JP2003068318A - 固体高分子型燃料電池のセル及び固体高分子型燃料電池 - Google Patents

固体高分子型燃料電池のセル及び固体高分子型燃料電池

Info

Publication number
JP2003068318A
JP2003068318A JP2001252887A JP2001252887A JP2003068318A JP 2003068318 A JP2003068318 A JP 2003068318A JP 2001252887 A JP2001252887 A JP 2001252887A JP 2001252887 A JP2001252887 A JP 2001252887A JP 2003068318 A JP2003068318 A JP 2003068318A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst layer
electrode catalyst
cell
fuel
oxygen electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001252887A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4889168B2 (ja
Inventor
Osamu Yamazaki
修 山▲ざき▼
Mitsuaki Echigo
満秋 越後
Takeshi Tabata
健 田畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP2001252887A priority Critical patent/JP4889168B2/ja
Publication of JP2003068318A publication Critical patent/JP2003068318A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4889168B2 publication Critical patent/JP4889168B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体高分子型燃料電池を構成したときに耐久
性に優れる固体高分子型燃料電池のセル及び耐久性に優
れる固体高分子型燃料電池を提供する。 【解決手段】 電解質層としての高分子膜1の一方の面
にその周部を露出する状態で酸素極触媒層2cを備え、
且つ、他方の面にその周部を露出する状態で燃料極触媒
層3cを備えた固体高分子型燃料電池のセルであって、
酸素極触媒層2cにおける高分子膜存在側とは反対側又
は燃料極触媒層3cにおける高分子膜存在側とは反対側
に、弾性変形自在な補強部材4,5が、高分子膜1の厚
さ方向に印加される押圧力により弾性変形して、高分子
膜1における酸素極触媒層2cの周縁部又は燃料極触媒
層3cの周縁部に対応する膜部分に応力が集中するのを
抑制するように、酸素極触媒層2c又は燃料極触媒層3
cの周縁内外にわたる状態で設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解質層としての
高分子膜の一方の面にその周部を露出する状態で酸素極
触媒層を備え、且つ、他方の面にその周部を露出する状
態で燃料極触媒層を備えた固体高分子型燃料電池のセ
ル、及び、そのようなセルの複数個にて構成された高分
子型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる固体高分子型燃料電池のセル(以
下、単にセルと記載する場合がある)においては、電極
触媒を保持した酸素極触媒層及び燃料極触媒層夫々と高
分子膜との接触面積を大きくして、発電性能を高くする
必要があることから、酸素極触媒層及び燃料極触媒層夫
々と高分子膜との接触面積を大きくするために、以下の
ようにして、高分子膜に対して酸素極触媒層及び燃料極
触媒層を接合するものである。即ち、高分子膜の一方の
面にその周部を露出する状態で酸素極触媒層を配置し且
つ他方の面にその周部を露出する状態で燃料極触媒層を
配置した状態で、高分子膜と各層の重ね方向にホットプ
レスしてそれらを接合したり、高分子膜と各層の重ね方
向に押圧してそれらを接着剤にて接合したりして、酸素
極触媒層及び燃料極触媒層夫々と高分子膜との接触面積
を大きくするものである。
【0003】そして、固体高分子型燃料電池のセルを用
いて構成した固体高分子型燃料電池においては、高分子
膜厚さ方向に押圧力を印加させることにより、流路形成
部材をセルにおける酸素極触媒層の周縁部に対応する外
周部に密着させて、セルとの間に酸素極側ガス流路を気
密状に形成し、並びに、流路形成部材をセルにおける燃
料極触媒層の周縁部に対応する外周部に密着させて、セ
ルとの間に燃料極側ガス流路を気密状に形成している。
【0004】従来、高分子膜に酸素極触媒層及び燃料極
触媒層を接合するに当たっては、図19に示すように、
面方向の全体にわたって厚さが略均一で且つ強度が略均
一に形成した高分子膜1を用い、その高分子膜1の両面
に、上述のように酸素極触媒層2cと燃料極触媒層3c
とを振分け配置した状態で、高分子膜1と各層の重ね方
向にホットプレスしてそれらを接合したり、高分子膜1
と各層の重ね方向に押圧してそれらを接着剤にて接合し
たりしていた。更に、そのように高分子膜1に酸素極触
媒層2c及び燃料極触媒層3cを接合して形成した電極
―膜接合体における酸素極触媒層2c側にその酸素極触
媒層2cと同じ大きさの酸素極集電層2pを重ねると共
に、その酸素極触媒層2c側の矩形枠状の高分子膜1の
露出部分に矩形枠状の酸素極側シール材6を重ね、並び
に、燃料極触媒層3c側にその燃料極触媒層3cと同じ
大きさの燃料極集電層3pを重ねると共に、その燃料極
触媒層3c側の矩形枠状の高分子膜1の露出部分に矩形
枠状の燃料極側シール材7を重ねて、セルCを構成して
いた。尚、通常は、酸素極触媒層2c及び燃料極触媒層
3cは高分子膜1よりも硬い材料にて形成され、酸素極
集電層2p及び燃料極集電層3pは酸素極触媒層2c及
び燃料極触媒層3cよりも硬い材料(例えばカーボンペ
ーパー等)にて形成される。
【0005】図18は、上述のように構成した従来のセ
ルCにおける厚さ方向での断面図を示す。つまり、図1
8に示すように、上述のように高分子膜1の両面に酸素
極触媒層2cと燃料極触媒層3cとを振分け配置した状
態で、高分子膜1と各層の重ね方向に押圧力を印加して
それらを接合することから、高分子膜1において酸素極
触媒層2cや燃料極触媒層3cが重なっている部分は、
酸素極触媒層2c及び燃料極触媒層3cが重なっていな
い部分に比べて、膜厚が薄くなる。
【0006】そして、従来、固体高分子型燃料電池にお
いては、図20に示すように、上述のように構成した複
数のセルCを、隣接するセル間に、導電性を有する流路
形成部材として酸素極側セパレータ8及び燃料極側セパ
レータ9を位置させた状態で厚さ方向に並置し、酸素極
側セパレータ8をそれに隣接するセルCにおける酸素極
触媒層2cの周縁部に対応する外周部に密着させて、セ
ルCとの間に酸素極側ガス流路sを形成し、燃料極側セ
パレータ9をそれに隣接するセルCにおける燃料極触媒
層3cの周縁部に対応する外周部に密着させて、セルC
との間に燃料極側ガス流路fを形成するように構成して
いた。
【0007】。つまり、複数のセルCを上述のように並
置した状態で、高分子膜厚さ方向に押圧力を印加させる
ようにセル並置方向の両側から挟み付けることにより、
各セルCを電気的に接続する接続抵抗を小さくすると共
に、酸素極側セパレータ8をそれに隣接するセルCにお
ける酸素極触媒層2cの周縁部に対応する外周部に密着
させ、且つ、燃料極側セパレータ9をそれに隣接するセ
ルCにおける燃料極触媒層3cの周縁部に対応する外周
部に密着させて、酸素極側ガス流路s及び燃料極側ガス
流路fを気密状に形成していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、固体高分子
型燃料電池のセルを用いて構成した固体高分子型燃料電
池では、セルに対して、高分子膜厚さ方向に押圧力が印
加されることになる。従来では、酸素極触媒層の周縁部
にその酸素極触媒層よりも硬い酸素極集電層の周縁部が
重なり、且つ、燃料極触媒層の周縁部にその燃料極触媒
層よりも硬い燃料極集電層の周縁部が重なることから、
酸素極触媒層の周縁部が酸素極集電層の周縁部に押圧さ
れたり、燃料極触媒層の周縁部が燃料極集電層の周縁部
に押圧されたりすることにより、高分子膜においては、
酸素極触媒層の周縁部に対応する膜部分(以下、酸素極
境界膜部分と称する場合がある)や、燃料極触媒層の周
縁部に対応する膜部分(以下、燃料極境界膜部分と称す
る場合がある)には、他の部分よりも大きい応力がかか
り易い。又、固体高分子型燃料電池のセルは、高分子
膜、各触媒層、各集電層というように熱膨張率の異なる
部材にて構成されているので、固体高分子型燃料電池に
おいては、高分子膜厚さ方向に押圧力が印加された状態
で、起動・停止の繰り返しにより昇温・降温が繰り返さ
れると、高分子膜に引っ張り応力や圧縮応力が繰り返し
発生する。
【0009】しかしながら、従来の固体高分子型燃料電
池のセルでは、上述のように、高分子膜において、酸素
極触媒層や燃料極触媒層が重なっている部分は、酸素極
触媒層及び燃料極触媒層が重なっていない部分に比べて
膜厚が薄くなっているので、高分子膜の酸素極境界膜部
分又は燃料極境界膜部分は他の部分よりも強度が弱くな
っている。従って、このようなセルを用いて固体高分子
型燃料電池を構成すると、高分子膜厚さ方向に印加され
る押圧力により、高分子膜の酸素極境界膜部分や燃料極
境界膜部分に他の部分よりも強い応力がかかったり、起
動・停止の繰り返しにより、高分子膜に引っ張り応力や
圧縮応力が繰り返しかかったりすると、強度が弱くなっ
ている酸素極境界膜部分又は燃料極境界膜部分に、歪み
や亀裂等の損傷が生じ易い。高分子膜の損傷は、発電反
応用としての酸素極側ガス又は燃料極側ガスのクロスリ
ークの原因となり、そのようなガスのクロスリークが生
じると発電性能が低下することから、従来の固体高分子
型燃料電池のセルでは、固体高分子型燃料電池を構成し
たときの耐久性を向上する上で改善の余地があった。
【0010】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、固体高分子型燃料電池を構成し
たときに耐久性に優れる固体高分子型燃料電池のセル及
び耐久性に優れる固体高分子型燃料電池を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載の固体高分子型燃料電池のセルの特徴構
成は、前記酸素極触媒層における前記高分子膜存在側と
は反対側又は前記燃料極触媒層における前記高分子膜存
在側とは反対側に、弾性変形自在な補強部材が、前記高
分子膜の厚さ方向に印加される押圧力により弾性変形し
て、前記高分子膜における前記酸素極触媒層の周縁部又
は前記燃料極触媒層の周縁部に対応する膜部分に応力が
集中するのを抑制するように、前記酸素極触媒層又は前
記燃料極触媒層の周縁内外にわたる状態で設けられてい
ることにある。請求項1記載のセルを用いて固体高分子
型燃料電池を構成すると、酸素極触媒層における高分子
膜存在側とは反対側又は燃料極触媒層における高分子膜
存在側とは反対側に、酸素極触媒層又は燃料極触媒層の
周縁内外にわたる状態で、弾性変形自在な補強部材が設
けられていることから、高分子膜厚さ方向に押圧力が印
加されたり、高分子膜厚さ方向に押圧力が印加された状
態で起動・停止が繰り返されて、高分子膜に引っ張り応
力や圧縮応力が繰り返しかかったりしても、補強部材が
弾性変形することにより、高分子膜の酸素極境界膜部分
や燃料極境界膜部分に応力がかかるのが抑制されるの
で、高分子膜の酸素極境界膜部分や燃料極境界膜部分が
他の部分よりも強度が弱くなっていたとしても、酸素極
境界膜部分又は燃料極境界膜部分に歪みや亀裂等の損傷
が生じるのが防止される。従って、固体高分子型燃料電
池を構成したときに耐久性に優れる固体高分子型燃料電
池のセルを提供することができるようになった。
【0012】〔請求項2記載の発明〕請求項2に記載の
固体高分子型燃料電池のセルの特徴構成は、前記高分子
膜と前記酸素極触媒層との間又は前記高分子膜と前記燃
料極触媒層との間に、弾性変形自在な補強部材が、前記
高分子膜の厚さ方向に印加される押圧力により弾性変形
して、前記高分子膜における前記酸素極触媒層の周縁部
又は前記燃料極触媒層の周縁部に対応する膜部分に応力
が集中するのを抑制するように、前記酸素極触媒層又は
前記燃料極触媒層の周縁内外にわたる状態で設けられて
いることにある。請求項2記載のセルを用いて固体高分
子型燃料電池を構成すると、高分子膜と酸素極触媒層と
の間又は高分子膜と燃料極触媒層との間に、酸素極触媒
層又は燃料極触媒層の周縁内外にわたる状態で、弾性変
形自在な補強部材が設けられていることから、高分子膜
厚さ方向に押圧力が印加されたり、高分子膜厚さ方向に
押圧力が印加された状態で起動・停止が繰り返されて、
高分子膜に引っ張り応力や圧縮応力が繰り返しかかった
りしても、補強部材が弾性変形することにより、高分子
膜の酸素極境界膜部分や燃料極境界膜部分に応力がかか
るのが抑制されるので、高分子膜の酸素極境界膜部分や
燃料極境界膜部分が他の部分よりも強度が弱くなってい
たとしても、酸素極境界膜部分又は燃料極境界膜部分に
歪みや亀裂等の損傷が生じるのが防止される。又、高分
子膜と酸素極触媒層との間又は高分子膜と燃料極触媒層
との間に、弾性変形自在な補強部材を酸素極触媒層又は
燃料極触媒層の周縁内外にわたる状態で配置した状態
で、高分子膜と各層の重ね方向にホットプレスしてそれ
らを接合したり、高分子膜と各層の重ね方向に押圧して
それらを接着剤にて接合したりすると、高分子膜の厚さ
方向に押圧力が印加される際に補強部材が弾性変形し
て、高分子膜の酸素極境界膜部分又は燃料極境界膜部分
に印加される応力が逃がされるので、応力が集中するの
が抑制されることとなり、酸素極境界膜部分や燃料極境
界膜部分の強度が弱くなるのを抑制することができる。
そして、そのように酸素極境界膜部分や燃料極境界膜部
分の強度が弱くなるのを抑制したセルを用いて、固体高
分子型燃料電池を構成すると、酸素極境界膜部分又は燃
料極境界膜部分に損傷が生じるのを防止する上で、一層
好ましいものとなる。従って、固体高分子型燃料電池を
構成したときに耐久性に優れる固体高分子型燃料電池の
セルを提供することができるようになった。
【0013】〔請求項3記載の発明〕請求項3に記載の
固体高分子型燃料電池のセルの特徴構成は、前記高分子
膜における前記酸素極触媒層の周縁部又は前記燃料極触
媒層の周縁部に対応する部分に、繊維状補強材を前記酸
素極触媒層又は前記燃料極触媒層の周縁に対して内外方
向にわたって混入することにより、前記高分子膜におけ
る前記酸素極触媒層の周縁部又は前記燃料極触媒層の周
縁部に対応する部分の強度が他の部分よりも強くなるよ
うに構成されていることにある。請求項3に記載の特徴
構成によれば、高分子膜における酸素極境界膜部分又は
燃料極境界膜部分に、繊維状補強材を酸素極触媒層又は
燃料極触媒層の周縁に対して内外方向にわたって混入す
ることにより、高分子膜における酸素極境界膜部分又は
燃料極境界膜部分の強度が他の部分よりも強くなるよう
に構成されているので、高分子膜に酸素極触媒層及び燃
料極触媒層を接合するときに、高分子膜の両面に酸素極
触媒層と燃料極触媒層とを振分け配置した状態で、高分
子膜と各層の重ね方向に押圧力が印加されても、それら
酸素極境界膜部分や燃料極境界膜部分の強度が弱くなる
のが抑制される。そして、そのようなセルを用いて固体
高分子型燃料電池を構成すると、セルの状態で酸素極境
界膜部分や燃料極境界膜部分の強度が弱くなるのが抑制
されていることに加えて、繊維状補強材によって、高分
子膜における酸素極境界膜部分又は燃料極境界膜部分の
強度が他の部分よりも強くなるように構成されているこ
とから、高分子膜厚さ方向に押圧力が印加されたり、高
分子膜厚さ方向に押圧力が印加された状態で起動・停止
が繰り返されて、高分子膜に引っ張り応力や圧縮応力が
繰り返しかかったりしても、酸素極境界膜部分又は燃料
極境界膜部分に歪みや亀裂等の損傷が生じるのが防止さ
れる。従って、固体高分子型燃料電池を構成したときに
耐久性に優れる固体高分子型燃料電池のセルを提供する
ことができるようになった。
【0014】〔請求項4記載の発明〕請求項4に記載の
固体高分子型燃料電池のセルの特徴構成は、前記高分子
膜の全体にわたって混入する繊維状補強材の混入率を、
前記高分子膜における前記酸素極触媒層の周縁部又は前
記燃料極触媒層の周縁部に対応する部分を他の部分より
も高くすることにより、前記高分子膜における前記酸素
極触媒層の周縁部又は前記燃料極触媒層の周縁部に対応
する部分の強度が他の部分よりも強くなるように構成さ
れていることにある。請求項4に記載の特徴構成によれ
ば、高分子膜の全体にわたって混入する繊維状補強材の
混入率を、高分子膜における酸素極境界膜部分又は燃料
極境界膜部分を他の部分よりも高くすることにより、高
分子膜における酸素極境界膜部分又は燃料極境界膜部分
の強度が他の部分よりも強くなるように構成されている
ので、高分子膜に酸素極触媒層及び燃料極触媒層を接合
するときに、高分子膜の両面に酸素極触媒層と燃料極触
媒層とを振分け配置した状態で、高分子膜と各層の重ね
方向に押圧力が印加されても、それら酸素極境界膜部分
や燃料極境界膜部分の強度が弱くなるのが抑制される。
そして、そのようなセルを用いて固体高分子型燃料電池
を構成すると、セルの状態で酸素極境界膜部分や燃料極
境界膜部分の強度が弱くなるのが抑制されていることに
加えて、繊維状補強材によって、高分子膜における酸素
極境界膜部分又は燃料極境界膜部分の強度が他の部分よ
りも強くなるように構成されていることから、高分子膜
厚さ方向に押圧力が印加されたり、高分子膜厚さ方向に
押圧力が印加された状態で起動・停止が繰り返されて、
高分子膜に引っ張り応力や圧縮応力が繰り返しかかった
りしても、酸素極境界膜部分又は燃料極境界膜部分に歪
みや亀裂等の損傷が生じるのが防止される。従って、固
体高分子型燃料電池を構成したときに耐久性に優れる固
体高分子型燃料電池のセルを提供することができるよう
になった。
【0015】〔請求項5記載の発明〕請求項5に記載の
固体高分子型燃料電池の特徴構成は、請求項1〜4のい
ずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池のセルの複数
が、隣接するセル間に流路形成部材を位置させた状態
で、厚さ方向に並置され、前記流路形成部材が、その一
方側に隣接する前記セルにおける前記酸素極触媒層の周
縁部に対応する外周部に密着されて、前記セルとの間に
酸素極側ガス流路を形成し、他方側に隣接する前記セル
における前記燃料極触媒層の周縁部に対応する外周部に
密着されて、前記セルとの間に燃料極側ガス流路を形成
するように構成されていることにある。請求項5に記載
の特徴構成によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記
載の固体高分子型燃料電池のセルの複数を、隣接するセ
ル間に流路形成部材を位置させて、厚さ方向に並置した
状態で、セル並置方向に押圧力を印加させるようにセル
並置方向の両側から挟み付けることにより、各セルを電
気的に接続する接続抵抗を小さくすると共に、流路形成
部材を、その一方側に隣接するセルにおける酸素極触媒
層の周縁部に対応する外周部に密着させ、且つ、他方側
に隣接するセルにおける燃料極触媒層の周縁部に対応す
る外周部に密着させて、酸素極側ガス流路及び燃料極側
ガス流路を気密状に形成する。そして、高分子膜厚さ方
向に押圧力が印加されたり、高分子膜厚さ方向に押圧力
が印加された状態で起動・停止が繰り返されて、高分子
膜に引っ張り応力や圧縮応力が繰り返しかかったりして
も、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルを用いて
いることにより、以下のようにして、高分子膜の酸素極
境界膜部分や燃料極境界膜部分に歪みや亀裂等の損傷が
生じるのが防止される。つまり、請求項1記載のセルを
用いた固体高分子型燃料電池では、酸素極触媒層におけ
る高分子膜存在側とは反対側又は燃料極触媒層における
高分子膜存在側とは反対側に、酸素極触媒層又は燃料極
触媒層の周縁内外にわたる状態で、弾性変形自在な補強
部材が設けられていることから、高分子膜厚さ方向に押
圧力が印加されたり、高分子膜厚さ方向に押圧力が印加
された状態で起動・停止が繰り返されて、高分子膜に引
っ張り応力や圧縮応力が繰り返しかかったりしても、補
強部材が弾性変形することにより、高分子膜の酸素極境
界膜部分や燃料極境界膜部分に応力がかかるのが抑制さ
れるので、酸素極境界膜部分又は燃料極境界膜部分に損
傷が生じるのが防止される。
【0016】請求項2記載のセルを用いた固体高分子型
燃料電池では、高分子膜と酸素極触媒層との間又は高分
子膜と燃料極触媒層との間に、酸素極触媒層又は燃料極
触媒層の周縁内外にわたる状態で、弾性変形自在な補強
部材が設けられていることから、高分子膜厚さ方向に押
圧力が印加されたり、高分子膜厚さ方向に押圧力が印加
された状態で起動・停止が繰り返されて、高分子膜に引
っ張り応力や圧縮応力が繰り返しかかったりしても、補
強部材が弾性変形することにより、高分子膜の酸素極境
界膜部分や燃料極境界膜部分に応力がかかるのが抑制さ
れるので、酸素極境界膜部分又は燃料極境界膜部分に損
傷が生じるのが防止される。
【0017】請求項3記載のセルを用いた固体高分子型
燃料電池では、高分子膜における酸素極境界膜部分又は
燃料極境界膜部分に、繊維状補強材を酸素極触媒層又は
燃料極触媒層の周縁に対して内外方向にわたって混入す
ることにより、あるいは、請求項4記載のセルを用いた
固体高分子型燃料電池では、高分子膜の全体にわたって
混入する繊維状補強材の混入率を、高分子膜における酸
素極境界膜部分又は燃料極境界膜部分を他の部分よりも
高くなるようすることにより、高分子膜における酸素極
境界膜部分又は燃料極境界膜部分の強度が他の部分より
も強くなっているので、高分子膜厚さ方向に押圧力が印
加されたり、高分子膜厚さ方向に押圧力が印加された状
態で起動・停止が繰り返されて、高分子膜に引っ張り応
力や圧縮応力が繰り返しかかったりしても、酸素極境界
膜部分又は燃料極境界膜部分に損傷が生じるのが防止さ
れる。従って、耐久性に優れる固体高分子型燃料電池を
提供することができるようになった。
【0018】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕以下、図面に基
づいて本発明の第1実施形態を説明する。先ず、図1及
び図2に基づいて、固体高分子型燃料電池のセルCにつ
いて説明する。尚、図1及び図2においては、高分子膜
1の厚さ方向に沿う方向での各部の形状を分かり易いよ
うにするために、高分子膜1の厚さ方向に直交する方向
に沿う方向での各部の寸法に対する、高分子膜1の厚さ
方向に沿う方向での各部の寸法の比率を実際よりも大き
くしてある。
【0019】セルCは、電解質層としての高分子膜1の
一方の面にその周部を露出する状態で酸素極触媒層2c
を備え、且つ、他方の面にその周部を露出する状態で燃
料極触媒層3cを備え、更に、酸素極触媒層2cにおけ
る高分子膜存在側とは反対側の面に酸素極集電層2pを
備え、且つ、燃料極触媒層3cにおける高分子膜存在側
とは反対側の面に燃料極集電層3pを備えて構成してあ
る。そして、酸素極触媒層2cと酸素極集電層2pによ
り、酸素極2を構成し、燃料極触媒層3cと燃料極集電
層3pにより燃料極3を構成してある。
【0020】第1実施形態においては、酸素極触媒層2
cにおける高分子膜存在側とは反対側に弾性変形自在な
酸素極側補強部材4を、及び、燃料極触媒層3cにおけ
る高分子膜存在側とは反対側に弾性変形自在な燃料極側
補強部材5を、それぞれが高分子膜1の厚さ方向に印加
される押圧力により弾性変形して、高分子膜1における
酸素極触媒層2cの周縁部に対応する膜部分及び燃料極
触媒層3cの周縁部に対応する膜部分に応力が集中する
のを抑制するように、それぞれ酸素極触媒層2cの周縁
内外にわたる状態、燃料極触媒層3cの周縁内外にわた
る状態で設けてある。
【0021】又、酸素極集電層2pは、平面形状が酸素
極触媒層2cよりも大きくなるように形成して、その酸
素極集電層2pを酸素極触媒層2cにおける高分子膜存
在側とは反対側の面に、その酸素極触媒層2cの周部を
全周にわたって覆う状態で、且つ、高分子膜1の周部を
全周にわたって露出する状態で備え、並びに、燃料極集
電層3pも、平面形状が燃料極触媒層3cよりも大きく
なるように形成して、その燃料極集電層3pを燃料極触
媒層3cにおける高分子膜存在側とは反対側の面に、そ
の燃料極触媒層3cの周部を全周にわたって覆う状態
で、且つ、高分子膜1の周部を全周にわたって露出する
状態で備えてある。
【0022】説明を加えると、高分子膜1は矩形状であ
り、酸素極触媒層2cと燃料極触媒層3cは、互いに同
一の矩形状であり、高分子膜1よりも小さく、又、酸素
極集電層2pと燃料極集電層3pは、互いに同一の矩形
状であり、酸素極触媒層2c及び燃料極触媒層3cより
も大きい。そして、酸素極触媒層2cと燃料極触媒層3
cは、高分子膜1に対して面対称となるように配置し、
並びに、酸素極集電層2pと燃料極集電層3pとは、高
分子膜1に対して面対称となるように配置する。従っ
て、高分子膜1における酸素極触媒層2cの周縁部に対
応する膜部分、即ち、酸素極境界膜部分、及び、高分子
膜1における燃料極触媒層3cの周縁部に対応する膜部
分、即ち、燃料極境界膜部分夫々における高分子膜1の
面方向における位置は一致するので、以下の説明では、
高分子膜1における酸素極境界膜部分及び高分子膜1に
おける燃料極境界膜部分夫々を、高分子膜1における電
極境界膜部分1Wと称する場合がある。
【0023】酸素極側補強部材4と燃料極側補強部材5
とは、同一の矩形枠状であり、外周が高分子膜1と同一
の矩形状で、内周が酸素極触媒層2c及び燃料極触媒層
3cよりも小さい矩形状であり、厚さは、酸素極触媒層
2c及び酸素極集電層2p夫々の厚さを加えた厚さ(即
ち、燃料極触媒層3c及び燃料極集電層3p夫々の厚さ
を加えた厚さ)よりも薄い。
【0024】そして、高分子膜1の両面に酸素極触媒層
2cと燃料極触媒層3cとを振分け配置した状態で、高
分子膜1と各層の重ね方向にホットプレスしてそれらを
接合して、電極−膜接合体を形成し、続いて、その電極
−膜接合体における酸素極触媒層2c側に、酸素極側補
強部材4、酸素極集電層2pを高分子膜1側から記載順
に配置して重ねると共に、酸素極側補強部材4における
矩形枠状の露出部分に矩形枠状の酸素極側シール材6を
重ね、並びに、電極−膜接合体における燃料極触媒層3
c側に、燃料極側補強部材5、燃料極集電層3pを高分
子膜1側から記載順に配置して重ねると共に、燃料極側
補強部材5における矩形枠状の露出部分に矩形枠状の燃
料極側シール材7を重ねて配置して、セルCを構成して
ある。
【0025】酸素極側シール材6及び燃料極側シール材
7は、互いに同一の矩形枠状であり、外周が高分子膜1
と同一の矩形状で、内周が酸素極集電層2p及び燃料極
集電層3pの外周と略同一の矩形状である。
【0026】尚、図1は、上述のように構成したセルC
に対して、高分子膜1の厚さ方向に押圧力を印加した状
態、即ち、後述するセルスタックNCにセルCが組み込
まれた状態を示し、押圧力により部材同士の重なり部に
おいて各部材が変形している状態を示している。但し、
押圧力により各部材が変形する形状は、図1に示す形状
に限定されるものではない。
【0027】高分子膜1は、プロトン導電性を備えたフ
ッ素樹脂系のイオン交換膜(例えば、Nafion11
2)にて形成してあり、厚さは、例えば50μmであ
る。酸素極触媒層2c及び燃料極触媒層3cは、互いに
同様の構成であり、カーボンから成る多孔状の導電材に
て形成し、夫々、白金及び白金系合金から成る電極触媒
を担持してあり、厚さは、例えば20μm程度である。
酸素極集電層2p及び燃料極集電層3pは、互いに同様
の構成であり、多孔状の導電材、例えば、カーボンペー
パー又はカーボンフェルトにて形成し、撥水剤(PTF
E:ポロテトラフルオロエチレン等)にて撥水加工して
あり、厚さは、例えば350μm程度である。又、酸素
極側補強部材4及び燃料極側補強部材5は、互いに同様
の構成であり、弾性変形自在で気密性を有する材料、例
えば、高分子膜1を形成するのと同一の材料にて形成
し、厚さは、例えば高分子膜1と同程度である。酸素極
側シール材6及び燃料極側シール材7は、互いに同様の
構成であり、気密性を有する材料、例えば、PTFEシ
ートにて形成し、厚さは、例えば250μm程度であ
る。
【0028】次に、図3、及び、図13ないし図16に
基づいて、上述のセルCの複数個を用いて構成する固体
高分子型燃料電池について説明する。尚、図3、及び、
図13ないし図6においても、図1及び図2と同様に、
高分子膜1の厚さ方向に直交する方向に沿う方向での各
部の寸法に対する、高分子膜1の厚さ方向に沿う方向で
の各部の寸法の比率を実際よりも大きくしてある。固体
高分子型燃料電池は、セルスタックNCを備えて構成し
てある。そのセルスタックNCは、図16に示すよう
に、セルCの複数個を、隣接するセル間に流路形成部材
としての酸素極側セパレータ8及び燃料極側セパレータ
9を位置させた状態で、厚さ方向に並置し、更に、積層
方向の両端部夫々に電力取り出し用の集電部10及び各
流体給排用の端板11を配置した状態で、セル並置方向
に押圧力を印加させるように、セル並置方向の両側から
挟持部材(図示省略)にて挟み付けることにより構成し
てある。
【0029】酸素極側セパレータ8は、それに隣接する
セルCにおける酸素極触媒層2cの周縁部に対応する外
周部に密着されて、セルCとの間に酸素極側ガス流路s
を形成するように構成し、燃料極側セパレータ9は、そ
れに隣接するセルCにおける燃料極触媒層3cの周縁部
に対応する外周部に密着されて、セルCとの間に燃料極
側ガス流路fを形成するように構成してある。
【0030】酸素極側セパレータ8及び燃料極側セパレ
ータ9は、カーボンからなる緻密な気密性を有する導電
材にて形成してある。
【0031】図3、及び、図13ないし図15に示すよ
うに、酸素極側セパレータ8は、酸素極2側の面に、酸
素極側反応用ガスを通流させる酸素極側ガス流路sを形
成する酸素極側ガス通流溝を形成し、反対側の面に、冷
却水流路wを形成する冷却水通流溝を形成してある。燃
料極側セパレータ9は、燃料極3側の面に、燃料極側反
応用ガスを通流させる燃料極側ガス流路fを形成する燃
料極側ガス通流溝を形成し、反対側の面に、酸素極側セ
パレータ8の冷却水通流溝と面対称となる冷却水流路形
成用の冷却水通流溝を形成してある。
【0032】更に、セルC、酸素極側セパレータ8及び
燃料極側セパレータ9の夫々には、それらを重ねたとき
に夫々が積層方向に連なる状態で、厚さ方向に貫通する
6個の孔Ch,8h,9hを形成してある。積層方向視
において、セルC、酸素極側セパレータ8及び燃料極側
セパレータ9の夫々に形成する6個の孔Ch,8h,9
hのうち、2個は酸素極側ガス流路sの通流経路の両端
部に各別に重なり、別の2個は燃料極側ガス流路fの通
流経路の両端部に各別に重なり、残りの2個は冷却水流
路wの通流経路の両端部に各別に重なる。
【0033】従って、セルスタックNCには、セルC、
酸素極側セパレータ8及び燃料極側セパレータ9夫々の
孔Ch,8h,9hが積層方向に連なって形成される通
路が6本形成されるが、それらのうちの2本は、各酸素
極側ガス流路sの通流経路の両端部に各別に連通し、別
の2本は、各燃料極側ガス流路fの通流経路の両端部に
各別に連通し、残りの2本は、各冷却水流路wの通流経
路の両端部に各別に連通している。尚、各酸素極側ガス
流路sの通流経路の両端部に各別に連通する2本の通路
を、酸素極側連通路Tsと、各燃料極側ガス流路fの通
流経路の両端部に各別に連通する2本の通路を燃料極側
連通路Tfと、各冷却水流路wの通流経路の両端部に各
別に連通する2本の通路を冷却水側連通路Twと夫々称
する。
【0034】更に、図16に示すように、セルスタック
NCの積層方向の両端部夫々に端板11を設けてある。
一方の端板11には、2本の酸素極側連通路Tsのうち
の一方の端部に連通接続する酸素極側ガス用接続部12
s、2本の燃料極側連通路Tfのうちの一方の端部に連
通接続する燃料極側ガス用接続部12f、及び、2本の
冷却水連通路Twのうちの一方の端部に連通接続する冷
却水用接続部12wを備えてある。又、他方の端板11
には、2本の酸素極側連通路Tsのうちの他方の端部に
連通接続する酸素極側ガス用接続部12s、2本の燃料
極側連通路Tfのうちの他方の端部に連通接続する燃料
極側ガス用接続部12f、及び、2本の冷却水連通路T
wのうちの他方の端部に連通接続する冷却水用接続部1
2wを備えてある。
【0035】尚、2個の酸素極側ガス用接続部12sの
うち、一方は酸素極側反応用ガスの供給用として、他方
は酸素極側反応用ガスの排出用として用い、2個の燃料
極側ガス用接続部12fのうち、一方は燃料極側反応用
ガスの供給用として、他方は燃料極側反応用ガスの排出
用として用い、並びに、2個の冷却水用接続部12wの
うち、一方は冷却水の供給用として、他方は冷却水の排
出用として用いる。
【0036】そして、炭化水素系の原燃料を改質した水
素含有ガスを燃料極側反応用ガスとして、加湿器(図示
省略)にて加湿した後、供給用の酸素極側ガス用接続部
12sからセルスタックNCに供給し、並びに、送風機
(図示省略)からの空気を酸素極側反応用ガスとして、
加湿器(図示省略)にて加湿した後、供給用の燃料極側
ガス用接続部12fからセルスタックNCに供給する。
並びに、冷却水ポンプ(図示省略)により、冷却水を供
給用の冷却水用接続部12wからセルスタックNCに供
給する。
【0037】すると、加湿された酸素極側反応ガスは、
図14及び図15において実線矢印にて示すように、一
方の酸素極側連通路Tsから各セルCの酸素極側ガス流
路sに供給され、酸素極側ガス流路sを通流してから、
他方の酸素極側連通路Tsに流出し、その酸素極側連通
路Tsを通流して排出用の酸素極側ガス用接続部12s
から排出される。又、燃料極側反応ガスは、図14及び
図15において二点鎖線矢印にて示すように、一方の燃
料極側連通路Tfから各セルCの燃料極側ガス流路fに
供給され、燃料極側ガス流路fを通流してから、他方の
燃料極側連通路Tfに流出し、その燃料極側連通路Tf
を通流して排出用の燃料極側ガス用接続部12fから排
出される。又、冷却水は、図14及び図15において一
点鎖線矢印にて示すように、一方の冷却水連通路Twか
ら各セルCの冷却水流路wに供給され、冷却水流路wを
通流してから、他方の冷却水連通路Twに流出し、その
冷却水連通路Twを通流して排出用の冷却水用接続部1
2wから排出される。
【0038】そして、各セルCにおいては、酸素極側反
応用ガス及び燃料極側反応用ガス夫々に含まれている水
蒸気によって、高分子膜1が湿らされる状態で、酸素極
側反応用ガス中の酸素と燃料極側反応用ガス中の水素と
の電気化学反応により発電される。又、冷却水の通流に
より、各セルCの温度が所定の温度に維持される。
【0039】上述のように構成したセルスタックNCに
おいては、セル並置方向に押圧力が印加されることにな
って、高分子膜1における電極境界膜部分1Wには、酸
素極触媒層2c、酸素極集電層2p、酸素極側シール材
6、燃料極触媒層3c、燃料極集電層3p及び燃料極側
シール材7夫々のエッジによって、他の部分よりも応力
が印加され易いが、酸素極側補強部材4及び燃料極側補
強部材5が弾性変形することにより、高分子膜1におけ
る電極境界膜部分1Wに応力が印加されるのが抑制さ
れ、又、起動・停止が繰り返されて高分子膜1に引っ張
り応力や圧縮応力が繰り返しかかっても、酸素極側補強
部材4及び燃料極側補強部材5が弾性変形することによ
り、高分子膜1における電極境界膜部分1Wに応力が印
加されるのが抑制されるので、高分子膜1における電極
境界膜部分1Wにクリープ破壊が生じるのが防止され
る。しかも、酸素極集電層2pを酸素極触媒層2cより
も大きくして、酸素極集電層2pの周縁と酸素極触媒層
2cの周縁とをずらし、並びに、燃料極集電層3pを燃
料極触媒層3cよりも大きくして、燃料極集電層3pの
周縁と燃料極触媒層3cの周縁とをずらしてあるので、
酸素極集電層2pの周縁と酸素極触媒層2cの周縁とが
重なり、並びに、燃料極集電層3pの周縁と燃料極触媒
層3cの周縁とが重なる場合に比べて、高分子膜1にお
ける電極境界膜部分1Wに印加される応力が一層小さく
なるように構成してある。
【0040】以下、上述のように構成した本発明による
セルCと、図18及び図19に示す従来のセルCとによ
り、耐久性を比較した結果を説明する。尚、耐久性の比
較は、酸素極2側に酸素極側セパレータ5を付設し且つ
燃料極3側に燃料極側セパレータ6を付設して、出力電
圧が最も高くなるように両側から締め付けた状態の1枚
のセルを用いて行った。尚、両方のセルC共に、高分子
膜1の面積は75mm×75mmであり、酸素極2及び
燃料極3の面積は50mm×50mmである。
【0041】本発明のセル及び従来のセル夫々につい
て、酸素極側ガス流路s及び燃料極側ガス流路f夫々の
ガス出口を大気開放させた状態で、酸素極側反応用ガス
として空気を加湿器にて加湿した後、酸素極側ガス流路
sに供給し、並びに、燃料極側反応用ガスとして純水素
ガスを加湿器にて加湿した後、燃料極側ガス流路fに供
給し、電子負荷装置を用いて、電流密度が3000A/
2 になるように定電流にて発電させて、出力電圧を測
定して、両者で比較した。尚、セルの温度は、70°C
に維持し、燃料利用率を60%、空気利用率を40%に
夫々、設定した。
【0042】図17に、本発明のセル及び従来のセルの
夫々について、時間経過に伴う出力電圧の変化を示す。
発電開始時点から3500時間が経過するまでの間は、
本発明のセルと従来のセルでは、略同様の低下率で出力
電圧が低下するが、3500時間が経過した頃から、従
来のセルの出力電圧の低下率が急激に大きくなるととも
に、出力電圧が不安定となり、従来のセルは本発明のセ
ルに比べて大きく性能が低下していることが分かる。
【0043】発電開始時点の開回路電圧は、本発明のセ
ル及び従来のセル共に900mV以上であり、発電時間
が5000時間経過後の開回路電圧は、本発明のセルは
900mV以上であったが、従来のセルは850mVに
まで低下していた。発電時間が5000時間経過後、セ
ルを分解して高分子膜1を観察したところ、従来のセル
では、電極境界膜部分1Wに亀裂が発生していたことか
ら、その亀裂部分でガスのクロスリークが起こって、出
力電圧が低下していたものと考えられる。一方、本発明
のセルでは、高分子膜1には異状がなかった。
【0044】〔第2実施形態〕先ず、図4及び図5に基
づいて、固体高分子型燃料電池のセルCについて説明す
る。尚、図4及び図5においては、図1及び図2と同様
に、高分子膜1の厚さ方向に直交する方向に沿う方向で
の各部の寸法に対する、高分子膜1の厚さ方向に沿う方
向での各部の寸法の比率を実際よりも大きくしてある。
【0045】セルCは、電解質層としての高分子膜1の
一方の面にその周部を露出する状態で酸素極触媒層2c
を備え、且つ、他方の面にその周部を露出する状態で燃
料極触媒層3cを備え、更に、酸素極触媒層2cにおけ
る高分子膜存在側とは反対側の面に酸素極集電層2pを
備え、且つ、燃料極触媒層3cにおける高分子膜存在側
とは反対側の面に燃料極集電層3pを備えて構成してあ
る。そして、酸素極触媒層2cと酸素極集電層2pによ
り、酸素極2を構成し、燃料極触媒層3cと燃料極集電
層3pにより燃料極3を構成してある。
【0046】第2実施形態においては、高分子膜1と酸
素極触媒層2cとの間に弾性変形自在な酸素極側補強部
材1sを、及び、高分子膜1と燃料極触媒層3cとの間
に弾性変形自在な燃料極側補強部材1fを、それぞれが
高分子膜1の厚さ方向に印加される押圧力により弾性変
形して、高分子膜1における酸素極触媒層2cの周縁部
及び燃料極触媒層3cの周縁部に対応する膜部分に応力
が集中するのを抑制するように、それぞれ酸素極触媒層
2cの周縁内外にわたる状態、燃料極触媒層3cの周縁
内外にわたる状態で設けてある。
【0047】説明を加えると、高分子膜1は矩形状であ
り、その高分子膜1の酸素極触媒層2c側の面におい
て、酸素極触媒層2cの周縁部に対応する四角枠状の膜
部分を突起させて、その突起部分を酸素極側補強部材1
sとして機能させ、並びに、高分子膜1の燃料極触媒層
3c側の面において、燃料極触媒層3cの周縁部に対応
する四角枠状の膜部分を突起させて、その突起部分を燃
料極側補強部材1fとして機能させるように構成してあ
る。つまり、酸素極側補強部材1s及び燃料極側補強部
材1fを高分子膜1と一体的に形成してある。尚、酸素
極側補強部材1s及び燃料極側補強部材1fの幅は、高
分子膜1において、酸素極触媒層2c及び燃料極触媒層
3cの周縁に対応する位置よりも内方から、酸素極集電
層2p及び燃料極集電層3pの周縁に対応する位置より
も外方にわたるような幅としてある。
【0048】高分子膜1、酸素極触媒層2c、燃料極触
媒層3c、酸素極集電層2p、燃料極集電層3p、酸素
極側シール材6及び燃料極側シール材7それぞれの形
状、大きさは、第1実施形態と同様であるので説明を省
略する。つまり、第2実施形態においても、第1実施形
態と同様に、以下の説明では、高分子膜1における酸素
極境界膜部分及び高分子膜1における燃料極境界膜部分
夫々を高分子膜1における電極境界膜部分1Wと称する
場合がある。
【0049】そして、高分子膜1の一方側に酸素極触媒
層2cを配置し、並びに、他方側に燃料極触媒層3cを
配置した状態で、高分子膜1と各層の重ね方向にホット
プレスしてそれらを接合して、電極−膜接合体を形成
し、続いて、電極−膜接合体における酸素極触媒層2c
側に酸素極集電層2pを重ねると共に、その側における
矩形枠状の高分子膜1の露出部分に矩形枠状の酸素極側
シール材6を重ね、並びに、電極−膜接合体における燃
料極触媒層3c側に燃料極集電層3pを重ねると共に、
その側における矩形枠状の高分子膜1の露出部分に矩形
枠状の燃料極側シール材7を重ねて配置して、セルCを
構成してある。
【0050】尚、図4は、上述のように構成したセルC
に対して、高分子膜1の厚さ方向に押圧力を印加した状
態、即ち、後述するセルスタックNCにセルCが組み込
まれた状態を示し、押圧力により部材同士の重なり部に
おいて各部材が変形している状態を示している。但し、
押圧力により各部材が変形する形状は、図4に示す形状
に限定されるものではない。
【0051】上述のように高分子膜1の厚さ方向に押圧
力を印加してホットプレスによって電極−膜接合体を製
作する際には、酸素極触媒層2cのエッジや燃料極触媒
層3cのエッジにより高分子膜1における電極境界膜部
分1Wに応力が集中するのを、酸素極側補強部材1s及
び燃料極側補強部材1fが弾性変形することにより抑制
することができるので、高分子膜1における電極境界膜
部分1Wの強度が弱くなるのを抑制することができる。
【0052】高分子膜1、酸素極触媒層2c、燃料極触
媒層3c、酸素極集電層2p、燃料極集電層3pそれぞ
れの材料、厚さは、第1実施形態と同様である。又、酸
素極側補強部材1sの厚さ、燃料極側補強部材1fの厚
さは、それぞれ第1実施形態の酸素極側補強部材4の厚
さ、燃料極側補強部材5の厚さと同様である。
【0053】図6に、上述のセルCの複数個を用いて構
成した固体高分子型燃料電池の要部の縦断面図を示す。
尚、固体高分子型燃料電池を構成するセルスタックNC
の積層構造、即ち、セルCの複数個を、隣接するセル間
に流路形成部材としての酸素極側セパレータ8及び燃料
極側セパレータ9を位置させた状態で、厚さ方向に並置
し、更に、積層方向の両端部夫々に電力取り出し用の集
電部10及び各流体給排用の端板11を配置した状態
で、セル並置方向に押圧力を印加させるように、セル並
置方向の両側から挟持部材(図示省略)にて挟み付ける
構造は、第1実施形態において図13ないし図16を用
いて説明した構造と同様であるので、説明を省略する。
又、図6においても、図1及び図2と同様に、高分子膜
1の厚さ方向に直交する方向に沿う方向での各部の寸法
に対する、高分子膜1の厚さ方向に沿う方向での各部の
寸法の比率を実際よりも大きくしてある。
【0054】上述のように構成したセルスタックNCに
おいては、セル並置方向に押圧力が印加されることにな
って、高分子膜1における電極境界膜部分1Wには、酸
素極触媒層2c、酸素極集電層2p、酸素極側シール材
6、燃料極触媒層3c、燃料極集電層3p及び燃料極側
シール材7夫々のエッジによって、他の部分よりも応力
が印加され易いが、酸素極側補強部材1s及び燃料極側
補強部材1fが弾性変形することにより、高分子膜1に
おける電極境界膜部分1Wに応力が印加されるのが抑制
され、又、起動・停止が繰り返されて高分子膜1に引っ
張り応力や圧縮応力が繰り返しかかっても、酸素極側補
強部材1s及び燃料極側補強部材1fが弾性変形するこ
とにより、高分子膜1における電極境界膜部分1Wに応
力が印加されるのが抑制されるので、高分子膜1におけ
る電極境界膜部分1Wにクリープ破壊が生じるのが防止
される。しかも、酸素極集電層2pを酸素極触媒層2c
よりも大きくして、酸素極集電層2pの周縁と酸素極触
媒層2cの周縁とをずらし、並びに、燃料極集電層3p
を燃料極触媒層3cよりも大きくして、燃料極集電層3
pの周縁と燃料極触媒層3cの周縁とをずらしてあるの
で、酸素極集電層2pの周縁と酸素極触媒層2cの周縁
とが重なり、並びに、燃料極集電層3pの周縁と燃料極
触媒層3cの周縁とが重なる場合に比べて、高分子膜1
における電極境界膜部分1Wに印加される応力が一層小
さくなるように構成してある。
【0055】〔第3実施形態〕先ず、図7及び図8に基
づいて、固体高分子型燃料電池のセルCについて説明す
る。尚、図7及び図8においては、図1及び図2と同様
に、高分子膜1の厚さ方向に直交する方向に沿う方向で
の各部の寸法に対する、高分子膜1の厚さ方向に沿う方
向での各部の寸法の比率を実際よりも大きくしてある。
【0056】セルCは、電解質層としての高分子膜1の
一方の面にその周部を露出する状態で酸素極触媒層2c
を備え、且つ、他方の面にその周部を露出する状態で燃
料極触媒層3cを備え、更に、酸素極触媒層2cにおけ
る高分子膜存在側とは反対側の面に酸素極集電層2pを
備え、且つ、燃料極触媒層3cにおける高分子膜存在側
とは反対側の面に燃料極集電層3pを備えて構成してあ
る。そして、酸素極触媒層2cと酸素極集電層2pによ
り、酸素極2を構成し、燃料極触媒層3cと燃料極集電
層3pにより燃料極3を構成してある。
【0057】第3実施形態においては、高分子膜1にお
ける酸素極触媒層2cの周縁部及び燃料極触媒層3cの
周縁部に対応する部分に、繊維状補強材1rを酸素極触
媒層1c及び燃料極触媒層3cの周縁に対して内外方向
にわたって混入することにより、高分子膜1おける酸素
極触媒層2cの周縁部又は燃料極触媒層3cの周縁部に
対応する部分の強度が他の部分よりも強くなるように構
成してある。
【0058】高分子膜1、酸素極触媒層2c、燃料極触
媒層3c、酸素極集電層2p、燃料極集電層3p、酸素
極側シール材6及び燃料極側シール材7それぞれの形
状、大きさは、第1実施形態と同様であるので説明を省
略する。つまり、第3実施形態においても、第1実施形
態と同様に、以下の説明では、高分子膜1における酸素
極境界膜部分及び高分子膜1における燃料極境界膜部分
夫々を高分子膜1における電極境界膜部分1Wと称する
場合がある。
【0059】そして、第3実施形態においては、高分子
膜1において矩形枠状の電極境界膜部分1Wに、繊維状
補強材1rを混入することにより、高分子膜1における
電極境界膜部分1Wを、他よりも強度が強くなるように
補強(所謂、フィブリル補強)してある。尚、高分子膜
1において繊維状補強材1rを混入する範囲は、酸素極
触媒層2c及び燃料極触媒層3cの周縁に対応する位置
よりも内方から、酸素極集電層2p及び燃料極集電層3
pの周縁に対応する位置よりも外方にわたる範囲として
ある。
【0060】そして、高分子膜1の一方側に酸素極触媒
層2cを配置し、並びに、他方側に燃料極触媒層3cを
配置した状態で、高分子膜1と各層の重ね方向にホット
プレスしてそれらを接合して、電極−膜接合体を形成
し、続いて、電極−膜接合体における酸素極触媒層2c
側に酸素極集電層2pを重ねると共に、その側における
矩形枠状の高分子膜1の露出部分に矩形枠状の酸素極側
シール材6を重ね、並びに、電極−膜接合体における燃
料極触媒層3c側に燃料極集電層3pを重ねると共に、
その側における矩形枠状の高分子膜1の露出部分に矩形
枠状の燃料極側シール材7を重ねて配置して、セルCを
構成してある。
【0061】尚、図7は、上述のように構成したセルC
に対して、高分子膜1の厚さ方向に押圧力を印加した状
態、即ち、後述するセルスタックNCにセルCが組み込
まれた状態を示し、押圧力により部材同士の重なり部に
おいて各部材が変形している状態を示している。但し、
押圧力により各部材が変形する形状は、図7に示す形状
に限定されるものではない。
【0062】上述のように高分子膜1の厚さ方向に押圧
力を印加してホットプレスによって電極−膜接合体を製
作する際に、酸素極触媒層2cのエッジや燃料極触媒層
3cのエッジにより高分子膜1における電極境界膜部分
1Wに応力が集中しても、高分子膜1における電極境界
膜部分1Wに、繊維状補強材1rを混入することによ
り、電極境界膜部分1Wの強度が他の部分よりも強くな
るようにしてあるので、高分子膜1における電極境界膜
部分1Wの強度が弱くなるのを抑制することができる。
【0063】高分子膜1、酸素極触媒層2c、燃料極触
媒層3c、酸素極集電層2p、燃料極集電層3pそれぞ
れの材料、厚さは、第1実施形態と同様である。繊維状
補強材としては、高分子膜1に悪影響を与えず、固体高
分子型燃料電池の運転条件下において安定な種々の繊維
状材を用いることが可能であるが、補強作用を一層増大
させるには、弾性を有する繊維状材が好ましく、例え
ば、PTFEフィブリル(微小繊維)を用いることがで
きる。
【0064】図9に、上述のセルCの複数個を用いて構
成した固体高分子型燃料電池の要部の縦断面図を示す。
尚、固体高分子型燃料電池を構成するセルスタックNC
の積層構造は、第1実施形態において図13ないし図1
6を用いて説明した構造と同様であるので、説明を省略
する。又、図9においても、図1及び図2と同様に、高
分子膜1の厚さ方向に直交する方向に沿う方向での各部
の寸法に対する、高分子膜1の厚さ方向に沿う方向での
各部の寸法の比率を実際よりも大きくしてある。
【0065】上述のように構成したセルスタックNCに
おいては、セル並置方向に押圧力が印加されることにな
って、高分子膜1における電極境界膜部分1Wには、酸
素極触媒層2c、酸素極集電層2p、酸素極側シール材
6、燃料極触媒層3c、燃料極集電層3p及び燃料極側
シール材7夫々のエッジによって、他の部分よりも大き
い応力が印加されることとなり、又、起動・停止が繰り
返されて高分子膜1に引っ張り応力や圧縮応力が繰り返
しかかることとなるが、高分子膜1における電極境界膜
部分1Wを他の部分よりも強度が強くなるように繊維状
補強材1rにて補強してあるので、電極境界膜部分1W
にクリープ破壊が生じるのが防止される。しかも、酸素
極集電層2pを酸素極触媒層2cよりも大きくして、酸
素極集電層2pの周縁と酸素極触媒層2cの周縁とをず
らし、並びに、燃料極集電層3pを燃料極触媒層3cよ
りも大きくして、燃料極集電層3pの周縁と燃料極触媒
層3cの周縁とをずらしてあるので、酸素極集電層2p
の周縁と酸素極触媒層2cの周縁とが重なり、並びに、
燃料極集電層3pの周縁と燃料極触媒層3cの周縁とが
重なる場合に比べて、高分子膜1における電極境界膜部
分1Wに印加される応力が一層小さくなるように構成し
てある。
【0066】〔第4実施形態〕先ず、図10及び図11
に基づいて、固体高分子型燃料電池のセルCについて説
明する。尚、図10及び図11においては、図1及び図
2と同様に、高分子膜1の厚さ方向に直交する方向に沿
う方向での各部の寸法に対する、高分子膜1の厚さ方向
に沿う方向での各部の寸法の比率を実際よりも大きくし
てある。
【0067】セルCは、電解質層としての高分子膜1の
一方の面にその周部を露出する状態で酸素極触媒層2c
を備え、且つ、他方の面にその周部を露出する状態で燃
料極触媒層3cを備え、更に、酸素極触媒層2cにおけ
る高分子膜存在側とは反対側の面に酸素極集電層2pを
備え、且つ、燃料極触媒層3cにおける高分子膜存在側
とは反対側の面に燃料極集電層3pを備えて構成してあ
る。そして、酸素極触媒層2cと酸素極集電層2pによ
り、酸素極2を構成し、燃料極触媒層3cと燃料極集電
層3pにより燃料極3を構成してある。
【0068】第3実施形態においては、高分子膜1の全
体にわたって混入する繊維状補強材1rの混入率を、高
分子膜1における酸素極触媒層2cの周縁部及び燃料極
触媒層3cの周縁部に対応する部分を他の部分よりも高
くすることにより、高分子膜1における酸素極触媒層2
cの周縁部及び燃料極触媒層3cの周縁部に対応する部
分の強度が他の部分よりも強くなるように構成してあ
る。尚、高分子膜1において繊維状補強材1rの混入率
を他の部分よりも高くする範囲は、酸素極触媒層2c及
び燃料極触媒層3cの周縁に対応する位置よりも内方か
ら、酸素極集電層2p及び燃料極集電層3pの周縁に対
応する位置よりも外方にわたる範囲としてある。
【0069】高分子膜1、酸素極触媒層2c、燃料極触
媒層3c、酸素極集電層2p、燃料極集電層3p、酸素
極側シール材6及び燃料極側シール材7それぞれの形
状、大きさは、第1実施形態と同様であるので説明を省
略する。つまり、第4実施形態においても、第1実施形
態と同様に、以下の説明では、高分子膜1における酸素
極境界膜部分及び高分子膜1における燃料極境界膜部分
夫々を高分子膜1における電極境界膜部分1Wと称する
場合がある。
【0070】そして、第4実施形態においては、高分子
膜1の全体にわたって繊維状補強材1rを混入して、高
分子膜1を補強(所謂、フィブリル補強)してあるが、
その繊維状補強材1rの混入率を、高分子膜1における
矩形枠状の電極境界膜部分1Wを他の部分よりも高くす
ることにより、高分子膜1における電極境界膜部分1W
を、他よりも強度が強くなるようにしてある。
【0071】そして、高分子膜1の一方側に酸素極触媒
層2cを配置し、並びに、他方側に燃料極触媒層3cを
配置した状態で、高分子膜1と各層の重ね方向にホット
プレスしてそれらを接合して、電極−膜接合体を形成
し、続いて、電極−膜接合体における酸素極触媒層2c
側に酸素極集電層2pを重ねると共に、その側における
矩形枠状の高分子膜1の露出部分に矩形枠状の酸素極側
シール材6を重ね、並びに、電極−膜接合体における燃
料極触媒層3c側に燃料極集電層3pを重ねると共に、
その側における矩形枠状の高分子膜1の露出部分に矩形
枠状の燃料極側シール材7を重ねて配置して、セルCを
構成してある。
【0072】尚、図10は、上述のように構成したセル
Cに対して、高分子膜1の厚さ方向に押圧力を印加した
状態、即ち、後述するセルスタックNCにセルCが組み
込まれた状態を示し、押圧力により部材同士の重なり部
において各部材が変形している状態を示している。但
し、押圧力により各部材が変形する形状は、図10に示
す形状に限定されるものではない。
【0073】上述のように高分子膜1の厚さ方向に押圧
力を印加してホットプレスによって電極−膜接合体を製
作する際に、酸素極触媒層2cのエッジや燃料極触媒層
3cのエッジにより高分子膜1における電極境界膜部分
1Wに応力が集中しても、高分子膜1における電極境界
膜部分1Wの繊維状補強材1rの混入率を他の部分より
も高くすることにより、電極境界膜部分1Wの強度が他
の部分よりも強くなるようにしてあるので、高分子膜1
における電極境界膜部分1Wの強度が弱くなるのを抑制
することができる。
【0074】高分子膜1、酸素極触媒層2c、燃料極触
媒層3c、酸素極集電層2p、燃料極集電層3pそれぞ
れの材料、厚さは、第1実施形態と同様である。繊維状
補強材としては、第3実施形態において説明したものと
同様のものを用いることができる。
【0075】図12に、上述のセルCの複数個を用いて
構成した固体高分子型燃料電池の要部の縦断面図を示
す。尚、固体高分子型燃料電池を構成するセルスタック
NCの積層構造は、第1実施形態において図13ないし
図16を用いて説明した構造と同様であるので、説明を
省略する。又、図12においても、図1及び図2と同様
に、高分子膜1の厚さ方向に直交する方向に沿う方向で
の各部の寸法に対する、高分子膜1の厚さ方向に沿う方
向での各部の寸法の比率を実際よりも大きくしてある。
【0076】上述のように構成したセルスタックNCに
おいては、セル並置方向に押圧力が印加されることにな
って、高分子膜1における電極境界膜部分1Wには、酸
素極触媒層2c、酸素極集電層2p、酸素極側シール材
6、燃料極触媒層3c、燃料極集電層3p及び燃料極側
シール材7夫々のエッジによって、他の部分よりも大き
い応力が印加されることとなり、又、起動・停止が繰り
返されて高分子膜1に引っ張り応力や圧縮応力が繰り返
しかかることとなるが、高分子膜1における電極境界膜
部分1Wを他の部分よりも強度が強くなるように繊維状
補強材1rにて補強してあるので、電極境界膜部分1W
にクリープ破壊が生じるのが防止される。しかも、酸素
極集電層2pを酸素極触媒層2cよりも大きくして、酸
素極集電層2pの周縁と酸素極触媒層2cの周縁とをず
らし、並びに、燃料極集電層3pを燃料極触媒層3cよ
りも大きくして、燃料極集電層3pの周縁と燃料極触媒
層3cの周縁とをずらしてあるので、酸素極集電層2p
の周縁と酸素極触媒層2cの周縁とが重なり、並びに、
燃料極集電層3pの周縁と燃料極触媒層3cの周縁とが
重なる場合に比べて、高分子膜1における電極境界膜部
分1Wに印加される応力が一層小さくなるように構成し
てある。
【0077】〔別実施形態〕次に別実施形態を説明す
る。 (イ) 上記の第1及び第2の各実施形態においては、
酸素極側補強部材及び燃料極側補強部材の両方を設ける
場合について例示したが、酸素極側補強部材及び燃料極
側補強部材のうちのいずれか一方のみを設けても良い。
【0078】(ロ) 上記の各実施形態においては、高
分子膜1における酸素極触媒層2cの周縁部に対応する
膜部分、即ち、酸素極境界膜部分と、高分子膜1におけ
る燃料極触媒層3cの周縁部に対応する膜部分、即ち、
燃料極境界膜部分とで、高分子膜1の面方向における位
置が一致するように構成する場合について例示したが、
酸素極境界膜部分と燃料極境界膜部分とで、高分子膜1
の面方向における位置が異なるように構成しても良い。
この場合、第1及び第2の各実施形態のように、酸素極
側補強部材及び燃料極側補強部材の両方を設けても良い
が、酸素極側補強部材及び燃料極側補強部材のうちのい
ずれか一方のみを設けても良い。又、高分子膜1におけ
る酸素極境界膜部分及び燃料極境界膜部分の両方を他の
部分よりも強度が強くなるように繊維状補強材1rにて
補強しても良いが、高分子膜1における酸素極境界膜部
分及び燃料極境界膜部分のうちのいずれか一方のみを他
の部分よりも強度が強くなるように繊維状補強材1rに
て補強しても良い。
【0079】(ハ) 上記の各実施形態においては、高
分子膜1、酸素極触媒層2c及び燃料極触媒層3cをホ
ットプレスしてそれらを接合することにより、電極−膜
接合体を形成する場合について例示したが、高分子膜
1、酸素極触媒層2c、酸素極集電層2p、燃料極触媒
層3c及び燃料極集電層3pをホットプレスしてそれら
を接合することにより、電極−膜接合体を形成しても良
い。
【0080】(ニ) 上記の各実施形態において、酸素
極シール部材6及び燃料極シール部材7を省略しても良
い。その場合、第1実施形態においては、酸素極側セパ
レータ8をそれに隣接するセルCの酸素極側補強材4に
密着させ、燃料極側セパレータ9をそれに隣接するセル
Cの燃料極側補強材5に密着させることになる。又、第
2ないし第4の各実施形態においては、酸素極側セパレ
ータ8をそれに隣接するセルCの高分子膜1の露出部分
に密着させ、燃料極側セパレータ9をそれに隣接するセ
ルCの高分子膜1の露出部分に密着させることになる。
【0081】(ホ) 上記の第2実施形態においては、
酸素極側補強部材1s及び燃料極側補強部材1fを高分
子膜1と一体的に形成する場合について例示したが、酸
素極側補強部材1s及び燃料極側補強部材1fを高分子
膜1と別体にしても良い。その場合、酸素極側補強部材
1s及び燃料極側補強部材1f夫々の材料は、高分子膜
1の材料と異ならせても良い。
【0082】(ヘ) 請求項1に記載の特徴構成、請求
項2に記載の特徴構成及び請求項3に記載の特徴構成の
うちのいずれか二つ、あるいは、全てを組み合わせて、
セルCを構成しても良い。又、請求項1に記載の特徴構
成、請求項2に記載の特徴構成及び請求項4に記載の特
徴構成のうちのいずれか二つ、あるいは、全てを組み合
わせて、セルCを構成しても良い。
【0083】(ト) 高分子膜1を湿らせるための水分
をセルCに供給する形態は、上記の実施形態にて例示し
た形態、即ち、セルCに供給する酸素極側反応用ガスや
燃料極側反応用ガスを外部に設けた加湿器にて加湿し
て、それら酸素極側反応用ガスや燃料極側反応用ガスを
媒体として水分を供給する形態に限定されるものではな
い。例えば、酸素極側セパレータ8及び燃料極側セパレ
ータ9を通水可能な多孔材にて構成すると共に、冷却水
流路wを通流する冷却水の圧力を、酸素極側ガス流路s
及び燃料極側ガス流路f夫々を通流する各反応用ガスの
圧力よりも高くして、冷却水流路wを通流する冷却水の
一部を酸素極側ガス流路s側や燃料極側ガス流路f側に
各セパレータ8,9を透過させることにより、セルCに
直接水分を供給する形態としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る固体高分子型燃料電池のセ
ルの厚さ方向における断面図
【図2】第1実施形態に係る固体高分子型燃料電池のセ
ルの分解斜視図
【図3】第1実施形態に係る固体高分子型燃料電池のセ
ルスタックの要部の横断面図
【図4】第2実施形態に係る固体高分子型燃料電池のセ
ルの厚さ方向における断面図
【図5】第2実施形態に係る固体高分子型燃料電池のセ
ルの分解斜視図
【図6】第2実施形態に係る固体高分子型燃料電池のセ
ルスタックの要部の横断面図
【図7】第3実施形態に係る固体高分子型燃料電池のセ
ルの厚さ方向における断面図
【図8】第3実施形態に係る固体高分子型燃料電池のセ
ルの分解斜視図
【図9】第3実施形態に係る固体高分子型燃料電池のセ
ルスタックの要部の横断面図
【図10】第4実施形態に係る固体高分子型燃料電池の
セルの厚さ方向における断面図
【図11】第4実施形態に係る固体高分子型燃料電池の
セルの分解斜視図
【図12】第4実施形態に係る固体高分子型燃料電池の
セルスタックの要部の横断面図
【図13】実施形態に係る固体高分子型燃料電池のセル
スタックの要部の分解斜視図
【図14】実施形態に係る固体高分子型燃料電池のセル
スタックの要部の分解斜視図
【図15】実施形態に係る固体高分子型燃料電池のセル
スタックの要部の分解斜視図
【図16】実施形態に係る固体高分子型燃料電池のセル
スタックの全体概略構成を示す側面図
【図17】運転時間経過に伴うセルの出力電圧の変化を
示す図
【図18】従来の固体高分子型燃料電池のセルの厚さ方
向における断面図
【図19】従来の固体高分子型燃料電池のセルの分解斜
視図
【図20】従来の固体高分子型燃料電池のセルスタック
の要部の横断面図
【符号の説明】
1 高分子膜 1f,1s 補強部材 1r 繊維状補強材 2c 酸素極触媒層 3c 燃料極触媒層 4,5 補強部材 8,9 流路形成部材 f 燃料極側ガス流路 s 酸素極側ガス流路 C セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田畑 健 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 CC03 CX02 CX05 EE18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質層としての高分子膜の一方の面に
    その周部を露出する状態で酸素極触媒層を備え、且つ、
    他方の面にその周部を露出する状態で燃料極触媒層を備
    えた固体高分子型燃料電池のセルであって、 前記酸素極触媒層における前記高分子膜存在側とは反対
    側又は前記燃料極触媒層における前記高分子膜存在側と
    は反対側に、弾性変形自在な補強部材が、前記高分子膜
    の厚さ方向に印加される押圧力により弾性変形して、前
    記高分子膜における前記酸素極触媒層の周縁部又は前記
    燃料極触媒層の周縁部に対応する膜部分に応力が集中す
    るのを抑制するように、前記酸素極触媒層又は前記燃料
    極触媒層の周縁内外にわたる状態で設けられている固体
    高分子型燃料電池のセル。
  2. 【請求項2】 電解質層としての高分子膜の一方の面に
    その周部を露出する状態で酸素極触媒層を備え、且つ、
    他方の面にその周部を露出する状態で燃料極触媒層を備
    えた固体高分子型燃料電池のセルであって、 前記高分子膜と前記酸素極触媒層との間又は前記高分子
    膜と前記燃料極触媒層との間に、弾性変形自在な補強部
    材が、前記高分子膜の厚さ方向に印加される押圧力によ
    り弾性変形して、前記高分子膜における前記酸素極触媒
    層の周縁部又は前記燃料極触媒層の周縁部に対応する膜
    部分に応力が集中するのを抑制するように、前記酸素極
    触媒層又は前記燃料極触媒層の周縁内外にわたる状態で
    設けられている固体高分子型燃料電池のセル。
  3. 【請求項3】 電解質層としての高分子膜の一方の面に
    その周部を露出する状態で酸素極触媒層を備え、且つ、
    他方の面にその周部を露出する状態で燃料極触媒層を備
    えた固体高分子型燃料電池のセルであって、 前記高分子膜における前記酸素極触媒層の周縁部又は前
    記燃料極触媒層の周縁部に対応する部分に、繊維状補強
    材を前記酸素極触媒層又は前記燃料極触媒層の周縁に対
    して内外方向にわたって混入することにより、前記高分
    子膜における前記酸素極触媒層の周縁部又は前記燃料極
    触媒層の周縁部に対応する部分の強度が他の部分よりも
    強くなるように構成されている固体高分子型燃料電池の
    セル。
  4. 【請求項4】 電解質層としての高分子膜の一方の面に
    その周部を露出する状態で酸素極触媒層を備え、且つ、
    他方の面にその周部を露出する状態で燃料極触媒層を備
    えた固体高分子型燃料電池のセルであって、 前記高分子膜の全体にわたって混入する繊維状補強材の
    混入率を、前記高分子膜における前記酸素極触媒層の周
    縁部又は前記燃料極触媒層の周縁部に対応する部分を他
    の部分よりも高くすることにより、前記高分子膜におけ
    る前記酸素極触媒層の周縁部又は前記燃料極触媒層の周
    縁部に対応する部分の強度が他の部分よりも強くなるよ
    うに構成されている固体高分子型燃料電池のセル。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の固
    体高分子型燃料電池のセルの複数が、隣接するセル間に
    流路形成部材を位置させた状態で、厚さ方向に並置さ
    れ、 前記流路形成部材が、その一方側に隣接する前記セルに
    おける前記酸素極触媒層の周縁部に対応する外周部に密
    着されて、前記セルとの間に酸素極側ガス流路を形成
    し、他方側に隣接する前記セルにおける前記燃料極触媒
    層の周縁部に対応する外周部に密着されて、前記セルと
    の間に燃料極側ガス流路を形成するように構成されてい
    る固体高分子型燃料電池。
JP2001252887A 2001-08-23 2001-08-23 固体高分子型燃料電池のセル及び固体高分子型燃料電池 Expired - Lifetime JP4889168B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001252887A JP4889168B2 (ja) 2001-08-23 2001-08-23 固体高分子型燃料電池のセル及び固体高分子型燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001252887A JP4889168B2 (ja) 2001-08-23 2001-08-23 固体高分子型燃料電池のセル及び固体高分子型燃料電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003068318A true JP2003068318A (ja) 2003-03-07
JP4889168B2 JP4889168B2 (ja) 2012-03-07

Family

ID=19081291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001252887A Expired - Lifetime JP4889168B2 (ja) 2001-08-23 2001-08-23 固体高分子型燃料電池のセル及び固体高分子型燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4889168B2 (ja)

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004303595A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Seiko Epson Corp 燃料電池、その製造方法、並びに燃料電池を備える電子機器及び自動車
JP2005216834A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子電解質型燃料電池
WO2005081343A1 (ja) * 2004-02-24 2005-09-01 Nissan Motor Co., Ltd. 燃料電池用の、固体高分子電解質膜およびセパレータ
JP2005285677A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Toyota Motor Corp 固体高分子型燃料電池
WO2007032442A1 (ja) * 2005-09-15 2007-03-22 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 膜-膜補強部材接合体、膜-触媒層接合体、膜-電極接合体、及び高分子電解質形燃料電池
JP2007165156A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Toyota Motor Corp 燃料電池およびガスケット
JP2007242637A (ja) * 2005-09-15 2007-09-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 膜−膜補強部材接合体、膜−触媒層接合体、膜−電極接合体、及び高分子電解質形燃料電池
WO2008029954A1 (fr) 2006-09-07 2008-03-13 Sumitomo Chemical Company, Limited Procédé, dispositif et programme d'évaluation de durabilité de pile unitaire et pile unitaire de pile à combustible
JP2008091329A (ja) * 2006-09-07 2008-04-17 Sumitomo Chemical Co Ltd 単セルの耐久性評価方法、耐久性評価装置、耐久性評価プログラム及び燃料電池の単セル
JP2008218130A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Toyota Motor Corp 燃料電池
WO2008126350A1 (ja) * 2007-03-14 2008-10-23 Panasonic Corporation 膜-膜補強部材接合体、膜-触媒層接合体、膜-電極接合体、高分子電解質形燃料電池、及び膜-電極接合体の製造方法
JP2009081118A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Dainippon Printing Co Ltd 固体高分子形燃料電池構造体及びこれを用いた固体高分子形燃料電池
JP2009104791A (ja) * 2007-10-19 2009-05-14 Toyota Motor Corp 燃料電池
JP2009158391A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Toyota Motor Corp 燃料電池およびその製造方法
JP2009193700A (ja) * 2008-02-12 2009-08-27 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池用電極集成体、燃料電池用電極集成体の製造方法および燃料電池
WO2009107872A1 (ja) * 2008-02-29 2009-09-03 日産自動車株式会社 燃料電池用膜電極接合体のシール構造
JP2010040513A (ja) * 2008-07-10 2010-02-18 Dainippon Printing Co Ltd 補強膜付き触媒層−電解質膜積層体、補強膜付き電極−電解質膜積層体、及び固体高分子形燃料電池
JP2010080112A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Toyota Motor Corp 膜電極接合体を含む燃料電池
JP2010225364A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Dainippon Printing Co Ltd 補強膜付き触媒層−電解質膜積層体、補強膜付き膜電極接合体、及び固体高分子形燃料電池
WO2011096205A1 (ja) 2010-02-05 2011-08-11 パナソニック株式会社 高分子電解質形燃料電池
WO2012077492A1 (ja) * 2010-12-06 2012-06-14 Nok株式会社 燃料電池のシール構造
WO2012093432A1 (ja) * 2011-01-07 2012-07-12 パナソニック株式会社 固体高分子型燃料電池用電解質膜、及び、当該電解質膜を有する膜電極接合体、並びに、固体高分子型燃料電池
WO2013018317A1 (ja) 2011-08-02 2013-02-07 パナソニック株式会社 高分子電解質形燃料電池
US8512907B2 (en) 2007-09-27 2013-08-20 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Membrane catalyst layer assembly with reinforcing films, membrane electrode assembly with reinforcing films, and polymer electrolyte fuel cells
JP2015057793A (ja) * 2014-11-20 2015-03-26 大日本印刷株式会社 補強シート付き電解質膜−触媒層接合体
JP2018133327A (ja) * 2017-02-16 2018-08-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 高分子電解質型燃料電池とその製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000215903A (ja) * 1999-01-25 2000-08-04 Toshiba Corp 固体高分子電解質型燃料電池
JP2000260443A (ja) * 1999-03-04 2000-09-22 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子電解質型燃料電池
JP2001015127A (ja) * 1999-06-28 2001-01-19 Fuji Electric Co Ltd 電解質膜/電極接合体および固体高分子電解質型燃料電池
JP2001351651A (ja) * 2000-06-07 2001-12-21 Honda Motor Co Ltd 電解質・電極接合体および燃料電池
JP2003031237A (ja) * 2001-07-10 2003-01-31 Honda Motor Co Ltd 膜・電極構造体及び燃料電池セル

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000215903A (ja) * 1999-01-25 2000-08-04 Toshiba Corp 固体高分子電解質型燃料電池
JP2000260443A (ja) * 1999-03-04 2000-09-22 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子電解質型燃料電池
JP2001015127A (ja) * 1999-06-28 2001-01-19 Fuji Electric Co Ltd 電解質膜/電極接合体および固体高分子電解質型燃料電池
JP2001351651A (ja) * 2000-06-07 2001-12-21 Honda Motor Co Ltd 電解質・電極接合体および燃料電池
JP2003031237A (ja) * 2001-07-10 2003-01-31 Honda Motor Co Ltd 膜・電極構造体及び燃料電池セル

Cited By (41)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4496712B2 (ja) * 2003-03-31 2010-07-07 セイコーエプソン株式会社 燃料電池
JP2004303595A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Seiko Epson Corp 燃料電池、その製造方法、並びに燃料電池を備える電子機器及び自動車
JP2005216834A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子電解質型燃料電池
WO2005081343A1 (ja) * 2004-02-24 2005-09-01 Nissan Motor Co., Ltd. 燃料電池用の、固体高分子電解質膜およびセパレータ
JP2005285677A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Toyota Motor Corp 固体高分子型燃料電池
JP2007242637A (ja) * 2005-09-15 2007-09-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 膜−膜補強部材接合体、膜−触媒層接合体、膜−電極接合体、及び高分子電解質形燃料電池
US8663872B2 (en) 2005-09-15 2014-03-04 Panasonic Corporation Method for manufacturing membrane-membrane reinforcing member assembly, membrane-catalyst layer assembly, membrane-electrode assembly, and polymer electrolyte fuel cell
WO2007032442A1 (ja) * 2005-09-15 2007-03-22 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 膜-膜補強部材接合体、膜-触媒層接合体、膜-電極接合体、及び高分子電解質形燃料電池
JP2007165156A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Toyota Motor Corp 燃料電池およびガスケット
US8293425B2 (en) 2005-12-15 2012-10-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel cell and gasket
WO2008029954A1 (fr) 2006-09-07 2008-03-13 Sumitomo Chemical Company, Limited Procédé, dispositif et programme d'évaluation de durabilité de pile unitaire et pile unitaire de pile à combustible
JP2008091329A (ja) * 2006-09-07 2008-04-17 Sumitomo Chemical Co Ltd 単セルの耐久性評価方法、耐久性評価装置、耐久性評価プログラム及び燃料電池の単セル
JP2008218130A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Toyota Motor Corp 燃料電池
JP5214591B2 (ja) * 2007-03-14 2013-06-19 パナソニック株式会社 膜−膜補強部材接合体、膜−触媒層接合体、膜−電極接合体、高分子電解質形燃料電池、及び膜−電極接合体の製造方法
US8192896B2 (en) 2007-03-14 2012-06-05 Panasonic Corporation Membrane-membrane reinforcing member assembly, membrane-catalyst layer assembly, membrane-electrode assembly, polymer electrolyte fuel cell, and method for manufacturing membrane-electrode assembly
WO2008126350A1 (ja) * 2007-03-14 2008-10-23 Panasonic Corporation 膜-膜補強部材接合体、膜-触媒層接合体、膜-電極接合体、高分子電解質形燃料電池、及び膜-電極接合体の製造方法
US8512907B2 (en) 2007-09-27 2013-08-20 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Membrane catalyst layer assembly with reinforcing films, membrane electrode assembly with reinforcing films, and polymer electrolyte fuel cells
JP2009081118A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Dainippon Printing Co Ltd 固体高分子形燃料電池構造体及びこれを用いた固体高分子形燃料電池
JP2009104791A (ja) * 2007-10-19 2009-05-14 Toyota Motor Corp 燃料電池
JP2009158391A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Toyota Motor Corp 燃料電池およびその製造方法
JP2009193700A (ja) * 2008-02-12 2009-08-27 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池用電極集成体、燃料電池用電極集成体の製造方法および燃料電池
WO2009107872A1 (ja) * 2008-02-29 2009-09-03 日産自動車株式会社 燃料電池用膜電極接合体のシール構造
US8283087B2 (en) 2008-02-29 2012-10-09 Nissan Motor Co., Ltd. Seal structure adopted in membrane electrode assembly for fuel cell
JP2010040513A (ja) * 2008-07-10 2010-02-18 Dainippon Printing Co Ltd 補強膜付き触媒層−電解質膜積層体、補強膜付き電極−電解質膜積層体、及び固体高分子形燃料電池
JP2010080112A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Toyota Motor Corp 膜電極接合体を含む燃料電池
JP2010225364A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Dainippon Printing Co Ltd 補強膜付き触媒層−電解質膜積層体、補強膜付き膜電極接合体、及び固体高分子形燃料電池
WO2011096205A1 (ja) 2010-02-05 2011-08-11 パナソニック株式会社 高分子電解質形燃料電池
US8980500B2 (en) 2010-02-05 2015-03-17 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Polymer electrolyte fuel cell comprising reactant gas channels overlapping a peripheral portion of an electrode
JP5079146B2 (ja) * 2010-02-05 2012-11-21 パナソニック株式会社 高分子電解質形燃料電池
CN103250289A (zh) * 2010-12-06 2013-08-14 Nok株式会社 燃料电池的密封构造
WO2012077492A1 (ja) * 2010-12-06 2012-06-14 Nok株式会社 燃料電池のシール構造
JP2012123922A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Nok Corp 燃料電池のシール構造
WO2012093432A1 (ja) * 2011-01-07 2012-07-12 パナソニック株式会社 固体高分子型燃料電池用電解質膜、及び、当該電解質膜を有する膜電極接合体、並びに、固体高分子型燃料電池
JP5193394B2 (ja) * 2011-01-07 2013-05-08 パナソニック株式会社 固体高分子型燃料電池用電解質膜、及び、当該電解質膜を有する膜電極接合体、並びに、固体高分子型燃料電池
US9419301B2 (en) 2011-01-07 2016-08-16 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Electrolyte membrane for solid polymer fuel cells, membrane electrode assembly having said electrolyte membrane, and solid polymer fuel cell
US20130157165A1 (en) * 2011-08-02 2013-06-20 Panasonic Corporation Polymer electrolyte fuel cell
WO2013018317A1 (ja) 2011-08-02 2013-02-07 パナソニック株式会社 高分子電解質形燃料電池
US9178236B2 (en) 2011-08-02 2015-11-03 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Polymer electrolyte fuel cell
JP2015057793A (ja) * 2014-11-20 2015-03-26 大日本印刷株式会社 補強シート付き電解質膜−触媒層接合体
JP2018133327A (ja) * 2017-02-16 2018-08-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 高分子電解質型燃料電池とその製造方法
JP7018580B2 (ja) 2017-02-16 2022-02-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 高分子電解質型燃料電池とその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4889168B2 (ja) 2012-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4889168B2 (ja) 固体高分子型燃料電池のセル及び固体高分子型燃料電池
JP5186754B2 (ja) 燃料電池
JP4051076B2 (ja) 高分子電解質型燃料電池
WO2002015312A1 (fr) Pile a combustible a electrolyte polymere
US20070184326A1 (en) Edge-protected catalyst-coated diffusion media and membrane electrode assemblies
JP2006506789A (ja) ユニット化燃料電池アセンブリおよび冷却装置
US8293425B2 (en) Fuel cell and gasket
JP2008171613A (ja) 燃料電池
JPH06251780A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池
KR101035619B1 (ko) 연료전지용 막-전극 어셈블리 및 연료전지 스택
JP2007048568A (ja) 燃料電池の膜・電極接合体,燃料電池および膜・電極接合体の製造方法
JP2005100970A (ja) 高分子電解質型燃料電池
JP2006260810A (ja) 固体高分子電解質形燃料電池
JP4935611B2 (ja) 燃料電池及びセパレータの製造方法
JP2002343377A (ja) 燃料電池用電解質膜−電極接合体およびその製造方法
JP3816369B2 (ja) 電解質膜・電極構造体及び燃料電池
JP4786008B2 (ja) 燃料電池
JP2004335179A (ja) 燃料電池
CN116368649A (zh) 用于电化学电池的膜电极单元和用于制造膜电极单元的方法
CN113675422A (zh) 燃料电池组
JP2002093434A (ja) 電解質層・電極接合体および燃料電池
JP4859281B2 (ja) 高分子電解質型燃料電池用膜電極接合体
JP4639722B2 (ja) 燃料電池の製造方法および燃料電池
JP2008186736A (ja) 燃料電池スタック
JP2001167789A (ja) 高分子電解質型燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110901

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111208

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4889168

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222

Year of fee payment: 3

EXPY Cancellation because of completion of term