JP3906936B2 - 防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物 - Google Patents

防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物に関し、さらに詳しくは、特に耐スライム性などに優れ、船底、水中構造物、漁網などへの水棲生物の付着を効果的に防止できるような自己研摩性防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
船底、水中構造物、漁網などは、水中に長期間さらされることにより、その表面に、貝、フジツボ等の動物類、ノリ(海苔)等の藻類、あるいはバクテリア類などの各種水棲生物が付着・繁殖すると、外観が損ねられ、その機能が害されることがある。
【0003】
特に船底にこのような水棲生物が付着・繁殖すると、船全体の表面粗度が増加し、船速の低下、燃費の拡大などを招く虞が高い。また、このような水棲生物を船底から取り除くには、ドックにおける多大な労力、作業時間が必要となる。また、バクテリア類が水中構造物などに付着・繁殖しスライム(ヘドロ状物)が付着すると、これらが腐敗し、その物性が劣化し寿命が著しく低下する等の被害が生ずる虞がある。
【0004】
従来では、このような被害を防止すべく、船底などには防汚性に優れた防汚塗料として、例えば、トリブチル錫メタクリレートとメチルメタクリレート等との共重合体と、亜酸化銅(Cu2O)とを含有するものが塗布されていた。この防汚塗料中の該共重合体は、海水中で加水分解されてビストリブチル錫オキサイド(トリブチル錫エーテル,Bu3Sn-O-SnBu3:Buはブチル基)あるいはトリブチル錫ハロゲン化物(Bu3SnX:Xはハロゲン原子)等の有機錫化合物を放出して防汚効果を発揮するとともに、加水分解された共重合体自身も水溶性化して海水中に溶解していく「加水分解性自己研磨型塗料」であるため、船底塗装表面は、樹脂残渣が残らず、常に活性な表面を保つことができる。
【0005】
しかしながら、このような有機錫化合物は、毒性が強く、海洋汚染、奇形魚類の発生、食物連鎖による生態系への悪影響などが懸念され、これに代わり得るような錫を含有しない防汚塗料の開発が求められている。
【0006】
このような錫を含有しない防汚塗料としては、例えば、特開平4-264170号公報、特開平4-264169号公報、特開平4-264168号公報に記載のシリルエステル系防汚塗料が挙げられる。しかしながら、これらの防汚塗料には、特開平6-157941号公報、特開平6-157940号公報などにも教示されているように、防汚性に劣り、クラック、剥離が生ずるとの問題点がある。
【0007】
また、特開平2-196869号公報には、トリメチルシリルメタクリレート、エチルメタクリレートおよびメトキシエチルアクリレートをアゾ系重合開始剤の存在下に共重合してなり、トリメチルシリル基によりブロックされたカルボン酸基を含有するブロックされた酸官能性コポリマー(A)と、多価カチオンの化合物(B)とを含有する防汚塗料が教示されており、その実施例には、上記酸官能性コポリマー(A)と多価カチオンの化合物に加えて、塩素化パラフィン可塑剤などを含む防汚塗料が開示されている。しかしながら、この実施例に開示されている防汚塗料から得られる塗膜は、耐クラック性が充分満足しうるものではないという問題点がある。すなわち、この特開平2-196869号公報には、どのような塩素化パラフィンをいかなる量で含む防汚塗料が耐クラック性、貯蔵安定性、特に耐クラック性に優れているかという点については、教示されていない。
【0008】
特表昭60-500452号および特開昭63-215780号公報には、(メタ)アクリル酸のトリアルキルシリルエステルなどのオルガノシリル基を有するビニル系単量体などを他のビニル系単量体と共重合させてなり、数平均分子量が3000〜40000の防汚塗料用樹脂が記載され、さらにオルトギ酸トリメチル等の有機系水結合剤、酸化第一銅等の防汚剤、ベンガラ等の顔料などを配合し得る旨記載されているが、特開平6-157940号公報にも記載されているように、この防汚塗料用樹脂は、貯蔵中にゲル化しやすく、この防汚塗料から形成される塗膜は、耐クラック性、耐剥離性に劣るとの問題点がある。
【0009】
また上記特表昭60-500452号に対応する特公平5-32433号公報には、毒物(a)と、式[(−CH2-CXCOOR)−(B)−:XはHまたはCH3であり、RはSiR’3又はSi(OR’)3でR’はアルキル基などを示し、Bはエチレン性不飽和単量体残基を示す]で表される反復単位を有し、特定の加水分解速度などを有する重合体結合材(b)とからなる防汚塗料が開示され、さらに溶剤、水感受性顔料成分、不活性顔料、充填剤、遅延剤を含有し得る旨記載されているが、この公報記載の防汚塗料から得られる塗膜は、耐クラック性に劣るとの問題点がある。
【0010】
特開平7-18216号公報には、A)分子内に、式:-COO-SiR123(R1〜R3は炭素数1〜18のアルキル基などを示す)で表されるトリ有機珪素エステル基を有する有機珪素含有重合体と、B)銅または銅化合物とを主成分とする塗料組成物において、上記のA,B成分以外の必須成分として、C)式:
【0011】
【化1】
Figure 0003906936
【0012】
(R4〜R6は水素原子、炭素数1〜18のアルコキシ基、シクロアルコキシ基、などを示し、R7は炭素数1〜18のアルキル基などを示し、nは1〜3の整数を示す)で表されるアルコキシ基含有珪素化合物を含有した塗料組成物が開示されており、また該公報の発明の構成・作用の欄には、該塗料組成物には塩素化パラフィンなどの可塑剤、アクリル樹脂などの樹脂が必要に応じて含まれていてもよい旨記載されている。しかしながら、該公報に記載の塗料組成物から得られる塗膜は、耐クラック性に劣るとの問題点がある。
【0013】
なお、特開平7-102193号公報には、式:
【0014】
【化2】
Figure 0003906936
【0015】
(但し、式中R1〜R3はいずれもアルキル基、アリール基の中から選ばれた基であって、互いに同一の基であっても異なる基であってもよい。Xはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレオイルオキシ基またはフマロイルオキシ基である。)で表される単量体Aと、式:Y−(CH2CH2O)n−R4(但しR4はアルキル基またはアリール基であり、Yはアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であり、nは1〜25の整数である。)で表される単量体Bとを含む単量体混合物の共重合体と、防汚剤とを必須成分として含有する塗料組成物が開示されている。
【0016】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、特に耐スライム性に優れ、耐クラック性、耐剥離性、防汚性、自己研磨性(消耗性)に優れた防汚塗膜を形成でき、しかも貯蔵安定性にも優れているような防汚塗料組成物を提供することを目的としている。
【0017】
また本発明は、このような防汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物を提供することを目的としている。
【0018】
【発明の概要】
本発明に係る防汚塗料組成物は、重合性不飽和カルボン酸のトリアルキルシリルエステルから誘導される成分単位を20〜65重量%の量で有し数平均分子量が1000〜50000の被膜形成性共重合体と、
該被膜形成性共重合体100重量部に対して9.6〜65重量部の量の塩素化パラフィンと、
防汚剤として該被膜形成性共重合体100重量部に対して0.5〜600重量部の量のジンクピリチオンと、30〜1200重量部の量の亜酸化銅とが含有され、かつ、
該被膜形成性共重合体100重量部に対して5〜400重量部の量の亜鉛華が含有されていることを特徴としている。
【0019】
本発明においては、上記塩素化パラフィンが、該被膜形成性共重合体100重量部に対して10〜65重量部、好ましくは18〜55重量部、さらに好ましくは20〜50重量部、特に好ましくは20〜40重量部の量で含有され、ジンクピリチオンが0.5〜600重量部、好ましくは1〜500重量部の量で含有されていることが好ましい。
【0020】
本発明においては、防汚剤として、上記ジンクピリチオンと共にさらに銅または銅化合物(例;亜酸化銅)が含まれ、かつ亜鉛華を含有することが好ましい。本発明においては、上記塩素化パラフィンの平均炭素数が8〜30であり、塩素含有率が35〜75%であることが好ましい。
【0021】
本発明の好ましい態様においては、上記トリアルキルシリルエステルとしては、該エステルの珪素原子に結合している3つのアルキル基のうちの少なくとも1つが炭素数3以上のものであるトリアルキルシリルエステルが望ましく、さらにはこの3つのアルキル基の炭素原子数がすべて4以上であるものが好ましく、特にトリブチルシリル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0022】
本発明に係る防汚塗膜は、上記防汚塗料組成物から形成されている。
本発明に係る船体または水中構造物の防汚方法は、上記防汚塗料組成物を用いることを特徴としている。
【0023】
本発明に係る防汚塗膜被覆船体または水中構造物は、上記の防汚塗料組成物からなる塗膜にて船体または水中構造物の表面が被覆されていることを特徴としている。
【0024】
このような本発明に係る一液タイプの防汚塗料組成物によれば、特に耐スライム性に優れ、しかも耐クラック性に優れ、船底などの基材あるいはプライマー層などに対する耐剥離性などの物性に優れ、防汚性に優れ、消耗性(自己研磨性)に優れた防汚塗膜を形成することができ、加えてこの防汚塗料組成物は、貯蔵安定性にも優れている。
【0025】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る防汚塗料組成物について、具体的に説明する。
被膜形成性共重合体
本発明に係る防汚塗料組成物は、下記のような被膜形成性共重合体と、塩素化パラフィンと、防汚剤としてのジンクピリチオンとを含有しており、この被膜形成性共重合体は、重合性不飽和カルボン酸のトリアルキルシリルエステルから誘導される成分単位を20〜65重量%の量で有し数平均分子量が1000〜50000である。
【0026】
このトリアルキルシリルエステルは、例えば、下記式[I]:
【0027】
【化3】
Figure 0003906936
【0028】
で表される。この式[I]中、R1は、水素原子またはメチル基等のアルキル基を表し、R2、R3およびR4は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数が1〜18個程度のアルキル基を表し、R2、R3およびR4は互いに異なっていてもよく同一であってもよい。このようなトリアルキルシリルエステルとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸トリメチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリエチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリプロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリブチルシリルエステル等のようにR2、R3およびR4が同一のトリアルキルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸ジメチルプロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸モノメチルジプロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸メチルエチルプロピルシリルエステル等のようにR2、R3およびR4のうちの1部または全部が互いに異なったトリアルキルシリルエステルなどが挙げられる。本発明においては、このようなトリアルキルシリルエステルを1種単独で用いてもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよい。このようなトリアルキルシリルエステルの内では、R2、R3およびR4のうちの少なくとも1つのアルキル基の炭素数が3以上であるものが好ましく、さらにはこの3つのアルキル基の炭素原子数がすべて4以上であるものが好ましく、またR2、R3およびR4の総炭素数が5〜21程度のものが好ましい。このようなトリアルキルシリルエステルのうちでは、特にトリアルキルシリルエステル合成の容易性、あるいはこのようなトリアルキルシリルエステルを用いてなる防汚塗料組成物の造膜性、貯蔵安定性、研掃性の制御のしやすさなどを考慮すると、(メタ)アクリル酸トリブチルシリルエステルが最も好ましく用いられる。
【0029】
このようなトリアルキルシリルエステルと共重合されるモノマー(コモノマー)としては、任意の重合性不飽和化合物(エチレン性不飽和単量体)を用いることができ、このような重合性不飽和化合物としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエステル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類などを挙げることができ、好ましくは、メタアクリル酸メチルエステル(MMA)が用いられる。このようなMMAは、コモノマー(エチレン性不飽和単量体)中に、通常、30重量%以上、好ましくは、50重量%以上の量で含まれていることが好ましく、このような量でMMAを含有してなる共重合体では、ガラス転移温度(Tg)が、例えば30〜60℃と高く、後述するような塩素化パラフィンが配合されてなる防汚塗料組成物からなる塗膜の強度が低下されない。
【0030】
この(メタ)アクリル酸アルキルエステル等のような重合性不飽和化合物から誘導される成分単位とトリアルキルシリルエステルから誘導される成分単位とは、共重合体中においては、原料として用いられた各モノマーのエチレン結合が解裂して通常ランダムに結合している。
【0031】
なお、このような共重合体中にカルボン酸残基が存在していると、得られる防汚塗料組成物の貯蔵安定性を著しく低下させるため、該共重合体中には、カルボン酸残基が存在しないことが望ましい。該共重合体の合成時には、カルボン酸残基を有しない高純度のモノマーを用いることが好ましい。
【0032】
このような皮膜形成性共重合体中には、上述したように1種または2種以上の上記のような重合性不飽和カルボン酸のトリアルキルシリルエステルから誘導される成分単位(トリアルキルシリルエステル成分単位)が含まれていてもよいが、このようなトリアルキルシリルエステル成分単位は、その合計量として20〜65重量%の量で、好ましくは30〜55重量%の量で該共重合体中に含有されていると、この防汚塗料組成物から長期防汚性に優れた防汚塗膜が得られるため好ましい。
【0033】
また、この共重合体のGPC測定による数平均分子量(Mn)は、1000〜50000、好ましくは2000〜20000、さらに好ましくは2500〜15000、特に好ましくは3000〜12000であり、また重量平均分子量(Mw)は、通常1000〜150000(15万)、好ましくは2000〜60000(6万)、さらに好ましくは3000〜30000(3万)であることが望ましく、またこの共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、通常1.0〜4.0、好ましくは1.0〜3.0、特に好ましくは1.0〜2.5であることが望ましく、またこの共重合体のガラス転移温度(Tg℃)は、通常15〜80℃、好ましくは25〜80℃、さらに好ましくは30〜70℃、特に好ましくは35〜60℃であることが望ましく、また、この共重合体の例えば50%キシレン溶液における粘度(25℃、CPS)は、通常30〜1000、好ましくは40〜600であることが望ましい。
【0034】
この共重合体の数平均分子量が上記範囲(1000〜50000)内にあると、長期間の塗膜防汚性能、形成された塗膜の耐ダメージ性(耐衝撃性)および得られる塗料組成物の貯蔵安定性と塗膜の耐クラック性に優れるようになる。
【0035】
このような被膜形成性共重合体(シリルエステル共重合体)として、具体的には、下記のようなものが挙げられ、好ましくは付番▲1▼、▲2▼、さらに好ましくは付番▲1▼に示す被膜形成性共重合体が用いられる。
▲1▼: トリブチルシリルメタクリレート(イ)と、メチルメタクリレート(MMA)との共重合体であって、その共重合比((イ)/(MMA):重量比)が35〜65/65〜35(全成分合計100重量部)であり、数平均分子量(Mn)が1000〜5万、好ましくは3000〜12000であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜15万、好ましくは3000〜30000(3万)であり、分子量分布(Mw/Mn)が、1.0〜4.0、好ましくは1.0〜2.5であり、ガラス転移温度(Tg℃)が30〜70℃、好ましくは35〜60℃であり、その例えば50%キシレン溶液における粘度(25℃、CPS)が、30〜1000、好ましくは40〜600のもの、
▲2▼: トリプロピルシリルメタクリレート(ロ)とメチルメタクリレート(MMA)と2-エチルヘキシルアクリレート(ハ)との共重合体であって、その共重合比((ロ)/(MMA)/(ハ):重量比)が25〜55/74〜35/1〜10(全成分合計100重量部)であり、数平均分子量(Mn)が1000〜5万、好ましくは3000〜12000であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜15万、好ましくは3000〜30000(3万)であり、分子量分布(Mw/Mn)が、1.0〜4.0、好ましくは1.0〜2.5であり、ガラス転移温度(Tg℃)が30〜70℃、好ましくは35〜60℃であり、例えば50%キシレン溶液におけるその粘度(25℃、CPS)が、30〜1500、好ましくは40〜1000のもの、
▲3▼: トリブチルシリルメタクリレート(イ)と、トリプロピルシリルメタクリレート(ロ)と、メチルメタクリレート(MMA)との共重合体であって、その共重合比((イ)/(ロ)/(MMA):重量比)が30〜60/1〜20/69〜20(全成分合計100重量部)であり、数平均分子量(Mn)が1000〜5万、好ましくは3000〜12000であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜15万、好ましくは3000〜30000(3万)であり、分子量分布(Mw/Mn)が、1.0〜4.0、好ましくは1.0〜2.5であり、ガラス転移温度(Tg℃)が30〜60℃、好ましくは35〜55℃であり、例えば50%キシレン溶液におけるその粘度(25℃、CPS)が、30〜1000、好ましくは40〜400のもの、
▲4▼: トリブチルシリルメタクリレート(イ)と、トリプロピルシリルメタクリレート(ロ)と、メチルメタクリレート(MMA)と、2-エチルヘキシルアクリレート(ハ)との共重合体であって、その共重合比((イ)/(ロ)/(MMA)/(ハ):重量比)が30〜60/1〜20/68〜19/1〜10(全成分合計100重量部)であり、数平均分子量(Mn)が1000〜5万、好ましくは3000〜12000であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜15万、好ましくは3000〜30000(3万)であり、分子量分布(Mw/Mn)が、1.0〜4.0、好ましくは1.0〜2.5であり、ガラス転移温度(Tg℃)が30〜60℃、好ましくは35〜55℃であり、例えば50%キシレン溶液におけるその粘度(25℃、CPS)が、30〜1000、好ましくは40〜400のもの、
▲5▼: トリブチルシリルメタクリレート(イ)と、メチルメタクリレート(MMA)と、2-エチルヘキシルアクリレート(ハ)との共重合体であって、その共重合比((イ)/(MMA)/(ハ):重量比)が35〜65/64.9〜34.9/0.1〜10(全成分合計100重量部)であり、数平均分子量(Mn)が1000〜5万、好ましくは3000〜12000であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜15万、好ましくは3000〜30000(3万)であり、分子量分布(Mw/Mn)が、1.0〜4.0、好ましくは1.0〜2.5であり、ガラス転移温度(Tg℃)が30〜70℃、好ましくは35〜60℃であり、例えば50%キシレン溶液におけるその粘度(25℃、CPS)が、30〜1000、好ましくは40〜600のもの、
▲6▼: トリイソプロピルシリルアクリレート(ニ)とメチルメタクリレート(MMA)とエチルアクリレート(ホ)との共重合体であって、その共重合比((ニ)/(MMA)/(ホ):重量比)が40〜65/59〜20/1〜20(全成分合計100重量部)であり、数平均分子量(Mn)が1000〜5万、好ましくは3000〜30000(3万)であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜15万、好ましくは3000〜3万であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜4.0、好ましくは1.0〜3.0であり、ガラス転移温度(Tg℃)が20〜80℃、好ましくは25〜75℃であり、例えば50%キシレン溶液におけるその粘度(25℃、CPS)が30〜1500、好ましくは40〜1300のもの、
▲7▼: トリイソブチルシリルメタクリレート(ヘ)とメチルメタクリレート(MMA)と、2-エチルヘキシルアクリレート(ハ)との共重合体であって、その共重合比((ヘ)/(MMA)/(ハ):重量比)が35〜65/64.9〜34.9/0.1〜10(全成分合計100重量部)であり、数平均分子量(Mn)が1000〜5万、好ましくは3000〜12000であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜15万、好ましくは3000〜30000(3万)であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜4.0、好ましくは1.0〜2.5であり、ガラス転移温度(Tg℃)が25〜80℃、好ましくは30〜70℃であり、例えば50%キシレン溶液におけるその粘度(25℃、CPS)が、30〜2000、好ましくは40〜1500のもの、
など。
【0036】
このような被膜形成性共重合体を調製するには、例えば、通常窒素気流中などの不活性雰囲気下、キシレン等の有機溶媒中で、トリブチルシリルメタクリレート等のトリアルキルシリルエステルと、コモノマー類中にメチルメタクリレートが50重量%以上(例:80重量%)の量で含有された重合性不飽和化合物とを、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系あるいは過酸化物系などの重合開始剤、必要に応じてn−オクチルメルカプタンなどの重合調整剤などの存在下に、2〜12時間程度、50〜120℃程度の温度でラジカル重合等の方法にて反応させればよい。
【0037】
このようにして得られた被膜形成性共重合体には、用いられた各モノマー量に対応する量で各成分単位が含まれている。
なお重合方法は、簡便な上記ラジカル溶液重合法に限定されず、従来より公知の種々の方法を採用することができる。また溶媒としては、上記芳香族(例:キシレン)の他、脂肪族、ケトン、エステル、エーテルなど通常塗料用として汎用されている各種溶剤から任意に選択することができる。溶媒としては、特に水分含有量の低い溶媒が好ましく、このような低水分溶媒を用いると、上記反応時及びその後の加水分解反応を避けることができるため好ましい。なお、アルコール系溶媒は、初期水分含量が高く、しかもシラノールとの反応性を有するため、かかる観点からは上記反応時に用いるのは適当ではない。
【0038】
塩素化パラフィン
塩素化パラフィン(塩化パラフィン;塩パラ)は、得られる防汚塗料組成物からなる塗膜(本明細書中では、「防汚塗膜」とも言う)の耐クラック性の向上に寄与するが、このような塩素化パラフィンとしては、直鎖状でもよく分岐を有していてもよく、室温で液状でも固体(粉体)でもよいが、その平均炭素数が通常、8〜30、好ましくは10〜26のものが好ましく用いられ、その数平均分子量が通常、200〜1200、好ましくは300〜1100であり、粘度が通常1以上(ポイズ/25℃)、好ましくは1.2以上(ポイズ/25℃)であり、その比重が1.05〜1.80/25℃、好ましくは1.10〜1.70/25℃のものが好ましく用いられる。このような炭素数の塩素化パラフィンを用いると、得られる防汚塗料組成物を用いて割れ(クラック)、剥がれの少ない塗膜を形成できる。なお塩素化パラフィンの炭素数は、クラックの抑制効果および得られる塗膜表面の消耗性(更新性)と防汚性から8〜30の範囲にあることが好ましい。また、この塩素化パラフィンの塩素化率(塩素含有量:重量%)は、通常35〜75%、好ましくは35〜65%であることが好ましい。このような塩素化率の塩素化パラフィンを用いると、得られる防汚塗料組成物を用いて割れ(クラック)、剥がれの少ない塗膜を形成できる。なお塩素化パラフィンの塩素化率は、被膜形成性共重合体(シリルエステル共重合体)との混和性(相溶性)、クラックの抑制効果、得られた塗膜表面の消耗性および防汚性の点から、35〜75%の範囲にあることが好ましい。このような塩素化パラフィンとしては、東ソー(株)製の「トヨパラックス150」、「トヨパラックスA-70」などが挙げられる。本発明においては、このような塩素含有率、炭素数などの異なる2種以上の塩素化パラフィンを適宜組み合わせて用いることができる。このように2種以上の塩素化パラフィンを組み合わせて用いる場合には、上記塩素化パラフィンの炭素数、塩素化率は、防汚塗料組成物中に含まれるこれらの塩素化パラフィンの炭素数あるいは塩素化率の平均値で示す。
【0039】
このような塩素化パラフィンは、本発明に係る防汚塗料組成物においては、上記の被膜形成性共重合体100重量部に対して、10〜65重量部、好ましくは18〜55重量部、さらに好ましくは20〜50重量部、特に好ましくは20〜40重量部の量で含まれていることが好ましい。この塩素化パラフィンの量が10〜65重量部の範囲にあると、該防汚塗料組成物にて形成された塗膜に生ずるクラックの抑制効果に優れかつ塗膜強度および耐ダメージ(衝撃)性に優れるようになる。
【0040】
防汚剤(ジンクピリチオン)
防汚剤としては、下記式[II]で示されるジンクピリチオン:[ビス(1-ヒドロキシ-2(1H)-ピリジンチオナート-O,S)-亜鉛]が用いられる。
【0041】
【化4】
Figure 0003906936
【0042】
本発明においては、このようなジンクピリチオン(2-ピリジンチオール-1-オキシド亜鉛塩)に加えて「他の防汚剤」を含有していてもよく、このような他の防汚剤としては、従来より公知の有機系または無機系の各種防汚剤を用いることができ、具体的には、例えば、
亜酸化銅(Cu2O)、銅粉、チオシアン化第1銅(ロダン銅)等の銅または銅化合物の他、下記式[III]で示される金属−ピリチオンおよびその誘導体[式中R1〜R4は、それぞれ独立に水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基を示し、Mは、Cu、Na、Mg、Ca、Ba、Pb、Fe、Al等の金属を示し、nは価数を示す]:
【0043】
【化5】
Figure 0003906936
【0044】
、テトラメチルチウラムジサルファイド、カーバメート系の毒物(例:ジンクジメチルジチオカーバメート、マンガン-2-エチレンビスジチオカーバメート)、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、4,5−ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、ピリジントリフェニルボラン・ロダン銅等を挙げることができ、好ましくは亜酸化銅が用いられる。本発明においては、このような防汚剤をジンクピリチオン(上記式[II]のもの、すなわち上記式[III]で、R1〜R4=H、M=Zn、n=2のものに相当)とともに、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0045】
本発明に係る防汚塗料組成物には、このジンクピリチオンは、上記被膜形成性共重合体100重量部に対して、通常0.5〜600重量部、好ましくは1.0〜500重量部の量で含有されていることが望ましい。このジンクピリチオンの含量が0.5〜600重量部の範囲にあると、耐スライム性に優れかつ耐クラック性に優れるようになる。
【0046】
またこのジンクピリチオンは、防汚塗料組成物中に通常0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の量で含有されていることが望ましい。ジンクピリチオンが配合された防汚塗料組成物の耐スライム性は、防汚塗料組成物中の該ジンクピリチオン含量に大きく依存し、その含有量が0.1〜30重量%の量で含まれていると耐スライム性に優れ、船底に塗布形成されたこの防汚塗料組成物からなる塗膜(防汚塗膜)が没水した際の防汚塗膜の耐クラック性に優れるようになる。
【0047】
また、本発明に係る防汚塗料組成物には、このジンクピリチオンと「他の防汚剤」とは、防汚塗料組成物調製時に用いられる防汚剤、被膜形成性共重合体などの種類あるいはこのような防汚塗料組成物が塗布形成される船舶等の種類(船舶では、外航−内航用、各種海水域用、木造−鋼鉄船用等)などにもより一概に決定されないが、上記被膜形成性共重合体100重量部に対して、防汚剤総量として通常50〜1500重量部の量で、好ましくは80〜1200重量部の量で含有されていることが望ましい。
【0048】
この防汚剤総量が50〜1500重量部であると、防汚性に優れまた耐クラック性に優れる。
【0049】
例えば、防汚剤としてジンクピリチオンと亜酸化銅(Cu2O)とを組み合わせて用いる場合、ジンクピリチオンは、上記のような量で、また、この亜酸化銅は、上記被膜形成性共重合体100重量部に対して通常30〜1200重量部程度の量で防汚塗料組成物中に含有されていても良い。このようにジンクピリチオンと亜酸化銅とを含有していても、本発明の防汚塗料組成物は、前述したような従来例に係る防汚塗料と異なり貯蔵安定性に優れ、貯蔵中に増粘・ゲル化しない。
【0050】
なお、従来の防汚塗料では、ジンクピリチオンを配合すると増粘・ゲル化が起こり、また例えば、特開平6-25560号公報に記載されているように、トリブチル錫メタクリレートとメチルメタクリレートとブチルアクリレートとの共重合体に、ジンクピリチオンと亜酸化銅とが配合された加水分解性自己研磨型の防汚塗料では、該公報にも記載されているように、貯蔵安定性に劣り、長期間保存すると次第に増粘・ゲル化した。しかしながら、本発明の防汚塗料組成物では、ジンクピリチオンを含有し、あるいはジンクピリチオンと他の防汚剤の亜酸化銅とを含有しているにも拘わらず上記のように貯蔵安定性に優れ、貯蔵中に増粘・ゲル化しない。
【0051】
なお、防汚塗料組成物中に2価の銅化合物、例えば、ナフテン酸銅やオクチル酸銅あるいは特開昭62-57464号公報中に記載の金属含有樹脂組成物のうち2価の銅化合物を含む組成のものなどが含有されていると、従来例に係る防汚塗料であってもジンクピリチオンが配合された防汚塗料は、防汚塗料中のジンクピリチオンはキレート交換により銅−ピリチオンに変化して、防汚塗料の耐スライム性が低下することがあるが、貯蔵中に増粘・ゲル化しにくくなる。
【0052】
このような本発明に係る防汚塗料組成物には、被膜形成性共重合体と塩素化パラフィンとジンクピリチオンとが含有されているが、この他に亜鉛華、脱水剤、タレ止め・沈降防止剤、顔料、前述したような溶剤などを含んでいてもよい。
【0053】
亜鉛華が含有された防汚塗料組成物では、得られる塗膜強度が向上し、塗膜の研掃性を効果的に制御できるが、このような亜鉛華は、上記被膜形成性共重合体(ポリマー)100重量部に対して5〜400重量部の量で配合することが好ましい。
【0054】
本発明の防汚塗料組成物では、ジンクピリチオンとともにこのように亜鉛華が含有されていても、該防汚塗料組成物の貯蔵中における水分存在下での加水分解による防汚塗料組成物の増粘・ゲル化傾向は抑制され、貯蔵安定性に優れている。
【0055】
また脱水剤が含有された防汚塗料組成物では、貯蔵安定性を一層向上させることができ、このような脱水剤としては、具体的には、例えば、無水石膏(CaSO4)、合成ゼオライト系吸着剤(商品名:モレキュラーシーブ等)、オルソギ酸メチル、オルソ酢酸メチル等のオルソエステル類、オルソほう酸エステル、シリケート類やイソシアネート類(商品名:アディティブTI)等が挙げられ、無水石膏、モレキュラーシーブが好ましく、特にモレキュラーシーブが好ましく用いられる。このような脱水剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。なお、無水石膏よりもモレキュラーシーブが特に好ましく用いられるのは、下記の理由による。すなわち、無水石膏が含有された防汚塗料組成物を塗布すると、塗布後のスウェットや降雨の際には、水溶性の水和した石膏が塗膜表面に析出し、塗膜の白化原因となることがあり、またこの防汚塗膜の表面にさらに上塗りを行なう場合には、上塗り性への影響が生ずる傾向があるため、これらを回避するには、モレキュラーシーブを用いることが特に好ましい。
【0056】
なお、このような脱水剤との関連で、前記特開平7-18216号公報記載の塗料組成物と対比しつつ本願発明についてさらに詳説すると、本願発明の防汚塗料組成物には、前記皮膜形成性共重合体として比較的低分子量のものが含有されているために、上記脱水剤が配合されていない防汚塗料組成物においてもある程度、貯蔵中の増粘ゲル化は抑制される。また、もし該防汚塗料組成物の長期貯蔵中に多少増粘し、ゲル化する傾向が認められたとしても、適宜選択された溶剤を用いて該防汚塗料組成物を希釈して船底等に塗布できれば、形成された塗膜は消耗性(自己研磨性)を有しており、良好な防汚性が認められる。このように増粘ゲル化してしているような防汚塗料組成物を塗布形成してなる塗膜であっても、消耗性を有しているのは、主として前述したような量で比較的低分子量の皮膜形成性共重合体と(メタ)アクリル酸エステル系重合体とが組合わせて用いられているためであろうと思われる。
【0057】
これに対して、前記特開平7-18216号公報記載の塗料組成物では、脱水剤が配合されていないと、該塗料組成物の貯蔵中に顕著な増粘ゲル化傾向が見られ、このように増粘ゲル化した塗料組成物を船底等に塗布形成してなる塗膜では、消耗性は殆ど認められず、防汚性に劣る。
【0058】
タレ止め・沈降防止剤としては、有機粘土などのような防汚塗料組成物の貯蔵安定性を害するもの以外は、任意量で配合されていてもよい。このようなタレ止め・沈降防止剤としては、Al、Ca、Znのステアレート塩、レシチン塩、アルキルスルホン酸塩などの塩類、ポリエチレンワックス、アミドワックス、水添ヒマシ油ワックス系,ポリアミドワックス系および両者の混合物、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワックス等が挙げられ、好ましくは水添ヒマシ油ワックス、ポリアミドワックス、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワックスが用いられる。このようなタレ止め・沈降防止剤としては、楠本化成(株)製の「ディスパロン305」、「ディスパロン4200-20」等の商品名で上市されているものが挙げられる。
【0059】
顔料としては、後述するような鱗片状顔料(例:雲母粉)の他、従来公知の有機系、無機系の各種顔料(例:チタン白、ベンガラ)を用いることができる。なお、染料等の各種着色剤も含まれていてもよい。
【0060】
溶剤としては、例えば、脂肪族系、芳香族系(例:キシレン、トルエン等)、ケトン系、エステル系、エーテル系など通常、防汚塗料に配合されるような各種溶剤が用いられる。
【0061】
防汚塗料組成物の製造
このような防汚塗料組成物は、従来より公知の方法を適宜利用することにより製造することができ、例えば、上記被膜形成性共重合体と、該被膜形成性共重合体100重量部に対して18〜65重量部の量の塩素化パラフィンと、0.5〜600重量部の量のジンクピリチオンと、例えば30〜1200、好ましくは50〜1200重量部の量の亜酸化銅(但し防汚剤総量で50〜1500、好ましくは80〜1200重量部)と、5〜400重量部の量で必要により用いられる亜鉛華と、任意量の脱水剤(例:無水石膏、モレキュラーシーブ)、タレ止め・沈降防止剤、顔料、溶剤などとを一度にあるいは任意の順序で加えて攪拌・混合・分散すればよい。
【0062】
この防汚塗料組成物は、1液性で貯蔵安定性に優れ、しかも、例えば、船底に塗布形成されたこの防汚塗料組成物からなる塗膜(防汚塗膜)が没水しても、防汚塗膜のクラックは抑制される。また、該防汚塗料組成物がプライマー表面に塗布される場合、塗布されたプライマー表面からの防汚塗膜の剥離は抑制される。また、本発明の防汚塗料組成物を含む各種防汚塗料による船底等の塗装を複数回行ない、あるいは本発明の防汚塗料組成物を用いて、既に本発明の防汚塗膜が形成されている船底等の表面に修繕塗装等を行う場合においては、前回塗布形成された防汚塗膜表面からの本発明の表面防汚塗膜の剥離は抑制される。しかも、このようにプライマー表面にあるいは修繕すべき船底等の表面に塗布形成された本発明の防汚塗膜では、その消耗制御が可能であり、用いられる環境に応じて必要な消耗度と防汚力(性)を提供することができる。従って、この防汚塗料組成物では、用途に応じて形成すべき防汚塗膜の膜厚を最大限低減化することができるため、経済的にも優れている。
【0063】
本発明に係る防汚塗料組成物には、上記防汚剤と上記被膜形成性共重合体と上記塩素化パラフィンと防汚剤のジンクピリチオンとに加えて、この被膜形成性共重合体と相溶可能な数平均分子量が1000〜100000(10万)の(メタ)アクリル酸エステル系重合体[(メタ)アクリル酸シリルエステル以外の(メタ)アクリル酸系エステルの単独重合体または共重合体]が含有されていてもよい。
【0064】
本発明の防汚塗料組成物においては、上記防汚剤と上記被膜形成性共重合体と上記塩素化パラフィンとジンクピリチオンとに加えて、この被膜形成性共重合体と相溶可能な(メタ)アクリル酸エステル系重合体が配合されていると、一層、得られる塗膜の耐クラック性を一層改善することができ、塗膜の海水消耗速度と防汚性能の持続性を好適な範囲に調整することができ、また既存の防汚塗膜の上に本発明の防汚塗料組成物を上塗りする場合には得られる塗膜の接着性を一層改善する効果を発揮することができるという利点があり、また、上記塩素化パラフィンの配合量を低減しても、得られる塗膜の耐クラック性を改善することができるという利点がある。
【0065】
このような被膜形成性共重合体と相溶可能な(メタ)アクリル酸エステル系重合体としては、前記被膜形成性共重合体調製用として用いられる(メタ)アクリル酸シリルエステル以外の(メタ)アクリル酸系エステルの単独重合体または共重合体が挙げられ、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、少なくとも2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、(メタ)アクリル酸エステル・スチレン系共重合体などが挙げられる。このような(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0066】
これらの(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、被膜形成性共重合体と相溶可能である限り、例えば鎖状であっても分岐状であってもよく、また架橋構造を有していてもよい。
【0067】
ここで、被膜形成性共重合体と「相溶可能」な(メタ)アクリル酸エステル系重合体とは、被膜形成性共重合体(トリアルキルシリル(メタ)アクリレート共重合体ともいう)濃度30重量%のキシレン溶液と、(メタ)アクリル酸エステル系重合体濃度30重量%のキシレン溶液とを、1:1の容量比で25℃において混合したとき、透明な均一溶液となるか、または2液分液層を形成することなく乳白色の均一溶液を形成するような(メタ)アクリル酸エステル系重合体をいう。
【0068】
なお、(メタ)アクリル酸エステル系重合体の数平均分子量が上記のような範囲内にあると、クラックの抑制と、消耗度の調整を効果的に行うことができる上に、静置防汚性にも優れた防汚塗膜を形成できる傾向がある。また(メタ)アクリル酸エステル系重合体の数平均分子量が、上記範囲を超えて大きくなると得られる防汚塗膜のクラックの抑制効果は大きく、消耗度の低減効果も大きいが、静置防汚性は低下する傾向があり、また上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体の分子量が上記範囲を超えて小さくなると、得られる防汚塗膜の防汚性を高く維持できても、クラックの抑制効果は低減する傾向がある。
【0069】
このような(メタ)アクリル酸エステル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体あるいはこれらのモノマーの共重合体、
スチレン(ST)等の芳香族ビニル化合物、酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン、プロピレン、ブタジエン、ビニルエーテル化合物などの各種モノマーと(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの共重合体を挙げることができる。
【0070】
このような(メタ)アクリル酸エステル系重合体として、具体的には、例えば、
▲1▼:メタアクリル酸メチル(MMA)とメタアクリル酸ブチル(BMA)との共重合体であって、その共重合比(各成分の重量比で示す。以下同様)(MMA/BMA)が30〜70/70〜30(全成分合計100重量部)であり、数平均分子量が1000〜10万、好ましくは1000〜5万のもの、
▲2▼:メタアクリル酸イソブチル(i-BMA)とメタアクリル酸t−ブチル(t-BMA)とスチレン(ST)とメタアクリル酸ステアリル(SLMA)との共重合体であって、その共重合比(i-BMA/t-BMA/ST/SLMA)が10〜40/10〜40/20〜60/5〜20(全成分合計100重量部)であり、数平均分子量が1000〜10万、好ましくは1000〜8万程度のもの、
▲3▼:メタアクリル酸メチル(MMA)の単独重合体であって、数平均分子量が1000〜10万、好ましくは1000〜2万程度のもの、
▲4▼:メタアクリル酸エチル(EMA)の単独重合体であって、数平均分子量が1000〜10万、好ましくは1000〜2万程度のもの、
▲5▼:メタアクリル酸メチル(MMA)とアクリル酸ブチル(BA)の共重合体であって、その共重合比(MMA/BA)が99〜50/1〜50(全成分合計100重量部)であり、数平均分子量が1000〜10万、好ましくは1000〜5万程度のもの、
▲6▼:メタアクリル酸エチル(EMA)とアクリル酸ブチル(BA)の共重合体であって、その共重合比(EMA/BA)が100〜70/0〜30(全成分合計100重量部)であり、数平均分子量が1000〜10万、好ましくは1000〜3万程度のもの、
などを挙げることができる。
【0071】
このような(メタ)アクリル酸エステル系重合体のうちでは、
好ましくは疎水性のアクリル系ポリマー[(メタ)アクリル酸エステル含量が50重量%を超え、スチレン含量が50重量%未満のもの]、またはスチレン系ポリマー[スチレン含量が50重量%以上のもの]が用いられ、付番▲1▼、▲2▼の(メタ)アクリル酸エステル系重合体が特に好ましく用いられる。
【0072】
このような(メタ)アクリル酸エステル系重合体のガラス転移温度(Tg)は0℃以上であることが好ましく、特に20〜105℃であることが好ましい。なお、ガラス転移温度(Tg)の低い(メタ)アクリル酸エステル系重合体(例:アクリル酸ブチル(BA)ホモポリマー)では、得られる防汚塗膜におけるクラックの抑制効果が低くなることがある。
【0073】
なお、このような(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、塩素化パラフィンが含有されない被膜形成性共重合体含有防汚塗料組成物では、該被膜形成性共重合体100重量部に対して通常10〜200重量部の量で用いられるが、この塩素化パラフィンが含有される防汚塗料組成物ではさらに低減可能であり、該被膜形成性共重合体100重量部に対して5〜200重量部の量で用いることができる。
【0074】
すなわち、このような防汚塗料組成物では、防汚剤は、前記被膜形成性共重合体100重量部に対して、通常50〜1500重量部、好ましくは80〜1200重量部の量で含有され、上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、5〜200重量部、好ましくは10〜200重量部、特に好ましくは15〜160重量部の量で含有され、
上記塩素化パラフィンは通常5〜150重量部、好ましくは8〜100重量部の量で含有され、ジンクピリチオンは、上記防汚剤中に通常0.5〜600重量部、好ましくは1〜500重量部、特に好ましくは2〜400重量部の量で含有されていることが望ましい。この塩素化パラフィン含量が5〜150重量部の範囲にあると、得られる防汚塗膜のクラックに対する抑制効果に優れかつ得られる防汚塗膜の機械的強度が優れるようになる。
【0075】
なお、このような(メタ)アクリル酸エステル系重合体中には、前記被膜形成性共重合体の場合と同様、カルボン酸残基が存在していると、得られる防汚塗料組成物の貯蔵安定性を著しく低下させるため、該(メタ)アクリル酸エステル系重合体中には、カルボン酸残基が存在しないことが望ましく、ポリマーの酸価(AV値)は通常15以下、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下となるように、カルボン酸残基を有しないモノマーを用いることが好ましい。特に、亜鉛華が含有された防汚塗料組成物では、(メタ)アクリル酸エステル系重合体の酸価がゼロを超え大きくなるに連れて、得られる防汚塗料組成物は貯蔵安定性に劣り、増粘、ゲル化が生ずる傾向がある。この傾向は、ジンクピリチオン(ZPT)が含有された本発明の防汚塗料組成物では特に顕著である。
【0076】
このように(メタ)アクリル酸エステル系重合体が含有されている防汚塗料組成物では、例えば、船底に塗布形成されたこの防汚塗料組成物からなる塗膜(防汚塗膜)が没水しても、防汚塗膜のクラックは抑制され、消耗制御は可能であり、用いられる環境に応じて必要な消耗度と防汚性能を提供することができる。従って、このように(メタ)アクリル酸エステル系重合体が含有されている防汚塗料組成物では、用途に応じて防汚塗膜の膜厚を最大限低減化することができるために、経済的にも優れている。
【0077】
本発明に係る防汚塗料組成物には、上記防汚剤と上記の被膜形成性共重合体と上記の塩素化パラフィンとジンクピリチオンとに加えて、下記のような鱗片状顔料とが含有されていてもよい。
【0078】
鱗片状顔料としては、雲母粉、鱗片状のアルミ粉、銅粉、亜鉛末あるいはパール顔料などが挙げられ、雲母粉が好ましく用いられる。
このような雲母粉の原石として、さらに具体的には、シロウンモ、ベニウンモ、ソーダウンモ、セリサイト、バナジンウンモ、イライトなどのシロウンモ系列、
クロウンモ、キンウンモ、テツウンモ、チンワルドウンモなどのクロウンモ系列の他、
カイリョク石、セラドン石などが挙げられるが、一般的には、シロウンモの粉砕物が用いられる。
【0079】
このような鱗片状顔料の平均粒径、アスペクト比などは通常特に限定されないが、好ましくは、その平均粒径が0.1〜200μmであり、アスペクト比が(粒子の長辺/短辺の比)10以上であることが望ましい。
【0080】
このような防汚塗料組成物では、防汚剤は、前記被膜形成性共重合体100重量部に対して、通常50〜1500重量部、好ましくは80〜1200重量部の量で含有され、上記塩素化パラフィンは通常5〜65重量部、好ましくは8〜55重量部の量で含有され、上記鱗片状顔料は通常1〜100重量部、好ましくは5〜90重量部の量で含有され、ジンクピリチオンは通常0.5〜600重量部、好ましくは1〜500重量部の量で含有されていることが好ましい。鱗片状顔料が1〜100重量部の範囲にあるとその添加効果に優れかつ防汚効果にも優れるようになる。
【0081】
このような鱗片状顔料が含有された防汚塗料組成物では、前記効果に加えて、特に耐クラック性に優れた防汚塗膜を形成することができる。
なお、一般的に、鱗片状顔料を防汚塗料組成物などに配合すれば、得られる塗膜の耐クラック性の向上には効果的であると考えられる。しかしながら、従来の防汚塗料では、生理活性を有しない鱗片状顔料が配合された場合には、得られる防汚塗膜からの防汚剤の溶出は妨げられ、防汚効力は、大幅に低下してしまうとの問題点があった。ところが、本発明のような自己研磨性(消耗性)に優れたシリルエステル系防汚塗料組成物(AF)から形成される防汚塗膜では、海水中における表面更新性に優れており、塗膜表面に鱗片状顔料が存在していても充分な塗膜の更新性を有する上、もともと防汚活性も極めて高いレベルにあるため、防汚剤の過度の溶出を制御し適切な範囲に保持(制御)しつつ、しかも、没水後のクラックの発生をさらに効率的に抑制することができる。
【0082】
なお、被膜形成性共重合体が(メタ)アクリル酸トリブチルシリルエステル[TBS(M)A]と(メタ)アクリル酸メチル[M(M)A]との共重合体である防汚塗料組成物からなる防汚塗膜を例に採って、さらに具体的に説明すると、海水中では、水酸イオン(OH-)等の影響を受けて、該被膜形成性共重合体中のトリブチルシロキシ基(Bu3SiO−)が該共重合体主鎖に結合しているカルボニル基(−CO−)から切れて、トリブチルシラノール(Bu3SiOH)となって海水中に溶解して行く。一方、主鎖を構成していたポリマーもカルボン酸塩の構造(−COO-)で、海水中に脱落・溶解していくため防汚塗膜の海水との接面(防汚塗膜表面)は、次々と更新されるものと考えられる。このため、防汚塗膜中に含有されていた防汚剤は、速やかに防汚塗膜表面から放出される。ところが、上記のように鱗片状顔料が塗料中に含まれていると、海水と、防汚剤および被膜形成性共重合体との接触は抑制されるため、本発明では、上記のような効果が得られるのであろうと思われる。
【0083】
本発明に係る防汚塗料組成物には、上記防汚剤と上記の被膜形成性共重合体と塩素化パラフィンとジンクピリチオンとに加えて、上記の(メタ)アクリル酸エステル系重合体と鱗片状顔料とが含有されていてもよい。
【0084】
このような防汚塗料組成物では、ジンクピリチオンを含む防汚剤は、前記被膜形成性共重合体100重量部に対して、通常50〜1500重量部、好ましくは80〜1200重量部の量で含有され、
上記塩素化パラフィンは、通常3〜200重量部、好ましくは5〜100重量部、さらに好ましくは10〜100重量部の量で含有され、
上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、通常1〜200重量部、好ましくは5〜100重量部、さらに好ましくは10〜100重量部の量で含有され、上記鱗片状顔料は通常0.5〜400重量部、好ましくは1〜200重量部、さらに好ましくは5〜150重量部の量で含有され、防汚剤中のジンクピリチオンは通常0.5〜600重量部、好ましくは1〜500重量部、さらに好ましくは2〜400重量部の量で含有されていることが望ましい。
【0085】
上記のような防汚塗料組成物を水中構造物(例:原子力発電所の給排水口)の表面に、湾岸道路、海底トンネル、港湾設備、運河・水路等のような各種海洋土木設備の工事用の汚泥拡散防止膜の表面に、あるいは、船舶、漁具(例:ロープ、漁網)などの各種成形体の表面に常法に従って1回〜複数回塗布すれば、耐クラック性、防汚性に優れた防汚塗膜被覆船体または水中構造物などが得られる。なお、この本発明に係る防汚塗料組成物は、直接上記船体または水中構造物等の表面に塗布してもよく、また予め防錆剤、プライマーなどの下地材が塗布された船体または水中構造物等の表面に塗布してもよい。さらには、既に従来の防汚塗料による塗装が行われ、あるいは本発明発明の防汚塗料組成物による塗装が行われている船体、水中構造物等の表面に、補修用として本発明の防汚塗料組成物を上塗りしてもよい。このようにして船体、水中構造物等の表面に形成された防汚塗膜の厚さは特に限定されないが、例えば、30〜150μm/回程度である。
【0086】
【発明の効果】
このような本発明に係る防汚塗料組成物は、特に耐スライム性に優れ、耐クラック性、耐剥離性、防汚性、自己研磨性(消耗性)に優れた防汚塗膜を形成でき、しかも貯蔵安定性にも優れている。
【0087】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例等において、「部」は「重量部」の意味である。また、表中の各成分量例えば、共重合体成分量、塩素化パラフィン(塩パラ)量、着色顔料、亜酸化銅、亜鉛華などの量、あるいは溶媒(例:キシレン)量などは、特に断らない限りいずれも「重量部」表示で示す。
ポリマーの製造例]
(共重合体S−1の製造)
攪拌機、コンデンサー、温度計、滴下装置、加熱・冷却ジャケットを備えた反応容器にキシレン100部を仕込み窒素気流下で90℃の温度条件に加熱攪拌を行った。
【0088】
同温度を保持しつつ滴下装置より、上記反応器内にトリブチルシリルメタクリレート40部、メチルメタクリレート60部および重合開始剤の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2部の混合物を4時間かけて滴下した。
【0089】
その後同温度で4時間攪拌を続けて無色透明の共重合体溶液S−1を得た。
得られた共重合体溶液S−1を105℃で3時間加熱した後の加熱残分は49.9重量%であり、GPCによる残存モノマーの定量結果より各モノマーの95重量%以上は、共重合体中に組み込まれ、反応中の重合率変化は各モノマーでほぼ等しく、これらのモノマーから誘導される各成分単位はそれぞれ用いられたモノマー量比でランダムに配列しているものと考えられる。
【0090】
またこの共重合体溶液S−1中の共重合体(加熱残分)S−1のガラス転移温度(Tg)は51℃であり、共重合体溶液S−1の25℃における粘度は295cpsであり、GPC測定による数平均分子量(Mn)は11200であり、重量平均分子量(Mw)は21200であった。
(共重合体S−2〜共重合体S−6の製造)
上記共重合体S−1の製造の際に、滴下配合成分を表1に示すように変えた以外は、上記と同様にして共重合体S−2、共重合体S−3、共重合体S−4、共重合体S−5および共重合体S−6を得て、上記と同様にこれらの共重合体(溶液)の物性値を測定した。
【0091】
結果を併せて表1に示す。
【0092】
【表1】
Figure 0003906936
【0093】
防汚塗料組成物を構成する際に用いられる相溶性(メタ)アクリル酸エステル系重合体成分(溶液)の種類と物性値[加熱残分(重量%/重合体溶液)および該重合体成分中に含有される相溶性(メタ)アクリル酸エステル系重合体の粘度(ガードナー/25℃)、分子量(Mn:GPC測定による)、酸価(AV)、ガラス転移温度(Tg℃)]を測定した。
【0094】
結果を表2に示す。
【0095】
【表2】
Figure 0003906936
【0096】
【実施例1〜23、比較例1〜5】
[防汚塗料組成物の製造例]
表3〜表8に示す配合組成の各防汚塗料組成物を製造した(各成分量は重量部表示)。
【0097】
表3〜表8に示す配合組成の防汚塗料組成物を製造するに際しては、ガラスビーズを入れたペイントシェーカー内でこれらの配合成分を一緒にして2時間振とうした後、室温で12時間熟成を行った。次いで100メッシュのフィルタにて濾過して、所望の防汚塗料組成物を得た。
【0098】
該防汚塗料組成物についてストーマー粘度計で測定した製造直後の粘度(Ku値/25℃)、および常温で1カ月貯蔵後の粘度を表8および表10に併せて示す。
[防汚性、消耗度、物性の評価]
広島湾の海水中に設置した回転ドラムの側面に取付け可能なように曲げ加工が施された70×200×3mmのサンドブラスト板を用意した。このサンドブラスト板に、エポキシ系ジンクリッチプライマー(乾燥塗膜中の亜鉛末含有率80重量%)、タールエポキシ系防食塗料、ビニル系バインダーコートをそれぞれの乾燥膜厚が20μm、150μm、50μmとなるように順次重ねて塗装した後、供試防汚塗料組成物をその乾燥後の膜厚が200μmとなるように塗装し、試験板を得た。
【0099】
回転ドラムにこの試験板を取り付けて周速15ノット、50%稼働条件(夜間12時間稼働、昼間12時間停止の交互運転)にて12カ月間船舶の運航をシュミレートした後、防汚性(動的防汚性,試験板への各種水棲生物の付着面積%)、消耗度μ(膜厚減少)、物性の評価を行った。
【0100】
結果を表9および表10に示す。
[静置防汚性試験]
100×300×2mmのサンドブラスト鋼板にエポキシ系ジンクリッチプライマー(塗料中の亜鉛末含有率80重量%)、タールエポキシ系防食塗料、ビニル系バインダーコートをそれぞれの乾燥膜厚が20μm、150μm、75μmとなるように1日毎に塗装した後、供試防汚塗料をその乾燥膜厚が100μmとなるように塗装し、試験板を得た。
【0101】
宮島沖に設置した試験筏より供試試験板を水深1mの地点につるし、2カ月、4カ月、6カ月および12カ月の時点で試験板へのスライムの付着程度を評価した。
【0102】
評価結果を表9および表10に示す。
評価基準(点)
なお、スライムの付着程度の評価基準(点)は、以下のとおり。
10:目視でスライムの付着は認められない。
【0103】
9:目視で部分的にごく薄いスライムを認める。
8:極薄いスライムを認める。
7:容易に除去できる透明の薄いスライム層を認める。
【0104】
6:容易に除去できる半透明のスライム層を認める。
5:茶褐色半透明のスライム層に覆われ、スライムを除去しにくい。
4:茶褐色のスライム層に覆われ、スライムを除去しにくい。
【0105】
3:黒褐色のスライム層に覆われ、スライムを除去しにくい。
2:厚い黒褐色のスライム層に覆われ、スライムの除去が困難である。
1:厚い黒褐色のスライム層に覆われ、スライムの除去が極めて困難である。
成分名称等の内容
なお、表中の成分名称等は以下の通りである。
▲1▼「トヨパラックス150」
東ソー(株)製の塩素化パラフィン、平均炭素数:14.5、塩素含有率(量) 50%、粘度:12ポイズ/25℃、比重:1.25/25℃。
▲2▼「トヨパラックスA-40」
東ソー(株)製の塩素化パラフィン、平均炭素数:24.5、塩素含有率(量) 40.5%、粘度:18.5ポイズ/25℃、比重:1.16/25℃。
▲3▼「トヨパラックス 270」
東ソー(株)製の塩素化パラフィン、平均炭素数:12、塩素含有率(量)70%、粘度:4ポイズ/80℃、比重:1.50/80℃。
▲4▼「トヨパラックスA-70」
東ソー(株)製の塩素化パラフィン、平均炭素数:24.5、塩素含有率(量) 70%、白色粉体、比重:1.65/25℃。
▲5▼「モレキュラーシーブ4A」
脱水剤、ユニオン昭和(株)製、合成ゼオライトパウダー。
▲6▼「ディスパロン305」
楠本化成(株)製の水添ヒマシ油系タレ止め剤。
▲7▼「ディスパロン4200-20」
楠本化成(株)製の酸化ポリエチレン系沈降防止剤、20%キシレンペースト。
▲8▼「マイカ白玉」:(有)(脇元雲母)製の鱗片状顔料、平均粒径:15μm、アスペクト比:40。
被膜形成性共重合体中の塩素化パラフィン等の含量(重量%)算出方法
表中、「塩素化パラフィン(重量%)(対共重合体)」、「Cu2O(重量%)(対共重合体)」、「ZnO(重量%)(対共重合体)」等の算出方法は、以下のとおりである。
【0106】
例えば「防汚塗料組成物P−1」では、「塩パラ(塩素化パラフィン)含有量(重量%)(対共重合体すなわち対被膜形成性共重合体、以下同様)」=30.8は、以下のようにして求められる。
【0107】
すなわち、「防汚塗料組成物P−1」中には、塩素化パラフィンは4重量部の量で配合され、また「共重合体成分(溶液)S−1」は26重量部の量で配合されており、この「共重合体成分(溶液)S−1」26重量部中には、加熱残分(共重合体S−1)が49.9重量%の量で含有されている。従って、「防汚塗料組成物P−1」では、「塩素化パラフィン(重量%)(対共重合体)」=[4/{26×49.9/100}]×100%=30.8(重量%)となる。
【0108】
【表3】
Figure 0003906936
【0109】
【表4】
Figure 0003906936
【0110】
【表5】
Figure 0003906936
【0111】
【表6】
Figure 0003906936
【0112】
【表7】
Figure 0003906936
【0113】
【表8】
Figure 0003906936
【0114】
【表9】
Figure 0003906936
【0115】
【表10】
Figure 0003906936

Claims (8)

  1. 重合性不飽和カルボン酸のトリアルキルシリルエステルから誘導される成分単位を20〜65重量%の量で有し数平均分子量が1000〜50000の被膜形成性共重合体と、
    該被膜形成性共重合体100重量部に対して9.6〜65重量部の量の塩素化パラフィンと、
    防汚剤として該被膜形成性共重合体100重量部に対して0.5〜600重量部の量のジンクピリチオンと、30〜1200重量部の量の亜酸化銅とが含有され、かつ、
    該被膜形成性共重合体100重量部に対して5〜400重量部の量の亜鉛華が含有されていることを特徴とする防汚塗料組成物。
  2. 上記塩素化パラフィンが、該被膜形成性共重合体100重量部に対して20〜40重量部の量で含有されていることを特徴とする請求項に記載の防汚塗料組成物。
  3. 上記トリアルキルシリルエステルの珪素原子に結合している3つのアルキル基のうちの少なくとも1つが炭素数3以上のものであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
  4. 上記トリアルキルシリルエステルがトリブチルシリル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
  5. 上記塩素化パラフィンの平均炭素数が8〜30であり、塩素含有率が35〜75%であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の防汚塗料組成物から形成されている塗膜。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の防汚塗料組成物を用いることを特徴とする船体または水中構造物の防汚方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の防汚塗料組成物からなる塗膜にて船体または水中構造物の表面が被覆されていることを特徴とする船体または水中構造物。
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