JP2021105069A - 防汚塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】前記の複合バインダー系防汚塗料であっても泡跡やピンホールの発生を大幅に防止することで塗膜外観が良好であり、かつ、クラック等の塗膜異常を起こさない防汚塗料組成物を提供する。【解決手段】本発明によれば、重合体Aと、重合体Bと、成分Cと、成分Dを含有する防汚塗料組成物であって、前記重合体Aは、単量体(a)と、前記単量体(a)以外のエチレン性不飽和単量体(b)との共重合体であり、前記単量体(a)は、一般式(1)で表され、前記重合体Bは、前記単量体(b)を重合して得られる重合体であり、前記成分Cは、パラフィン系炭化水素溶剤とナフテン系炭化水素溶剤の少なくとも一方であり、前記成分Dは、成分C以外の有機溶剤であり、成分Cの質量比(成分C/(成分C+成分D))が、0.05〜0.50である防汚塗料組成物が提供される。【選択図】なし
Description
本発明は、防汚塗料組成物に関する。
フジツボ、セルプラ、ムラサキイガイ、フサコケムシ、ホヤ、アオノリ、アオサ、スライム等の水棲汚損生物が、船舶(特に船底部分)や漁網類、漁網付属具等の漁業具や発電所導水管等の水中構造物に付着することにより、それら船舶等の機能が害される、外観が損なわれる等の問題がある。
このような問題を防ぐために、船舶等に防汚塗料組成物を塗布して防汚塗膜を形成し、防汚塗膜から防汚薬剤を徐放させることによって、長期間に渡って防汚性能を発揮させる技術が知られている(特許文献1)。
このような問題を防ぐために、船舶等に防汚塗料組成物を塗布して防汚塗膜を形成し、防汚塗膜から防汚薬剤を徐放させることによって、長期間に渡って防汚性能を発揮させる技術が知られている(特許文献1)。
近年ではシリル系加水分解性バインダーと非加水分解性の(メタ)アクリルエステル重合体を混合した防汚塗料組成物の開発が進められている(特許文献2)。
シリル系加水分解性バインダーと非加水分解性の(メタ)アクリルエステル重合体を混合した複合バインダー系の防汚塗料は、エアレススプレー等の比較的泡を巻き込み易い環境下で塗装された場合、乾燥過程において内存する気泡の抜けが悪く、得られた乾燥塗膜に気泡由来の跡やピンホールが多数残り、外観不良を引き起こす問題があった。また、塗膜表面に発生した気泡由来の後やピンホールが、海水へ浸漬後、一定期間経過した後にクラック等の塗膜異常を誘引することが検討を重ねた結果判明した。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、前記の複合バインダー系防汚塗料であっても泡跡やピンホールの発生を大幅に防止することで塗膜外観が良好であり、かつ、クラック等の塗膜異常を起こさない防汚塗料組成物を提供するものである。
本発明によれば、重合体Aと、重合体Bと、成分Cと、成分Dを含有する防汚塗料組成物であって、前記重合体Aは、単量体(a)と、前記単量体(a)以外のエチレン性不飽和単量体(b)との共重合体であり、前記単量体(a)は、一般式(1)で表され、前記重合体Bは、前記単量体(b)を重合して得られる重合体であり、前記成分Cは、パラフィン系炭化水素溶剤とナフテン系炭化水素溶剤の少なくとも一方であり、前記成分Dは、成分C以外の有機溶剤であり、成分Cの質量比(成分C/(成分C+成分D))が、0.05〜0.50である防汚塗料組成物が提供される。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、重合体A、重合体B、成分C、及び成分Dを含む組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。特に、成分Cの質量比(成分C/(成分C+成分D))を0.05〜0.50にすることによって、ピンホールの発生を抑制することができた。
以下、本発明について詳細を説明する。
1.防汚塗料組成物
本発明の防汚塗料組成物は、重合体Aと、重合体Bと、成分Cと、成分Dを含有する。
1.防汚塗料組成物
本発明の防汚塗料組成物は、重合体Aと、重合体Bと、成分Cと、成分Dを含有する。
1−1.重合体A
重合体Aは、単量体(a)と、単量体(a)以外のエチレン性不飽和単量体(b)との共重合体である。重合体Aは、単量体(a)〜(b)に由来する単量体単位を含む。
重合体Aは、単量体(a)と、単量体(a)以外のエチレン性不飽和単量体(b)との共重合体である。重合体Aは、単量体(a)〜(b)に由来する単量体単位を含む。
<単量体(a)>
単量体(a)は、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体であり、一般式(1)で表される。
(式中、R1は水素又はメチル基、R2〜R4はそれぞれ同一又は異なって炭素数3〜8の分岐アルキル基又はフェニル基を示す)
単量体(a)は、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体であり、一般式(1)で表される。
R2〜R4の炭素数3〜8の分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、テキシル基、シクロヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルブチル基、2−エチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロヘキシルメチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、3−メチルペンチル基等が挙げられる。R2〜R4として好ましいものは、イソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、フェニル基、及び2−エチルヘキシル基である。特に好ましいものは、イソプロピル基、及び2−エチルヘキシル基である。
単量体(a)としては、例えば、(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリル、(メタ)アクリル酸トリイソブチルシリル、(メタ)アクリル酸トリs−ブチルシリル、(メタ)アクリル酸トリイソペンチルシリル、メタ(メタ)アクリル酸トリフェニルシリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルフェニルシリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルイソブチルシリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルs−ブチルシリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルイソペンチルシリル、(メタ)アクリル酸イソプロピルジイソブチルシリル、(メタ)アクリル酸イソプロピルジs−ブチルシリル、(メタ)アクリル酸t−ブチルジイソプチルシリル、(メタ)アクリル酸t−ブチルジイソペンチルシリル、(メタ)アクリル酸t−ブチルジフェニルシリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルテキシルシリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルシクロヘキシルシリル、(メタ)アクリル酸トリシクロヘキシルシリル、(メタ)アクリル酸トリ1,1−ジメチルペンチルシリル、(メタ)アクリル酸トリ2,2−ジメチルプロピルシリル、(メタ)アクリル酸トリシクロヘキシルメチルシリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルシクロヘキシルメチルシリル、(メタ)アクリル酸トリ2−エチルヘキシルシリル、(メタ)アクリル酸トリ2−プロピルペンチルシリル等が挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリル、(メタ)アクリル酸トリs−ブチルシリル、(メタ)アクリル酸t−ブチルジフェニルシリル、(メタ)アクリル酸トリ2−エチルヘキシルシリル等が挙げられる。これらの単量体(a)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
<単量体(b)>
単量体(b)は、単量体(a)以外のエチレン性不飽和単量体であり、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、ビニル化合物、芳香族化合物、二塩基酸のジアルキルエステル化合物等が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステル、又はメタアクリル酸エステルを意味する。
単量体(b)は、単量体(a)以外のエチレン性不飽和単量体であり、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、ビニル化合物、芳香族化合物、二塩基酸のジアルキルエステル化合物等が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステル、又はメタアクリル酸エステルを意味する。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2一エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−エトキエチル、(メタ)アクリル酸プロピレングリコールモノメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、及び(メタ)アクリル酸フェニル等が挙げられる。
ビニル化合物としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルブチレート、ブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン等の官能基を有するビニル化合物が挙げられる。
芳香族化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
二塩基酸のジアルキルエステル化合物としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジメチル等が挙げられる。
本発明においては、これら単量体(b)を単独又は二種以上で用いることができる。特に、単量体(b)としては、塗膜物性の観点から、(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、特に耐クラック性の観点から、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2一エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等がより好ましい。
重合体Aは、単量体(a)15〜75質量%及び単量体(b)85〜25質量%を共重合して得られるものが好ましく、単量体(a)が20質量%〜60質量%が更に好ましい。単量体(a)の含有量は、具体的には例えば、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
前記範囲内の重合体Aを本発明の塗料組成物として使用した場合、特に塗膜溶解性が良好となる。
前記範囲内の重合体Aを本発明の塗料組成物として使用した場合、特に塗膜溶解性が良好となる。
重合体Aの重量平均分子量(Mw)は5000〜300000であることが望ましい。分子量が5000未満であれば、防汚塗料の塗膜が脆弱となり、剥離やクラックを起こし易く、また、300000を超えると、重合体溶液の粘度が上昇し、取扱いが困難となるからである。このMwは、具体的には例えば、5000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200000、300000であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
Mwの測定方法としては、例えばゲル浸透クロマトグラフィー(GPC法)が挙げられる。
重合体Aは、単量体(a)と単量体(b)とのランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、又はブロック共重合体のいずれの共重合体であってもよい。
重合体Aは、例えば、重合開始剤の存在下、単量体(a)及び単量体(b)を重合させることにより得ることができる。
前記重合反応において使用される重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物、ジベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルm−メチルベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオクトエート、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ−ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート等の過酸化物が挙げられる。これら重合開始剤は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。重合開始剤としては、特に、AIBN、ジベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルm−メチルベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオクトエート、及び、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ−トが好ましい。
重合開始剤の使用量を適宜設定することにより、重合体Aの分子量を調整することができる。
重合開始剤の使用量を適宜設定することにより、重合体Aの分子量を調整することができる。
重合方法としては、例えば、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合、非水分散重合等が挙げられる。この中でも特に、簡便に、且つ、精度良く、重合体Aを得ることができる点で、溶液重合、又は非水分散重合が好ましい。
前記重合反応においては、必要に応じて有機溶媒を用いてもよい。有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メトキシプロピル等のエステル系溶剤;イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶剤;ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。
その中でも、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ブチルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール、トルエン、キシレンが好ましい。これら溶媒については、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
その中でも、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ブチルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール、トルエン、キシレンが好ましい。これら溶媒については、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
重合反応における反応温度は、重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよく、通常70〜140℃であり、好ましくは80〜130℃である。
重合反応は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。
1−2.重合体B
重合体Bは、単量体(b)を重合することにより得られる重合体である。単量体(b)は、単量体(a)以外の任意のエチレン性不飽和単量体である。重合体Bの重合に用いる単量体(b)は、重合体Aの重合に用いる単量体(b)と同一の組成であっても異なる組成であってもよい。
重合体Bは、単量体(b)を重合することにより得られる重合体である。単量体(b)は、単量体(a)以外の任意のエチレン性不飽和単量体である。重合体Bの重合に用いる単量体(b)は、重合体Aの重合に用いる単量体(b)と同一の組成であっても異なる組成であってもよい。
本発明においては、単量体(b)を単独又は二種以上で用いることができ、特に、重合体Aとの相溶性の観点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2一エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ベンジルが好ましい。
重合方法、開始剤、溶媒、温度、その他の条件、Mwの測定方法等は、重合体Aで既記の手法が適用できる。
本発明の組成物中における重合体Bの含有量は特に制限されないが、重合体Aとの含有割合が、固形分換算で、質量比(前記重合体A/重合体B)、通常0.05〜20であり、好ましくは0.4〜4である。
1−3.成分C
成分Cは、パラフィン系炭化水素溶剤とナフテン系炭化水素溶剤の少なくとも一方である。
前記パラフィン系炭化水素溶剤の化学組成は、分子式CnH2n+2で表せる飽和鎖状化合物で直鎖、および分岐構造である。
前記ナフテン系炭化水素溶剤の化学組成は、分子式CnH2nで表せる分子中に主に炭素数5、6の環状構造を持つ飽和炭化水素およびその誘導体である。
成分Cの炭素数としては、単一または分布を持っていても良く、9〜16が好ましい。
成分Cとしては、市販品として、例えば、ShellSol S、ShellSol TG、ShellSol TD、ShellSol TK、ShellSol TM、ShellSol D70、Shell GTL Solvent GS170、Shell GTL Solvent GS190、Shell GTL Solvent GS215、Shell GTL Solvent GS250、Shell GTL Solvent GS270(商品名、Shell Chemicals社製);
ISOPAR E FLUID、ISOPAR G FLUID、ISOPAR H FLUID、ISOPAR L FLUID、ISOPAR M FLUID、EXXSOL D30 FLUID、EXXSOL D40 FLUID、EXXSOL D60 FLUID、EXXSOL D80 FLUID、EXXSOL D95 FLUID、EXXSOL D110 FLUID、EXXSOL D130 FLUID(商品名、ExxonMobil Chemical社製);
ナフテゾール グレード160、グレード200、グレード220(商品名、JXTGエネルギー株式会社製)が挙げられる。
成分Cは、パラフィン系炭化水素溶剤とナフテン系炭化水素溶剤の少なくとも一方である。
前記パラフィン系炭化水素溶剤の化学組成は、分子式CnH2n+2で表せる飽和鎖状化合物で直鎖、および分岐構造である。
前記ナフテン系炭化水素溶剤の化学組成は、分子式CnH2nで表せる分子中に主に炭素数5、6の環状構造を持つ飽和炭化水素およびその誘導体である。
成分Cの炭素数としては、単一または分布を持っていても良く、9〜16が好ましい。
成分Cとしては、市販品として、例えば、ShellSol S、ShellSol TG、ShellSol TD、ShellSol TK、ShellSol TM、ShellSol D70、Shell GTL Solvent GS170、Shell GTL Solvent GS190、Shell GTL Solvent GS215、Shell GTL Solvent GS250、Shell GTL Solvent GS270(商品名、Shell Chemicals社製);
ISOPAR E FLUID、ISOPAR G FLUID、ISOPAR H FLUID、ISOPAR L FLUID、ISOPAR M FLUID、EXXSOL D30 FLUID、EXXSOL D40 FLUID、EXXSOL D60 FLUID、EXXSOL D80 FLUID、EXXSOL D95 FLUID、EXXSOL D110 FLUID、EXXSOL D130 FLUID(商品名、ExxonMobil Chemical社製);
ナフテゾール グレード160、グレード200、グレード220(商品名、JXTGエネルギー株式会社製)が挙げられる。
1−4.成分D
成分Dは、成分C以外の有機溶剤である。
本発明でいう有機溶剤は、常圧下、25℃で液体であり、且つ沸点が260℃以下の化合物である。前記沸点は、JIS K 5601−2−3:1999(ISO 4626:1980)に準拠して測定した初留点をいう。
成分Dとしては、例えば、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メトキシプロピル等のエステル系溶剤;イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶剤;ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤等が挙げられる。
この中でも、安全性、原料価格、樹脂成分の溶解力、塗膜の乾燥性等を総合的に勘案すると、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メトキシプロピル、メチルイソブチルケトン、ブチルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等が好ましく、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤が更に好ましい。
これら有機溶剤については、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
成分Dは、成分C以外の有機溶剤である。
本発明でいう有機溶剤は、常圧下、25℃で液体であり、且つ沸点が260℃以下の化合物である。前記沸点は、JIS K 5601−2−3:1999(ISO 4626:1980)に準拠して測定した初留点をいう。
成分Dとしては、例えば、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メトキシプロピル等のエステル系溶剤;イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶剤;ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤等が挙げられる。
この中でも、安全性、原料価格、樹脂成分の溶解力、塗膜の乾燥性等を総合的に勘案すると、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メトキシプロピル、メチルイソブチルケトン、ブチルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等が好ましく、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤が更に好ましい。
これら有機溶剤については、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の組成物中における成分C及び成分Dの含有比は、成分Cの質量比(成分C/(成分C+成分D))で0.05〜0.50である。特に、ピンホール防止性と樹脂成分の溶解性のバランスが取り易いという観点から0.10〜0.35が好ましい。0.05未満であると、ピンホール防止性が不十分であり、0.50を超えると重合体A、重合体B、及びその他の樹脂成分等の溶解性が乏しくなり不溶化することで防汚塗料組成物の安定性が保てない傾向がある。この質量比は、具体的には例えば、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
1−5.防汚薬剤
防汚薬剤としては、例えば無機薬剤及び有機薬剤が挙げられる。
無機薬剤としては、例えば、亜酸化銅、チオシアン酸銅(一般名:ロダン銅)、銅粉等が挙げられる。この中でも特に、亜酸化銅とロダン銅が好ましく、亜酸化銅はグリセリン、ショ糖、ステアリン酸、ラウリン酸、リシチン、鉱物油などで表面処理されているものが、貯蔵時の長期安定性の点でより好ましい。
有機薬剤としては、例えば、2−メルカプトピリジン−N−オキシド銅(一般名:カッパーピリチオン)、2−メルカプトピリジン−N−オキシド亜鉛(一般名:ジンクピリチオン)、ジンクエチレンビスジチオカーバメート(一般名:ジネブ)、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3−イソチアゾロン(一般名:シーナイン211)、3,4−ジクロロフェニル−N−N−ジメチルウレア(一般名:ジウロン)、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン(一般名:イルガロール1051)、2−(p−クロロフェニル)−3−シアノー4−ブロモー5−トリフルオロメチルピロール(一般名:Econea28)、4−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール(一般名:メデトミジン)等が挙げられる。
これらの防汚薬剤は1種又は2種以上併用して使用できる。
防汚薬剤としては、例えば無機薬剤及び有機薬剤が挙げられる。
無機薬剤としては、例えば、亜酸化銅、チオシアン酸銅(一般名:ロダン銅)、銅粉等が挙げられる。この中でも特に、亜酸化銅とロダン銅が好ましく、亜酸化銅はグリセリン、ショ糖、ステアリン酸、ラウリン酸、リシチン、鉱物油などで表面処理されているものが、貯蔵時の長期安定性の点でより好ましい。
有機薬剤としては、例えば、2−メルカプトピリジン−N−オキシド銅(一般名:カッパーピリチオン)、2−メルカプトピリジン−N−オキシド亜鉛(一般名:ジンクピリチオン)、ジンクエチレンビスジチオカーバメート(一般名:ジネブ)、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3−イソチアゾロン(一般名:シーナイン211)、3,4−ジクロロフェニル−N−N−ジメチルウレア(一般名:ジウロン)、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン(一般名:イルガロール1051)、2−(p−クロロフェニル)−3−シアノー4−ブロモー5−トリフルオロメチルピロール(一般名:Econea28)、4−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール(一般名:メデトミジン)等が挙げられる。
これらの防汚薬剤は1種又は2種以上併用して使用できる。
1−6.他の添加剤
さらに本発明の防汚塗料用樹脂には、必要に応じて、重合体A及び重合体B以外の樹脂成分、溶出調整剤、可塑剤、顔料、染料、消泡剤、脱水剤、揺変剤、有機溶剤等を添加して防汚塗料とすることができる。
さらに本発明の防汚塗料用樹脂には、必要に応じて、重合体A及び重合体B以外の樹脂成分、溶出調整剤、可塑剤、顔料、染料、消泡剤、脱水剤、揺変剤、有機溶剤等を添加して防汚塗料とすることができる。
溶出調整剤としては、例えば、ロジン、ロジン誘導体、ナフテン酸、シクロアルケニルカルボン酸、ビシクロアルケニルカルボン酸、バーサチック酸、トリメチルイソブテニルシクロヘキセンカルボン酸、及びこれらの金属塩等の、モノカルボン酸及びその塩、又は前記脂環式炭化水素樹脂が挙げられる。これらは単独又は2種以上で使用できる。
前記ロジン誘導体としては、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン化ロジン、ホルミル化ロジン、重合ロジン等を例示できる。
前記脂環式炭化水素樹脂としては、市販品として、例えば、クイントン1500、1525L、1700(商品名、日本ゼオン社製)等が挙げられる。
この中でもロジン、ロジン誘導体、ナフテン酸、バーサチック酸、トリメチルイソブテニルシクロヘキセンカルボン酸、又はこれらの金属塩が好ましい。
前記ロジン誘導体としては、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン化ロジン、ホルミル化ロジン、重合ロジン等を例示できる。
前記脂環式炭化水素樹脂としては、市販品として、例えば、クイントン1500、1525L、1700(商品名、日本ゼオン社製)等が挙げられる。
この中でもロジン、ロジン誘導体、ナフテン酸、バーサチック酸、トリメチルイソブテニルシクロヘキセンカルボン酸、又はこれらの金属塩が好ましい。
前記可塑剤としては、例えば、燐酸エステテル類、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、エポキシ化大豆油、アルキルビニルエーテル重合体、ポリアルキレングリコール類、t−ノニルペンタスルフィド、ワセリン、ポリブテン、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、シリコーンオイル、流動パラフィン、塩素化パラフィン等が挙げられる。これらは単独又は2種以上で使用できる。
前記脱水剤としては、例えば、合成ゼオライト系吸着剤、オルソエステル類、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のシリケート類、カルボジイミド類、カルボジイミダゾール類等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
2.防汚塗料組成物の製造方法
本発明の防汚塗料組成物は、例えば、前記重合体A、重合体B、成分C、成分D、及び他の添加剤等を含有する混合液を、分散機を用いて混合分散することにより製造できる。
前記混合液としては、重合体及び防汚薬剤等の各種材料を溶媒に溶解または分散させたものであることが好ましい。
前記分散機としては、例えば、微粉砕機として使用できるものを好適に用いることができる。例えば、市販のホモミキサー、サンドミル、ビーズミル等を使用することができる。また、撹拌機を備えた容器に混合分散用のガラスビーズ等を加えたものを用い、前記混合液を混合分散してもよい。
前重合体A、重合体B、成分C、成分D、及び他の添加剤は、適宜、分散後や塗装直前に加え混合しても良い。
本発明の防汚塗料組成物は、例えば、前記重合体A、重合体B、成分C、成分D、及び他の添加剤等を含有する混合液を、分散機を用いて混合分散することにより製造できる。
前記混合液としては、重合体及び防汚薬剤等の各種材料を溶媒に溶解または分散させたものであることが好ましい。
前記分散機としては、例えば、微粉砕機として使用できるものを好適に用いることができる。例えば、市販のホモミキサー、サンドミル、ビーズミル等を使用することができる。また、撹拌機を備えた容器に混合分散用のガラスビーズ等を加えたものを用い、前記混合液を混合分散してもよい。
前重合体A、重合体B、成分C、成分D、及び他の添加剤は、適宜、分散後や塗装直前に加え混合しても良い。
3.防汚処理方法、防汚塗膜、および塗装物
本発明の防汚処理方法は、上記防汚塗料組成物を用いて被塗膜形成物の表面に防汚塗膜を形成する。本発明の防汚処理方法によれば、前記防汚塗膜が表面から徐々に溶解し塗膜表面が常に更新されることにより、水棲汚損生物の付着防止を図ることができる。
被塗膜形成物としては、例えば、船舶(特に船底)、漁業具、水中構造物等が挙げられる。
防汚塗膜の厚みは、被塗膜形成物の種類、船舶の航行速度、海水温度等に応じて適宜設定すればよい。例えば、被塗膜形成物が船舶の船底の場合、防汚塗膜の厚みは通常50〜700μm、好ましくは100〜600μmである。
本発明の防汚処理方法は、上記防汚塗料組成物を用いて被塗膜形成物の表面に防汚塗膜を形成する。本発明の防汚処理方法によれば、前記防汚塗膜が表面から徐々に溶解し塗膜表面が常に更新されることにより、水棲汚損生物の付着防止を図ることができる。
被塗膜形成物としては、例えば、船舶(特に船底)、漁業具、水中構造物等が挙げられる。
防汚塗膜の厚みは、被塗膜形成物の種類、船舶の航行速度、海水温度等に応じて適宜設定すればよい。例えば、被塗膜形成物が船舶の船底の場合、防汚塗膜の厚みは通常50〜700μm、好ましくは100〜600μmである。
以下に、実施例等を示し本発明の特徴とするところをより一層明確にする。ただし、本発明は実施例等に限定されるものではない。
各製造例、実施例及び比較例中の%は質量%を示す。重量平均分子量(Mw)は、GPCにより求めた値(ポリスチレン換算値)である。GPCの条件は下記の通りである。
装置・・・ 東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム・・・ TSKgel SuperHZM−M 2本
流量・・・ 0.35 mL/min
検出器・・・ RI
カラム恒温槽温度・・・ 40℃
溶離液・・・ THF
加熱残分は、JIS K 5601−1−2:1999(ISO 3251:1993)「塗料成分試験方法−加熱残分」に準拠して測定した値である。
各製造例、実施例及び比較例中の%は質量%を示す。重量平均分子量(Mw)は、GPCにより求めた値(ポリスチレン換算値)である。GPCの条件は下記の通りである。
装置・・・ 東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム・・・ TSKgel SuperHZM−M 2本
流量・・・ 0.35 mL/min
検出器・・・ RI
カラム恒温槽温度・・・ 40℃
溶離液・・・ THF
加熱残分は、JIS K 5601−1−2:1999(ISO 3251:1993)「塗料成分試験方法−加熱残分」に準拠して測定した値である。
<製造例1(重合体A溶液_A−1の製造)>
温度計、冷却器、攪拌装置及び滴下ロートを備えた四ツ口フラスコに、キシレン40g(初期溶媒)を仕込み、窒素ガスを導入し、攪拌しながら88℃を保持した。そこへ、単量体(a)60g、メタクリル酸メチル30g、アクリル酸2−メトキシエチル10g、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.8g(初期添加)の混合液を88℃で保持しながら3時間かけて滴下した。その後、88℃で1時間攪拌を行った後、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.1g(後添加)を1時間毎に3回添加し、さらに同温度で2時間攪拌を行った後、キシレン60g(希釈溶媒)添加し室温に冷却し、重合体A溶液A−1を得た。A−1の加熱残分、Mwを表1に示す。
温度計、冷却器、攪拌装置及び滴下ロートを備えた四ツ口フラスコに、キシレン40g(初期溶媒)を仕込み、窒素ガスを導入し、攪拌しながら88℃を保持した。そこへ、単量体(a)60g、メタクリル酸メチル30g、アクリル酸2−メトキシエチル10g、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.8g(初期添加)の混合液を88℃で保持しながら3時間かけて滴下した。その後、88℃で1時間攪拌を行った後、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.1g(後添加)を1時間毎に3回添加し、さらに同温度で2時間攪拌を行った後、キシレン60g(希釈溶媒)添加し室温に冷却し、重合体A溶液A−1を得た。A−1の加熱残分、Mwを表1に示す。
<製造例2〜8(重合体A溶液_A−2〜A−4、重合体B溶液_B−1〜B−4の製造)>
表1に示す単量体、重合開始剤及び溶媒を用いて、各反応温度条件下、製造例1と同様の操作で重合反応を行うことにより重合体A溶液A−2〜A−4、および重合体B溶液B−1〜B−4を得た。A−2〜A−4およびB−1〜B−4の加熱残分、Mwを表1に示す。表中の数値は質量%である。
表1に示す単量体、重合開始剤及び溶媒を用いて、各反応温度条件下、製造例1と同様の操作で重合反応を行うことにより重合体A溶液A−2〜A−4、および重合体B溶液B−1〜B−4を得た。A−2〜A−4およびB−1〜B−4の加熱残分、Mwを表1に示す。表中の数値は質量%である。
<製造例9(ロジン亜鉛塩溶液の製造)>
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えたフラスコに、中国産ガムロジン(WW)240gとキシレン360gをフラスコに入れ、更に、前記ロジン中の樹脂酸が全て亜鉛塩を形成するように酸化亜鉛120gを加え、70〜80℃で3時間、減圧下で還流脱水した。その後、冷却しろ過を行い加熱残分が60%になるように濃縮・希釈することにより、ロジン亜鉛塩のキシレン溶液(濃褐色透明液体、加熱残分60%)を得た。
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えたフラスコに、中国産ガムロジン(WW)240gとキシレン360gをフラスコに入れ、更に、前記ロジン中の樹脂酸が全て亜鉛塩を形成するように酸化亜鉛120gを加え、70〜80℃で3時間、減圧下で還流脱水した。その後、冷却しろ過を行い加熱残分が60%になるように濃縮・希釈することにより、ロジン亜鉛塩のキシレン溶液(濃褐色透明液体、加熱残分60%)を得た。
<実施例1〜13及び比較例1〜10(塗料組成物の製造)>
表2〜表4に示す成分を表2〜表4に示す割合(質量%)で配合し、直径1.5〜2.5mmのガラスビーズと混合分散することにより塗料組成物を製造した。
表2〜表4に示す成分を表2〜表4に示す割合(質量%)で配合し、直径1.5〜2.5mmのガラスビーズと混合分散することにより塗料組成物を製造した。
表1〜表4中の溶剤、溶出調整剤、防汚薬剤、顔料、その他の添加剤、成分C、及び、成分Dの詳細は、以下の通りである。
キシレン:特級試薬(キシダ化学株式会社製)
1−メトキシ−2−プロパノール:1級試薬(キシダ化学株式会社製)
酢酸ブチル:特級試薬(キシダ化学株式会社製)
ロジン亜鉛塩溶液:製造例9で製造したものを使用
ロジン溶液:中国産ガムロジン(WW)の固形分60%キシレン溶液
亜酸化銅:商品名「NC−301」(日進ケムコ株式会社製)
銅ピリチオン:商品名「カッパーオマジン」(LONZA社製)
ベンガラ:商品名「ベンガラキンギョク」(森下弁柄工業株式会社製)
タルク:商品名「クラウンタルク3S」(松村産業株式会社製)
酸化亜鉛:商品名「酸化亜鉛2種」(正同化学工業株式会社製)
酸化チタン:商品名「FR−41」(古河機械金属株式会社製)
ディスパロンA603−20X:アマイド系チクソトロピック剤、固形分20%キシレン分散体(楠本化成株式会社製)
塩素化パラフィン:商品名「エンパラA−40S」(東ソー株式会社製)
サンソサイザーE−2000H:エポキシ化大豆油(新日本理化(株)製)
エチルシリケート28:テトラエトキシシラン(コルコート株式会社製)
フローレンAC−2300C:ポリマー系消泡剤、固形分100%(共栄社化学株式会社製)
BYK−066N:シリコーン系消泡剤、固形分0.7%ジイソブチルケトン溶液(ALTANA社製)
ディスパロンOX−880EF:ポリマー系消泡剤、固形分50%酢酸ブチル溶液(楠本化成株式会社製)
ShellSol TG:イソパラフィン系溶剤(Shell Chemicals社製)
ShellSol TK:イソパラフィン系溶剤(Shell Chemicals社製)
Isopar G:イソパラフィン系溶剤(Shell Chemicals社製)
Shell Solvent GS 170: パラフィン系溶剤(Shell Chemicals社製)
Exxsol D40:ナフテン系溶剤(ExxonMobil Chemical社製)
トルエン:特級試薬(キシダ化学株式会社製)
エチルベンゼン:特級試薬(キシダ化学株式会社製)
1,3,5−トリメチルベンゼン:特級試薬(キシダ化学株式会社製)
1−メトキシ−2−プロパノール:1級試薬(キシダ化学株式会社製)
酢酸ブチル:特級試薬(キシダ化学株式会社製)
ロジン亜鉛塩溶液:製造例9で製造したものを使用
ロジン溶液:中国産ガムロジン(WW)の固形分60%キシレン溶液
亜酸化銅:商品名「NC−301」(日進ケムコ株式会社製)
銅ピリチオン:商品名「カッパーオマジン」(LONZA社製)
ベンガラ:商品名「ベンガラキンギョク」(森下弁柄工業株式会社製)
タルク:商品名「クラウンタルク3S」(松村産業株式会社製)
酸化亜鉛:商品名「酸化亜鉛2種」(正同化学工業株式会社製)
酸化チタン:商品名「FR−41」(古河機械金属株式会社製)
ディスパロンA603−20X:アマイド系チクソトロピック剤、固形分20%キシレン分散体(楠本化成株式会社製)
塩素化パラフィン:商品名「エンパラA−40S」(東ソー株式会社製)
サンソサイザーE−2000H:エポキシ化大豆油(新日本理化(株)製)
エチルシリケート28:テトラエトキシシラン(コルコート株式会社製)
フローレンAC−2300C:ポリマー系消泡剤、固形分100%(共栄社化学株式会社製)
BYK−066N:シリコーン系消泡剤、固形分0.7%ジイソブチルケトン溶液(ALTANA社製)
ディスパロンOX−880EF:ポリマー系消泡剤、固形分50%酢酸ブチル溶液(楠本化成株式会社製)
ShellSol TG:イソパラフィン系溶剤(Shell Chemicals社製)
ShellSol TK:イソパラフィン系溶剤(Shell Chemicals社製)
Isopar G:イソパラフィン系溶剤(Shell Chemicals社製)
Shell Solvent GS 170: パラフィン系溶剤(Shell Chemicals社製)
Exxsol D40:ナフテン系溶剤(ExxonMobil Chemical社製)
トルエン:特級試薬(キシダ化学株式会社製)
エチルベンゼン:特級試薬(キシダ化学株式会社製)
1,3,5−トリメチルベンゼン:特級試薬(キシダ化学株式会社製)
表2〜表4中の「構成成分中の有機溶剤と追加添加の成分Dの合計」は、例えば実施例1では、以下の方法で算出した。
重合体溶液A−1中のキシレン:8.2g×(100−加熱残分)(%)=8.2g×49.5%=4.06g
重合体溶液B−1中のキシレン:8.2g×(100−加熱残分)(%)=8.2g×50.5%=4.14g
ロジン亜鉛塩溶液中のキシレン:12.8g×(100−加熱残分)(%)=12.8g×40%=5.12g
ディスパロンA603−20X中のキシレン:0.5g×(100−固形分)(%)=0.5g×80%=0.4g
追加添加の成分D:2.5g
合計:4.06+4.14+5.12+0.4+2.5≒16.2g
重合体溶液A−1中のキシレン:8.2g×(100−加熱残分)(%)=8.2g×49.5%=4.06g
重合体溶液B−1中のキシレン:8.2g×(100−加熱残分)(%)=8.2g×50.5%=4.14g
ロジン亜鉛塩溶液中のキシレン:12.8g×(100−加熱残分)(%)=12.8g×40%=5.12g
ディスパロンA603−20X中のキシレン:0.5g×(100−固形分)(%)=0.5g×80%=0.4g
追加添加の成分D:2.5g
合計:4.06+4.14+5.12+0.4+2.5≒16.2g
実施例・比較例の塗料組成物について、以下に示す試験を行った。
<試験例1(ロータリー試験)>
水槽の中央に直径515mm及び高さ440mmの回転ドラムを取付け、これをモーターで回転できるようにした。また、海水の温度を一定に保つための冷却装置、及び海水のpHを一定に保つためのpH自動コントローラーを取付けた。
試験板を下記の方法に従って作製した。
まず、チタン板(71×100×0.5mm)上に、防錆塗料(エポキシビニル系A/C)を乾燥後の厚みが約100μmとなるよう塗布し乾燥させることにより防錆塗膜を形成した。その後、実施例及び比較例で得られた塗料組成物を、それぞれ前記防錆塗膜の上に、次の方法で塗装した。中毛ウールローラーに所定量の塗料組成物を染込ませ3往復均一に塗装した。室温で1日乾燥後、同様の方法で上から塗り重ねた。得られた塗布物を40℃で1日間乾燥させることにより、厚みが約100〜200μmの乾燥塗膜を有する試験板を作製した。
作製した試験板のうちの一枚を上記装置の回転装置の回転ドラムに海水と接触するように固定して、20ノットの速度で回転ドラムを回転させた。その間、海水の温度を25℃、pHを8.0〜8.2に保ち、一週間毎に海水を入れ換えた。
各試験板の初期の膜厚と毎6ケ月後の残存膜厚をレーザーフォーカス変位計で測定し、その差から溶解した塗膜厚を計算することにより塗膜溶解量を求めた。塗膜溶解量は、1ヶ月あたりの塗膜溶解量(μm/月)で表した。
<試験例1(ロータリー試験)>
水槽の中央に直径515mm及び高さ440mmの回転ドラムを取付け、これをモーターで回転できるようにした。また、海水の温度を一定に保つための冷却装置、及び海水のpHを一定に保つためのpH自動コントローラーを取付けた。
試験板を下記の方法に従って作製した。
まず、チタン板(71×100×0.5mm)上に、防錆塗料(エポキシビニル系A/C)を乾燥後の厚みが約100μmとなるよう塗布し乾燥させることにより防錆塗膜を形成した。その後、実施例及び比較例で得られた塗料組成物を、それぞれ前記防錆塗膜の上に、次の方法で塗装した。中毛ウールローラーに所定量の塗料組成物を染込ませ3往復均一に塗装した。室温で1日乾燥後、同様の方法で上から塗り重ねた。得られた塗布物を40℃で1日間乾燥させることにより、厚みが約100〜200μmの乾燥塗膜を有する試験板を作製した。
作製した試験板のうちの一枚を上記装置の回転装置の回転ドラムに海水と接触するように固定して、20ノットの速度で回転ドラムを回転させた。その間、海水の温度を25℃、pHを8.0〜8.2に保ち、一週間毎に海水を入れ換えた。
各試験板の初期の膜厚と毎6ケ月後の残存膜厚をレーザーフォーカス変位計で測定し、その差から溶解した塗膜厚を計算することにより塗膜溶解量を求めた。塗膜溶解量は、1ヶ月あたりの塗膜溶解量(μm/月)で表した。
<試験例2(塗膜物性試験)>
ロータリー試験の6ヶ月、12ヶ月後の試験板を乾燥後、各塗膜表面を肉眼観察し、塗膜の状態を評価した。評価は以下の方法で行った。
ロータリー試験の6ヶ月、12ヶ月後の試験板を乾燥後、各塗膜表面を肉眼観察し、塗膜の状態を評価した。評価は以下の方法で行った。
◎ :全く異常のない場合
○ :塗膜表面全面積の1割未満、ヘアークラックが見られるもの
△ :塗膜表面全面積の1〜3割に、ヘアークラックが見られるもの
× :塗膜表面全面積の3割以上に、ヘアークラックが見られるもの
××:大きなクラック、ブリスター又はハガレ(塗膜の表面のみや端の一部が剥がれる事)、剥離(塗膜全体が剥がれて、試験塗膜が残っていない状態)などの塗膜に異常が見られるもの
○ :塗膜表面全面積の1割未満、ヘアークラックが見られるもの
△ :塗膜表面全面積の1〜3割に、ヘアークラックが見られるもの
× :塗膜表面全面積の3割以上に、ヘアークラックが見られるもの
××:大きなクラック、ブリスター又はハガレ(塗膜の表面のみや端の一部が剥がれる事)、剥離(塗膜全体が剥がれて、試験塗膜が残っていない状態)などの塗膜に異常が見られるもの
<試験例3(ローラー塗装試験)>
スリガラス(サンドブラスト加工、150×75×1.0mm)上に、中毛ウールローラーに所定量の塗料組成物を染込ませ3往復、均一に塗装した。室温で1日乾燥後、同様の方法で上から塗り重ねた。乾燥後、塗膜表面を肉眼観察し、泡跡やピンホールの数から外観を評価した。ローラー塗装は泡を巻き込み易いため、消泡性やピンホール防止性に対しては厳しく評価できる。2度塗りすることで下地に溶剤が吸われ粘度が上がり、さらに優劣の差が明確になる。評価は以下の方法で行った。
◎ :大きな泡跡やピンホールがない。外観極めて良好。
○ :大きな泡跡無し、ピンホールが0〜5個程度あり。外観良好。
△ :ピンホールが5〜10個程度あり、大きな泡跡が0〜3個程度あり。外観不良。
× :ピンホール、大きな泡跡とも全面に多数観られる。 外観が明らかに悪化。
○ :大きな泡跡無し、ピンホールが0〜5個程度あり。外観良好。
△ :ピンホールが5〜10個程度あり、大きな泡跡が0〜3個程度あり。外観不良。
× :ピンホール、大きな泡跡とも全面に多数観られる。 外観が明らかに悪化。
<試験結果>
実施例1〜13は、ローラー塗装試験においても泡跡、ピンホールがほとんど観察されず、良好な塗膜外観が得られ、ロータリー試験、塗膜物性試験においても問題結果が得られた。
しかし、当発明の構成成分である成分Cを含まない、又は、その含有量が少ない比較例1〜6は、ローラー塗装試験において、泡跡、ピンホールの発生を十分に防止できなかった。
成分Cの質量比を0.6と多くした比較例7では、塗料組成物中の樹脂成分が溶解できずに明らかに分離しており塗料組成物として成り立たないものであった。
比較例1〜6は全体的に試験例2において実施例より劣る傾向があった。
比較例8〜10では市販の消泡剤を配合したが、比較例1〜6と同様な結果となり改善は観られなかっただけでなく、ロータリー試験における平均塗膜溶解量に影響を与える結果となった。
一方、当発明の防汚塗料組成物に含まれる成分Cは揮発成分であるため、元々の樹脂固形分に影響を与えず、結果的に塗膜溶解量にも影響せず、同時に外観の向上や物性強化が図れる。
実施例1〜13は、ローラー塗装試験においても泡跡、ピンホールがほとんど観察されず、良好な塗膜外観が得られ、ロータリー試験、塗膜物性試験においても問題結果が得られた。
しかし、当発明の構成成分である成分Cを含まない、又は、その含有量が少ない比較例1〜6は、ローラー塗装試験において、泡跡、ピンホールの発生を十分に防止できなかった。
成分Cの質量比を0.6と多くした比較例7では、塗料組成物中の樹脂成分が溶解できずに明らかに分離しており塗料組成物として成り立たないものであった。
比較例1〜6は全体的に試験例2において実施例より劣る傾向があった。
比較例8〜10では市販の消泡剤を配合したが、比較例1〜6と同様な結果となり改善は観られなかっただけでなく、ロータリー試験における平均塗膜溶解量に影響を与える結果となった。
一方、当発明の防汚塗料組成物に含まれる成分Cは揮発成分であるため、元々の樹脂固形分に影響を与えず、結果的に塗膜溶解量にも影響せず、同時に外観の向上や物性強化が図れる。
Claims (1)
- 重合体Aと、重合体Bと、成分Cと、成分Dを含有する防汚塗料組成物であって、
前記重合体Aは、単量体(a)と、前記単量体(a)以外のエチレン性不飽和単量体(b)との共重合体であり、
前記単量体(a)は、一般式(1)で表され、
前記重合体Bは、前記単量体(b)を重合して得られる重合体であり、
前記成分Cは、パラフィン系炭化水素溶剤とナフテン系炭化水素溶剤の少なくとも一方であり、
前記成分Dは、成分C以外の有機溶剤であり、
成分Cの質量比(成分C/(成分C+成分D))が、0.05〜0.50である防汚塗料組成物。
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