JP5281218B2 - 防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている防汚塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物 - Google Patents

防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている防汚塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物 Download PDF

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発明の技術分野
本発明は、防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている防汚塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物に関し、さらに詳しくは、得られた塗膜にクラックが発生しにくく、塗膜付着性が良好で塗膜剥離が起きにくく、塗膜の加水分解速度が良好に制御され、防汚性特に高汚損環境下における防汚性や長期防汚性に優れた防汚塗膜が得られる防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている防汚塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物に関する。
発明の技術的背景
船底、水中構造物、漁網などは、水中に長期間さらされることにより、その表面に、カキ、イガイ、フジツボ等の動物類、ノリ(海苔)等の植物類、あるいはバクテリア類などの各種水棲生物が付着・繁殖すると、外観が損ねられ、その機能が害されることがある。
特に船底にこのような水棲生物が付着・繁殖すると、船全体の表面粗度が増加し、船速の低下、燃費の拡大などを招くことがある。また、このような水棲生物を船底から取り除くには、多大な労力、作業時間が必要となる。また、バクテリア類が水中構造物などに付着・繁殖し、さらにそこにスライム(ヘドロ状物)が付着して腐敗を生じたり、更に大型の付着生物が鉄鋼構造物などのような水中構造物の表面に付着・繁殖してその水中構造物の腐食防止用の塗膜などを損傷すると、その水中構造物の強度や機能が低下し寿命が著しく低下する等の被害が生ずる虞がある。
従来では、このような被害を防止すべく、船底などには防汚性に優れた防汚塗料として、例えば、トリブチル錫メタクリレートとメチルメタクリレート等との共重合体と、亜酸化銅(Cu2O)とを含有するものが塗布されていた。この防汚塗料中の該共重合体は、海水中で加水分解されてビストリブチル錫オキサイド(トリブチル錫エーテル,Bu3Sn-O-SnBu3:Buはブチル基)あるいはトリブチル錫ハロゲン化物(Bu3SnX:Xはハロゲン原子)等の有機錫化合物を放出して防汚効果を発揮するとともに、加水分解された共重合体自身も水溶性化して海水中に溶解していく「加水分解性自己研磨型塗料」であるため、船底塗装表面は、樹脂残渣が残らず、常に活性な表面を保つことができる。
しかしながら、このような有機錫化合物は、毒性が強く、海洋汚染、奇形魚類や奇形貝類の発生、食物連鎖による生態系への悪影響などが懸念され、これに代わり得るような錫を含有しない防汚塗料の開発が求められている。
このような錫を含有しない防汚塗料としては、例えば、▲1▼特開平4-26417 0号公報、▲2▼特開平4-264169号公報、▲3▼特開平4-264168号公報に記載のシリルエステル系防汚塗料が挙げられる。しかしながら、これらの防汚塗料には、▲4▼特開平6-157941号公報、▲5▼特開平6-157940号公報などにも教示されているように、防汚性に劣り、クラック、剥離が生ずるとの問題点がある。
また、▲6▼特開平2-196869号公報には、トリメチルシリルメタクリレート、エチルメタクリレートおよびメトキシエチルアクリレートをアゾ系重合開始剤の存在下に共重合してなり、トリメチルシリル基によりブロックされたカルボン酸基を含有するブロックされた酸官能性コポリマー(A)と、多価カチオンの化合物(B)とを含有する防汚塗料が教示されている。しかしながら、この防汚塗料から得られる塗膜は、耐クラック性が充分満足しうるものではないという問題点がある。
▲7▼特表昭60-500452号および特開昭63-215780号公報には、(メタ)アクリル酸のトリアルキルシリルエステルなどのオルガノシリル基を有するビニル系単量体などを他のビニル系単量体と共重合させてなり、数平均分子量が3000〜40000の防汚塗料用樹脂が記載され、さらにオルトギ酸トリメチル等の有機系水結合剤、酸化第一銅等の防汚剤、ベンガラ等の顔料などを配合し得る旨記載されているが、上記▲5▼特開平6-157940号公報にも記載されているように、この防汚塗料用樹脂は、貯蔵中にゲル化しやすく、この防汚塗料から形成される塗膜は、耐クラック性、耐剥離性に劣るとの問題点がある。
また上記▲7▼特表昭60-500452号に対応する特公平5-32433号公報には、毒物(a)と、式[(−CH2-CXCOOR)−(B)−:XはHまたはCH3であり、RはSiR’3又はSi(OR’)3でR’はアルキル基などを示し、Bはエチレン性不飽和単量体残基を示す]で表される反復単位を有し、特定の加水分解速度などを有する重合体結合材(b)とからなる防汚塗料が開示され、さらに溶剤、水感受性顔料成分、不活性顔料、充填剤、遅延剤を含有し得る旨記載されているが、この公報記載の防汚塗料から得られる塗膜は、耐クラック性に劣るとの問題点がある。
▲8▼ 特開平7-18216号公報には、(A)分子内に、式(I):-COO-SiR123(R1〜R3は炭素数1〜18のアルキル基などを示す)で表されるトリ有機珪素エステル基を有する有機珪素含有単量体Aの重合体と、(B)銅または銅化合物とを主成分とする塗料組成物において、上記の(A),(B)成分以外の必須成分として、(C)式:
Figure 0005281218
((C)中、R4〜R6は水素原子、炭素数1〜18のアルコキシ基、シクロアルコキシ基、などを示し、R7は炭素数1〜18のアルキル基などを示し、nは1〜3の整数を示す)で表されるアルコキシ基含有珪素化合物を含有した塗料組成物が開示されている。また、該公報には、上記式(I)で表される基を有する単量体Aと共重合可能なビニル系単量体Bとの共重合体ABが含まれていてもよい旨記載され、単量体Bとして、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられている。
しかしながら、該公報に記載の塗料組成物から得られる塗膜は、耐クラック性や高汚損環境下における防汚性に劣るとの問題点がある。なお、高汚損環境下とは、船舶または水中構造物が内海などの富栄養海域環境や更にそのような海域で静置されたり、あるいは船舶などでは運航〜停止を頻繁に繰り返したり10ノット以下程度の低速で稼動しているような状態を指す。
なお、▲9▼ 特開平7-102193号公報には、式:X−SiR123(但し、式中R1〜R3はいずれもアルキル基、アリール基の中から選ばれた基であって、互いに同一の基であっても異なる基であってもよい。Xはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレノイルオキシ基またはフマロイルオキシ基である。)で表される単量体Aと、
式:Y−(CH2CH2O)n−R4(但しR4はアルキル基またはアリール基であり、Yはアクリロイルオキシ基またはメ タクリロイルオキシ基であり、nは1〜25の整数である。)で表される単量体Bとを含む単量体混合物の共重合体と、防汚剤とを必須成分として含有する塗料組成物が開示されている。さらに、該防汚剤としては、無機化合物として亜酸化銅、銅粉等の銅化合物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられ、金属を含む有機化合物としてオキシン銅等の有機銅系化合物;有機ニッケル系化合物;ジンクピリチオン等の有機亜鉛系化合物;が挙げられている。しかしながら、該公報には、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等を用いた有機シリルエステル基含有重合体は何ら示されていない上に、高汚損環境下における防汚性に劣るとの問題点がある。
(10) 特開平8-199095号公報には、上記特開平7-102193号公報に記載の式(1):X−SiR123で表される単量体Aと、
式(2):Y−(CH(R4))−(OR5)(但しR4はアルキル基、R5はアルキル基またはシクロアルキル基である。Yはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレイノイルオキシ基またはフマロイルオキシ基である。)で表される単量体Bと、必要によりこれらA、Bと共重合可能なビニル系単量体Cとを含む単量体混合物の共重合体と、防汚剤とを必須成分として含有する塗料組成物が開示されている。このビニル系単量体Cとしては、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられている。さらに、該防汚剤としては、無機化合物として亜酸化銅、銅粉等の銅化合物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられ、金属を含む有機化合物としてオキシン銅等の有機銅系化合物;有機ニッケル系化合物;ジンクピリチオン等の有機亜鉛系化合物;が挙げられている。
(11) 特開平8−269388号公報には、式(1):X−SiR123
(但し、式中R1〜R3はいずれも炭素数1〜20の炭化水素基であって、互いに同一の基であっても異なる基であってもよい。Xはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレノイルオキシ基、フマロイルオキシ基またはイタコノイルオキシ基である。)で表される単量体Aと、式(2):Y−(CH2CH2O)n−R4(但しR4はアルキル基またはアリール基であり、Yはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレイノイルオキシ基、フマロイルオキシ基またはイタコノイルオキシ基であり、nは1〜25の整数である。)で表される単量体Bとを含む単量体混合物の共重合体と、ビス(2−ピリジンチオール−1−オキシド)銅塩(:銅ピリチオン)とを、必須成分として含有する塗料組成物が開示されている。さらに、上記単量体Aとして、ジメチル−t−ブチルシリルアクリレート等が挙げられ、上記防汚剤としては、無機化合物として亜酸化銅、銅粉等の銅化合物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられ、金属を含む有機化合物としてオキシン銅等の有機銅系化合物;有機ニッケル系化合物;ジンクピリチオン等の有機亜鉛系化合物;が挙げられている。また、添加可能な溶解速度調整剤としてロジン、ロジン誘導体などが挙げられている。
(12) 特開平8-269389号公報には、トリオルガノシリル基を有する不飽和単量体Aと、下記式(2)〜(9)の何れかで表される単量体Bとを含む単量体混合物の共重合と、防汚剤とを含有する塗料組成物が開示されている。
各単量体Bは、それぞれ下記の通りである。
式(2)CH2=CR4COOR5−NR67[R4 は、HまたはCH3 を示し、R5はアルキレン基を示し、R6、R7は、アルキル基であって、互いに同一でも異なっていてもよい。]で示される三級アミノ基含有単量体、
式(3)CH2=CR8COOR9−NR101112(Y)[R8はHまたはCH3を示し、R9はアルキレン基を示し、R10〜R12は、アルキル基であって、互いに同一でも異なっていてもよく、Yはハロゲン原子を示す。]で示される四級アンモニウム塩含有単量体、
式(4)CH2=CH−Z[ZはN含有複素環からなる基を示す。]で示される窒素含有複素環を含む単量体、
式(5)CH2=CR13COO(R14O)m(R15O)n(R16O)o−R17[R13は、H、CH3を示し、R14はエチレン基を示し、R15は炭素数3のアルキレン基を示し、R16は炭素数4のアルキレン基を示し、R17はアルキル基、アリール基を示す。m、n、oは0以上の整数でn、oは同時に0でない。]で示される分子内にアルコキシ基またはアリーロキシアルキレングリコール基を有する単量体、
式(6)CH2=CR18CONR1920[R18は、H、CH3を示し、R19、R20 は、アルキル基であり互いに同一でも異なっていてもよい。]で示される(メタ)アクリル酸アミド、
式(7)CH2=CR21CON()Q[R21は、H、CH3を示し、N()Qは、N含有基で、QにO、N、S等を含有してもよい。]で示される窒素含有環状炭化水素基を含む(メタ)アクリル酸アミド、
式(8)CH2=CR23COOCH2−T[R23は、H、CH3を示し、Tは、フラン環、テトラヒドロフラン環を示す。]で示されるフラン環含有(メタ)アクリル酸系エステル、
式(9)CH2=CH−CN。
また、上記単量体A、Bと共重合可能な任意成分として、アクリル酸、アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等種々の共重合性モノマーが挙げられている。
またその実施例には、トリn−ブチルシリルアクリレート(TBSA)とジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEMA)とメチルメタクリレート(MMA)とからなる共重合体や、トリn−ブチルシリルアクリレート(TBSA)とN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)とメチルメタクリレート(MMA)とからなる共重合体等が示されているが、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等を用いた共重合体は何ら示されていない。
また、該組成物に配合可能な成分として、上記特開平8-269388号公報に記載の防汚剤と同様の防汚剤が挙げられている。
(13) 特開平8-269390号公報には、式(1):X−SiR123
(但し、式中R1〜R3は何れもアルキル基、アリール基の中から選ばれた基であって、互いに同一の基であっても異なる基であってもよい。Xはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレノイルオキシ基、フマロイルオキシ基またはイタコノイルオキシ基である。)で表される単量体Aを用いた重合体と、
式(2):Y−(CH2CH2O)n−R4(但しR4はアルキル基またはアリール基であり、Yはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレイノイルオキシ基、フマロイルオキシ基またはイタコノイルオキシ基であり、nは1〜25の整数である。)で表される単量体Bを用いた重合体と、
防汚剤とを含む塗料組成物が開示されている。上記防汚剤としては、上記特開平8-269388号公報に記載の防汚剤と同様の防汚剤が挙げられている。また、添加可能な成分としてロジン等の樹脂、沈降防止剤などが挙げられている。
(14) 特開平8-277372号公報には、前記(11):特開平8-269388号公報に記載の式(1):X−SiR123で表される単量体Aと、同じく同公報に記載の式(2):Y−(CH2CH2O)n−R4で表される単量体Bとを含む単量体混合物の共重合体と、トリフェニルボロンピリジン錯体とを含有し、樹脂成分および海棲生物付着阻害剤が金属を含まない重合体および金属を含まない有機系阻害剤のみで構成された塗料組成物が開示されている。また、添加可能な溶解速度調整剤としてロジン、ロジン誘導体などが挙げられている。
(15) 特開平10-30071号公報には、(A)ロジン、ロジン誘導体またはロジン金属塩からなるロジン系化合物の1種または2種以上と、(B)式(1):X−SiR123(但し、式中R1〜R3は何れもアルキル基、アリール基の中から選ばれた基であって、互いに同一の基であっても異なる基であってもよい。Xはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレノイルォキシ基、フマロイルオキシ基、イタコノイルオキシ基、シトラコノイルオキシ基である。)で表される単量体Mの1種または2種以の重合体、および/または、該単量体Mの1種または2種以上とそれ以外の重合性単量体の1種または2種以上との重合体からなる有機シリルエステル基含有重合体と、(C)防汚剤とを含む塗料組成物が開示されている。また、単量体Mと共重合可能な任意成分としての他の単量体として、アクリル酸、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられているが、該公報には、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等を用いた有機シリルエステル基含有重合体は何ら示されていない。
なお、上記防汚剤としては、上記特開平8-269388号公報に記載の防汚剤と同様の防汚剤が挙げられている。また、添加可能な成分として、顔料、塩素化パラフィン、沈降防止剤などが挙げられている。
しかしながらこれら▲9▼〜(15)には、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等を用いた有機シリルエステル基含有重合体は何ら示されておらず、また、これら公報に記載の塗料組成物では、得られる塗膜は耐クラック性に劣るか、あるいは得られる塗膜は耐クラック性、耐剥離性(塗膜付着性)、防汚性特に高汚損環境下における防汚性や長期防汚性、自己研磨性などのバランスの点で充分でない。
さらに、(16)特公平5−82865号公報には、共重合可能な任意成分として、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等が挙げられている。また(17)特開平9−48947号公報、(18)特開平9−48948号公報、(19)特開平9−48949号公報、(20)特開平9−48950号公報、(21)特開平9−48951号公報、(22)特公平5−32433号公報、(23)USP4,593,055、(24)特開平2−1968669号公報、(25)WO91/14743には、シリル(メタ)アクリレート系共重合体が記載されている。しかしながら、これら公報(16)〜(25)には、ヒドロキシ含有モノマー等を用いた共重合体は何ら示されていない。また、これら公報(16)〜(25)に記載の共重合体を用いた防汚塗料では、得られる塗膜は耐クラック性に劣るか、あるいは得られる塗膜は耐クラック性、耐剥離性(塗膜付着性)、防汚性特に高汚損環境下における防汚性や長期防汚性、自己研磨性などのバランスの点でさらなる改良の余地がある。
また、(26)特開昭63−215780号公報には、共重合成分としてメチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、アクリルアミド等を用いた共重合体が示され、該共重合体と亜酸化銅とを配合した防汚塗料が示されているが、上記公報に記載の防汚塗料などと同様の問題点がある。
発明の目的
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、得られた塗膜にクラックが発生しにくく、塗膜付着性が良好で塗膜剥離が起きにくく、塗膜の加水分解速度が良好に制御され、防汚性特に高汚損環境下における防汚性や長期防汚性に優れた防汚塗膜が得られる防汚塗料を提供することを目的としている。
また本発明は、このような防汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物を提供することを目的としている。
本発明に係る防汚塗料組成物は、
[A]
防汚剤と、
[B]
(a)式[I]:
Figure 0005281218
[式[I]中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R2、R3、R4は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基の何れかを示す。]
で表されるシリル(メタ)アクリレート成分単位20〜80重量%、
(b)式[II]:
Figure 0005281218
[式[II]中、R5は、水素原子またはメチル基を示し、Zは、酸素原子または−NR7を示し、
Zが酸素原子である場合には、R6は置換基を有していてもよいヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル基または式:
Figure 0005281218
で表されポリアルキレングリコール基[但し、R8は、アルキレン基であり、nは、2〜50の整数を示す。]を示し、
Zが−NR7である場合には、R7は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換アミノ基、アシル基、アルコキシ基の何れかで置換されていてもよいアルキル基を示し、R6は水素原子を示す。]で表されるアクリル系不飽和単量体成分単位0.01〜40重量%、
および
(c)上記(a)成分単位および(b)成分単位以外の他の不飽和単量体成分単位5〜79.99重量%(但し(a)+(b)+(C)=100重量%)
から構成され、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が20万以下であるシリル(メタ)アタリレート共重合体と、
[C]
式[III]:H2C=CHO−R
(式[III]中、Rは炭化水素基を示す。)
で表されるビニルエーテルから誘導される成分単位を含有する(共)重合体と、
を含有することを特徴としている。
本発明に係る防汚塗料組成物は、防汚剤[A]と、上記のシリル(メタ)アクリレート共重合体[B]と、溶出促進成分[D]とを含有することが好ましい。
本発明に係る防汚塗料組成物は、防汚剤[A]と、上記のシリル(メタ)アクリレート共重合体[B]と、上記のビニルエーテル系(共)重合体[C]と、溶出促進成分[D]とを含有することが好ましい。
本発明においては、上記防汚剤が、銅および/または銅化合物であることが好ましい。
本発明においては、上記溶出促進成分が、ロジン、ロジン誘導体、ナフテン酸およびその金属塩のうちから選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
本発明においては、上記いずれの場合においても、上記不飽和単量体成分単位(c)が、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、ビニルエステルのうちから選択される1種または2種以上の化合物から誘導されるものであることが望ましい。
本発明に係る防汚塗膜は、上記記載の防汚塗料組成物から形成されている。
本発明に係る船体または水中構造物の防汚方法は、上記記載の防汚塗料組成物を用いることを特徴としている。
本発明に係る船体または水中構造物は、上記記載の防汚塗料組成物からなる塗膜にて船体または水中構造物の表面が被覆されていることを特徴としている。
本発明に係る防汚塗料組成物によれば、塗膜にクラックが発生しにくく、塗膜付着性が良好で塗膜剥離が起きにくく、塗膜の加水分解速度が良好に制御され、防汚性特に高汚損環境下における防汚性や長期防汚性に優れ、しかもこれら特性にバランスよく優れた防汚塗膜が得られる。
発明の具体的説明
以下、本発明に係る防汚塗料組成物について具体的に説明する。
本発明に係る防汚塗料組成物には、防汚剤[A]と、自己研磨性を有する塗膜形成成分としてのシリル(メタ)アクリレート共重合体[B]とに加えて、
得られる塗膜の防汚性、溶出速度安定性等の向上に寄与し、塗膜形成成分としても機能する成分としてのビニルエーテル系(共)重合体[C]すなわち、式[III]:H2C=CHO−R(式[III]中、Rは炭化水素基を示す。)で表されるビニルエーテルから誘導される成分単位を含有する(共)重合体[C]および/または溶出促進成分[D]が少なくとも含有されている。
<防汚剤[A]>
防汚剤[A]としては、無機系、有機系の何れであってもよく、従来より公知のものを広く用いることができるが、本発明においては、銅および/または銅化合物が好ましい。上記銅化合物としては、その分子量が通常63.5〜2000、好ましくは63.5〜1000のものが用いられる。
このような銅化合物としては、有機系、無機系の銅化合物の何れであってもよく、無機系の銅化合物としては、例えば、亜酸化銅、チオシアン花銅(チオシアン酸第一銅、ロダン銅)、塩基性硫酸銅、塩化銅、酸化銅等が挙げられ、
有機系の銅化合物としては、例えば、塩基性酢酸銅、オキシン銅、ノニルフェノールスルホン酸銅、カツパービス(エチレンジアミン)−ビス(ドデシルベンゼンスルホネート)、ナフテン酸銅、ロジン銅、ビス(ペンタクロロフェノール酸)銅などが挙げられ、好ましくは無機系の亜酸化銅、チオシアン化銅(ロダン銅)が用いられる。
このような銅化合物は、銅に代えて、あるいは銅と共に1種または2種以上組合わせて用いることができる。
このような銅および/または銅化合物は、この防汚塗料組成物中に、合計で通常、1〜70重量%、好ましくは3〜65重量%の量で含まれていることが望ましい。また防汚塗料組成物中に含まれるシリル(メタ)アクリレート共重合体100重童部に対して、該銅および/または銅化合物は、合計で通常、3〜1400重量部、好ましくは10〜1300重量部の量で含まれていることが望ましい。
この銅および/または銅化合物の含有量が、該防汚塗料組成物中にこの範囲にあると、防汚性に優れるようになる傾向がある。
本発明においては、防汚剤として、上記銅および/または銅化合物と共に、あるいは上記銅および/または銅化合物に代えて、下記式[IV]で示されるピリチオン系化合物(すなわち、金属−ピリチオン類)[式中R1〜R4は、それぞれ独立に水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基を示し、Mは、Zn、Cu、Na、Mg、Ca、Ba、Pb、Fe、Al等の金属を示し、nは価数を示す]などが含まれていてもよい。
Figure 0005281218
このようなピリチオン系化合物は、本発明の防汚塗料組成物中に、合計で通常、0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%の量で含まれていることが望ましい。また防汚塗料組成物中に含まれる後述するシリル(メタ)アクリレート共重合体[B]100重量部に対して、該ピリチオン系化合物は、合計で通常、0.3〜300重量部、好ましくは2〜200重量部の量で含まれていることが望ましい。
本発明においては、このピリチオン系化合物と共に、あるいはこのピリチオン系化合物に代えて下記の防汚剤(他の防汚剤)を含有していてもよく、このような他の防汚剤としては、従来より公知の各種防汚剤を用いることができ、具体的には、例えば、
テトラメチルチウラムジサルファイド、カーバメート系の毒物(例:ジンクジメチルジチオカーバメート、マンガン-2-エチレンビスジチオカーバメート)、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、4,5−ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、ピリジン-トリフェニルボラン等を挙げることができる。本発明においては、このような防汚剤をジンクピリチオン(上記式[IV]で、R1〜R4=H、M=Zn、n=2のものに相当)等のピリチオン系化合物とともに、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、この防汚塗料組成物に含まれる銅および/または銅化合物、ピリチオン系化合物などの各種防汚剤の含有量は、防汚塗料組成物調製時に用いられる防汚剤、被膜形成性共重合体などの種類あるいはこのような防汚塗料組成物が塗布形成される船舶等の種類(船舶では、外航−内航用、各種海水域用、木造−鋼鉄船用等)などにもより一概に決定されないが、上記シリル(メタ)アクリレート共重合体100重童部に対して、防汚剤総量として通常10〜1400重量部の量で、好ましくは20〜1300重量部の量で含有されていることが望ましい。
この防汚剤総量が10重量部未満では、防汚性に劣ることがあり、また1400重量部を超えるとそれ以上の防汚性は期待できない上に、耐クラック性に劣ることがある。
例えば、防汚剤として銅ピリチオンと亜酸化銅(Cu2O)とを組み合わせて用いる場合、銅ピリチオンは、シリル(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して2〜200重量部の量で、また、この亜酸化銅は、上記シリル(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して通常10〜1300重量部程度の量で防汚塗料組成物中に含有されていても良い。
<シリル(メタ)アクリレート共重合体[B]>
このシリル(メタ)アクリレート共重合体[B]は、下記式[I]で表されるシリル(メタ)アクリレート成分単位(a)と、下記式[II]で表される不飽和単量体成分単位(b)と、これら成分単位(a)および(b)以外の他の不飽和単量体成分単位(c)とから構成されている。
以下、このシリル(メタ)アクリレート共重合体を構成する各成分単位(a)、(b)、(c)について順次説明する。
[シリル(メタ)アクリレート成分単位(a)]
シリル(メタ)アクリレート成分単位(a)は、下記式[I]で表される。
式[I]:
Figure 0005281218
式[I]中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R2、R3、R4は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基の何れかを示し、上記アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜18、さらに好ましくは1〜6であり、シクロアルキル基の炭素数は、好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜8である。また、上記フェニル基中の水素原子と置換可能な置換基としては、アルキル、アリール、ハロゲンなどが挙げられる。
このようなシリル(メタ)アクリレート成分単位を誘導しうるシリル(メタ)アクリレートは、下記式[I-a]で表される。
式[I-a]:
Figure 0005281218
式[I-a]中、R1は、上記式[I]中のR1と同様のものであって、水素原子またはメチル基を示し、R2、R3、R4も上記式[I]中のR2、R3、R4と同様のものであって、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ上記と同様のアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基の何れかを示す。
このようなシリル(メタ)アクリレート[I-a]としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸トリメチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリエチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリプロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリブチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリsec−ブチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリiso−ブチルシリルエステル等のようにR2、R3およびR4が同一のシリル(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸ジsec−ブチル−メチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル−ジメチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルプロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸モノメチルジプロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸メチルエチルプロピルシリルエステル等のようにR2、R3およびR4のうちの1部または全部が互いに異なったシリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明においては、このようなシリル(メタ)アクリレートは1種または2種以上組み合わせて用いることができる。このようなシリル(メタ)アクリレートの内では、R2、R3およびR4が、それぞれ独立にメチル基、エチル基、n−、iso−プロピル基、sec−,tert−,iso−ブチル基等の炭素数が1〜18程度のアルキル基であるものが好ましく、さらにはR2、R3およびR4のうちの少なくとも1つのアルキル基の炭素数が3以上であるものが好ましく、またR2、R3およびR4の総炭素数が5〜21程度のものが好ましい。このようなシリル(メタ)アクリレートのうちでは、特にシリル(メタ)アクリレート共重合体合成の容易性、あるいはこのようなシリル(メタ)アクリレート共重合体を用いてなる防汚塗料組成物の造膜性、貯蔵安定性、研掃性の制御のしやすさなどを考慮すると、(メタ)アクリル酸トリiso−プロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリiso−ブチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸ジsec−ブチル−メチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル−ジメチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリsec−ブチルシリルエステルが最も好ましく用いられる。
[アクリル系不飽和単量体成分単位(b)]
アクリル系不飽和単量体成分単位(b)(単に、不飽和単量体成分単位(b)とも言う。)は、下記式[II]で表される。
式[II]:
Figure 0005281218
式[II]中、R5は、水素原子またはメチル基を示し、Zは、酸素原子または−NR7を示す。
Zが酸素原子である場合には、R6は置換基を有していてもよいヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル基または式:
Figure 0005281218
で表されるポリアルキレングリコール基[但し、R8は、アルキレン基であり、nは、2〜50の整数を示す。]を示す。
上記式[II]中のヒドロキシアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜18、さらに好ましくは2〜9であり、また上記ヒドロキシシクロアルキル基の炭素数は、好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜8であり、上記ポリアルキレングリコール基中のアルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜8、さらに好ましくは2〜4である。
また、Zが−NR7である場合には、R7は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換アミノ基、アシル基、アルコキシ基の何れかで置換されていてもよい上記と同様の炭素数のアルキル基を示し、R6は水素原子を示す。
このような不飽和単量体成分単位(b)を誘導しうる不飽和単量体は、下記式[II-a]で表される。
式[II-a]:
Figure 0005281218
式[II-a]中、R5は、上記式[II]中のR5と同様のものであって、水素原子またはメチル基を示し、Zは、上記式[II]中のZと同様のものであって、酸素原子または−NR7を示す。
Zが酸素原子である場合には、R6は置換基を有していてもよいヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル基または式:
Figure 0005281218
で表されるポリアルキレングリコール基[但し、R8は、アルキレン基であり、nは、2〜50の整数を示す。]を示す。
上記式[II-a]中のヒドロキシアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜18、さらに好ましくは2〜9であり、また上記ヒドロキシシクロアルキル基の炭素数は、好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜8であり、上記ポリアルキレングリコール基中のアルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜8、さらに好ましくは2〜4である。
また、Zが−NR7である場合には、R7は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換アミノ基、アシル基、アルコキシ基の何れかで置換されていてもよいアルキル基を示し、R6は水素原子を示す。
このような不飽和単量体[II-a]としては、具体的には、例えば、式[II-a]中、Zが酸素原子であるものとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=2)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=4)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=5)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=8)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=10)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=15)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(n=5)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(n=9)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(n=12)等が挙げられる。
また、上記式[II-a]中、Zが−NR7であるものとしては、具体的には、例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
これらの不飽和単量体[II-a]は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの不飽和単量体[II-a]のうちでは、ヒドロキシル基含有モノマーが好ましく、ヒドロキシル基含有モノマーのうちでは2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレートなどを用いると、適度の溶出性を有する防汚塗膜が得られるため好ましい。
[不飽和単量体成分単位(c)]
不飽和単量体成分単位(c)は、上記成分単位(a)および上記成分単位(b)と共に本発明のシリル(メタ)アクリレート共重合体を構成しており、しかも上記成分単位(a)、(b)の何れとも異なる成分単位であって、このような不飽和単量体成分単位(c)を誘導しうる不飽和単量体(c1)としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン類;
酢酸ビニル、安息香酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;
クロトン酸エステル類、イタコン酸エステル類、フマル酸エステル類、マレイン酸エステル類等が挙げられ、これらのうちでは、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、ビニルエステル類が適度の塗膜強度を有する防汚塗膜が得られるため好ましい。
これらの不飽和単量体は、1種または2種以上組み合わせて用いられる。
本発明に係るシリル(メタ)アクリレート共重合体には、上記シリル(メタ)アクリレート成分単位(a)は、20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%の量で、アクリル系不飽和単量体成分単位(b)は0.01〜40重量%、好ましくは0.1〜20重量%の量で、不飽和単量体成分単位(c)は5〜79.99重量%、好ましくは10〜60重量%((a)+(b)+(c)=100重量%)の量で含まれていることが、塗膜強度と消耗性の点で望ましい。
またこのようなシリル(メタ)アクリレート共重合体のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量は、20万以下、好ましくは5000〜10万であることが、該シリル(メタ)アクリレート共重合体を配合した防汚塗料調製の容易性、得られた防汚塗料の塗装作業性、防汚塗膜の消耗速度、耐クラック性などの点で望ましい。
<シリル(メタ)アクリレート共重合体[B]の製造>
このようなシリル(メタ)アクリレート共重合体[B]を得るには、上記式[I-a]で表されるシリル(メタ)アクリレート(a1)20〜80重量%と、上記式[II-a]で表される不飽和単量体(b1)0.01〜40重量%と、上記単量体[I-a]および[II-a]と共重合しうる他の不飽和単量体(c1)5〜79.99重量%(但し(a1)+(b1)+(c1)=100重量%)をラジカル重合開始剤の存在下に、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の各種方法にてランダム重合させればよい。
ラジカル重合開始剤としては、従来より公知のアゾ化合物、過酸化物などを広く用いることができ、アゾ化合物としては、具体的には、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ、
過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシオクテート、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸塩(カリ塩、アンモニウム塩)等が挙げられる。
上記重合物を防汚塗料に用いる場合には、上記各種重合法のうちでは、有機溶剤中で重合が行われる溶液重合法や塊状重合法が好ましく、溶液重合の際用いられる有機溶剤としては、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類;
ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類;
ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;
等が挙げられる。これらの溶剤は、1種または2種以上組み合わせて用いられる。
<ビニルエーテル系(共)重合体[C]>
このビニルエーテル系(共)重合体[C]は、
式[III]:H2C=CHO−R
(式[III]中、Rは炭化水素基を示す。)
で表されるビニルエーテルから誘導される成分単位を含有する(共)重合体である。
上記ビニルエーテル[III]は、ビニルエーテル結合(H2C=CH−O−)を有するビニルエーテルであり、式[III]中の炭化水素基Rとしては、通常炭素数が1〜25の脂肪族系、芳香族系の炭化水素基が挙げられ、直鎖状でも分岐を有していても良く、またシクロヘキシル環に代表されるような脂環構造を有していても良い。また、上記炭化水素基(炭素数が2以上の場合)を構成する炭素原子C1は、該アルキル基中に含まれ炭素原子C1に隣接する炭素原子C2と、酸素原子を介してエーテル結合(C1−O−C2)を形成していても良く、また、炭化水素基を構成する水素原子は、他の官能基(−OH、−NH2など)にて置換されていても良い。
より具体的には、上記式[III]中のRは1価の炭化水素基を示し、1価の炭化水素基としては、アルキル基、置換されていてもよいフェニル基等が挙げられる。
上記ビニルエーテル系(共)重合体は、上記式[III]で表されるビニルエーテルの単独重合体またはこのビニルエーテル[III]を主成分として50重量%以上の量で含有するビニルエーテル系共重合体(これらをまとめて、単に「ビニルエーテル系(共)重合体」とも言う。)であることが望ましい。
上記ビニルエーテル系(共)重合体として具体的には、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソプロピルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテルなどを例示することができる。
このようなビニルエーテル系(共)重合体[C]は、防汚塗料組成物中に、合計で通常、0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%の量で含まれていることが望ましい。また防汚塗料組成物中に含まれる(メタ)アクリル酸シリルエステル系(共)重合体100重量部に対して、該ビニルエーテル系(共)重合体は、通常、0.3〜60重量部、好ましくは0.6〜40重量部の量で含まれていることが望ましい。
このビニルエーテル系(共)重合体が、該防汚塗料組成物中にこの範囲にあると、得られる塗膜の防汚性、耐クラック性、耐剥離防止性、溶出速度安定性に優れるようになる傾向がある。
<溶出促進成分[D]>
溶出促進成分[D]は、海水中で塗膜の自己研磨作用を促進する働きを有し、このような溶出促進成分としては、ロジン(例:商品名「ロジンWW」)およびその誘導体、モノカルボン酸およびその塩等が挙げられる。
ロジンには、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどがあるが、本発明ではいずれをも使用することができる。ロジンの誘導体としては、例えば、不均化ロジン、低融点不均化ロジン、水添ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジン、アルデヒド変性ロジン、ロジンのポリオキシアルキレンエステル、還元ロジン(ロジンアルコール)、ロジンあるいはロジン誘導体の金属塩(ロジンあるいはロジン誘導体の銅塩、亜鉛塩、マグネシウム塩など)、ロジンアミン等が挙げられる。これらのロジン及びその誘導体は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
モノカルボン酸としては、例えば、炭素数5〜30程度の脂肪酸、合成脂肪酸、ナフテン酸が挙げられる。モノカルボン酸の塩としては、Cu塩、Zn塩、Mg塩、Ca塩等が挙げられる。これらの溶出促進成分のうちでは、ロジンまたはその誘導体が好ましい。これらの溶出促進成分は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの溶出促進成分は、防汚塗料組成物中に固形分換算で、0.1〜30重量%、好ましくは、0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜15重量%の量で含有されていることが望ましい。溶出促進成分の配合割合は、塗膜の防汚性能および耐水性能の観点からこの範囲にあることが望ましい。
また防汚塗料組成物中に含まれるシリル(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して、該溶出促進成分は、合計で通常、0.3〜600重量部、好ましくは2〜300重量部の量で含まれていることが望ましい。
この溶出促進成分が、該防汚塗料組成物中にこの範囲にあると、防汚性や塗膜の消耗性に優れるようになる傾向がある。
<防汚塗料組成物>
本発明に係る防汚塗料組成物には、上記のような銅および/または銅化合物に代表される防汚剤[A]と、上記シリル(メタ)アクリレート共重合体[B]とに加えて、ビニルエーテル系(共)重合体[C]および/または溶出促進成分[D]とが少なくとも含有されている。このような防汚塗料組成物によれば、塗膜にクラックが発生しにくく、塗膜付着性が良好で塗膜剥離が起きにくく、塗膜の加水分解速度が良好に制御され、防汚性特に高汚損環境下における防汚性や長期防汚性に優れた防汚塗膜が得られる。
本発明に係る防汚塗料組成物は、上記防汚剤[A]と、シリル(メタ)アクリレート共重合体[B]と、ビニルエーテル系(共)重合体[C]および/または溶出促進成分[D]とを必須成分として含有しているが、
これらの成分[A]、[B]、[C](および/または[D])以外に、酸化亜鉛(亜鉛華)、脱水剤、タレ止め・沈降防止剤、塩素化パラフィン等の可塑剤、着色顔料、体質顔料などの各種顔料、上記ビニルエーテル系(共)重合体を除くアクリル樹脂などの各種樹脂、消泡剤、色別れ防止剤、レベリング剤などの各種添加剤など、下記のような成分を含有していてもよい。
[酸化亜鉛(亜鉛華)]
このような防汚塗料組成物には、酸化亜鉛(亜鉛華)が含有されていても良い。このように酸化亜鉛が配合された防汚塗料組成物では、得られる塗膜強度が向上し、塗膜の研掃性を効果的に制御できる。
また、このような酸化亜鉛は、消耗度調整、塗膜硬度調整の観点から、この防汚塗料組成物中に、通常、0.5〜35重量%、好ましくは1〜25重量%の量で含まれていることが望ましい。
[脱水剤]
この防汚塗料組成物には、無機系あるいは有機系の脱水剤、好ましくは無機系の脱水剤(無機脱水剤)が配合されていても良い。このように脱水剤が配合された防汚塗料組成物では、貯蔵安定性を一層向上させることができる。
脱水剤としては、例えば、無水石膏(CaSO4)、合成ゼオライト系吸着剤(商品名:モレキュラーシーブ等)、オルソギ酸メチル、オルソ酢酸メチル等のオルソエステル類、オルソほう酸エステル、シリケート類やイソシアネート類(商品名:アディティブT1)等が挙げられ、特に無機脱水剤としては、無水石膏、モレキュラーシーブが好ましく用いられる。このような無機脱水剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
このような脱水剤特に無機脱水剤は、上記シリル(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して、通常、0.02〜100重量部、好ましくは0.2〜50重量部の量で配合することが好ましい。
また、このような無機脱水剤は、この防汚塗料組成物中に、合計で通常、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の量で含まれていることが望ましい。このような量で無機脱水剤が防汚塗料組成物中に含まれていると、貯蔵安定性が向上する傾向がある。
[タレ止め・沈降防止剤]
タレ止め・沈降防止剤としては、公知のタレ止め、沈降防止剤が任意量で配合されていてもよい。このようなタレ止め・沈降防止剤としては、Al、Ca、Znのステアレート塩、レシチン塩、アルキルスルホン酸塩などの塩類、ポリエチレンワックス、アミドワックス、水添ヒマシ油ワックス系,ポリアマイドワックス系および両者の混合物、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワックス等が挙げられ、好ましくは水添ヒマシ油ワックス、ポリアマイドワックス、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワックスが用いられる。このようなタレ止め・沈降防止剤としては、楠本化成(株)製の「ディスパロンA-603-20X」、「ディスパロン4200-20」等の商品名で上市されているものが挙げられる。
[顔料、溶剤]
顔料としては、従来公知の有機系、無機系の各種顔料(例:チタン白、ベンガラ、有機赤色顔料、タルクなど)を用いることができる。なお、染料等の各種着色剤も含まれていてもよい。
顔料の形態として針状、扁平状、鱗片状のものを使用することにより塗膜の耐クラック性を一層向上させることが可能である。
溶剤としては、例えば、脂肪族系、芳香族系(例:キシレン、トルエン等)、ケトン系、エステル系、エーテル系など通常、防汚塗料に配合されるような各種溶剤が用いられる。
防汚塗料組成物の製造>
本発明に係る防汚塗料組成物は、従来より公知の方法を適宜利用することにより製造することができ、例えば、上記シリル(メタ)アクリレート共重合体[B]と、該共重合体[B]100重量部に対して3〜1400重量部の量の銅および/または銅化合物、0〜300重量部の量のピリチオン系化合物(但し防汚剤[A]総量で25〜1200重量部)と、0.3〜200重量部の量のビニルエーテル系(共)重合体[C]と、0.5〜500重量部の量の溶出促進成分[D](但し、[C]と[D]とは何れか一方でもよい。)と、2〜700重量部の量で必要により用いられる亜鉛華と、0.03〜200重量部の量の脱水剤(例:無水石膏、モレキュラーシーブ)と、適宜量で用いられるタレ止め・沈降防止剤、顔料、溶剤などとを一度にあるいは任意の順序で加えて攪拌・混合・分散すればよい。
この防汚塗料組成物は、1液性で貯蔵安定性に優れ、防汚塗料の付着性、耐久性、防汚性といった各種要求性能を満足するものである。
上記のような防汚塗料組成物を水中構造物(例:原子力発電所の給排水口)、湾岸道路、海底トンネル、港湾設備、運河・水路等のような各種海洋土木工事の汚泥拡散防止膜、船舶、漁具(例:ロープ、漁網)などの各種成形体の表面に常法に従って1回〜複数回塗布すれば、耐クラック性、防汚性に優れた防汚塗膜被覆船体または水中構造物などが得られる。なお、この防汚塗料組成物は、直接上記船体または水中構造物等の表面に塗布してもよく、また予め防錆剤、プライマーなどの下地材が塗布された船体または水中構造物等の表面に塗布してもよい。さらには、既に従来の防汚塗料による塗装が行われ、あるいは上記防汚剤[A]、シリル(メタ)アクリレート共重合体[B]、ビニルエーテル系(共)重合体[C]([C]に代えて、または[C]と共に溶出促進成分[D]を用いても良い。)などが含有された本発明の防汚塗料組成物による塗装が行われている船体、水中構造物等の表面に、補修用として本発明の防汚塗料組成物を上塗りしてもよい。このようにして船体、水中構造物等の表面に形成された防汚塗膜の厚さは特に限定されないが、例えば、30〜150μm/回程度である。
発明の効果
本発明によれば、得られた塗膜にクラックが発生しにくく、塗膜付着性が良好で塗膜剥離が起きにくく、塗膜の加水分解速度が良好に制御され、防汚性特に高汚損環境下における防汚性や長期防汚性に優れ、しかもこれら特性にバランスよく優れた防汚塗膜が得られる防汚塗料組成物が提供される。
また本発明によれば、このような優れた特性を有する塗膜および該塗膜で被覆され、上記特性を有する船体または水中構造物が提供される。
また本発明によれば、このような防汚塗料組成物を用いた、環境汚染の恐れの極めて少ない防汚方法が提供される。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例において、「部」は「重量部」の意味である。
[ポリマーの製造例]
(共重合体S−1の製造)
攪拌機、コンデンサー、温度計、滴下装置、窒素導入管、加熱・冷却ジャケットを備えた反応容器にキシレン100部を仕込み窒素気流下で85℃の温度条件に加熱攪拌を行った。同温度を保持しつつ滴下装置より、上記反応器内にトリイソプロピルシリルアクリレート50部、メチルメタクリレート45部、2−ヒドロキシプロピルアクリレート5部および重合開始剤の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1部の混合物を2時間かけて滴下した。その後同温度で4時間攪拌を行なった後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部を加え更に同温度で4時間攪拌を行ない、無色透明の共重合体溶液S−1を得た。
得られた共重合体溶液S−1の加熱残分(105℃の恒温器中3時間乾燥後の加熱残分)は50。9%であり、25℃における粘度は353cpsであり、GPCにより測定した数平均分子量(Mn)は5132であり、重量平均分子量(Mw)は19344であった。共重合体S−1のGPCクロマトグラムを図1にIRスペクトルのチャートを図20に示す。
GPCおよびIRの測定条件は以下の通りである。
[GPC測定条件]
装 置:東ソー社製 HLC−8120GPC
カラム:東ソー社製 Super H2000+H4000
6mmI.D.,15cm
溶離液:THF
流 速:0.500ml/min
検出器:RI
カラム恒温槽温度:40℃
[IR測定条件]
装 置:日立製作所製
270−30形 日立赤外分光光度計
測定方法:KBrセル、塗布法
(共重合体S−2〜共重合体S−23および比較例用共重合体H1〜H5の製造)
上記共重合体S−1の製造の際に、滴下配合成分を表1〜5に示すように変えた以外は、上記と同様にして共重合体S−2〜共重合体S−23および比較例用共重合体H1〜H5を得て、上記と同様にこれらの共重合体(溶液)の物性値を測定した。
結果を合わせて表1〜5に示す。
実施例1〜52、比較例1〜5
[防汚塗料組成物の製造例]
表6〜12に示す配合組成の防汚塗料組成物を製造するに際しては、ガラスビーズを入れたペイントシェーカー内でこれらの配合成分を一緒にして2時間振とうした後、100メッシュのフィルターにてロ過して、所望の防汚塗料組成物を得た。
該防汚塗料組成物について常温で2ヶ月間貯蔵後の貯蔵安定性を表6〜12に合わせて示す。
貯蔵安定性の評価は塗料試作直後と常温2ヶ月間貯蔵後の粘度(ストーマー粘度計により測定した25℃におけるKu値)の増加度により行った。
(評価基準)
5:粘度の増加が10未満
4:粘度の増加が20未満
3:粘度の増加が30未満
2:粘度の増加が30以上
1:流動性がなくKu値の測定が不可。
また、該防汚塗料組成物を用いた防汚性、消耗度の評価を下記のようにして行った。
結果を表6〜12に合わせて示す。
[防汚性の評価]
広島湾の海水中に設置した回転ドラムの側面に取付け可能なように曲げ加工が施された70×200×3mmのサンドブラスト鋼板を用意した。
このサンドブラスト鋼板に、エポキシ系ジンクリッチプライマー、エポキシ系防食塗料、ビニル系バインダーコートをそれぞれの乾燥膜厚が20μm、150μm、50μmとなるように1日毎に順次重ねて塗装した後、供試防汚塗料組成物をその乾燥後の膜厚が200μmとなるように塗装し、試験板を得た。回転ドラムにこの試験板を取り付けて周速5ノット、50%稼動条件(夜間12時間稼動、昼間12時間停止の交互運転)にて12ヶ月間高汚損環境条件での試験を行い防汚性の評価を行った。
防汚性の評価については目視で行い以下の基準を用いた。
(評価基準)
5:塗膜表面に付着物を認めない
4:塗膜表面に薄いスライムの付着を認める
3:塗膜表面に濃いスライムの付着を認める
2:塗膜表面にスライムの付着及び部分的にシオミドロなど植物の付着を認める
1:塗膜表面全体がシオミドロなどの植物で覆われている
また、下記のような条件で消耗度の評価を行った。
[消耗度の評価]
直径300mmで厚さ3mmの円盤状サンドブラスト鋼板にエポキシ系ジンクリッチプライマー、エポキシ系防食塗料、ビニル系バインダーコートをそれぞれの乾燥膜厚が20μm、150μm、50μmとなるよう1日毎に順次重ねて塗装した後、7日間室内で乾燥した。その後隙間500μmのアプリケーターを用い供試防汚塗料組成物を円心から半径方向に放射状に塗装し、試験板を得た。25℃の海水を入れた恒温槽中でモーターにこの試験板を取り付け、周速15ノットで1ヶ月間回転し、円周付近の消耗度(膜厚減少)を測定した。
評価結果を合わせて表6〜12に示す。
また、膜厚減少測定時の塗膜状態を目視で観察し、以下の基準にて評価を行った。
(評価基準)
5:塗膜に異常を認めない
4:部分的に微細なワレを認める
3:全体的に微細なワレを認める
2:部分的に顕著なワレを認める
1:全体的に顕著なワレを認める
評価結果を合わせて表6〜12に示す。
なお、表中の成分名称等は以下の通りである。
▲1▼「トヨパラックス150」東ソー(株)製の塩素化パラフィン、
平均炭素数:14.5、塩素含有量:50%、
粘度:12ポイズ/25℃、比重:1.25/25℃。
▲2▼「ルトナールA−25」BASF社製のポリビニルエチルエーテル、
粘度:2.5〜6.0Pa・s/23℃、比重:0.96/20℃。
▲3▼「ロジン溶液」WWロジンの50%キシレン溶液
▲4▼「ナフテン酸銅溶液」ナフテン酸銅のキシレン溶液、
溶液中の銅含有率:8%。
▲5▼「可溶性無水石膏D−1」(株)ノリタケカンパニーリミテド製、
IIICaSO4、白色粉末、平均粒径15μm。
▲6▼「ディスパロン4200−20」楠本化成(株)製、
酸化ポリエチレンワックス 20%キシレンペースト
▲7▼「ディスパロンA603−20X」楠本化成(株)製
脂肪酸アマイドワックス 20%キシレンペースト
Figure 0005281218
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図1は、共重合体S−1のGPCクロマトグラムである。 図2は、共重合体S−2のGPCクロマトグラムである。 図3は、共重合体S−3のGPCクロマトグラムである。 図4は、共重合体S−6のGPCクロマトグラムである。 図5は、共重合体S−9のGPCクロマトグラムである。 図6は、共重合体S−10のGPCクロマトグラムである。 図7は、共重合体S−11のGPCクロマトグラムである。 図8は、共重合体S−12のGPCクロマトグラムである。 図9は、共重合体S−13のGPCクロマトグラムである。 図10は、共重合体S−14のGPCクロマトグラムである。 図11は、共重合体S−15のGPCクロマトグラムである。 図12は、共重合体S−16のGPCクロマトグラムである。 図13は、共重合体S−17のGPCクロマトグラムである。 図14は、共重合体S−18のGPCクロマトグラムである。 図15は、共重合体S−19のGPCクロマトグラムである。 図16は、共重合体S−20のGPCクロマトグラムである。 図17は、共重合体S−21のGPCクロマトグラムである。 図18は、共重合体S−22のGPCクロマトグラムである。 図19は、共重合体S−23のGPCクロマトグラムである。 図20は、共重合体S−1のIRスペクトルのチャートである。 図21は、共重合体S−2のIRスペクトルのチャートである。 図22は、共重合体S−3のIRスペクトルのチャートである。 図23は、共重合体S−6のIRスペクトルのチャートである。 図24は、共重合体S−9のIRスペクトルのチャートである。 図25は、共重合体S−10のIRスペクトルのチャートである。 図26は、共重合体S−11のIRスペクトルのチャートである。 図27は、共重合体S−12のIRスペクトルのチャートである。 図28は、共重合体S−13のIRスペクトルのチャートである。 図29は、共重合体S−14のIRスペクトルのチャートである。 図30は、共重合体S−15のIRスペクトルのチャートである。 図31は、共重合体S−16のIRスペクトルのチャートである。 図32は、共重合体S−17のIRスペクトルのチャートである。 図33は、共重合体S−18のIRスペクトルのチャートである。 図34は、共重合体S−19のIRスペクトルのチャートである。 図35は、共重合体S−20のIRスペクトルのチャートである。 図36は、共重合体S−21のIRスペクトルのチャートである。 図37は、共重合体S−22のIRスペクトルのチャートである。 図38は、共重合体S−23のIRスペクトルのチャートである。

Claims (9)

  1. [A]
    防汚剤と、
    [B]
    (a)式[I]:
    【化1】
    Figure 0005281218
    [式[I]中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R2、R3、R4は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基の何れかを示す。]
    で表されるシリル(メタ)アクリレート成分単位20〜80重量%、
    (b)式[II]:
    【化2】
    Figure 0005281218
    [式[II]中、R5は、水素原子またはメチル基を示し、Zは、酸素原子または−NR7を示し、
    Zが酸素原子である場合には、R6は置換基を有していてもよいヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル基または式:
    【化3】
    Figure 0005281218
    で表されるポリアルキレングリコール基[但し、R8は、アルキレン基であり、nは、2〜50の整数を示す。]を示し、
    Zが−NR7である場合には、R7は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換アミノ基、アシル基、アルコキシ基の何れかで置換されていてもよいアルキル基を示し、R6は水素原子を示す。]で表されるアクリル系不飽和単量体成分単位0.01〜40重量%、
    および
    (c)上記(a)成分単位および(b)成分単位以外の他の不飽和単量体成分単位5〜79.99重量%(但し(a)+(b)+(c)=100重量%)
    から構成され、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が20万以下であるシリル(メタ)アクリレート共重合体と、
    [C]
    式[III]:H2C=CHO−R
    (式[III]中、Rは炭化水素基を示す。)
    で表されるビニルエーテルから誘導される成分単位を含有する(共)重合体と、
    を含有し、
    前記ビニルエーテル系(共)重合体[C]を、前記シリル(メタ)アクリレート共重合体[B]100重量部に対して、0.3〜60重量部の量で含有する
    ことを特徴とする防汚塗料組成物。
  2. [A]防汚剤と、
    [B]上記請求項1に記載のシリル(メタ)アクリレート共重合体と、
    [D]溶出促進成分と
    を含有し、
    前記溶出促進成分[D]を、前記シリル(メタ)アクリレート共重合体[B]100重量部に対して、0.3〜600重量部の量で含有し、
    前記溶出促進成分[D]が、ロジン、ロジン誘導体、モノカルボン酸およびその塩
    のうちから選ばれた少なくとも1種である
    ことを特徴とする防汚塗料組成物。
  3. [A]防汚剤と、
    [B]上記請求項1に記載のシリル(メタ)アクリレート共重合体と、
    [C]上記請求項1に記載のビニルエーテル系(共)重合体と、
    [D]上記請求項2に記載の溶出促進成分と
    を含有し、
    前記ビニルエーテル系(共)重合体[C]を、前記シリル(メタ)アクリレート共重合体[B]100重量部に対して、0.3〜60重量部の量で含有し、
    前記溶出促進成分[D]を、前記シリル(メタ)アクリレート共重合体[B]100重量部に対して、0.3〜600重量部の量で含有する
    ことを特徴とする防汚塗料組成物。
  4. 上記防汚剤が、銅および/または銅化合物である請求項1〜3の何れかに記載の防汚塗料組成物。
  5. 上記溶出促進成分が、ロジン、ロジン誘導体、ナフテン酸およびその金属塩のうちから選ばれた少なくとも1種である請求項2〜4の何れかに記載の防汚塗料組成物。
  6. 上記不飽和単量体成分単位(c)が、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、ビニルエステルのうちから選択される1種または2種以上の化合物から誘導されるものである請求項1〜5の何れかに記載の防汚塗料組成物。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の防汚塗料組成物から形成されている防汚塗膜。
  8. 請求項1〜6の何れかに記載の防汚塗料組成物を用いることを特徴とする船体または水中構造物の防汚方法。
  9. 請求項1〜6の何れかに記載の防汚塗料組成物からなる塗膜にて船体または水中構造物の表面が被覆されていることを特徴とする船体または水中構造物。
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