JP4064100B2 - 漁網類防汚組成物、該漁網類防汚組成物が塗布された漁網類および該漁網類防汚組成物を用いる漁網類の防汚方法 - Google Patents
漁網類防汚組成物、該漁網類防汚組成物が塗布された漁網類および該漁網類防汚組成物を用いる漁網類の防汚方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水棲汚損生物、特に海中の汚損生物が、養殖用または定置網用の漁網およびこれらに使用される浮き子、ロープなどの漁網付属具(以下、これらを総称して漁網類という場合がある)に付着するのを長期にわたって防止するための漁網類防汚組成物、該漁網類防汚組成物が塗布された漁網類および該漁網類防汚組成物を用いる漁網類の防汚方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
漁網および浮き子、ロープなどの漁網付属具などは、海中で長期保持されるため、海藻類、フジツボ、セルプラ、コケムシ、軟体動物類などの水棲汚損生物の付着が激しく、それらの保守には多大の労力と費用がかかっている。
【0003】
これらの水棲汚損生物の付着を防止するために、従来は有機錫化合物が使用されてきた。特にトリブチル錫基を有する重合体の塗膜は、塗膜表面が海水中で徐々に加水分解され、防汚成分であるトリブチル錫基が溶出するとともに、樹脂成分も海水に溶解し、塗膜表面が常に更新され、長期間防汚効果が維持されることから、船底塗料だけでなく、漁網や漁網付属具にも、広く使用されてきたが、環境に対する配慮などから使用が中止された。
【0004】
そこで、トリブチル錫基を有する重合体を用いた漁網防汚剤に替わるものとして、銅化合物、亜鉛化合物、チオカーバメイト化合物、チウラム化合物、マレイミド化合物、有機塩素化合物、トリフェニルボロン化合物などの防汚薬剤を有効成分とし、これを油性系または合成樹脂系ビヒクルに配合した漁網防汚剤が使用されてきたが、これらの漁網防汚剤は、樹脂が海水にほとんど溶解せず漁網に残るため、新網を使用した場合は防汚効果が満足できるものであっても、海水中で使用後の網(旧網)の再網染め使用(使用後の網に漁網防汚剤を再度塗布して使用すること)においては、旧網に残った樹脂分が溶剤に再溶解するため漁網防汚剤の配合バランスが崩れ防汚効果が悪くなる欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の点に鑑みて、漁網および漁網付属具に対する塗布作業性が良好で、旧網を使用した場合でも長期間すぐれた防汚効果を維持することのできる漁網防汚剤を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の観点から、鋭意検討を進めた結果、分子内に少なくとも1つの、一般式(I):
【0007】
【化5】
【0008】
(式中、R1、R2、R3は相互に同一または異なって、それぞれアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示す)で表わされる有機ケイ素エステル基を有する重合体の1種または2種以上をビヒクルとし、さらに溶出コントロール剤および防汚薬剤を配合して漁網防汚剤として用いることにより、新網はもちろんのこと、旧網使用時においても長期間防汚効果を持続することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明はつぎの漁網類防汚組成物、該漁網類防汚組成物が塗布された漁網類および該漁網類防汚組成物を用いる漁網類の防汚方法を提供する。
【0010】
(1)ビヒクル、溶出コントロール剤および防汚薬剤からなる漁網類防汚組成物において、ビヒクルが、分子内に少なくとも1つの、一般式(I):
【0011】
【化6】
【0012】
(式中、R1、R2、R3は相互に同一または異なって、それぞれアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示す)で表わされる有機ケイ素エステル基を有する重合体の1種または2種以上を含有することを特徴とする漁網類防汚組成物。
【0013】
(2)ビヒクルが、一般式(I)で表される有機ケイ素エステル基を有する重合体の1種または2種以上と、ロジン、ロジン誘導体およびそれらの金属塩よりなる群から選ばれるロジン系化合物の1種または2種以上とからなる前記(1)記載の漁網類防汚組成物。
【0014】
(3)一般式(I)で表される有機ケイ素エステル基を有する重合体が、一般式(II):
【0015】
【化7】
【0016】
(式中、R4は水素原子またはメチル基、R5、R6、R7は相互に同一または異なって、それぞれアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示し、少なくとも1つは炭素数3以上のアルキル基、アラルキル基またはアリール基である)で表わされる有機ケイ素エステル基を有する単量体の1種または2種以上と、一般式(III):
【0017】
【化8】
【0018】
(式中、R8は水素原子またはメチル基、R9はアルキレン基、R10はアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示し、nは1〜100の整数である)で表わされる有機エステル基を有する単量体の1種または2種以上とを含む単量体混合物の共重合体である前記(1)または(2)記載の漁網類防汚組成物。
【0019】
(4)防汚薬剤が、一般式(IV):
(C6H5)3B・X (IV)
(式中、Xはピリジン、炭素数1〜18のアルキルアミン、炭素数2〜18のアルコキシアルキルアミンまたはロジンアミンを示す)で表わされるトリフェニルボロン化合物、一般式(V):
【0020】
【化9】
【0021】
(式中、R11は炭素数1〜8のアルキル基を示す)で表わされるテトラアルキルチウラムジスルフィド化合物、ビスジメチルジチオカーバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、2−メルカプトピリジンN−オキシド亜鉛塩、2−メルカプトピリジンN−オキシド銅塩、亜酸化銅および銅粉よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の漁網類防汚組成物。
【0022】
(5)亜酸化銅または銅粉の粒径が5μm以下である前記(4)記載の漁網類防汚組成物。
【0023】
(6)溶出コントロール剤が、シリコーンオイル類、ポリブテン類、パラフィン類、ワセリン類、および一般式(VI):
R12−(S)n−R12 (VI)
(式中、R12は炭素数1〜20のアルキル基を示し、nは1〜20の整数である)で表わされるジアルキルスルフィド化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の漁網類防汚組成物。
【0024】
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の漁網類防汚組成物が塗布されてなることを特徴とする漁網類。
【0025】
(8)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の漁網類防汚組成物を用いて、漁網類の表面に防汚塗膜を形成することを特徴とする漁網類の防汚方法。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の漁網類防汚組成物は、必須成分として、ビヒクルとしての有機ケイ素エステル基を有する重合体、溶出コントロール剤および防汚薬剤を含有するものである。
【0027】
本発明においてビヒクルとして用いられる有機ケイ素エステル基を有する重合体は、一般式(I)で表わされる有機ケイ素エステル基を有する重合体の1種または2種以上である。
【0028】
一般式(I)のR1、R2、R3で示されるアルキル基、アラルキル基またはアリール基としては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基などの炭素数20以下の直鎖状もしくは分岐状の未置換または置換アルキル基、シクロヘキシル基や置換シクロヘキシル基などの炭素数6〜12の未置換または置換環状アルキル基、ベンジル基、置換ベンジル基などの炭素数7〜13の未置換または置換アラルキル基、フェニル基、置換フェニル基などの炭素数6〜12の未置換または置換アリール基があげられる。前記置換アルキル基、、置換アラルキル基、置換アリール基における置換基としては、メチル基、エチル基などの低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基などの低級アルコキシ基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子などがあげられる。
【0029】
これら有機ケイ素エステル基を有する重合体としては、たとえば、有機ケイ素エステル基を有する単量体と、(メタ)アクリル酸エステル化合物、マレイン酸エステル化合物、フマル酸エステル化合物などの群から選ばれる1種または2種以上の単量体とからなる共重合体などがあげられ、好ましくは有機ケイ素エステル基を有する単量体と(メタ)アクリル酸エステル化合物とからなる共重合体である。これらの共重合体は単独で用いてもよく、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
【0030】
前記有機ケイ素エステル基を有する単量体と(メタ)アクリル酸エステル化合物とからなる共重合体としては、一般式(II)で表される有機ケイ素エステル基を有する単量体と一般式(III)で表される有機エステル基を有する単量体((メタ)アクリル酸エステル化合物)とからなる共重合体が好ましい。
【0031】
一般式(II)で表わされる有機ケイ素エステル基を有する単量体のR5、R6、R7で示されるアルキル基、アラルキル基またはアリール基としては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基などの炭素数20以下の直鎖状もしくは分岐状の未置換または置換アルキル基、シクロヘキシル基や置換シクロヘキシル基などの炭素数6〜12の未置換または置換環状アルキル基、ベンジル基、置換ベンジル基などの炭素数7〜13の未置換または置換アラルキル基、フェニル基や置換フェニル基などの炭素数6〜12の未置換または置換アリール基があげられる。前記置換アルキル基、置換アラルキル基、置換アリール基における置換基としては、メチル基、エチル基などの低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基などの低級アルコキシ基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子などがあげられる。R5、R6、R7はこれらのアルキル基、アラルキル基またはアリール基からなる群から選ばれるが、少なくとも1つが炭素数3〜20のアルキル基(好ましくは炭素数3〜12のアルキル基)、アラルキル基またはアリール基であるのが好ましく、とくに少なくとも1つがイソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基またはフェニル基であるのがより好ましい。
【0032】
一般式(II)で表される有機ケイ素エステル基を有する単量体を例示すれば、たとえば、(メタ)アクリル酸トリプロピルシリル、(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリル、(メタ)アクリル酸トリブチルシリル、(メタ)アクリル酸トリイソブチルシリル、(メタ)アクリル酸t−ブチルジブチルシリル、(メタ)アクリル酸t−ブチルジフェニルシリル、(メタ)アクリル酸イソブチルジブチルシリル、(メタ)アクリル酸トリヘキシルシリル、(メタ)アクリル酸トリオクチルシリル、(メタ)アクリル酸トリス(2−エチルヘキシル)シリル、(メタ)アクリル酸トリノニルシリル、(メタ)アクリル酸トリデシルシリル、(メタ)アクリル酸トリラウリルシリル、(メタ)アクリル酸トリベンジルシリル、(メタ)アクリル酸トリフェニルシリル、(メタ)アクリル酸トリス(4−メトキシフェニル)シリル、(メタ)アクリル酸トリス(4−クロロフェニル)シリル、(メタ)アクリル酸トリトリルシリル、(メタ)アクリル酸トリシクロヘキシルシリル、(メタ)アクリル酸トリス(4−メチルシクロヘキシル)シリル、(メタ)アクリル酸トリス(4−メトキシシクロヘキシル)シリル、(メタ)アクリル酸ブチルジメチルシリル、(メタ)アクリル酸ジメチルオクチルシリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルジメチルシリル、(メタ)アクリル酸ラウリルジメチルシリル、(メタ)アクリル酸ジメチルステアリルシリル、(メタ)アクリル酸ブチルジフェニルシリル、(メタ)アクリル酸トリブチルシリル、(メタ)アクリル酸オクチルジフェニルシリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルジフェニルシリル、(メタ)アクリル酸ラウリルジフェニルシリル、(メタ)アクリル酸ジフェニルステアリルシリルなどがあげられる。これら有機ケイ素エステル基を有する単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
【0033】
また、一般式(III)で表わされる有機エステル基を有する単量体のR9で示されるアルキレン基としては、メチレン基、メチルメチレン基(エチリデン基)、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基などの炭素数1〜5のアルキレン基があげられ、好ましくはメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基またはブチレン基である。ここで、プロピレン基、ブチレン基などの非対称の基の場合、その結合の方向はどちらでもよい。一般式(III)のR10で示されるアルキル基、アラルキル基またはアリール基としては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基などの直鎖状もしくは分岐状の炭素数20以下の未置換または置換アルキル基、シクロヘキシル基や置換シクロヘキシル基などの炭素数6〜12の未置換または置換環状アルキル基、ベンジル基、置換ベンジル基などの炭素数7〜13の未置換または置換アラルキル基、フェニル基、置換フェニル基などの炭素数6〜12の未置換または置換アリール基があげられる。前記置換アルキル基、置換アラルキル基、置換アリール基における置換基としては、メチル基、エチル基などの低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基などの低級アルコキシ基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子などがあげられる。
【0034】
一般式(III)で表わされる有機エステル基を有する単量体を例示すれば、たとえば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−エチル−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸3−メチル−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−エトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−フェノキシエチル、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート〔一般式(III)において、R8がメチル基、R9がエチレン基、R10がメトキシ基である化合物、たとえば、日本油脂(株)製のブレンマーPME100(n:約2)、ブレンマーPME200(n:約4)、ブレンマーPME400(n:約9)、ブレンマーPME1000(n:約23)など)〕、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート〔一般式(III)において、R8が水素原子、R9がエチレン基、R10がメトキシ基である化合物、たとえば、日本油脂(株)製のブレンマーAME400(n:約9)など)〕などがあげられる。これらの有機エステル基を有する単量体(III)は、単独で用いてもよく、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
【0035】
また、本発明の有機ケイ素エステル基を有する共重合体には、一般式(II)で表わされる有機ケイ素エステル基を有する単量体や一般式(III)で表わされる有機エステル基を有する単量体と共重合可能な他の単量体を用いることができる。これらの他の単量体としては、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸アラルキル、(メタ)アクリル酸アリールなどがあげられる。具体的には、たとえば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチルなどがあげられる。これらの単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
【0036】
本発明における有機ケイ素エステル基を有する共重合体における、単量体(II)、単量体(III)、共重合可能な他の単量体の割合は、共重合体全量に対して、単量体(II)10〜90重量%、単量体(III)1〜50重量%、他の単量体0〜70重量%であるのが好ましく、より好ましくは単量体(II)20〜70重量%、単量体(III)5〜30重量%、他の単量体10〜50重量%である。単量体(II)の割合が前記範囲未満では、塗膜の溶解性が低下し、防汚効果が低下する傾向があり、一方前記範囲を超えると、塗膜の溶解性が高くなりすぎ、防汚効果が長期間持続しがたくなる傾向がある。単量体(III)の割合が前記範囲未満では、塗膜の溶解性が高くなりすぎ、防汚効果が長期間持続しがたくなる傾向があり、一方前記範囲を超えると、塗膜の溶解性が低下し、防汚効果が低下する傾向がある。
【0037】
本発明の有機ケイ素エステル基を有する共重合体は、一般式(II)で示される有機ケイ素エステル基を有する単量体の1種または2種以上と、一般式(III)で示される有機エステル基を有する単量体の1種または2種以上との単量体混合物に、必要により共重合可能な他の単量体を混合し、溶媒中にてアゾビスイソブチロニトリルやベンゾイルパーオキサイドなどの重合開始剤の存在下に加熱する一般的な溶液重合の方法により得ることができる。
【0038】
本発明の有機ケイ素エステル基を有する重合体は、平均分子量が重量平均分子量で1万〜15万であるのが好ましい。平均分子量が前記範囲未満では、塗膜が脆くなる傾向があり、一方前記範囲を超えると粘度が高くなり、使い難い傾向がある。
【0039】
本発明の漁網類防汚組成物において、溶出コントロール剤および防汚薬剤と共に、有機ケイ素エステル基を有する重合体、とくに前記有機ケイ素エステル基を有する共重合体をビヒクルとして用いると、この漁網防汚剤で処理した漁網の塗膜表面において、有機ケイ素エステル基が海水中で加水分解して、塗膜表面が徐々に溶解することにより長期間防汚効果を保つことができる。さらに、海水中で使用後の漁網に旧塗膜がほとんど残っていないので、使用後の漁網(旧網)を再度網染めしても新網の場合とほとんど変わらない効果を示すことができる。
【0040】
本発明の漁網類防汚組成物においては、有機ケイ素エステル基を有する重合体以外に、ビヒクルとして他の合成樹脂、天然樹脂、天然樹脂変性物などの1種または2種以上を併用することができる。特に併用するビヒクルとしては、防汚性の点から、ロジン系化合物が好ましい。
【0041】
本発明で使用できるロジン系化合物としては、ロジン、ロジン誘導体、それらの金属塩などがあげられる。ここで、ロジンとしては、トールロジン、ウッドロジン、ガムロジンなどがあげられ、ロジン誘導体としては、水添ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、マレイン化ロジン、ロジン変性フェノール、ロジンエステル、水添ロジンエステル、重合ロジンエステルなどがあげられ、ロジンまたはロジン誘導体の金属塩としては、ロジン銅塩、ロジン亜鉛塩、ロジンカルシウム塩、ロジンマグネシウム塩、水添ロジン銅塩、水添ロジン亜鉛塩、水添ロジンカルシウム塩、水添ロジンマグネシウム塩などがあげられる。中でも、トールロジン、ウッドロジン、ガムロジン、ロジン銅塩、ロジン亜鉛塩が好ましい。
【0042】
ロジン系化合物以外のビヒクルとしては、たとえば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル/アルキルビニルエーテル樹脂、クマロン樹脂、合成ゴム、塩素化ポリエチレンなどがあげられる。
【0043】
本発明における必須成分の他の1つとして使用する防汚薬剤としては、漁網防汚剤や船底塗料に広く使用されている従来公知の防汚薬剤が使用できる。無機防汚薬剤としては、たとえば亜酸化銅、銅粉、チオシアン酸銅などの銅化合物や銅−ニッケル合金などがあげられる。金属を含む有機防汚薬剤としては、ナフテン酸銅、オキシン銅、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、2−メルカプトピリジンN−オキシド亜鉛塩、2−メルカプトピリジンN−オキシド銅塩、ビスジメチルジチオカーバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、エチレンビスジチオカルバミン酸亜鉛(ジネブ)などがあげられ、金属を含まない有機防汚薬剤としては、トリフェニルボロン化合物、テトラアルキルチウラムジスルフィド化合物、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾロン−3−オン、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、2,3−ジクロロ−N−2’,6’−ジエチルフェニルマレイミド、3,4−ジクロロフェニル−1,1−ジメチル尿素、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートなどがあげられる。好ましくは、トリフェニルボロン化合物、テトラアルキルチウラムジスルフィド化合物である。
【0044】
トリフェニルボロン化合物としては、一般式(IV)で表される化合物があげられる。一般式(IV)においてXで示される炭素数1〜18のアルキルアミンとしては、たとえばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、i−プロピルアミン、ブチルアミン、i−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン基、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ラウリルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、ステアリルアミンなどがあげられ、炭素数2〜18のアルコキシアルキルアミンとしては、たとえば、メトキシメチルアミン、メトキシエチルアミン、エトキシメチルアミン、メトキシプロピルアミン、エトキシプロピルアミン、プロピルオキシプロピルアミン、ブトキシプロピルアミン、ヘキシルオキシプロピルアミン、2−エチルオキシプロピルアミン、ラウリルオキシプロピルアミンなどがあげられる。一般式(IV)で表されるトリフェニルボロン化合物としては、たとえばトリフェニルボロン・ピリジン塩、トリフェニルボロン・プロピルアミン塩、トリフェニルボロン・オクチルアミン塩、トリフェニルボロンラウリルアミン塩、トリフェニルボロン・ステアリルアミン塩、トリフェニルボロン・エトキシプロピルアミン塩、トリフェニルボロン・ブトキシプロピルアミン塩、トリフェニルボロン・2−エチルヘキシルオキシプロピルアミン塩、トリフェニルボロン・ロジンアミン塩などがあげられるが、これらに限られるものではない。これらのトリフェニルボロン化合物のうち特に好ましいものは、トリフェニルボロン・ピリジン塩、トリフェニルボロン・ステアリルアミン塩またはトリフェニルボロン・2−エチルヘキシルオキシプロピルアミン塩である。
【0045】
また、テトラアルキルチウラムジスルフィド化合物としては一般式(V)で表される化合物があげられる。一般式(V)においてR11で示される炭素数1〜18のアルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基などがあげられる。一般式(V)で表されるテトラアルキルチウラムジスルフィド化合物としては、たとえばテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラプロピルチウラムジスルフィド、テトライソプロピルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラ−s−ブチルチウラムジスルフィド、テトラ−i−ブチルチウラムジスルフィド、テトラ−t−ブチルチウラムジスルフィド、テトラペンチルチウラムジスルフィド、テトラヘキシルチウラムジスルフィド、テトラヘプチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラ(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドなどがあげられるが、これらに限られるものではない。これらのテトラアルキルチウラムジスルフィド化合物のうち特に好ましいものは、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドである。
【0046】
ビスジメチルジチオカーバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、2−メルカプトピリジンN−オキシド亜鉛塩、2−メルカプトピリジンN−オキシド銅塩、亜酸化銅および銅粉などの溶剤に不溶の防汚薬剤は、粉体であればどのような粒度のものでも使用できるが、粒度は細かい方が効果がよく、好ましくは、粒径5μm以下、さらに好ましくは、粒径1μm以下である。
【0047】
前記防汚薬剤は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組みあわせて用いてもよい。これらの防汚薬剤を塗膜表面より徐々に溶出させることにより長期間防汚効果を保つことができる。
【0048】
本発明における、必須成分の他の1つとして用いられる溶出コントロール剤としては、シリコーンオイル類、ポリブテン類、パラフィン類、ワセリン類、および一般式(VI):
R12−(S)n−R12 (VI)
(式中、R12は炭素数1〜20のアルキル基を示し、nは1〜20の整数である)で表わされるジアルキルスルフィド化合物よりなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましく使用される。溶出コントロール剤は、塗膜中の防汚薬剤を表面から海水中に徐々に溶出させ長期間防汚効果を保つ効果がある。また、硬度や粘着性などの塗膜物性を改良し、漁網の作業性も向上させることができる。
【0049】
本発明に用いられるシリコーンオイル類としては、たとえばポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、メチルフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリアルキル(メチル)シロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、フロロシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、その他各種官能基による変性シリコーンオイルなどがあげられるが、これらに限られるものではない。これらのシリコーンオイルのうち、好ましいものは、親水性親油性バランス(HLB)が2〜12の範囲にある、ポリジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンである。これらのシリコーンオイルは、単独で用いてもよいし、2種以上を組みあわせて用いてもよい。また本発明に用いるシリコーンオイルは、漁網防汚剤の物性の点から、粘度が0.1〜1千Pa・s、なかんづく5〜50Pa・sの範囲が好ましい。
【0050】
本発明に用いられるポリブテン類としては、たとえば、日本石油化学(株)製のポリブテンLV−7、ポリブテンLV−10、ポリブテンLV−25、ポリブテンLV−50、ポリブテンLV−100、ポリブテンHV−35、ポリブテンHV−100、ポリブテンHV−300、ポリブテンHV−1900、出光石油化学(株)製のポリブテン0H、ポリブテン5H、ポリブテン10H、ポリブテン300H、ポリブテン2000H、ポリブテン0R、ポリブテン15R、ポリブテン35R、ポリブテン100R、ポリブテン350R、日本油脂(株)製のポリビスOSH、三井化学(株)製のルーカントHC−20、ルーカントHC−150、ルーカントHC−600、ルーカントHC−2000などがあげられる。これらのポリブテン類は、単独で用いてもよいし、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
【0051】
本発明に用いられるパラフィン類としては、たとえば、n−パラフィン、固形パラフィン、流動パラフィン(松村石油(株)製のスモイルP−100、スモイルP−150、スモイルP−300、スモイルP−350Pなど)、塩素化パラフィン(東ソー(株)製のA−40、A−50、A−70、A−400、145、150、260、270など)などがあげられる。これらのパラフィン類は、単独で用いてもよいし、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
【0052】
本発明に用いられるワセリン類としては、たとえば、安藤パラケミー(株)製の白色ワセリン、黄色ワセリンがあげられる。これらのワセリン類は、単独で用いてもよいし、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
【0053】
本発明に用いられる一般式(VI)で表わされるジアルキルスルフィド化合物には、nが1であるジアルキルモノスルフィドと、nが2〜20の整数であるジアルキルポリスルフィド化合物が含まれる。
【0054】
一般式(VI)において、R12で表わされる炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などがあげられる。漁網防汚剤の物性の点から、特に炭素数4〜19のアルキル基が好ましい。一般式(VI)において、nは1〜20の整数であるが、漁網防汚剤の物性の点からnが1〜10、なかんづく4〜10であるのが好ましい。
【0055】
なお本発明においては、前記シリコーンオイル類と、ポリブテン類、パラフィン類、ワセリン類、一般式(VI)で表わされるジアルキルスルフィド化合物の1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0056】
また、本発明の漁網類防汚組成物には、通常溶剤が含まれる。溶剤としては、特に限定されるものではなく種々の溶剤が使用でき、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼンなどの芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系溶剤、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、ミネラルスピリット、ミネラルターペンなどの石油系溶剤などがあげられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
【0057】
本発明の漁網類防汚組成物において、ビヒクルとして用いられる有機ケイ素エステル基を有する重合体の使用量は特に限定されるものではないが、魚網類防汚組成物全量に対して、通常3〜30重量%であり、好ましくは5〜20重量%である。有機ケイ素エステル基を有する重合体の使用量が前記範囲未満では塗膜が脆弱で防汚効果を保つ期間が短くなる傾向がある。一方前記範囲を超えると漁網防汚剤としての粘度が高くなり取り扱いにくくなる傾向がある。ビヒクルとして、有機ケイ素エステル基を有する重合体と他のビヒクル成分(好ましくはロジン系化合物)とを併用する場合は、ビヒクル全量に対して、有機ケイ素エステル基を有する重合体10〜100重量%、他のビヒクル成分0〜90重量%であるのが好ましく、より好ましくは有機ケイ素エステル基を有する重合体30〜90重量%、他のビヒクル成分10〜70重量%である。
【0058】
本発明の漁網類防汚組成物において、防汚薬剤の使用量は、特に制限されるものではないが、漁網類防汚組成物全量に対して、通常0.1〜20重量%であり、好ましくは1〜10重量%である。防汚薬剤の使用量が前記範囲未満では防汚性が充分でない傾向があり、一方前記範囲を超えると経済的ではなく塗膜物性も悪くなる傾向がある。
【0059】
さらに、本発明の漁網類防汚組成物において、溶出コントロール剤として使用されるシリコーンオイル類、ポリブテン類、パラフィン類、ワセリン類および/またはジアルキルスルフィド化合物類の使用量については、特に制限されるものではないが、漁網類防汚組成物全量に対して、通常1〜20重量%であり、好ましくは2〜10重量%である。溶出コントロール剤の合計配合量が前記範囲未満では、防汚性が悪くなる傾向があり、一方前記範囲を超えると塗膜物性が軟弱になる傾向がある。
【0060】
また、本発明の漁網類防汚組成物には、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸エステルなどの可塑剤を加えることができる。さらに、本発明の漁網類防汚組成物には、顔料、染料、分散剤(沈降防止剤)、消泡剤、タレ止め剤、海面活性剤などを添加することができる。これらの添加剤は、本発明の目的を損なわない範囲で任意の配合割合で含有させることができる。
【0061】
本発明の漁網類防汚組成物は、前記の必須成分を混合し、必要に応じて各種添加剤を配合し、混合することにより製造することができる。各必須成分の混合方法および各種添加剤の添加方法は、特に制限されるものではなく、種々の方法により行うことができ、混合順序および添加順序も種々の方法で行うことができる。
【0062】
本発明は、さらに、本発明の漁網類防汚組成物を、養殖用、定置用などの漁網またはこれらに使用される浮き子、ロープなどの漁網付属具などに塗布することにより、水棲汚損生物の付着を防止し、優れた防汚性を発揮させる漁網や漁網付属具などの防汚方法を提供する。漁網類防汚組成物の漁網および漁網付属具などへの塗布には、たとえば浸漬塗装、吹きつけ塗装などの種々の塗装方法を適用することができるが、浸漬塗装が好ましい。付着量は、漁網の場合、漁網重量の1〜20重量%(不揮発分として)の範囲が好ましい。
【0063】
【実施例】
つぎに製造例、実施例および比較例をあげて本発明を説明する。各例中の%および部はそれぞれ重量%および重量部を、分子量はGPCによるポリスチレン換算重量平均分子量を示す。
【0064】
製造例1
温度計、攪拌機、還流冷却器をつけたフラスコにキシレン200gを仕込み、窒素置換後95℃に昇温し、同温度に保ちながらメタクリル酸トリイソプロピルシリル250g、メタクリル酸メチル40g、アクリル酸ブチル60g、メタクリル酸2−メトキシエチル150g、ベンゾイルパーオキサイド5g、キシレン200gの混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後同温度で1時間攪拌した後、キシレン10gとベンゾイルパーオキサイド2gとの混合物を添加し、さらに同温度で2時間攪拌し、キシレン90gを加えて希釈し有機ケイ素エステル基含有共重合体溶液A−1を得た。得られた共重合体溶液は、粘度0.31P・s/25℃、加熱残分(110℃で3時間加熱後の残分、以下同様)50.2%であり、共重合体の分子量は56000であった。
【0065】
製造例2
温度計、攪拌機、還流冷却器をつけたフラスコにキシレン200gを仕込み、窒素置換後95℃に昇温し、同温度に保ちながらメタクリル酸トリブチルシリル300g、メタクリル酸メチル100g、アクリル酸2−エチルヘキシル50g、アクリル酸4−メトキシブチル50g、ベンゾイルパーオキサイド5g、キシレン200gの混合液を3時間かけて滴下した。滴下終了後同温度で1時間攪拌した後、キシレン10gとベンゾイルパーオキサイド2gとの混合物を添加し、さらに同温度で2時間攪拌し、キシレン90gを加えて希釈し有機ケイ素エステル基含有共重合体溶液A−2を得た。得られた共重合体溶液は、粘度0.35P・s/25℃、加熱残分50.3%であり、共重合体の分子量は52000であった。
【0066】
製造例3
温度計、攪拌機、還流冷却器をつけたフラスコにキシレン200gを仕込み、窒素置換後95℃に昇温し、同温度に保ちながらメタクリル酸t−ブチルジフェニルシリル280g、メタクリル酸メチル120g、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製ブレンマーPME400)100g、ベンゾイルパーオキサイド2g、キシレン200gの混合液を3時間かけて滴下した。滴下終了後同温度で1時間攪拌した後、キシレン10gとベンゾイルパーオキサイド2gとの混合物を添加し、さらに同温度で2時間攪拌し、キシレン90gを加えて希釈し有機ケイ素エステル基含有共重合体溶液A−3を得た。得られた共重合体溶液は、粘度0.45P・s/25℃、加熱残分49.9%であり、共重合体の分子量は55000であった。
【0067】
製造例4
温度計、攪拌機、還流冷却器をつけたフラスコにキシレン200gを仕込み、窒素置換後80℃に昇温し、同温度に保ちながらアクリル酸トリイソプロピルシリル325g、メタクリル酸メチル100g、アクリル酸2−メトキシエチル75g、アゾビスイソブチロニトリル2g、キシレン200gの混合液を3時間かけて滴下した。滴下終了後同温度で1時間攪拌した後、キシレン10gとアゾビスイソブチロニトリル1gとの混合物を添加し、さらに同温度で2時間攪拌し、キシレン90gを加えて希釈し有機ケイ素エステル基含有共重合体溶液A−4を得た。得られた共重合体溶液は、粘度0.29P・s/25℃、加熱残分50.5%であり、共重合体の分子量は53000であった。
【0068】
実施例1〜11および比較例1〜6
製造例1〜4で得られた重合体溶液A−1〜A−4を用い、表1に記載の配合成分を添加して、実施例1〜11および比較例1〜6の漁網防汚剤を得た。表1における各成分の配合量は部数で示す。得られた漁網防汚剤について、つぎの防汚性試験を行った。
【0069】
防汚性試験(1)(新網使用での防汚性試験)
実施例1〜11および比較例1〜6で得られた漁網防汚剤を、ポリエチレン製(400デニール、40本、8節)の漁網に浸漬塗装し乾燥した。このように漁網防汚剤を塗布した漁網を40cm×60cmの鉄棒の枠に固定し、三重県尾鷲湾の筏にて海中から水深約1mに垂下浸漬し、その防汚性能を6ヵ月にわたって定期的に観測した。結果を表2に示す。表中の数字は海棲生物の付着面積(%)を表わす。
【0070】
防汚性試験(2)(旧網使用での防汚性試験)
防汚性試験(1)で6ヵ月間浸漬試験した漁網を、水道水で洗浄し、スライムや付着生物などを除去後乾燥した。この洗浄乾燥した旧漁網に、それぞれ対応する漁網防汚剤を再度浸漬塗布し乾燥した。このように漁網防汚剤を塗布した漁網を40cm×60cmの鉄棒の枠に固定し、三重県尾鷲湾の筏にて海中から水深約1mに垂下浸漬し、その防汚性能を6ヵ月にわたって定期的に観測した。結果を表3に示す。表中の数字は海棲生物の付着面積(%)を表わす。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【発明の効果】
表2、3の結果から明かなように、有機ケイ素共重合体と溶出コントロール剤および防汚薬剤を配合した本発明の漁網防汚剤は一度使用した漁網(旧網)を使用した場合でも、新網を使用した場合とほとんど変わらず、長期にわたって海中汚損生物の付着を防止できる。
Claims (7)
- ビヒクル、溶出コントロール剤および防汚薬剤からなる漁網類防汚組成物において、ビヒクルが、分子内に少なくとも1つの、一般式(I):
R 12 − ( S ) n −R 12 ( VI )
(式中、R 12 は炭素数1〜20のアルキル基を示し、nは1〜20の整数である)で表わされるジアルキルスルフィド化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする漁網類防汚組成物。 - ビヒクルが、一般式(I)で表される有機ケイ素エステル基を有する重合体の1種または2種以上と、ロジン、ロジン誘導体およびそれらの金属塩よりなる群から選ばれるロジン系化合物の1種または2種以上とからなる請求項1記載の漁網類防汚組成物。
- 一般式(I)で表される有機ケイ素エステル基を有する重合体が、一般式(II):
- 防汚薬剤が、一般式(IV):
(C6H5)3B・X (IV)
(式中、Xはピリジン、炭素数1〜18のアルキルアミン、炭素数2〜18のアルコキシアルキルアミンまたはロジンアミンを示す)で表わされるトリフェニルボロン化合物、一般式(V):
- 亜酸化銅または銅粉の粒径が5μm以下である請求項4記載の漁網類防汚組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の漁網類防汚組成物が塗布されてなることを特徴とする漁網類。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の漁網類防汚組成物を用いて、漁網類の表面に防汚塗膜を形成することを特徴とする漁網類の防汚方法。
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