JP2002541355A - リグノセルロース含有バイオマスの分離方法 - Google Patents

リグノセルロース含有バイオマスの分離方法

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JP2002541355A
JP2002541355A JP2000610900A JP2000610900A JP2002541355A JP 2002541355 A JP2002541355 A JP 2002541355A JP 2000610900 A JP2000610900 A JP 2000610900A JP 2000610900 A JP2000610900 A JP 2000610900A JP 2002541355 A JP2002541355 A JP 2002541355A
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カルステンス・ティース
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ローディア アセトウ ゲーエムベーハー
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    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C1/00Pretreatment of the finely-divided materials before digesting
    • D21C1/02Pretreatment of the finely-divided materials before digesting with water or steam
    • DTEXTILES; PAPER
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    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
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  • Compounds Of Unknown Constitution (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、リグノセルロース含有バイオマス、特に木材を分離させ、リグニン、ヘミセルロース、およびセルロースとしての本質成分にするプロセスで、a)リグノセルロース含有バイオマスを、水または水蒸気で処理して、加水分解前処理するステップ;b)この加水分解前処理によって得られた、加水分解されたヘミセルロースを、水性媒体で抽出するステップ;c)アルカノールアミンで、残留物中に残っていたプロセスで変形したリグニンを抽出し、リグニンを隔離し、アルカノールアミンを回収し、このアルカノールアミンが窒素原子においてアルキル基に置換されることがないようにする、ステップ;およびd)セルロース原料を得るステップを含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、リグノセルロースを含有するバイオマスの分離方法、特に、穀類植
物体から木材や藁を分離して、リグニン、ヘミセルロースおよびセルロースとし
ての本質成分にする方法に関する。
【0002】 セルロースプロセスに関する欠点は、主として大量の水を必要とすること、廃
水中の有機物質の含量が高いこと、そして運転費が比較的かさむことである。こ
れら廃水と運転費に関する欠点は、特に運転費については少なからず、ブライン
や廃水の流れおよび/または残留副産物の流れを処理するための補助操作によっ
て、引き起こされている。また、従来の方法で、硫黄を含有する配合原料を用い
ないようにした場合は、リグニンの分離が成功せず、さらに有害な臭気を伴う。
そして古典的な木材分解法(硫酸塩法、亜硫酸塩法、ミロクス(milox)プロセ
スは、リグニンを化学的に分解させてその分解生成物(リグニンスルホン酸)を
溶解することを主とする方法のうちのいくつかにすぎない。
【0003】 従来からの方法によるプラントオペレーションでは、200000トンを越え
た年間処理量がないと、コスト的に見合わない。全体として化学セルロースの生
産量は、処理量のわずかに約4%しか占めていない。いっぽうで、化学セルロー
スの加工業者は、それぞれの特定要求に見合った特注セルロースの品種を得よう
とし、さらに可能であればこのようなセルロースで多岐にわたる分類の品種を得
ようと切望している。
【0004】 より最近の方法に関して「フォーマセル(Formacell)」方法なるものがあり
、これは、リグニンを溶解することを主とするものであって、リグニンを分解す
ることはほとんどない。ASAMとオルガノセル(Organocell)とを組み合わせた方
法である。ASAM方法は特に、化学的に回収するときのシステムが複雑にならざる
をえない。
【0005】 リグニン溶解方法は、リグニンと他の副産物の分離が容易という利点を有する
べきであろう。
【0006】 紙セルロース(紙、厚紙、毛羽)と異なり、化学加工用パルプに関しては、化
学セルロースを処理する間に繊維構造が壊れるので、セルロース繊維の化学的性
質で規格が設定され、物理的性質がこれに関わることはない。この化学セルロー
スプロセスで有用な判定基準は、次のとおりである:重合度、重合度分布、白色
度、およびNaOH中での溶解度。
【0007】 スケールの大きなセルロース導入方法における欠点は、まさしく、乾燥によっ
て反応性を失うことである。いっぽう、いわゆる決して乾燥しないパルプ(離解
漂白後に、湿度が30%以下の乾燥セルロースにならないパルプ)の反応性は高
い。しかしセルロースの輸送には、抄紙機でフォイルを形成し乾燥させなければ
ならない。このためにかなりの技術コストがかかり、化学加工用パルプの再生の
ためのこの段階でのコストがかさむがゆえに、少なくともセルロースを処理して
誘導体にすることに対しては、非生産的ということになる。したがってさらに化
学的処理を進めるには、離解後に存在する繊維形状-未乾燥のもの-がはるかに適
切となろう。
【0008】 水蒸気爆砕法に関しては、技術的現状によれば、リグニンとポリサッカロース
類との軟化温度を越えるには、20バールの圧力が通例である。これらの高圧が
200℃以上の高温水蒸気温度と結びつくと、一方ではセルロースの減成が連鎖
的に進み、他方ではリグニンが縮合(condensation)し、結果的に抽出性が劣る
ようになる。リグノセルロース構造の結晶域においては水蒸気が浸透するのは無
理であり変形は不可能である。
【0009】 水蒸気爆砕法に関する現状技術について、多くの特許に記されているが、これ
らの特許は主に、技術的設計構造や基本的なプロセス方法に関するものである。
研究の大半は、木材を原料として行われてきた。そして多くの場合、シビアリテ
ィファクター(水蒸気温度と反応時間との積の積分)の最適化に焦点があてられ
ていた。
【0010】 水蒸気を利用することの欠点の1つは、添加物を水蒸気中に導入できない、あ
るいは導入するには重大な技術的努力が必要となるということである。添加物を
水蒸気中に導入しない場合には、バイオマスを適用されるべき物質に接触させて
から水蒸気爆砕を行なわなければならず、これは分布も適切に行われずおよび/
または投与量も高くなる。水蒸気圧が低く(10から15バール)繊維分離に機
械装置を用いる、水蒸気リファイニングプロセス(機械的繊維分離を引き続いて
行う水蒸気離解法)に関しても、同じことがあてはまる。
【0011】 完全に連続操作が可能な、スケールの大きなセルロース離解方法は、唯一、St
ake-Tech Stake TechnologyのStake System IIによる、小チップや他のバイオマ
スの水蒸気爆砕法である。
【0012】 リグニンの除去は、すべての木材リファイニング方法のなかで、最大の挑戦事
項を呈している。19世紀末にはすでに、木材からリグニンをアルコール抽出す
ることについての論文が出された。こんにちの目標は、環境にとってより良い木
材リファイニイング方法の発展に向けられているが、その当時の目標はこれとは
異なっていた。そして、伝統的な木材リファイニング方法の影響に対して強まる
批判、廃水の排出や大気への放出物そして廃棄物の取扱いに関してより厳しくな
った法律条項、さらにまた木材物質の有効利用に向けての試みなどが、主な理由
となって、過去20年間、環境により良い新たな木材リファイニング方法を開発
しようとする試みが重ねられてきた。この産業界で化学セルロースの果たす役割
は下位に置かれているため(セルロースの全体生産量の割合は、およそ4%にす
ぎない)、研究開発の焦点は、紙セルロースの製造のための木材リファイニング
方法にあてられてきた。しかし実際には、化学セルロース材料でリグニンを量的
に除去することによって果たす役割は、紙セルロース材料の場合より大きい。
【0013】 木材の中心層で、リグニン部分がかなり多くなる。このことによって、木材の
剛性が生じている。リグニンの最大許容含量は、セルロース離解後とスケールの
大きな漂白の導入に先立つ間で、40という数値があげられる。
【0014】 穀類植物からの藁も、原料として特に興味深い。なぜならば、小麦藁は米国で
は1250万トンという年間収穫があり、ヨーロッパではさらに高く1700万
トンにものぼるからである。そして多くの国々、主にアジア(たとえば中国)や
アフリカでは、セルロース生産のための原料として木材が不足しており、藁の利
用に頼っている。藁のリファイニング方法として公知のものは、たとえば、水蒸
気爆砕方法やソーダ法(セルロースリファイニング)がある。いっぽうの水蒸気
爆砕方法は、機械的構造上のコストが比較的かさみ、セルロースとリグニンの明
確な分離ができない。さらに繊維分離は最後まで完了することは決してなく、リ
ファイナーを続いて通さなければならない。ただし多くの場合、繊維懸濁液の希
釈度は高まって2%まで下がる。リグニンの分離には、過去にもそうであるよう
に、苛性ソーダ液を用いなければならない。もういっぽうのソーダ法では、「藁
パルプ」粉砕機のために環境への負担が大きく、および/または、アルカリ脱リ
グニンでの廃水処理に伴う費用がかさむという問題がある。
【0015】 「非木材」粉砕機に対しては、技術的努力は往々にしてなされなかった。そう
しているうちに、現状技術は木材セルロース離解方法が主流になっていった。木
材離解に際してこんにちでは、ほとんど閉じたループで操作し蒸煮薬液も効果的
に回収している。しかし藁のような「非木材」繊維の離解では、木材離解と同じ
高度な技術的努力を適用するには、設備が小さすぎる。たとえ蒸煮薬液の回収と
コスト的に見合うような設備のサイズにしたとしても、古典的な離解方法では高
含量のシリコンの取扱いが困難である。当面の解決策では、使用済みの離解薬液
の大部分を、周辺に単純に排出している。この場合、藁をベースにしたセルロー
ス工場では蒸煮薬液の60%しか回収できない。
【0016】 パルプ化(セルロースの離解)に関して、現状技術では2つのアンモニア適用
方法がある。アンモニアを用いたより高温での可塑化のためのリグノセルロース
材料からの繊維分離で水蒸気爆砕法のように圧力を緩めて行うもの(J. J. O'Co
nnorによるTappi 55(3)号、1972年、353-358頁)と、アスプル
ンド-リファイナー内で圧力下でアンモニアを用いて小チップの可塑化を行い、
繊維を分離するのに必要なエネルギー量が極めて低くなっているもの(R.C.Pete
rsonとR.W.StrausによるJ Polymer Sci. C 36号、1971年、241-250
頁)とがある。ただしどちらの場合も、リグニンを除去するのはほとんど不可能
である。
【0017】 また、リグノセルロースからリグニンを除去するためにアルカノールアミンを
利用することについて、Elton FischerとR.S.Bower(J.Am.Chem.Soc.63号、1
941年、1881-1883頁)が、最初に述べている。17世紀、パルプ化
のために、モノエタノールアミンが、苛性ソーダ液への添加剤として機能してい
た(キーワード:水性アルコールとアミンでのアルカリ法パルプ化、ソーダを用
いた脱リグニンの加速化、硫黄を用いない脱リグニン)。この従来方法では、還
元(reduction)すること、そして、硫黄含有薬液を代わりに用いることさえで
きた。
【0018】 離解薬液である苛性ソーダ液やエタノールアミンの変換と、リグニンの分離と
に、ひとつの問題が浮上している。通例、リグニンは、苛性ソーダ液で、酸を添
加した沈殿により得られる。苛性ソーダ液/アルカノールアミンの溶液で、リグ
ニンをこの方法により抽出すると、離解薬液の変換と回収が確実に困難となる。
さらに、NaOH回収の第1ステップとしての濃縮後に、NaOH内のリグニンを従来ど
おりに燃焼させると、アルカノールアミンを損失することになり、これはコスト
上重要な問題となる。
【0019】 おそらくこれが理由となって、リグニンを高収率で製造するためにNaOHにモノ
エタノールアミンを添加するということが、なくなったのであろう。化学セルロ
ースの生産はまったく意図されていなかった。モノエタノールアミンは、該当す
るすべてのケースで、切ったばかりの新鮮な木材、ほとんどが針葉樹からの木材
に、使われていた。また蒸煮は、バッチプロセスにおける圧力容器中で行われた
【0020】 やはり、大変わずかだが、モノエタノールアミンを添加剤として、水性アンモ
ニア溶液に用いたものについて、述べられている(特許:CA1232109Ka
uppi, Peter K.による「高収率パルプ化におけるアルカノールアミンとNH4OH(A
lkanolamine and NH4OH in High-Yield Pulping)」と、EP149 753Gor
dy, Johnによる「硫黄を用いない化学的化学パルプ化(Nonsulfur Chemo-chemic
al Pulping)」である)。120℃以上の温度で小チップを処理すると、モノエ
タノールアミンは、これらの希釈水性アンモニアアルカリ溶液中で可塑化剤とし
て作用するため、厚紙および/または紙の製造用に引き続いて行う、木材の機械
的繊維分離がより簡単となる。
【0021】 US 2 192 202の開示によれば、リグノセルロース原料のセルロー
ス離解方法について、特に、70重量%以上のアルカノールアミンを処理剤とし
て利用した、アルファセルロースと他の価値のある生成物を抽出するための方法
について、述べられている。この処理は、圧力下で、室温から200℃の温度で
、4から20時間、蒸煮することによって行われる。NaOHは任意に使用してよい
。引き続いて、処理媒体を分離して、得られたセルロースを洗浄し、希釈無機酸
で漂白する。このようにして、セルロースを分離させ、個々の成分にすることが
できたが、完ぺきに不適格で得られる量も満足のいくものではない。
【0022】 したがって本発明のベースとなる課題は、前記の現状技術の欠点を大幅になく
す、リグノセルロース含有バイオマスの分別方法を適用できるようにすることで
ある。この方法で、木材の成分:ヘミセルロース、リグニン、およびセルロース
をリファイナーに適用できるように、不純物が最小限の状態で、これら原料が互
いに別々に抽出されるようになっており、硫黄や塩素を用いない木材変換方法が
適用可能となることを目指しており、しかもこれは、苛性ソーダ液を使わずに作
用するものであるために、コストのかかる、回収、排出空気や排出廃液の精製方
法なども不要となる。特に、化学セルロースの抽出は、小さな分散型ユニット内
で成され、時間や薬液そしてエネルギーも節約できる。そしてセルロースを、決
して乾燥しないパルプとして、つまり実施容易性が高まった状態で、さらに処理
して直接、セルロース誘導体とする。このような方法で、個々の化学セルロース
加工業者の判定基準にしたがって特注に合せたセルロース材料の製造が、コスト
効率の高いやりかたで、しかも最善の反応性の状態にあって可能となり、しかも
この方法は、木材からセルロース誘導体まで処理一連が一体となったものである
【0023】 上記課題は、本発明によれば、次述のステップを含む、リグノセルロース含有
バイオマス、特に木材を、リグニン、ヘミセルロース、およびセルロースとして
の本質成分に分離する方法によって解決される。 a)リグノセルロース含有バイオマスを、水または水蒸気で処理して、加水分解
前処理するステップ; b)この加水分解前処理によって得られた、加水分解されたヘミセルロースを、
水性媒体で抽出するステップ; c)アルカノールアミンを用いて、残留物中に残っていたプロセスで変形したリ
グニンを抽出し、リグニンを隔離し、アルカノールアミンを回収し、このアルカ
ノールアミンが窒素原子においてアルキル基に置換されることがないようにする
、ステップ;および d)セルロース原料を得るステップ。
【0024】 本発明の方法は、リグノセルロースを変換しその成分に分離することを可能と
したもので、この方法において、リグノセルロースを水または水蒸気で処理する
ことによって先ず加水分解前処理し、引き続いて加水分解されて形成されたヘミ
セルロース成分を水性媒体で抽出し、次いで、残留物をアルカノールアミンで抽
出し、その間にセルロース原料を回収するものである。
【0025】 リグノセルロースの全種類が、この発明の教唆するところ、つまり本質成分で
ある、セルロース、ポリサッカロース、そしてリグニンに分留することに関して
、用いることができる。木材、ライ麦の皮、とうもろこしや穀物の茎、バガス、
小麦の藁、稲の藁、ライ麦の藁など特に限定されない種類の藁といった、植物と
して成長している材料として、その最大限に多様化された種類がリグノセルロー
ス含有バイオマスとして適切である。木材では、丸太や産業用木材の残りの木片
、好ましくは小さい木材チップのような粉砕された形状のものを使うのが通例で
ある。一年草のような繊維状の材料に対しては、切断によって小さくされたもの
が適切である。
【0026】 葉樹foliage treeの木材、ブナノキの木材、あるいは他の広葉樹からの木材と
して粉砕されたあるいは細断された木材を使用するのが好ましい。
【0027】 リグノセルロース含有バイオマスの水分含量としては、収穫したばかりの新鮮
なリグノセルロースに対して、およそ80質量%、特に50質量%、そして集中
的な乾燥後は0%にまでもなるという、範囲をとりうる。
【0028】 本発明の方法の導入ステップは、リグノセルロース含有バイオマスを水または
水蒸気で処理して加水分解前処理することである。好適な質量比設定は、水蒸気
の(乾燥物質をベースとした)バイオマスに対する比がおよそ1:1から3:1
であり、水のバイオマスに対する比がおよそ3:1から10:1、特に6:1で
ある。こうしてバイオマスは、いわゆる水蒸気爆砕法を受けることができる。そ
して水蒸気リファイニング法の適用も可能である。おだやかな条件のもとで加水
分解前処理をすることが好ましく、そうすることによって、前記方法のステップ
がヘミセルロースを分解するという目的にかない、引き続いて水性媒体でオリゴ
サッカライドとしてヘミセルロースを分離することが、まるで水で洗浄するよう
に何の問題もなくできるようになる。加水分解前処理は、セルロース産業界では
公知のプロセスステップであり、ここでさらなる詳細な説明は不要であろう。セ
ルロースとリグニンは、このステップの間、できるかぎり影響を受けないように
する。
【0029】 本発明によると、抽出ステップの間、アルカノールアミンは、セルロースにも
ヘミセルロースにも作用(attack)するようなことはなく、むしろ安定させるよ
うになっているので、ヘミセルロースの完全分解は、プロセスの第1ステップ、
つまり加水分解前処理の間に行うことができる。ステップa)の加水分解前処理
はしかし、低いスケールでも行える。次いで、加水分解前処理を行い、ヘミセル
ロースに付着した酸は分解し、ステップb)で、この分解した酸を洗浄する。こ
のことは、高収率のセルロース製造に関して特に有用である。酸が過剰にあった
場合は、引き続いて導入されるアルカノールアミンと反応してしまい、これは損
失となる。結局、加水分解前処理は最小規模で十分ということになる。
【0030】 加水分解前処理の効力を向上させるため、2段階の加水分解前処理を行うこと
も可能である。その際、温度や蒸煮条件は同じだが、有効性は上げていくように
する。つまり最初は水蒸気でそれから温水で加水分解するのである。
【0031】 たとえば藁をバイオマスとして使った場合、ステップa)とb)の加水分解前処
理は行わずに、ステップc)でより高温に、およそ170℃より低く、好ましく
はおよそ160℃より低く、特におよそ115から135℃にして、抽出を行っ
て、紙セルロースを得てもよい。あるいはまた、藁をおよそ150から190℃
で、特におよそ170℃で加水分解前処理してから、ステップc)でより高温に
、およそ170℃より低く、好ましくはおよそ160℃より低く、特におよそ1
15から135℃にして、抽出を行って、化学セルロースを得てもよい。糖類の
抽出は、加水分解前処理の濃縮によって行われ、それに引き続いて、適切なさら
なる処理を行ってもよい。セルロースの必要量に応じて、適切な変更形態を選択
できる。
【0032】 適切であれば、安定剤を添加して、リグニン成分の凝結を避けるようにしても
よい。さらに、ステップa)つまり加水分解前処理を行うのに先だって、リグノ
セルロースを含有するバイオマスが、酸やアルカリの前処理を受けるようにする
こともできる。これによって、必要な生成物の収率が上がる。
【0033】 水蒸気爆砕法および/または水蒸気リファイニング法を利用したあと、たとえ
ば、温水で、すでによく分離された原料繊維材料を処理して、分解されたヘミセ
ルロースの大部分を溶解し分離することもできる。加水分解前処理されて軟化さ
れたバイオマスはこうして、加水分解されて現れたヘミセルロースから、水性媒
体で抽出することによって、遊離される。このために、過剰の水を加圧により排
出させ、温水洗浄を行うのが好ましい。この後、バイオマスの機械的繊維分離、
たとえばリファイナーにおいて望ましい分離程度まで縮小化を行ってもよい。こ
れは特定される質によっては、極めて重要となる。
【0034】 次いで、アンモニアでの処理を任意に行う。これは適切なところで、ステップ
b)の洗浄後、水性アンモニア溶液、アンモニアガスまたは液体アンモニアで、
行えばよい。
【0035】 (乾燥物質をベースにした)処理質量に対する液体アンモニアの質量比は、お
よそ0.1:1から4:1の範囲に設定されている。
【0036】 このあと、残留物中に残ったプロセス変形されたリグニンのヘミセルロースか
らすでに遊離したバイオマスを、アルカノールアミンで抽出し、その間にセルロ
ース原料を得る。アルカノールアミンとして考えられるのは特に、窒素原子のと
ころでアルキル基によって置換されないアルカノールアミンであればすべてよい
。したがって、たとえばN-メチル-モノエタノールアミンやN、N-ジメチル-モノ
エタノールアミンなどは、木材からリグニンを抽出しているあいだに何ら効力を
発揮しないので、除外される。
【0037】 抽出媒体モノエタノールアミンで、加熱前、特におよそ80℃のときの形態で
適用できるものを使うのが望ましい。未処理バイオマスから加水分解前処理され
たバイオマスを介してアンモニアで前処理されたバイオマスまでの一連のなかで
、抽出効果が明確に増加していくことが、示されている。同じ処理条件では、ア
ンモニア処理されたバイオマス抽出物のリグニン含量は、加水分解前処理された
だけのバイオマスより、およそ60%高くなっている。
【0038】 本発明による抽出は、圧力下で、すなわち適切なオートクレーブや連続抽出器
内で行われるのが好ましい。ただし、大気圧下で抽出しても、たとえば藁では、
やはりよい結果を得られる。
【0039】 バッチ操作では、すなわちオートクレーブ内では、洗浄してヘミセルロースか
ら清浄になって粉砕されアンモニアで適切な様式の前処理をされたバイオマスを
、水を内部にそして1種類または複数種類の抽出剤も含んだまま、少なくともお
よそ1時間、80から220℃の範囲の温度になるまで、加熱する。リグニンの
分解成分が現れるようにするための溶剤をすでに用いておいてもよい。
【0040】 バッチ操作に対向して、連続抽出も好適である。圧力容器内に満たしたバイオ
マスに予備加熱された抽出剤を浸透させることにおいて、あるいは抽出された生
成物となるバイオマスを抽出剤と向流式に移動させることにおいて、連続抽出で
きる。どちらの変更形態も、分解生成物が抽出剤と共に持ち去られるので、大部
分の副反応が排除されるという、オートクレーブつまり固定操作に対向した有益
性を持っている。さらにくわえて、小チップに対して抽出剤の浮動率が低くても
、また低温であっても、操作でき、どちらの変更形態であっても同等の抽出効果
を達成する。有機溶organosolv-リグニンのモノエタノールアミンでの溶解性は
、比較的高い(250g/liter)。
【0041】 本発明の特に好適な態様において、抽出は、アルカノールアミンを用いて、多
段階で、すなわち少なくとも2回の連続抽出で行われる。このなかで、アルカノ
ールアミンの全容積が、1段階の抽出の場合と同じであると好ましい。このよう
にすると最短の抽出時間が得られるので、向流の抽出は効果的な様式で行われる
【0042】 たとえば加水分解前処理が2段階で行われると、これに、化学-機械パルプ(c
hemical mechanical pulp;CMP)の生産に対する公知の技法をうまく組み合わせ
ることができる。そのうえに、希釈された酢酸が含浸した小チップで、水蒸気処
理を最適に、いわゆる「傾斜スクリュー反応器」(加水分解前処理に適当)で行
うと、繊維が分離しながら、向流原理にしたがって糖類を抽出できる。モノエタ
ノールアミン(以後、monoethanolamine;MEAと略す)は、抽出剤として種々の
有益性を示す。パルプ化プロセスのあいだに、MEAは、リグニンの凝結やセルロ
ースへのグラフトを防止し、そのことによって、セルロースは重合度の低下を免
れ、脱リグニンが向上し、漂白薬剤の必要量が減る。
【0043】 アンモニアでの前処理を行わない場合、比較的低温(およそ100から120
℃)でアルカノールアミン抽出ができる。そして低温であっても、カッパー価を
低くできる。さらに、副反応も大幅に削減できる。
【0044】 抽出段階の後、セルロース原料を得る。このために、深い茶色から黒色のリグ
ニン抽出物を、適切な様式で原料セルロース繊維から分離し、通例の固/液分離
方法にしたがって分ける。原料セルロース中のプロセス変形されたリグニンの残
っている残留物を完全に除去したい場合は、前記リグニンを適切な溶剤で、洗浄
あるいは向流式の洗浄によって、抽出する。ここで用いられる溶剤は引き続いて
、リグニンおよび抽出媒体から蒸留で分離し、さらにこの様式で回収し、再び利
用可能となる。
【0045】 溶剤を蒸留で除いてから、その残留物はさらに、繊維から分離した抽出物と組
み合わせることができる。蒸留によって、好ましくは減圧蒸留によって、繊維か
ら分離した水やアルカノールアミンは、抽出剤として機能する。ここで有用な他
の分離プロセスであってもやはり、規格によっては、乾燥質量に至るボーダーラ
イン的状況で、リグニン抽出物の凝結を引き起こすものがある。また、アルカノ
ールアミン中でリグニン溶液に非溶剤を添加した場合でも、リグニンの分離がよ
り良く行われる。このリグニンは固体粒子として析出し、濾過、遠心抽出、薄層
蒸発、膜分離法のような適切な固/液分離プロセスで、抽出剤アルカノールアミ
ンから分離する。リグニンはまた、たとえば、アルカノールアミンの抽出のあと
、水で希釈された好ましくは洗浄水で希釈された中にCO2を導入して分離するこ
ともでき、適切であれば、濃縮されたリグニン/アルカノールアミン抽出物とな
る。薄層蒸発や他の適切な蒸留方法によって濃縮した結果、アルカノールアミン
の大部分は、高純度で回収できる。残りのアルカノールアミンは蒸留し、蒸留後
、沈殿させた液から水を同様に減圧で蒸留し、その後でリグニンを分離する。こ
のようにしてリグニンの沈殿を、CO2の導入と遠心処理によって、達成する。こ
のアルカノールアミンとCO2の付加化合物が、CO2によってできるが、加熱あるい
は蒸気の噴射によって再び完全に分解して、アルカノールアミンとCO2になる。
残留物はこうして、モル質量が非常に減ってはいるが本質的な化学変化はないま
まのリグニンのみから構成されるようになる。したがってこの残留物は、たとえ
ば圧力設定(pressure setting)プラスチックやポリウレタンの製造用の化学原
料として、さらに利用できる。
【0046】 分解されたヘミセルロースは、水性溶液中または懸濁液中に存在し、他の適用
に対しても同様に使ってよい。
【0047】 原料セルロースのカッパー価の最大値はおよそ20、そして、およそ10より
小さいのが好ましい。これらのカッパー価は、リグニン含量では、それぞれ、お
よそ3質量%より低く、そして、およそ1.5質量%より低い値に相当し、漂白
されるにあたって有益性を有しているということになる。
【0048】 実際の操作では、いわゆる「傾斜スクリュー反応器」を用いて加水分解前処理
を行い、その後、「CMP」(前記参照)の製造における通例の繊維分離と洗浄が
続く。たとえば、NH4OH/アルカノールアミンでの前処理に傾斜スクリュー反応器
を用いるのが好ましく、その後、上記の向流式の抽出でリグニンの完全抽出を行
うための、繊維分離をする。最初の前処理のケースでは、これらの2つのステッ
プはリグニンが低含量で水の多い留分となり、この留分は数回の利用が可能で、
リグニンの濃縮がいっぽうで起こっている。そして次の繊維分離のケースでは、
リグニンが高含量でアルカノールアミンの多い留分となる。2つの留分を、水の
多い留分/アルカノールアミンの多い留分の比を2/1として組み合わせると、CO 2 によって温度上昇下でリグニンの沈殿が容易になる。アルカノールアミンが多
く水の少ない留分から蒸留すべき水はほんのわずかで、その後、たとえばアルカ
ノールアミンの大部分を薄層蒸発によって回収し、それによって同時にリグニン
濃度を20%より多く増加させている。
【0049】 本発明の方法をより良く説明するために、種々の変更形態を、添付の図1およ
び2で述べる。これらは、リグノセルロース含有バイオマスの分離方法のプロセ
ス図である。図1は、たとえば水蒸気爆砕法や水蒸気リファイニング法としての
、いわゆる加水分解前処理を示しており、これは抽出後にヘミセルロースの分離
用の水性媒体となる。加水分解前処理に引き続いて、リファイナー内で繊維分離
を行い、これはその後のプロセスの流れの実行に影響を及ぼす。このリファイナ
ーのあと、アンモニアでの処理を任意に行ってよい。このアンモニアでの処理に
は、いわゆるアンモニア爆砕法も含まれてよい。以上をふまえて、別のリファイ
ナーでもう一つの繊維分離を行っていてもよい。そして、引き続いてアルカノー
ルアミン、特にモノエタノールアミンでのバッチ操作モードまたは連続操作モー
ドにおける抽出を行わせ、リグニンとセルロースとを分離する。アンモニア処理
の実行は必ずしも必要でない。つまり、加水分解前処理に続いて、あるいは水蒸
気爆砕や水蒸気リファイニングに続いて、直接、アルカノールアミンによる抽出
を行える。
【0050】 この変更形態が詳しく図2に示されている。戻りループがここで示されている
が、これは使用した溶剤や使用した抽出剤の回収を表したものである。この変更
形態により、極めてコスト効率の高い操作モードが可能となる。
【0051】 本発明には多くの有益性がある。先ずひとつの有益性は、硫黄含有薬液を木材
パルプ化に用いていないことである。そのうえ、漂白に際して塩素含有薬液も必
要ない。
【0052】 高純度水蒸気処理に関して(水蒸気リファイニング、水蒸気爆砕)は、本発明
と対照的に、いわゆるシビアリティファクター(つまり、水蒸気温度と反応時間
とからの積分)を高く選定し、その結果、脱ヘミセルロースも脱リグニンも共に
成功している。ただしその条件はこのように厳しいものである。しかもセルロー
スのモル質量もまた大きく減少し、さらにリグニン成分は凝結しやすくなってい
る。結局このようなワンステッププロセスの優位性は、分留された成分の質をど
こまで追及するかということと上記問題点との妥協点にある。
【0053】 本発明方法の有益性の1つはまた、ヘミセルロースとリグニンのセルロースか
らの分離を、2つの異なるプロセスステップで行っており、これらのステップが
それぞれ適切で、また目的にかなった解決方法になっているということである。
この結果、上記の引例方法ほど、そして工業的に導入されているプロセス(硫酸
塩法、亜硫酸塩法)ほどにも、セルロースのモル質量は減少しておらず、漂白前
のリグニン含量は明確に低下している。
【0054】 さらに加えて、ヘミセルロースの加水分解前処理に用いる水蒸気は、抽出器の
予備加熱にも有用である。つまり水蒸気は2通りの用途がある。繊維分離に費や
さなければならないエネルギーもまた、抽出後のバイオマスの実質的な軟化によ
って、極めて少なくてすむ。繊維分離は主に、加水分解前処理後に行われるもの
だが、ケースによっては抽出ステップ後に行われることもある。この場合、機械
的エネルギーの大量チャージを行う必要はない。
【0055】 もう1つの有益性は、水蒸気爆砕法や水蒸気リファイニング法の後に、通例、
必要であった、リグニンの抽出手段としての苛性ソーダ液の使用を回避したこと
にある。苛性ソーダ液を使用すると、確実に、セルロースプラントにおけるいわ
ゆる回収設備の建設や回収操作が必要となる。そしてセルロースプラントのサイ
ズは、これらの補助設備をどれほど合理的に操作できるかによって決るものであ
る。ここで本発明は、苛性ソーダ液を使用しないために補助設備が不要であるか
ら、あるサイズ範囲では、コスト効果の面だけに有意性をもたせればよいことに
なる。
【0056】 穀類の藁を開始原料として用いる場合は、NaOHの回収に必要だった多数のステ
ップやコストのかさむ伝統的な回収はなくなり、湿式酸化となる。アルカノール
アミンの場合、その回収は単純な減圧蒸留から構成される。アルカノールアミン
とCO2の付加化合物が、CO2によってできるが、加熱あるいは蒸気の噴射によって
再び完全に分解して、アルカノールアミンとCO2になる。ナプタラムsodium salt
回収の必要性もない。水での単純な加水分解前処理の結果、アルカノールアミン
抽出が極めて有効にでき、原料セルロースですでにISOの白色度はおよそ50%
までになる。藁の含水量を低くすれば、アルカノールアミンの抽出は圧力をかけ
なくとも可能となり、これによって装置はさらに簡易化できる。
【0057】 いわゆる「白液」、言い換えれば20%以上の苛性ソーダ液と硫酸ナトリウム
との混合物はこれまで、(たとえば小チップとしての)バイオマスに対して、1
0:1という比較的高い浮動比率で、硫酸塩(パワー)法に用いていた。ここで
バイオマスはサイズが揃っていないと分離に際してたとえば、蒸煮時間中、大き
めのチップには白液が適切に浸透しなくなってしまうので、(比較的狭い限界範
囲内で)均一のサイズでなければならない。これとは対照的に本発明の場合、連
続操作ではとりわけ、浮動比率が実質的に低い(およそ3:1)アルカノールア
ミンでの抽出が可能である。これは、抽出や回収の間の水蒸気の消費においてプ
ラス効果を発揮する。
【0058】 本発明の方法では、水蒸気での加水分解前処理後に、バイオマスを適切なリフ
ァイニング容器や離解容器内で、少ないエネルギーで、小チップに縮小しておく
と、その後のアルカノールアミンでの抽出や拡散プロセスで、有効持続時間に影
響が及ぶことなく、やはり好ましい。
【0059】 苛性ソーダ液の回収が必要なこれまでの場合、化学セルロースの小さな分散型
ユニットをコスト効果の高い状態で操作できなかった。本発明はアルカノールア
ミンを抽出手段として利用するので、以下2つの面から有利である。1つは、材
料の蒸発温度に達していれば、蒸留手段による回収は多くのエネルギーを必要と
しないことである。そしてもう1つは、リグニンの分離に酸が不要なことで、こ
れはつまり、コストのかさむ処理ステップを回避することであり、環境にも有益
となる。
【0060】 リグニンの凝結を防止する添加剤も不要となり、これによってコストが低下す
る。水蒸気爆砕法や水蒸気リファイニング法で専用に必要だった、薬液での前処
理が不要なので、薬液の分布に関わる問題がなくなる。結局、本発明の方法は、
不良率が極めて低いということである(これまで粗い木材成分は、その分布が不
適切で、繊維に適切に分離できなかった)。
【0061】 さらに加えて本発明では、他のプロセスに比べて、アルカノールアミンでの抽
出後、セルロース材料による結晶化の防止が高まった。これは疑いなく、化学セ
ルロースの使用にとっては、セルロース誘導体製造用の薬液に対して均一な実施
容易性をもたらすため、極めて好適である。またアンモニア使用の可能性も、木
材の高純度アンモニア爆砕の場合よりも、明確に少なくなった。これは運転費に
も有益な効果をもたらす。コストのかさむ液体アンモニアの回収もない。
【0062】 抽出後のカッパー価(リグニン含量)の低下に伴い、漂白にかかる費用も当然
低下する。これはやはり本発明の方法に、有益な条件がさらに存在するというこ
とである。完全連続操作の場合、そのために成された投資は連続操作であるがゆ
えに償却されて低くなり、しかも、空間的/時間的な利用の程度は高いというこ
とになる。またこの操作では、市場で入手可能な単純なプラント部品を使うこと
ができる。これによって、小さなプラントサイズで(現在操作中の設備より1/
10分小さい)、経済的な操作がすでに可能となっている。さらに、アルカノー
ルアミンの回収は、閉じたループで成される。その結果、濃縮中のコストも抑え
られ、蒸留中の水の消費量やエネルギーコストも低くなる。
【0063】 本発明によれば、加水分解前処理は、完全減成にも、より少ない程度の減成に
も適用でき、このことによってさらなる変更形態が可能となる。本発明の方法に
対して、アルカノールアミンの抽出を、単一段階ではなく多段階で行うと、この
変更形態により、プロセス制御の効率や生産能力に関して、さらなる有益性が提
供される。本発明の方法はまた、加水分解前処理の前および/または後の繊維分
離による糖類の分離において、向上を示す。さらに、加水分解前処理の効力を高
めるために、2段階の加水分解前処理を実行できる。そうすると滞留時間も短く
なり抽出も効果的に行うことができ、さらにフルフラルの形成も低下する。
【0064】 本発明の方法の連続操作にもまた有益性がある。つまりこの連続操作の場合、
ひとつのプロセス液を別のプロセス液で置き換えるという必要がない。古典的な
パルプ化技術では、この置き換えが、ボイラー内で必要とされていた。このよう
なボイラー内の交換及び洗浄プロセスは、効果を削減し、しかも比較的長時間続
く。さらに実際の適用では置き換えの間、不適切な混合や不明瞭な移動がしばし
ば生じるような分離鮮鋭度の決め方をするため、回収にはさらに費用がかかって
いたのである。また本発明の連続プロセスでは、高圧用に設計された装置を用い
る必要もない。
【0065】 本発明の方法による繊維分離では、たとえば「CMP」製造中に通例の技術を適
用するといったような、均等条件が存在するため、水/水蒸気によってチップか
ら空気を追放する必要もない。従来のボイラーでは(空気を追放しないと、加水
分解が均等均一にならない恐れがあったため)行っていたことである。また、本
発明の範囲内で繊維分離を行った場合、加水分解前処理と洗浄後に、チップに酸
の残留物が残るというおそれもない(伝統的な方法では避けられないおそれであ
る)。
【0066】 小さい分散型のユニットでコスト効果の高い操作を行うために、乾燥を省いて
もよい。本発明の方法ではこれが可能である。乾燥を行わないと確実に、そのた
めに成されていた投資を減らすことができ、運転費も減らすことができる。さら
に加えて本発明の方法は、他の化学セルロースプロセスよりも、ヘミセルロース
の低含量を達成するためのアルカリ冷抽出がやはり不要となって、高い収率を提
供する。
【0067】 得られた生成物は、たとえば、ペルオキシ酢酸で漂白できる。この場合、溶剤
を変えずに直接アセチル化を続けることができ、コストを大幅に低下することが
できる。以下に、実施例を用いて本発明の詳細な説明を行う。ただしこれらの実
施例は本発明の教唆を限定しようとするものではない。当業者にとって、本発明
の範囲内でさらなる特定的な例示となる態様が、明瞭であろう。
【0068】 実施例 次のような分析方法が実施例において用いられる。
【0069】 a.カッパー価/リグニン含量の定義 Zellchemingによる「活用コード(Code of Practice)」IV/37/80に応じ
て決めた。容量分析は、0.1nの過マンガン酸カリウム溶液(3.161/l)
で行う。滴定中のセルロース1gが消費するml数がカッパー価に等しい。リグニ
ン含量は、カッパー価に0.15を掛けて推定。
【0070】 b.リグニン濃度測定としてのMEA抽出物の光学密度 1mmの結晶バルブでMEAで1/100に希釈された抽出物を含んで波長λ=28
1nmでリグニンの最大吸着量に関して測定を行った(Fengel, Wegener「木材(W
ood)」159頁、表6-5、リグニンの吸光係数(Extinction coefficients of
lignin)と比較せよ:有機溶リグニンを適用してε=24-26[l/g*cm])。
【0071】 本発明者らは、紫外スペクトル(有機溶リグニンのモノエタノールアミンでの
濃縮シリーズ)の測定から、ε=26[l/g*cm]としてλ=281nmでの光学密度か
ら吸光係数を確認した。この吸光係数は、MEAで抽出されたリグニンの濃度の計
算に有用。
【0072】 c.DP定義 DP定義は公知のクオザム法(Cuoxam Method)によってなされた。
【0073】 次のような動作過程が取られた。 1.加水分解前処理 酸を添加しない場合: 細断したチップをボイラー内で160℃まで水蒸気で加熱し、次いで160℃
のまま1時間放置した。凝縮液のpH値は4.6であった。 酸を添加する場合: 前粉砕して細断したチップを10リットルオートクレーブで硫酸または塩酸を
添加して、最終の加水分解前処理温度に達するまで20から30分間加熱した。
水蒸気のチップ(50質量%-%湿度)に対する質量比は、およそ1:1から3
:1の範囲であった。最終の温度は120℃から180℃の間であった。滞留時
間は最大で60分であった。
【0074】 2.アンモニアでの前処理 前粉砕したチップを、耐圧リアクターにおいて液体アンモニアで、質量比0.
1:1から4:1の範囲でつり合って、80から125℃で圧力下で数分間処理
した。その後、加圧リアクターの内容物をボールコックを開けて一挙に排出した
。アンモニアを未だ含んだチップは、引き続きさらなる抽出処理を受けた。
【0075】 別の処理では、前細断したチップを室温で、アンモニア水として市場で入手可
能なアンモニア(25質量%)で含浸し、次いでアンモニア水を濾過して抽出し
た。
【0076】 実施例1(比較例) 粉砕し加水分解前処理(160℃、1時間)したチップ(40g)を、液体ア
ンモニアで処理して、圧力をかけた反応器から爆発するように排出させて取りだ
し、次いでキッチンミキサーでたたいて単一繊維とした。確認されたカッパー価
は142だった。アルカリ抽出(絶乾ベースで計算して、チップに対して8質量
%NaOH)を90℃で1時間行ったあと、引き続いて蒸留水でおよそ50倍の容積
にして洗浄し、洗浄ドラムで遠心分離させたところ、固体物質の含量は30から
40%でカッパー価は131となった。
【0077】 実施例2(比較例) 粉砕し加水分解前処理(160℃、1時間)したチップ(40g)を、圧力反
応器において140℃で、液体アンモニア、モノエタノールアミンおよび水(8
0g:40g:20g)を含む混合物中で蒸煮して、次いで反応器から一挙に排出
して、洗浄、乾燥した。カッパー価は143で、実施例1で述べたのと同じアル
カリ抽出を行ったあと、カッパー価は129だった。
【0078】 実施例3 モノエタノールアミンで抽出中の圧力から受ける影響 粉砕し加水分解前処理しアンモニア爆砕した10gのチップを、一方は大気条
件のもとで(戻りフローで蒸煮)、そして他方は3バールの圧力下ということで
オートクレーブにおいて180℃で、110mlのMEAで2時間抽出した。光学密
度は(λ=281nmで測定して)、0.25と0.55となった。これは、抽出
に関して圧力が重要なパラメータになっていることを示している。
【0079】 実施例4 抽出剤モノエタノールアミンの容積から受ける影響 粉砕し加水分解前処理した10gのチップを、圧力下ということでオートクレ
ーブにおいて155℃で、後述した量のMEAで3時間というタイムスパンで抽出
した。結果を図3に示した。これらの結果から、10gの細断した自然湿度(5
0質量%)のチップに対しては、抽出リグニン量は、広い範囲にわたって、モノ
エタノールアミンの適用量とは無関係になっていることを示している。
【0080】 実施例5 温度の影響 粉砕し加水分解前処理した10gのチップを、圧力下ということでオートクレ
ーブにおいて、110mlのMEAで2時間というタイムスパンで、種々の温度でそ
れぞれ抽出した。
【0081】
【表1】
【0082】 MEAの沸点(170℃)をはるかに越える温度の場合はあきらかに、リグニン
の抽出をさらに増加させることがない。これは、沸点を越えたときに起こる、ME
Aのアセトアルデヒドとアンモニアへの分解に、おそらく関連している。
【0083】 実施例6 抽出期間の影響 粉砕し加水分解前処理した10gのチップを、圧力下ということでオートクレ
ーブにおいて、110mlのMEAで下記に述べた時間のタイムスパンで、155℃
でそれぞれ抽出した。オートクレーブにおいて155℃で2時間というタイムス
パンの抽出が安定条件を達成するために必要と思われる。
【0084】
【表2】
【0085】 実施例7 モノエタノールアミン誘導体での抽出 N-メチルモノエタノールアミンとN、N-ジメチルモノエタノールアミンは、窒
素がアルキル基に置換されるため、抽出の間、何ら効果を発揮しない。
【0086】 実施例8 チップの前処理の影響 以下のような種々の前処理のあと、粉砕した10gのチップを圧力下というこ
とでオートクレーブにおいて、155℃でそれぞれ抽出した。前処理は抽出結果
に重大な影響を及ぼすことが示された。
【0087】 a)110mlのMEAで3時間
【表3】
【0088】 b)30mlのMEAで3時間
【表4】
【0089】 c)110mlのMEAで1時間
【表5】
【0090】 したがって、リグニン抽出は、アンモニア爆砕が起きるとかなり向上する。い
っぽう爆砕に先だって、アンモニアと共にMEAを粉砕したチップに添加しても、M
EAを添加しなかったNH3爆砕と比べて、プラスの効果は何ら奏しない。
【0091】 実施例9 同じ試料に対する多段階抽出処理の影響 これは抽出処理の効率を示している。粉砕し加水分解前処理した10gのチッ
プを、圧力下ということでオートクレーブにおいて、155℃で抽出した。
【0092】
【表6】 最初の処理量ですでにチップはリグニンを大部分分離している。
【0093】
【表7】 少量のMEAで、すでに第1処理量でリグニン含量をもとのパーセンテージの1
0%より低いところまで、減少することが可能である(光学密度を比較)。
【0094】
【表8】 わずか45分という抽出時間と少量のMEAでさえ、リグニン含量を続けて低下
させることが可能である。
【0095】 実施例10 連続抽出 連続抽出の結果は図4を参照して説明する。 蓄積抽出リグニン量を、絶対リグニン含量の%で表して、シリーズ1(100
℃)、シリーズ2(140℃)、シリーズ3(170℃)に対して、記録してあ
る。抽出速度は1時間あたりおよそ45mlである。粉砕し加水分解前処理したチ
ップ(40g)を用いた。利用した装置は、チップを充填した耐圧クロマトグラ
フィーカラムであった。このカラムは電気加熱ストリップで前記の温度にまでな
って、電子制御でその温度を一定に維持した。モノエタノールアミンは、予備加
熱状態において、チップを通って、高圧ポンプ(HPLC)により圧送した。25ml
の留分をそれぞれ集めて、100分の1に希釈したあと、その光学密度を測定し
た。
【0096】 図4は、座標で、木材から抽出したリグニンの相対パーセンテージ比率を表し
ている。この分析では、抽出リグニンが100%のとき、木材がもともと含むリ
グニン量ということになる。
【0097】 50質量%の湿度を有する40gの木材を使うと、木材の100%で20gとい
うことになる。ブナノキの木材に対して典型的なリグニン含量22質量%では、
したがってリグニン含量は4.4gとなる。これらのリグニン4.4gは、図4で
は、座標の100という値に相当する。つまり、木材中のリグニンの全含量を抽
出したことになる。こうして、100より小さい座標の値にも、同じようにそれ
に該当する量のリグニンを抽出したことになる。
【0098】
【表9】
【0099】 たとえば、図4のシリーズ2、言い換えればダークdarkカラムに関しては、第
4の留分でダークカラムはおよそ80%に達していることが示されている。リグ
ニンの抽出量は、座標上で、木材がもともと含んでいたものの比率のパーセント
で示されているのであるから、第4の留分の後、木材がもともと含んでいるリグ
ニンの20%だけを未だ抽出していないということになる。1時間あたり45ml
の抽出速度で抽出プロセスを行っているため、そして各留分が25mlであるため
、4回の留分で抽出100mlとなり、その抽出時間は2時間をいくらか越えたも
のとなることが、推定できる。
【0100】 実施例11 本発明をユーカリ樹のウログランディス(Urograndis)で行った。以下のよう
な結果を得た。
【0101】 a)ユーカリ樹のウログランディスのセルロース収率とキシロース含量
【表10】
【0102】 b)ユーカリ樹のウログランディスのキシロース含量とDP
【表11】
【0103】 c)酢酸保持率
【表12】
【0104】 d)図5から明らかとなるX線回析図、確認されたピークは以下のとおり。
【表13】
【表14】
【0105】 実施例12 ユーカリ樹の加水分解前処理 ユーカリ樹の加水分解前処理を本発明の方法で行った。下の表15は、ディス
クリファイナーによる粉砕効果を考慮に入れた質量結果を示す。
【0106】
【表15】
【0107】 実施例13 アンモニア水での前処理効果 a) 室温で30分というタイムスパンで前処理をするために、縮小したブナノキの
チップ30gに対して、70質量の含水量となるような量の25%アンモニア水
を用いた。その際、純度の高いNH3を7g適用している。アンモニア水を含浸した
縮小チップからのリグニンの抽出を、2時間にわたって140℃で60グラムの
MEAで行った。この処置でカッパー価10を得た。
【0108】 b)カッパー価18という以外、同じテスト条件のもとで得られた比較テスト(
含浸なし) MEAを用いたリグニン抽出における温度の影響は、アンモニア水での前処理を
行った場合、行わなかった場合、いずれも図6から明らかである。そしてこの図
から、同じ抽出温度であっても、アンモニア水で前処理した後に、カッパー価を
小さくできることが、極めて明確となる。適切な前処理に引き続いて、抽出温度
を下げて(およそ15から20℃下げて)操作すると、任意のカッパー価に上げ
ることができる。また図6で、κ= f(t);カッパー価(κ)を抽出温度(t)
の関数としたときの曲線を左上に延ばせば、アンモニア水で含浸して、抽出温度
を100から110℃まで下げることが完ぺきに可能であるということは、明ら
かである。抽出温度が低いと、副反応があまりおこらないという効果がある。ア
ンモニア水での前処理を伴う場合、アンモニア水でない前処理を伴う場合、前処
理を伴わない場合、それぞれに対する抽出活性化エネルギーの関係は、ln(κ)
対1/Tから0.87までの直線の傾きから、決る。
【0109】 実施例14 多段階抽出の効果 リグニンの抽出にあたって、もしモノエタノールアミンの使用量が2つの引き
続き行われる抽出に配分されて使われたならば、全体として同じ量のモノエタノ
ールアミンを1回で使った場合に比べて、カッパー価が大きく下がる。これを示
しているのが図7である。この図では、ユーカリパルプのカッパー価を、モノエ
タノールアミンでの、単一ステップ抽出の後と、2ステップ抽出の後とについて
、示している(30リットルボイラー;T=160℃;第1ステップは90分、第
2ステップは120分)。
【0110】 実施例15 抽出中にかかる圧力の影響 抽出中にかかる圧力の影響は図8に示されている。モノエタノールアミンでの
2ステップ抽出(パラメーター;圧力下のときと圧力を掛けないとき、実験用オ
ートクレーブにおいて、T=160℃、第1、第2ステップ共に60分ずつ)の後
のユーカリパルプのカッパー価が表されている。
【0111】 実施例16 リグニンのMEA抽出中の含水量の影響 MEA/水の質量比が4.9/1で木材の湿度が50%(抽出中のシステム内の全
体含水量はおよそ17%)で抽出した場合と、純度の高いMEA(抽出中のシステ
ム内の全体含水量はおよそ8%)で前記の縮小チップの抽出を行った場合とでは
、2時間160℃という抽出条件において、その両者の間に違いはない。しかし
MEA/水の質量比が2.6/1(抽出中のシステム内の全体含水量はおよそ26%
)になると、抽出効果が削減する。
【0112】 実施例17 リグニンの抽出性に対するヘミセルロース含量の影響 従来より用いてきた物質でMEA抽出を行うと、加水分解前処理度が大きく変化
した。それにしたがって残留ヘミセルロース含量は、1.5から16質量%まで
変化した。リグニンの場合には、モノエタノールアミンによる抽出性への重大な
影響はなんら確認されなかった。
【0113】 実施例18 「加水分解前処理-洗浄-MEA抽出-洗浄」というプロセスステップのときの収率
は、同じ種類の木材を使用しても、従来のパルプ化方法のときよりも、そしてよ
り最近のパルプ化方法のときよりも、確実に高くなる。キシロース(アセテート
グレード)含量の低いユーカリパルプ化の収率は、現状技術の加水分解前処理-
硫酸塩法による収率よりはるかに高くすることができる。表16で一覧を作表し
た。
【0114】
【表16】
【0115】 実施例19 加水分解前処理条件の変更形態 含まれる木材の種類に応じて、加水分解前処理条件(加熱時間、期間、温度、
酸の種類と濃度)を適合させて、所望のヘミセルロース含量を達成することがで
きる。下の表は、実験用オートクレーブにおいて(加熱時間およそ30分)行っ
たテストで達成した状態を示したものである。
【0116】
【表17】
【0117】 酢酸は、ブナノキのヘミセルロースを完全に加水分解前処理するには完全とは
言えない。さらにブナノキの木材チップを縮小した場合、加水分解前処理で酸を
添加しなくとも、およそ3質量%のヘミセルロース低含量を達成できる。同様の
条件のもとで、マンノース含量は1%より低い。かくしてαセルロースの含量は
96%以上となり、これはアセチル化セルロースを除いて、化学セルロースとし
て適切な成分構成である。ただし、ブナノキにおいてはより厳しくなされた分離
条件のもとで、そしてユーカリ樹においてはそれほど厳しくない分離条件のもと
でも、キシロースを2質量%以下という低含量にする要求はかなえることができ
た。もとのサイズのチップに切り替えても、目標値の低下は確認されなかった。
オートクレーブをより大きなものにすると、結果もさらによいものとなる。
【0118】 実施例20 図9に示されたように、加水分解温度を変えて、加水分解前処理を行った。図9
から明らかなように、硫酸濃度が高くなるのに伴い、キシロースの残留量を減ら
すことができる。
【0119】 実施例21 藁をはさみでおおまかに縮小して、10:1の浮動比で小型の実験用オートクレ
ーブ(収容力300ml)において170℃およそ7バールで水で加水分解前処理
した。この処置はおよそ30分の加熱時間、120分の滞留時間で、行われた。
加水分解前処理生成物を除去してから水で洗浄した後、この加水分解前処理され
た湿った藁を、MEAと比率1:6.5において反応させた。30分間再加熱して
、その温度で3バール下3時間保った。
【0120】 得られた分析結果は次のような成分構成だった。 セルロース(グルコースとして);93.7% キシロース;6.1% マンノース;0.2% 収率は40%、白色度は50%であった。
【0121】 実施例22 加水分解前処理を行わなかったことを除いて、実施例21と同じテストを繰り返
した。白色度が22%となった。
【0122】 実施例23 オートクレーブを大気に開放してテストした。藁のサイズを縮小してからMEA抽
出を直接行った。160℃、MEA/藁の浮動比率が10:1、蒸煮時間が180分
であった。予想に反して、加水分解前処理していない藁をMEAで蒸煮しても不愉
快な臭気がなく、オートクレーブから蒸気はいっさい出なかった。
【0123】 実施例24 前述の実施例から得られた生成物について、モノエタノールアミンの副産物に対
するテストを行った。その結果、N-メチル-モノエタノールアミン、N、N-ジメチ
ル-モノエタノールアミン、N-アセチル-モノエタノールアミン、およびN-ホルミ
ル-モノエタノールアミンのような、モノエタノールアミンの副産物は生じず、
あるいは、N-メチル-モノエタノールアミンを使用した一例においても、(分析
されたMEA-リグニン抽出物に比べると)副産物は、わずか0.3%の比率でしか
現れなかったのである。このために行った分析方法は、いわゆるスペース-ガス-
クロマトグラフィーである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリグニン分離方法のブロックフロー図である。
【図2】 本発明のリグニン分離方法の別のブロックフロー図である。
【図3】 本発明によるリグニン分離方法におけるMEAの容積と光学密度、鮮明度との関
係を表したグラフである。
【図4】 本発明によるリグニン連続抽出における留分とリグニンの抽出比率との関係を
表したグラフである。
【図5】 本発明によるリグニン分離方法をユーカリ樹で行ったときのx線回析図である
【図6】 本発明によるリグニン分離方法における温度とカッパー価の関係を表したグラ
フである。
【図7】 本発明によるリグニン多段階抽出がカッパー価に与える影響を表した図である
【図8】 本発明によるリグニン分離方法における圧力の有無がカッパー価に与える影響
を表した図である。
【図9】 本発明によるリグニン分離方法における加水分解温度とキシロース含量との関
係を表したグラフである。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年4月12日(2001.4.12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リグノセルロース含有バイオマス、特に木材を、リグニン、ヘ
    ミセルロース、およびセルロースとしての本質成分に分離する方法において、 a)リグノセルロース含有バイオマスを、水または水蒸気で処理して、加水分解
    前処理するステップ; b)この加水分解前処理によって得られた、加水分解されたヘミセルロースを、
    水性媒体で抽出するステップ; c)アルカノールアミンを用いて、プロセスで変形したリグニン残留物を抽出し
    、リグニンを隔離し、アルカノールアミンを回収し、このアルカノールアミンが
    窒素原子においてアルキル基に置換されることがないようにする、ステップ;お
    よび d)セルロース原料を得るステップ を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】ステップa)による加水分解前処理が、ヘミセルロースに付着
    した酸を分解する程度にのみ行われ、ステップb)でこの分解した酸を洗浄する
    ことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】粉砕されたあるいは細断された木材、特に葉樹の木材、ブナノ
    キの木材、あるいは松の木材を、リグノセルロース含有バイオマスとして使用す
    ることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】穀類の藁をバイオマスとして使用することを特徴とする、請求
    項1から3の少なくとも1つに記載の方法。
  5. 【請求項5】ステップa)とb)の加水分解前処理は行わずに、ステップc)
    でより高温に、およそ170℃より低く、好ましくはおよそ160℃より低く、
    特におよそ115から135℃にして、直接抽出を行って、紙セルロースを得る
    ことを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】およそ150から190℃で、特におよそ170℃で加水分解
    前処理してから、ステップc)でより高温に、およそ170℃より低く、好まし
    くはおよそ160℃より低く、特におよそ115から135℃にして、抽出を行
    って、化学セルロースを得ることを特徴とする、請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】ステップb)を行うに先だって、加水分解前処理されたリグノ
    セルロース含有バイオマスを機械的に分離することを特徴とする、請求項1から
    6の少なくとも1つに記載の方法。
  8. 【請求項8】ステップa)の水蒸気処理に先だって、酸またはアルカリの前
    処理をさらに行うことを特徴とする、請求項1から7の少なくとも1つに記載の
    方法。
  9. 【請求項9】ステップa)による加水分解前処理を、水蒸気爆砕法、または
    水蒸気リファイニング法により行うことを特徴とする、請求項1から8の少なく
    とも1つに記載の方法。
  10. 【請求項10】 ステップb)によって、1種もしくは複数種の溶剤をリグ
    ニンのために添加することを特徴とする、請求項1から9の少なくとも1つに記
    載の方法。
  11. 【請求項11】水の(乾燥物質をベースとした)バイオマスに対する質量比
    がおよそ3:1から10:1、特に6:1で、水蒸気のバイオマスに対する質量
    比がおよそ1:1から3:1であることを特徴とする、請求項1から10の少な
    くとも1つに記載の方法。
  12. 【請求項12】ステップb)に先だって、得られたマスから水を加圧により
    排出させ、続いてそれを機械的に繊維に分離することを特徴とする、請求項1か
    ら11の少なくとも1つに記載の方法。
  13. 【請求項13】繊維に分離されたマスをさらに温水で洗浄することを特徴と
    する、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】水性アンモニア溶液、アンモニアガスまたは液体アンモニア
    を用いて、ステップb)による処理をさらに行うことを特徴とする、請求項1か
    ら13の少なくとも1つに記載の方法。
  15. 【請求項15】液体アンモニアを用いた時の処理が、大気圧より高い初期圧
    で行われることを特徴とする、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】前の水蒸気処理および洗浄から得られたマスが熱いままとさ
    れ、アンモニアで処理されヘミセルロースが取り除かれることになっているこの
    マスの利用可能な容積が、爆砕と同様の様式で少なくとも5バールの圧力低下を
    伴う開放よって増加されることを特徴とする、請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】液体アンモニアの、処理されることになっているマスに対す
    る(乾燥物質をベースとした)質量比が、およそ0.1:1から4:1に調整さ
    れることを特徴とする、請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】ステップb)において、少なくとも2つの引き続く抽出がア
    ルカノールアミンを用いて行われることを特徴とする、請求項1から17の少な
    くとも1つに記載の方法。
  19. 【請求項19】抽出が、およそ1時間以上、およそ80から220℃で行わ
    れることを特徴とする、請求項1から18の少なくとも1つに記載の方法。
  20. 【請求項20】ステップc)において、抽出媒体を予備加熱し、特におよそ
    80℃以上に予備加熱することを特徴とする、請求項1から19の少なくとも1
    つに記載の方法。
  21. 【請求項21】モノエタノールアミンを抽出媒体として用いることを特徴と
    する、請求項1から20の少なくとも1つに記載の方法。
  22. 【請求項22】抽出後に、プロセスで変形した残留物を、原料セルロースに
    付着しているアルカノールアミンの溶解したリグニン中で、溶剤によって完全に
    除去することを特徴とする、請求項1から21の少なくとも1つに記載の方法。
  23. 【請求項23】原料セルロース中のプロセスで変形したリグニンとアルカノ
    ールアミンの残留物を、洗浄または向流式の洗浄によって、溶剤で除去して、引
    き続いて、この溶剤を、リグニンと抽出媒体アルカノールアミンから、蒸留によ
    って分離でき、且つ新たな適用のために再生できることを特徴とする、請求項2
    2記載の方法。
  24. 【請求項24】アルカノールアミンをその中に溶解されているプロセスで変
    形したリグニンと共に、原料セルロースから、絞りや遠心処理によって除去する
    ことを特徴とする、請求項1から23の少なくとも1つに記載の方法。
  25. 【請求項25】プロセスで変形したリグニンを、非溶剤を添加することによ
    ってアルカノールアミンから析出し、固/液分離プロセスによって分離すること
    を特徴とする、請求項1から24の少なくとも1つに記載の方法。
  26. 【請求項26】析出したリグニンを、濾過または遠心処理によって分離する
    ことを特徴とする、請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】プロセスで変形したリグニンを、薄層蒸発器または膜プロセ
    スによって分離することを特徴とする、請求項25記載の方法。
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