JPH11323208A - 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法 - Google Patents

防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法

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JPH11323208A
JPH11323208A JP34044698A JP34044698A JPH11323208A JP H11323208 A JPH11323208 A JP H11323208A JP 34044698 A JP34044698 A JP 34044698A JP 34044698 A JP34044698 A JP 34044698A JP H11323208 A JPH11323208 A JP H11323208A
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JP
Japan
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antifouling
copper
antifouling coating
coating composition
meth
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JP34044698A
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Yoshio Ogura
倉 義 雄 小
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Chugoku Marine Paints Ltd
Original Assignee
Chugoku Marine Paints Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (a)(メタ)アクリル酸ヒドロキシ金属
塩系共重合体、(b)カルボン酸の金属塩および(c)銅およ
び/または銅化合物を含有する防汚塗料組成物、および
その防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中
構造物、船舶外板または水中構造物の塗装方法。 【効果】 長期防汚性等に優れた防汚塗膜を形成でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚塗料組成物、
防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造
物、船舶外板または水中構造物の塗装方法に関し、さら
に詳しくは、長期防汚性等に優れた防汚塗膜を形成でき
るような防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆
された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水
中構造物の防汚方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】船舶用防汚塗料には、従来、防汚
剤として有機スズ等の有機化合物が従来用いられていた
が、近年では生体系への安全性の観点から、このような
防汚剤の使用が再検討されている。
【0003】これに代わる防汚剤として、最近では亜酸
化銅、チオシアン化銅を主成分とし、これに有機錫不含
の各種防汚剤すなわち非有機錫系防汚剤を配合すること
により、亜酸化銅等を主成分とする防汚剤の防汚性能の
向上を図ったものが検討されてきた。
【0004】例えば、特開平5-171066号公報
には、(a)二重結合を2〜3個有し、かつ金属を含有す
る重合性単量体2〜30重量%、(b)水酸基および/ま
たはアミノ基を含有するビニル単量体2〜30重量%お
よび(c)共重合可能な他の単量体40〜96重量%から
なる加水分解性の共重合体をビヒクル成分とする防汚性
塗料組成物が開示され、これに防汚剤として亜酸化銅、
亜鉛華、ビス(ジメチルジチオカルバミン酸)亜鉛を配
合したものが挙げられ、長期間防汚性が持続される旨記
載されている。
【0005】特開平8-209005号公報には、R
p−COO−M−OH(式中、Rpは基体樹脂を示し、
Mは2価の金属原子を示す。)で表される分子内に金属
カルボキシレートを有する樹脂を有効成分とする防汚性
樹脂組成物が開示され、Mとしては、2価の金属原子の
銅、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄が挙げられて
いる。この樹脂は、優れた防汚作用を有し、防汚塗料に
使用できる旨記載されている。
【0006】特開平9-286933号公報には、R
p−COOM−OH(式中、Rpは基体樹脂を示し、M
は2価の金属原子を示す。)で表される分子内に金属カ
ルボキシレートを有する樹脂(A)及び亜酸化銅等の防汚
剤(B)を有効成分とする防汚塗料組成物が開示され、M
としては、同上の2価の金属原子が挙げられ、また上記
樹脂(A)と併用可能な樹脂成分として、ロジン(c)が挙げ
られている。該公報には、この組成物は優れた防汚効果
を発揮できる旨記載されている。
【0007】しかしながら、上記〜の各公報に記載
されているような共重合体に例えば亜酸化銅等を配合し
た防汚塗料組成物からなる塗膜は、初期防汚性を有して
いても、経時的に消耗度が低下し、長期防汚性が充分で
ないとの問題点がある。
【0008】このため、船舶・水中構造物の進水・浸漬
初期(これらをまとめて、単に初期と言う。)から安定
した適度な塗膜消耗速度を有し、船底等への付着生物に
対して優れた防汚性能を長期継続的に発揮し得るような
非錫系防汚塗料組成物の出現が求められていた。
【0009】そこで、本発明者らは、鋭意研究を重ねた
ところ、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ金属塩系共重合
体(a)と、カルボン酸の金属塩(b)と、銅および/または
銅化合物(c)とを含有する非錫系の防汚塗料組成物が、
驚くべきことに適度な塗膜溶出速度を有し、船舶付着生
物に対して優れた防汚性能を長期継続的に発揮できるこ
となどを見出して本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、水中浸漬初期
から適度な塗膜消耗速度を有し、船舶・水中構造物等へ
の付着生物に対して優れた防汚性能を長期継続的に発揮
し得るような非錫系の防汚塗料組成物を提供することを
目的としている。
【0011】本発明は、この防汚塗料組成物から形成さ
れており環境汚染の虞が少なく、浸漬初期から適度な塗
膜消耗速度を有し、長期防汚性に優れた防汚塗膜および
該防汚塗膜で被覆された船舶・水中構造物、並びに該防
汚塗料組成物を用いた船舶外板・水中構造物表面の防汚
方法を提供することを目的としている。
【0012】
【発明の概要】本発明に係る防汚塗料組成物は、(a)
(メタ)アクリル酸ヒドロキシ金属塩系共重合体、(b)
カルボン酸の金属塩および(c)銅および/または銅化合
物(上記(a)、(b)を除く。)を含有することを特徴とし
ている。
【0013】本発明においては、上記(a)(メタ)アク
リル酸ヒドロキシ金属塩系共重合体が、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシ亜鉛系共重合体、(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシ銅系共重合体のうちから選択される1種以上で
あることが好ましい。
【0014】本発明においては、上記(a)(メタ)アク
リル酸ヒドロキシ金属塩系共重合体が、 式:Rp−COOM−OH・・・・[II] (式[II]中、Rpは基体樹脂を示し、Mは2価の金属
原子を示す。)で表される分子内に金属カルボキシレー
トを有する樹脂であることが好ましい。
【0015】本発明においては、上記(b)カルボン酸の
金属塩が、ナフテン酸金属塩、ロジン系樹脂酸金属塩、
脂肪酸金属塩のうちから選択される1種以上であること
が好ましい。
【0016】本発明においては、上記(b)カルボン酸の
金属塩が、カルボン酸の亜鉛塩またはカルボン酸の銅塩
であることが好ましい。本発明においては、さらに、
(d)塩素化パラフィンを含有していることが好ましい。
【0017】本発明においては、さらに、(e)酸化亜鉛
を含有していることが好ましい。本発明においては、さ
らに、上記(c)銅および/または銅化合物以外の(f)有機
防汚剤を含有していることが好ましい。
【0018】本発明に係る防汚塗膜は、上記の何れかに
記載の防汚塗料組成物から形成されている。本発明に係
る船舶または水中構造物は、海水と接触する船舶外板ま
たは水中構造物の表面が、上記の何れかに記載の防汚塗
料組成物を塗布硬化してなる防汚塗膜にて被覆されてい
ることを特徴としている。
【0019】本発明に係る船舶外板または水中構造物の
防汚方法は、海水と接触する船舶外板または水中構造物
の表面に、上記の何れかに記載の防汚塗料組成物を塗布
し、防汚塗膜を形成することを特徴としている。
【0020】本発明によれば、塗布硬化後は、水中浸漬
直後から適度な塗膜消耗速度を有し、船舶・水中構造物
付着生物に対して優れた防汚性能を長期継続的に発揮し
得るような非錫系の防汚塗料組成物が提供される。
【0021】本発明に係る防汚塗膜、船舶は、この防汚
塗料組成物から形成されており環境汚染の虞が少なく船
舶・水中構造物付着生物に対して長期防汚性に優れてい
る。本発明に係る船舶外板の防汚方法では、環境汚染の
恐れが少ない。
【0022】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る防汚塗料組成
物について具体的に説明する。 [防汚塗料組成物]本発明に係る防汚塗料組成物(単
に、塗料組成物、防汚塗料ともいう)は、(a)(メタ)
アクリル酸ヒドロキシ金属塩系共重合体、(b)下記のカ
ルボン酸の金属塩、(c)銅および/または銅化合物を含
有している。 <(a)(メタ)アクリル酸ヒドロキシ金属塩系共重合体
>この(a)(メタ)アクリル酸ヒドロキシ金属塩系共重
合体(ヒドロキシ金属(メタ)アクリレート系共重合
体)(a)は、ビヒクル成分として長期微水溶性を有し塗
膜に長期防汚性を付与する働きを有し、この(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシ金属塩系共重合体としては、特開平
8-209005号公報、特開平9-286933号公報
に記載されているような、 式:Rp−COOM−OH・・・・[II] (式[II]中、Rpは基体樹脂を示し、Mは2価の金属
原子を示す。)で表される分子内に金属カルボキシレー
トを有する樹脂[II]であることが好ましい。
【0023】このように式[II]で表される、分子内に
カルボキシル基を有する樹脂[II]としての(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシ金属塩系共重合体は、分子内にカル
ボキシル基を有する樹脂に、2価の金属の酸化物あるい
は水酸化物を少量の水の存在下で反応させることにより
得ることができる。
【0024】このような反応の際には、金属の酸化物あ
るいは水酸化物は、上記樹脂中のカルボキシル基1モル
に対して0.1〜1モルの量で用いられ、また水は、カ
ルボキシル基1モルに対して0.1〜1モルの量で用い
られる。
【0025】上記樹脂[II]のより具体的な合成法とし
ては、特開平9-286933号公報に記載されている
ように、分子内にカルボキシル基を有する樹脂に、該樹
脂の0.5〜5重量%の量の水と、付加させたい2価の
金属の酸化物あるいは水酸化物とを添加し、さらに必要
により極少量の混濁防止用の極性溶媒をも添加し、50
〜200℃の温度で1〜20時間反応させればよい。
【0026】分子内にカルボキシル基を有する樹脂とし
ては、好ましくは、(メタ)アクリル酸等のカルボキシ
ル基含有モノマーと、アクリル酸アルキルエステル
(例:メタアクリル酸メチル、アクリル酸エチル)やス
チレン等の他のビニル系モノマーとを共重合してなるビ
ニル系重合体が用いられる。なお、カルボキシル基を含
有する限り、これ以外の種々のビニル重合体、ポリエス
テル、ポリウレタン、天然樹脂なども使用可能である。
【0027】上記2価金属の酸化物あるいは水酸化物と
しては、銅、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄の酸
化物(例:酸化亜鉛)あるいは水酸化物が用いられ、極
性溶媒としては、ブタノール等のアルコール系、ケトン
系、エステル系、エーテル系のものが用いられる。
【0028】このようにして得られる(メタ)アクリル
酸ヒドロキシ金属塩系共重合体の数平均分子量は、通
常、1,000〜50,000、好ましくは3,000
〜20,000であり、ガラス転移温度Tgは、−10
℃〜+60℃、好ましくは+10〜+40℃であり、酸
価は、80〜200である。
【0029】この(メタ)アクリル酸ヒドロキシ金属塩
系共重合体(a)は、防汚塗料組成物中に、樹脂分とし
て、通常、1〜99重量%、好ましくは5〜80重量%
の量で含まれていることが好ましい。この(メタ)アク
リル酸ヒドロキシ金属塩系共重合体が、防汚塗料組成物
中にこの範囲にあると、塗膜表面の長期消耗性および防
汚性が優れるようになる傾向にある。
【0030】<(b)カルボン酸の金属塩>カルボン酸の
金属塩(b)としては、その分子量が通常50〜1000
0、好ましくは100〜5000のものが用いられる。
【0031】このようなカルボン酸の金属塩を構成する
カルボン酸としては、脂環構造を有する酸(例:ナフテ
ン酸)、芳香環構造を有するカルボン酸(例:α-(2-
カルボキシフェノキシ)ステアリン酸)、ロジン系樹脂
酸、脂肪酸等が挙げられ、ナフテン酸、ロジン系樹脂
酸、脂肪酸が好ましい。
【0032】ロジン系樹脂酸は、ロジン中に含まれる樹
脂酸であって、このロジン系樹脂酸としては、例えば、
アビエチン酸、ネオアビンエチン酸、ジヒドロアビエチ
ン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ピマル酸、デヒドロ
アビエチン酸、レボピマル酸等が挙げられる。
【0033】脂肪酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪
酸の何れであってもよく、飽和脂肪酸としては、例え
ば、酢酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、
パルミチン酸など、炭素数1〜18程度のものが挙げら
れ、不飽和脂肪酸としては、アクリル酸、オレイン酸な
ど、同上の炭素数のものが挙げられる。
【0034】また該カルボン酸金属塩を構成する金属と
しては、多価金属のアルミニウム、マンガン、コバル
ト、鉛、カルシウム、クロム、銅、鉄、マグネシウム、
亜鉛、ニッケル等が挙げられ、亜鉛、銅が好ましい。
【0035】このようなカルボン酸金属塩としては、例
えば、ナフテン酸の多価金属塩(例:Al、Mn、C
o、Ca、Cr、Cu、Fe、Mg、Pb、Zn、B
a、Ni-塩好ましくはZn、Cuー塩);ロジン系樹脂
酸の亜鉛塩等の金属塩;ステアリン酸の多価金属塩
(例:Al、Ca、Mg、Pb、Zn、Ba、Cu-塩
好ましくはZn、Cu-塩);ラウリン酸の亜鉛塩等の
金属塩;等が挙げられる。
【0036】これらのカルボン酸金属塩のうちでは、ナ
フテン酸金属塩、ロジン系樹脂酸金属塩、脂肪酸金属塩
が好ましく、特にカルボン酸の亜鉛塩またはカルボン酸
の銅塩が好ましい。
【0037】このようなカルボン酸の金属塩は、1種ま
たは2種以上組合わせて用いることができる。このカル
ボン酸の金属塩(b)は、防汚塗料組成物中に、固形分と
して、通常、1〜95重量%、好ましくは5〜80重量
%の量で含まれていることが望ましい。また、このカル
ボン酸の金属塩(b)は、防汚塗料組成物中の(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシ金属塩系共重合体(a)(固形分)1
00重量部に対して、通常、1〜300重量部、好まし
くは50〜200重量部の量で含まれていることが望ま
しい。
【0038】このカルボン酸の金属塩(b)の量が該塗料
組成物中に上記量で含まれていると、塗膜表面の長期消
耗性および防汚性に優れるようになる傾向があるため好
ましい。
【0039】<(c)銅および/または銅化合物>上記銅
化合物((a)、(b)を除く。以下同様。)としては、その
分子量が通常50〜2000、好ましくは100〜15
00のものが用いられる。
【0040】このような銅化合物としては、前記(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシ金属塩系共重合体(a)に含ま
れる高分子化合物、および上記低分子量化合物の「カル
ボン酸の金属塩」(b)に含まれるカルボン酸銅を除き、
有機系、無機系の銅化合物の何れであってもよく、例え
ば、亜酸化銅、チオシアン化銅(チオシアン酸第一銅、
ロダン銅)、塩基性硫酸銅、塩基性酢酸銅、銅ピリチオ
ンなどが挙げられ、好ましくは亜酸化銅、チオシアン化
銅(ロダン銅)が用いられる。このような銅化合物は、
特に白色塗料以外の着色塗料に好ましく用いられる。
【0041】このような銅化合物は、銅に代えて、ある
いは銅と共に1種または2種以上組合わせて用いること
ができる。このような(c)銅および/または銅化合物
は、本発明の塗料組成物中に、合計で通常、1〜80重
量%、好ましくは30〜65重量%の量で含まれている
ことが望ましい。また塗料組成物中に含まれる樹脂固形
分100重量部に対して、該銅および/または銅化合物
(c)は、合計で通常、1〜1000重量部、好ましくは
300〜800重量部の量で含まれていることが望まし
い。
【0042】この銅および/または銅化合物(c)が、こ
の範囲にあると、防汚性が優れるようになる傾向があ
る。このような防汚塗料組成物は、上記(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシ金属塩系共重合体(a)、上記(b)カルボン
酸の金属塩、(c)銅および/または銅化合物を必須成分
として含有しているが、これらの成分以外に(d)塩素化
パラフィン等の可塑剤、(e)酸化亜鉛(亜鉛華)等の顔
料、上記銅、銅化合物以外の(f)防汚剤、無機脱水剤な
ど、後述するような成分を含有していてもよい。
【0043】[防汚塗料組成物の製造]このような防汚
塗料組成物は、従来より公知の方法を適宜利用すること
により製造することができ、例えば、上記(メタ)アク
リル酸ヒドロキシ金属塩系共重合体(a)と、(b)カルボン
酸の金属塩と、(c)銅および/または銅化合物と、必要
により用いられる下記の可塑剤、防汚剤、無機脱水剤
(安定剤)、タレ止め・沈降防止剤、着色顔料、その他
の塗膜形成成分、溶剤(例:キシレン)などとを所定の
割合で一度にあるいは任意の順序で加えて攪拌・混合
し、溶媒に分散すればよい。
【0044】<任意成分>上記のように本発明に係る防
汚塗料組成物には、上記(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
金属塩系共重合体(a)、カルボン酸の金属塩(b)、銅およ
び/または銅化合物(c)に加えて、さらには以下に述べ
るような可塑剤、防汚剤、無機脱水剤(安定剤)、タレ
止め・沈降防止剤、着色顔料、(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシ金属塩系共重合体以外の塗膜形成成分、トリフェ
ニルボロン・アミン錯体、溶剤などの各種成分が含まれ
ていてもよい。
【0045】<可塑剤(塩素化パラフィン(d))>可塑
剤としては、TCP(トリクレジルフォスフェート)、
塩化パラフィン、ポリビニルエチルエーテル等が挙げら
れる。これらの可塑剤は、1種または2種以上組み合わ
せて用いることができる。
【0046】このような可塑剤を配合する場合には、可
塑剤は、この防汚塗料組成物中に、例えば、0.1〜1
0重量%の量で配合される。これらの可塑剤は、得られ
る防汚塗料組成物からなる塗膜(本明細書中では、「防
汚塗膜」とも言う)の耐クラック性の向上に寄与する
が、これら可塑剤のうちで、塩素化パラフィン(塩化パ
ラフィン)が好ましく用いられる。
【0047】この塩素化パラフィン(塩化パラフィン)
としては、直鎖状でもよく分岐を有していていてもよ
く、室温で液状でも固体(粉体)でもよいが、その平均
炭素数が通常、8〜30、好ましくは10〜26のもの
が好ましく用いられ、その数平均分子量が通常、200
〜1200、好ましくは300〜1100であり、粘度
が通常1以上(ポイズ/25℃)、好ましくは1.2以
上(ポイズ/25℃)であり、その比重が1.05〜
1.80/25℃、好ましくは1.10〜1.70/2
5℃のものが好ましく用いられる。このような炭素数の
塩素化パラフィンを用いると、得られる防汚塗料組成物
を用いて割れ(クラック)、剥がれの少ない塗膜を形成
できる。なお塩素化パラフィンの炭素数が8〜30の範
囲にあると、クラックの抑制効果、塗膜表面の消耗性
(更新性)および防汚性に優れるようになる。また、こ
の塩素化パラフィンの塩素化率(塩素含有量)は、通常
35〜75%、好ましくは35〜65%であることが好
ましい。このような塩素化率の塩素化パラフィンを用い
ると、得られる防汚塗料組成物を用いて割れ(クラッ
ク)、剥がれの少ない塗膜を形成できる。このような塩
素化パラフィンとしては、東ソー(株)製の「トヨパラ
ックス150」、「トヨパラックスA-70」などが挙げられ
る。本発明においては、このような塩素含有率、炭素数
などの異なる2種以上の塩素化パラフィンを適宜組み合
わせて用いることができる。このように2種以上の塩素
化パラフィンを組み合わせて用いる場合には、上記塩素
化パラフィンの炭素数、塩素化率は、防汚塗料組成物中
に含まれるこれらの塩素化パラフィンの炭素数あるいは
塩素化率の平均値で示す。
【0048】このような塩素化パラフィンは、本発明に
係る防汚塗料組成物においては、上記の(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシ金属塩系共重合体(固形分)100重量
部に対して、1〜50重量部、好ましくは10〜40重
量部の量で含まれていることが望ましい。この塩素化パ
ラフィンの量がこの範囲にあると、塗膜のクラックの抑
制効果、塗膜強度および耐ダメージ(衝撃)に優れるよ
うになる。
【0049】<防汚剤>防汚剤としては、上記銅および
/または銅化合物(c)に加えて、これら以外の有機防汚
剤等が含まれていてもよい。
【0050】有機防汚剤 有機防汚剤(カルボン酸の金属塩(b)、成分(c)中の銅化
合物を除く。)としては、下記式[I]で示される金属
−ピリチオンおよびその誘導体[式中R1〜R4は、それ
ぞれ独立に水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン
化アルキル基を示し、Mは、Na、Mg、Ca、Ba、
Pb、Fe、Al等の金属を示し、nは価数を示す]:
【0051】
【化1】
【0052】、テトラメチルチウラムジサルファイド、
カーバメート系の毒物(例:ジンクジメチルジチオカー
バメート、マンガン-2-エチレンビスジチオカーバメー
ト)、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリ
ル、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、4,5−
ジクロロ-2-n-オクチル-3(2H)イソチアゾリン、
2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2−メチ
ルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルS
トリアジン等を挙げることができる。
【0053】上記有機防汚剤のうちでは、ジンクピリチ
オン、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、2,
4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2−メチルチ
オ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルSトリ
アジン、4,5−ジクロロ-2-n-オクチル-3(2H)
イソチアゾリン、2,4,5,6−テトラクロロイソフ
タロニトリルが好ましい。
【0054】このような有機防汚剤を含む防汚塗料組成
物においては、銅および/または銅化合物(c)以外に、
上記有機防汚剤が通常、0.1〜20重量%、好ましく
は0.5〜10重量%の量で含まれていることが望まし
い。また塗料組成物中に含まれる樹脂固形分100重量
部に対して、該有機防汚剤は、固形分として、通常、
0.1〜150重量部、好ましくは0.1〜100重量
部の量で含まれていることが望ましい。このような量
で、銅および/または銅化合物(c)以外の有機防汚剤が
塗料組成物中に含まれていると、広範な船舶付着生物に
対していっそう優れた防汚性能を長期継続的に発揮でき
る傾向がある。
【0055】<無機脱水剤(安定剤)>無機脱水剤(安
定剤)は、防汚塗料組成物の貯蔵安定性を一層向上させ
ることができ、このような無機脱水剤としては、無水石
膏(CaSO4)、合成ゼオライト系吸着剤(商品名:
モレキュラーシーブ等)、オルソギ酸メチル、オルソ酢
酸メチル等のオルソエステル類、オルソほう酸エステ
ル、シリケート類やイソシアネート類(商品名:アディ
ティブTI)等が挙げられ、無水石膏、モレキュラーシ
ーブが好ましく用いられる。このような無機脱水剤は、
1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0056】このような無機脱水剤を含む防汚塗料組成
物においては、この無機脱水剤は、本発明の非錫系防汚
塗料組成物中に、通常、0.1〜10重量%、好ましく
は0.1〜5重量%程度の量で含まれていてもよい。
【0057】<タレ止め・沈降防止剤(搖変剤)>タレ
止め・沈降防止剤(搖変剤)としては、有機粘土などの
ような防汚塗料組成物の貯蔵安定性を害するもの以外
は、任意量で配合されていてもよい。このようなタレ止
め・沈降防止剤としては、有機粘度系Al、Ca、Zn
のステアレート塩、レシチン塩、アルキルスルホン酸塩
などの塩類、ポリエチレンワックス、アマイドワック
ス、水添ヒマシ油ワックス系、ポリアマイドワックス系
および両者の混合物、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレ
ン系ワックス等が挙げられ、好ましくは、ポリアマイド
ワックス、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワック
ス、有機粘度系が用いられる。このようなタレ止め・沈
降防止剤としては、楠本化成(株)製の「ディスパロン
305」、「ディスパロン4200-20」等の他、「ディスパロ
ンA630-20X」等の商品名で上市されているものが挙げら
れる。
【0058】このようなタレ止め・沈降防止剤は、この
防汚塗料組成物中に、例えば、0.1〜10重量%の量
で配合される。 <顔料>顔料としては、従来公知の有機系、無機系の各
種顔料を用いることができる。
【0059】有機系顔料としては、カーボンブラック、
フタロシアニンブルー、紺青等が挙げられる。無機系顔
料としては、例えば、チタン白、ベンガラ、バライト
粉、白亜、酸化鉄粉等のように中性で非反応性のもの;
亜鉛華(ZnO、酸化亜鉛)、鉛白、鉛丹、亜鉛末、亜
酸化鉛粉等のように塩基性で塗料中の酸性物質と反応性
のもの(活性顔料)等が挙げられる。なお、染料等の各
種着色剤も含まれていてもよい。このような各種顔料
は、防汚塗料組成物中に、例えば、合計で0.5〜45
重量%程度の量で配合される。
【0060】特に、酸化亜鉛を配合する場合には、該酸
化亜鉛は、防汚塗料組成物中に0.1〜20重量%の量
で、有機系および/または無機系の着色顔料(酸化亜鉛
を除く。)は、0.5〜25重量%の量で含まれている
ことが望ましい。
【0061】<その他の塗膜形成成分>塗膜形成成分と
しては、上記(メタ)アクリル酸ヒドロキシ金属塩系共
重合体(a)以外の樹脂が本発明の目的に反しない範囲で
含まれていてもよく、このような「その他の塗膜形成成
分」としては、例えば、アクリル樹脂、アクリルシリコ
ーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリ
ブテン樹脂、シリコーンゴム、ウレタン樹脂(ゴム)、
ポリアミド樹脂、塩化ビニル系共重合樹脂、塩化ゴム
(樹脂)、塩素化オレフィン樹脂、スチレン・ブタジエ
ン共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、塩化
ビニル樹脂、アルキッド樹脂、クマロン樹脂、トリアル
キルシリルアクリレート(共)重合体(シリル系樹
脂)、石油樹脂等の難あるいは非水溶性樹脂(以下、難
/非水溶性樹脂ともいう)が挙げられる。
【0062】上記塩化ビニル系共重合樹脂として、さら
に具体的には、例えば、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重
合樹脂、塩化ビニル・ビニルi-ブチルエーテル共重合樹
脂、塩化ビニル・プロピオン酸ビニル共重合樹脂、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体の塩素化物が挙げられる。
【0063】本発明においては、これらの樹脂あるいは
ゴムを1種または2種以上組み合わせて用いることがで
きる。本発明においては、上記難/非水溶性樹脂と、下
記のような水溶性樹脂とを組合わせて用いることができ
る。
【0064】水溶性樹脂としては、ロジン(例:商品名
「ロジンWW」)、モノカルボン酸が挙げられる。モノ
カルボン酸としては、例えば、炭素数9〜19程度の脂
肪酸、ナフテン酸が挙げられる。ロジンには、ガムロジ
ン、ウッドロジン、トール油ロジンなどがあるが、本発
明ではいずれをも使用することができる。これらの水溶
性樹脂は、1種または2種以上組み合わせて用いること
ができる。
【0065】前記(メタ)アクリル酸ヒドロキシ金属塩
系共重合体(a)以外のこれらの塗膜形成成分は、防汚塗
料組成物中に、20重量%以下の量で含まれていてもよ
い。 <トリフェニルボロン・アミン錯体>本発明に係る防汚
塗料組成物には、下記のトリフェニルボロン・アミン錯
体[III]が含まれていてもよい。
【0066】
【化2】
【0067】{式[III]中、R1は水素原子、炭素数3
〜30のアルキル基、置換基を有していてもよいピリジ
ル基、置換基を有していてもよい芳香族基を示す。}。
このようなR1のうちで、ピリジル基が望ましい。
【0068】<溶剤>本発明の防汚塗料では、上記のよ
うな各種成分は、溶剤に溶解若しくは分散している。こ
こで使用される溶剤としては、例えば、脂肪族系、芳香
族系、ケトン系、エステル系、エーテル系など、通常、
防汚塗料に配合されるような各種溶剤が用いられる。上
記芳香族系溶剤としては、例えば、キシレン、トルエン
等が挙げられ、ケトン系溶剤としては、例えば、MIB
K等が挙げられ、エーテル系溶剤としては、例えば、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート(PMAC)等
が挙げられる。
【0069】上記のような防汚塗料組成物を例えば、火
力・原子力発電所の給排水口等の水中構造物、湾岸道
路、海底トンネル、港湾設備、運河・水路等のような各
種海洋土木工事の汚泥拡散防止膜、船舶、漁業資材
(例:ロープ、漁網、浮き子、ブイ)などの各種成形体
の表面に、常法に従って1回〜複数回塗布すれば防汚性
に優れ、防汚剤成分が長期間に亘って徐放可能であり、
厚塗りしても適度の可撓性を有し耐クラック性に優れた
防汚塗膜被覆船舶または水中構造物などが得られる。
【0070】すなわちこのような本発明に係る防汚塗料
組成物を各種成形体の表面に塗布硬化してなる防汚塗膜
は、アオサ、フジツボ、アオノリ、セルプラ、カキ、フ
サコケムシ等の水棲生物の付着を長期間継続的に防止で
きるなど防汚性に優れている。
【0071】特に、該防汚塗料組成物は、船舶等の素材
が、FRP、鋼鉄、木、アルミニウム合金などである場
合にもこれらの素材表面に良好に付着する。また、該防
汚塗料組成物は、既存の防汚塗膜表面に上塗してもよ
い。
【0072】また例えば、該防汚塗料組成物を海中構造
物表面に塗布すれば、海中生物の付着防止を図ることが
でき、該構造物の機能を長期間維持でき、漁網に塗布す
れば、漁網の網目の閉塞を防止でき、しかも環境汚染の
恐れが少ない。
【0073】なお、この本発明に係る防汚塗料組成物
は、直接漁網に塗布してもよく、また予め防錆剤、プラ
イマーなどの下地材が塗布された船舶または水中構造物
等の表面に塗布してもよい。さらには、既に従来の防汚
塗料による塗装が行われ、あるいは本発明発明の防汚塗
料組成物による塗装が行われている船舶、特にFRP船
あるいは水中構造物等の表面に、補修用として本発明の
防汚塗料組成物を上塗りしてもよい。このようにして船
舶、水中構造物等の表面に形成された防汚塗膜の厚さは
特に限定されないが、例えば、30〜150μm/回程
度である。
【0074】上記のようにして得られる本発明に係る防
汚塗膜、あるいは船舶・水中構造物の接水部表面の塗膜
は、前述したような防汚塗料組成物から形成されており
環境汚染の虞が少なく広汎な船舶・水中構造物付着生物
に対して長期防汚性に優れている。
【0075】
【発明の効果】本発明に係る防汚塗料組成物は、非錫系
防汚塗料組成物であって、(a)(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシ金属塩系共重合体、(b)上記カルボン酸の金属
塩、および(c)銅および/または銅化合物を含有してお
り、従来の(メタ)アクリル酸亜鉛系共重合体および亜
酸化銅配合系の防汚塗料に比べて、水中浸漬初期から適
度な塗膜消耗速度を有し、船舶・水中構造物等に付着し
ようとする水棲生物に対して優れた防汚性能を長期継続
的に発揮し得る塗膜を形成できる。
【0076】さらに該防汚塗料組成物に、塩素化パラフ
ィンおよび/または酸化亜鉛(亜鉛華)が配合されてい
ると、塗膜の付着性、剥離防止能、耐クラック性に優れ
た防汚塗膜が得られる。
【0077】本発明に係る防汚塗膜、および船舶・水中
構造物表面の防汚塗膜は、この防汚塗料組成物から形成
されており環境汚染の虞が少なく船舶付着生物に対して
長期防汚性に優れている。
【0078】本発明に係る船舶外板の防汚方法では、環
境汚染の恐れが少ない。
【0079】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づきさらに
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何等限定
されるものではない。
【0080】なお、以下の実施例、比較例で使用した各
配合成分およびその組成、物性、製造販売元等は、下記
の通り。なお、共重合体A、Bについては、併せて表1
に示す。 共重合体(A):メタクリル酸(MAA)8重量部、
メタクリル酸メチル(MMA)4重量部、アクリル酸エ
チル(EA)28重量部からなるモノマー混合物(これ
ら共重合性モノマー合計40重量部)を、溶剤(酢酸ブ
チル40重量部、n-ブタノール20重量部)に溶解
(合計100重量部)し、重合開始剤AIBNの存在下
に100℃で6時間に亘って共重合反応させて、分子量
(MW)が約8000の共重合体(a)含有物(固形分4
0重量%)を得た。
【0081】この共重合体(a)調製時のモノマー組成、
得られた共重合体(a)の物性等を表1に示す。この(分
子量が約8000の)共重合体(a)含有物100重量部
に、亜鉛華4重量部、水1重量部を加え、120℃で1
0時間反応を行い、無色透明な液体であるメタクリル酸
ヒドロキシ金属塩系共重合体(A)含有液を得た。
【0082】得られた無色透明液体に、n-ブタノール
を追加して、固形分濃度NV40%に調整した。このよ
うに固形分濃度調整された(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シ金属塩系共重合体(A)含有液を以下の実施例、比較
例で用いた。 共重合体(B):メタクリル酸(MAA)10重量
部、メタクリル酸メチル(MMA)0重量部、アクリル
酸エチル(EA)30重量部からなるモノマー混合物
(これら共重合性モノマー合計40重量部)を、溶剤
(酢酸ブチル40重量部、n-ブタノール20重量部)
に溶解(合計100重量部)し、重合開始剤AIBNの
存在下に100℃で6時間に亘って共重合反応させて、
分子量(MW)が約8000の共重合体(b)含有物(固
形分40重量%)を得た。
【0083】この共重合体(b)調製時のモノマー組成、
共重合体(b)の物性等を表1に示す。この(分子量が約
8000の)共重合体(b)含有物100重量部に、亜鉛
華5重量部、水1重量部を加え、120℃で10時間反
応を行い、無色透明な液体であるメタクリル酸ヒドロキ
シ金属塩系共重合体(B)含有液を得た。
【0084】得られた無色透明液体に、n-ブタノール
を追加して、固形分濃度NV40%に調整した。このよ
うに固形分濃度調整された(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シ金属塩系共重合体(B)含有液を以下の実施例、比較
例で用いた。 塩素化パラフィン:商品名「トヨパラックス150」
(平均炭素数:14.5、塩素含有率(量)50%、粘
度:12ポイズ/25℃、比重:1.25/25℃、東
ソー(株)製) 酸化亜鉛:商品名「亜鉛華3号」(九州白水(株)
製) 可溶性無水石膏:商品名「CaSO4 D−1」(ノ
リタケ(株)製) チタン白:商品名「チタン白 R−5N」(堺化学工
業(株)製) フタロシアニンブルー:商品名「シアニンブルーS−
2010」(大日精化社製) チオシアン酸銅(ロダン銅):(日本化学産業(株)
製) ピリジン・トリフェニルボロン:商品名「PKボロ
ン」(北興化学工業(株)社製) (10)4,5−ジクロロ-2-n-オクチル-3(2H)イソ
チアゾリン:商品名「シーナイン211」、(ロームア
ンドハース社製、固形分30重量%) (11)2-ピリジンチオール-1-オキシド銅塩:商品名
「銅ピリチオン」(オーリン(株)製) (12)酸化ポリエチレンワックス:商品名「ディスパロン
4200-20」(楠本化成(株)製、沈降防止剤、固形分2
0重量%のキシレンペースト) (13)脂肪酸アマイドワックス:商品名「ディスパロン63
0-20X」(楠本化成(株)製、沈降防止剤、固形分20
重量%) (14)プロピレングリコールモノメチルエーテル:商品名
「クラレ PGM」(クラレ(株)製、溶剤) (15)「トリフェニルボロン・n-ドデシルアミン錯体」
(北興化学工業(株)製) (16)「トリフェニルボロン・n-オクタデシルアミン錯
体」(北興化学工業(株)製) (17)「2-ピリジンチオール-1-オキシド亜鉛塩」(吉
富製薬(株)製) (18)「2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスル
ホニル)ピリジン」(ゼネカ(株)製) <海中生物の付着面積評価基準(防汚性評価基準)>評
価基準は、以下の通り。
【0085】5点・・・・海中生物の付着面積が0%。 4点・・・・海中生物の付着面積が0%を超え5%以
下。 3点・・・・海中生物の付着面積が5%を超え10%以
下。
【0086】2点・・・・海中生物の付着面積が10%
を超え25%以下。 1点・・・・海中生物の付着面積が25%を超え50%
以下。 0点・・・・海中生物の付着面積が50%を超える。
【0087】
【実施例1】表2に示す配合組成の防汚塗料を常法に従
って調製した。すなわち、上記共重合体(A)含有液
(固形分40wt%,共重合体の分子量約8000)17.5
重量部、ナフテン酸銅(固形分50wt%)14重量部、
塩素化パラフィン2重量部、弁柄2重量部、酸化亜鉛2
重量部、亜酸化銅40重量部、「ディスパロン4200-2
0」2重量部からなる防汚塗料組成物(合計79.5重
量部)を調製した。
【0088】次いで、この防汚塗料を、3×100×3
00(mm)の大きさの塩化ビニル板にその乾燥膜厚が
250〜300μm厚(平均:270μm厚)となるよ
うに塗布し、3日間、常温20℃の室内に静置し乾燥し
た後、10ヶ月間、広島湾の水深1.0mの位置に浸漬
し、海中生物による汚損状況(静置防汚性)を調査し
た。
【0089】その結果、海水浸漬2ヶ月後、4ヶ月後、
6ヶ月後、8ヶ月後、10ヶ月後の何れの時点において
も、塗膜表面への海中生物の付着面積は0%(評価5)
であった。
【0090】併せて、結果を表2に示す。
【0091】
【実施例2〜7、比較例1〜4】上記実施例1におい
て、防汚塗料組成物の配合組成をそれぞれ表2に示すよ
うに代えた以外は、実施例1と同様にして防汚塗料組成
物を得て、硬化塗膜の静置防汚性を調査した。
【0092】結果を表2に示す。
【0093】表2に明かなように、本発明の防汚塗料組
成物は、長期に亘り優れた防汚性を示した。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 133/06 C09D 133/06 193/04 193/04

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)(メタ)アクリル酸ヒドロキシ金属塩
    系共重合体、 (b)カルボン酸の金属塩および(c)銅および/または銅化
    合物を含有することを特徴とする防汚塗料組成物。
  2. 【請求項2】上記(a)(メタ)アクリル酸ヒドロキシ金
    属塩系共重合体が、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ亜鉛
    系共重合体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ銅系共重合
    体のうちから選択される1種以上である請求項1に記載
    の防汚塗料組成物。
  3. 【請求項3】上記(a)(メタ)アクリル酸ヒドロキシ金
    属塩系共重合体が、 式:Rp−COOM−OH・・・・[II] (式[II]中、Rpは基体樹脂を示し、Mは2価の金属
    原子を示す。)で表される分子内に金属カルボキシレー
    トを有する樹脂であることを特徴とする請求項1〜2の
    何れかに記載の防汚塗料組成物。
  4. 【請求項4】上記(b)カルボン酸の金属塩が、ナフテン
    酸金属塩、ロジン系樹脂酸金属塩、脂肪酸金属塩のうち
    から選択される1種以上である請求項1〜3の何れかに
    記載の防汚塗料組成物。
  5. 【請求項5】上記(b)カルボン酸の金属塩が、カルボン
    酸の亜鉛塩または銅塩である請求項1〜4の何れかに記
    載の防汚塗料組成物。
  6. 【請求項6】さらに、(d)塩素化パラフィンを含有して
    いることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の防
    汚塗料組成物。
  7. 【請求項7】さらに、(e)酸化亜鉛を含有していること
    を特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の防汚塗料組
    成物。
  8. 【請求項8】さらに、上記(c)銅および/または銅化合
    物以外の(f)有機防汚剤を含有していることを特徴とす
    る請求項1〜7の何れかに記載の防汚塗料組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8の何れかに記載の防汚塗料組
    成物から形成されたことを特徴とする防汚塗膜。
  10. 【請求項10】海水と接触する船舶外板または水中構造
    物の表面が、請求項1〜8の何れかに記載の防汚塗料組
    成物を塗布硬化してなる防汚塗膜にて被覆されているこ
    とを特徴とする船舶または水中構造物。
  11. 【請求項11】海水と接触する船舶外板または水中構造
    物の表面に、請求項1〜8の何れかに記載の防汚塗料組
    成物を塗布し、防汚塗膜を形成することを特徴とする船
    舶外板または水中構造物の防汚方法。
JP34044698A 1998-03-13 1998-11-30 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法 Withdrawn JPH11323208A (ja)

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