類防汚組成物。
オイル類、ポリブテン類、パラフィン類、ワセリン類、
および一般式(VI): R12−(S)n−R12 (VI) (式中、R12は炭素数1〜20のアルキル基を示し、n
は1〜20の整数である)で表わされるジアルキルスル
フィド化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の
化合物である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の漁
網類防汚組成物。
載の漁網類防汚組成物が塗布されてなることを特徴とす
る漁網類。
載の漁網類防汚組成物を用いて、漁網類の表面に防汚塗
膜を形成することを特徴とする漁網類の防汚方法。
須成分として、ビヒクルとしての有機ケイ素エステル基
を有する重合体、溶出コントロール剤および防汚薬剤を
含有するものである。
有機ケイ素エステル基を有する重合体は、一般式(I)
で表わされる有機ケイ素エステル基を有する重合体の1
種または2種以上である。
ルキル基、アラルキル基またはアリール基としては、た
とえばメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル
基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基などの炭素
数20以下の直鎖状もしくは分岐状の未置換または置換
アルキル基、シクロヘキシル基や置換シクロヘキシル基
などの炭素数6〜12の未置換または置換環状アルキル
基、ベンジル基、置換ベンジル基などの炭素数7〜13
の未置換または置換アラルキル基、フェニル基、置換フ
ェニル基などの炭素数6〜12の未置換または置換アリ
ール基があげられる。前記置換アルキル基、、置換アラ
ルキル基、置換アリール基における置換基としては、メ
チル基、エチル基などの低級アルキル基、メトキシ基、
エトキシ基などの低級アルコキシ基、塩素原子、臭素原
子などのハロゲン原子などがあげられる。
体としては、たとえば、有機ケイ素エステル基を有する
単量体と、(メタ)アクリル酸エステル化合物、マレイ
ン酸エステル化合物、フマル酸エステル化合物などの群
から選ばれる1種または2種以上の単量体とからなる共
重合体などがあげられ、好ましくは有機ケイ素エステル
基を有する単量体と(メタ)アクリル酸エステル化合物
とからなる共重合体である。これらの共重合体は単独で
用いてもよく、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
と(メタ)アクリル酸エステル化合物とからなる共重合
体としては、一般式(II)で表される有機ケイ素エステ
ル基を有する単量体と一般式(III)で表される有機エス
テル基を有する単量体((メタ)アクリル酸エステル化
合物)とからなる共重合体が好ましい。
テル基を有する単量体のR5、R6、R7で示されるアル
キル基、アラルキル基またはアリール基としては、たと
えばメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル
基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基などの炭素
数20以下の直鎖状もしくは分岐状の未置換または置換
アルキル基、シクロヘキシル基や置換シクロヘキシル基
などの炭素数6〜12の未置換または置換環状アルキル
基、ベンジル基、置換ベンジル基などの炭素数7〜13
の未置換または置換アラルキル基、フェニル基や置換フ
ェニル基などの炭素数6〜12の未置換または置換アリ
ール基があげられる。前記置換アルキル基、置換アラル
キル基、置換アリール基における置換基としては、メチ
ル基、エチル基などの低級アルキル基、メトキシ基、エ
トキシ基などの低級アルコキシ基、塩素原子、臭素原子
などのハロゲン原子などがあげられる。R5、R6、R7
はこれらのアルキル基、アラルキル基またはアリール基
からなる群から選ばれるが、少なくとも1つが炭素数3
〜20のアルキル基(好ましくは炭素数3〜12のアル
キル基)、アラルキル基またはアリール基であるのが好
ましく、とくに少なくとも1つがイソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロ
ヘキシル基またはフェニル基であるのがより好ましい。
ル基を有する単量体を例示すれば、たとえば、(メタ)
アクリル酸トリプロピルシリル、(メタ)アクリル酸ト
リイソプロピルシリル、(メタ)アクリル酸トリブチル
シリル、(メタ)アクリル酸トリイソブチルシリル、
(メタ)アクリル酸t−ブチルジブチルシリル、(メ
タ)アクリル酸t−ブチルジフェニルシリル、(メタ)
アクリル酸イソブチルジブチルシリル、(メタ)アクリ
ル酸トリヘキシルシリル、(メタ)アクリル酸トリオク
チルシリル、(メタ)アクリル酸トリス(2−エチルヘ
キシル)シリル、(メタ)アクリル酸トリノニルシリ
ル、(メタ)アクリル酸トリデシルシリル、(メタ)ア
クリル酸トリラウリルシリル、(メタ)アクリル酸トリ
ベンジルシリル、(メタ)アクリル酸トリフェニルシリ
ル、(メタ)アクリル酸トリス(4−メトキシフェニ
ル)シリル、(メタ)アクリル酸トリス(4−クロロフ
ェニル)シリル、(メタ)アクリル酸トリトリルシリ
ル、(メタ)アクリル酸トリシクロヘキシルシリル、
(メタ)アクリル酸トリス(4−メチルシクロヘキシ
ル)シリル、(メタ)アクリル酸トリス(4−メトキシ
シクロヘキシル)シリル、(メタ)アクリル酸ブチルジ
メチルシリル、(メタ)アクリル酸ジメチルオクチルシ
リル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルジメチル
シリル、(メタ)アクリル酸ラウリルジメチルシリル、
(メタ)アクリル酸ジメチルステアリルシリル、(メ
タ)アクリル酸ブチルジフェニルシリル、(メタ)アク
リル酸トリブチルシリル、(メタ)アクリル酸オクチル
ジフェニルシリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シルジフェニルシリル、(メタ)アクリル酸ラウリルジ
フェニルシリル、(メタ)アクリル酸ジフェニルステア
リルシリルなどがあげられる。これら有機ケイ素エステ
ル基を有する単量体は、単独で用いてもよく、2種以上
を組みあわせて用いてもよい。
ステル基を有する単量体のR9で示されるアルキレン基
としては、メチレン基、メチルメチレン基(エチリデン
基)、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テ
トラメチレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、1,
1−ジメチルトリメチレン基などの炭素数1〜5のアル
キレン基があげられ、好ましくはメチルメチレン基、エ
チレン基、プロピレン基またはブチレン基である。ここ
で、プロピレン基、ブチレン基などの非対称の基の場
合、その結合の方向はどちらでもよい。一般式(III)
のR10で示されるアルキル基、アラルキル基またはアリ
ール基としては、たとえばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、s−
ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2
−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペン
タデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ステア
リル基などの直鎖状もしくは分岐状の炭素数20以下の
未置換または置換アルキル基、シクロヘキシル基や置換
シクロヘキシル基などの炭素数6〜12の未置換または
置換環状アルキル基、ベンジル基、置換ベンジル基など
の炭素数7〜13の未置換または置換アラルキル基、フ
ェニル基、置換フェニル基などの炭素数6〜12の未置
換または置換アリール基があげられる。前記置換アルキ
ル基、置換アラルキル基、置換アリール基における置換
基としては、メチル基、エチル基などの低級アルキル
基、メトキシ基、エトキシ基などの低級アルコキシ基、
塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子などがあげられ
る。
基を有する単量体を例示すれば、たとえば、(メタ)ア
クリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−
メチル−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−
エチル−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−
メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプ
ロピル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メ
タ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル
酸3−メチル−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル
酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−メチル
−2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−エトキ
シプロピル、(メタ)アクリル酸3−エトキシブチル、
(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アク
リル酸2−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸1−
メチル−2−フェノキシエチル、メトキシポリエチレン
グリコールモノメタクリレート〔一般式(III)におい
て、R8がメチル基、R9がエチレン基、R10がメトキシ
基である化合物、たとえば、日本油脂(株)製のブレン
マーPME100(n:約2)、ブレンマーPME20
0(n:約4)、ブレンマーPME400(n:約
9)、ブレンマーPME1000(n:約23)な
ど)〕、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレ
ート〔一般式(III)において、R8が水素原子、R9が
エチレン基、R10がメトキシ基である化合物、たとえ
ば、日本油脂(株)製のブレンマーAME400(n:
約9)など)〕などがあげられる。これらの有機エステ
ル基を有する単量体(III)は、単独で用いてもよく、2
種以上を組みあわせて用いてもよい。
する共重合体には、一般式(II)で表わされる有機ケイ
素エステル基を有する単量体や一般式(III)で表わさ
れる有機エステル基を有する単量体と共重合可能な他の
単量体を用いることができる。これらの他の単量体とし
ては、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)ア
クリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸アラルキル、
(メタ)アクリル酸アリールなどがあげられる。具体的
には、たとえば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、
メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、
メタクリル酸フェニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アク
リル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル
酸フェニル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキ
シブチルなどがあげられる。これらの単量体は、単独で
用いてもよく、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
する共重合体における、単量体(II)、単量体(III)、
共重合可能な他の単量体の割合は、共重合体全量に対し
て、単量体(II)10〜90重量%、単量体(III)1〜
50重量%、他の単量体0〜70重量%であるのが好ま
しく、より好ましくは単量体(II)20〜70重量%、
単量体(III)5〜30重量%、他の単量体10〜50重
量%である。単量体(II)の割合が前記範囲未満では、
塗膜の溶解性が低下し、防汚効果が低下する傾向があ
り、一方前記範囲を超えると、塗膜の溶解性が高くなり
すぎ、防汚効果が長期間持続しがたくなる傾向がある。
単量体(III)の割合が前記範囲未満では、塗膜の溶解性
が高くなりすぎ、防汚効果が長期間持続しがたくなる傾
向があり、一方前記範囲を超えると、塗膜の溶解性が低
下し、防汚効果が低下する傾向がある。
重合体は、一般式(II)で示される有機ケイ素エステル
基を有する単量体の1種または2種以上と、一般式(II
I)で示される有機エステル基を有する単量体の1種ま
たは2種以上との単量体混合物に、必要により共重合可
能な他の単量体を混合し、溶媒中にてアゾビスイソブチ
ロニトリルやベンゾイルパーオキサイドなどの重合開始
剤の存在下に加熱する一般的な溶液重合の方法により得
ることができる。
合体は、平均分子量が重量平均分子量で1万〜15万で
あるのが好ましい。平均分子量が前記範囲未満では、塗
膜が脆くなる傾向があり、一方前記範囲を超えると粘度
が高くなり、使い難い傾向がある。
コントロール剤および防汚薬剤と共に、有機ケイ素エス
テル基を有する重合体、とくに前記有機ケイ素エステル
基を有する共重合体をビヒクルとして用いると、この漁
網防汚剤で処理した漁網の塗膜表面において、有機ケイ
素エステル基が海水中で加水分解して、塗膜表面が徐々
に溶解することにより長期間防汚効果を保つことができ
る。さらに、海水中で使用後の漁網に旧塗膜がほとんど
残っていないので、使用後の漁網(旧網)を再度網染め
しても新網の場合とほとんど変わらない効果を示すこと
ができる。
機ケイ素エステル基を有する重合体以外に、ビヒクルと
して他の合成樹脂、天然樹脂、天然樹脂変性物などの1
種または2種以上を併用することができる。特に併用す
るビヒクルとしては、防汚性の点から、ロジン系化合物
が好ましい。
は、ロジン、ロジン誘導体、それらの金属塩などがあげ
られる。ここで、ロジンとしては、トールロジン、ウッ
ドロジン、ガムロジンなどがあげられ、ロジン誘導体と
しては、水添ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、マレ
イン化ロジン、ロジン変性フェノール、ロジンエステ
ル、水添ロジンエステル、重合ロジンエステルなどがあ
げられ、ロジンまたはロジン誘導体の金属塩としては、
ロジン銅塩、ロジン亜鉛塩、ロジンカルシウム塩、ロジ
ンマグネシウム塩、水添ロジン銅塩、水添ロジン亜鉛
塩、水添ロジンカルシウム塩、水添ロジンマグネシウム
塩などがあげられる。中でも、トールロジン、ウッドロ
ジン、ガムロジン、ロジン銅塩、ロジン亜鉛塩が好まし
い。
たとえば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹
脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル
樹脂、ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビ
ニル/酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル/アルキルビニルエ
ーテル樹脂、クマロン樹脂、合成ゴム、塩素化ポリエチ
レンなどがあげられる。
使用する防汚薬剤としては、漁網防汚剤や船底塗料に広
く使用されている従来公知の防汚薬剤が使用できる。無
機防汚薬剤としては、たとえば亜酸化銅、銅粉、チオシ
アン酸銅などの銅化合物や銅−ニッケル合金などがあげ
られる。金属を含む有機防汚薬剤としては、ナフテン酸
銅、オキシン銅、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、2
−メルカプトピリジンN−オキシド亜鉛塩、2−メルカ
プトピリジンN−オキシド銅塩、ビスジメチルジチオカ
ーバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、エ
チレンビスジチオカルバミン酸亜鉛(ジネブ)などがあ
げられ、金属を含まない有機防汚薬剤としては、トリフ
ェニルボロン化合物、テトラアルキルチウラムジスルフ
ィド化合物、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロ
ニトリル、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、
4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾ
ロン−3−オン、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミ
ノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、2,
3−ジクロロ−N−2’,6’−ジエチルフェニルマレ
イミド、3,4−ジクロロフェニル−1,1−ジメチル
尿素、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレン
ビスジチオカーバメート、3−ヨード−2−プロピニル
ブチルカーバメートなどがあげられる。好ましくは、ト
リフェニルボロン化合物、テトラアルキルチウラムジス
ルフィド化合物である。
式(IV)で表される化合物があげられる。一般式(IV)に
おいてXで示される炭素数1〜18のアルキルアミンと
しては、たとえばメチルアミン、エチルアミン、プロピ
ルアミン、i−プロピルアミン、ブチルアミン、i−ブ
チルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘ
キシルアミン基、オクチルアミン、2−エチルヘキシル
アミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミ
ン、ラウリルアミン、トリデシルアミン、テトラデシル
アミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘ
プタデシルアミン、ステアリルアミンなどがあげられ、
炭素数2〜18のアルコキシアルキルアミンとしては、
たとえば、メトキシメチルアミン、メトキシエチルアミ
ン、エトキシメチルアミン、メトキシプロピルアミン、
エトキシプロピルアミン、プロピルオキシプロピルアミ
ン、ブトキシプロピルアミン、ヘキシルオキシプロピル
アミン、2−エチルオキシプロピルアミン、ラウリルオ
キシプロピルアミンなどがあげられる。一般式(IV)で
表されるトリフェニルボロン化合物としては、たとえば
トリフェニルボロン・ピリジン塩、トリフェニルボロン
・プロピルアミン塩、トリフェニルボロン・オクチルア
ミン塩、トリフェニルボロンラウリルアミン塩、トリフ
ェニルボロン・ステアリルアミン塩、トリフェニルボロ
ン・エトキシプロピルアミン塩、トリフェニルボロン・
ブトキシプロピルアミン塩、トリフェニルボロン・2−
エチルヘキシルオキシプロピルアミン塩、トリフェニル
ボロン・ロジンアミン塩などがあげられるが、これらに
限られるものではない。これらのトリフェニルボロン化
合物のうち特に好ましいものは、トリフェニルボロン・
ピリジン塩、トリフェニルボロン・ステアリルアミン塩
またはトリフェニルボロン・2−エチルヘキシルオキシ
プロピルアミン塩である。
ド化合物としては一般式(V)で表される化合物があげら
れる。一般式(V)においてR11で示される炭素数1〜1
8のアルキル基としては、たとえばメチル基、エチル
基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチ
ル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オク
チル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、
ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシ
ル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
基、ステアリル基などがあげられる。一般式(V)で表
されるテトラアルキルチウラムジスルフィド化合物とし
ては、たとえばテトラメチルチウラムジスルフィド、テ
トラエチルチウラムジスルフィド、テトラプロピルチウ
ラムジスルフィド、テトライソプロピルチウラムジスル
フィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラ−
s−ブチルチウラムジスルフィド、テトラ−i−ブチル
チウラムジスルフィド、テトラ−t−ブチルチウラムジ
スルフィド、テトラペンチルチウラムジスルフィド、テ
トラヘキシルチウラムジスルフィド、テトラヘプチルチ
ウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフ
ィド、テトラ(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフ
ィドなどがあげられるが、これらに限られるものではな
い。これらのテトラアルキルチウラムジスルフィド化合
物のうち特に好ましいものは、テトラエチルチウラムジ
スルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドであ
る。
チレンビスジチオカーバメート、2−メルカプトピリジ
ンN−オキシド亜鉛塩、2−メルカプトピリジンN−オ
キシド銅塩、亜酸化銅および銅粉などの溶剤に不溶の防
汚薬剤は、粉体であればどのような粒度のものでも使用
できるが、粒度は細かい方が効果がよく、好ましくは、
粒径5μm以下、さらに好ましくは、粒径1μm以下で
ある。
いは2種以上を組みあわせて用いてもよい。これらの防
汚薬剤を塗膜表面より徐々に溶出させることにより長期
間防汚効果を保つことができる。
て用いられる溶出コントロール剤としては、シリコーン
オイル類、ポリブテン類、パラフィン類、ワセリン類、
および一般式(VI): R12−(S)n−R12 (VI) (式中、R12は炭素数1〜20のアルキル基を示し、n
は1〜20の整数である)で表わされるジアルキルスル
フィド化合物よりなる群から選ばれる1種または2種以
上が好ましく使用される。溶出コントロール剤は、塗膜
中の防汚薬剤を表面から海水中に徐々に溶出させ長期間
防汚効果を保つ効果がある。また、硬度や粘着性などの
塗膜物性を改良し、漁網の作業性も向上させることがで
きる。
しては、たとえばポリジメチルシロキサン、ポリメチル
フェニルシロキサン、メチルフェニルシロキサン−ジメ
チルシロキサン共重合体、ポリエーテル変性ポリジメチ
ルシロキサン、ポリエーテル変性ポリアルキル(メチ
ル)シロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキ
サン、フロロシリコーンオイル、アミノ変性シリコーン
オイル、その他各種官能基による変性シリコーンオイル
などがあげられるが、これらに限られるものではない。
これらのシリコーンオイルのうち、好ましいものは、親
水性親油性バランス(HLB)が2〜12の範囲にあ
る、ポリジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサ
ン−ジメチルシロキサン共重合体、ポリエーテル変性ポ
リジメチルシロキサンである。これらのシリコーンオイ
ルは、単独で用いてもよいし、2種以上を組みあわせて
用いてもよい。また本発明に用いるシリコーンオイル
は、漁網防汚剤の物性の点から、粘度が0.1〜1千P
a・s、なかんづく5〜50Pa・sの範囲が好まし
い。
は、たとえば、日本石油化学(株)製のポリブテンLV
−7、ポリブテンLV−10、ポリブテンLV−25、
ポリブテンLV−50、ポリブテンLV−100、ポリ
ブテンHV−35、ポリブテンHV−100、ポリブテ
ンHV−300、ポリブテンHV−1900、出光石油
化学(株)製のポリブテン0H、ポリブテン5H、ポリ
ブテン10H、ポリブテン300H、ポリブテン200
0H、ポリブテン0R、ポリブテン15R、ポリブテン
35R、ポリブテン100R、ポリブテン350R、日
本油脂(株)製のポリビスOSH、三井化学(株)製の
ルーカントHC−20、ルーカントHC−150、ルー
カントHC−600、ルーカントHC−2000などが
あげられる。これらのポリブテン類は、単独で用いても
よいし、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
は、たとえば、n−パラフィン、固形パラフィン、流動
パラフィン(松村石油(株)製のスモイルP−100、
スモイルP−150、スモイルP−300、スモイルP
−350Pなど)、塩素化パラフィン(東ソー(株)製
のA−40、A−50、A−70、A−400、14
5、150、260、270など)などがあげられる。
これらのパラフィン類は、単独で用いてもよいし、2種
以上を組みあわせて用いてもよい。
たとえば、安藤パラケミー(株)製の白色ワセリン、黄
色ワセリンがあげられる。これらのワセリン類は、単独
で用いてもよいし、2種以上を組みあわせて用いてもよ
い。
れるジアルキルスルフィド化合物には、nが1であるジ
アルキルモノスルフィドと、nが2〜20の整数である
ジアルキルポリスルフィド化合物が含まれる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデ
シル基、オクタデシル基などがあげられる。漁網防汚剤
の物性の点から、特に炭素数4〜19のアルキル基が好
ましい。一般式(VI)において、nは1〜20の整数で
あるが、漁網防汚剤の物性の点からnが1〜10、なか
んづく4〜10であるのが好ましい。
イル類と、ポリブテン類、パラフィン類、ワセリン類、
一般式(VI)で表わされるジアルキルスルフィド化合物
の1種または2種以上を併用して用いることができる。
常溶剤が含まれる。溶剤としては、特に限定されるもの
ではなく種々の溶剤が使用でき、たとえばベンゼン、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼ
ンなどの芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、ヘプタンな
どの脂肪族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルな
どのエステル系溶剤、ジオキサン、ジエチルエーテルな
どのエーテル系溶剤、エタノール、イソプロパノール、
n−ブタノールなどのアルコール系溶剤、アセトン、ジ
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系
溶剤、ミネラルスピリット、ミネラルターペンなどの石
油系溶剤などがあげられる。これらの溶剤は、単独で用
いてもよいし、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
クルとして用いられる有機ケイ素エステル基を有する重
合体の使用量は特に限定されるものではないが、魚網類
防汚組成物全量に対して、通常3〜30重量%であり、
好ましくは5〜20重量%である。有機ケイ素エステル
基を有する重合体の使用量が前記範囲未満では塗膜が脆
弱で防汚効果を保つ期間が短くなる傾向がある。一方前
記範囲を超えると漁網防汚剤としての粘度が高くなり取
り扱いにくくなる傾向がある。ビヒクルとして、有機ケ
イ素エステル基を有する重合体と他のビヒクル成分(好
ましくはロジン系化合物)とを併用する場合は、ビヒク
ル全量に対して、有機ケイ素エステル基を有する重合体
10〜100重量%、他のビヒクル成分0〜90重量%
であるのが好ましく、より好ましくは有機ケイ素エステ
ル基を有する重合体30〜90重量%、他のビヒクル成
分10〜70重量%である。
薬剤の使用量は、特に制限されるものではないが、漁網
類防汚組成物全量に対して、通常0.1〜20重量%で
あり、好ましくは1〜10重量%である。防汚薬剤の使
用量が前記範囲未満では防汚性が充分でない傾向があ
り、一方前記範囲を超えると経済的ではなく塗膜物性も
悪くなる傾向がある。
て、溶出コントロール剤として使用されるシリコーンオ
イル類、ポリブテン類、パラフィン類、ワセリン類およ
び/またはジアルキルスルフィド化合物類の使用量につ
いては、特に制限されるものではないが、漁網類防汚組
成物全量に対して、通常1〜20重量%であり、好まし
くは2〜10重量%である。溶出コントロール剤の合計
配合量が前記範囲未満では、防汚性が悪くなる傾向があ
り、一方前記範囲を超えると塗膜物性が軟弱になる傾向
がある。
タル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸エステル
などの可塑剤を加えることができる。さらに、本発明の
漁網類防汚組成物には、顔料、染料、分散剤(沈降防止
剤)、消泡剤、タレ止め剤、海面活性剤などを添加する
ことができる。これらの添加剤は、本発明の目的を損な
わない範囲で任意の配合割合で含有させることができ
る。
成分を混合し、必要に応じて各種添加剤を配合し、混合
することにより製造することができる。各必須成分の混
合方法および各種添加剤の添加方法は、特に制限される
ものではなく、種々の方法により行うことができ、混合
順序および添加順序も種々の方法で行うことができる。
成物を、養殖用、定置用などの漁網またはこれらに使用
される浮き子、ロープなどの漁網付属具などに塗布する
ことにより、水棲汚損生物の付着を防止し、優れた防汚
性を発揮させる漁網や漁網付属具などの防汚方法を提供
する。漁網類防汚組成物の漁網および漁網付属具などへ
の塗布には、たとえば浸漬塗装、吹きつけ塗装などの種
々の塗装方法を適用することができるが、浸漬塗装が好
ましい。付着量は、漁網の場合、漁網重量の1〜20重
量%(不揮発分として)の範囲が好ましい。
本発明を説明する。各例中の%および部はそれぞれ重量
%および重量部を、分子量はGPCによるポリスチレン
換算重量平均分子量を示す。
ン200gを仕込み、窒素置換後95℃に昇温し、同温
度に保ちながらメタクリル酸トリイソプロピルシリル2
50g、メタクリル酸メチル40g、アクリル酸ブチル
60g、メタクリル酸2−メトキシエチル150g、ベ
ンゾイルパーオキサイド5g、キシレン200gの混合
液を2時間かけて滴下した。滴下終了後同温度で1時間
攪拌した後、キシレン10gとベンゾイルパーオキサイ
ド2gとの混合物を添加し、さらに同温度で2時間攪拌
し、キシレン90gを加えて希釈し有機ケイ素エステル
基含有共重合体溶液A−1を得た。得られた共重合体溶
液は、粘度0.31P・s/25℃、加熱残分(110
℃で3時間加熱後の残分、以下同様)50.2%であ
り、共重合体の分子量は56000であった。
ン200gを仕込み、窒素置換後95℃に昇温し、同温
度に保ちながらメタクリル酸トリブチルシリル300
g、メタクリル酸メチル100g、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル50g、アクリル酸4−メトキシブチル50
g、ベンゾイルパーオキサイド5g、キシレン200g
の混合液を3時間かけて滴下した。滴下終了後同温度で
1時間攪拌した後、キシレン10gとベンゾイルパーオ
キサイド2gとの混合物を添加し、さらに同温度で2時
間攪拌し、キシレン90gを加えて希釈し有機ケイ素エ
ステル基含有共重合体溶液A−2を得た。得られた共重
合体溶液は、粘度0.35P・s/25℃、加熱残分5
0.3%であり、共重合体の分子量は52000であっ
た。
ン200gを仕込み、窒素置換後95℃に昇温し、同温
度に保ちながらメタクリル酸t−ブチルジフェニルシリ
ル280g、メタクリル酸メチル120g、メトキシポ
リエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂
(株)製ブレンマーPME400)100g、ベンゾイ
ルパーオキサイド2g、キシレン200gの混合液を3
時間かけて滴下した。滴下終了後同温度で1時間攪拌し
た後、キシレン10gとベンゾイルパーオキサイド2g
との混合物を添加し、さらに同温度で2時間攪拌し、キ
シレン90gを加えて希釈し有機ケイ素エステル基含有
共重合体溶液A−3を得た。得られた共重合体溶液は、
粘度0.45P・s/25℃、加熱残分49.9%であ
り、共重合体の分子量は55000であった。
ン200gを仕込み、窒素置換後80℃に昇温し、同温
度に保ちながらアクリル酸トリイソプロピルシリル32
5g、メタクリル酸メチル100g、アクリル酸2−メ
トキシエチル75g、アゾビスイソブチロニトリル2
g、キシレン200gの混合液を3時間かけて滴下し
た。滴下終了後同温度で1時間攪拌した後、キシレン1
0gとアゾビスイソブチロニトリル1gとの混合物を添
加し、さらに同温度で2時間攪拌し、キシレン90gを
加えて希釈し有機ケイ素エステル基含有共重合体溶液A
−4を得た。得られた共重合体溶液は、粘度0.29P
・s/25℃、加熱残分50.5%であり、共重合体の
分子量は53000であった。
い、表1に記載の配合成分を添加して、実施例1〜11
および比較例1〜6の漁網防汚剤を得た。表1における
各成分の配合量は部数で示す。得られた漁網防汚剤につ
いて、つぎの防汚性試験を行った。
験) 実施例1〜11および比較例1〜6で得られた漁網防汚
剤を、ポリエチレン製(400デニール、40本、8
節)の漁網に浸漬塗装し乾燥した。このように漁網防汚
剤を塗布した漁網を40cm×60cmの鉄棒の枠に固
定し、三重県尾鷲湾の筏にて海中から水深約1mに垂下
浸漬し、その防汚性能を6ヵ月にわたって定期的に観測
した。結果を表2に示す。表中の数字は海棲生物の付着
面積(%)を表わす。
験) 防汚性試験(1)で6ヵ月間浸漬試験した漁網を、水道
水で洗浄し、スライムや付着生物などを除去後乾燥し
た。この洗浄乾燥した旧漁網に、それぞれ対応する漁網
防汚剤を再度浸漬塗布し乾燥した。このように漁網防汚
剤を塗布した漁網を40cm×60cmの鉄棒の枠に固
定し、三重県尾鷲湾の筏にて海中から水深約1mに垂下
浸漬し、その防汚性能を6ヵ月にわたって定期的に観測
した。結果を表3に示す。表中の数字は海棲生物の付着
面積(%)を表わす。
ケイ素共重合体と溶出コントロール剤および防汚薬剤を
配合した本発明の漁網防汚剤は一度使用した漁網(旧
網)を使用した場合でも、新網を使用した場合とほとん
ど変わらず、長期にわたって海中汚損生物の付着を防止
できる。
Claims (8)
- 【請求項1】 ビヒクル、溶出コントロール剤および防
汚薬剤からなる漁網類防汚組成物において、ビヒクル
が、分子内に少なくとも1つの、一般式(I): 【化1】 (式中、R1、R2、R3は相互に同一または異なって、
それぞれアルキル基、アラルキル基またはアリール基を
示す)で表わされる有機ケイ素エステル基を有する重合
体の1種または2種以上からなることを特徴とする漁網
類防汚組成物。 - 【請求項2】 ビヒクルが、一般式(I)で表される有
機ケイ素エステル基を有する重合体の1種または2種以
上と、ロジン、ロジン誘導体およびそれらの金属塩より
なる群から選ばれるロジン系化合物の1種または2種以
上とからなる請求項1記載の漁網類防汚組成物。 - 【請求項3】 一般式(I)で表される有機ケイ素エス
テル基を有する重合体が、一般式(II): 【化2】 (式中、R4は水素原子またはメチル基、R5、R6、R7
は相互に同一または異なって、それぞれアルキル基、ア
ラルキル基またはアリール基を示し、少なくとも1つは
炭素数3以上のアルキル基、アラルキル基またはアリー
ル基である)で表わされる有機ケイ素エステル基を有す
る単量体の1種または2種以上と、一般式(III): 【化3】 (式中、R8は水素原子またはメチル基、R9はアルキレ
ン基、R10はアルキル基、アラルキル基またはアリール
基を示し、nは1〜100の整数である)で表わされる
有機エステル基を有する単量体の1種または2種以上と
を含む単量体混合物の共重合体である請求項1または2
記載の漁網類防汚組成物。 - 【請求項4】 防汚薬剤が、一般式(IV): (C6H5)3B・X (IV) (式中、Xはピリジン、炭素数1〜18のアルキルアミ
ン、炭素数2〜18のアルコキシアルキルアミンまたは
ロジンアミンを示す)で表わされるトリフェニルボロン
化合物、一般式(V): 【化4】 (式中、R11は炭素数1〜8のアルキル基を示す)で表
わされるテトラアルキルチウラムジスルフィド化合物、
ビスジメチルジチオカーバモイルジンクエチレンビスジ
チオカーバメート、2−メルカプトピリジンN−オキシ
ド亜鉛塩、2−メルカプトピリジンN−オキシド銅塩、
亜酸化銅および銅粉よりなる群から選ばれる少なくとも
1種の化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の漁
網類防汚組成物。 - 【請求項5】 亜酸化銅または銅粉の粒径が5μm以下
である請求項4記載の漁網類防汚組成物。 - 【請求項6】 溶出コントロール剤が、シリコーンオイ
ル類、ポリブテン類、パラフィン類、ワセリン類、およ
び一般式(VI):R12−(S)n−R12 (V
I)(式中、R12は炭素数1〜20のアルキル基を示
し、nは1〜20の整数である)で表わされるジアルキ
ルスルフィド化合物よりなる群から選ばれる少なくとも
1種の化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の漁
網類防汚組成物。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の漁網類
防汚組成物が塗布されてなることを特徴とする漁網類。 - 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の漁網類
防汚組成物を用いて、漁網類の表面に防汚塗膜を形成す
ることを特徴とする漁網類の防汚方法。
Priority Applications (1)
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JP2001379910A JP4064100B2 (ja) | 2001-12-13 | 2001-12-13 | 漁網類防汚組成物、該漁網類防汚組成物が塗布された漁網類および該漁網類防汚組成物を用いる漁網類の防汚方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001379910A JP4064100B2 (ja) | 2001-12-13 | 2001-12-13 | 漁網類防汚組成物、該漁網類防汚組成物が塗布された漁網類および該漁網類防汚組成物を用いる漁網類の防汚方法 |
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JP2003183593A true JP2003183593A (ja) | 2003-07-03 |
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---|---|---|---|
JP2001379910A Expired - Lifetime JP4064100B2 (ja) | 2001-12-13 | 2001-12-13 | 漁網類防汚組成物、該漁網類防汚組成物が塗布された漁網類および該漁網類防汚組成物を用いる漁網類の防汚方法 |
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