JP2956263B2 - 塗料組成物 - Google Patents
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Description
が付着するのを防止するための塗料組成物に関するもの
である。
(養殖網、定置網など)、水中汚濁防止膜、冷却のため
の各種吸排水管など、海中物体の表面には、フジツボ、
セルプラ、イガイ、藻類などの付着によつて種々の支障
が起こる。それらの生物による汚損を防止するために、
海中物体の表面に生物が付着するのを防止する塗料が塗
布されることはよく知られている。
料は、塗膜を形成する樹脂は海水中へは溶解せず、防汚
剤だけが海水中へ溶解することによつて、海中生物の付
着を防止する型の塗料であつた。この型の塗料では、一
般的には、初期の防汚効果は良いが、長期には防汚効果
が不足してくる欠点があつた。
は、塗膜を形成する樹脂および防汚剤のいずれもが海水
中に溶解する、いわゆる加水分解性自己研磨型の塗料で
あり、塗膜表面が溶出するため、常に活性な防汚塗膜表
面が維持されることになり、防汚効果の持続性が得られ
やすい。
として、有機錫共重合体を使用した防汚塗料がある。こ
の型の塗料の防汚作用は、防汚剤および樹脂成分の双方
ともに防汚作用を有するが、塗膜の消耗などに限界があ
つたり、逆に消耗しすぎたりして、十分に満足できる効
果は得られていないのが現状である。また、有機錫化合
物による海洋汚染が大きな社会問題となつている。
のひとつとして、海洋汚染防止の観点から提案された、
有機珪素(オルガノシリル基を有する)重合体を使用し
た塗料が、特開昭63−215780号公報に開示さ
れ、注目されている。
有機珪素重合体を使用した塗料には、つぎのような問題
点があつた。
リル基の加水分解が非常に速く、塗膜表面の重合体の側
鎖にカルボキシル基が生じて親水性が増すため、海中浸
漬の初期には塗膜表面の防汚剤が性急に溶出して失わ
れ、好ましくない。
ル基の加水分解が非常に速すぎることは、樹脂自体が安
定性に欠け、塗料製造時の分散工程において、大気中の
湿気や、顔料および防汚剤などに含まれる水分によつて
樹脂自体が加水分解して生じたカルボキシル基が、塗料
の貯蔵中に顔料や亜酸化銅などの金属と錯体を形成し、
樹脂のゲル化をきたすといつた、塗料の貯蔵安定性に欠
点を有していた。その解決のために、水結合剤を使用す
ることも提案されているが、ゲル化防止には未だ不十分
である。
合体中に含有されるアルキルシリル基の加水分解は非常
に速いが、その後塗膜表面にはカルボキシル基を側鎖に
持つ重合体が厚い樹脂残渣層を形成する。この樹脂残渣
層の海中への溶出速度が防汚剤の溶出速度に比べて遅
く、塗膜深部の防汚剤の海中への溶出を妨げるため、防
汚効果が不足するという欠点があつた。
は、加水分解したのちに硬く脆くなり、塗膜のクラツク
発生から剥離が発生するという大きな欠点があつた。
鑑み、塗料の貯蔵安定性がよく、かつ塗膜が海中へ浸漬
されたときに適切な速度でかつ均一に海中へ溶解する加
水分解性を示すとともに、この塗膜に経時的なクラツク
の発生や剥離がみられず、さらに塗膜深部の防汚剤の溶
出を妨げる樹脂残渣層が経時とともに生じるおそれも少
なく、長期にわたつてすぐれた防汚性能を発揮する塗料
組成物を提供することを目的としている。
的を達成するために鋭意研究した結果、特異な分子構造
を有する特定の有機珪素重合体を用いることにより、上
記従来の問題点(イ)〜(ニ)をすべて克服できること
を知り、本発明を完成するに至つた。すなわち、本発明
は、つぎの一般式(化2);
ルキル基、アリール基の中から選ばれた基であつて、互
いに同一の基であつても異なる基であつてもよいが、少
なくともひとつは分岐状または環状のアルキル基であ
り、R4は炭素数5以上のアルキル基である)
の重合体、および/または上記単量体Aの1種または2
種以上とこれらと共重合しうるビニル系単量体Bの1種
または2種以上との共重合体と、防汚剤とを必須成分と
して含有することを特徴とする塗料組成物に係るもので
ある。
合体は、上記の一般式にて示される単量体Aの1種また
は2種以上の重合体(以下、重合体Aという)、あるい
は上記単量体Aの1種または2種以上とこれらと共重合
可能なビニル系単量体Bの1種または2種以上との共重
合体(以下、共重合体ABという)である。また、上記
の重合体Aと共重合体ABを併用してもよい。
ように、分子内にトリオルガノシリル基〔Si(R1)
(R2)(R3)〕と、炭素数5以上のアルキル基(R
4)とを有するものであつて、分子内の不飽和部分はシ
ス(マレート)型、トランス(フマレート)型のいずれ
でもよく、両者の混合物であつてもよい。
個の有機基(R1),(R2),(R3)は、アルキル
基、アリール基の中から選ばれた基であつて、互いに同
一の基であつても異なる基であつてもよいが、少なくと
もひとつは、イソプロピル、イソブチル、s−ブチル、
t−ブチルなどの炭素数3〜22の分岐状のアルキル基
であるか、またはシクロプロピル基、シクロブチル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数3〜
22の環状のアルキル基である。他の上記有機基として
は、炭素数1〜22の直鎖状のアルキル基、アリール基
または置換アリール基などがあり、置換アリール基とし
ては、ハロゲン、炭素数10程度までのアルキル基、ア
シル基、ニトロ基またはアミノ基で置換されたアリール
基などが挙げられる。
(R4)としては、炭素数が5以上で通常22までの直
鎖状、分岐状または環状のアルキル基、たとえばブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどの基が挙げられ
る。
水マレイン酸と炭素数5以上のアルコールとのエステル
化反応で得られるマレイン酸モノアルキルエステルに、
トリオルガノシランを脱水縮合させる方法や、上記のマ
レイン酸モノアルキルエステルと、トリオルガノクロロ
シラン類とを塩基(たとえば、トリエチルアミン、イミ
ダゾールなど)の存在下で脱塩化水素反応させる方法な
どがある。また、マレート誘導体に対応するフマレート
誘導体は、マレート誘導体をアミン触媒などで熱異性化
反応させて容易に得ることができる。
ル基の3つの有機基(R1),(R2),(R3)のう
ちの少なくともひとつが前記分岐状または環状のアルキ
ル基であることにより、その立体的な効果につて、加水
分解点であるエステル結合部分への水分の接近を妨げ、
加水分解の速度を遅らせて、この速度を適正化する働き
がある。その結果、重合体の安定性を高め、重合体の親
水性化を遅らせて防汚剤の初期の性急な溶出を防止し、
同時に厚い樹脂残渣層の形成をなくし、塗膜表面を常に
活性化してすぐれた防汚効果を長期に持続させる。
ノシリル基のほかに、分子末端に炭素数5以上のアルキ
ル基(R4)を有していることにより、このアルキル基
が内部可塑剤的な役割を果たして、重合体の加水分解前
後における塗膜硬度の上昇を抑制し、これにより前記従
来の塗膜の欠点であつた経時的なクラツクの発生やこれ
に基づく塗膜の剥離を未然に防止する。
量体Bとしては、たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステ
ル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エ
ステル類、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチルなどのアクリル酸エステル類、マレイン酸ジメチ
ル、マレイン酸ジエチルなどのマレイン酸エステル類、
フマール酸ジメチル、フマール酸ジエチルなどのフマー
ル酸エステル類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチ
ルスチレン、クロトン酸エステル類、イタコン酸エステ
ル類などが挙げられる。
に用途や目的に応じた種々の性能を付与するための改質
成分として作用し、また単量体A単独に比ベてより高分
子量の重合体を得るのにも好都合な成分である。この単
量体Bの使用量は、上記性能と単量体Aに基づく防汚効
果とを勘案して、適宜の範囲に設定される。共重合体A
Bを構成する単量体Aの割合が少なくとも5重量%、好
ましくは少なくとも10重量%であれば、塗膜の防汚効
果が十分に発揮されるから、上記範囲内で単量体Bの使
用量を適宜設定すればよい。
き単量体Aまたはこれと単量体Bとを、ビニル重合開始
剤の存在下、常法に準じて溶液重合、塊状重合、乳化重
合、懸濁重合などの各種方法で重合させることにより、
得ることができる。重合体を塗料用として使用するに際
しては、有機溶剤にて希釈して、適当な粘度の重合体溶
液とするのが好都合であり、そのためには、溶液重合法
または塊状重合法を採用するのが望ましい。
25℃であるのが好都合であり、そのためには、重合体
溶液の固型分は5〜90重量%、好ましくは15〜85
重量%の範囲となるようにするのがよい。
重合体ABの重量平均分子量は、1000〜30000
0の範囲にあるのが望ましい。この分子量が1000未
満では、正常な塗膜の形成が難しく、また300000
を超えると塗装時の塗料固型分が低くなるため1回の塗
装によつて薄い塗膜しか得られず、数回の塗装を要する
という不具合が出てくる。
ゾビスイソブチロニトリル、トリフエニルメチルアゾベ
ンゼンのようなアゾ化合物、ベンゾイルパ−オキサイ
ド、ジ−t−ブチルパ−オキサイド、t−ブチルパ−オ
キシベンゾエートなどの過酸化物が使用可能である。
トルエンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプ
タンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブ
チルなどのエステル系溶剤、イソプロピルアルコール、
ブチルアルコールなどのアルコール系溶剤、ジオキサ
ン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶
剤が使用可能であり、これらの単独または2種以上の混
合溶剤として使用する。
体とともに、必須成分のひとつとして使用する防汚剤と
しては、従来公知のものが広く包含される。大別すれ
ば、無機化合物、金属を含む有機化合物および金属を含
まない有機化合物がある。
オシアン酸銅、炭酸銅、塩化銅、硫酸銅などの銅化合
物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸ニツケル、銅−ニツケル
合金などが挙げられる。
化合物、有機銅系化合物、有機ニツケル系化合物および
有機亜鉛系化合物などがあり、その他マンネブ、マンセ
ブ、プロピネブなども挙げられる。
合物としては、トリフエニル錫クロリド、トリフエニル
錫フルオリドなどのトリフエニル錫ハライド、トリシク
ロヘキシル錫クロリド、トリシクロヘキシル錫フルオリ
ドなどのトリシクロヘキシル錫ハライド、トリブチル錫
クロリド、トリブチル錫フルオリドなどのトリブチル錫
ハライド、トリフエニル錫ヒドロオキシド、トリシクロ
ヘキシル錫ヒドロオキシド、ビス(トリフエニル錫)−
α・α−ジブロモサクシネート、ビス(トリシクロヘキ
シル錫)−α・α−ジブロモサクシネート、ビス(トリ
ブチル錫)−α・α−ジブロモサクシネート、ビス−
(トリフエニル錫)オキシド、ビス−(トリシクロヘキ
シル錫)オキシド、ビス−(トリブチル錫)オキシド、
トリフエニル錫アセテート、トリシクロヘキシル錫アセ
テート、トリブチル錫アセテート、トリフエニル錫モノ
クロロアセテート、トリフエニル錫バーサチツク酸エス
テル、トリフエニル錫ジメチルジチオカーバメート、ト
リフエニル錫ニコチン酸エステルなどがある。
銅、ノニルフエノールスルホン酸銅、カツパービス(エ
チレンジアミン)−ビス(ドデシルベンゼンスルホネー
ト)、酢酸銅、ナフテン酸銅、ビス(ペンタクロロフエ
ノール酸)銅などがある。
酢酸ニツケル、ジメチルジチオカルバミン酸ニツケルな
どが、有機亜鉛系化合物としては、酢酸亜鉛、カルバジ
ン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジンクピ
リチオン、エチレンビスジチオカルバミン酸亜鉛などが
ある。
ハロメチルチオフタルイミド、ジチオカルバミン酸、N
−アリールマレイミド、3−置換アミノ−1・3−チア
ゾリジン−2・4−ジオン、ジチオシアノ系化合物など
がある。
リハロメチルチオフタルイミドとしては、N−トリクロ
ロメチルチオフタルイミド、N−フルオロジクロロメチ
ルチオフタルイミドなどが、ジチオカルバミン酸として
は、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフイド、
N−メチルジチオカルバミン酸アンモニウム、エチレン
ビス(ジチオカルバミン酸)アンモニウム、ミルネブな
どが、N−アリ−ルマレイミドとしては、N−(2・4
・6−トリクロロフエニル)マレイミド、N−4−トリ
ルマレイミド、N−3−クロロフエニルマレイミド、N
−(4−n−ブチルフエニル)マレイミド、N−(アニ
リノフエニル)マレイミド、N−(2・3−キシリル)
マレイミドなどが、それぞれ挙げられる。
ジン−2・4−ジオンとしては、3−ベンジリデンアミ
ノ−1・3−チアゾリジン−2・4−ジオン、3−(4
−メチルベンジリデンアミノ)−1・3−チアゾリジン
−2・4−ジオン、3−(2−ヒドロキシベンジリデン
アミノ)−1・3−チアゾリジン−2・4−ジオン、3
−(4−ジメチルアミノベンジリデンアミノ)−1・3
−チアゾリン−2・4−ジオン、3−(2・4−ジクロ
ロベンジリデンアミノ)−1・3−チアゾリジン−2・
4−ジオンなどがある。
アノメタン、ジチオシアノエタン、2・5−ジチオシア
ノチオフエンなどが、トリアジン系化合物としては、2
−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロ
ピルアミノ−s−トリアジンなどが、また他に、2・4
・5・6−テトラクロロイソフタロニトリル、N・N−
ジメチルジクロロフエニル尿素、4・5−ジクロロ−2
−N−オクチル−3−(2H)イソチアゾロン、N・N
−ジメチル−N’−フエニル−(N−フルオロジクロロ
メチルチオ)スルフアミド、テトラメチルチウラムジス
ルフイド、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメ
ート、2−(メトキシカルボニルアミノ)ベンズイミダ
ゾールなどが、それぞれ挙げられる。
剤の中からその1種または2種以上を選択使用するが、
その使用量は、塗料配合中、防汚剤の割合が0.1〜8
0重量%であるのが望ましい。防汚剤が0.1重量%未
満では防汚効果が期待できず、80重量%を超えると形
成される塗膜にクラツク,剥離などの欠陥が生じやすく
なり、効果的な防汚性が得られにくくなる。
には、必要に応じて弁柄、二酸化チタン、タルクなどの
顔料や染料などの着色剤、水結合剤、塗料で常用されて
いるタレ止め剤、色分かれ防止剤、沈降防止剤、消泡剤
などを配合できる。
チル、オルトギ酸トリエチル、オルトギ酸トリブチルな
どのオルトギ酸トリアルキル類、オルト酢酸トリメチ
ル、オルト酢酸トリエチル、オルト酢酸トリブチルなど
のオルト酢酸トリアルキル類、オルトほう酸トリメチ
ル、オルトほう酸トリエチル、オルトほう酸トリブチル
などのオルトほう酸トリアルキル類、テトラメチルシリ
ケート、テトラエチルシリケート、テトラブチルシリケ
ート、テトラ(2−メトキシエチル)シリケート、テト
ラ(2−クロロエチル)シリケートなどのテトラ(置
換)アルキルシリケート類、テトラフエニルシリケー
ト、テトラベンジルシリケートなどのテトラ(置換)ア
リールシリケート類、また、テトラ(置換)アルキルシ
リケート類またはテトラ(置換)アリールシリケート類
の縮合物(ダイマー、トリマー、テトラマー、フキサマ
ーなど)などの加水分解性エステル化合物類、フエニル
イソシアネート、ベンゼンスルフオニルイソシアネート
などのイソシアネート基を有する化合物などが挙げられ
る。
れるべき物体の表面に防汚塗膜を形成するには、上記物
体表面に適宜の手段で塗布したのち、常温下ないし加熱
下で溶剤を揮散除去する方法で容易に乾燥塗膜を形成す
ることができる。
散工程および貯蔵中の安定性が良好であり、かつその塗
膜が海中へ浸漬されたときに適切な速度でかつ均一に海
中へ溶解する加水分解性を示し、またこの塗膜に経時的
なクラツクの発生や剥離がみられず、さらに塗膜深部の
防汚剤の溶出を妨げる樹脂残渣層が経時とともに生じる
おそれも少ない。したがつて、海中の生物汚損の防止が
必要な船底部、魚網や冷却水管などの海中構造物、さら
には海洋土木工事の汚泥拡散防止膜などに用いることに
より、これら物体表面の生物付着汚損に対してすぐれた
防汚効果を長期にわたつて持続することができる。
例によつて具体的に説明する。例中の部および%は重量
基準である。分子量はGPCによる重量平均分子量を表
す。なお、以下の製造例で用いた単量体A(A1〜A
7)は、前記の一般式で示した単量体であり、一般式中
のR1〜R3およびR4の基は、つぎの表1に示したと
おりの構造を有するものであり、表中の( )の数字は
基の数を示す。
剤aを仕込み、所定の反応温度に昇温させ、撹拌しなが
ら単量体A、単量体Bおよび重合触媒aの混合液をフラ
スコの中へ3時間で滴下し、滴下終了後同温度で30分
間保持した。ついで、溶剤bと重合触媒bとの混合物を
20分間で滴下し、さらに同温度で2時間撹拌を続けて
重合反応を完結させた。最後に、希釈溶剤を加えて希釈
し、各重合体溶液S1〜S5を得た。
A6、単量体Bおよび重合触媒aを仕込み、完全に密封
して振蕩しながら所定の反応温度に昇温させ、さらに同
温度で8時間振蕩を続けて反応を完結させた。つぎに、
希釈溶剤を加えて1時間振蕩して溶解し、重合体溶液S
6を得た。
単量体A2,A7、単量体Bおよび重合触媒aを仕込
み、撹拌しながら所定の反応温度に昇温させ、同温度で
6時間撹拌を続け、希釈溶剤で希釈して重合体溶液S7
を得た。
オクチル20部、メタクリル酸トリブチル錫40部を用
いた以外は、実施例1と同様の方法で有機錫共重合体溶
液T8を得た。得られた共重合体の分子量は90000
で、50%キシレン溶液である。
35部、ベオバ9(シエル社製のビニルエステルの商品
名)65部を用いた以外は、実施例1と同様の方法で有
機珪素共重合体溶液S9を得た。得られた共重合体の分
子量は15000で、50%キシレン溶液である。
マレート35部、ベオバ9(シエル社製のビニルエステ
ルの商品名)65部を用いた以外は、実施例1と同様の
方法で有機珪素共重合体溶液S10を得た。得られた共
重合体の分子量は4000で、50%キシレン溶液であ
る。
実施例1〜7の試料とし、比較製造例で調製した重合体
溶液T8,S9およびS10を各々比較例1〜3の試料
として、以下の樹脂溶解性試験および樹脂硬度の測定試
験に供した。これらの試験結果を表4に示した。
ラス板(30mm×50mm×1mm)の片面に、乾燥
膜厚が200μmとなるように、各試料を塗布し、デシ
ケーター中20℃,10mmHg以下,16時間の条件
で乾燥させ、各試験片を作製した。各試験片を滅菌ろ過
海水中に所定期間浸漬したのち、蒸留水中に約10秒間
浸漬し、塩分を除去後、乾燥させ、各試験片の海水浸漬
前後の乾燥重量の差から、その浸漬期間中の海水中への
樹脂溶解速度を求めた。溶解速度が10〜70μg/c
m2/日の範囲を合格とした。
たガラス板(30mm×50mm×1mm)の片面に、
乾燥膜厚が200μmとなるように、各試料を塗布し、
デシケーター中20℃,10mmHg以下,16時間の
条件で乾燥させ、各試験片を作製した。各試験片を滅菌
ろ過海水中に所定期間浸漬したのち、蒸留水中に約10
秒間浸漬し、塩分を除去後、乾燥させた。各試験片の海
水浸漬前後の硬度を、エリクセン振り子式硬度計<型
式:モデル299ケーニツヒ式>(ドイツのエリクセン
社製)により、測定した。
硬度を測定するために、振り子の支点を水平上向きに置
いた塗面上に設定し、振り子の振動回数によつて硬度を
測定するもので、振動回数が多いほど、硬度が大きいこ
とを示している。振動回数が30回以下のときを合格と
した。
を2000rpmのホモミキサーで混合分散して、7種
の塗料組成物を調製した。
外は、実施例8〜14と同様にして、3種の塗料組成物
を調製した。
み、2000rpmのホモミキサーで混合分散して、2
3種の塗料組成物を調製した。なお、配合成分中、デイ
スバロンA630−20X〔楠本化成(株)製の商品
名〕は、タレ止め用添加剤である。
の各塗料組成物につき、以下の樹脂残渣層測定試験、超
音波振動試験および防汚性能試験を行い、その性能を評
価した。これらの結果を後記の表11〜表13に示し
た。
処理鋼板(50mm×100mm×1mm)の片面に、
予めタールビニル系防錆塗料を塗布して乾燥させた上
に、各塗料組成物を、乾燥膜厚が2回塗りにて240μ
mとなるようにスプレー塗装し、温度20℃,湿度75
%の恒温恒湿室にて1週間乾燥させ、試験片を作製し
た。
定期間浸漬したのち、蒸留水中に約10秒間浸漬し、塩
分を除去後、乾燥し、エポキシ樹脂に埋設した。その
後、切断し、研磨して、顕微鏡にて塗膜断面を観察し樹
脂残渣層の有無を確認した。樹脂残渣層がないか、あつ
ても層の厚みが5μm以下のものを合格とした。
に用いたのと同様の試験片を作製し、滅菌ろ過海水中に
垂下した直後の試験片と、浸漬後6ケ月の試験片とにつ
いて、超音波洗浄機NS−600(日本精機製作所製)
を用いて、浴寸法が300mm×460mm×深さ18
5mmの槽に160mmの深さまで滅菌ろ過海水を入
れ、供試試験片を槽の底面より100mmの位置に水平
に置き、出力600W、周波数28KHzの振動を5時
間与え、塗膜の剥離状況を観察した。剥離なしを○、剥
離面積50%以内を×、50%を超える場合を××、と
判定した。
(50mm×100mm×1mm)の両面に、予めター
ルビニル系防錆塗料を塗布して乾燥させた上に、各塗料
組成物を、乾燥膜厚が片面2回塗りにて240μmとな
るように両面にスプレー塗装し、温度20℃,湿度75
%の恒温恒湿室にて1週間乾燥させ、試験片を作製し
た。
て、18ケ月の海水浸漬を行い、試験塗膜上の付着生物
の占有面積の割合を経時的に測定した。
いて、まず、比較例1の有機錫共重合体溶液T8の塗膜
は溶解速度が遅く、かつ塗膜の硬化が認められる。した
がつて、これを用いた比較例4,7の塗料組成物の塗膜
は、剥離の危険性があり、長期の防汚効果が不満足であ
つた。
は、前記一般式中のR1〜R3のいずれにも分岐状また
は環状のアルキル基を持たず、かつ一般式中のR4が炭
素数5以上のアルキル基とされたものでないため、この
共重合体溶液から形成される樹脂塗膜では海中での溶解
速度が異常に速いとともに、海中で加水分解したのち塗
膜硬度の上昇が認められた。このため、これらを用いた
比較例5,6,8,9の塗料組成物は、6ケ月浸漬後の
塗膜において剥離が明らかであり、塗膜の防汚性能も短
期間で低下した。
膜については、海水中に浸漬して7日後、30日後、9
0日後のいずれにおいても、安定して適切な溶解性を示
し、かつ浸漬前と浸漬後とで塗膜の硬度にほとんど変化
が認められない(表4)。また、これらを用いた実施例
8〜34の塗料組成物については、樹脂残渣層が皆無で
あるか、実用上影響のない程度に薄く、また超音波振動
による試験でも塗膜の剥離は認められず、さらに汚染性
能試験では、生物の付着は18ケ月経過後でも全く認め
られなかつた(表11〜13)。
較例4〜9の塗料組成物につき、貯蔵安定性試験とし
て、各塗料組成物を容量250ccのマヨネーズ瓶に2
00cc入れて密封し、これを25℃、75%RHの恒
温恒湿器中に保存して、6ケ月後の各塗料組成物のゲル
化の有無を調べた。その結果、実施例8〜34の塗料組
成物では、いずれもゲル化は認められず、良好な貯蔵安
定性を有していたが、比較例4〜9の塗料組成物は、い
ずれも1ケ月ですでにゲル化した。
明の塗料組成物は、貯蔵安定性にすぐれ、その塗膜は、
海水との接触表面でのみ適切な速さで加水分解が起こ
り、つづいて海中に溶解して行く。しかも、塗膜の内部
には水が浸透することがなく、加水分解の前後において
も塗膜の硬度には変化が認められず、また樹脂残渣層の
形成も認められないなど、長期にわたり安定した防汚性
能を維持できることが容易に理解できる。
Claims (1)
- 【請求項1】つぎの一般式(化1); 【化1】 (ただし、式中、R1〜R3はいずれもアルキル基、ア
リール基の中から選ばれた基であつて、互いに同一の基
であつても異なる基であつてもよいが、少なくともひと
つは分岐状または環状のアルキル基であり、R4は炭素
数5以上のアルキル基である)で示される単量体Aの1
種または2種以上の重合体、および/または上記単量体
Aの1種または2種以上とこれらと共重合しうるビニル
系単量体Bの1種または2種以上との共重合体と、防汚
剤とを必須成分として含有することを特徴とする塗料組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10993691A JP2956263B2 (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | 塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10993691A JP2956263B2 (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | 塗料組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04264170A JPH04264170A (ja) | 1992-09-18 |
JP2956263B2 true JP2956263B2 (ja) | 1999-10-04 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10993691A Expired - Lifetime JP2956263B2 (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | 塗料組成物 |
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Country | Link |
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Families Citing this family (8)
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JP4493771B2 (ja) * | 1999-05-13 | 2010-06-30 | 中国塗料株式会社 | 防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている防汚塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物 |
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-
1991
- 1991-02-18 JP JP10993691A patent/JP2956263B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH04264170A (ja) | 1992-09-18 |
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