JP2006188453A - 防汚剤組成物、その被膜、およびその被膜で被覆された漁網 - Google Patents

防汚剤組成物、その被膜、およびその被膜で被覆された漁網 Download PDF

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JP2006188453A JP2005001278A JP2005001278A JP2006188453A JP 2006188453 A JP2006188453 A JP 2006188453A JP 2005001278 A JP2005001278 A JP 2005001278A JP 2005001278 A JP2005001278 A JP 2005001278A JP 2006188453 A JP2006188453 A JP 2006188453A
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滋 政岡
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Abstract

【課題】防汚剤の使用量が低減され、環境汚染が抑制され、かつ健康志向性の高い防汚剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、下記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、(B)防汚剤とを、含有する防汚剤組成物;(1)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが500〜1万、(2)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが1000〜2万、(3)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」。)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において10〜200mPa・S。
【効果】これを用いて防汚性に優れた防汚被膜を形成でき、魚網に被覆すると、優れた防汚効果が長期間に亘って持続する。
【選択図】なし

Description

本発明は、魚網用の防汚剤組成物に関し、さらに詳しくは、従来の高分子量重合体を含有した防汚剤組成物に代えて、低分子量の重合体を使用することにより、防汚剤の使用量が低減され、環境汚染が抑制されかつ健康志向・衛生志向性の高い防汚剤組成物、その被膜、およびその被膜で被覆された漁網に関する。
漁網、水中構造物は水中、特に海水中に長期に亘って使用されるため、海水との接触部分において、ヒドロ虫、フサコケムシ、アオサ、アオノリ、セルプラ、カキなど多数の海中生物が付着、繁殖し、そのため漁網等の本来の機能が損なわれる。漁網のなかでも、養殖網や定置網は長期間海水中に静置されるため海中生物の腐食、繁殖が顕著であり、頻繁に取り替えなければならず、経済的損失が大きい。
このような問題を解決するために、海中生物の付着防止を目的として防汚剤ないし防汚塗料の塗装が広く行なわれている。海中生物付着防止法としては、亜酸化銅あるいは有機防汚剤に、これらの防汚剤を適正に溶出させるための展色剤としてロジンとビニル樹脂あるいはアクリル樹脂とを配合した防汚剤組成物、または亜酸化銅あるいは有機防汚剤に、展色剤として加水分解性樹脂(アクリル酸ポリマーのケイ素、銅、亜鉛、錫のアルキルエステルまたはアルコキシエステル)を配合した防汚剤組成物が広く使用されている。また、防汚性を有する展色剤、たとえば室温硬化性シリコーンゴム等は、防汚剤としても使用されている。しかしながら、これらの防汚剤組成物では、満足できる防汚性が得られていない。
またオキシアルキレン基含有鎖状オルガノシロキサンを含有してなる防汚塗料が、特開平3−20370号公報(特許文献1)、特開平4−142373号公報(特許文献2)、特開平5−320538号公報(特許文献3)、特開平5−263022号公報(特許文献4)において提案されている。しかしながら、これらの公報で提案されているオキシアルキレン基含有鎖状オルガノシロキサンを含有してなる防汚塗料は、塗膜形成すれば海草の付着防止効果は優れているものの、ヒドロ虫等の腔腸動物の付着防止効果が劣っている。
また、有機防汚剤としてビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート含有の水中防汚剤が、特公昭39−9681号公報(特許文献5)、特公昭64−11603号公報(特許文献6)、特開平6−157219号公報(特許文献7)などにおいて提案されている。しかしながら、有機防汚剤のうち、ヒドロ虫等の腔腸動物の付着防止に有効とされているビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメートを使用する場合、これらの公報に記載されている従来の技術では、いずれもヒドロ虫等の腔腸動物の付着防止効果は認められるものの、十分でない。
そこで本発明らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、既に、オキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンと、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメートとを特定の割合で配合した水中防汚剤組成物が、漁網および水中構造物へのヒドロ虫等の水中生物の付着防止に非常に優れた効果を示すこと(特開平9−176576号公報:特許文献8)、また、このビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメートに代えて亜酸化銅を配合した水中防汚剤組成物が、漁網および水中構造物への藻類、フジツボ、イガイ等の貝類およびヒドロ虫類などの水中生物の付着防止に有効であること(特開平9−176577号公報:特許文献9)を見出し
、また、(a)トリフェニルボロン・ロジンアミン錯体またはトリフェニルボロン・アルキ
ルアミン錯体と、(b)特定の式で表されその親水性親油性バランス(HLB)が2.0〜
7.0であるポリエーテルシリコーンと、(c)樹脂と、(d)有機溶剤とを含有する漁網用防汚剤も同上の分野で優れた防汚効果があること(特開平11−199414号公報:特許文献10)を見出し、それぞれ提案している。
しかしながら、近年、環境への配慮から、防汚剤組成物中の防汚剤の使用量を一層低減・抑制することが求められ、健康志向・衛生志向性のより高い防汚塗膜を形成可能な防汚剤組成物が求められるようになってきている。
特開平3−20370号公報 特開平4−142373号公報 特開平5−320538号公報 特開平5−263022号公報 特公昭39−9681号公報 特公昭64−11603号公報 特開平6−157219号公報 特開平9−176576号公報 特開平9−176577号公報 特開平11−199414号公報
本発明は、上記のような従来技術上の問題点を解決しようとするものであって、従来の高分子量重合体を含有した防汚剤組成物に代えて、重合体として低分子量の重合体を使用することにより、防汚剤の使用量が低減され、環境汚染が抑制されかつ健康志向・衛生志向性の高い塗膜を形成可能な防汚剤組成物、その被膜、およびその被膜で被覆された漁網を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の防汚剤組成物は、
(A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、下記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
(B)防汚剤とを、
含有することを特徴としている。
(1)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが500〜10,000(1万)、
(2)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが1,000〜20,000(2万)、
(3)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において10〜200mPa・S。
この第1の防汚剤組成物においては、低分子量重合体(A)が、下記要件(4)〜(6)を充足する低分子量重合体であることが望ましい。
(4)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが1,000〜5,000、
(5)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが2,000〜12,000、
(6)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」。)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において30〜100mPa・S。
この第1の防汚剤組成物においては、低分子量重合体(A)100重量部(固形分換算値。以下同様。)に対して、防汚剤(B)が通常2〜1000重量部、好ましくは5〜500重量部の範囲にあることが望ましい。
本発明に係る第2の防汚剤組成物は、
(A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、上記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
(B)防汚剤と、
(C)40℃における動粘度(JIS K 6726に適合したオストワルト゛粘度計にて測定。)が5〜400C・S・tの低分子ポリブテンとを、
含有することを特徴としている。
この第2の防汚剤組成物では、低分子量重合体(A)が、上記要件(4)〜(6)を充足する低分子量重合体であることが好ましい。
この第2の防汚剤組成物は、低分子量重合体(A)100重量部に対して、防汚剤(B)が通常、2〜1000重量部、好ましくは5〜500重量部、および低分子ポリブテン(C)が通常、2〜500重量部、好ましくは2〜200重量部の範囲にあることが望ましい。
本発明に係る第3の防汚剤組成物は、
(A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、上記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
(B)防汚剤と、
(D)ポリエーテルシリコーンとを、
含有することを特徴としている。
この第3の防汚剤組成物では、低分子量重合体(A)が、上記要件(4)〜(6)を充足する低分子量重合体であることが好ましい。
この第3の防汚剤組成物では、低分子量重合体(A)100重量部に対して、防汚剤(B)が通常、2〜1000重量部、好ましくは5〜500重量部、およびポリエーテルシリコーン(D)が通常、1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部の範囲にあることが望ましい。
この第3の防汚剤組成物では、ポリエーテルシリコーン(D)の親油性親水性バランス(HLB)が2〜7であることが好ましい。
本発明に係る第4の防汚剤組成物は、
(A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、上記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
(B)防汚剤と、
(D)ポリエーテルシリコーンと、
(E)ポリスルフィッド、ワックス、ワセリン、および流動パラフィンからなる群から選ばれた少なくとも1種の可塑性樹脂とを、
含有することを特徴としている。
この第4の防汚剤組成物では、低分子量重合体(A)が、上記要件(4)〜(6)を充足する低分子量重合体であることが好ましい。
この第4の防汚剤組成物では、低分子量重合体(A)100重量部に対して、
防汚剤(B)が通常、2〜1000重量部、好ましくは5〜500重量部、
ポリエーテルシリコーン(D)が通常1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部お
よび
上記可塑性樹脂(E)が通常、2〜500重量部、好ましくは5〜200重量部の範囲にあることが望ましい。
この第4の防汚剤組成物では、ポリエーテルシリコーン(D)の親油性親水性バランス(HLB)が2〜7であることが好ましい。
本発明に係る上記第1〜第4の何れの防汚剤組成物においても、防汚剤(B)が、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、亜酸化銅、チオシアン酸銅、銅ガラス、金属銅紛、n−C817−S−S−CH2Cl(クロロメチル−n−オクチルジスルフィッド)、テトラエチルチウラムジスルフィッド、銅ピリチオン、ジンクピリチオン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4イソチアゾリン−3オン、トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロン、トリフェニル[3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン]ボロン、ジフェニルメチルイソプロピルアミンボロン、2,3−ジクロロ−N−(2’、6’−ジエチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2’−エチル、6’−メチルフェニル)マレイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種の防汚剤を含有することが好ましい。
本発明に係る防汚被膜は、上記の何れかに記載された防汚剤組成物から形成されたことを特徴としている。
本発明に係る魚網は、上記の何れかに記載された防汚剤組成物から形成された被膜で被覆されたことを特徴としている。
本発明の防汚剤組成物によれば、防汚剤の使用量が低減され、環境汚染が抑制されかつ健康志向・衛生志向性の高い防汚剤組成物が提供される。
よって、この防汚剤組成物を用いれば、人体や環境への悪影響が軽減されるとともに、防汚性に優れた防汚被膜を船舶、水中構造物、魚網などの表面に、特に好適には魚網の表面に形成することができる。
このように、本発明の防汚剤組成物は漁網用防汚組成物として特に好ましく用いられ、該組成物からなる防汚被膜で被覆された漁網は、防汚効果が長期間に亘って優れる。
以下、本発明に係る防汚剤組成物、その被膜、およびその被膜で被覆された漁網について具体的に説明する。
[防汚剤組成物]
本発明の防汚剤組成物は、低分子量重合体(A)と、防汚剤(B)とを含有している。低分子量重合体(A)
このうちで、低分子量重合体(A)としては、(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、下記要件(1)〜(3)を充足している。本発明では、好ましくは下記要件(4)〜(6)の何れか1つ以上を充足し、特に好ましくは(4)〜(6)全てを充足する重合体が用いられる。
(1)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが500〜10,000(1万)、
(2)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが1,000〜20,000(2万)、
(3)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において10〜200mPa・S。
(4)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが1,000〜5,000、
(5)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが2,000〜12,000、
(6)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において30〜100mPa・S。
この低分子量重合体(A)の数平均分子量Mnが上記範囲より少ないと塗膜形成成分中にモノマーが多く残存し、魚網等に防汚剤組成物を含浸、被覆(すなわち網染め)させても魚網等への塗膜形成が不十分となる傾向があり、また上記範囲より多いと著しく良好な防汚効果が得られない傾向がある。
この低分子量重合体(A)の重量平均分子量Mwが上記範囲より少ないと上記モノマーが多く残存し、塗膜形成が不十分となる傾向があり、また上記範囲より多いと著しく良好な防汚効果が得られない傾向がある。
この低分子量重合体(A)の上記粘度が上記範囲より少ないと塗膜形成が不十分となる傾向があり、また上記範囲より多いと著しい防汚効果が得られない傾向がある。
また、上記低分子量重合体(A)としては、そのガラス転移温度Tgが−30℃〜+30℃の範囲にあるものが、該重合体(A)を含有する防汚剤組成物を網、(特に魚網)に塗装(網染め)した場合の塗膜の粘着性、柔軟性の点で好ましい。
低分子量重合体(A)としては、(メタ)アクリル酸単量体の1種又は2種以上の(共)重合体(イ)、(メタ)アクリル酸の誘導体の1種または2種以上の(共)重合体(ロ)、(メタ)アクリル酸とその誘導体との共重合体(ハ)、(メタ)アクリル酸またはその誘導体と、不飽和ビニル単量体との共重合体(ニ)などが挙げられ、中でも(共)重合体(イ)〜(ハ)が得られる防汚塗膜が防汚性に優れる点で好ましい。
この低分子量重合体(A)を製造する際に用いられるモノマーである(メタ)アクリル酸単量体、その誘導体及び不飽和ビニル単量体について説明する。
(メタ)アクリル酸単量体の誘導体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルキル基、シクロアルキル基の炭素数Cが1〜30程度(シクロアルキル基ではC6〜30程度)であって、アルキル基やシクロアルキル基に含まれている水素原子(H)の一部は、フェニル基等の芳香族基、C1〜3程度のアルコキシ基などで置換されていてもよい、脂肪族または脂環族の(メタ)アクリル酸エステル類;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のアルキル基(C1〜5程度)中の水素原子(H)の一部がOH基で置換されたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類(OH基含有不飽和単量体);
(メタ)アクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン等の珪素含有(メタ)アクリレート類(珪素含有不飽和単量体);
N,N−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド等のアクリルアミド類;
等が挙げられる。
これら(メタ)アクリル酸単量体の誘導体のうちでは、脂肪族または脂環族の(メタ)アクリル酸エステル類が得られる防汚塗膜の防汚性が優れる点で好ましい。
また、不飽和ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニール、プロピオン酸ビニール等のビニールエステル類;
エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等の2塩基性不飽和単量体;
等が挙げられる。
上記モノマーを1種または2種以上(共)重合させて、上記要件(1)〜(3)、好ましくは上記(4)〜(6)等を満たすような低分子量重合体(A)を得るには、(共)重合体製造時にラジカル開始剤{例:2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)}
、の使用量をより多くするか、反応温度をより高く設定するか、連鎖移動剤を加えるか、あるいはこれらの手段を適宜組合わせるなどすればよい。
このようにして得られる上記要件(1)〜(3)、好ましくは上記(4)〜(6)等を満たすような低分子量重合体(A)は、溶媒、例えば、キシレンへの溶解性に優れ、得られる防汚剤組成物は均一で迅速な網染め性などに優れる傾向がある。
本発明において、低分子量重合体(A)は、防汚剤組成物(溶剤を含む。)を100重量部とした場合に、通常10〜60重量部、好ましくは15〜45重量部となる量で含まれていることが望ましい。このような範囲であると、得られる塗膜の造膜性、物性が向上するため好ましい。
防汚剤(B)
本発明に用いられる防汚剤(B)としては、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート(b1)、銅および/または銅化合物(b2)、前記(b1)および前記(b2)以外の後述する防汚性化合物(b3)、が挙げられ、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
(ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート(b1))
本発明で用いられるビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート(b1)は、下記式[I]で表わされる化合物であり、東北・北海道の定置網に付
着するヒドロゾアに特に効果を発揮する。
Figure 2006188453
このビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート(b1)は、水不溶性の防汚剤であり、水中分散性の観点から、平均粒子径が10μm以下であることが好ましい。
(銅および/または銅化合物(b2))
銅および/または銅化合物(b2)のうちで、「銅化合物」は、銅ピリチオンを除くものであって、特に限定されるものではないが、例えば、亜酸化銅(Cu2O)、チオシア
ン化銅(チオシアン酸第一銅、ロダン銅、チオシアン酸銅ともいう。)、塩基性硫酸銅、塩基性酢酸銅、塩基性炭酸銅、水酸化第二銅、特開2000−264804号公報に記載の(溶解性)銅ガラスなどの無機銅化合物が挙げられ、好ましくは亜酸化銅、チオシアン酸銅、銅ガラスが用いられる。亜酸化銅は、西日本の養殖網に付着するフジツボ、セルプラ、ホヤ、藻類に特に効果を発揮する。
このような銅化合物は、銅(特に金属銅粉)に代えて、あるいは銅と共に1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(その他の防汚性化合物(b3))
その他の防汚性化合物(b3)としては、クロロメチル−n−オクチルジスルフィッド(式:n−C817−S−S−CH2Cl)、テトラメチルチウラムスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、金属ピリチオン塩系化合物、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、トリフェニルボロン・アミン錯体、ジフェニルボロン・アミン錯体、マレイミド化合物、カーバメイト系化合物、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルSトリアジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル等の有機防汚剤が挙げられる。
金属ピリチオン塩系化合物としては、具体的には、下記式[II]
Figure 2006188453
[式[II]中R1 〜R4は、それぞれ独立に水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン
化アルキル基を示し、Mは、Cu、Zn、Na、Mg、Ca、Ba、Pb、Fe、Al等の金属を示し、nは価数を示す]で示される金属−ピリチオン類が挙げられる。これらのうちでは、銅ピリチオン、ジンクピリチオンが好ましい。
トリフェニルボロン・アミン錯体はトリフェリルボロンとアミン類とのあいだで形成される錯体である。アミン類としては、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、ヘテロ環式アミン等の第一アミン、第二アミンまたは第三アミンのいずれでもよい。具体的には、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、アニリン、トルイジン等の第一アミン;ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジトリデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジオクタデシルアミン、ジフェニルアミン等の第二アミン;トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリトリデシルアミン、トリテトラデシルアミン、トリヘキサデシルアミン、トリオクタデシルアミン、トリフェニルアミン等の第三アミン;ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2−クロロピリジン、3−クロロピリジン、4−クロロピリジンなどの
ピリジンまたはその核置換体等のピリジン類などを例示することができる。
これらのトリフェニルボロン・アミン錯体のうちでは、トリフェニル(オクタデシルア
ミン)ボロン、トリフェニル[3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン]ボロンが好
ましく用いられる。
ジフェニルボロン・アミン錯体は、ジフェニルアルキルボロンとアミン類との間で形成される錯体である。アルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基であり、アミン類としては、トリフェニルボロン・アミン錯体で例示した第一アミン、第二アミン、第三アミン、ヘテロ環アミン等を例示できる。これらのジフェニルボロン・アミン錯体のうちでは、ジフェニルメチルイソプロピルアミンボロンが好ましく用いられる。
マレイミド化合物としては、例えば、N−ベンジルマレイミド、N−(2、6−ジエチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−エチルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−ブチルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−シクロヘキシルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2'−エチル−6'−メチル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2'、6'−ジエチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2'−エチル−6'−メチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−ベンジルマレイミド、2,3−ジ
クロロ−N−(2−クロロベンジル)マレイミド等が挙げられる。これらのマレイミド化合物のうちでは、2,3−ジクロロ−N−(2'、6'−ジエチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2'−エチル−6'−メチルフェニル)マレイミドが好ましく用
いられる。
カーバメート系化合物としては、例えば、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメイト、ジンクジメチルジチオカーバメート、マンガン-2-エチレンビスジチオカーバメート等が挙げられ、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメイトが好ましく用いられる。
このような「その他の防汚性化合物(b3)」のうちでも、n−C817−S−S−C
2Cl(クロロメチル−n−オクチルジスルフィッド)、テトラエチルチウラムジスルフ
ィッド、銅ピリチオン、ジンクピリチオン、4,5−ジクロロ−2-n−オクチル−4イソチア
ゾリン−3オン、トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロン、トリフェニル[3−(2−エチ
ルヘキシルオキシ)プロピルアミン]ボロン、ジフェニルメチルイソプロピルアミンボロン、2,3−ジクロロ−N−(2'、6'−ジエチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2'
−エチル、6'−メチルフェニル)マレイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種の防
汚性化合物を用いることが好ましい。
本発明では、防汚剤(B)としては、特に、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、亜酸化銅、チオシアン酸銅、銅ガラス、金属銅紛、n−C817−S−S−CH2Cl(クロロメチル−n−オクチルジスルフィッド)、テトラエチルチウラムジスルフィッド、銅ピリチオン、ジンクピリチオン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4イソチアゾリン−3オン、トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロン、トリフェニル[3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン]ボロン、ジフェニルメチルイソプロピルアミンボロン、2,3−ジクロロ−N−(2’、6’−ジエチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2’−エチル、6’−メチルフェニル)マレイミドが好ましい。
本発明では、これら防汚剤(B)は、1種または2種以上組合わせて用いられる。
本発明に係る防汚剤組成物が上記低分子量重合体(A)と防汚剤(B)とを含む場合には、このような防汚剤(B)は、防汚効果、環境汚染の抑制等の観点から、防汚剤の種類等
にも拠るが、防汚剤組成物中の低分子量重合体(A)を100重量部とした場合に、通常、2〜1000重量部、好ましくは5〜500重量部となる量で含まれていることが望ましい。
またこのような防汚剤(B)は、同上の観点から、防汚剤組成物(溶剤を含む)を100重量部とした場合に、通常0.5〜50重量部、好ましくは1〜40重量部となる量で含まれていることが望ましい。
<低分子ポリブテン(C)が含まれた防汚剤組成物>
本発明においては、上記成分(A)、(B)に加えて、さらに、ポリブテンを含む場合には、成分(C)としてのポリブテンは、40℃における動粘度(JIS K 6726に適合したオストワルト゛粘度計にて測定。)が5〜400C・S・tの低分子ポリブテンであることが防汚塗膜の防汚性向上に寄与でき、しかも防汚剤使用量を低減し得るなどの点から望ましい。
本発明の防汚剤組成物がこの低分子ポリブテン(C)を含む場合には、この防汚剤組成物は、低分子量重合体(A)100重量部に対して、
防汚剤(B)を2〜1000重量部好ましくは5〜500重量部、および
低分子ポリブテン(C)を2〜500重量部、好ましくは5〜500重量部の量で含むことが望ましい。
この防汚剤組成物中における上記防汚剤(B)含量が上記範囲にあると防汚性が良好となる傾向があり、また低分子ポリブテン(C)が上記範囲にあると塗膜物性が良好となる傾向がある。
また同上の観点から、防汚剤組成物(溶剤を含む。)を100重量部とした場合に、このような防汚剤(B)は、通常0.5〜50重量部、好ましくは1〜40重量部となる量で含まれ、
低分子ポリブテン(C)は、1〜15重量部、好ましくは2〜10重量部の量で含まれていることが好ましい。
低分子ポリブテン(C)
この低分子量ポリブテン(C)について詳説すると、低分子ポリブテン(C)は、上記低分子量重合体(A)と併用されると、得られる防汚塗膜の防汚効果が一層優れる傾向がある。
一般に、ポリブテンとしては、種々の分子量のものが上市されており、数平均分子量(Mn)または重量平均分子量(Mw)が2百数十〜数万で、40℃における動粘度(測定装置:JISK6726適合のオストワルト゛粘度計)は1ケタの数C・S・t〜数十万C・S・tであるが、本発明ではポリブテンとしては、40℃における動粘度が400C・S・t以下〜5C・S・t以上のものが、得られる塗膜の防汚性の点から最も望ましい。
また、その数平均分子量(Mn)が280〜1000のポリブテンが防汚性の点で好ましい。このようなポリブテンは、たとえば日本石油株式会社よりLV−5、LV−10、LV−25、LV−50、LV−100等の商品名で市販されている。このようなポリブテンは、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
<ポリエーテルシリコーン(D)が含まれた防汚剤組成物>
本発明においては、上記成分(A)、(B)に加えて、さらに、成分(D)としてポリエーテルシリコーンを含んでいてもよい。
このポリエーテルシリコーン(D)の親油性親水性バランス(HLB)は、通常、1〜10、好ましくは2〜7であることが防汚効果の点から望ましい。
本発明の防汚剤組成物がこのポリエーテルシリコーン(D)を含む場合には、この防汚剤組成物は、低分子量重合体(A)100重量部に対して、
防汚剤(B)を通常、2〜1000重量部好ましくは5〜500重量部、およびポリエーテルシリコーン(D)を通常、0.1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部の量で含むことが望ましい。
また防汚剤組成物(溶剤を含む)を100重量部とした場合に、低分子量重合体(A)は前述したように通常、10〜60重量部、好ましくは15〜40重量部で、防汚剤(B)は0.5〜50重量部、好ましくは1〜40重量部の量で、
このようなポリエーテルシリコーン(D)は、通常0.1〜10重量部、好ましくは2〜6重量部となる量で含まれていることが望ましい。
特に、成分(D)の含有量がこの範囲にあると塗膜の防汚性が良好であり、0.1重量部未満では、防汚効果が充分発揮されず、また10重量部を超えると塗膜形成成分(A)、(C)などとの相溶性が低下し、分離を生じる傾向がある。
ポリエーテルシリコーン(D)
ポリエーテルシリコーン(D)は、下記式[III]
Figure 2006188453
(式[III]中、X1、X2、X3はそれぞれ独立にポリエーテル基:-R-A-(R3O)n-R4[Rは炭素数1〜5のアルキレン基、Aは単結合または酸素原子、R3は炭素数1〜5のアルキレン基、R4は炭素数1〜5のアルキル基または水素を示し、nは1〜30の整数
(繰り返し単位数)を示す。]、または炭素数1〜5のアルキル基を示し、これらX1
2、X3のうちの少なくとも1個は-R-A-(R3O)n-R4[R、A、R3、R4、n:同
上]であり、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示し、r、mはそれぞれ繰返し単位総数
を示し、繰返し単位[−Si(R22O−]と[−Si(R2)(X1)O−]との結合順序は任意である。)で表される。
このポリエーテルシリコーン(D)の親水性親油性バランス(HLB)は、通常、1〜10、好ましくは2〜7であることが望ましい。このHLBは、エチレンオキシドの量(重量%)を5で割った値(エチレンオキシド量/5)で示され、このHLBが1〜10、特に2〜7の範囲にあると防汚性が良好であり、特に1未満では、該防汚剤で網染めした漁網からの防汚剤の溶出量が少ないため防汚効果が低く、また特に10を超えると海中への溶出量が多過ぎて長期防汚性に劣る傾向がある。
このようなポリエーテルシリコーンは、ポリエーテル変性シリコーンとも言われ、
(a):X1、X2、X3のうちのX1が「-R-A-(C24O)n-CH3(R,A,n:同上)」等のポリエーテル基であり、X2、X3がメチル基等のアルキル基である側鎖型ポリエーテルシリコーン、あるいは
(b):X1、X2、X3のうちのX1がメチル基等のアルキル基であり、X2、X3が「-R-
A-(C24O)n-CH3(R,A,n:同上)」等のポリエーテル基である両末端型ポリエーテルシリコーン、さらには、
(c):側鎖と片末端、(d):側鎖と両末端、あるいは(e):片末端のみに上記ポリエーテル基が結合した複合型ポリエーテルシリコーン等が挙げられる。これらのうちでは、側鎖型ポリエーテルシリコーン(D)または両末端型ポリエーテルシリコーン(b)が防汚性等の点から好ましい。
上記ポリエーテル基:「-R-A-(R3O)n-R4」中のRは、炭素数1〜5、好ましく
は炭素数2〜5のアルキレン基を示すが、このアルキレン基としては、直鎖状または分岐状であってもよく、具体的には、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、i-プロピレン基、n-ブチレン基等が挙げられ、中でも直鎖状のものが好ましく、さらにはエチレ
ン基、n-プロピレン基が好ましく、特にエチレン基が好ましい。
3は炭素数1〜5の同上のアルキレン基を示し、好ましくはエチレン基が挙げられる
。R4は炭素数1〜5のアルキル基または水素を示し、好ましくはアルキル基であり、こ
のようなアルキル基としては、上記したようなものが例示でき、防汚性の点や、ポリエーテルシリコーン(D)と塗膜形成樹脂(A)との相溶性の点などを考慮するとメチル基が特に好ましい。
このようなポリエーテル基としては、例えば、-C36-O-(C24O)n-C25、-C24-O-(C36O)n-CH3、-C36-O-(C24O)n-CH3、-C24-O-(C36O)n-CH3、-C36-(C24O)n-CH3、-C24-(C36O)n-CH3、-C36-
(C24O)n-H、-C24-(C36O)n-H、-(C36O)n-CH3、-CH2-O-(C24O)n-CH3、-CH2-O-(C24O)n-H、-(C24O)n-CH3、-(C24O)n-H、-CH2-O-(C46O)n-CH3、-CH2-O-(C46O)n-H、-(C46O)n-H 等が挙げられ、防汚性の点や、ポリエーテルシリコーン(D)と低分子量重合体(A
)や低分子ポリブテン(C)との相溶性などを考慮すると、ポリエーテル基としては、末端がメトキシ基のものが好ましく、より具体的には-C36-O-(C24O)n-CH3、-
24-O-(C36O)n-CH3が特に好ましい。
上記R2は、炭素数1〜3のアルキル基を示し、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基が挙げられ、複数のR2は互いに同一であっても異なっていてもよいが、何れもメチル基であることが好ましい。
また、繰返し単位[−Si(R22O−]と繰返し単位[−Si(R2)(X1)O−]との結合順序は任意であり、換言すれば、側鎖のX1がとくに上記ポリエーテル基:「-R-A-(R3O)n-R4」である場合、このX1は、ポリエーテルシリコーン(D)分子中の
側鎖基群のうちの任意の位置に存在していてもよい。
繰返し単位数rは1〜7000の数であり、またmは1〜50の数である。また、このようなポリエーテルシリコーンの分子量は、通常、1,000〜50,000、好ましくは3,000〜10,000程度である。ポリエーテルシリコーン(D)は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
このようなポリエーテルシリコーン(D)としては、シリコーンオイルKF6016(信越化学(株)製、HLB値=4.5)、ST−114PA(東レ・ダウコーニング(株)製、HLB値=5.6)、ポリエーテルシリコーンX22−6515(信越化学(株)製、HLB値=5.7)、シリコーンTSF4446(東芝シリコーン(株)製、HLB=4.8)などを用いることができる。
<可塑性樹脂(E)が含まれた防汚剤組成物>
また、本発明においては、上記低分子量重合体(A)、防汚剤(B)、ポリエーテルシリコーン(D)に加えて、さらに可塑性樹脂(E){但し、低分子量重合体(A)、ポリエーテルシリコーン(D)を除く。}を含んでいてもよい。
可塑性樹脂(E)としては、例えば、ポリスルフィッド、ワックス、ワセリン、および流動パラフィンが挙げられる。これらの可塑性樹脂は、1種または2種以上組合わせて用いてもよい。
本発明の防汚剤組成物がこの可塑性樹脂(E)を含む場合には、この防汚剤組成物は、低分子量重合体(A)100重量部に対して、
防汚剤(B)を通常、2〜1000重量部好ましくは5〜500重量部、
ポリエーテルシリコーン(D)を通常、1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部、およびこのような可塑性樹脂(E)を通常、2〜500重量部、好ましくは5〜200重量部の量で含むことが望ましい。
本発明の防汚剤組成物が上記防汚剤成分(B)を上記量で含むと防汚性が良好となる傾向があり、また成分(D)を上記量で含むと防汚性良好となる傾向があり、また、上記可塑性樹脂成分(E)を上記量で含むと防汚性及び塗膜物性が良好となる傾向がある。
可塑性樹脂(E)
可塑性樹脂(E)としては、ポリスルフィッド、ワックス、ワセリン、流動パラフィンが好ましい。これらの可塑性樹脂は、1種または2種以上組合わせて用いることができる
ポリスルフイッドは、式;「R1(S)n2
(式中、R1およびR2は炭素数1〜20個のアルキル基を表し、R1およびR2は同一でも異なっていてもよい。nは2〜10の整数、防汚性の面から4または5の整数が好ましい。)
で表わされるジアルキルポリスルフィッドである。
このジアルキルポリスルフィッドとしては、ジエチルペンタスルフィッド、ジ第3級ブチルジスルフィッド、ジ第3級ブチルテトラスルフィッド、ジ第3級アミルテトラスルフィッド、ジ第3級オクチルペンタスルフィッド、ジ第3級ノニルペンタスルフィッド、ジ第3級ドデシルペンタスルフィッド、ジノナデシルテトラスルフィッド等が挙げられ、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
ワックスとしては、例えば石油系ワックス、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックスを挙げることができる。この石油系ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムワックスを例示できるが、特にパラフィンワックスが好ましい。
ワセリンとしては、白色ワセリン、黄色ワセリン等が挙げられる。
また、流動パラフィンは、原油を蒸留してガソリン分、灯油分、軽油分等を除き、スピンドル油からエンジン油までの留分を採り、精製して得られ、主としてアルキルナフテン類からなる液状炭化水素油であり、好ましくは、JISK9003の規定に適合するものである。
このような可塑性樹脂(E)のうちでは、ポリスルフィッド、ワックスが防汚効果向上の面から好ましい。
本発明の防汚剤組成物は、上記のような成分を含有してなるが、その他の成分として、界面活性剤、増粘剤、安定剤、顔料、消泡剤などを、適宜選択して用いることができる。
[防汚剤組成物の製造]
本発明に係る上記防汚剤組成物を調製するには、上記配合成分をそれぞれ上記量で用いて、常法により混合・攪拌等すればよい。
[用途]
本発明の防汚剤組成物は、漁網の網染めに好ましく使用される。漁網の網染めを行うには、常法に従えばよく、例えば、防汚剤組成物の中に漁網を浸漬して漁網の繊維内あるいは繊維間に防汚剤組成物を浸透含浸させた後、漁網を引き上げ乾燥させればよい。なお、敷延あるいは広げて吊るした漁網の表裏面に防汚剤組成物を静電塗装の方法で、あるいはエアガン、エアレス塗装等の方法で散布してもよい。
このように網染めし乾燥した後の漁網の重量増加は、漁網1kg当たり、通常80〜200g程度である。
上記のような防汚剤組成物は、上記のように主に漁網の防汚処理に好適に使用されるが、例えば、火力・原子力発電所の給排水口等の水中構造物、湾岸道路、海底トンネル、港湾設備、運河・水路等のような各種海洋土木工事の汚泥拡散防止膜、船舶、漁業資材(例:ロープ、浮き子、ブイ)などの各種成形体の表面に常法に従って1回〜複数回塗布してもよく、このようにすれば防汚性に優れ、防汚剤成分が長期間に亘って徐放可能であり、厚塗りしても適度の可撓性を有し耐クラック性に優れた防汚塗膜被覆船舶または水中構造物などが得られる。
このような本発明に係る防汚剤組成物を、漁網をはじめ、各種成形体の表面に塗布硬化してなる防汚塗膜は、アオサ、フジツボ、アオノリ、セルプラ、カキ、フサコケムシ等の水棲生物の付着を長期間継続的に防止できるなど防汚性に優れている。
このような防汚剤組成物は、漁網の材質が、ポリエチレン、ナイロン、麻、金属、ポリエステルなどである場合に良好に含浸付着する。また、該組成物は、既存の防汚処理漁網表面に含浸付着させてもよい。
このように防汚剤組成物を漁網等に含浸・塗布すれば、水棲生物の付着を阻止でき漁網の網目の閉塞を防止でき、しかも環境汚染の恐れが少ない。なお、この本発明に係る防汚剤組成物は、直接漁網に含浸塗布してもよく、また予めプライマーなどの下地材が塗布された漁網等の表面に塗布してもよい。さらには、既に従来の漁網用防汚剤による防汚処理が行われ、あるいは本発明の防汚剤処理が行われている漁網の表面に、補修用として本発明の防汚剤組成物による塗布処理を施してもよい。
上記のようにして得られる本発明に係る防汚処理漁網は、環境汚染の虞が少なく広汎な漁網付着生物に対して長期防汚性に優れている。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、「部」は「重量部」を示す。
実施例、比較例等において使用した材料を以下に示す。
<使用材料>
(合成例1のA1ワニス)
攪拌機、還流冷却機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、キシレン100重量部を仕込み、100℃に保持した。
次いで、このフラスコ内に、メチルメタクリレート55重量部、ブチルアクリレート4
5重量部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)5重量部の混合液を3時間で滴下し滴下後約4時間この温度を保持し固形分50.2%、数平均分子量(Mn、測定条件:下記参照。)4000、重量平均分子量(Mw、測定条件:下記参照)9400、粘度80(mPa・s、測定装置:E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」。キシレン50%溶液の25℃での粘度。以下同様。)の低分子量重合体が含まれたワニスA1を得た。
<数平均、重量平均分子量(Mn、Mw)測定装置>
装置:東ソー社製、高速液体クロマトグラフィー「HLC−8120GPC」、
カラム:東ソー社製、「Super H2000+H4000」、6mm I.D.,15cm、
溶離液:THF、
流速:0.500ml/min、
検出器:RI、
カラム恒温槽温度:40℃、
ポリスチレン標準。
(合成例2のA2ワニス)
攪拌機、還流冷却機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、キシレン100重量部を仕込み、100℃に保持した。
次いで、このフラスコ内に、イソブチルメタクリレート34重量部、n−ブチルメタクリレート25重量部、ブチルアクリレート39重量部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)5重量部、オクチルチオグリコレート3重量部の混合液を3時間で滴下し、滴下後約4時間この温度を保持し固形分50.5%、数平均分子量(Mn、測定条件:同上。)2800、重量平均分子量(Mw、測定条件:同上。)5700、粘度50(mPa・s、25℃、測定条件:E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)の低分子量重合体が含まれたワニスA2を得た。
(比較合成例1のB1ワニス)
攪拌機、還流冷却機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、キシレン100重量部を仕込み、90℃に保持した。
次いで、このフラスコ内に、メチルメタクリレート55重量部、ブチルアクリレート45重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1重量部の混合液を3時間で滴下し滴下後約4時間この温度を保持し固形分50.2%、数平均分子量(Mn、測定条件:同上。)16000、重量平均分子量(Mw、測定条件:同上。)44600、粘度520(mPa・s、25℃、測定条件:E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)の重合体が含まれたワニスB1を得た。
(比較合成例2のB2ワニス)
攪拌機、還流冷却機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、キシレン100重量部を仕込み、85℃に保持した。
次いで、このフラスコ内に、イソブチルメタクリレート34重量部、n−ブチルメタクリレート25重量部、ブチルアクリレート39重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.15重量部の混合液を3時間で滴下し滴下後約4時間この温度を保持し固形分50.5%、数平均分子量(Mn、測定条件:同上。)23400、重量平均分子量(Mw、測定条件:同上。)17500、粘度9000(mPa・s、25℃、測定条件:E型粘度計、トキメック社製、「VISCONIC EMD」)の重合体が含まれたワニスB2を得た。
(防汚剤(B))
・亜酸化銅:「亜酸化銅NC301」、NCテック(株)製。
・銅ガラス:「AFG3500」、(酒井ガラス)(株)製。
・銅ピリチオン:「トミサイドCPT」、(APIコーポレーション)(株)製。
・ジンクピリチオン:「トミサイドZPT」、(APIコーポレーション)(株)製。
・トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロン:「YN−18」、(APIコーポレーション)(株)製。
・4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4イソチアゾリン−3オン:「シーナイン211」、(ローム&ハース)(株)製。
・ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート:「TOC3204」、ローム&ハース社製。
(可塑性樹脂(C)など)
・「ポリブテンLV−25」新日本石油化学(株)製、40℃での動粘度:52.5C・S・t、数平均分子量390。
・「ポリブテンHV−15」新日本石油化学(株)製、40℃での動粘度:645C・S・t、数平均分子量540。
(ポリエーテルシリコーン(D))
・「シリコーンオイルKF6016」信越化学(株)製、HLB値=4.5。
・「ST−114PA」東レ・ダウコーニング(株)製、HLB値=5.6。
・「シリコーンTSF4446」:東芝シリコーン(株)製、HLB値=4.8。
(可塑性樹脂(E))
・「ポリスルフィッドDAF−1」:ジオクチルポリスルフィッド、大日本イン キ(株)。
(沈降防止剤)
・「ディスパロン4200−20」、ポリエチレンワックス、楠本化成(株)製。
[実施例1〜4、比較例1〜4]
上記合成例、比較合成例で得たワニス等を使用し、表1に示す組成及び配合量により、魚網用防汚剤組成物を調製した。
これらの防汚剤組成物にポリエチレン製無結節網(7節、400デニール/50本)を浸漬してこの魚網に該防汚剤組成物を含浸・塗布し、室内で48時間風乾した。
この防汚剤にて含浸被覆された被膜付き魚網を海面下約2mに、12ヶ月間浸漬し、海中生物の付着状況を調査した。
結果を表1に示す。
<評価基準>
「−」:海中生物の付着なし。
「+」:海中生物の付着ややあり。
「++」:海中生物の付着が非常に多い。
Figure 2006188453

Claims (17)

  1. (A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、下記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
    (B)防汚剤とを、
    含有する防汚剤組成物;
    (1)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが500〜10,000(1万)、
    (2)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが1,000〜20,000(2万)、
    (3)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において10〜200mPa・S。
  2. 低分子量重合体(A)が、下記要件(4)〜(6)を充足する低分子量重合体である請求項1に記載の防汚剤組成物;
    (4)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが1,000〜5,000、
    (5)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが2,000〜1,2000、
    (6)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において30〜100mPa・S。
  3. 低分子量重合体(A)100重量部(固形分換算値。以下同様。)に対して、防汚剤(B)が2〜1,000重量部の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の防汚剤組成物。
  4. (A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、下記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
    (B)防汚剤と、
    (C)40℃における動粘度(JIS K 6726に適合したオストワルト゛粘度計にて測定。)が5〜400C・S・tの低分子ポリブテンとを、
    含有することを特徴とする防汚剤組成物;
    (1)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが500〜1万、
    (2)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが1,000〜2万、
    (3)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において10〜200mPa・S。
  5. 低分子量重合体(A)が、下記要件(4)〜(6)を充足する低分子量重合体である請求項4に記載の防汚剤組成物;
    (4)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが1,000〜5,000、
    (5)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが2,000〜12,000、
    (6)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」。)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において30〜100mPa・S。
  6. 低分子量重合体(A)100重量部に対して、防汚剤(B)が2〜1,000重量部、および低分子ポリブテン(C)が2〜500重量部の範囲にあることを特徴とする請求項
    4または5に記載の防汚剤組成物。
  7. (A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、下記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
    (B)防汚剤と、
    (D)ポリエーテルシリコーンとを、
    含有することを特徴とする防汚剤組成物;
    (1)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが500〜1万、
    (2)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが1,000〜2万、
    (3)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」。)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において10〜200mPa・S。
  8. 低分子量重合体(A)が、下記要件(4)〜(6)を充足する低分子量重合体である請求項7に記載の防汚剤組成物;
    (4)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが1,000〜5,000、
    (5)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが2,000〜12,000、
    (6)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」。)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において30〜100mPa・S。
  9. 低分子量重合体(A)100重量部に対して、防汚剤(B)が2〜1,000重量部、およびポリエーテルシリコーン(D)が1〜100重量部の範囲にあることを特徴とする請求項7または8に記載の防汚剤組成物。
  10. ポリエーテルシリコーン(D)の親油性親水性バランス(HLB)が2〜7であることを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の防汚剤組成物。
  11. (A)(メタ)アクリル酸単量体またはその誘導体及び、必要により不飽和ビニル単量体を(共)重合してなり、下記要件(1)〜(3)を充足する低分子量重合体と、
    (B)防汚剤と、
    (D)ポリエーテルシリコーンと、
    (E)ポリスルフィッド、ワックス、ワセリン、および流動パラフィンからなる群から選ばれた少なくとも1種の可塑性樹脂とを、
    含有することを特徴とする防汚剤組成物;
    (1)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが500〜10,000(1万)、
    (2)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが1,000〜20,000(2万)、
    (3)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において10〜200mPa・S。
  12. 低分子量重合体(A)が、下記要件(4)〜(6)を充足する低分子量重合体である請求項11に記載の防汚剤組成物;
    (4)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、数平均分子量Mnが1,000〜5,000、
    (5)ポリスチレンを標準とした高速液体クロマトグラフィーによる分子量測定において、重量平均分子量Mwが2,000〜12,000、
    (6)粘度計(E型粘度計、トキメック社製「VISCONIC EMD」。)にて測定した、キシレンの50%溶液の粘度が25℃において30〜100mPa・S。
  13. 低分子量重合体(A)100重量部に対して、
    防汚剤(B)が2〜1,000重量部、
    ポリエーテルシリコーン(D)が1〜100重量部および
    ポリスルフィッド、ワックス、ワセリン、および流動パラフィンからなる群から選ばれた少なくとも1種の可塑性樹脂(E)が2〜500重量部の範囲にあることを特徴とする請求項11または12に記載の防汚剤組成物。
  14. ポリエーテルシリコーン(D)の親油性親水性バランス(HLB)が2〜7であることを特徴とする請求項11〜13の何れかに記載の防汚剤組成物。
  15. 防汚剤(B)が、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、亜酸化銅、チオシアン酸銅、銅ガラス、金属銅紛、n−C817−S−S−CH2Cl(クロロメチル−n−オクチルジスルフィッド)、テトラエチルチウラムジスルフィッド、銅ピリチオン、ジンクピリチオン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4イソチアゾリン−3オン、トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロン、トリフェニル[3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン]ボロン、ジフェニルメチルイソプロピルアミンボロン、2,3−ジクロロ−N−(2’、6’−ジエチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2’−エチル、6’−メチルフェニル)マレイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種の防汚剤を含有することを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の防汚剤組成物。
  16. 請求項1〜15の何れかに記載された防汚剤組成物から形成された被膜。
  17. 請求項1〜15の何れかに記載された防汚剤組成物から形成された被膜で被覆された漁網。

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