JP2003143644A - 無線通信システム、無線通信制御装置及び無線通信制御方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

無線通信システム、無線通信制御装置及び無線通信制御方法、並びにコンピュータ・プログラム

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JP2003143644A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同じ周波数チャネル上で複数のパーソナル・
エリア・ネットワークの共存を許容する。 【解決手段】 親ネットワークにおいて無線基地局の配
下である通信端末が再帰的に無線基地局の機能を備えて
おり、無線基地局で割り当てられた自装置のリソースの
範囲内で子ネットワークを構築して、その配下の他の通
信端末に対してリソース割り当てを行なう。このため、
互いに妨害を与えないことが保証される2つ以上のネッ
トワークを構成することが可能となる。また、装置規模
を大きくすることなく、ネットワークのエリアを拡大す
ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の無線局間で
相互に通信を行なう無線通信システム、無線通信制御装
置及び無線通信制御方法、並びにコンピュータ・プログ
ラムに係り、特に、特定の制御局の管理下でネットワー
クが構築される無線通信システム、無線通信制御装置及
び無線通信制御方法、並びにコンピュータ・プログラム
に関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明は、複数の無線ネ
ットワークが共存する無線通信システム、複数の無線ネ
ットワークが競合する通信環境下で各無線ネットワーク
内の通信動作を制御する無線通信制御装置及び無線通信
制御方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特
に、同じ周波数帯で競合する複数の無線ネットワークが
共存する無線通信システム、同じ周波数帯で複数の無線
ネットワークが競合する通信環境下で各無線ネットワー
ク内の通信動作を制御する無線通信制御装置及び無線通
信制御方法、並びにコンピュータ・プログラム関する。
(但し、ここで言う「同じ周波数帯」には、データを超
広周波数帯域に拡散して送受信を行なうUWB(Ultra
Wide Band)無線通信方式を含むものとする。)
【0003】
【従来の技術】複数のコンピュータを接続してLAN
(Local Area Network)を構成することにより、ファイ
ルやデータなどの情報の共有化、プリンタなどの周辺機
器の共有化を図ったり、電子メールやデータ・コンテン
ツの転送などの情報の交換を行なうことができる。
【0004】従来、光ファイバーや同軸ケーブル、ある
いはツイストペア・ケーブルを用いて、有線でLAN接
続することが一般的であったが、この場合、回線敷設工
事が必要であり、手軽にネットワークを構築することが
難しいとともに、ケーブルの引き回しが煩雑になる。ま
た、LAN構築後も、機器の移動範囲がケーブル長によ
って制限されるため、不便である。そこで、従来の有線
方式によるLANの配線からユーザを解放するシステム
として、無線LANが注目されている。この種の無線L
ANによれば、オフィスなどの作業空間において、有線
ケーブルの大半を省略することができるので、パーソナ
ル・コンピュータ(PC)などの通信端末を比較的容易
に移動させることができる。
【0005】近年では、無線LANシステムの高速化、
低価格化に伴い、その需要が著しく増加してきている。
特に最近では、人の身の回りに存在する複数の電子機器
間で小規模な無線ネットワークを構築して情報通信を行
なうために、パーソナル・エリア・ネットワーク(PA
N)の導入の検討が行なわれている。例えば、2.4G
Hz帯や、5GHz帯など、監督官庁の免許が不要な周
波数帯域を利用して、異なった無線通信システムが規定
されている。
【0006】例えば、IEEE802.15.3では、
20Mbpsを越える高速無線パーソナル・エリア・ネ
ットワークの標準化活動が行われている。当該セクショ
ンでは、主として2.4GHz帯の信号を利用したPH
Y層に準拠した規格化が推進されている。
【0007】この種のワイヤレス・パーソナル・ネット
ワークにおいては、1つの無線通信装置が「コーディネ
ータ」と呼ばれる制御局として動作し、このコーディネ
ータを中心にして、およそ10m以内の範囲で、パーソ
ナル・エリア・ネットワークが構築される。コーディネ
ータが所定の周期でビーコン(Beacon)信号を送信し、
そのビーコンの周期が伝送フレーム周期として規定され
る。そして、この伝送フレーム周期毎に各無線通信装置
が利用するタイムスロットの割り当てを行なう。
【0008】タイムスロットの割り当て方法としては、
例えば、「ギャランティード・タイムスロット」(GT
S)と、「ダイナミックTDMA(Time Division Mult
ipleAccess:時分割多重アクセス)」と呼ばれる方法が
採用されていて、所定の伝送容量を保証しながら、なお
かつダイナミックに伝送帯域の割当てを行なう通信方法
が想定されている。
【0009】例えば、IEEE802.15.3で規格
化されるMAC層には、競合アクセス期間(コンテンシ
ョン・アクセス期間:CAP)と、非競合アクセス期間
(コンテンション・フリー期間:CFP)とが用意され
ている。そして、非同期通信を行なう場合には、競合ア
クセス期間を用いて短いデータやコマンド情報が交換さ
れる。一方、ストリーム通信を行なう場合には、非競合
アクセス期間内にて、ギャランティード・タイム・スロ
ット(GTS)によるダイナミックなタイムスロットの
割り当てを行ない、帯域予約伝送が行なわれる仕組みに
なっている。
【0010】なお、IEEE802.15.3で規格化
されるMAC層部分は、2.4GHz帯の信号を利用し
たPHY層以外に他のPHY層の標準仕様として応用で
きるように規定されている。また、IEEE802.1
5.3で規格化されるPHY層を、2.4GHz帯の信
号を利用したPHY層以外に、他のPHY層を利用する
標準化活動が開始されつつある。
【0011】また最近では、SS(Spread Spectrum:
スペクトル拡散)方式を適用した無線LAN(Local Ar
ea Network)システムが実用化されている。また、PA
Nなどのアプリケーションを対象として、SS方式を応
用したUWB(Ultra Wide Band:ウルトラワイドバン
ド)伝送方式が提案されている。
【0012】SS方式の一種であるDS(Direct Sprea
d:直接拡散)方式は、送信側において、情報信号にP
N(Pseudo Noise:疑似雑音)符号と呼ばれるランダム
符号系列を乗算することにより占有帯域を拡散して送信
し、受信側において、受信した拡散情報信号にPN符号
を乗算することにより逆拡散して情報信号を再生する。
UWB伝送方式は、この情報信号の拡散率を極限まで大
きくしたものであり、データを例えば2GHzから6G
Hzという超高帯域な周波数帯域に拡散して送受信を行
なうことにより高速データ伝送を実現する。
【0013】UWBでは、数100ピコ秒程度の非常に
短い周期のインパルス信号列を用いて情報信号を構成し
て、この信号列の送受信を行なう。その占有帯域幅は、
占有帯域幅をその中心周波数(例えば1GHz〜10G
Hz)で割った値がほぼ1になるようなGHzオーダの
帯域であり、いわゆるW−CDMAやcdma2000
方式、並びにSS(Spread Spectrum)やOFDM(Ort
hogonal Frequency Division Multiplexing)方式を用
いた無線LANにおいて通常使用される帯域幅と比較し
ても超広帯域なものとなっている。
【0014】図20には、UWBを用いたデータ伝送の
例を示している。入力された情報901は拡散系列90
2によって拡散される。UWB方式を用いるシステムに
よっては、この拡散系列の乗算が省かれる場合も存在す
る。
【0015】スペクトラム拡散された情報信号903
は、UWB方式におけるインパルス信号(ウェーブレッ
トパルス)を用いて変調される(905)。変調方式と
しては、PPM(Pulse Position Modulation:パルス
位置変調)や、位相変調(Biphase Modulation)、振幅
変調などが考えられている。
【0016】UWB方式において用いられるインパルス
信号は非常に細いパルスであるため、周波数スペクトル
的には非常に広い帯域を使用することになる。これによ
り、入力された情報信号が、各周波数領域においては雑
音レベル以下の電力しか持たないことになる。
【0017】受信信号905は雑音に紛れているが、受
信信号とインパルス信号との相関値を計算することによ
って検出することが可能である。さらに、多くのシステ
ムにおいては信号の拡散が行われるので、送信情報1ビ
ットに対して多くのインパルス信号が送信される。よっ
て、インパルス信号の受信相関値907をさらに拡散系
列長分だけ積分することが可能であり(908)、これ
によって送信信号の検出は更に容易になる。
【0018】UWB伝送方式によって拡散された信号
は、各周波数領域においては雑音レベル以下の電力しか
持たず、このためUWB伝送方式を用いた通信システム
は他の方式の通信システムとの共存が比較的容易であ
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、パーソナル
・コンピュータ(PC)などの情報機器が普及し、オフ
ィス内に多数の機器が混在するとともに、各機器どうし
が無線ネットワークで接続されているような通信環境を
考察した場合、2以上の無線ネットワークが狭い作業環
境にひしめき合い、同じ周波数帯で複数の無線ネットワ
ークが共存するという事態が発生し得る。ここで言う
「同じ周波数帯」には、データを極めて広い周波数帯に
拡散して送受信を行なうUWB無線通信方式を含まれ
る。
【0020】前述したIEEE802.15.3で規格
化されている2.4GHz帯の信号を利用したPHY層
の仕様では、同じ周波数帯に他の無線通信システムが複
数存在しているため、これらのシステムとの共存性を考
慮しなければならない。
【0021】とりわけ、UWB無線通信ネットワークの
場合、データを極めて広帯域に拡散して送受信を行なう
ことから、隣接する無線通信ネットワークと競合してし
まう可能性が高い。
【0022】一方、UWB無線通信式で利用されるイン
パルス信号列は、特定の周波数キャリアを持たないの
で、キャリア・センスを行なうのが難しい。したがっ
て、IEEE802.15.3のPHY層としてUWB
無線通信方式を適用した場合、特定のキャリア信号が存
在しないことから、同セクションで規格化されたキャリ
ア・センスを利用してアクセス制御を行なうことができ
ず、時分割多重方式によるアクセス制御に頼る他ない。
【0023】また、PANのような小規模な無線ネット
ワーク・システムを考慮した場合、各ネットワーク(基
地局)の存在は必ずしも固定的なものではなく、同一空
間上に新規のネットワークが構築された場合や、別の場
所からネットワークが移動してきた場合などにおける、
ネットワーク間の競合や帯域(リソース)の動的割り当
ての問題を解決する必要がある。
【0024】例えば、本出願人に既に譲渡されている特
開2000−299670号公報には、分割された複数
のスロットのうち少なくとも1つを制御スロットに割り
当てることにより、ネットワークの状態や伝送する情報
の内容に適した情報の伝送を行なうようにするネットワ
ーク・システムについて開示されている。
【0025】同公報に記載のネットワーク・システムで
は、各端末局が干渉を受けている伝送スロットを制御局
に報告して、制御局がその伝送スロットを避けて利用す
るという方法が採用されている。
【0026】しかしながら、このような端末局が制御局
に報告を行なう方法では、逐次制御局へ報告する手段が
必要となり、隣接して複数のネットワークが存在する場
合には報告頻度が増加するという問題がある。
【0027】また、このような方法では、所定の同期信
号を検出することで各スロットの利用状況を把握してい
るために、他のネットワークで利用されているすべての
フレーム構造を把握できないという問題がある。
【0028】また、日本国特許第2,660,189号
公報には、セルラ・ネットワーク内の複数のセルに対し
帯域幅を動的に割り当てることができる方法及び装置に
ついて開示されている。しかしながら、同公報によれ
ば、セル間の干渉が最小になるように「スーパーセル」
という複数のセル・グループを編成する必要がある。ま
た、チャネルの帯域幅の要求は、各々のセル・グループ
において、各セル内のユーザ要求に従って行なわれる、
すなわち各ベースステーション(BS)に属する移動局
(MS)からの要求に従って行なわれるものである。言
い換えれば、同一空間上に複数のネットワークが共存す
る際に、各ベースステーション間でどのようにして競合
の問題を解くか、ということとは無関係である。また、
同公報は、同一空間上に新規のネットワークが構築され
た場合や、別の場所からネットワークが移動してきた場
合などにおける、ネットワーク間の競合や帯域(リソー
ス)の動的割り当ての問題を解決するものではない。
【0029】また、特表2001−518766号公報
(WO99/17575)には、データ送信リソースを
複数のネットワーク間で動的に分割して、各ネットワー
クはそれぞれに割り当てられたリソースをそれら自身の
チャネル割当方法に従ってユーザ間で分割する方法につ
いて開示されている。同公報は、同一空間に存在してい
る複数の周波数チャネルをオペレータ同士で融通し合い
ながら運用するという考え方に立脚したものであり、セ
ルラ・ネットワークにおいて異なるオペレータの(周波
数)帯域をネットワーク間で借用することで周波数チャ
ネルの動的割り当てを実現している。
【0030】しかしながら、同公報は、固定して配置さ
れた基地局間における送信リソースの動的割当ての問題
を扱っており、当初から各ネットワーク(基地局)毎に
最低限の帯域を用意することが前提となっている。ま
た、固定的に配置されたネットワーク(基地局)ではユ
ーザを収容するために最低限のリソース割り当てが必要
であることから、ネットワークにリソースがまったく割
り当てられていないという状態が存在し得ない。言い換
えれば、同公報は、同一空間で新規に構築されあるいは
別の空間から移動してきたネットワークがリソースをま
ったく割り当てられていない状態からリソースを得るた
めの仕組み、手続き、方法を提案するものではない。ま
た、既に構築されているネットワークは、同一空間上で
新規に出現したネットワークに対してリソースを割り当
てるための仕組み、手続き、方法に関しても一切言及は
ない。
【0031】本発明は上述したような技術的課題を鑑み
たものであり、その主な目的は、競合する複数の無線ネ
ットワークが共存することができる優れた無線通信シス
テム、並びに複数の無線ネットワークが競合する通信環
境下で各無線ネットワーク内の通信動作を好適に制御す
ることができる優れた無線通信制御装置及び無線通信制
御方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供するこ
とにある。
【0032】本発明のさらなる目的は、同じ周波数帯で
競合する複数の無線ネットワークが共存することができ
る優れた無線通信システム、並びに、同じ周波数帯で複
数の無線ネットワークが競合する通信環境下で各無線ネ
ットワーク内の通信動作を好適に制御することができる
優れた無線通信制御装置及び無線通信制御方法、並びに
コンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0033】本発明のさらなる目的は、同じ周波数チャ
ネル上に複数のパーソナル・エリア・ネットワークが存
在した場合に、制御局となる各伝送装置間の制御のみに
よって伝送フレーム周期を時分割多重化することによっ
て共存することができる、優れた無線通信システム、無
線通信制御装置及び無線通信制御方法、並びにコンピュ
ータ・プログラムを提供することにある。
【0034】本発明のさらなる目的は、同一空間上に新
規のネットワークが構築された場合や、別の場所からネ
ットワークが移動してきた場合などにおいて、ネットワ
ーク間の競合の問題を解決し、帯域(リソース)の動的
割当てを好適に行なうことができる、優れた無線通信シ
ステム、無線通信制御装置及び無線通信制御方法、並び
にコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面
は、第1のネットワークの下り回線信号に含まれるリソ
ース割当て情報に従って通信制御を行なう通信制御手段
と、第2のネットワークの上り回線信号に含まれる送信
要求に応じてリソース割当てを行なうリソース割当て手
段と、を具備することを特徴とする無線通信制御装置で
ある。
【0036】この無線通信制御装置においては、リソー
ス割り当て手段が、自装置に割り当てられたリソースの
範囲内で自装置の配下となる通信装置に対するリソース
割り当てを行なうことが望ましい。
【0037】また、本発明の第2の側面は、第1の通信
端末装置からの送信要求に応じて無線基地局装置で決め
られたリソース割当て情報を下り回線信号で前記第1の
通信端末装置が受信するステップと、前記第1の通信端
末装置において前記リソース割当て情報に従って通信制
御を行なうステップと、前記第1の通信端末装置におい
て、自装置の配下となる第2の通信端末装置からの送信
要求に応じて、前記無線基地局装置により自装置に割り
当てられたリソースの範囲内で前記第2の通信端末装置
に対するリソース割当てを行なうステップとを具備する
ことを特徴とする無線通信制御方法である。
【0038】この無線通信制御方法においては、第2の
通信端末装置が、自装置の配下となる他の通信端末装置
からの送信要求に応じて、前記第1の通信端末装置によ
り自装置に割り当てられたリソースの範囲内で前記他の
通信端末装置に対するリソース割り当てを再帰的に行な
うことが望ましい。
【0039】本発明の第1の側面に係る無線通信制御装
置、又は第2の側面に係る無線通信制御方法によれば、
親ネットワークにおいて無線基地局の配下である通信端
末が再帰的に無線基地局の機能を持ち、無線基地局で割
り当てられた自装置のリソースの範囲内で、その配下の
他の通信端末に対してリソース割り当てを行なうように
なっている。したがって、互いに妨害を与えないことが
保証される2つ以上のネットワークを構成することが可
能となる。
【0040】また、本発明の第3の側面は、時分割多重
接続方式によりリソース割当てを行なう無線通信制御方
法であって、少なくとも自局にリソース期間を割り当て
る局とともに第1のネットワークを構成する第1の局
に、伝送フレーム内の第1のリソース期間を割り当てる
ステップと、少なくとも前記第1の局とともに第2のネ
ットワークを構成する第2の局に、前記第1のリソース
期間内の第2のリソース期間を割り当てるステップと、
を具備することを特徴とする無線通信制御方法である。
【0041】また、本発明の第4の側面は、時分割多重
接続方式を用いた無線通信システムにおいて、少なくと
も自局にリソース期間を割り当てる局とともに第1のネ
ットワークを構成し、前記第1のネットワークを構成す
る他局と通信を行なう第1の局と、少なくとも前記第1
の局とともに第2のネットワークを構成し、前記第1の
局に割り当てられたリソース期間の少なくとも一部を除
いて、前記第2のネットワークを構成する他局と通信を
行なう第2の局と、を具備することを特徴とする無線通
信システムである。
【0042】但し、ここで言う「システム」とは、複数
の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が
論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュ
ールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない(以下
同様)。
【0043】また、本発明の第5の側面は、複数の無線
通信装置と各無線通信装置に対して所定の伝送フレーム
周期毎に帯域割当てを行なう制御局からなる無線ネット
ワークが複数共存する無線通信システムであって、各無
線ネットワークは、他の無線ネットワークからの信号を
検出する信号検出手段と、前記信号検出手段が検出した
信号を基に、他の無線ネットワークで帯域予約伝送が行
われる伝送帯域を解析する帯域解析手段と、他の無線ネ
ットワークで帯域予約伝送が行なわれる伝送帯域を自ら
の無線ネットワーク内の無線通信装置には割り当てない
帯域割り当て手段と、を具備することを特徴とする無線
通信システムである。
【0044】ここで、前記帯域割り当て手段は、他の無
線ネットワークで帯域予約伝送が行なわれる伝送帯域を
自らの無線ネットワーク内の未使用領域として設定する
ようにしてもよい。また、前記帯域割り当て手段は、前
記信号検出手段が他の無線ネットワークの信号を検出し
なくなったことに応答して、自らの無線ネットワーク内
の未使用領域の設定を解除するようにしてもよい。
【0045】また、前記帯域解析手段は他の無線ネット
ワークにおける未使用領域を解析するとともに、前記帯
域割り当て手段は他の無線ネットワークにおける未使用
領域を用いて自らの無線ネットワーク内の帯域割り当て
を行なうようにしてもよい。
【0046】各無線ネットワークは、制御局(コーディ
ネータ)によって所定の伝送フレーム周期毎に帯域割当
てが行われる。本発明の第5の側面によれば、ネットワ
ークの制御局は、他のネットワークのビーコン情報を受
信すると、これを復号し、そこに記載された帯域割当て
情報に基づいて、その帯域割当て領域(時間領域)を自
らのネットワークにおける未使用領域として設定する。
さらに、他のネットワークで利用されている帯域割当て
領域(時間領域)を排除して、自らのネットワークで利
用する帯域割り当て領域(時間領域)を再設定すること
ができる。
【0047】この結果、各無線ネットワークは、互いに
対等にネットワーク動作を行ないながら、他のネットワ
ークとの衝突を回避して、同じ周波数チャネル上での共
存を実現することができる(但し、ここで言う「同じ周
波数帯」には、データを極めて広い周波数帯に拡散して
送受信を行なうUWB無線通信方式を含むものとす
る)。
【0048】また、本発明の第6の側面は、各無線通信
装置間で所定の伝送フレーム周期毎の帯域予約伝送が行
われる無線ネットワークが複数共存するネットワーク環
境下で、無線ネットワーク内の伝送フレーム周期の帯域
割当てを行なう無線通信制御装置又は無線通信制御方法
であって、他の無線ネットワークからの信号を検出する
信号検出手段又はステップと、前記信号検出手段又はス
テップが検出した信号を基に、他の無線ネットワークで
帯域予約伝送が行われる伝送帯域を解析する帯域解析手
段又はステップと、他の無線ネットワークで帯域予約伝
送が行なわれる伝送帯域を自らの無線ネットワーク内の
無線通信装置には割り当てない帯域割り当て手段又はス
テップと、を具備することを特徴とする無線通信制御装
置又は無線通信制御方法である。
【0049】ここで、前記帯域割り当て手段又はステッ
プは、他の無線ネットワークで帯域予約伝送が行われる
伝送帯域を自らの無線ネットワーク内の未使用領域とし
て設定するようにしてもよい。また、前記帯域割り当て
手段又はステップは、前記信号検出手段又はステップが
他の無線ネットワークの信号を検出しなくなったことに
応答して、自らの無線ネットワーク内の未使用領域の設
定を解除するようにしてもよい。
【0050】また、前記帯域解析手段又はステップは他
の無線ネットワークにおける未使用領域を解析するとと
もに、前記帯域割り当て手段又はステップは他の無線ネ
ットワークにおける未使用領域を用いて自らの無線ネッ
トワーク内の帯域割り当てを行なうようにしてもよい。
【0051】本発明の第6の側面に係る無線通信制御装
置又は無線通信制御方法よれば、ネットワークの制御局
は、他のネットワークのビーコン情報を受信すると、こ
れを復号し、そこに記載された帯域割当て情報に基づい
て、その帯域割当て領域を自らのネットワークにおける
未使用領域として設定する。さらに、他のネットワーク
で利用されている帯域割当て領域を排除して、自らのネ
ットワークで利用する帯域割り当て領域を再設定するこ
とができる。
【0052】この結果、ネットワークを構築する各制御
局は、互いに対等にネットワーク動作を行ないながら、
他のネットワークとの衝突を回避して、同じ周波数チャ
ネル上での共存を実現することができる。
【0053】また、本発明の第7の側面は、複数の無線
通信装置と各無線通信装置に対して所定の伝送フレーム
周期毎に帯域割当てを行なう制御局からなる無線ネット
ワークが複数共存する無線通信システムであって、少な
くとも1つの無線ネットワークは、新たな無線ネットワ
ークの構築要求を受信したことに応答して、該新たな無
線ネットワークのための伝送帯域を設ける、ことを特徴
とする無線通信システムである。
【0054】本発明の第7の側面に係る無線通信システ
ムでは、既存の無線ネットワークと新たに構築される無
線ネットワークとの間で、言わば親子関係が形成され、
新たな無線ネットワークは子として動作するとともに、
既存の無線ネットワークは親として子ネットワークの構
築をサポートする。すなわち、既存のネットワークが、
新たな無線ネットワークの構築要求を受信したことに応
答して、該新たな無線ネットワークのための伝送帯域を
設けることによって、ネットワーク間の衝突が回避さ
れ、同じ周波数チャネル上での共存を実現することがで
きる。
【0055】したがって、本発明の第7の側面に係る無
線通信システムによれば、同一空間上に新規のネットワ
ークが構築された場合や、別の場所からネットワークが
移動してきた場合など、帯域がまったく割り当てられて
いない状態のネットワークが出現したとしても、ネット
ワーク間の競合の問題を解決し、帯域(リソース)の動
的割当てを好適に行なうことができる。また、既に構築
されているネットワークは、同一空間上で新規に出現し
たネットワークに対してリソースを動的に割り当てるこ
とができる。
【0056】ここで、各無線ネットワークは、自らの無
線ネットワークにおいて帯域の未使用領域を設定する手
段と、自らの無線ネットワークの帯域割り当て情報を送
信する手段と、他の無線ネットワークの帯域割り当て情
報を受信し解析する手段と、他の無線ネットワークにお
ける帯域の未使用領域を利用して自らの無線ネットワー
クの帯域割り当てを行なう手段とを備えていてもよい。
【0057】また、新たな無線ネットワークの構築要求
は、例えば、新たな無線ネットワークを構築する他の制
御局から当該無線ネットワークへの参入要求であって
も、あるいは、新たな無線ネットワークを構築する他の
制御局から当該無線ネットワークの制御局に対する帯域
要求であってもよい。
【0058】また、該新たな無線ネットワークに伝送帯
域を設定したことを、ビーコンなどの当該無線ネットワ
ーク内の帯域割当情報に含めて通知したり、あるいは該
新たな無線ネットワークに伝送帯域を設定したこと通知
するための伝送フレームを直接伝送するようにしてもよ
い。
【0059】また、本発明の第8の側面は、各無線通信
装置間で所定の伝送フレーム周期毎の帯域予約伝送が行
われる無線ネットワークが複数共存するネットワーク環
境下で、無線ネットワーク内の伝送フレーム周期の帯域
割当てを行なう無線通信制御装置又は無線通信制御方法
であって、既存の無線ネットワークに対して新たな無線
ネットワークの構築要求を送信する、ことを特徴とする
無線通信制御装置又は無線通信制御方法である。
【0060】また、本発明の第9の側面は、各無線通信
装置間で所定の伝送フレーム周期毎の帯域予約伝送が行
われる無線ネットワークが複数共存するネットワーク環
境下で、無線ネットワーク内の伝送フレーム周期の帯域
割当てを行なう無線通信制御装置又は無線通信制御方法
であって、新たな無線ネットワークの構築要求を受信し
たことに応答して、該新たな無線ネットワークのための
伝送帯域を設定する、ことを特徴とする無線通信制御装
置又は無線通信制御方法である。
【0061】本発明の第8の側面を実装した無線通信制
御装置が子ネットワークの制御局として機能し、また、
本発明の第9の側面を実装した無線通信制御装置が親ネ
ットワークの制御局として機能することにより、ネット
ワーク間の衝突が回避され、同じ周波数チャネル上での
共存を実現することができる。
【0062】例えば、親ネットワークと同一空間上で子
ネットワークが新規に構築された場合や、子ネットワー
クが別の場所から同一空間に移動してきた場合には、当
初は子ネットワークに帯域がまったく割り当てられてい
ないが、ネットワーク間の競合の問題を解決し、帯域
(リソース)の動的割当てを好適に行なうことができ
る。
【0063】ここで、新たな無線ネットワークの構築要
求は、例えば、新たな無線ネットワークを構築する他の
制御局から当該無線ネットワークへの参入要求であって
も、あるいは、新たな無線ネットワークを構築する他の
制御局から当該無線ネットワークの制御局に対する帯域
要求であってもよい。
【0064】また、該新たな無線ネットワークに伝送帯
域を設定したことを、ビーコンなどの当該無線ネットワ
ーク内の帯域割当情報に含めて通知したり、あるいは該
新たな無線ネットワークに伝送帯域を設定したこと通知
するための伝送フレームを直接伝送するようにしてもよ
い。
【0065】また、本発明の第10の側面は、各無線通
信装置間で所定の伝送フレーム周期毎の帯域予約伝送が
行われる無線ネットワークが複数共存するネットワーク
環境下で、無線ネットワーク内の伝送フレーム周期の帯
域割当てを行なう処理をコンピュータ・システム上で実
行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピ
ュータ・プログラムであって、他の無線ネットワークか
らの信号を検出する信号検出ステップと、前記信号検出
ステップで検出した信号を基に、他の無線ネットワーク
で帯域予約伝送が行われる伝送帯域を解析する帯域解析
ステップと、他の無線ネットワークで帯域予約伝送が行
われる伝送帯域を自らの無線ネットワーク内の無線通信
装置には割り当てない帯域割り当てステップと、を具備
することを特徴とするコンピュータ・プログラムであ
る。
【0066】また、本発明の第11の側面は、各無線通
信装置間で所定の伝送フレーム周期毎の帯域予約伝送が
行われる無線ネットワークが複数共存するネットワーク
環境下で、無線ネットワーク内の伝送フレーム周期の帯
域割当てを行なう処理をコンピュータ・システム上で実
行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピ
ュータ・プログラムであって、新たな無線ネットワーク
の構築要求を受信するステップと、該構築要求に応じて
自らの無線ネットワークにおいて帯域の未使用領域を設
定した帯域割当てを行なうステップと、自らの無線ネッ
トワークにおける帯域割当情報を送信するステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム
である。
【0067】また、本発明の第12の側面は、各無線通
信装置間で所定の伝送フレーム周期毎の帯域予約伝送が
行われる無線ネットワークが複数共存するネットワーク
環境下で、無線ネットワーク内の伝送フレーム周期の帯
域割当てを行なう処理をコンピュータ・システム上で実
行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピ
ュータ・プログラムであって、既存の無線ネットワーク
に対して新たな無線ネットワークの構築要求を送信する
ステップと、既存の無線ネットワークから帯域割当情報
を受信するステップと、該帯域割当情報を基に自らの無
線ネットワーク内の帯域割当てを行なうステップと、を
具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムで
ある。
【0068】本発明の第10乃至第12の各側面に係る
コンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム
上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式
で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したもの
である。換言すれば、本発明の第10の側面に係るコン
ピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにイン
ストールすることによって、コンピュータ・システム上
では協働的作用が発揮され、本発明の第5の側面に係る
無線通信システムと同様の作用効果を得ることができ
る。また、本発明の第11及び第12の各側面に係るコ
ンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにイ
ンストールすることによって、コンピュータ・システム
上では協働的作用が発揮され、本発明の第7の側面に係
る無線通信システムと同様の作用効果を得ることができ
る。
【0069】本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、
後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより
詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0070】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態について詳解する。
【0071】A.第1の実施形態 図1には、本発明の第1の実施形態に係る無線通信シス
テムの構成を概念的に示している。
【0072】図1において、無線基地局(以下、BSと
省略する)は、その無線基地局のユーザ局となる3つの
移動局(以下、MSと省略する)、すなわちMS−A
(ユーザA),MS−B(ユーザB),MS−C(ユー
ザC)と相互に無線通信を行なう。このBSとMS−
A,MS−B,MS−Cとで親ネットワークを構成して
いる。また、1つの移動局MS−Aは、無線基地局の機
能を備えており、そのMS−Aのユーザ局となる2つの
移動局MS−D,MS−Eと相互に無線通信を行なう。
この基地局として動作する移動局MS−Aと2つのMS
−D,MS−Eとで子ネットワークを構成している。
【0073】なお、図示しないが、MS−BやMS−C
など他の移動局も同様に基地局機能を装備していてもよ
い。すなわち、他のMSを配下として子ネットワークを
構成することができる。勿論、MS−Aを配下として構
成された子ネットワーク内のMS−DやMS−Eは、他
のMSを配下として孫ネットワークを構成することもで
きる。
【0074】図2には、本実施形態に係る無線ネットワ
ーク内で、他の通信端末装置と無線通信を行なう無線基
地局として動作する通信端末装置の構成を模式的に示し
ている。
【0075】MSから送信された上り回線信号は、アン
テナ111を介して無線受信部112で受信される。無
線受信部112では、上り回線信号について所定の無線
受信処理(例えばダウンコンバートやA/D変換など)
が行なわれ、無線受信処理後の信号を復調部113に出
力する。
【0076】復調部113では、無線受信処理後の信号
を復調して受信データを出力する。また、復調部113
は、MSからのランダム・アクセス・チャネル(RAC
H)信号を復調し、送信要求信号として要求確認部11
4に出力する。要求確認部14は、各MSからのRAC
H信号により送信要求を確認し、どのMSから送信要求
が来ているかの情報をスケジューラ115に出力する。
【0077】スケジューラ115は、送信要求が来てい
るMSのリソース割り当てを行なって、そのリソース割
り当て情報をビーコン挿入部116に出力する。ビーコ
ン挿入部116は、スケジューラ115で割り当てられ
たリソース割り当て情報を含む識別信号であるビーコン
を送信データに挿入し、送信信号として変調部117に
出力する。
【0078】変調部117では、送信信号に対して変調
処理を行ない、変調処理後の信号を無線送信部118に
出力する。無線送信部118は、変調処理後の信号に対
して、所定の無線送信処理(例えばD/A変換やアップ
コンバートなど)を行なって、無線送信処理後の信号を
下り回線信号としてアンテナ111を介してMSに送信
する。
【0079】図3には、本実施形態に係る無線通信ネッ
トワーク内で、基地局の配下で無線通信を行なうユーザ
局として動作する通信端末装置の構成を模式的に示して
いる。
【0080】BS又はBSとして機能するMSから送信
された下り回線信号は、アンテナ121を介して無線受
信部122で受信される。無線受信部122では、上り
回線信号について所定の無線受信処理(例えばダウンコ
ンバートやA/D変換など)が行なわれ、無線受信処理
後の信号を復調部123に出力する。
【0081】復調部123では、無線受信処理後の信号
を復調して受信データを出力する。また、復調部123
は、自装置の配下となる子ネットワークのMS(MS−
D,MS−E)からのランダム・アクセス・チャネル
(RACH)信号を復調し、送信要求信号として要求確
認部125に出力する。また、復調部123は、BSか
らの下り回線信号に含まれるビーコンを復調して、ビー
コン読取部124に出力する。
【0082】ビーコン読取部124は、BS又はBSと
して機能するMSから送信された下り回線信号に含まれ
るビーコンのリソース割り当て情報を読み取り、どのよ
うにリソースが割り当てられているかを認識する。この
リソース割り当て情報は、通信制御部127に出力す
る。通信制御部127は、リソース割り当て情報に基づ
いて時分割多元接続(TDMA:Time Divisional Mult
iple Access)通信を行なうようにフレーム構成部29
を制御する。フレーム構成部129は、親ネットワーク
用送信データをフレーム構成して変調部130に出力す
る。また、フレーム構成部129は、BS又はBSとし
て機能するMSに対して送信要求を行なう場合、親ネッ
トワーク用送信データに送信要求信号を挿入する。
【0083】要求確認部125は、各MSからのRAC
H信号により送信要求を確認し、どのMSから送信要求
が到来しているかどうかの情報をスケジューラ126に
出力する。スケジューラ126は、送信要求が来ている
MSのリソース割り当てを行なって、そのリソース割り
当て情報をビーコン挿入部128に出力する。ビーコン
挿入部128は、スケジューラ126で割り当てられた
リソース割り当て情報を含む識別信号であるビーコンを
子ネットワーク用送信データに挿入し、送信信号として
変調部130に出力する。
【0084】変調部130では、親ネットワーク用の送
信信号及び子ネットワーク用の送信信号に対して変調処
理を行い、変調処理後の信号を無線送信部131に出力
する。無線送信部131は、変調処理後の信号に対し
て、所定の無線送信処理(例えばD/A変換やアップコ
ンバートなど)を行なって、無線送信処理後の信号を上
り回線信号としてアンテナ121を介してBS又はBS
として機能するMSに送信する。
【0085】図4には、本実施形態に係る無線ネットワ
ークで使用されるTDMAフレームの構成を示してい
る。同図を参照しながら、本実施形態による無線通信方
法について詳解する。但し、例として図3に示す通信端
末装置がMS−Aであるとする。
【0086】まず、図1に示すBSは、図4の上段に示
すように、ユーザA,ユーザB,ユーザCの各々に対し
てリソース割り当てを行なう。すなわち、ビーコンの後
に、ユーザA,ユーザB,ユーザCの順でリソースが割
り当てられている。このリソース割り当て情報は、親ネ
ットワークのビーコンに含まれる。
【0087】親ネットワークのビーコンは、BSから各
MSに報知される。MS−Aにおいては、ビーコンはビ
ーコン読取部124で読み取られて、自装置へのリソー
ス割り当てがビーコン直後であることを読み取る。その
リソース割り当ての情報は、通信制御部127に送られ
る。通信制御部127では、リソースが割り当てられて
いる期間にBSとの通信を行なうように制御する。
【0088】MS−Aは、自装置の配下となるMS−D
及びMS−Eからリソース要求(送信要求)を受ける。
この送信要求は、子ネットワークのコンテンション区間
でRACHにより行われる。
【0089】そして、MS−Aは、要求確認部125
で、MS−D,MS−Eの送信要求を確認し、送信要求
をスケジューラ126に送る。スケジューラ126で
は、送信要求が来ているMS(ここではMS−D,MS
−E)のリソース割り当てを行なう。この場合、MS−
Aは、BSによりMS−Aに割り当てられているリソー
スの範囲内で、自局の配下にあるユーザ局MS−D及び
MS−Eの各々に対してリソースを割り当てる。
【0090】MS−Aで決定したリソース割り当て情報
は、子ネットワークの下り回線信号においてビーコンで
MS−D及びMS−Eに報知される。このようにして、
図4の下段に示すように、ユーザD、ユーザEに対して
リソース割り当てが行なわれる。すなわち、ビーコンの
後に、ユーザD、ユーザEの順でリソースが割り当てら
れる。
【0091】このように、自装置が割り当てられている
リソースの範囲内で、配下の通信端末のリソース割り当
てを行なうので、ネットワークを同一エリア又は近接し
たエリアに構成しても、干渉を回避することができ、互
いの妨害を防止することが可能となる。
【0092】このようなTDMAフレームを用いた通信
では、親ネットワークのMS(MS−A,MS−B,M
S−C)からは、コンテンション区間においてRACH
で次のフレームでのリソース割り当てを要求(送信要
求)し、BSはその要求に応じて次のフレームのリソー
ス割り当てを行い、次のビーコンでMS(MS−A,M
S−B,MS−C)に報知する。そして、MS(MS−
A,MS−B,MS−C)は、ビーコンのリソース割り
当て情報に基づいて通信を行なう。
【0093】また、子ネットワークのMS(MS−D,
MS−E)からは、コンテンション区間においてRAC
Hで次のフレームでのリソース割り当てを要求(送信要
求)し、MS−Aはその要求に応じて次のフレームのリ
ソース割り当てを行ない、次のビーコンでMS(MS−
D,MS−E)に報知する。そして、MS(MS−D,
MS−E)は、ビーコンのリソース割り当て情報に基づ
いて通信を行なう。
【0094】このように、本実施形態では、親ネットワ
ークにおいて無線基地局の配下である通信端末が再帰的
に無線基地局の機能を備えており、無線基地局で割り当
てられた自装置のリソースの範囲内で子ネットワークを
構築して、その配下の他の通信端末に対してリソース割
り当てを行なう。このため、互いに妨害を与えないこと
が保証される2つ以上のネットワークを構成することが
可能となる。また、本発明によれば、装置規模を大きく
することなく、ネットワークのエリアを拡大することが
可能となる。
【0095】ところで、周波数資源を有効に利用できる
新たな無線技術として、ウルトラワイドバンド(Ultra
Wide Band:UWB)伝送方式が近年注目を集めている。
ウルトラワイドバンド伝送方式は、基本的には、非常に
細かいパルス幅(例えば1ns(ナノセコンド)以下)
のパルス列からなる信号を用いて、ベースバンド伝送を
行なうものである。また、その占有帯域幅は、占有帯域
幅をその中心周波数(例えば1GHzから10GHz)
で割った値がほぼ1となるようなGHzオーダーの帯域
幅であり、いわゆるW−CDMA方式やcdma200
0方式、並びにSS(Spread Spectrum)やOFDM(O
rthogonal Frequency Division Multiplexing)を用い
た無線LANで使用される帯域幅に比べて、超広帯域な
ものとなっている。
【0096】また、ウルトラワイドバンド伝送方式は、
その低い信号電力密度の特性により、特定の周波数帯域
に高い信号電力密度特性を持つ既存の無線システムに対
し干渉を与えにくいという特徴を備えており、既存の無
線システムが利用している周波数帯域にオーバーレイ可
能な技術として期待されている。さらに広帯域であるこ
とからパーソナル・エリア・ネットワーク(Personal A
rea Network:PAN)の用途で、100Mbpsレベ
ルの超高速無線伝送技術として有望視されている。
【0097】一方で、UWB無線伝送では、互いに不整
合(uncoordinated)な2つ以上のUWB無線ネットワ
ークが同一エリアにある場合を想定すると、各ネットワ
ークは、重複する超広帯域な占有帯域を用いて低い信号
電力密度で通信を行なうため、各送受信機の位置関係に
よっては大きな干渉を与えることが考えられる。本実施
形態に係る無線通信方式をUWB無線伝送に適用した場
合、リソースの重複が生じなくなるため、有効に干渉を
回避することができ、ネットワーク間で互いに妨害を与
えずにUWB無線伝送を行なうことが可能となる。
【0098】なお、上述した本発明の実施形態では、B
Sの配下であるMS数が3であり、MS−Aの配下であ
るMS数が2である場合について説明しているが、本発
明は配下となるMS数には限定はない。また、通信端末
MS−DやMS−Eもさらに無線基地局の機能を持ち、
自装置が割り当てられたリソースの範囲内で孫ネットワ
ークを構成して、配下の通信端末に対してリソース割り
当てを再帰的に行なうようにしても良い。
【0099】また、本発明においては、通信端末MS−
Aが配下の通信端末と子ネットワークを構成している状
態において、通信端末MS−BやMS−Cも無線基地局
の機能を持ち、それぞれ自装置に割り当てられたリソー
ス範囲内で並列的に子ネットワークを構成してもよい。
この場合も、各々の子ネットワークのリソース範囲は重
複しないため、互いに妨害を与えることはない。
【0100】B.第2の実施形態 図5には、2つのパーソナル・エリア・ネットワークが
空間的に分離して存在している様子を図解している。以
下では、小規模なパーソナル・エリア・ネットワークの
ことを「ピコネット」とも呼ぶ。
【0101】同図において、第1のピコネット1は、コ
ーディネータと呼ばれる第1の制御局11と、第2のピ
コネットを構成する複数の無線通信装置12、13、1
4…で構成されている。また、第2のピコネット2は、
コーディネータと呼ばれる第2の制御局21と、第2の
ピコネットを構成する複数の無線通信装置22、23…
で構成されている。
【0102】それぞれのピコネット1、2のサービス・
エリアは、それぞれの制御局の電波到達範囲(図中破線
に相当)とされる。したがって、お互いのピコネット
1、2が空間的に重複しないで同一周波数チャンネル上
で共存していることが理解できよう。
【0103】また、図6には、第1のピコネット1と第
2のピコネット2が空間的に重複して存在している様子
を示している。
【0104】同図において、第1のピコネット1と第2
のピコネット2のサービス・エリアは、それぞれの制御
局の電波到達範囲(図中破線に相当)とされる。したが
って、お互いのピコネット1、2のサービス・エリアが
空間的に重複して存在していることが理解できよう。
【0105】図6に示すような場合、各ピコネット1、
2が同一周波数チャンネル上に存在していると、相手の
ピコネットからの情報を受信できてしまう。このとき、
双方のピコネット1、2において独自に同じ時間の帯域
予約伝送を行なうと、それぞれの情報が衝突してしまう
という問題が生じる。
【0106】そこで、本発明の第2の実施形態では、そ
れぞれのピコネット1、2の制御局(コーディネータ)
11、21が、図中の双方向矢印のように、ピコネット
間で制御局同士が衝突回避のための通信を行なう仕組み
を提供する。例えば、相手のピコネットの帯域予約され
ている状態をビーコン情報から把握して、相手のピコネ
ットで情報伝送に利用される時間を、自らのピコネット
における未使用領域として設定を行なうことで、双方の
ピコネットで同一周波数チャンネル上に共存してピコネ
ットを運用する。
【0107】図7には、本実施形態に係るピコネット内
で使用される伝送フレームの構成を示している。
【0108】同図において、伝送フレーム30は、フレ
ームの先頭にて制御局よりネットワーク上に同報送信さ
れるビーコン同報領域(B)31と、例えばネットワー
クへの参入時の処理などの情報交換を行なう競合伝送領
域(CAP:コンテンション・アクセス周期)32と、
各無線通信装置がそれぞれ帯域予約を行なって情報伝送
を行なう非競合伝送領域(CFP:コンテンション・フ
リー周期)33とで構成され、次のネットワーク同報領
域までの期間が1つの伝送フレーム周期として提供され
る。
【0109】また、これらの伝送フレーム内の構成は、
フレームの先頭でネットワーク上に同報送信されるビー
コン情報に記載されている。
【0110】なお、IEEE802.15.3で規格化
されている仕様によれば、非競合伝送領域(CFP)2
3においては、ギャランティード・タイムスロット(G
TS)34による帯域割当て伝送が、ダイナミックTD
MA(Time Division Multiple Access:時分割多重ア
クセス)と呼ばれる多重伝送方法に従って、無線ネット
ワーク1内の任意の無線通信装置間で直接情報伝送が行
なわれるようになっている。
【0111】図8には、本実施形態に係るピコネット内
で動作する無線通信装置10の構成を模式的に示してい
る。同図に示すように、無線通信装置10は、インター
フェース61と、インターフェース・バッファ62と、
無線バッファ63と、無線通信部64と、アンテナ65
と、制御部67と、情報記憶部68とで構成される。
【0112】インターフェース61は、パーソナル・コ
ンピュータ(PC)などの外部装置(図示しない)と接
続する。また、インターフェース・バッファ62は、外
部装置から届いたメディア情報601を蓄えるためのバ
ッファである。また、無線バッファ63は、インターフ
ェース・バッファ62から送られてきた無線伝送用の情
報602を無線伝送パケットとして格納する。
【0113】制御部67は、この無線通信装置10にお
ける一連のデータ伝送処理を統括的にコントロールす
る。すなわち、制御部67は、無線伝送の通知603に
応答して、帯域予約伝送が必要であれば、予約要求60
4を無線伝送用の無線バッファ63に蓄え、伝送フレー
ム内の競合伝送領域(CAP)を用いて、制御局10−
8宛てに送信処理する。つまり、その伝送の予約要求6
05が無線通信部64を介してアンテナ65から無線伝
送される構成となっている。
【0114】また、無線通信装置10において受信され
た信号は、アンテナ65を介して無線通信部64に供給
され、復号化された信号611として無線バッファ63
に送出される。
【0115】さらに、制御局となる無線通信装置10で
は、信号を受信した場合には、制御信号612として制
御部67に供給される。そして、制御局67では、ピコ
ネットを構成する他の無線通信装置からの予約要求であ
るか否か判断がなされ、その判断結果に基づいた帯域割
当て情報がビーコン信号として構成され、フレーム周期
の先頭部分(図7を参照のこと)で無線送信される。つ
まり、そのフレームのビーコン信号605が、無線通信
部64を介してアンテナ65からピコネット内に無線伝
送される。
【0116】また、制御局となる無線通信装置10は、
他のピコネットからのビーコン信号を受信した場合に
は、制御部67においてそのビーコン情報を解析して、
他のピコネットの情報伝送に影響を与える領域を自分の
ピコネット内の未使用領域として設定する機能を備えて
いる。
【0117】その未使用領域の指定を含んだビーコン信
号605は、無線通信部64を介してアンテナ65から
ピコネット内に無線伝送される。
【0118】そして、ピコネット内の制御局以外の各無
線伝送装置では、制御局からほぼ周期的に送られてくる
ビーコン情報を受信すると、その制御部67は、そのビ
ーコン情報に記載されている非競合伝送領域(CFP)
の該当する予約の帯域割当て情報を確認して、その指示
に従って無線通信部64の設定を行ない、無線バッファ
63に蓄えられた無線伝送パケットの送信を行なう。
【0119】また、制御局以外の各無線伝送装置では、
制御局から送られてくるビーコン情報で非競合伝送領域
(CFP)での受信の指定が行なわれていれば、その指
示に従って無線通信部64の設定を行ない、所定のタイ
ミングで信号受信を行なう。受信した情報611は、無
線バッファ63に蓄えられた後、制御部67は、フレー
ム周期信号604に従ってフレーム周期単位で受信した
情報614を再構築して、インターフェース・バッファ
62へと受け渡す。そして、インターフェース61は、
所定のインターフェース・フォーマットの情報615と
して、外部機器(図示しない)へ情報を受け渡すように
なっている。
【0120】これらの一連の制御は、制御部67の指示
により行なわれる。制御部67には、各種の伝送制御プ
ログラムや制御情報が格納される情報記憶部68が装備
されている。制御部67では、逐次これらの情報を参照
するために、情報記憶部68との間にコマンド群616
が規定されている。
【0121】図9には、第1のピコネット1の制御局1
1と第2のピコネット2の制御局21との間の動作シー
ケンスの一例を示している。より具体的には、第1のピ
コネット1の制御局11と第2のピコネット2の制御局
21が、互いにビーコン情報を受信しながら、互いのピ
コネット1、2内での未使用領域の設定を行なう手順を
示している。同図に示す例では、各ピコネット1、2の
制御局11、21は図14に示す処理手順に従って、対
等に動作するものとする。また、それぞれピコネット内
では、ある無線通信装置が、所定のプロセスを踏んで制
御局として設定されているものとする。
【0122】まず、第1のピコネット1の制御局11
が、第1のピコネットのビーコン情報を送信する(P
1)。
【0123】これに対し、第2のピコネット2の制御局
21では、このビーコン情報を受信することができな
い。例えば、各ピコネット1、2が充分に離れている場
合には、他のピコネットのビーコン情報を受信すること
はできない。このような場合には、それぞれ独立してピ
コネットが形成される(図5を参照のこと)。
【0124】次いで、第2のピコネット2の制御局21
から、第2のピコネット2のビーコン情報が送信される
(P2)。
【0125】各ピコネット1、2が充分に近づいている
場合には、他のピコネットのビーコン情報を受信するこ
とができる(図6を参照のこと)。第1のピコネット1
の制御局11では、制御局21からのビーコン情報が受
信できた場合に、第2のピコネット2に対する未使用領
域の設定を行なう。
【0126】そして、第1のピコネット1の制御局11
は、未使用領域の設定が含まれた第1のピコネット1の
ビーコン情報を送信する(P3)。
【0127】これに対し、第2のピコネット2の制御局
21は、制御局11からのビーコン情報を受信できた場
合には、第1のピコネット1に対する未使用領域の設定
を行なう。
【0128】そして、第2のピコネット2の制御局21
は、未使用領域の設定が含まれた第2のピコネット2の
ビーコン情報を送信する(P4)。
【0129】このようにして、各ピコネット1,2の制
御局11,21は、互いに対等に動作しながら、同じ周
波数チャンネル上に複数のピコネットを時分割多重化し
て共存させることができる訳である。勿論、データを極
めて広い周波数帯に拡散して送受信を行なうUWB無線
通信方式においても、このような帯域割当てを行なうこ
とにより、複数のピコネットを共存させることができ
る。
【0130】その後、通信環境の動的な変化(例えば、
無線通信装置の移動)などによって、第1のピコネット
1の制御局11が第2のピコネット2のビーコン情報を
受信できなくなった場合には(P5)、第1のピコネッ
ト1の制御局11はその未使用領域の設定を解除するこ
とができる。
【0131】同様に、第2のピコネット2の制御局21
が第1のピコネット1のビーコン情報を受信できなくな
った場合にも(P6)、第2のピコネット2の制御局2
1はその未使用領域の設定を解除することができる。
【0132】図10〜図13には、第1のピコネット1
と第2のピコネット2の双方で、それぞれのピコネット
で未使用領域を設定するためのプロセスを、各ピコネッ
ト1、2の伝送フレームの構成によって示している。
【0133】図10に示す段階では、第1のピコネット
1と第2のピコネット2はいずれも未使用領域の設定を
せずに、それぞれ独自にCFPの領域でGTS割当てを
行なって動作している。したがって、いずれのピコネッ
ト1、2の伝送フレームも、他方のピコネットのための
未使用領域は設定されていない。
【0134】次いで、図11に示す段階では、第1のピ
コネット1の制御局11が第2のピコネット2のビーコ
ン情報を受信して、第1のピコネット1の伝送フレーム
に、第2のピコネット2のための未使用領域を設定して
いる。
【0135】同図に示す例では、第1のピコネット1で
は、CFPの領域で自ピコネット内のGTS割当てを集
中的に行なうとともに、さらにCAPの領域を極力短く
することによって、フレーム周期の半分を未使用領域と
して設定している。
【0136】次いで、図12に示す段階では、第2のピ
コネット2の制御局21が第1のピコネット1のビーコ
ン情報を受信して、第2のピコネット2の伝送フレーム
に、第1のピコネット1のための未使用領域を設定して
いる。
【0137】同図に示す例では、第2のピコネット2の
制御局21は、第1のピコネット1の未使用領域に相当
する部分を用いて、CFPの領域でGTS割当てを集中
的に行ない、さらにCAPの領域を極力短くするととも
に、第1のピコネット1で利用される領域を未使用領域
として設定している。
【0138】次いで、図13に示す段階では、第1のピ
コネット1と第2のピコネット2がともに相手のビーコ
ン情報を受信しなくなったことに応答して、それぞれの
ピコネット1、2での未使用領域の設定を解除してい
る。
【0139】同図に示す例では、それぞれのピコネット
1、2がフレーム周期のすべてを、自らのピコネットの
伝送に利用するために、CFPの領域でGTS割当てを
冗長に行なったり、さらにCAPの領域に余裕を持たせ
て長く設定している。
【0140】図9〜図13に示す例では、各制御局の対
等な動作により同じ周波数チャネルを使用する2つのピ
コネットが共存することができる。勿論、このような各
制御局の対等な動作により、同じ周波数チャネルを使用
する3以上のピコネットが共存することも可能である。
【0141】図14には、図9に示した動作シーケンス
を実現するための、ピコネットを構築する各制御局の処
理動作をフローチャートの形式で示している。このよう
な処理動作は、実際には、制御局として設定された無線
通信装置10内の制御部67が所定のプログラム・コー
ドを実行するという形態で実現される。
【0142】まず、ステップS1において、当該無線通
信装置が制御局として動作中であるかどうかを判断す
る。ここで、各ピコネット内では、ある無線通信装置
が、所定のプロセスを踏んで制御局となっているものと
する。但し、ピコネット内で制御局を設定する手続自体
は本発明の要旨には直接関連しないので、ここでは説明
を省略する。
【0143】当該無線通信装置が制御局でなければ、判
断ブロックS1の分岐Noから抜けて、本処理ルーチン
全体を終了する。一方、制御局として動作している場合
には、次ステップS2に進んで、周辺に存在している他
のピコネットのビーコン情報を受信したか判断する。
【0144】他のピコネットのビーコン情報を受信して
いなければ、判断ブロックS2の分岐Noに抜けて、本
処理ルーチン全体を終了する。一方、他のピコネットの
ビーコン情報を受信できた場合には、次ステップS3に
進んで、他のピコネットのビーコン情報を基に、そのピ
コネットのフレーム構造を確認する。
【0145】次いで、ステップS4では、自ピコネット
に対する未使用領域の設定がされていないかどうかを確
認する。
【0146】既に未使用領域が設定されていれば、ステ
ップS9に進んで、その設定されていた未使用領域を自
らのピコネットで利用する領域として設定して、さらに
ステップS10へ移行する。
【0147】一方、未使用領域が設定されていなけれ
ば、ステップS5に進んで、周辺に存在する他のピコネ
ットと、非競合伝送区間(CFP)のGTS割当てが重
複していないか判断を行なう。
【0148】他のピコネットとGTS割当てが重複して
いた場合には、ステップS6に進んで、自ピコネットの
GTS割当てを変更する。また、重複していなければ、
ステップS6の処理をスキップする。
【0149】次いでステップS7では、ビーコン送信時
間にGTS割当てがないかどうかを判断する。
【0150】ビーコン送信時間にGTS割当てがされて
いた場合に、ステップS8において、この割当てと重な
り合わないようにビーコン送出時間の調整を行なってか
らステップS10に進む。また、ビーコン送信時間にG
TS割当てがなされていない場合には、ステップS8を
スキップして、ステップS10に進む。
【0151】ステップS10では、自らのピコネットの
未使用領域を設定して、次ステップS11では、フレー
ム構造を修正したことをビーコン情報としてピコネット
内にブロードキャスト送信する。
【0152】このように、本実施形態では、各ピコネッ
トの制御局が図14に示す処理手順に従って対等に動作
して、図9に示すような動作シーケンスを行なうことに
よって、同じ周波数チャネルを使用する複数のピコネッ
トが互いの干渉を回避しながら共存することができる。
【0153】UWB無線伝送では、互いに不整合(unco
ordinated)な2つ以上のUWB無線ネットワークが同
一エリアにある場合、各ネットワークは重複する超広帯
域な占有帯域を用いて低い信号電力密度で通信を行なう
ため各送受信機の位置関係によっては大きな干渉を与え
る。これに対し、本実施形態に係る無線通信方式をUW
B無線ネットワークに適用した場合、リソースの重複が
生じなくなるため、有効に干渉を回避することができ、
ネットワーク間で互いに妨害を与えずに無線伝送を行な
うことが可能となる。
【0154】C.第3の実施形態 上述した本発明の第2の実施形態では、それぞれのピコ
ネットが互いに対等に動作し、各ピコネットの制御局は
同じ処理手続を実行することによって、同じ周波数チャ
ネルを使用する複数のピコネットが互いの干渉を回避し
ながら共存を実現する。
【0155】これに対し本発明の第3の実施形態では、
同じ周波数チャネルを使用する複数のピコネットが、ピ
コネット間で親子関係を形成しながら、互いの干渉を回
避して共存を実現する。すなわち、親ピコネットが子ピ
コネットのための使用帯域を割り当てるとともに、子ピ
コネットは親ピコネットから割り当てられた帯域を用い
て子ピコネット内での帯域割当てすなわちGTS割当て
を行なう。
【0156】2以上のピコネット間で親子関係を確立す
るためには、子ピコネットの制御局は、親ピコネットの
ピコネットに対して通常の端末局として一旦参入して、
親ピコネット内の他の端末局と同様に帯域要求を行なう
とともに、再帰的に制御局機能を作動させて、親ピコネ
ットで獲得した帯域を子ピコネット内の各端末局に割り
当てる。勿論、子ピコネット内の一部の端末局は、同様
に再帰的な制御局機能を実現することにより、さらに孫
ピコネットを構築することができる。
【0157】また、ピコネット間での参入手続きに拘わ
らず、子ピコネット側の制御局からの帯域要求に応答し
て、親ピコネット側の制御局は帯域を割り当てる(ある
いは親ピコネット側での未使用帯域を用意する)ように
することで、ピコネット間での干渉を回避して共存を実
現することができる。
【0158】したがって、本実施形態によれば、同一空
間上に新規のネットワークが構築された場合や、別の場
所からネットワークが移動してきた場合など、帯域がま
ったく割り当てられていない状態のネットワークが出現
したとしても、ネットワーク間の競合の問題を解決し、
帯域(リソース)の動的割当てを好適に行なうことがで
きる。また、既に構築されているネットワークは、同一
空間上で新規に出現したネットワークに対してリソース
を割り当てることができる。
【0159】本実施形態のようにピコネット間で親子関
係を形成してピコネット間の干渉を回避させる場合、上
述した第2の実施形態の場合とは相違し、親ピコネット
及び子ピコネットのいずれの制御局として機能するかに
よって、無線通信装置が実行する処理動作は相違する
(後述)。
【0160】図15には、同じ周波数チャネルを使用す
る2つのピコネット間で親子関係を形成しながら互いの
干渉を回避して共存を実現するための動作シーケンスの
一例を示している。同図に示す例では、ピコネットAと
ピコネットBが存在し、双方は事前に親子関係を得ずに
独自にネットワークを運用しているものとする。
【0161】まず、ピコネットBの制御局がピコネット
Bのビーコンを受信できたとする(P11)。
【0162】これより、ピコネットBの制御局がピコネ
ットBの制御局に対して参入要求を送出する(P1
2)。これに応答して、ピコネットAの制御局は、ピコ
ネットBの制御局に対して、参入を受け入れた参入承認
を返送する(P13)。参入承認は、例えば、ネットワ
ーク・アドレスの割当てとその返送により行なわれる。
この結果、ピコネットAとピコネットBの間で親子関係
が形成される。
【0163】その後、ピコネットBの制御局がピコネッ
トAの制御局に対して帯域要求(チャネル時間要求)を
送信する(P14)。これに対し、ピコネットAの制御
局は、ピコネットBの制御局に対して、帯域割当を返送
する(P15)。このとき、ピコネットAの制御局は、
ダイレクト・フレームにより帯域割当を通知してもよい
し、あるいは、帯域割当結果を記述したビーコンの報知
により通知するようにしてもよい。
【0164】帯域割当の返送方法は、例えば、ピコネッ
トAの制御局が、ピコネットA内の帯域割当を記述した
ビーコンをピコネットA内で報知することによって行な
われる。あるいは、ピコネットAの制御局からピコネッ
トBの制御局に対して、帯域割当情報を記述した伝送フ
レームを直接送信する(ダイレクト・フレーム)ように
してもよい。後者の場合、ピコネットBの制御局は、ピ
コネットAの制御局に対して、受領確認を行なうように
してもよい(P16)。
【0165】ピコネットAの制御局はピコネットA内で
ビーコンを報知する(P17)。このビーコンには、ピ
コネットBのための帯域割当が行なわれていることが示
されている。したがって、ピコネットBでは、その帯域
を利用してピコネットBを運用することができる。
【0166】したがって、ピコネットAと同一空間上に
ピコネットBが新規に構築された場合や別の場所から移
動してきた場合であっても、ピコネットA内での競合の
問題を解決して、ピコネットBを運用するための帯域
(リソース)が動的に割り当てられる。
【0167】ピコネットBの制御局は、ピコネットBの
運用を記述したビーコンをピコネットB内で報知する
(P18)。さらに、ピコネットBに組み込まれた通信
装置は、ピコネットBの制御局に対して帯域割当を要求
することができる(P19)。これに応答して、ピコネ
ットBの制御局は、先にピコネットAから割当てられた
帯域の一部を、ピコネットBの通信装置に再度割り当て
て、例えばダイレクト・フレームで通知することができ
る(P20)。ピコネットBの通信装置はこれに対して
受領確認を返送してもよい(P21)。
【0168】UWB無線伝送では、互いに不整合(unco
ordinated)な2つ以上のUWB無線ネットワークが同
一エリアにある場合、各ネットワークは重複する超広帯
域な占有帯域を用いて低い信号電力密度で通信を行なう
ため各送受信機の位置関係によっては大きな干渉を与え
る。これに対し、図15に示したようなピコネット間の
動作シーケンスをUWB無線通信方式に適用した場合、
リソースの重複が生じなくなるため、有効に干渉を回避
することができ、ネットワーク間で互いに妨害を与えず
にUWB無線伝送を行なうことが可能となる。
【0169】図16には、他のピコネットとの間で親子
関係を形成しながら互いの干渉を回避してピコネットの
共存を実現するための制御局の処理手順をフローチャー
トの形式で示している。この処理動作は、実際には制御
局として動作する無線通信装置10内の制御部67が所
定のプログラム・コードを実行するという形態で実現さ
れる。
【0170】近隣にピコネットが既に存在するかどうか
を、例えば近隣局のビーコンを受信することで検出する
(ステップS21)。
【0171】近隣局のビーコン信号が受信できた場合に
は、この既存の近隣局のピコネットに対して子ピコネッ
トとして参入することを試みる。この場合、そのビーコ
ン情報から近隣局ピコネットのアドレス情報を獲得する
(ステップS22)。
【0172】次いで、そのアドレス情報を自局のアドレ
ス情報と比較して、自局アドレスが新しいかどうかを判
断する(ステップS23)。自局アドレスが新しい場合
には、近隣ピコネットの制御局へ参入要求を送信して
(ステップS24)、その近隣ピコネットの制御局から
の参入承認を受信したか判断する(ステップS25)。
そして、参入承認の受信を持って(ステップS25)、
この近隣ピコネットへの参入動作が完了する。この結
果、近隣ピコネットを親ピコネットとして、子ピコネッ
トを構築することが可能となる。その後、自局のピコネ
ットに必要な伝送帯域を見積もるようにしてもよい。
【0173】次いで、親ピコネットとしての近隣ピコネ
ットの制御局に対して帯域要求を送信する(ステップS
26)。そして、その制御局から帯域割当ての受信があ
れば(ステップS27)、これに対する受領確認を返信
する(ステップS28)。
【0174】その後、割当てられた帯域で自局のピコネ
ットを運営することが可能になる(ステップS29)。
これより以後、自局のピコネットの通信局からの帯域割
当て要求が生じた場合には、この割当てられた帯域を再
度割当てして通信を行なってもよい。
【0175】一方、ステップS21において近隣局のビ
ーコンを受信しなかった場合、あるいは、ステップS2
3において近隣局ピコネットから獲得した自局アドレス
が新しくないと判断された場合には、自局が親ピコネッ
トとして動作する可能性を検討する。すなわち、近隣局
から参入要求を受信したかどうかを判断する(ステップ
S30)。
【0176】ここで、近隣局から参入要求を受信したと
きには、近隣局を自局ネットワークに参入してアドレス
を割り当てるとともに、この近隣局に対して参入承認を
返送する(ステップS31)。参入承認には、近隣局に
割り当てたアドレスを含める。
【0177】次いで、この近隣局から帯域要求を受信し
たときには(ステップS32)、その帯域割当が可能か
どうかを判断する(ステップS33)。そして、帯域割
当が可能であれば、その近隣局に対して帯域割当を送信
する(ステップS34)。
【0178】その後、その割り当てた帯域以外の領域で
自局のピコネットを運用することになる(ステップS3
5)。
【0179】図16に示す例では、ピコネットを構築し
た順番に加えて制御局が持つアドレス情報を基に親子関
係を形成するようになっている。ここで言うアドレスに
は、例えばMAC(Machine Control Access)アドレス
のような機器(物理的)に固有の識別情報が利用され
る。この場合、新しいアドレスは新しい機種であること
を意味する。したがって、アドレス情報に従いピコネッ
トの親子関係を形成することにより、古いアドレスを持
つ無線通信装置を親ピコネットに設定するとともに、よ
り最新の制御局機能を持つ無線通信装置によって再帰的
に子ピコネットを構築することができる。親ピコネット
側の制御局は同じ空間上で子ピコネットが存在すること
を必ずしも感知しなくてもよい。
【0180】図17には、同じ周波数チャネルを使用す
る2つのピコネット間で親子関係を形成しながら互いの
干渉を回避して共存を実現するための動作シーケンスに
ついての他の例を示している。但し、親ピコネット及び
子ピコネットではそれぞれ図7に示したような構造の伝
送フレーム周期でネットワークが運用されているものと
する。
【0181】親(Parent)ピコネットの制御局からは、
所定の周期で親ピコネットのビーコンが送信される(P
31)。
【0182】これに対し、子(Daughter)ピコネットの
制御局側では、子ピコネットを構築する場合に、親ピコ
ネットの競合伝送領域(CAP)で子ピコネットの構築
要求として帯域割り当て要求(Unassigned
GTS)を送信する(P32)。
【0183】親ピコネットの制御局では、子ピコネット
からの帯域割り当て要求を受信した場合には、子ピコネ
ット構築要求を受信したため、子ピコネットに対する未
使用領域の設定を行い、次の親ピコネットのビーコンに
未使用領域を含んで送信して、Unassigned
GTSを通知する(P33)。
【0184】子ピコネットの制御局では、未使用領域を
含んだ親ピコネットのビーコンを受信すると、その未使
用領域にて子ピコネットの運用を開始し、子ピコネット
のビーコンの送信を行なう(P34)。このとき、親ピ
コネットの伝送に利用される領域は、子ピコネット側で
は未使用領域として設定されている。
【0185】さらに、親ピコネットの制御局は、子ピコ
ネットのビーコンを受信すると、自らの未使用領域を用
いて、子ピコネットが形成されたことを知ることができ
る。
【0186】このように、親ピコネットと同一空間上で
子ピコネットが新規に構築された場合や、別の場所から
子ピコネットが親ピコネット内に移動してきた場合な
ど、帯域がまったく割り当てられていない状態で子ピコ
ネットが出現したとしても、ネットワーク間の競合の問
題を解決し、帯域(リソース)の動的割当てを好適に行
なうことができる。また、親ネットワークは、同一空間
上で新規に出現したネットワークに対してリソースを割
り当てることができる。
【0187】以後、親ピコネットのビーコンが子ピコネ
ットの未使用領域を利用して送信される(P35)。
【0188】UWB無線伝送では、互いに不整合(unco
ordinated)な2つ以上のUWB無線ネットワークが同
一エリアにある場合、各ネットワークは重複する超広帯
域な占有帯域を用いて低い信号電力密度で通信を行なう
ため各送受信機の位置関係によっては大きな干渉を与え
る。これに対し、図17に示したようなピコネット間の
動作シーケンスをUWB無線通信方式に適用した場合、
リソースの重複が生じなくなるため、有効に干渉を回避
することができ、ネットワーク間で互いに妨害を与えず
にUWB無線伝送を行なうことが可能となる。
【0189】図18には、図17に示したピコネット間
の動作手順に従って互いの干渉を回避してピコネットの
共存を実現するための、親ピコネット側の制御局の処理
手順をフローチャートの形式で示している。この処理動
作は、実際には親ピコネット側の制御局として動作する
無線通信装置10内の制御部67が所定のプログラム・
コードを実行するという形態で実現される。
【0190】まず、ステップS41において、無線通信
装置は自分が制御局として動作中であるか否かを判別す
る。
【0191】無線通信装置が制御局として動作していな
ければ、判断ブロックS41の分岐Noに抜けて、本処
理ルーチン全体を終了する。また、制御局として動作中
であれば、ステップS42に進んで、さらに子ピコネッ
ト構築要求を受信したか否かを判別する。
【0192】子ピコネット構築要求を受信していなけれ
ば、判断ブロックS42の分岐Noに抜けて、本処理ル
ーチン全体を終了する。また、子ピコネット構築要求を
受信した場合には、次ステップS43に進んで、子ピコ
ネットに必要な伝送帯域(時間)の情報を獲得する。
【0193】ステップS44では、親ピコネットにおい
て、該当する伝送帯域を未使用領域として設定すること
が可能か否かを判別する。
【0194】ここで、未使用領域の設定を行なうことが
できなければ、判断ブロックS44の分岐Noに抜け
て、本処理ルーチン全体を終了する。また、未使用領域
の設定を行なうことができるようであれば、次ステップ
S45において、さらに既存の帯域割当てに変更が必要
か否かを判別する。
【0195】既存の帯域割当てに変更が必要である場合
には、次ステップS46で、親ピコネット内の帯域割当
ての変更を行なう。また、帯域割当ての変更が必要でな
い場合には、ステップS46の処理をスキップする。
【0196】次いで、ステップS47では、親ピコネッ
トでの未使用領域の設定を行なう。そして、ステップS
48では、その設定を親ピコネットのビーコン情報とし
て送信して、本処理ルーチン全体を終了する。
【0197】また、図19には、図17に示したピコネ
ット間の動作手順に従って互いの干渉を回避してピコネ
ットの共存を実現するための、子ピコネット側の制御局
の処理手順をフローチャートの形式で示している。この
処理動作は、実際には子ピコネット側の制御局として動
作する無線通信装置10内の制御部67が所定のプログ
ラム・コードを実行するという形態で実現される。
【0198】まず、ステップS51では、例えばユーザ
の指示に基づいて、無線通信装置は自分が制御局として
動作する指示を受理したか否かを判断する。
【0199】無線通信装置がかかる指示を受理していな
ければ、判断ブロックS51の分岐Noに抜けて、本処
理ルーチン全体を終了する。また、かかる指示を受理し
た場合には、次ステップS52に進んで、さらに親とな
るピコネットのビーコンを受信したか否かを判別する。
【0200】親ピコネットのビーコンを受信していなけ
れば、判断ブロックS52の分岐NoからステップS5
3に進んで、普通のピコネットの制御局として動作し
て、ビーコンの送信を行い、本処理ルーチン全体を終了
する。
【0201】また、親ピコネットのビーコンを受信した
場合には、ステップS54に進んで、子ピコネットに必
要な伝送帯域(時間)を見積もり、さらに次ステップS
55では、親ピコネットにおける競合伝送領域(CA
P)において子ピコネット構築要求を送信する。
【0202】次いで、ステップS56では、親ピコネッ
トのビーコンを受信して、未使用領域の設定が行われた
か否かを確認する。
【0203】ここで、未使用領域の設定が行われていな
ければ、判断ブロックS56の分岐NoからステップS
54に復帰して、子ピコネットに必要な伝送帯域を再度
見積もり、親ピコネットに対して子ピコネット構築要求
を送信する。
【0204】他方、親ピコネットで未使用領域の設定が
行われていることを確認できた場合には、次ステップS
57に進んで、子ピコネットでの未使用領域の設定を行
なう。
【0205】そして、ステップS58では、その未使用
領域の設定を子ピコネットのビーコン情報として送信し
て、本処理ルーチン全体を終了する。
【0206】[追補]以上、特定の実施形態を参照しな
がら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修
正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示
という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書
の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の
要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範
囲の欄を参酌すべきである。
【0207】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、
同じ周波数帯で競合する複数の無線ネットワークが共存
することができる優れた無線通信システム、並びに、同
じ周波数帯で複数の無線ネットワークが競合する通信環
境下で各無線ネットワーク内の通信動作を好適に制御す
ることができる優れた無線通信制御装置及び無線通信制
御方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供するこ
とができる。
【0208】また、本発明によれば、同じ周波数チャネ
ル上に複数のパーソナル・エリア・ネットワークが存在
した場合に、制御局となる各伝送装置間の制御のみによ
って伝送フレーム周期を時分割多重化することによって
共存することができる、優れた無線通信システム、無線
通信制御装置及び無線通信制御方法、並びにコンピュー
タ・プログラムを提供することができる。
【0209】また、本発明によれば、同一空間上に新規
のネットワークが構築された場合や、別の場所からネッ
トワークが移動してきた場合などにおいて、ネットワー
ク間の競合の問題を解決し、帯域(リソース)の動的割
当てを好適に行なうことができる、優れた無線通信シス
テム、無線通信制御装置及び無線通信制御方法、並びに
コンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0210】本発明によれば、同一チャンネルに存在す
る制御局同士が互いのビーコンを受信することによっ
て、相手先のネットワークにおけるフレーム構造を把握
することができるので、その帯域予約状況から自らのネ
ットワークの帯域予約と衝突が生じないように帯域割当
てを変更することができる。
【0211】また、その帯域予約状況から相手先のネッ
トワークで伝送に利用される領域を、自らのネットワー
クの未使用領域として設定することで、相手先のネット
ワークとの情報伝送の衝突を防ぐ伝送を実現することが
できる。
【0212】さらに、相手先のネットワークで未使用領
域が設定されている場合には、その領域を自らのネット
ワークで伝送に利用する領域とすることで、同一チャン
ネル上に複数のネットワークを共存させることができ
る。
【0213】そして、ネットワークの制御局が相手先の
ネットワークのビーコン信号を受信しなくなった場合に
は、前述の未使用領域の設定を解除することで、自らの
ネットワークで同一チャンネルを有効に利用する方法を
実現できるという効果を奏する。
【0214】あるいは一方の制御局が他方の制御局に対
してネットワークの構築要求を発行することにより、ネ
ットワーク間で帯域の割当てを行なうことができる。こ
こで言う他方の制御局への構築要求には、ネットワーク
に参入する参入要求や、他方の制御局に対して帯域の割
り当てを要求する帯域要求などが含まれる。
【0215】また、本発明によれば、親ネットワークに
おいて無線基地局の配下である通信端末が再帰的に無線
基地局の機能を持ち、無線基地局で割り当てられた自装
置のリソースの範囲内で、その配下の他の通信端末に対
してリソース割り当てを行なうので、互いに妨害を与え
ないことが保証される2つ以上のネットワークを構成す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る無線通信システ
ムの構成を概念的に示した図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る無線ネットワー
ク内で、他の通信端末装置と無線通信を行なう無線基地
局として動作する通信端末装置の構成を模式的に示した
図である。
【図3】基地局の配下で無線通信を行なうユーザ局とし
て動作する通信端末装置の構成を模式的に示した図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る無線ネットワー
クで使用されるTDMAフレームの構成例を示した図で
ある。
【図5】2つのパーソナル・エリア・ネットワークが空
間的に分離して存在している様子を示した図である。
【図6】第1のピコネット1と第2のピコネット2が空
間的に重複して存在している様子を示した図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るピコネット内で
使用される伝送フレームの構成を示した図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るピコネット内で
動作する無線通信装置10の構成を模式的に示した図で
ある。
【図9】第1のピコネット1の制御局11と第2のピコ
ネット2の制御局21との間の動作シーケンスの一例を
示した図である。
【図10】第1のピコネット1と第2のピコネット2の
双方で、それぞれのピコネットで未使用領域を設定する
プロセスにおいて使用される伝送フレームの構成を示し
た図である。
【図11】第1のピコネット1と第2のピコネット2の
双方で、それぞれのピコネットで未使用領域を設定する
プロセスにおいて使用される伝送フレームの構成を示し
た図である。
【図12】第1のピコネット1と第2のピコネット2の
双方で、それぞれのピコネットで未使用領域を設定する
プロセスにおいて使用される伝送フレームの構成を示し
た図である。
【図13】第1のピコネット1と第2のピコネット2の
双方で、それぞれのピコネットで未使用領域を設定する
プロセスにおいて使用される伝送フレームの構成を示し
た図である。
【図14】図9に示した動作シーケンスを実現するため
の、ピコネットを構築する制御局の処理動作を示したフ
ローチャートである。
【図15】同じ周波数チャネルを使用する2つのピコネ
ット間で親子関係を形成しながら互いの干渉を回避して
共存を実現するための動作シーケンスを示した図であ
る。
【図16】他のピコネットとの間で親子関係を形成しな
がら互いの干渉を回避してピコネットの共存を実現する
ための制御局の処理手順を示したフローチャートであ
る。
【図17】同じ周波数チャネルを使用する2つのピコネ
ット間で親子関係を形成しながら互いの干渉を回避して
共存を実現するための動作シーケンスについての他の例
を示した図である。
【図18】図17に示したピコネット間の動作手順に従
って互いの干渉を回避してピコネットの共存を実現する
ための親ピコネット側の制御局における処理手順を示し
たフローチャートである。
【図19】図17に示したピコネット間の動作手順に従
って互いの干渉を回避してピコネットの共存を実現する
ための子ピコネット側の制御局における処理手順を示し
たフローチャートである。
【図20】UWBを用いたデータ伝送の例を示した図で
ある。
【符号の説明】
1…第1のピコネット 2…第2のピコネット 10…無線通信装置 11…第1のピコネットの制御局 12…第2のピコネットの制御局 61…インターフェース 62…インターフェース・バッファ 63…無線バッファ 64…無線通信部 65…アンテナ 67…制御部 68…情報記憶部 111,121…アンテナ 112,122…無線受信部 113,123…復調部 114,125…要求確認部 115,126…スケジューラ 116,128…ビーコン挿入部 117,130…変調部 118,131…無線送信部 124…ビーコン読取部 127…通信制御部 129…フレーム構成部
フロントページの続き Fターム(参考) 5K033 CB08 DA05 DA19 EC03 5K067 AA21 BB04 BB21 CC04 DD11 DD51 EE02 EE10 EE53 EE61 EE71 FF02 GG03 HH11 HH22 JJ11 JJ21

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のネットワークの下り回線信号に含ま
    れるリソース割当て情報に従って通信制御を行なう通信
    制御手段と、第2のネットワークの上り回線信号に含ま
    れる送信要求に応じてリソース割当てを行なうリソース
    割当て手段と、を具備することを特徴とする無線通信制
    御装置。
  2. 【請求項2】前記リソース割当て手段は、自装置に割り
    当てられたリソースの範囲内で自装置の配下となる通信
    装置に対するリソース割当てを行なう、ことを特徴とす
    る請求項1に記載の無線通信制御装置。
  3. 【請求項3】第1の通信端末装置からの送信要求に応じ
    て無線基地局装置で決められたリソース割当て情報を下
    り回線信号で前記第1の通信端末装置が受信するステッ
    プと、 前記第1の通信端末装置において前記リソース割当て情
    報に従って通信制御を行なうステップと、 前記第1の通信端末装置において、自装置の配下となる
    第2の通信端末装置からの送信要求に応じて、前記無線
    基地局装置により自装置に割り当てられたリソースの範
    囲内で前記第2の通信端末装置に対するリソース割当て
    を行なうステップとを具備することを特徴とする無線通
    信制御方法。
  4. 【請求項4】前記第2の通信端末装置は、自装置の配下
    となる他の通信端末装置からの送信要求に応じて、前記
    第1の通信端末装置により自装置に割り当てられたリソ
    ースの範囲内で前記他の通信端末装置に対するリソース
    割当てを再帰的に行なう、ことを特徴とする請求項3に
    記載の無線通信制御方法。
  5. 【請求項5】時分割多重接続方式によりリソース割当て
    を行なう無線通信制御方法であって、 少なくとも自局にリソース期間を割り当てる局とともに
    第1のネットワークを構成する第1の局に、伝送フレー
    ム内の第1のリソース期間を割り当てるステップと、 少なくとも前記第1の局とともに第2のネットワークを
    構成する第2の局に、前記第1のリソース期間内の第2
    のリソース期間を割り当てるステップと、を具備するこ
    とを特徴とする無線通信制御方法。
  6. 【請求項6】時分割多重接続方式を用いた無線通信シス
    テムにおいて、 少なくとも自局にリソース期間を割り当てる局とともに
    第1のネットワークを構成し、前記第1のネットワーク
    を構成する他局と通信を行なう第1の局と、 少なくとも前記第1の局とともに第2のネットワークを
    構成し、前記第1の局に割り当てられたリソース期間の
    少なくとも1部を除いて、前記第2のネットワークを構
    成する他局と通信を行なう第2の局と、を具備すること
    を特徴とする無線通信システム。
  7. 【請求項7】複数の無線通信装置と各無線通信装置に対
    して所定の伝送フレーム周期毎に帯域割当てを行なう制
    御局からなる無線ネットワークが複数共存する無線通信
    システムであって、各無線ネットワークは、 他の無線ネットワークからの信号を検出する信号検出手
    段と、 前記信号検出手段が検出した信号を基に、他の無線ネッ
    トワークで帯域予約伝送が行われる伝送帯域を解析する
    帯域解析手段と、 他の無線ネットワークで帯域予約伝送が行なわれる伝送
    帯域を自らの無線ネットワーク内の無線通信装置には割
    り当てない帯域割り当て手段と、を具備することを特徴
    とする無線通信システム。
  8. 【請求項8】前記帯域割り当て手段は、他の無線ネット
    ワークで帯域予約伝送が行なわれる伝送帯域を自らの無
    線ネットワーク内の未使用領域として設定する、ことを
    特徴とする請求項7に記載の無線通信システム。
  9. 【請求項9】前記帯域割り当て手段は、前記信号検出手
    段が他の無線ネットワークの信号を検出しなくなったこ
    とに応答して、自らの無線ネットワーク内の未使用領域
    の設定を解除する、ことを特徴とする請求項8に記載の
    無線通信システム。
  10. 【請求項10】前記帯域解析手段は、他の無線ネットワ
    ークにおける未使用領域を解析し、 前記帯域割り当て手段は、他の無線ネットワークにおけ
    る未使用領域を用いて自らの無線ネットワーク内の帯域
    割り当てを行なう、ことを特徴とする請求項7に記載の
    無線通信システム。
  11. 【請求項11】各無線通信装置間で所定の伝送フレーム
    周期毎の帯域予約伝送が行われる無線ネットワークが複
    数共存するネットワーク環境下で、無線ネットワーク内
    の伝送フレーム周期の帯域割当てを行なう無線通信制御
    装置であって、 他の無線ネットワークからの信号を検出する信号検出手
    段と、 前記信号検出手段が検出した信号を基に、他の無線ネッ
    トワークで帯域予約伝送が行われる伝送帯域を解析する
    帯域解析手段と、 他の無線ネットワークで帯域予約伝送が行なわれる伝送
    帯域を自らの無線ネットワーク内の無線通信装置には割
    り当てない帯域割り当て手段と、を具備することを特徴
    とする無線通信制御装置。
  12. 【請求項12】前記帯域割り当て手段は、他の無線ネッ
    トワークで帯域予約伝送が行なわれる伝送帯域を自らの
    無線ネットワーク内の未使用領域として設定する、こと
    を特徴とする請求項11に記載の無線通信制御装置。
  13. 【請求項13】前記帯域割り当て手段は、前記信号検出
    手段が他の無線ネットワークの信号を検出しなくなった
    ことに応答して、自らの無線ネットワーク内の未使用領
    域の設定を解除する、ことを特徴とする請求項12に記
    載の無線通信制御装置。
  14. 【請求項14】前記帯域解析手段は、他の無線ネットワ
    ークにおける未使用領域を解析し、 前記帯域割り当て手段は、他の無線ネットワークにおけ
    る未使用領域を用いて自らの無線ネットワーク内の帯域
    割り当てを行なう、ことを特徴とする請求項11に記載
    の無線通信制御装置。
  15. 【請求項15】各無線通信装置間で所定の伝送フレーム
    周期毎の帯域予約伝送が行われる無線ネットワークが複
    数共存するネットワーク環境下で、無線ネットワーク内
    の伝送フレーム周期の帯域割当てを行なう無線通信制御
    方法であって、 他の無線ネットワークからの信号を検出する信号検出ス
    テップと、 前記信号検出ステップで検出した信号を基に、他の無線
    ネットワークで帯域予約伝送が行われる伝送帯域を解析
    する帯域解析ステップと、 他の無線ネットワークで帯域予約伝送が行なわれる伝送
    帯域を自らの無線ネットワーク内の無線通信装置には割
    り当てない帯域割り当てステップと、を具備することを
    特徴とする無線通信制御方法。
  16. 【請求項16】前記帯域割り当てステップでは、他の無
    線ネットワークで帯域予約伝送が行なわれる伝送帯域を
    自らの無線ネットワーク内の未使用領域として設定す
    る、ことを特徴とする請求項15に記載の無線通信制御
    方法。
  17. 【請求項17】前記帯域割り当てステップでは、前記信
    号検出ステップにおいて他の無線ネットワークの信号を
    検出しなくなったことに応答して、自らの無線ネットワ
    ーク内の未使用領域の設定を解除する、ことを特徴とす
    る請求項16に記載の無線通信制御方法。
  18. 【請求項18】前記帯域解析ステップでは、他の無線ネ
    ットワークにおける未使用領域を解析し、 前記帯域割り当てステップでは、他の無線ネットワーク
    における未使用領域を用いて自らの無線ネットワーク内
    の帯域割り当てを行なう、ことを特徴とする請求項15
    に記載の無線通信制御方法。
  19. 【請求項19】複数の無線通信装置と各無線通信装置に
    対して所定の伝送フレーム周期毎に帯域割当てを行なう
    制御局からなる無線ネットワークが複数共存する無線通
    信システムであって、少なくとも1つの無線ネットワー
    クは、 新たな無線ネットワークの構築要求を受信したことに応
    答して、該新たな無線ネットワークのための伝送帯域を
    設ける、ことを特徴とする無線通信システム。
  20. 【請求項20】各無線ネットワークは、 自らの無線ネットワークにおいて帯域の未使用領域を設
    定する手段と、 自らの無線ネットワークの帯域割り当て情報を送信する
    手段と、 他の無線ネットワークの帯域割り当て情報を受信し解析
    する手段と、 他の無線ネットワークにおける帯域の未使用領域を利用
    して自らの無線ネットワークの帯域割り当てを行なう手
    段と、を備えることを特徴とする請求項19に記載の無
    線通信システム。
  21. 【請求項21】前記構築要求は、新たな無線ネットワー
    クを構築する他の制御局から当該無線ネットワークへの
    参入要求である、ことを特徴とする請求項19に記載の
    無線通信システム。
  22. 【請求項22】前記構築要求は、新たな無線ネットワー
    クを構築する他の制御局から当該無線ネットワークの制
    御局に対する帯域要求である、ことを特徴とする請求項
    19に記載の無線通信システム。
  23. 【請求項23】該新たな無線ネットワークに伝送帯域を
    設定したことを当該無線ネットワーク内の帯域割当情報
    に含めて通知する、ことを特徴とする請求項19に記載
    の無線通信システム。
  24. 【請求項24】該新たな無線ネットワークに伝送帯域を
    設定したこと通知するための伝送フレームを該新たな無
    線ネットワークの制御局宛てに伝送する、ことを特徴と
    する請求項19に記載の無線通信システム。
  25. 【請求項25】各無線通信装置間で所定の伝送フレーム
    周期毎の帯域予約伝送が行われる無線ネットワークが複
    数共存するネットワーク環境下で、無線ネットワーク内
    の伝送フレーム周期の帯域割当てを行なう無線通信制御
    装置であって、 既存の無線ネットワークに対して新たな無線ネットワー
    クの構築要求を送信する、ことを特徴とする無線通信制
    御装置。
  26. 【請求項26】前記構築要求は既存の無線ネットワーク
    に対して参入を要求する参入要求である、ことを特徴と
    する請求項25に記載の無線通信制御装置。
  27. 【請求項27】前記構築要求は既存の無線ネットワーク
    に対して使用帯域の割当てを要求する帯域要求である、
    ことを特徴とする請求項25に記載の無線通信制御装
    置。
  28. 【請求項28】各無線通信装置間で所定の伝送フレーム
    周期毎の帯域予約伝送が行われる無線ネットワークが複
    数共存するネットワーク環境下で、無線ネットワーク内
    の伝送フレーム周期の帯域割当てを行なう無線通信制御
    方法であって、 既存の無線ネットワークに対して新たな無線ネットワー
    クの構築要求を送信する、ことを特徴とする無線通信制
    御方法。
  29. 【請求項29】前記構築要求は既存の無線ネットワーク
    に対して参入を要求する参入要求である、ことを特徴と
    する請求項28に記載の無線通信制御方法。
  30. 【請求項30】前記構築要求は既存の無線ネットワーク
    に対して使用帯域の割当てを要求する帯域要求である、
    ことを特徴とする請求項28に記載の無線通信制御方
    法。
  31. 【請求項31】各無線通信装置間で所定の伝送フレーム
    周期毎の帯域予約伝送が行われる無線ネットワークが複
    数共存するネットワーク環境下で、無線ネットワーク内
    の伝送フレーム周期の帯域割当てを行なう無線通信制御
    装置であって、 新たな無線ネットワークの構築要求を受信したことに応
    答して、該新たな無線ネットワークのための伝送帯域を
    設定する、ことを特徴とする無線通信制御装置。
  32. 【請求項32】前記構築要求は既存の無線ネットワーク
    に対して参入を要求する参入要求である、ことを特徴と
    する請求項31に記載の無線通信制御装置。
  33. 【請求項33】前記構築要求は既存の無線ネットワーク
    に対して使用帯域の割当てを要求する帯域要求である、
    ことを特徴とする請求項31に記載の無線通信制御装
    置。
  34. 【請求項34】該新たな無線ネットワークに伝送帯域を
    設定したことを当該無線ネットワーク内の帯域割当情報
    に含めて通知する、ことを特徴とする請求項31に記載
    の無線通信制御装置。
  35. 【請求項35】該新たな無線ネットワークに伝送帯域を
    設定したこと通知するための伝送フレームを該新たな無
    線ネットワークの制御局宛てに伝送する、ことを特徴と
    する請求項31に記載の無線通信制御装置。
  36. 【請求項36】各無線通信装置間で所定の伝送フレーム
    周期毎の帯域予約伝送が行われる無線ネットワークが複
    数共存するネットワーク環境下で、無線ネットワーク内
    の伝送フレーム周期の帯域割当てを行なう無線通信制御
    方法であって、 新たな無線ネットワークの構築要求を受信したことに応
    答して、該新たな無線ネットワークのための伝送帯域を
    設定する、ことを特徴とする無線通信制御方法。
  37. 【請求項37】前記構築要求は既存の無線ネットワーク
    に対して参入を要求する参入要求である、ことを特徴と
    する請求項36に記載の無線通信制御方法。
  38. 【請求項38】前記構築要求は既存の無線ネットワーク
    に対して使用帯域の割当てを要求する帯域要求である、
    ことを特徴とする請求項36に記載の無線通信制御方
    法。
  39. 【請求項39】該新たな無線ネットワークに伝送帯域を
    設定したことを当該無線ネットワーク内の帯域割当情報
    に含めて通知する、ことを特徴とする請求項36に記載
    の無線通信制御方法。
  40. 【請求項40】該新たな無線ネットワークに伝送帯域を
    設定したこと通知するための伝送フレームを該新たな無
    線ネットワークの制御局宛てに伝送する、ことを特徴と
    する請求項36に記載の無線通信制御方法。
  41. 【請求項41】各無線通信装置間で所定の伝送フレーム
    周期毎の帯域予約伝送が行われる無線ネットワークが複
    数共存するネットワーク環境下で、無線ネットワーク内
    の伝送フレーム周期の帯域割当て処理をコンピュータ・
    システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記
    述されたコンピュータ・プログラムであって、 他の無線ネットワークからの信号を検出する信号検出ス
    テップと、 前記信号検出ステップで検出した信号を基に、他の無線
    ネットワークで帯域予約伝送が行われる伝送帯域を解析
    する帯域解析ステップと、 他の無線ネットワークで帯域予約伝送が行われる伝送帯
    域を自らの無線ネットワーク内の無線通信装置には割り
    当てない帯域割り当てステップと、を具備することを特
    徴とするコンピュータ・プログラム。
  42. 【請求項42】各無線通信装置間で所定の伝送フレーム
    周期毎の帯域予約伝送が行われる無線ネットワークが複
    数共存するネットワーク環境下で、無線ネットワーク内
    の伝送フレーム周期の帯域割当て処理をコンピュータ・
    システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記
    述されたコンピュータ・プログラムであって、 新たな無線ネットワークの構築要求を受信するステップ
    と、 該構築要求に応じて自らの無線ネットワークにおいて帯
    域の未使用領域を設定した帯域割当てを行なうステップ
    と、 自らの無線ネットワークにおける帯域割当情報を送信す
    るステップと、を具備することを特徴とするコンピュー
    タ・プログラム。
  43. 【請求項43】各無線通信装置間で所定の伝送フレーム
    周期毎の帯域予約伝送が行われる無線ネットワークが複
    数共存するネットワーク環境下で、無線ネットワーク内
    の伝送フレーム周期の帯域割当て処理をコンピュータ・
    システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記
    述されたコンピュータ・プログラムであって、 既存の無線ネットワークに対して新たな無線ネットワー
    クの構築要求を送信するステップと、 既存の無線ネットワークから帯域割当情報を受信するス
    テップと、 該帯域割当情報を基に自らの無線ネットワーク内の帯域
    割当てを行なうステップと、を具備することを特徴とす
    るコンピュータ・プログラム。
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