JP2000265107A - 防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている防汚塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物 - Google Patents

防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている防汚塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物

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JP2000265107A JP36589199A JP36589199A JP2000265107A JP 2000265107 A JP2000265107 A JP 2000265107A JP 36589199 A JP36589199 A JP 36589199A JP 36589199 A JP36589199 A JP 36589199A JP 2000265107 A JP2000265107 A JP 2000265107A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】[A]防汚剤と、[B](a)式[I][R1は水素原
子、メチル基、R2、R3、R4はアルキル基、シクロアルキル基、フェニル
基。]で表されるシリル(メタ)アクリレート成分単位20〜80重量
%、(b) 式[II][R5は水素原子、メチル基、Zは酸素原子ま
たは−NR7。Zが酸素原子の場合はR6は置換基を有してい
てもよいヒト゛ロキシアルキル基、ヒト゛ロキシシクロアルキル基またはホ゜リアルキレ
ンク゛リコール基。Zが−NR7の場合はR7は、アルキル基、R6は水素
原子を示す。]で表されるアクリル系不飽和単量体成分単位
0.01〜40重量%、および他の不飽和単量体成分単位5〜7
9.99重量%から構成され、Mw20万以下のシリル(メタ)アクリレー
ト共重合体と、[C]ビニルエーテル系(共)重合体とを含
有する防汚塗料組成物。 【効果】 クラックや塗膜剥離が起きにくく、防汚性に
優れた防汚塗膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、防汚塗料組成物、この防
汚塗料組成物から形成されている防汚塗膜および該防汚
塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された
船体または水中構造物に関し、さらに詳しくは、得られ
た塗膜にクラックが発生しにくく、塗膜付着性が良好で
塗膜剥離が起きにくく、塗膜の加水分解速度が良好に制
御され、防汚性特に高汚損環境下における防汚性や長期
防汚性に優れた防汚塗膜が得られる防汚塗料組成物、こ
の防汚塗料組成物から形成されている防汚塗膜および該
防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆さ
れた船体または水中構造物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】船底、水中構造物、漁網などは、
水中に長期間さらされることにより、その表面に、カ
キ、イガイ、フジツボ等の動物類、ノリ(海苔)等の植
物類、あるいはバクテリア類などの各種水棲生物が付着
・繁殖すると、外観が損ねられ、その機能が害されるこ
とがある。
【0003】特に船底にこのような水棲生物が付着・繁
殖すると、船全体の表面粗度が増加し、船速の低下、燃
費の拡大などを招くことがある。また、このような水棲
生物を船底から取り除くには、多大な労力、作業時間が
必要となる。また、バクテリア類が水中構造物などに付
着・繁殖し、さらにそこにスライム(ヘドロ状物)が付
着して腐敗を生じたり、更に大型の付着生物が鉄鋼構造
物などのような水中構造物の表面に付着・繁殖してその
水中構造物の腐食防止用の塗膜などを損傷すると、その
水中構造物の強度や機能が低下し寿命が著しく低下する
等の被害が生ずる虞がある。
【0004】従来では、このような被害を防止すべく、
船底などには防汚性に優れた防汚塗料として、例えば、
トリブチル錫メタクリレートとメチルメタクリレート等
との共重合体と、亜酸化銅(Cu2O)とを含有するも
のが塗布されていた。この防汚塗料中の該共重合体は、
海水中で加水分解されてビストリブチル錫オキサイド
(トリブチル錫エーテル,Bu3Sn-O-SnBu3:B
uはブチル基)あるいはトリブチル錫ハロゲン化物(B
3SnX:Xはハロゲン原子)等の有機錫化合物を放
出して防汚効果を発揮するとともに、加水分解された共
重合体自身も水溶性化して海水中に溶解していく「加水
分解性自己研磨型塗料」であるため、船底塗装表面は、
樹脂残渣が残らず、常に活性な表面を保つことができ
る。
【0005】しかしながら、このような有機錫化合物
は、毒性が強く、海洋汚染、奇形魚類や奇形貝類の発
生、食物連鎖による生態系への悪影響などが懸念され、
これに代わり得るような錫を含有しない防汚塗料の開発
が求められている。
【0006】このような錫を含有しない防汚塗料として
は、例えば、特開平4-26417 0号公報、特開
平4-264169号公報、特開平4-264168号
公報に記載のシリルエステル系防汚塗料が挙げられる。
しかしながら、これらの防汚塗料には、特開平6-1
57941号公報、特開平6-157940号公報な
どにも教示されているように、防汚性に劣り、クラッ
ク、剥離が生ずるとの問題点がある。
【0007】また、特開平2-196869号公報に
は、トリメチルシリルメタクリレート、エチルメタクリ
レートおよびメトキシエチルアクリレートをアゾ系重合
開始剤の存在下に共重合してなり、トリメチルシリル基
によりブロックされたカルボン酸基を含有するブロック
された酸官能性コポリマー(A)と、多価カチオンの化
合物(B)とを含有する防汚塗料が教示されている。し
かしながら、この防汚塗料から得られる塗膜は、耐クラ
ック性が充分満足しうるものではないという問題点があ
る。
【0008】特表昭60-500452号および特開
昭63-215780号公報には、(メタ)アクリル酸
のトリアルキルシリルエステルなどのオルガノシリル基
を有するビニル系単量体などを他のビニル系単量体と共
重合させてなり、数平均分子量が3000〜40000
の防汚塗料用樹脂が記載され、さらにオルトギ酸トリメ
チル等の有機系水結合剤、酸化第一銅等の防汚剤、ベン
ガラ等の顔料などを配合し得る旨記載されているが、上
記特開平6-157940号公報にも記載されている
ように、この防汚塗料用樹脂は、貯蔵中にゲル化しやす
く、この防汚塗料から形成される塗膜は、耐クラック
性、耐剥離性に劣るとの問題点がある。
【0009】また上記特表昭60-500452号に
対応する特公平5-32433号公報には、毒物(a)と、
式[(−CH2-CXCOOR)−(B)−:XはHまた
はCH3であり、RはSiR’3又はSi(OR’)3
R’はアルキル基などを示し、Bはエチレン性不飽和単
量体残基を示す]で表される反復単位を有し、特定の加
水分解速度などを有する重合体結合材(b)とからなる
防汚塗料が開示され、さらに溶剤、水感受性顔料成分、
不活性顔料、充填剤、遅延剤を含有し得る旨記載されて
いるが、この公報記載の防汚塗料から得られる塗膜は、
耐クラック性に劣るとの問題点がある。
【0010】 特開平7-18216号公報には、(A)
分子内に、式(I):-COO-SiR123(R1〜R3
は炭素数1〜18のアルキル基などを示す)で表される
トリ有機珪素エステル基を有する有機珪素含有単量体A
の重合体と、(B)銅または銅化合物とを主成分とする塗
料組成物において、上記の(A),(B)成分以外の必須
成分として、(C)式:
【0011】
【化4】
【0012】((C)中、R4〜R6は水素原子、炭素数
1〜18のアルコキシ基、シクロアルコキシ基、などを
示し、R7は炭素数1〜18のアルキル基などを示し、
nは1〜3の整数を示す)で表されるアルコキシ基含有
珪素化合物を含有した塗料組成物が開示されている。ま
た、該公報には、上記式(I)で表される基を有する単
量体Aと共重合可能なビニル系単量体Bとの共重合体A
Bが含まれていてもよい旨記載され、単量体Bとして、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられている。
【0013】しかしながら、該公報に記載の塗料組成物
から得られる塗膜は、耐クラック性や高汚損環境下にお
ける防汚性に劣るとの問題点がある。なお、高汚損環境
下とは、船舶または水中構造物が内海などの富栄養海域
環境や更にそのような海域で静置されたり、あるいは船
舶などでは運航〜停止を頻繁に繰り返したり10ノット
以下程度の低速で稼動しているような状態を指す。
【0014】なお、 特開平7-102193号公報
には、式:X−SiR123(但し、式中R1〜R3
いずれもアルキル基、アリール基の中から選ばれた基で
あって、互いに同一の基であっても異なる基であっても
よい。Xはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキ
シ基、マレノイルオキシ基またはフマロイルオキシ基で
ある。)で表される単量体Aと、 式:Y−(CH2CH2O)n−R4(但しR4はアルキル
基またはアリール基であり、Yはアクリロイルオキシ基
またはメ タクリロイルオキシ基であり、nは1〜25
の整数である。)で表される単量体Bとを含む単量体混
合物の共重合体と、防汚剤とを必須成分として含有する
塗料組成物が開示されている。さらに、該防汚剤として
は、無機化合物として亜酸化銅、銅粉等の銅化合物、硫
酸亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられ、金属を含む有機化合物
としてオキシン銅等の有機銅系化合物;有機ニッケル系
化合物;ジンクピリチオン等の有機亜鉛系化合物;が挙
げられている。しかしながら、該公報には、アクリル酸
2−ヒドロキシエチル等を用いた有機シリルエステル基
含有重合体は何ら示されていない上に、高汚損環境下に
おける防汚性に劣るとの問題点がある。
【0015】(10) 特開平8-199095号公報に
は、上記特開平7-102193号公報に記載の式
(1):X−SiR123で表される単量体Aと、 式(2):Y−(CH(R4))−(OR5)(但しR4
はアルキル基、R5はアルキル基またはシクロアルキル
基である。Yはアクリロイルオキシ基、メタクリロイル
オキシ基、マレイノイルオキシ基またはフマロイルオキ
シ基である。)で表される単量体Bと、必要によりこれ
らA、Bと共重合可能なビニル系単量体Cとを含む単量
体混合物の共重合体と、防汚剤とを必須成分として含有
する塗料組成物が開示されている。このビニル系単量体
Cとしては、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エス
テル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられている。さら
に、該防汚剤としては、無機化合物として亜酸化銅、銅
粉等の銅化合物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられ、金
属を含む有機化合物としてオキシン銅等の有機銅系化合
物;有機ニッケル系化合物;ジンクピリチオン等の有機
亜鉛系化合物;が挙げられている。
【0016】(11) 特開平8-269388号公報に
は、式(1):X−SiR123 (但し、式中R1〜R3はいずれも炭素数1〜20の炭化
水素基であって、互いに同一の基であっても異なる基で
あってもよい。Xはアクリロイルオキシ基、メタクリロ
イルオキシ基、マレノイルオキシ基、フマロイルオキシ
基またはイタコノイルオキシ基である。)で表される単
量体Aと、式(2):Y−(CH2CH2O)n−R4(但
しR4はアルキル基またはアリール基であり、Yはアク
リロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレイノ
イルオキシ基、フマロイルオキシ基またはイタコノイル
オキシ基であり、nは1〜25の整数である。)で表さ
れる単量体Bとを含む単量体混合物の共重合体と、ビス
(2−ピリジンチオール−1−オキシド)銅塩(:銅ピ
リチオン)とを、必須成分として含有する塗料組成物が
開示されている。さらに、上記単量体Aとして、ジメチ
ル−t−ブチルシリルアクリレート等が挙げられ、上記
防汚剤としては、無機化合物として亜酸化銅、銅粉等の
銅化合物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられ、金属を含
む有機化合物としてオキシン銅等の有機銅系化合物;有
機ニッケル系化合物;ジンクピリチオン等の有機亜鉛系
化合物;が挙げられている。また、添加可能な溶解速度
調整剤としてロジン、ロジン誘導体などが挙げられてい
る。
【0017】(12) 特開平8-269389号公報に
は、トリオルガノシリル基を有する不飽和単量体Aと、
下記式(2)〜(9)の何れかで表される単量体Bとを
含む単量体混合物の共重合と、防汚剤とを含有する塗料
組成物が開示されている。
【0018】各単量体Bは、それぞれ下記の通りであ
る。式(2)CH2=CR4COOR5−NR67[R4
は、HまたはCH3 を示し、R5はアルキレン基を示
し、R6、R7は、アルキル基であって、互いに同一でも
異なっていてもよい。]で示される三級アミノ基含有単
量体、式(3)CH2=CR8COOR9−NR101112
(Y)[R8はHまたはCH3を示し、R9はアルキレン基
を示し、R10〜R12は、アルキル基であって、互いに同
一でも異なっていてもよく、Yはハロゲン原子を示
す。]で示される四級アンモニウム塩含有単量体、式
(4)CH2=CH−Z[ZはN含有複素環からなる基を
示す。]で示される窒素含有複素環を含む単量体、式
(5)CH2=CR13COO(R14O)m(R15O)n
16O)o −R17 [R13は、H、CH3を示し、R14
エチレン基を示し、R15は炭素数3のアルキレン基を示
し、R16は炭素数4のアルキレン基を示し、R17はアル
キル基、アリール基を示す。m、n、oは0以上の整数
でn、oは同時に0でない。]で示される分子内にアル
コキシ基またはアリーロキシアルキレングリコール基を
有する単量体、式(6)CH2=CR18CONR19
20[R18は、H、CH3を示し、R19、R20 は、アルキル
基であり互いに同一でも異なっていてもよい。]で示さ
れる(メタ)アクリル酸アミド、式(7)CH2=CR21
CON()Q[R21は、H、CH3を示し、N()Qは、
N含有基で、QにO、N、S等を含有してもよい。]で
示される窒素含有環状炭化水素基を含む(メタ)アクリ
ル酸アミド、式(8)CH2=CR23COOCH2−T
[R23は、H、CH3を示し、Tは、フラン環、テトラ
ヒドロフラン環を示す。]で示されるフラン環含有(メ
タ)アクリル酸系エステル、式(9)CH2=CH−C
N。
【0019】また、上記単量体A、Bと共重合可能な任
意成分として、アクリル酸、アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル等種々の共重合性モノマー
が挙げられている。
【0020】またその実施例には、トリn−ブチルシリ
ルアクリレート(TBSA)とジエチルアミノエチルメタクリ
レート(DEAEMA)とメチルメタクリレート(MMA)とからな
る共重合体や、トリn−ブチルシリルアクリレート(TBS
A)とN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)とメチルメ
タクリレート(MMA)とからなる共重合体等が示されてい
るが、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等を用いた共重
合体は何ら示されていない。
【0021】また、該組成物に配合可能な成分として、
上記特開平8-269388号公報に記載の防汚剤と同
様の防汚剤が挙げられている。 (13) 特開平8-269390号公報には、式(1):
X−SiR123(但し、式中R1〜R3は何れもアル
キル基、アリール基の中から選ばれた基であって、互い
に同一の基であっても異なる基であってもよい。Xはア
クリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレノ
イルオキシ基、フマロイルオキシ基またはイタコノイル
オキシ基である。)で表される単量体Aを用いた重合体
と、式(2):Y−(CH2CH2O)n−R4(但しR4
はアルキル基またはアリール基であり、Yはアクリロイ
ルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、マレイノイルオ
キシ基、フマロイルオキシ基またはイタコノイルオキシ
基であり、nは1〜25の整数である。)で表される単
量体Bを用いた重合体と、防汚剤とを含む塗料組成物が
開示されている。上記防汚剤としては、上記特開平8-
269388号公報に記載の防汚剤と同様の防汚剤が挙
げられている。また、添加可能な成分としてロジン等の
樹脂、沈降防止剤などが挙げられている。
【0022】(14) 特開平8-277372号公報に
は、前記(11):特開平8-269388号公報に記載の
式(1):X−SiR123で表される単量体Aと、
同じく同公報に記載の式(2):Y−(CH2CH2O)
n−R4で表される単量体Bとを含む単量体混合物の共重
合体と、トリフェニルボロンピリジン錯体とを含有し、
樹脂成分および海棲生物付着阻害剤が金属を含まない重
合体および金属を含まない有機系阻害剤のみで構成され
た塗料組成物が開示されている。また、添加可能な溶解
速度調整剤としてロジン、ロジン誘導体などが挙げられ
ている。
【0023】(15) 特開平10-30071号公報に
は、(A)ロジン、ロジン誘導体またはロジン金属塩から
なるロジン系化合物の1種または2種以上と、(B)式
(1):X−SiR123(但し、式中R1〜R3は何
れもアルキル基、アリール基の中から選ばれた基であっ
て、互いに同一の基であっても異なる基であってもよ
い。Xはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ
基、マレノイルオキシ基、フマロイルオキシ基、イタコ
ノイルオキシ基、シトラコノイルオキシ基である。)で
表される単量体Mの1種または2種以の重合体、および
/または、該単量体Mの1種または2種以上とそれ以外
の重合性単量体の1種または2種以上との重合体からな
る有機シリルエステル基含有重合体と、(C)防汚剤とを
含む塗料組成物が開示されている。また、単量体Mと共
重合可能な任意成分としての他の単量体として、アクリ
ル酸、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロ
ピル等が挙げられているが、該公報には、(メタ)アク
リル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−
ヒドロキシプロピル等を用いた有機シリルエステル基含
有重合体は何ら示されていない。
【0024】なお、上記防汚剤としては、上記特開平8
-269388号公報に記載の防汚剤と同様の防汚剤が
挙げられている。また、添加可能な成分として、顔料、
塩素化パラフィン、沈降防止剤などが挙げられている。
【0025】しかしながらこれら〜(15)には、アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル等を用いた有機シリルエステ
ル基含有重合体は何ら示されておらず、また、これら公
報に記載の塗料組成物では、得られる塗膜は耐クラック
性に劣るか、あるいは得られる塗膜は耐クラック性、耐
剥離性(塗膜付着性)、防汚性特に高汚損環境下におけ
る防汚性や長期防汚性、自己研磨性などのバランスの点
で充分でない。
【0026】さらに、(16)特公平5−82865号公報
には、共重合可能な任意成分として、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト等が挙げられている。また(17)特開平9−48947
号公報、(18)特開平9−48948号公報、(19)特開平
9−48949号公報、(20)特開平9−48950号公
報、(21)特開平9−48951号公報、(22)特公平5−
32433号公報、(23)USP4,593,055、(2
4)特開平2−1968669号公報、(25)WO91/1
4743には、シリル(メタ)アクリレート系共重合体
が記載されている。しかしながら、これら公報(16)〜
(25)には、ヒドロキシ含有モノマー等を用いた共重合
体は何ら示されていない。また、これら公報(16)〜
(25)に記載の共重合体を用いた防汚塗料では、得られ
る塗膜は耐クラック性に劣るか、あるいは得られる塗膜
は耐クラック性、耐剥離性(塗膜付着性)、防汚性特に
高汚損環境下における防汚性や長期防汚性、自己研磨性
などのバランスの点でさらなる改良の余地がある。
【0027】また、(26)特開昭63−215780号公
報には、共重合成分としてメチルメタクリレート、n−
ブチルメタクリレート、アクリルアミド等を用いた共重
合体が示され、該共重合体と亜酸化銅とを配合した防汚
塗料が示されているが、上記公報に記載の防汚塗料など
と同様の問題点がある。
【0028】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、得られた塗膜
にクラックが発生しにくく、塗膜付着性が良好で塗膜剥
離が起きにくく、塗膜の加水分解速度が良好に制御さ
れ、防汚性特に高汚損環境下における防汚性や長期防汚
性に優れた防汚塗膜が得られる防汚塗料を提供すること
を目的としている。
【0029】また本発明は、このような防汚塗料組成物
から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用い
た防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構
造物を提供することを目的としている。
【0030】
【発明の概要】本発明に係る防汚塗料組成物は、 [A]防汚剤と、 [B] (a)式[I]:
【0031】
【化5】
【0032】[式[I]中、R1は、水素原子またはメチル
基を示し、R2、R3、R4は、互いに同一でも異なって
いてもよく、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、
置換基を有していてもよいフェニル基の何れかを示
す。]で表されるシリル(メタ)アクリレート成分単位
20〜80重量%、 (b)式[II]:
【0033】
【化6】
【0034】[式[II]中、R5は、水素原子またはメチ
ル基を示し、Zは、酸素原子または−NR7を示し、Z
が酸素原子である場合には、R6は置換基を有していて
もよいヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキ
ル基または式:
【0035】
【化7】
【0036】で表されポリアルキレングリコール基[但
し、R8は、アルキレン基であり、nは、2〜50の整
数を示す。]を示し、Zが−NR7である場合には、R7
は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換アミノ
基、アシル基、アルコキシ基の何れかで置換されていて
もよいアルキル基を示し、R6は水素原子を示す。]で
表されるアクリル系不飽和単量体成分単位0.01〜4
0重量%、および(c)上記(a)成分単位および(b)成分単
位以外の他の不飽和単量体成分単位5〜79.99重量
%(但し(a)+(b)+(c)=100重量%)から構成さ
れ、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GP
C)で測定した重量平均分子量が20万以下であるシリ
ル(メタ)アクリレート共重合体と、 [C]式[III]:H2C=CHO−R (式[III]中、Rは炭化水素基を示す。)で表される
ビニルエーテルから誘導される成分単位を含有する
(共)重合体と、を含有することを特徴としている。
【0037】本発明に係る防汚塗料組成物は、防汚剤
[A]と、上記のシリル(メタ)アクリレート共重合体
[B]と、溶出促進成分[D]とを含有することが好まし
い。本発明に係る防汚塗料組成物は、防汚剤[A]と、上
記のシリル(メタ)アクリレート共重合体[B]と、上記
のビニルエーテル系(共)重合体[C]と、溶出促進成分
[D]とを含有することが好ましい。
【0038】本発明においては、上記防汚剤が、銅およ
び/または銅化合物であることが好ましい。本発明にお
いては、上記溶出促進成分が、ロジン、ロジン誘導体、
ナフテン酸およびその金属塩のうちから選ばれた少なく
とも1種であることが好ましい。
【0039】本発明においては、上記いずれの場合にお
いても、上記不飽和単量体成分単位(c)が、(メタ)ア
クリル酸エステル、スチレン、ビニルエステルのうちか
ら選択される1種または2種以上の化合物から誘導され
るものであることが望ましい。
【0040】本発明に係る防汚塗膜は、上記記載の防汚
塗料組成物から形成されている。本発明に係る船体また
は水中構造物の防汚方法は、上記記載の防汚塗料組成物
を用いることを特徴としている。
【0041】本発明に係る船体または水中構造物は、上
記記載の防汚塗料組成物からなる塗膜にて船体または水
中構造物の表面が被覆されていることを特徴としてい
る。本発明に係る防汚塗料組成物によれば、塗膜にクラ
ックが発生しにくく、塗膜付着性が良好で塗膜剥離が起
きにくく、塗膜の加水分解速度が良好に制御され、防汚
性特に高汚損環境下における防汚性や長期防汚性に優
れ、しかもこれら特性にバランスよく優れた防汚塗膜が
得られる。
【0042】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る防汚塗料組成
物について具体的に説明する。本発明に係る防汚塗料組
成物には、防汚剤[A]と、自己研磨性を有する塗膜形成
成分としてのシリル(メタ)アクリレート共重合体[B]
とに加えて、得られる塗膜の防汚性、溶出速度安定性等
の向上に寄与し、塗膜形成成分としても機能する成分と
してのビニルエーテル系(共)重合体[C]すなわち、式
[III]:H2C=CHO−R(式[III]中、Rは炭化
水素基を示す。)で表されるビニルエーテルから誘導さ
れる成分単位を含有する(共)重合体[C]および/また
は溶出促進成分[D]が少なくとも含有されている。 <防汚剤[A]>防汚剤[A]としては、無機系、有機系の
何れであってもよく、従来より公知のものを広く用いる
ことができるが、本発明においては、銅および/または
銅化合物が好ましい。上記銅化合物としては、その分子
量が通常63.5〜2000、好ましくは63.5〜1
000のものが用いられる。
【0043】このような銅化合物としては、有機系、無
機系の銅化合物の何れであってもよく、無機系の銅化合
物としては、例えば、亜酸化銅、チオシアン化銅(チオ
シアン酸第一銅、ロダン銅)、塩基性硫酸銅、塩化銅、
酸化銅等が挙げられ、有機系の銅化合物としては、例え
ば、塩基性酢酸銅、オキシン銅、ノニルフェノールスル
ホン酸銅、カツパービス(エチレンジアミン)−ビス
(ドデシルベンゼンスルホネート)、ナフテン酸銅、ロ
ジン銅、ビス(ペンタクロロフェノール酸)銅などが挙
げられ、好ましくは無機系の亜酸化銅、チオシアン化銅
(ロダン銅)が用いられる。
【0044】このような銅化合物は、銅に代えて、ある
いは銅と共に1種または2種以上組合わせて用いること
ができる。このような銅および/または銅化合物は、こ
の防汚塗料組成物中に、合計で通常、1〜70重量%、
好ましくは3〜65重量%の量で含まれていることが望
ましい。また防汚塗料組成物中に含まれるシリル(メ
タ)アクリレート共重合体100重量部に対して、該銅
および/または銅化合物は、合計で通常、3〜1400
重量部、好ましくは10〜1300重量部の量で含まれ
ていることが望ましい。
【0045】この銅および/または銅化合物の含有量
が、該防汚塗料組成物中にこの範囲にあると、防汚性に
優れるようになる傾向がある。本発明においては、防汚
剤として、上記銅および/または銅化合物と共に、ある
いは上記銅および/または銅化合物に代えて、下記式[I
V]で示されるピリチオン系化合物(すなわち、金属−ピ
リチオン類)[式中R1〜R4は、それぞれ独立に水素、
アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基を示
し、Mは、Zn、Cu、Na、Mg、Ca、Ba、P
b、Fe、Al等の金属を示し、nは価数を示す]など
が含まれていてもよい。
【0046】
【化8】
【0047】このようなピリチオン系化合物は、本発明
の防汚塗料組成物中に、合計で通常、0.1〜15重量
%、好ましくは0.5〜10重量%の量で含まれている
ことが望ましい。また防汚塗料組成物中に含まれる後述
するシリル(メタ)アクリレート共重合体[B]100重
量部に対して、該ピリチオン系化合物は、合計で通常、
0.3〜300重量部、好ましくは2〜200重量部の
量で含まれていることが望ましい。
【0048】本発明においては、このピリチオン系化合
物と共に、あるいはこのピリチオン系化合物に代えて下
記の防汚剤(他の防汚剤)を含有していてもよく、この
ような他の防汚剤としては、従来より公知の各種防汚剤
を用いることができ、具体的には、例えば、テトラメチ
ルチウラムジサルファイド、カーバメート系の毒物
(例:ジンクジメチルジチオカーバメート、マンガン-
2-エチレンビスジチオカーバメート)、2,4,5,
6−テトラクロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチ
ルジクロロフェニル尿素、4,5−ジクロロ-2-n-オ
クチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2,4,6−トリ
クロロフェニルマレイミド、ピリジン-トリフェニルボ
ラン等を挙げることができる。本発明においては、この
ような防汚剤をジンクピリチオン(上記式[IV]で、R1
〜R4=H、M=Zn、n=2のものに相当)等のピリ
チオン系化合物とともに、1種または2種以上組み合わ
せて用いることができる。また、この防汚塗料組成物に
含まれる銅および/または銅化合物、ピリチオン系化合
物などの各種防汚剤の含有量は、防汚塗料組成物調製時
に用いられる防汚剤、被膜形成性共重合体などの種類あ
るいはこのような防汚塗料組成物が塗布形成される船舶
等の種類(船舶では、外航−内航用、各種海水域用、木
造−鋼鉄船用等)などにもより一概に決定されないが、
上記シリル(メタ)アクリレート共重合体100重量部
に対して、防汚剤総量として通常10〜1400重量部
の量で、好ましくは20〜1300重量部の量で含有さ
れていることが望ましい。
【0049】この防汚剤総量が10重量部未満では、防
汚性に劣ることがあり、また1400重量部を超えると
それ以上の防汚性は期待できない上に、耐クラック性に
劣ることがある。
【0050】例えば、防汚剤として銅ピリチオンと亜酸
化銅(Cu2O)とを組み合わせて用いる場合、銅ピリ
チオンは、シリル(メタ)アクリレート共重合体100
重量部に対して2〜200重量部の量で、また、この亜
酸化銅は、上記シリル(メタ)アクリレート共重合体1
00重量部に対して通常10〜1300重量部程度の量
で防汚塗料組成物中に含有されていても良い。
【0051】<シリル(メタ)アクリレート共重合体
[B]>このシリル(メタ)アクリレート共重合体[B]
は、下記式[I]で表されるシリル(メタ)アクリレート
成分単位(a)と、下記式[II]で表される不飽和単量体成
分単位(b)と、これら成分単位(a)および(b)以外の他の
不飽和単量体成分単位(c)とから構成されている。
【0052】以下、このシリル(メタ)アクリレート共
重合体を構成する各成分単位(a)、(b)、(c)について順
次説明する。[シリル(メタ)アクリレート成分単位(a)] シリル(メ
タ)アクリレート成分単位(a)は、下記式[I]で表され
る。
【0053】式[I]:
【0054】
【化9】
【0055】式[I]中、R1は、水素原子またはメチル基
を示し、R2、R3、R4は、互いに同一でも異なってい
てもよく、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、置
換基を有していてもよいフェニル基の何れかを示し、上
記アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜18、さらに
好ましくは1〜6であり、シクロアルキル基の炭素数
は、好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜8であ
る。また、上記フェニル基中の水素原子と置換可能な置
換基としては、アルキル、アリール、ハロゲンなどが挙
げられる。
【0056】このようなシリル(メタ)アクリレート成
分単位を誘導しうるシリル(メタ)アクリレートは、下
記式[I-a]で表される。 式[I-a]:
【0057】
【化10】
【0058】式[I-a]中、R1は、上記式[I]中のR1と同
様のものであって、水素原子またはメチル基を示し、R
2、R3、R4も上記式[I]中のR2、R3、R4と同様のも
のであって、互いに同一でも異なっていてもよく、それ
ぞれ上記と同様のアルキル基、シクロアルキル基、置換
基を有していてもよいフェニル基の何れかを示す。
【0059】このようなシリル(メタ)アクリレート[I
-a]としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル
酸トリメチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリ
エチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリプロピ
ルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリイソプロピ
ルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリブチルシリ
ルエステル、(メタ)アクリル酸トリsec−ブチルシ
リルエステル、(メタ)アクリル酸トリiso−ブチル
シリルエステル等のようにR2、R3およびR4が同一の
シリル(メタ)アクリレート; (メタ)アクリル酸ジsec−ブチル−メチルシリルエ
ステル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル−ジメチル
シリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルプロピル
シリルエステル、(メタ)アクリル酸モノメチルジプロ
ピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸メチルエチル
プロピルシリルエステル等のようにR2、R3およびR4
のうちの1部または全部が互いに異なったシリル(メ
タ)アクリレートなどが挙げられる。
【0060】本発明においては、このようなシリル(メ
タ)アクリレートは1種または2種以上組み合わせて用
いることができる。このようなシリル(メタ)アクリレ
ートの内では、R2、R3およびR4が、それぞれ独立に
メチル基、エチル基、n−、iso−プロピル基、se
c−,tert−,iso−ブチル基等の炭素数が1〜
18程度のアルキル基であるものが好ましく、さらには
2、R3およびR4のうちの少なくとも1つのアルキル
基の炭素数が3以上であるものが好ましく、またR2
3およびR4の総炭素数が5〜21程度のものが好まし
い。このようなシリル(メタ)アクリレートのうちで
は、特にシリル(メタ)アクリレート共重合体合成の容
易性、あるいはこのようなシリル(メタ)アクリレート
共重合体を用いてなる防汚塗料組成物の造膜性、貯蔵安
定性、研掃性の制御のしやすさなどを考慮すると、(メ
タ)アクリル酸トリiso−プロピルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリiso−ブチルシリルエステ
ル、(メタ)アクリル酸ジsec−ブチル−メチルシリ
ルエステル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル−ジメ
チルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリsec−
ブチルシリルエステルが最も好ましく用いられる。
【0061】[アクリル系不飽和単量体成分単位(b)]ア
クリル系不飽和単量体成分単位(b)(単に、不飽和単量
体成分単位(b)とも言う。)は、下記式[II]で表され
る。
【0062】式[II]:
【0063】
【化11】
【0064】式[II]中、R5は、水素原子またはメチル
基を示し、Zは、酸素原子または−NR7を示す。Zが
酸素原子である場合には、R6は置換基を有していても
よいヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル
基または式:
【0065】
【化12】
【0066】で表されるポリアルキレングリコール基
[但し、R8は、アルキレン基であり、nは、2〜50の
整数を示す。]を示す。上記式[II]中のヒドロキシアル
キル基の炭素数は、好ましくは1〜18、さらに好まし
くは2〜9であり、また上記ヒドロキシシクロアルキル
基の炭素数は、好ましくは3〜10、さらに好ましくは
3〜8であり、上記ポリアルキレングリコール基中のア
ルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜8、さらに好ま
しくは2〜4である。
【0067】また、Zが−NR7である場合には、R
7は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換アミ
ノ基、アシル基、アルコキシ基の何れかで置換されてい
てもよい上記と同様の炭素数のアルキル基を示し、R6
は水素原子を示す。
【0068】このような不飽和単量体成分単位(b)を誘
導しうる不飽和単量体は、下記式[II-a]で表される。 式[II-a]:
【0069】
【化13】
【0070】式[II-a]中、R5は、上記式[II]中のR5
同様のものであって、水素原子またはメチル基を示し、
Zは、上記式[II]中のZと同様のものであって、酸素原
子または−NR7を示す。
【0071】Zが酸素原子である場合には、R6は置換
基を有していてもよいヒドロキシアルキル基、ヒドロキ
シシクロアルキル基または式:
【0072】
【化14】
【0073】で表されるポリアルキレングリコール基
[但し、R8は、アルキレン基であり、nは、2〜50の
整数を示す。]を示す。上記式[II-a]中のヒドロキシア
ルキル基の炭素数は、好ましくは1〜18、さらに好ま
しくは2〜9であり、また上記ヒドロキシシクロアルキ
ル基の炭素数は、好ましくは3〜10、さらに好ましく
は3〜8であり、上記ポリアルキレングリコール基中の
アルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜8、さらに好
ましくは2〜4である。また、Zが−NR7である場合
には、R7は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、
置換アミノ基、アシル基、アルコキシ基の何れかで置換
されていてもよいアルキル基を示し、R6は水素原子を
示す。
【0074】このような不飽和単量体[II-a]としては、
具体的には、例えば、式[II-a]中、Zが酸素原子である
ものとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメ
タクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、
1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=
2)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n
=4)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート
(n=5)、ポリエチレングリコールモノメタクリレー
ト(n=8)、ポリエチレングリコールモノメタクリレ
ート(n=10)、ポリエチレングリコールモノメタク
リレート(n=15)、ポリプロピレングリコールモノ
メタクリレート(n=5)、ポリプロピレングリコール
モノメタクリレート(n=9)、ポリプロピレングリコ
ールモノメタクリレート(n=12)等が挙げられる。
【0075】また、上記式[II-a]中、Zが−NR7であ
るものとしては、具体的には、例えば、N−メチロール
アクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、
N−エトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチル
アミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミ
ノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド等が挙げられる。
【0076】これらの不飽和単量体[II-a]は、1種また
は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの
不飽和単量体[II-a]のうちでは、ヒドロキシル基含有モ
ノマーが好ましく、ヒドロキシル基含有モノマーのうち
では2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシブチルメタクリレートなどを用いると、適度の溶出
性を有する防汚塗膜が得られるため好ましい。
【0077】[不飽和単量体成分単位(c)]不飽和単量
体成分単位(c)は、上記成分単位(a)および上記成分単位
(b)と共に本発明のシリル(メタ)アクリレート共重合
体を構成しており、しかも上記成分単位(a)、(b)の何れ
とも異なる成分単位であって、このような不飽和単量体
成分単位(c)を誘導しうる不飽和単量体(c1)としては、
具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸オクチル等
の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン等のスチレン類;酢酸ビニ
ル、安息香酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル
等のビニルエステル類;クロトン酸エステル類、イタコ
ン酸エステル類、フマル酸エステル類、マレイン酸エス
テル類等が挙げられ、これらのうちでは、(メタ)アク
リル酸エステル類、スチレン類、ビニルエステル類が適
度の塗膜強度を有する防汚塗膜が得られるため好まし
い。
【0078】これらの不飽和単量体は、1種または2種
以上組み合わせて用いられる。本発明に係るシリル(メ
タ)アクリレート共重合体には、上記シリル(メタ)ア
クリレート成分単位(a)は、20〜80重量%、好まし
くは30〜70重量%の量で、アクリル系不飽和単量体
成分単位(b)は0.01〜40重量%、好ましくは0.
1〜20重量%の量で、不飽和単量体成分単位(c)は5
〜79.99重量%、好ましくは10〜60重量%
((a)+(b)+(c)=100重量%)の量で含まれている
ことが、塗膜強度と消耗性の点で望ましい。
【0079】またこのようなシリル(メタ)アクリレー
ト共重合体のゲルパーミエイションクロマトグラフィー
(GPC)で測定した重量平均分子量は、20万以下、
好ましくは5000〜10万であることが、該シリル
(メタ)アクリレート共重合体を配合した防汚塗料調製
の容易性、得られた防汚塗料の塗装作業性、防汚塗膜の
消耗速度、耐クラック性などの点で望ましい。<シリル(メタ)アクリレート共重合体[B]の製造>
のようなシリル(メタ)アクリレート共重合体[B]を得
るには、上記式[I-a]で表されるシリル(メタ)アクリ
レート(a1)20〜80重量%と、上記式[II-a]で表され
る不飽和単量体(b1)0.01〜40重量%と、上記単量
体[I-a]および[II-a]と共重合しうる他の不飽和単量体
(c1)5〜79.99重量%(但し(a1)+(b1)+(c1)=1
00重量%)をラジカル重合開始剤の存在下に、溶液重
合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の各種方法にてラ
ンダム重合させればよい。
【0080】ラジカル重合開始剤としては、従来より公
知のアゾ化合物、過酸化物などを広く用いることがで
き、アゾ化合物としては、具体的には、例えば、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ、過
酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、tert
−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパー
オキシオクテート、クメンハイドロパーオキサイド、t
ert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパー
オキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソ
プロピルカーボネート、tert−ブチルハイドロパー
オキサイド、過硫酸塩(カリ塩、アンモニウム塩)等が
挙げられる。
【0081】上記重合物を防汚塗料に用いる場合には、
上記各種重合法のうちでは、有機溶剤中で重合が行われ
る溶液重合法や塊状重合法が好ましく、溶液重合の際用
いられる有機溶剤としては、キシレン、トルエン等の芳
香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水
素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;イソプ
ロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール
類;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
類;等が挙げられる。これらの溶剤は、1種または2種
以上組み合わせて用いられる。<ビニルエーテル系(共)重合体[C]> このビニルエー
テル系(共)重合体[C]は、 式[III]:H2C=CHO−R (式[III]中、Rは炭化水素基を示す。)で表される
ビニルエーテルから誘導される成分単位を含有する
(共)重合体である。
【0082】上記ビニルエーテル[III]は、ビニルエ
ーテル結合(H2C=CH−O−)を有するビニルエー
テルであり、式[III]中の炭化水素基Rとしては、通
常炭素数が1〜25の脂肪族系、芳香族系の炭化水素基
が挙げられ、直鎖状でも分岐を有していても良く、また
シクロヘキシル環に代表されるような脂環構造を有して
いても良い。また、上記炭化水素基(炭素数が2以上の
場合)を構成する炭素原子C1は、該アルキル基中に含
まれ炭素原子C1に隣接する炭素原子C2と、酸素原子を
介してエーテル結合(C1−O−C2)を形成していても
良く、また、炭化水素基を構成する水素原子は、他の官
能基(−OH、−NH2 など)にて置換されていても良
い。
【0083】より具体的には、上記式[III]中のRは
1価の炭化水素基を示し、1価の炭化水素基としては、
アルキル基、置換されていてもよいフェニル基等が挙げ
られる。
【0084】上記ビニルエーテル系(共)重合体は、上
記式[III]で表されるビニルエーテルの単独重合体ま
たはこのビニルエーテル[III]を主成分として50重
量%以上の量で含有するビニルエーテル系共重合体(こ
れらをまとめて、単に「ビニルエーテル系(共)重合
体」とも言う。)であることが望ましい。
【0085】上記ビニルエーテル系(共)重合体として
具体的には、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエ
チルエーテル、ポリビニルイソプロピルエーテル、ポリ
ビニルイソブチルエーテルなどを例示することができ
る。
【0086】このようなビニルエーテル系(共)重合体
[C]は、防汚塗料組成物中に、合計で通常、0.1〜1
0重量%、好ましくは0.2〜5重量%の量で含まれて
いることが望ましい。また防汚塗料組成物中に含まれる
(メタ)アクリル酸シリルエステル系(共)重合体10
0重量部に対して、該ビニルエーテル系(共)重合体
は、通常、0.3〜60重量部、好ましくは0.6〜4
0重量部の量で含まれていることが望ましい。
【0087】このビニルエーテル系(共)重合体が、該
防汚塗料組成物中にこの範囲にあると、得られる塗膜の
防汚性、耐クラック性、耐剥離防止性、溶出速度安定性
に優れるようになる傾向がある。 <溶出促進成分[D]>溶出促進成分[D]は、海水中で塗
膜の自己研磨作用を促進する働きを有し、このような溶
出促進成分としては、ロジン(例:商品名「ロジンW
W」)およびその誘導体、モノカルボン酸およびその塩
等が挙げられる。
【0088】ロジンには、ガムロジン、ウッドロジン、
トール油ロジンなどがあるが、本発明ではいずれをも使
用することができる。ロジンの誘導体としては、例え
ば、不均化ロジン、低融点不均化ロジン、水添ロジン、
重合ロジン、マレイン化ロジン、アルデヒド変性ロジ
ン、ロジンのポリオキシアルキレンエステル、還元ロジ
ン(ロジンアルコール)、ロジンあるいはロジン誘導体
の金属塩(ロジンあるいはロジン誘導体の銅塩、亜鉛
塩、マグネシウム塩など)、ロジンアミン等が挙げられ
る。これらのロジン及びその誘導体は、1種または2種
以上組み合わせて用いることができる。
【0089】モノカルボン酸としては、例えば、炭素数
5〜30程度の脂肪酸、合成脂肪酸、ナフテン酸が挙げ
られる。モノカルボン酸の塩としては、Cu塩、Zn
塩、Mg塩、Ca塩等が挙げられる。これらの溶出促進
成分のうちでは、ロジンまたはその誘導体が好ましい。
これらの溶出促進成分は、1種または2種以上組み合わ
せて用いることができる。これらの溶出促進成分は、防
汚塗料組成物中に固形分換算で、0.1〜30重量%、
好ましくは、0.1〜20重量%、さらに好ましくは
0.5〜15重量%の量で含有されていることが望まし
い。溶出促進成分の配合割合は、塗膜の防汚性能および
耐水性能の観点からこの範囲にあることが望ましい。
【0090】また防汚塗料組成物中に含まれるシリル
(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して、
該溶出促進成分は、合計で通常、0.3〜600重量
部、好ましくは2〜300重量部の量で含まれているこ
とが望ましい。
【0091】この溶出促進成分が、該防汚塗料組成物中
にこの範囲にあると、防汚性や塗膜の消耗性に優れるよ
うになる傾向がある。<防汚塗料組成物> 本発明に係る防汚塗料組成物には、
上記のような銅および/または銅化合物に代表される防
汚剤[A]と、上記シリル(メタ)アクリレート共重合体
[B]とに加えて、ビニルエーテル系(共)重合体[C]お
よび/または溶出促進成分[D]とが少なくとも含有され
ている。このような防汚塗料組成物によれば、塗膜にク
ラックが発生しにくく、塗膜付着性が良好で塗膜剥離が
起きにくく、塗膜の加水分解速度が良好に制御され、防
汚性特に高汚損環境下における防汚性や長期防汚性に優
れた防汚塗膜が得られる。
【0092】本発明に係る防汚塗料組成物は、上記防汚
剤[A]と、シリル(メタ)アクリレート共重合体[B]
と、ビニルエーテル系(共)重合体[C]および/または
溶出促進成分[D]とを必須成分として含有しているが、
これらの成分[A]、[B]、[C](および/または[D])
以外に、酸化亜鉛(亜鉛華)、脱水剤、タレ止め・沈降
防止剤、塩素化パラフィン等の可塑剤、着色顔料、体質
顔料などの各種顔料、上記ビニルエーテル系(共)重合
体を除くアクリル樹脂などの各種樹脂、消泡剤、色別れ
防止剤、レベリング剤などの各種添加剤など、下記のよ
うな成分を含有していてもよい。 [酸化亜鉛(亜鉛華)]このような防汚塗料組成物に
は、酸化亜鉛(亜鉛華)が含有されていても良い。この
ように酸化亜鉛が配合された防汚塗料組成物では、得ら
れる塗膜強度が向上し、塗膜の研掃性を効果的に制御で
きる。
【0093】また、このような酸化亜鉛は、消耗度調
整、塗膜硬度調整の観点から、この防汚塗料組成物中
に、通常、0.5〜35重量%、好ましくは1〜25重
量%の量で含まれていることが望ましい。 [脱水剤]この防汚塗料組成物には、無機系あるいは有
機系の脱水剤、好ましくは無機系の脱水剤(無機脱水
剤)が配合されていても良い。このように脱水剤が配合
された防汚塗料組成物では、貯蔵安定性を一層向上させ
ることができる。
【0094】脱水剤としては、例えば、無水石膏(Ca
SO4)、合成ゼオライト系吸着剤(商品名:モレキュ
ラーシーブ等)、オルソギ酸メチル、オルソ酢酸メチル
等のオルソエステル類、オルソほう酸エステル、シリケ
ート類やイソシアネート類(商品名:アディティブT
1)等が挙げられ、特に無機脱水剤としては、無水石
膏、モレキュラーシーブが好ましく用いられる。このよ
うな無機脱水剤は、1種または2種以上組み合わせて用
いることができる。
【0095】このような脱水剤特に無機脱水剤は、上記
シリル(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対
して、通常、0.02〜100重量部、好ましくは0.
2〜50重量部の量で配合することが好ましい。
【0096】また、このような無機脱水剤は、この防汚
塗料組成物中に、合計で通常、0.01〜10重量%、
好ましくは0.1〜5重量%の量で含まれていることが
望ましい。このような量で無機脱水剤が防汚塗料組成物
中に含まれていると、貯蔵安定性が向上する傾向があ
る。 [タレ止め・沈降防止剤]タレ止め・沈降防止剤として
は、公知のタレ止め、沈降防止剤が任意量で配合されて
いてもよい。このようなタレ止め・沈降防止剤として
は、Al、Ca、Znのステアレート塩、レシチン塩、
アルキルスルホン酸塩などの塩類、ポリエチレンワック
ス、アミドワックス、水添ヒマシ油ワックス系,ポリア
マイドワックス系および両者の混合物、合成微粉シリ
カ、酸化ポリエチレン系ワックス等が挙げられ、好まし
くは水添ヒマシ油ワックス、ポリアマイドワックス、合
成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワックスが用いられ
る。このようなタレ止め・沈降防止剤としては、楠本化
成(株)製の「ディスパロンA-603-20X」、「ディスパ
ロン4200-20」等の商品名で上市されているものが挙げ
られる。 [顔料、溶剤]顔料としては、従来公知の有機系、無機
系の各種顔料(例:チタン白、ベンガラ、有機赤色顔
料、タルクなど)を用いることができる。なお、染料等
の各種着色剤も含まれていてもよい。
【0097】顔料の形態として針状、扁平状、鱗片状の
ものを使用することにより塗膜の耐クラック性を一層向
上させることが可能である。溶剤としては、例えば、脂
肪族系、芳香族系(例:キシレン、トルエン等)、ケト
ン系、エステル系、エーテル系など通常、防汚塗料に配
合されるような各種溶剤が用いられる。 <防汚塗料組成物の製造>本発明に係る防汚塗料組成物
は、従来より公知の方法を適宜利用することにより製造
することができ、例えば、上記シリル(メタ)アクリレ
ート共重合体[B]と、該共重合体[B]100重量部に対
して3〜1400重量部の量の銅および/または銅化合
物、0〜300重量部の量のピリチオン系化合物(但し
防汚剤[A]総量で25〜1200重量部)と、0.3〜
200重量部の量のビニルエーテル系(共)重合体[C]
と、0.5〜500重量部の量の溶出促進成分[D](但
し、[C]と[D]とは何れか一方でもよい。)と、2〜7
00重量部の量で必要により用いられる亜鉛華と、0.
03〜200重量部の量の脱水剤(例:無水石膏、モレ
キュラーシーブ)と、適宜量で用いられるタレ止め・沈
降防止剤、顔料、溶剤などとを一度にあるいは任意の順
序で加えて攪拌・混合・分散すればよい。
【0098】この防汚塗料組成物は、1液性で貯蔵安定
性に優れ、防汚塗料の付着性、耐久性、防汚性といった
各種要求性能を満足するものである。上記のような防汚
塗料組成物を水中構造物(例:原子力発電所の給排水
口)、湾岸道路、海底トンネル、港湾設備、運河・水路
等のような各種海洋土木工事の汚泥拡散防止膜、船舶、
漁具(例:ロープ、漁網)などの各種成形体の表面に常
法に従って1回〜複数回塗布すれば、耐クラック性、防
汚性に優れた防汚塗膜被覆船体または水中構造物などが
得られる。なお、この防汚塗料組成物は、直接上記船体
または水中構造物等の表面に塗布してもよく、また予め
防錆剤、プライマーなどの下地材が塗布された船体また
は水中構造物等の表面に塗布してもよい。さらには、既
に従来の防汚塗料による塗装が行われ、あるいは上記防
汚剤[A]、シリル(メタ)アクリレート共重合体[B]、
ビニルエーテル系(共)重合体[C]([C]に代えて、ま
たは[C]と共に溶出促進成分[D]を用いても良い。)な
どが含有された本発明の防汚塗料組成物による塗装が行
われている船体、水中構造物等の表面に、補修用として
本発明の防汚塗料組成物を上塗りしてもよい。このよう
にして船体、水中構造物等の表面に形成された防汚塗膜
の厚さは特に限定されないが、例えば、30〜150μ
m/回程度である。
【0099】
【発明の効果】本発明によれば、得られた塗膜にクラッ
クが発生しにくく、塗膜付着性が良好で塗膜剥離が起き
にくく、塗膜の加水分解速度が良好に制御され、防汚性
特に高汚損環境下における防汚性や長期防汚性に優れ、
しかもこれら特性にバランスよく優れた防汚塗膜が得ら
れる防汚塗料組成物が提供される。
【0100】また本発明によれば、このような優れた特
性を有する塗膜および該塗膜で被覆され、上記特性を有
する船体または水中構造物が提供される。また本発明に
よれば、このような防汚塗料組成物を用いた、環境汚染
の恐れの極めて少ない防汚方法が提供される。
【0101】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限
されるものではない。なお、以下の実施例、比較例にお
いて、「部」は「重量部」の意味である。
【0102】[ポリマーの製造例] (共重合体S−1の製造)攪拌機、コンデンサー、温度
計、滴下装置、窒素導入管、加熱・冷却ジャケットを備
えた反応容器にキシレン100部を仕込み窒素気流下で
85℃の温度条件に加熱攪拌を行った。同温度を保持し
つつ滴下装置より、上記反応器内にトリイソプロピルシ
リルアクリレート50部、メチルメタクリレート45
部、2−ヒドロキシプロピルアクリレート5部および重
合開始剤の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1部
の混合物を2時間かけて滴下した。その後同温度で4時
間攪拌を行なった後、2,2’−アゾビスイソブチロニ
トリル0.4部を加え更に同温度で4時間攪拌を行な
い、無色透明の共重合体溶液S−1を得た。
【0103】得られた共重合体溶液S−1の加熱残分
(105℃の恒温器中3時間乾燥後の加熱残分)は5
0.9%であり、25℃における粘度は353cpsで
あり、GPCにより測定した数平均分子量(Mn)は5
132であり、重量平均分子量(Mw)は19344で
あった。共重合体S−1のGPCクロマトグラムを図1
にIRスペクトルのチャートを図20に示す。
【0104】GPCおよびIRの測定条件は以下の通り
である。 [GPC測定条件] 装 置:東ソー社製 HLC−8120GPC カラム:東ソー社製 Super H2000+H4000 6mmI.D.,15cm 溶離液:THF 流 速:0.500ml/min 検出器:RI カラム恒温槽温度:40℃ [IR測定条件] 装 置:日立製作所製 270−30形 日立赤外分光光度計 測定方法:KBrセル、塗布法 (共重合体S−2〜共重合体S−23および比較例用共重合体H1〜H5の製造 ) 上記共重合体S−1の製造の際に、滴下配合成分を表1
〜5に示すように変えた以外は、上記と同様にして共重
合体S−2〜共重合体S−23および比較例用共重合体
H1〜H5を得て、上記と同様にこれらの共重合体(溶
液)の物性値を測定した。
【0105】結果を合わせて表1〜5に示す。
【0106】
【実施例1〜52、比較例1〜5】[防汚塗料組成物の
製造例]表6〜12に示す配合組成の防汚塗料組成物を
製造するに際しては、ガラスビーズを入れたペイントシ
ェーカー内でこれらの配合成分を一緒にして2時間振と
うした後、100メッシュのフィルターにてロ過して、
所望の防汚塗料組成物を得た。
【0107】該防汚塗料組成物について常温で2ヶ月間
貯蔵後の貯蔵安定性を表6〜12に合わせて示す。貯蔵
安定性の評価は塗料試作直後と常温2ヶ月間貯蔵後の粘
度(ストーマー粘度計により測定した25℃におけるK
u値)の増加度により行った。
【0108】(評価基準) 5:粘度の増加が10未満 4:粘度の増加が20未満 3:粘度の増加が30未満 2:粘度の増加が30以上 1:流動性がなくKu値の測定が不可。
【0109】また、該防汚塗料組成物を用いた防汚性、
消耗度の評価を下記のようにして行った。結果を表6〜
12に合わせて示す。
【0110】[防汚性の評価]広島湾の海水中に設置し
た回転ドラムの側面に取付け可能なように曲げ加工が施
された70×200×3mmのサンドブラスト鋼板を用
意した。
【0111】このサンドブラスト鋼板に、エポキシ系ジ
ンクリッチプライマー、エポキシ系防食塗料、ビニル系
バインダーコートをそれぞれの乾燥膜厚が20μm、1
50μm、50μmとなるように1日毎に順次重ねて塗
装した後、供試防汚塗料組成物をその乾燥後の膜厚が2
00μmとなるように塗装し、試験板を得た。回転ドラ
ムにこの試験板を取り付けて周速5ノット、50%稼動
条件(夜間12時間稼動、昼間12時間停止の交互運
転)にて12ヶ月間高汚損環境条件での試験を行い防汚
性の評価を行った。
【0112】防汚性の評価については目視で行い以下の
基準を用いた。 (評価基準) 5:塗膜表面に付着物を認めない 4:塗膜表面に薄いスライムの付着を認める 3:塗膜表面に濃いスライムの付着を認める 2:塗膜表面にスライムの付着及び部分的にシオミドロ
など植物の付着を認める 1:塗膜表面全体がシオミドロなどの植物で覆われてい
る また、下記のような条件で消耗度の評価を行った。
【0113】[消耗度の評価]直径300mmで厚さ3
mmの円盤状サンドブラスト鋼板にエポキシ系ジンクリ
ッチプライマー、エポキシ系防食塗料、ビニル系バイン
ダーコートをそれぞれの乾燥膜厚が20μm、150μ
m、50μmとなるよう1日毎に順次重ねて塗装した
後、7日間室内で乾燥した。その後隙間500μmのア
プリケーターを用い供試防汚塗料組成物を円心から半径
方向に放射状に塗装し、試験板を得た。25℃の海水を
入れた恒温槽中でモーターにこの試験板を取り付け、周
速15ノットで1ヶ月間回転し、円周付近の消耗度(膜
厚減少)を測定した。
【0114】評価結果を合わせて表6〜12に示す。ま
た、膜厚減少測定時の塗膜状態を目視で観察し、以下の
基準にて評価を行った。
【0115】(評価基準) 5:塗膜に異常を認めない 4:部分的に微細なワレを認める 3:全体的に微細なワレを認める 2:部分的に顕著なワレを認める 1:全体的に顕著なワレを認める 評価結果を合わせて表6〜12に示す。
【0116】なお、表中の成分名称等は以下の通りであ
る。 「トヨパラックス150」東ソー(株)製の塩素化パ
ラフィン、 平均炭素数:14.5、塩素含有量:50%、 粘度:12ポイズ/25℃、比重:1.25/25℃。 「ルトナールA−25」BASF社製のポリビニルエ
チルエーテル、 粘度:2.5〜6.0Pa・s/23℃、比重:0.9
6/20℃。 「ロジン溶液」WWロジンの50%キシレン溶液 「ナフテン酸銅溶液」ナフテン酸銅のキシレン溶液、 溶液中の銅含有率:8%。 「可溶性無水石膏D−1」(株)ノリタケカンパニー
リミテド製、 IIICaSO4、白色粉末、平均粒径15μm。 「ディスパロン4200−20」楠本化成(株)製、 酸化ポリエチレンワックス 20%キシレンペースト 「ディスパロンA603−20X」楠本化成(株)製 脂肪酸アマイドワックス 20%キシレンペースト
【0117】
【表1】
【0118】
【表2】
【0119】
【表3】
【0120】
【表4】
【0121】
【表5】
【0122】
【表6】
【0123】
【表7】
【0124】
【表8】
【0125】
【表9】
【0126】
【表10】
【0127】
【表11】
【0128】
【表12】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、共重合体S−1のGPCクロマトグラ
ムである。
【図2】図2は、共重合体S−2のGPCクロマトグラ
ムである。
【図3】図3は、共重合体S−3のGPCクロマトグラ
ムである。
【図4】図4は、共重合体S−6のGPCクロマトグラ
ムである。
【図5】図5は、共重合体S−9のGPCクロマトグラ
ムである。
【図6】図6は、共重合体S−10のGPCクロマトグ
ラムである。
【図7】図7は、共重合体S−11のGPCクロマトグ
ラムである。
【図8】図8は、共重合体S−12のGPCクロマトグ
ラムである。
【図9】図9は、共重合体S−13のGPCクロマトグ
ラムである。
【図10】図10は、共重合体S−14のGPCクロマ
トグラムである。
【図11】図11は、共重合体S−15のGPCクロマ
トグラムである。
【図12】図12は、共重合体S−16のGPCクロマ
トグラムである。
【図13】図13は、共重合体S−17のGPCクロマ
トグラムである。
【図14】図14は、共重合体S−18のGPCクロマ
トグラムである。
【図15】図15は、共重合体S−19のGPCクロマ
トグラムである。
【図16】図16は、共重合体S−20のGPCクロマ
トグラムである。
【図17】図17は、共重合体S−21のGPCクロマ
トグラムである。
【図18】図18は、共重合体S−22のGPCクロマ
トグラムである。
【図19】図19は、共重合体S−23のGPCクロマ
トグラムである。
【図20】図20は、共重合体S−1のIRスペクトル
のチャートである。
【図21】図21は、共重合体S−2のIRスペクトル
のチャートである。
【図22】図22は、共重合体S−3のIRスペクトル
のチャートである。
【図23】図23は、共重合体S−6のIRスペクトル
のチャートである。
【図24】図24は、共重合体S−9のIRスペクトル
のチャートである。
【図25】図25は、共重合体S−10のIRスペクト
ルのチャートである。
【図26】図26は、共重合体S−11のIRスペクト
ルのチャートである。
【図27】図27は、共重合体S−12のIRスペクト
ルのチャートである。
【図28】図28は、共重合体S−13のIRスペクト
ルのチャートである。
【図29】図29は、共重合体S−14のIRスペクト
ルのチャートである。
【図30】図30は、共重合体S−15のIRスペクト
ルのチャートである。
【図31】図31は、共重合体S−16のIRスペクト
ルのチャートである。
【図32】図32は、共重合体S−17のIRスペクト
ルのチャートである。
【図33】図33は、共重合体S−18のIRスペクト
ルのチャートである。
【図34】図34は、共重合体S−19のIRスペクト
ルのチャートである。
【図35】図35は、共重合体S−20のIRスペクト
ルのチャートである。
【図36】図36は、共重合体S−21のIRスペクト
ルのチャートである。
【図37】図37は、共重合体S−22のIRスペクト
ルのチャートである。
【図38】図38は、共重合体S−23のIRスペクト
ルのチャートである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B63B 59/04 B63B 59/04 Z C09D 5/16 C09D 5/16 (72)発明者 引 地 康 人 広島県大竹市明治新開1番地の7 中国塗 料株式会社内 (72)発明者 小 園 幸 夫 広島県大竹市明治新開1番地の7 中国塗 料株式会社内 (72)発明者 日 吉 聡 広島県大竹市明治新開1番地の7 中国塗 料株式会社内 (72)発明者 中 村 直 哉 広島県大竹市明治新開1番地の7 中国塗 料株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]防汚剤と、[B] (a)式[I]: 【化1】 [式[I]中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R
    2、R3、R4は、互いに同一でも異なっていてもよく、
    それぞれアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有し
    ていてもよいフェニル基の何れかを示す。]で表される
    シリル(メタ)アクリレート成分単位20〜80重量
    %、 (b)式[II]: 【化2】 [式[II]中、R5は、水素原子またはメチル基を示し、
    Zは、酸素原子または−NR7を示し、Zが酸素原子で
    ある場合には、R6は置換基を有していてもよいヒドロ
    キシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル基または
    式: 【化3】 で表されるポリアルキレングリコール基[但し、R8は、
    アルキレン基であり、nは、2〜50の整数を示す。]
    を示し、Zが−NR7である場合には、R7は、ハロゲ
    ン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換アミノ基、アシル
    基、アルコキシ基の何れかで置換されていてもよいアル
    キル基を示し、R6は水素原子を示す。]で表されるア
    クリル系不飽和単量体成分単位0.01〜40重量%、
    および(c)上記(a)成分単位および(b)成分単位以外の他
    の不飽和単量体成分単位5〜79.99重量%(但し
    (a)+(b)+(c)=100重量%)から構成され、ゲルパ
    ーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定し
    た重量平均分子量が20万以下であるシリル(メタ)ア
    クリレート共重合体と、[C] 式[III]:H2C=CHO−R (式[III]中、Rは炭化水素基を示す。)で表される
    ビニルエーテルから誘導される成分単位を含有する
    (共)重合体と、を含有することを特徴とする防汚塗料
    組成物。
  2. 【請求項2】[A]防汚剤と、[B]上記請求項1に記載の
    シリル(メタ)アクリレート共重合体と、[D]溶出促進
    成分とを含有することを特徴とする防汚塗料組成物。
  3. 【請求項3】[A]防汚剤と、[B]上記請求項1に記載の
    シリル(メタ)アクリレート共重合体と、[C]上記請求
    項1に記載のビニルエーテル系(共)重合体と、[D]溶
    出促進成分とを含有することを特徴とする防汚塗料組成
    物。
  4. 【請求項4】上記防汚剤が、銅および/または銅化合物
    である請求項1〜3の何れかに記載の防汚塗料組成物。
  5. 【請求項5】上記溶出促進成分が、ロジン、ロジン誘導
    体、ナフテン酸およびその金属塩のうちから選ばれた少
    なくとも1種である請求項2〜4の何れかに記載の防汚
    塗料組成物。
  6. 【請求項6】上記不飽和単量体成分単位(c)が、(メ
    タ)アクリル酸エステル、スチレン、ビニルエステルの
    うちから選択される1種または2種以上の化合物から誘
    導されるものである請求項1〜5の何れかに記載の防汚
    塗料組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の何れかに記載の防汚塗料組
    成物から形成されている防汚塗膜。
  8. 【請求項8】請求項1〜6の何れかに記載の防汚塗料組
    成物を用いることを特徴とする船体または水中構造物の
    防汚方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜6の何れかに記載の防汚塗料組
    成物からなる塗膜にて船体または水中構造物の表面が被
    覆されていることを特徴とする船体または水中構造物。
JP36589199A 1999-01-11 1999-12-24 防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている防汚塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物 Expired - Fee Related JP5281218B2 (ja)

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