JP2002510029A - ベーキングオーブンマッフルを備えたベーキングオーブン - Google Patents

ベーキングオーブンマッフルを備えたベーキングオーブン

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Abstract

(57)【要約】 正面側を扉によって閉鎖可能な金属性のベーキングオーブンマッフルを備えるベーキングオーブンは公知であり、ベーキングオーブンマッフルのマッフル壁に、調理スペース若しくは該調理スペース内にある調理用食品をほぼ180℃以上に加熱するための加熱部材が配設されており、マッフル壁が少なくとも内面を保護層によって被われている。ベーキングオーブンマッフルの使用特性を改善するために、本発明に基づき保護層の厚さがほぼ30μmよりも小さくなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、ベーキングオーブンであって、正面側を扉によって閉鎖可能な金属
性のベーキングオーブンマッフルを備えており、ベーキングオーブンマッフルの
マッフル壁に、調理スペース若しくは該調理スペース内にある調理用食品をほぼ
180℃以上に加熱するための加熱部材が配設されており、マッフル壁が少なく
とも内面を保護層によって被われている形式のものに関する。
【0002】 前記形式のベーキングオーブンは一般的に周知であり、ベーキングオーブンマ
ッフルがエナメル層を備えている。エナメル層が一面では防食層として、かつ他
面では酸化防止層として用いられる。さらに、エナメル層によってベーキングオ
ーブンマッフルの洗浄性が改善され、かつ表面硬さが高められる。さらにエナメ
ルによってベーキングオーブンマッフルの外観が得られる。このような機能は、
標準的に100乃至200μmの層厚さのエナメルによって実施されている。こ
のようなエナメル保護層においては欠点が、特にエナメル保護層の脆性及び、エ
ナメルとマッフル材料との間の異なる膨張係数に基づき生じる引っ張り及び圧縮
応力にあり、このような引っ張り及び圧縮応力は構成部分の変形、エナメルの亀
裂若しくは剥離を生ぜしめてしまうことになる。
【0003】 従って本発明の課題は、請求項1の上位概念に記載の形式のベーキングオーブ
ンにおいてベーキングオーブンマッフルの使用特性を改善することである。
【0004】 前記課題を解決するために本発明の構成では、保護層の厚さがほぼ30μmよ
りも、特に20μmよりも小さく、有利にはほぼ5乃至10μmである。このよ
うな小さな層厚さに基づき、マッフル壁内にわずかな応力しか発生しない。さら
に、加熱部材からマッフル壁若しくはマッフル内部への著しく良好な熱伝達が保
証され、亀裂のおそれが小さく、かつ剥離の蓋然性が低い。このような薄い保護
層は、金属に対して十分な腐食及び酸化防止作用、並びに硬い表面保護を成すも
のである。
【0005】 このような薄い保護層は有利にはゾル-ゲル・技術で簡単に形成されてよい。 この場合、ゾル-ゲル・層は簡単な浸漬法でマッフル壁に施され得る。特にこの ようなゾル-ゲル・技術においては、エナメル被覆技術に比べて低いほぼ450 乃至500℃の焼き付け温度が有利である。このように施されたゾル-ゲル・層 は調理の際の標準的な温度にとっても適している。硬質層は有利には5乃至10
μmの厚さを有している。
【0006】 使用特性をさらに改善するために、ゾル-ゲル・硬質層にゾル-ゲル・機能層が
設けられている。これによって、マッフル壁の種々の領域に特別な特性を備える
ことができる。このような特性は例えば、特に高い洗浄性、滑り特性、触媒特性
である。有利には、機能層はほぼ10μm、特に2乃至3μmの厚さの層として
形成されている。施された層は、薄い厚さにも拘わらずゾル-ゲル・技術に基づ き相互間並びに金属に対して高い接着性及び高い安定性を有している。
【0007】 有利な実施態様では、保護層が透明であり、マッフル壁の内面がリフレクタと
して役立っている。このことは、赤外領域若しくは可視光領域の熱放射を用いて
調理を行う場合に特に有利である。このような透明層はゾル-ゲル・層として問 題なく形成される。
【0008】 ベーキングオーブンマッフルがアルミニウムから成っている場合には、保護層
が陽極処理、特に硬質陽極処理された酸化アルミニウム層として形成されていて
よい。このような酸化物層は特に著しい硬さ及び平滑性によって優れている。
【0009】 加熱部材からマッフル壁若しくは調理スペースへの特に良好な熱伝達、及びこ
れに関連して傑出した熱分布が、マッフル壁にμm範囲の絶縁性の保護層を設け
て、該保護層に加熱部材を厚膜成形技術で取り付けることによって達成される。
場合によっては、保護層は費用のかかる被覆法、例えば薄膜成形技術で取り付け
られてもよい。
【0010】 保護層とマッフル壁との間の異なる熱膨張係数にも拘わらず、ベーキングオー
ブンマッフルの加熱に際してベーキングオーブンマッフル内には、保護層の薄い
ことに基づきわずかな応力しか発生しない。従ってマッフル壁の厚さが例えばほ
ぼ0.4mmに減少させられ得る。
【0011】 有利な実施態様では、ベーキングオーブンマッフルが外側から安定フレームに
よって支えられている。このことは、マッフル壁の厚さがほぼ0.3乃至0.5
mmでしかない場合には特に重量である。従来の公知技術と比べて前述のように
ベーキングオーブンマッフルの壁厚をほぼ半分にできることによって、加熱時間
及び熱分布が著しく改善される。さらにわずかな壁厚に基づき材料が節減され、
かつベーキングオーブンマッフルの重量が著しく減少される。
【0012】 有利な実施態様では、安定フレームがほぼベーキングオーブン絶縁によって形
成されている。ベーキングオーブン絶縁は一方では、加熱時のベーキングオーブ
ンマッフルの容積拡大に追随するために十分に伸縮でき、かつ他方では、壁の薄
いベーキングオーブンマッフルに十分な安定性を与えるために、十分に剛性であ
るものになっている。
【0013】 図1に直方体状のベーキングオーブンマッフル1を示しあり、ベーキングオー
ブンマッフルは特殊鋼から成っていて5つのマッフル壁3を備えている。マッフ
ル壁は両方の側壁、1つの底壁、1つの天井壁、並びに1つの背壁である。ベー
キングオーブンマッフル1の装入開口がマッフルフランジ5によって取り囲まれ
ている。ベーキングオーブンマッフル1はハイドロホーム法で一体的に成形され
ている。このような深絞り成形では、ベーキングオーブンマッフルが従来の機械
的に深く絞って成形された製品と異なって、壁厚さの不均一な大きな変化、目立
つ絞り筋、絞りしわ、表面品質の劣化、並びに低い寸法精度などのような欠点を
有していない。ゾル-ゲル・テクノロジーを用いて浸漬法若しくは吹き付け法に よって、マッフル内面7及びマッフル外面9がゾル-ゲル・層11で被覆される (図2)。この場合、溶液(ゾル)から制御された凝縮法によってマイクロメー
トル単位のコロイド系(ゲル)が生ぜしめられる。このようなゲルが乾燥によっ
て溶剤除去に基づき凝縮され、次いで適当な方法で硬化され、若しくはほぼ45
0乃至500℃の温度で焼き付けられる。このようなプロセス中に、ゾル-ゲル ・層11が化学結合によって基盤に特に堅く結合される。このようにして施され
たゾル-ゲル・層はほぼ10μmの厚さであり、特殊鋼から成るマッフル壁3の 両面に電気的な絶縁特性のある硬い表面を形成する。さらにゾル-ゲル・層は特 殊鋼に対する変色及び酸化防止に役立つ。ゾル-ゲル・硬質層に別の少なくとも 1つのプロセス段階でゾル-ゲル・技術によって機能層がマッフル内面7の種々 の領域に設けられている。ベーキングオーブンマッフル1の場所に関連してゾル
-ゲル・機能層によって特に付着防止特性、滑り特性及び触媒作用特性が生ぜし められる。この場合、ゾル-ゲル・機能層はほぼ3μmの厚さである。両方のゾ ル-ゲル・層11によって形成された保護層は、食料品の調理に重要な赤外領域 或いは可視光領域の熱放射が保護層を通過して高級鋼表面からマッフル内部へ最
適に反射されるように透明になっている(図2)。必要に応じて、保護層が透明
な若しくは不透明な塗料を塗られていてよい。
【0014】 マッフル外面9のゾル-ゲル・硬質層上に、後続のプロセス段階でメアンダ状 (蛇行状)の加熱導体13が厚膜成形技術によって取り付けられている(図3)
。加熱導体13とマッフル壁3との間の特に薄い絶縁層に基づき、特に良好で均
一な熱伝達が可能である。加熱導体13は導体接続部15を介して電圧を供給さ
れるようになっている。
【0015】 図4に示すように、ベーキングオーブンマッフル1が最終的に繊維のない絶縁
材料、例えばパーライトから成るマッフル絶縁17で包まれている。該絶縁材料
によって、もっぱら0.4mmの壁厚であるベーキングオーブンマッフル1が安
定化されている。さらに絶縁外皮17は、ベーキング過程中の加熱時のベーキン
グオーブンマッフル1の熱膨張に際して亀裂を生ぜしめないように、十分に伸縮
可能に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ベーキングオーブンマッフルの1つの製造段階の前方からの斜視図。
【図2】 ベーキングオーブンマッフルの別の製造段階の前方からの斜視図。
【図3】 ベーキングオーブンマッフルの別の製造段階の前方からの斜視図。
【図4】 ベーキングオーブンマッフルの別の製造段階の前方からの斜視図。
【符号の説明】
1 ベーキングオーブンマッフル、 3 マッフル壁、 5 マッフルフ
ランジ、 7 マッフル内面、 9 マッフル外面、 11 ゾル-ゲル ・層、 13 加熱導体、 15 導体接続部、 17 マッフル絶縁
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年1月18日(2000.1.18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベーキングオーブンであって、正面側を扉によって閉鎖可能
    な金属性のベーキングオーブンマッフルを備えており、ベーキングオーブンマッ
    フルのマッフル壁に、調理スペース若しくは該調理スペース内にある調理用食品
    をほぼ180℃以上に加熱するための加熱部材が配設されており、マッフル壁が
    少なくとも内面を保護層によって被われている形式のものにおいて、保護層(1
    1)の厚さがほぼ30μmよりも小さくなっていることを特徴とする、ベーキン
    グオーブンマッフルを備えたベーキングオーブン。
  2. 【請求項2】 保護層がゾル-ゲル・硬質層(11)として形成されている 請求項1記載のベーキングオーブン。
  3. 【請求項3】 ゾル-ゲル・硬質層上にゾル-ゲル・機能層が設けられている
    請求項1又は2記載のベーキングオーブン。
  4. 【請求項4】 マッフル壁(3)の種々異なる面領域が互いに異なる機能層
    を有している請求項3記載のベーキングオーブン。
  5. 【請求項5】 保護層が透明であり、マッフル壁の内面がリフレクタとして
    役立っている請求項1から4のいずれか1項記載のベーキングオーブン。
  6. 【請求項6】 ベーキングオーブンマッフルがアルミニウムから成っており
    、保護層が陽極処理された酸化アルミニウム層として形成されている請求項1記
    載のベーキングオーブン。
  7. 【請求項7】 マッフル壁が少なくとも部分的に、絶縁性の保護層を有して
    おり、該保護層上に加熱部材(13)が厚膜成形技術によって取り付けられてい
    る請求項1から6のいずれか1項記載のベーキングオーブン。
  8. 【請求項8】 安定フレームがベーキングオーブンマッフル(1)を外側か
    ら支えていて、ほぼベーキングオーブンマッフル絶縁(17)によって形成され
    ている請求項1から7のいずれか1項記載のオーブン。
  9. 【請求項9】 マッフル壁(3)の厚さがほぼ0.3mm乃至0.5mmで
    ある請求項1から8のいずれか1項記載のベーキングオーブン。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれか1項記載のベーキングオーブン
    マッフル。
JP2000541465A 1998-03-27 1999-03-26 ベーキングオーブンマッフルを備えたベーキングオーブン Pending JP2002510029A (ja)

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