JP2006188453A - 防汚剤組成物、その被膜、およびその被膜で被覆された漁網 - Google Patents
防汚剤組成物、その被膜、およびその被膜で被覆された漁網 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】(A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、下記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、(B)防汚剤とを、含有する防汚剤組成物;(1)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが500〜1万、(2)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが1000〜2万、(3)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」。)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において10〜200mPa・S。
【効果】これを用いて防汚性に優れた防汚被膜を形成でき、魚網に被覆すると、優れた防汚効果が長期間に亘って持続する。
【選択図】なし
Description
、また、(a)トリフェニルボロン・ロジンアミン錯体またはトリフェニルボロン・アルキ
ルアミン錯体と、(b)特定の式で表されその親水性親油性バランス(HLB)が2.0〜
7.0であるポリエーテルシリコーンと、(c)樹脂と、(d)有機溶剤とを含有する漁網用防汚剤も同上の分野で優れた防汚効果があること(特開平11−199414号公報:特許文献10)を見出し、それぞれ提案している。
(A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、下記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
(B)防汚剤とを、
含有することを特徴としている。
(2)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが1,000〜20,000(2万)、
(3)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において10〜200mPa・S。
(4)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが1,000〜5,000、
(5)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが2,000〜12,000、
(6)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」。)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において30〜100mPa・S。
(A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、上記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
(B)防汚剤と、
(C)40℃における動粘度(JIS K 6726に適合したオストワルト゛粘度計にて測定。)が5〜400C・S・tの低分子ポリブテンとを、
含有することを特徴としている。
この第2の防汚剤組成物は、低分子量重合体(A)100重量部に対して、防汚剤(B)が通常、2〜1000重量部、好ましくは5〜500重量部、および低分子ポリブテン(C)が通常、2〜500重量部、好ましくは2〜200重量部の範囲にあることが望ましい。
(A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、上記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
(B)防汚剤と、
(D)ポリエーテルシリコーンとを、
含有することを特徴としている。
この第3の防汚剤組成物では、低分子量重合体(A)100重量部に対して、防汚剤(B)が通常、2〜1000重量部、好ましくは5〜500重量部、およびポリエーテルシリコーン(D)が通常、1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部の範囲にあることが望ましい。
本発明に係る第4の防汚剤組成物は、
(A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、上記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
(B)防汚剤と、
(D)ポリエーテルシリコーンと、
(E)ポリスルフィッド、ワックス、ワセリン、および流動パラフィンからなる群から選ばれた少なくとも1種の可塑性樹脂とを、
含有することを特徴としている。
この第4の防汚剤組成物では、低分子量重合体(A)100重量部に対して、
防汚剤(B)が通常、2〜1000重量部、好ましくは5〜500重量部、
ポリエーテルシリコーン(D)が通常1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部お
よび
上記可塑性樹脂(E)が通常、2〜500重量部、好ましくは5〜200重量部の範囲にあることが望ましい。
本発明に係る上記第1〜第4の何れの防汚剤組成物においても、防汚剤(B)が、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、亜酸化銅、チオシアン酸銅、銅ガラス、金属銅紛、n−C8H17−S−S−CH2Cl(クロロメチル−n−オクチルジスルフィッド)、テトラエチルチウラムジスルフィッド、銅ピリチオン、ジンクピリチオン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4イソチアゾリン−3オン、トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロン、トリフェニル[3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン]ボロン、ジフェニルメチルイソプロピルアミンボロン、2,3−ジクロロ−N−(2’、6’−ジエチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2’−エチル、6’−メチルフェニル)マレイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種の防汚剤を含有することが好ましい。
本発明に係る魚網は、上記の何れかに記載された防汚剤組成物から形成された被膜で被覆されたことを特徴としている。
よって、この防汚剤組成物を用いれば、人体や環境への悪影響が軽減されるとともに、防汚性に優れた防汚被膜を船舶、水中構造物、魚網などの表面に、特に好適には魚網の表面に形成することができる。
[防汚剤組成物]
本発明の防汚剤組成物は、低分子量重合体(A)と、防汚剤(B)とを含有している。低分子量重合体(A)
このうちで、低分子量重合体(A)としては、(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、下記要件(1)〜(3)を充足している。本発明では、好ましくは下記要件(4)〜(6)の何れか1つ以上を充足し、特に好ましくは(4)〜(6)全てを充足する重合体が用いられる。
(2)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが1,000〜20,000(2万)、
(3)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において10〜200mPa・S。
(5)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが2,000〜12,000、
(6)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において30〜100mPa・S。
また、上記低分子量重合体(A)としては、そのガラス転移温度Tgが−30℃〜+30℃の範囲にあるものが、該重合体(A)を含有する防汚剤組成物を網、(特に魚網)に塗装(網染め)した場合の塗膜の粘着性、柔軟性の点で好ましい。
(メタ)アクリル酸単量体の誘導体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルキル基、シクロアルキル基の炭素数Cが1〜30程度(シクロアルキル基ではC6〜30程度)であって、アルキル基やシクロアルキル基に含まれている水素原子(H)の一部は、フェニル基等の芳香族基、C1〜3程度のアルコキシ基などで置換されていてもよい、脂肪族または脂環族の(メタ)アクリル酸エステル類;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のアルキル基(C1〜5程度)中の水素原子(H)の一部がOH基で置換されたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類(OH基含有不飽和単量体);
(メタ)アクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン等の珪素含有(メタ)アクリレート類(珪素含有不飽和単量体);
N,N−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド等のアクリルアミド類;
等が挙げられる。
また、不飽和ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニール、プロピオン酸ビニール等のビニールエステル類;
エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等の2塩基性不飽和単量体;
等が挙げられる。
、の使用量をより多くするか、反応温度をより高く設定するか、連鎖移動剤を加えるか、あるいはこれらの手段を適宜組合わせるなどすればよい。
防汚剤(B)
本発明に用いられる防汚剤(B)としては、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート(b1)、銅および/または銅化合物(b2)、前記(b1)および前記(b2)以外の後述する防汚性化合物(b3)、が挙げられ、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
(ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート(b1))
本発明で用いられるビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート(b1)は、下記式[I]で表わされる化合物であり、東北・北海道の定置網に付
着するヒドロゾアに特に効果を発揮する。
(銅および/または銅化合物(b2))
銅および/または銅化合物(b2)のうちで、「銅化合物」は、銅ピリチオンを除くものであって、特に限定されるものではないが、例えば、亜酸化銅(Cu2O)、チオシア
ン化銅(チオシアン酸第一銅、ロダン銅、チオシアン酸銅ともいう。)、塩基性硫酸銅、塩基性酢酸銅、塩基性炭酸銅、水酸化第二銅、特開2000−264804号公報に記載の(溶解性)銅ガラスなどの無機銅化合物が挙げられ、好ましくは亜酸化銅、チオシアン酸銅、銅ガラスが用いられる。亜酸化銅は、西日本の養殖網に付着するフジツボ、セルプラ、ホヤ、藻類に特に効果を発揮する。
(その他の防汚性化合物(b3))
その他の防汚性化合物(b3)としては、クロロメチル−n−オクチルジスルフィッド(式:n−C8H17−S−S−CH2Cl)、テトラメチルチウラムスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、金属ピリチオン塩系化合物、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、トリフェニルボロン・アミン錯体、ジフェニルボロン・アミン錯体、マレイミド化合物、カーバメイト系化合物、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルSトリアジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル等の有機防汚剤が挙げられる。
化アルキル基を示し、Mは、Cu、Zn、Na、Mg、Ca、Ba、Pb、Fe、Al等の金属を示し、nは価数を示す]で示される金属−ピリチオン類が挙げられる。これらのうちでは、銅ピリチオン、ジンクピリチオンが好ましい。
ピリジンまたはその核置換体等のピリジン類などを例示することができる。
ミン)ボロン、トリフェニル[3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン]ボロンが好
ましく用いられる。
クロロ−N−(2−クロロベンジル)マレイミド等が挙げられる。これらのマレイミド化合物のうちでは、2,3−ジクロロ−N−(2'、6'−ジエチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2'−エチル−6'−メチルフェニル)マレイミドが好ましく用
いられる。
H2Cl(クロロメチル−n−オクチルジスルフィッド)、テトラエチルチウラムジスルフ
ィッド、銅ピリチオン、ジンクピリチオン、4,5−ジクロロ−2-n−オクチル−4イソチア
ゾリン−3オン、トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロン、トリフェニル[3−(2−エチ
ルヘキシルオキシ)プロピルアミン]ボロン、ジフェニルメチルイソプロピルアミンボロン、2,3−ジクロロ−N−(2'、6'−ジエチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2'
−エチル、6'−メチルフェニル)マレイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種の防
汚性化合物を用いることが好ましい。
本発明に係る防汚剤組成物が上記低分子量重合体(A)と防汚剤(B)とを含む場合には、このような防汚剤(B)は、防汚効果、環境汚染の抑制等の観点から、防汚剤の種類等
にも拠るが、防汚剤組成物中の低分子量重合体(A)を100重量部とした場合に、通常、2〜1000重量部、好ましくは5〜500重量部となる量で含まれていることが望ましい。
<低分子ポリブテン(C)が含まれた防汚剤組成物>
本発明においては、上記成分(A)、(B)に加えて、さらに、ポリブテンを含む場合には、成分(C)としてのポリブテンは、40℃における動粘度(JIS K 6726に適合したオストワルト゛粘度計にて測定。)が5〜400C・S・tの低分子ポリブテンであることが防汚塗膜の防汚性向上に寄与でき、しかも防汚剤使用量を低減し得るなどの点から望ましい。
防汚剤(B)を2〜1000重量部好ましくは5〜500重量部、および
低分子ポリブテン(C)を2〜500重量部、好ましくは5〜500重量部の量で含むことが望ましい。
低分子ポリブテン(C)は、1〜15重量部、好ましくは2〜10重量部の量で含まれていることが好ましい。
低分子ポリブテン(C)
この低分子量ポリブテン(C)について詳説すると、低分子ポリブテン(C)は、上記低分子量重合体(A)と併用されると、得られる防汚塗膜の防汚効果が一層優れる傾向がある。
<ポリエーテルシリコーン(D)が含まれた防汚剤組成物>
本発明においては、上記成分(A)、(B)に加えて、さらに、成分(D)としてポリエーテルシリコーンを含んでいてもよい。
本発明の防汚剤組成物がこのポリエーテルシリコーン(D)を含む場合には、この防汚剤組成物は、低分子量重合体(A)100重量部に対して、
防汚剤(B)を通常、2〜1000重量部好ましくは5〜500重量部、およびポリエーテルシリコーン(D)を通常、0.1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部の量で含むことが望ましい。
このようなポリエーテルシリコーン(D)は、通常0.1〜10重量部、好ましくは2〜6重量部となる量で含まれていることが望ましい。
ポリエーテルシリコーン(D)
ポリエーテルシリコーン(D)は、下記式[III]
(繰り返し単位数)を示す。]、または炭素数1〜5のアルキル基を示し、これらX1、
X2、X3のうちの少なくとも1個は-R-A-(R3O)n-R4[R、A、R3、R4、n:同
上]であり、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示し、r、mはそれぞれ繰返し単位総数
を示し、繰返し単位[−Si(R2)2O−]と[−Si(R2)(X1)O−]との結合順序は任意である。)で表される。
(a):X1、X2、X3のうちのX1が「-R-A-(C2H4O)n-CH3(R,A,n:同上)」等のポリエーテル基であり、X2、X3がメチル基等のアルキル基である側鎖型ポリエーテルシリコーン、あるいは
(b):X1、X2、X3のうちのX1がメチル基等のアルキル基であり、X2、X3が「-R-
A-(C2H4O)n-CH3(R,A,n:同上)」等のポリエーテル基である両末端型ポリエーテルシリコーン、さらには、
(c):側鎖と片末端、(d):側鎖と両末端、あるいは(e):片末端のみに上記ポリエーテル基が結合した複合型ポリエーテルシリコーン等が挙げられる。これらのうちでは、側鎖型ポリエーテルシリコーン(D)または両末端型ポリエーテルシリコーン(b)が防汚性等の点から好ましい。
は炭素数2〜5のアルキレン基を示すが、このアルキレン基としては、直鎖状または分岐状であってもよく、具体的には、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、i-プロピレン基、n-ブチレン基等が挙げられ、中でも直鎖状のものが好ましく、さらにはエチレ
ン基、n-プロピレン基が好ましく、特にエチレン基が好ましい。
。R4は炭素数1〜5のアルキル基または水素を示し、好ましくはアルキル基であり、こ
のようなアルキル基としては、上記したようなものが例示でき、防汚性の点や、ポリエーテルシリコーン(D)と塗膜形成樹脂(A)との相溶性の点などを考慮するとメチル基が特に好ましい。
(C2H4O)n-H、-C2H4-(C3H6O)n-H、-(C3H6O)n-CH3、-CH2-O-(C2H4O)n-CH3、-CH2-O-(C2H4O)n-H、-(C2H4O)n-CH3、-(C2H4O)n-H、-CH2-O-(C4H6O)n-CH3、-CH2-O-(C4H6O)n-H、-(C4H6O)n-H 等が挙げられ、防汚性の点や、ポリエーテルシリコーン(D)と低分子量重合体(A
)や低分子ポリブテン(C)との相溶性などを考慮すると、ポリエーテル基としては、末端がメトキシ基のものが好ましく、より具体的には-C3H6-O-(C2H4O)n-CH3、-
C2H4-O-(C3H6O)n-CH3が特に好ましい。
側鎖基群のうちの任意の位置に存在していてもよい。
<可塑性樹脂(E)が含まれた防汚剤組成物>
また、本発明においては、上記低分子量重合体(A)、防汚剤(B)、ポリエーテルシリコーン(D)に加えて、さらに可塑性樹脂(E){但し、低分子量重合体(A)、ポリエーテルシリコーン(D)を除く。}を含んでいてもよい。
防汚剤(B)を通常、2〜1000重量部好ましくは5〜500重量部、
ポリエーテルシリコーン(D)を通常、1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部、およびこのような可塑性樹脂(E)を通常、2〜500重量部、好ましくは5〜200重量部の量で含むことが望ましい。
可塑性樹脂(E)
可塑性樹脂(E)としては、ポリスルフィッド、ワックス、ワセリン、流動パラフィンが好ましい。これらの可塑性樹脂は、1種または2種以上組合わせて用いることができる
。
(式中、R1およびR2は炭素数1〜20個のアルキル基を表し、R1およびR2は同一でも異なっていてもよい。nは2〜10の整数、防汚性の面から4または5の整数が好ましい。)
で表わされるジアルキルポリスルフィッドである。
また、流動パラフィンは、原油を蒸留してガソリン分、灯油分、軽油分等を除き、スピンドル油からエンジン油までの留分を採り、精製して得られ、主としてアルキルナフテン類からなる液状炭化水素油であり、好ましくは、JISK9003の規定に適合するものである。
本発明の防汚剤組成物は、上記のような成分を含有してなるが、その他の成分として、界面活性剤、増粘剤、安定剤、顔料、消泡剤などを、適宜選択して用いることができる。
本発明に係る上記防汚剤組成物を調製するには、上記配合成分をそれぞれ上記量で用いて、常法により混合・攪拌等すればよい。
本発明の防汚剤組成物は、漁網の網染めに好ましく使用される。漁網の網染めを行うには、常法に従えばよく、例えば、防汚剤組成物の中に漁網を浸漬して漁網の繊維内あるいは繊維間に防汚剤組成物を浸透含浸させた後、漁網を引き上げ乾燥させればよい。なお、敷延あるいは広げて吊るした漁網の表裏面に防汚剤組成物を静電塗装の方法で、あるいはエアガン、エアレス塗装等の方法で散布してもよい。
上記のような防汚剤組成物は、上記のように主に漁網の防汚処理に好適に使用されるが、例えば、火力・原子力発電所の給排水口等の水中構造物、湾岸道路、海底トンネル、港湾設備、運河・水路等のような各種海洋土木工事の汚泥拡散防止膜、船舶、漁業資材(例:ロープ、浮き子、ブイ)などの各種成形体の表面に常法に従って1回〜複数回塗布してもよく、このようにすれば防汚性に優れ、防汚剤成分が長期間に亘って徐放可能であり、厚塗りしても適度の可撓性を有し耐クラック性に優れた防汚塗膜被覆船舶または水中構造物などが得られる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、「部」は「重量部」を示す。
<使用材料>
(合成例1のA1ワニス)
攪拌機、還流冷却機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、キシレン100重量部を仕込み、100℃に保持した。
5重量部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)5重量部の混合液を3時間で滴下し滴下後約4時間この温度を保持し固形分50.2%、数平均分子量(Mn、測定条件:下記参照。)4000、重量平均分子量(Mw、測定条件:下記参照)9400、粘度80(mPa・s、測定装置:E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」。キシレン50%溶液の25℃での粘度。以下同様。)の低分子量重合体が含まれたワニスA1を得た。
<数平均、重量平均分子量(Mn、Mw)測定装置>
装置:東ソー社製、高速液体クロマトグラフィー「HLC−8120GPC」、
カラム:東ソー社製、「Super H2000+H4000」、6mm I.D.,15cm、
溶離液:THF、
流速:0.500ml/min、
検出器:RI、
カラム恒温槽温度:40℃、
ポリスチレン標準。
(合成例2のA2ワニス)
攪拌機、還流冷却機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、キシレン100重量部を仕込み、100℃に保持した。
(比較合成例1のB1ワニス)
攪拌機、還流冷却機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、キシレン100重量部を仕込み、90℃に保持した。
(比較合成例2のB2ワニス)
攪拌機、還流冷却機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、キシレン100重量部を仕込み、85℃に保持した。
(防汚剤(B))
・亜酸化銅:「亜酸化銅NC301」、NCテック(株)製。
・銅ガラス:「AFG3500」、(酒井ガラス)(株)製。
・銅ピリチオン:「トミサイドCPT」、(APIコーポレーション)(株)製。
・ジンクピリチオン:「トミサイドZPT」、(APIコーポレーション)(株)製。
・トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロン:「YN−18」、(APIコーポレーション)(株)製。
・4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4イソチアゾリン−3オン:「シーナイン211」、(ローム&ハース)(株)製。
・ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート:「TOC3204」、ローム&ハース社製。
(可塑性樹脂(C)など)
・「ポリブテンLV−25」新日本石油化学(株)製、40℃での動粘度:52.5C・S・t、数平均分子量390。
・「ポリブテンHV−15」新日本石油化学(株)製、40℃での動粘度:645C・S・t、数平均分子量540。
(ポリエーテルシリコーン(D))
・「シリコーンオイルKF6016」信越化学(株)製、HLB値=4.5。
・「ST−114PA」東レ・ダウコーニング(株)製、HLB値=5.6。
・「シリコーンTSF4446」:東芝シリコーン(株)製、HLB値=4.8。
(可塑性樹脂(E))
・「ポリスルフィッドDAF−1」:ジオクチルポリスルフィッド、大日本イン キ(株)。
(沈降防止剤)
・「ディスパロン4200−20」、ポリエチレンワックス、楠本化成(株)製。
[実施例1〜4、比較例1〜4]
上記合成例、比較合成例で得たワニス等を使用し、表1に示す組成及び配合量により、魚網用防汚剤組成物を調製した。
この防汚剤にて含浸被覆された被膜付き魚網を海面下約2mに、12ヶ月間浸漬し、海中生物の付着状況を調査した。
<評価基準>
「−」:海中生物の付着なし。
「+」:海中生物の付着ややあり。
「++」:海中生物の付着が非常に多い。
Claims (17)
- (A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、下記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
(B)防汚剤とを、
含有する防汚剤組成物;
(1)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが500〜10,000(1万)、
(2)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが1,000〜20,000(2万)、
(3)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において10〜200mPa・S。 - 低分子量重合体(A)が、下記要件(4)〜(6)を充足する低分子量重合体である請求項1に記載の防汚剤組成物;
(4)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが1,000〜5,000、
(5)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが2,000〜1,2000、
(6)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において30〜100mPa・S。 - 低分子量重合体(A)100重量部(固形分換算値。以下同様。)に対して、防汚剤(B)が2〜1,000重量部の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の防汚剤組成物。
- (A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、下記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
(B)防汚剤と、
(C)40℃における動粘度(JIS K 6726に適合したオストワルト゛粘度計にて測定。)が5〜400C・S・tの低分子ポリブテンとを、
含有することを特徴とする防汚剤組成物;
(1)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが500〜1万、
(2)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが1,000〜2万、
(3)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において10〜200mPa・S。 - 低分子量重合体(A)が、下記要件(4)〜(6)を充足する低分子量重合体である請求項4に記載の防汚剤組成物;
(4)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが1,000〜5,000、
(5)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが2,000〜12,000、
(6)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」。)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において30〜100mPa・S。 - 低分子量重合体(A)100重量部に対して、防汚剤(B)が2〜1,000重量部、および低分子ポリブテン(C)が2〜500重量部の範囲にあることを特徴とする請求項
4または5に記載の防汚剤組成物。 - (A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、下記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
(B)防汚剤と、
(D)ポリエーテルシリコーンとを、
含有することを特徴とする防汚剤組成物;
(1)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが500〜1万、
(2)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが1,000〜2万、
(3)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」。)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において10〜200mPa・S。 - 低分子量重合体(A)が、下記要件(4)〜(6)を充足する低分子量重合体である請求項7に記載の防汚剤組成物;
(4)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが1,000〜5,000、
(5)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが2,000〜12,000、
(6)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」。)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において30〜100mPa・S。 - 低分子量重合体(A)100重量部に対して、防汚剤(B)が2〜1,000重量部、およびポリエーテルシリコーン(D)が1〜100重量部の範囲にあることを特徴とする請求項7または8に記載の防汚剤組成物。
- ポリエーテルシリコーン(D)の親油性親水性バランス(HLB)が2〜7であることを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の防汚剤組成物。
- (A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、下記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
(B)防汚剤と、
(D)ポリエーテルシリコーンと、
(E)ポリスルフィッド、ワックス、ワセリン、および流動パラフィンからなる群から選ばれた少なくとも1種の可塑性樹脂とを、
含有することを特徴とする防汚剤組成物;
(1)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが500〜10,000(1万)、
(2)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが1,000〜20,000(2万)、
(3)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において10〜200mPa・S。 - 低分子量重合体(A)が、下記要件(4)〜(6)を充足する低分子量重合体である請求項11に記載の防汚剤組成物;
(4)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが1,000〜5,000、
(5)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが2,000〜12,000、
(6)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」。)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において30〜100mPa・S。 - 低分子量重合体(A)100重量部に対して、
防汚剤(B)が2〜1,000重量部、
ポリエーテルシリコーン(D)が1〜100重量部および
ポリスルフィッド、ワックス、ワセリン、および流動パラフィンからなる群から選ばれた少なくとも1種の可塑性樹脂(E)が2〜500重量部の範囲にあることを特徴とする請求項11または12に記載の防汚剤組成物。 - ポリエーテルシリコーン(D)の親油性親水性バランス(HLB)が2〜7であることを特徴とする請求項11〜13の何れかに記載の防汚剤組成物。
- 防汚剤(B)が、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、亜酸化銅、チオシアン酸銅、銅ガラス、金属銅紛、n−C8H17−S−S−CH2Cl(クロロメチル−n−オクチルジスルフィッド)、テトラエチルチウラムジスルフィッド、銅ピリチオン、ジンクピリチオン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4イソチアゾリン−3オン、トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロン、トリフェニル[3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン]ボロン、ジフェニルメチルイソプロピルアミンボロン、2,3−ジクロロ−N−(2’、6’−ジエチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2’−エチル、6’−メチルフェニル)マレイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種の防汚剤を含有することを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の防汚剤組成物。
- 請求項1〜15の何れかに記載された防汚剤組成物から形成された被膜。
- 請求項1〜15の何れかに記載された防汚剤組成物から形成された被膜で被覆された漁網。
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