JP4639722B2 - 燃料電池の製造方法および燃料電池 - Google Patents
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Description
(a)前記複数のガス拡散部材のうち、前記セパレータに隣接して配設すべき第1のガス拡散部材と、前記セパレータとを接合する工程と、
(b)前記複数のガス拡散部材のうち、前記電解質層に隣接して配設すべき第2のガス拡散部材と、前記電解質層とを、反応を促進する活性を有する触媒層を間に介して接合する工程と、
(c)少なくとも一部の前記ガス拡散部材間を接合することなく、前記電解質層と、前記複数のガス拡散部材と、前記セパレータとを、所定の順序で積層する工程と
を備えることを要旨とする。
前記ガス拡散層は、前記第1のガス拡散部材および前記第2のガス拡散部材から成り、
前記(c)工程は、前記第1のガス拡散部材における前記セパレータとの非接合面と、前記第2のガス拡散部材における前記電解質層との非接合面とが接触するように、積層を行なう工程であることとしても良い。
前記(a)工程により形成した部材を複数用意すると共に、前記(b)工程により形成した部材を複数用意し、前記(c)工程を繰り返すことによって、前記電解質層と、該電解質層の両側に配設された前記ガス拡散層と、該ガス拡散層のさらに外側に配設された前記セパレータと、から成る単セルを複数積層した積層体を形成し、該積層体を積層方向に加圧して、燃料電池を完成することとしても良い。
前記セパレータは、前記第1のガス拡散部材と接触する領域が、凹凸を有しない平坦な面として形成されており、
前記第1のガス拡散部材は、前記第2のガス拡散部材に比べて硬く形成されている
こととしても良い。
前記複数のガス拡散部材は、前記特性として、撥水性が互いに異なっており、
前記第2のガス拡散部材は、前記第1のガス拡散部材に比べて撥水性が高く形成されていることとしても良い。
A.燃料電池の構成:
B.燃料電池の製造工程:
C.変形例:
本発明の実施例である燃料電池は、固体高分子型燃料電池であり、単セルを複数積層したスタック構造を有している。図1は、本発明の好適な実施例である燃料電池を構成する単セル20の構成の概略を現わす断面模式図である。単セル20は、電解質を含むMEA(膜−電極接合体、Membrane Electrode Assembly)21と、MEA21を両側から挟持してサンドイッチ構造を形成するガス拡散層22,23と、このサンドイッチ構造をさらに両側から挟持するセパレータ24,25とを備えている。
図2は、本実施例の燃料電池の製造方法を表わす工程図である。燃料電池を製造する際には、まず、単セル20を構成する既述した各部材、すなわち、電解質層30、ガス拡散部材33〜36、セパレータ24,25を用意する(ステップS100)。その後、電解質層30上に触媒層31,32を形成して、MEA21を作製する(ステップS110)。触媒層31,32を形成するには、例えば、白金または白金と他の金属からなる合金を担持したカーボン粉を作製し、この触媒を担持したカーボン粉を適当な有機溶剤に分散させ、電解質溶液(例えば、Aldrich Chemical社、Nafion Solution)を適量添加することで、ペーストを作製すればよい。このペーストを、電解質層30上にスクリーン印刷等の方法により塗布することで、触媒層31,32を形成することができる。あるいは、上記触媒を担持したカーボン粉を含有するペーストを膜成形してシートを作製し、このシートを電解質層30上にプレスすることによって触媒層31,32を形成しても良い。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱ない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
燃料電池を構成する各部の材料について、種々の変形が可能である。例えば、実施例ではガス拡散部材およびセパレータを金属製としたが、炭素材料など、導電性を有する他の材料により構成しても良い。この場合には、ガス拡散部材は、カーボンクロス、カーボンフエルトあるいはカーボンペーパなどにより形成することができる。このとき、ガス拡散部材とセパレータとは異なる材料により形成することとしても良く、例えば、金属製部材とカーボン製部材とを組み合わせて用いることとしても良い。あるいは、第1のガス拡散部材と第2のガス拡散部材とを、異なる材料により形成しても良く、例えば、第1のガス拡散部材を金属製部材とし、第2のガス拡散部材をカーボン製部材とすることができる。
実施例では、第1のガス拡散部材とセパレータとの間を溶接により接合したが、異なる方法により接合しても良い。例えば、導電性接着剤を用いることとすれば、金属以外の材料から成る部材を利用する場合(金属製部材とカーボン製部材とを接合させる場合や、カーボン製部材同士を接合させる場合)にも、接合を行なうことができる。あるいは、第1のガス拡散部材とセパレータとが金属製部材である場合には、拡散接合によって両者を接合することとしても良い。拡散接合とは、2つの部材を加熱および加圧することにより両者を接合する方法であり、拡散接合した部材間では、接合面において各々の部材を構成する金属が相互に拡散する。拡散接合を行なうことで、2つの部材を一体化するに際し、両者間の接触抵抗を効果的に低減することができる。
実施例では、第1のガス拡散部材と第2のガス拡散部材とは、互いに硬さが異なることとしたが、硬さ以外の特性が異なるガス拡散部材を組み合わせることとしても良い。例えば、特性として撥水性を異ならせることができる。この場合には、第2のガス拡散部材の方が第1のガス拡散部材よりも撥水性が高くなるように、すなわち、第2のガス拡散部材の方が第1のガス拡散部材よりも、単位体積当たりより多くの撥水基を有するように、第1および第2のガス拡散部材を形成すればよい。このような第1および第2のガス拡散部材は、例えば、第2のガス拡散部材のみに積極的に撥水処理を施すことにより、あるいは、第2のガス拡散部材の方が第1のガス拡散部材よりも撥水性が強くなるように両方のガス拡散部材に撥水処理を施すことにより、形成することができる。このように第2のガス拡散部材の撥水性を第1のガス拡散部材の撥水性よりも強めることで、ガス拡散層においてMEA21の近傍で水が滞留してフラッディングが生じるのを防止することができる。このような効果は、特に、電気化学反応と共に水が生じる酸化ガス流路側において顕著に得られる。
実施例では、ガス拡散層と接触する領域が平坦面であるセパレータを用いたが、異なる形状のセパレータを用いても良い。例えば、表面に単セル内ガス流路を形成するための凹凸を有するセパレータを用いることもできる。この場合にも、ガス拡散層とセパレータとの間を接合させて、本発明の燃料電池の製造方法を適用することにより、同様の効果を得ることができる。
実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料電池であるが、他種の燃料電池であってもよい。表面に触媒層を備える固体状の電解質層とセパレータとの間に、ガス拡散層を配設する構造を有する燃料電池であれば、本願を適用することができる。
21…MEA
22,23…ガス拡散層
24,25…セパレータ
30…電解質層
31,32…触媒層
33,35…第1のガス拡散部材
34,36…第2のガス拡散部材
Claims (8)
- 電解質層と、該電解質層の外側に配設され、ガス透過性を有する多孔質体から成る複数のガス拡散部材によって構成されるガス拡散層と、該ガス拡散層の外側に配設されるセパレータと、を備える燃料電池の製造方法であって、
(a)前記複数のガス拡散部材のうち、前記セパレータに隣接して配設すべき第1のガス拡散部材と、前記セパレータとを接合する工程と、
(b)前記複数のガス拡散部材のうち、前記電解質層に隣接して配設すべき第2のガス拡散部材と、前記電解質層とを、反応を促進する活性を有する触媒層を間に介して接合する工程と、
(c)少なくとも一部の前記ガス拡散部材間を接合することなく、前記電解質層と、前記複数のガス拡散部材と、前記セパレータとを、所定の順序で積層する工程と
を備える燃料電池の製造方法。 - 請求項1記載の燃料電池の製造方法であって、
前記ガス拡散層は、前記第1のガス拡散部材および前記第2のガス拡散部材から成り、
前記(c)工程は、前記第1のガス拡散部材における前記セパレータとの非接合面と、前記第2のガス拡散部材における前記電解質層との非接合面とが接触するように、積層を行なう工程である
燃料電池の製造方法。 - 請求項1または2記載の燃料電池の製造方法であって、
前記(a)工程により形成した部材を複数用意すると共に、前記(b)工程により形成した部材を複数用意し、前記(c)工程を繰り返すことによって、前記電解質層と、該電解質層の両側に配設された前記ガス拡散層と、該ガス拡散層のさらに外側に配設された前記セパレータと、から成る単セルを複数積層した積層体を形成し、該積層体を積層方向に加圧して、燃料電池を完成する
燃料電池の製造方法。 - 請求項1ないし3いずれか記載の燃料電池の製造方法であって、
前記ガス拡散層を構成する前記複数のガス拡散部材は、互いに異なる特性を有する
燃料電池の製造方法。 - 請求項4記載の燃料電池の製造方法であって、
前記複数のガス拡散部材は、前記特性として、硬さが互いに異なっている
燃料電池の製造方法。 - 請求項5記載の燃料電池の製造方法であって、
前記セパレータは、前記第1のガス拡散部材と接触する領域が、凹凸を有しない平坦な面として形成されており、
前記第1のガス拡散部材は、前記第2のガス拡散部材に比べて硬く形成されている
燃料電池の製造方法。 - 請求項4記載の燃料電池の製造方法であって、
前記複数のガス拡散部材は、前記特性として、撥水性が互いに異なっており、
前記第2のガス拡散部材は、前記第1のガス拡散部材に比べて撥水性が高く形成されている
燃料電池の製造方法。 - 電解質層と、該電解質層の外側に配設され、ガス透過性を有する多孔質体から成る複数のガス拡散部材によって構成されるガス拡散層と、該ガス拡散層の外側に配設されるセパレータと、を備える燃料電池であって、
前記複数のガス拡散部材のうち、前記セパレータに隣接する第1のガス拡散部材と、前記セパレータとの間が接合されると共に、
前記複数のガス拡散部材のうち、前記電解質層に隣接する第2のガス拡散部材と、前記電解質層との間が接合され、
前記複数のガス拡散部材のうち、隣り合う所定の2つのガス拡散部材間が、接合されることなく接している
燃料電池。
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