JP2912509B2 - 高温加熱用調理機器の調理面構造およびその製造方法 - Google Patents

高温加熱用調理機器の調理面構造およびその製造方法

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JP2912509B2 JP30398292A JP30398292A JP2912509B2 JP 2912509 B2 JP2912509 B2 JP 2912509B2 JP 30398292 A JP30398292 A JP 30398292A JP 30398292 A JP30398292 A JP 30398292A JP 2912509 B2 JP2912509 B2 JP 2912509B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温加熱用調理機器の
調理面構造およびその製造方法に関し、特に、高温度で
食品を調理しても、食品の焦げつきの少ない、また、食
品の焦げつき跡の目立たない、高温加熱用調理機器の調
理面構造およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ホットプレート、電気鍋、フライパンな
どの調理面に、フッ素樹脂層等の非粘着性トップコート
層を有する高温加熱用調理機器の調理面構造には、種々
の調理面構造が知られている。
【0003】図7は、ホットプレートを概略的に示す断
面図である。図7を参照して、このホットプレート25
は、プレート側面27と、プレート底面28を有する。
金属素材20の内表面26には、高温加熱用調理機器の
調理面構造22が形成されている。
【0004】次に、従来の高温加熱用調理機器の調理面
構造22の構造を、さらに詳細に説明する。
【0005】図8は、従来の高温加熱用調理機器の調理
面構造を概略的に示す断面図である。図8を参照して、
この高温加熱用調理機器の調理面構造22は、たとえ
ば、アルミニウム合金ダイキャスト成形品等の金属素材
20の調理面とすべき表面をサンドブラスト等で面荒し
し、面荒しがされた調理面とすべき表面20s上にプラ
ズマ溶射によりぱらぱらと分散溶射付着させたアルミナ
系のセラミックス溶射層23と、アルミナ系のセラミッ
クス溶射層23の表面を覆うフッ素樹脂層24を備え
る。
【0006】ところで、上述の従来技術に関して、本出
願人は、特公昭60−20732号公報において、素地
の面荒しとセラミック溶射を行なう、調理機器における
調理面構造の形成方法を開示している。この方法により
形成される調理機器の調理面構造について、さらに詳細
に説明する。
【0007】図9を参照して、この調理機器の調理面構
造32は、以下の点を除き、図8に示す調理機器の調理
面構造22と同様であるので、相当する部分について
は、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0008】この調理機器の調理面構造32は、溶射処
理により形成されたセラミック溶射層23の開口部を封
口するために、浸透性のよい耐熱樹脂塗料層33を有す
る。
【0009】また、セラミックス溶射層23と耐熱樹脂
塗料層33の表面を覆うようにプライマ層35が設けら
れ、プライマ層35の表面を覆うようにフッ素樹脂層2
4が設けられる。なお、このプライマ層35は、セラミ
ックス溶射層23と、フッ素樹脂層24との密着性をよ
くする下塗り塗料で形成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
高温加熱用調理機器の調理面構造では、調理面が200
℃前後になると、フッ素樹脂層が軟化し、非粘着面が削
られて、剥離したりして、セラミック溶射層が、調理面
の表面に露出するという問題があった、従来の高温加熱
用調理機器の調理面構造では、最上層のフッ素樹脂層
が、金属へら等でこすられると、金属へらとフッ素樹脂
層との接触面積が大きいという理由により、フッ素樹脂
層が剥離したりした。本出願人は、本願発明に関連する
技術として、特願平3−271254において、金属へ
らに対する摩耗耐久性が向上するように改良された高温
加熱用調理機器の調理面構造を開示している。
【0011】特願平3−271254に記載される調理
機器の調理面構造について、さらに詳細に説明する。図
10は、特願平3−271254に記載される高温加熱
用調理機器の調理面構造42の一実施例を概略的に示す
断面図である。図11は、金属素材(母材)の表面の概
念図である。図10および図11を参照して、金属素材
20の表面に、凸部である山6の高さHが10〜60μ
m、山6のピッチDが50〜400μmである凹凸面2
0sが形成されている。山6の高さHは、谷7の底から
山6の頂上までの垂直方向の距離である。
【0012】凹凸面20sを覆うように、10μm以上
の厚みを有する硬質無機質層23が形成されている。硬
質無機質層23の上に、厚み10±5μmを有するポリ
シロキサン系プライマ層35が設けられ、その上に、1
0〜30μmの厚みを有するフッ素樹脂層24が設けら
れている。次に、図10および図12を参照して、上述
の構造を有する調理面構造の製造方法について説明す
る。図12は、図10に示す調理面構造の拡大図であ
る。尚、図11では、説明を容易とするためプライマ層
35を含んでいない調理面構造を示す。
【0013】図10に示す調理面構造を形成するために
は、まず、金属素材20の表面20sに凹凸のある山6
と谷7を形成する必要がある。このような凹凸は、通常
行なう粒度#50〜150のサンドブラストではなく、
ジェットタガネ(2〜4mmφ)で、エア圧力6〜8K
g/cm2 で、2〜3分実施して形成される。これによ
り、砂型鋳物肌の凹凸に近い模様が形成される。さら
に、粒度#10〜20のブラストで、エア圧力6〜10
Kg/cm2 で2〜3分実施することにより、図12を
参照して、粗面化と溶射皮膜の密着性を確保させた粗面
Zが得られる。
【0014】次に、プラズマ溶射装置を用いて、Al2
3 −TiO2 のセラミック溶射材で、ガン距離80〜
100mm、流量30〜40g/min、使用ガスにア
ルゴンと水素を用いた条件で、膜厚Bが10μm以上に
なるように仕上げられたセラミック溶射層23を形成す
る。セラミック溶射層23の表面粗さは、図12を参照
して、粗面Yのように、表面粗さがRa=20±10μ
m(中心線平均粗さ)になるようにされる。次に、粗面
Yを有するセラミック溶射層23の上に、非粘着樹脂層
24を形成する。非粘着樹脂層24は、厚みAが10μ
m〜30μm好ましくは、10μm〜15μmに仕上が
るように、ディスパージョン型の四フッ化エチレン樹脂
塗料(公知の市販塗料)を吹付けて、380℃〜420
℃で、20分の焼成で硬化させることにより、形成され
る。非粘着樹脂層24とセラミックス溶射層23との密
着性をよくするために、セラミックス溶射層23の上に
プライマ層35(図10に示すプライマ層35)を薄く
(約5〜10μm)塗布し、90℃〜120℃で、10
分間強制乾燥するという工程を加えてもよい。
【0015】このように構成された、金属素材20の粗
面Z、厚み10μm以上のセラミックス溶射層23とそ
の粗面Y、および厚み10〜30μmの非粘着樹脂層2
4とその粗面Xとを含む調理面構造を、図7に示すホッ
トプレートの調理面にした。ホットプレート25の内表
面26の側面27は、調理面ではないため、金属へらで
こする機械がない。それゆえに、側面27においては、
セラミックス溶射層の厚みBを10μm以上、フッ素コ
ートの厚みAを10〜30μmにするという条件は不要
である。側面27の内面は、セラミックス溶射層が散布
程度、フッ素樹脂層の膜厚Aが20〜40μmになるよ
うに、すなわち、金属へらでこすると若干傷の付く被膜
構成になっている。
【0016】以上のように構成されるホットプレート
は、金属へらに対する摩耗耐久性が向上しており、調理
工程において、食品の調理時の手さばきとカット作業
で、切れのよい、素早い作業が可能となり、おいしい調
理ができる。なお、図10を参照して、セラミック溶射
層23とフッ素樹脂層24との間に設けられたプライマ
層35の代わりに、ポリチタノカルボシランをバインダ
にしたセラミックス顔料を混合配合した塗料を10±5
μmになるように仕上げると、耐摩耗性および金属へら
に対する摩耗耐久性が大幅に向上する。
【0017】しかしながら、特願平3−271254に
記載される高温加熱用調理機器の調理面構造であって
も、耐食品焦げつき汚染の耐熱性は、最大270℃まで
であり、300℃以上、たとえば、350℃程度で、ス
テーキ、野菜炒め、目玉焼き等の調理を行なうと、それ
らが調理面に焦げついたり、焦げつきが原因して、しみ
汚染を起こし、その結果、高温加熱用調理機器の調理面
が見苦しくなり、また、利用価値のない調理面となると
いう問題があった。
【0018】図13は、従来の高温加熱用調理機器の調
理面構造の断面を示す走査型電子顕微鏡による500倍
のSEM写真の模式図である。図13を参照して、この
高温加熱用調理機器の調理面構造42の断面は、たとえ
ば、アルミニウム地金からなる調理面を構成する金属素
材20の調理面とすべき表面20s上に設けられ、プラ
ズマ溶射等により形成された、Al2 3 とTiO2
からなる硬質無機質層23と、硬質無機質層23の表面
23sを覆うように設けられたフッ素樹脂層24を含
む。硬質無機質層23は、プラズマ溶射等により形成さ
れた溶射層であるため、不可避的に多孔質(ポーラス
質)層となり、多数の球状の気孔50や、線状の気孔5
1を有する。なお、これらの気孔50、51は、開孔さ
れているものが多い。また、この硬質無機質層23の表
面23sには凹凸形状が多数ある。
【0019】図14は、図13に示す硬質無機質層23
の断面を示す5000倍のSEM写真の模式図である。
図14を参照して、プラズマ溶射等により形成された硬
質無機質層23は、大きな概ね球状の気孔50や、概ね
線状の気孔51を有する。そしてこれらの気孔50、5
1は、開孔されているものが多い。
【0020】図10を参照して、特願平3−27125
4に記載される高温加熱用調理機器の調理面構造を有し
ていても、使用によるフッ素樹脂層24のはがれや、傷
等はまぬがれ得ず、特に、調理面が300℃以上に加熱
されると、フッ素樹脂層24が軟化し、傷等が付きやす
くなり、その結果、硬質無機質層23の表面が、調理面
に露出する。そして、上記したように、従来の硬質無機
質層23は多孔質(ポーラス質)であるため、調理面に
露出した硬質無機質層23に食品の焦げ等が付着する
と、焦げ等が、硬質無機質層23の気孔へ侵入し、その
結果、調理面に焦げつきを生じたり、しみ汚染を形成し
たりした。また、硬質無機質層23の表面の凹凸部には
食品が付着しやすく、焦げつきの原因となる。このた
め、従来の高温加熱用調理機器の調理面構造を有する高
温加熱用調理機器では、300℃以上で食品を調理する
と、調理面に焦げつきやしみ汚染を生じる結果、見苦し
い利用価値のない調理面となるという問題があった。
【0021】本発明は、以上のような問題を解決するた
めになされたものであって、特に、300℃以上、たと
えば、350℃程度の高温調理を行なっても、調理面が
食品等により焦げついたり、また、しみ汚染を生じたり
することのない高温加熱用調理機器の調理面構造および
その製造方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明に従う高温加熱用
調理機器の調理面構造は、調理面を構成する金属素材
に形成され、金属素材の調理面とすべき表面を少なくと
も覆うように設けられ、かつ、ゾルゲル塗料を該表面に
塗布することにより形成された金属酸化物を主成分とす
る硬質無機質層と、硬質無機質層の表面を覆うように設
けられたフッ素樹脂層とを備える。
【0023】本発明で用いるゾルゲル塗料は、好ましく
は、少なくとも2種類の金属アルコキシド化合物と金属
酸化物粒子とを含む。
【0024】また、本発明に従う高温加熱用調理機器の
調理面構造の製造方法は、金属素材の調理面とすべき表
面を少なくとも覆うように、ゾルゲル塗料を塗布する工
程と、金属素材の調理面とすべき表面を少なくとも覆う
ように塗布されたゾルゲル塗料を加水分解させることに
より、金属素材の調理面とすべき表面を少なくとも覆う
金属酸化物を主成分とする硬質無機質層を形成する工程
と、硬質無機質層の表面を覆う非粘着性樹脂層を形成す
る工程とを備える。
【0025】なお、本明細書において、「金属」という
用語は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、亜鉛
(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属の他、硅素
(Si)等の半金属類を含む。
【0026】また、本明細書において、「ゾルゲル塗
料」という用語は、含水酸化物ゾルを脱水処理してゲル
とし、このゲルを加熱して無機酸化物をある一定の形
状、または、基板状の被膜として、調製するための塗料
をいう。
【0027】
【作用】本発明に係る高温加熱用調理機器の調理面構造
によれば、硬質無機質層が、プラズマ溶射等の溶射層で
はなく、ゾルゲル塗料を加水分解することにより形成さ
れた金属酸化物を主成分とする硬質無機質層で形成され
ている。
【0028】プラズマ溶射等の溶射により形成される溶
射層は不可避的に多孔質(ポーラス質)層となるため、
気孔等に食品の焦げ等が侵入し、焦げつきや、しみ汚染
の原因となる。
【0029】また、プラズマ溶射等の溶射により形成さ
れる溶射層の表面は、凹凸形状を多数有するため、食品
の焦げつき等の原因となる。
【0030】他方、本発明では、硬質無機質層をゾルゲ
ル塗料を用いて形成している。金属素材の調理面とすべ
き表面を少なくとも覆うようにゾルゲル塗料を塗布する
際、ゾルゲル塗料は、ゾル状態であるため、金属素材の
調理面とすべき表面を少なくとも覆うように形成された
ゾルゲル塗料からなるゾルゲル塗料コート層の表面は平
滑であり、このゾルゲル塗料を加水分解させることによ
り形成される金属酸化物を主成分とする硬質無機質層の
表面も平滑である。
【0031】したがって、フッ素樹脂層の傷等より、食
品が本発明に従って形成された硬質無機質層に接触して
も、本発明に従って形成される硬質無機質層は、その表
面が平滑であるため、食品の焦げつきを生じにくい。
【0032】また、ゾルゲル塗料を加水分解することに
より形成される金属酸化物を主成分とする硬質無機質層
は、プラズマ溶射等の溶射により形成される溶射層に比
べ、気孔の少ない緻密な硬質無機質層となる。またその
ような気孔も封孔されているものが多い。
【0033】したがって、フッ素樹脂層の傷等より、食
品の焦げ等が本発明に従って形成された硬質無機質層に
接触しても、本発明に従って形成される硬質無機質層
は、気孔の少ない緻密な硬質無機質層であるため、焦げ
等が、硬質無機質層の深さ方向に侵入しにくいため、食
品の焦げつきや、しみ汚染を生じにくい。
【0034】
【実施例】この発明の一実施例を図1〜図5を参照しな
がら、以下に説明する。
【0035】図1は、本発明が適用されたホットプレー
トの断面図である。ホットプレート15は、プレート側
面17と、プレート底面18とからなる。金属素材10
の内表面16に、金属へらが使え、300℃〜350℃
の高温で調理しても、焦げつきや、しみ汚染を起こさな
い調理面構造12が形成されている。
【0036】次に、金属へらが使え、300℃〜350
℃の高温で調理しても、焦げつきや、しみ汚染を起こさ
ない調理面構造12について、さらに詳細に説明する。
【0037】図2は、本発明の一実施例に係る、高温加
熱用調理機器の調理面構造の断面図である。図3は、金
属素材(母材)の表面の概念図である。図2および図3
を参照して、金属素材10の表面に、凸部である山6の
高さHが10〜60μm、山6のピッチDが50〜40
0μmである凹凸面10sが形成されている。山6の高
さHは、谷7の底から山6の頂上までの垂直方向の距離
である。
【0038】凹凸面10sを覆うように、10μm以上
の厚みを有する、ゾルゲル塗料を加水分解して形成され
た金属酸化物を主成分とする硬質無機層、すなわち硬
質、緻密な非晶質無機質層3が形成されている。硬質、
緻密な非晶質無機質層3の上に、厚み10±5μmを有
するポリエーテルサルフォン(PES)や、ポリフェニ
レンスルファイド(PPS)系の変性フッ素樹脂塗料か
らなるプライマ層5が設けられ、その上に、10〜30
μmの厚みを有するフッ素樹脂からなる非粘着性樹脂層
4が設けられている。
【0039】次に、図2および図4を参照して、上述の
構造を有する調理面構造の製造方法について説明する。
図4は、図2に示す調理面構造の拡大図である。図2に
示す調理面構造を形成するためには、まず、金属素材1
0の表面10sに凹凸のある山6と谷7を形成する必要
がある。このような凹凸は、通常行なう粒度#50−1
50のサンドブラストではなく、ジェットタガネ(2〜
4mmφ)で、エア圧力6〜8Kg/cm2 で、2〜3
分実施して形成される。これにより、砂型鋳物肌の凹凸
に近い模様が形成される。一方、金属素材10を形成す
る折に、たとえば、金属素材10が、アルミニウムダイ
キャスト成形品から製作するときには、ダイキャスト金
型に調理面に相当する部分を、予め、エンボス加工を施
した金型にしておいて、アルミニウムダイキャスト成形
加工時に、図1を参照して、上記金属素材の調理面とな
る内表面16に凹凸模様を形成する。
【0040】図2および図4を再び参照して、さらに、
粒度#10〜20の粒度のブラストで、エア圧力6〜1
0Kg/cm2 で2〜3分実施することにより、図4を
参照して、粗面化とゾルゲル塗料を加水分解して形成さ
れた金属酸化物を主成分とする非晶質無機質層、即ち、
硬質、緻密な非晶質無機質層3との密着性を確保する粗
面Zが得られる。なお、この粗面Zを形成する工程は、
特願平3−271254記載の高温加熱用調理機器の調
理面構造の形成工程と同一である。
【0041】次に、塗装装置を用いて、表1にその塑性
を示すSiO2 系のゾルゲル塗料を粗面Zに吹付けて、
120℃〜200℃で、10〜20分間焼付けを行なっ
て、膜厚Bが10μm以上になるように仕上げられた、
ゾルゲル塗料を加水分解して形成された金属酸化物を主
成分とする、硬質、緻密な非晶質無機質層3を形成す
る。
【0042】
【表1】
【0043】この硬質、緻密な非晶質無機質層3の表面
粗さは、図4を参照して、粗面Yのように、粗面粗さが
Ra=20±10μm(中心線平均粗さ)になるように
される。次に、粗面Yを有する硬質、緻密な非晶質無機
質層3の上に、非粘着樹脂層4を形成する。非粘着樹脂
層4は、厚みAが10〜30μm好ましくは10〜15
μmに仕上がるように、ディスパージョン型の四フッ化
エチレン樹脂塗料(公知の市販塗料)を吹付けて、38
0℃〜420℃で、20分間の焼成で硬化させることに
より、形成される。非粘着樹脂層4と、硬質、緻密非晶
質系無機質層3の密着性をよくするために、硬質、緻密
な非晶質無機質層3の上に図2および図4に示すように
プライマ層5を薄く(約5〜10μm)塗布し、90℃
〜120℃で、10分間強制乾燥するという工程を加え
てもよい。
【0044】このように構成された、金属素材10の粗
面Z、厚み10μm以上の硬質、緻密な非晶質無機質層
3とその粗面Y、および厚み10〜30μmの非粘着樹
脂層4とその粗面Xとを含む調理面構造を、図1に示す
ホットプレートの調理面にした。ホットプレート15の
内表面16の側面17は、調理面でないため、金属へら
でこする機会がない。それゆえに、側面17において
は、硬質、緻密な非晶質無機質層3の厚みBを10μm
以上、フッ素コートの厚みAを10〜30μmにすると
いう、条件は不要である。側面17の内面は、硬質、緻
密な非晶質無機質層が散布程度、フッ素樹脂層の膜厚A
が20〜40μmになるように、すなわち、金属へらで
こすると若干傷の付く皮膜構成にした。
【0045】図5は、本発明に従う一実施例としての高
温加熱用調理機器の調理面構造の断面を示す走査型電子
顕微鏡による500倍のSEM写真の模式図である。図
5を参照して、この高温加熱用調理機器の調理面構造1
2の断面は、たとえば、アルミニウム地金からなる調理
面を構成する金属素材10の調理面とすべき表面10s
上に設けられた、上述した表1にその塑性を示すSiO
2 系のゾルゲル塗料から形成されたSiO2 を主成分と
する硬質無機質層3と、硬質無機質層3の表面3Sを覆
うように設けられたフッ素樹脂層4を含む。図6は、図
5に示す硬質無機質層3の断面を示す5000倍のSE
M写真の模式図である。尚、図5および図6を参照し
て、この硬質無機質層3は、非晶質のSiO2 よりなる
ガラス質部分31(図5中の黒斑点部分)と、黒色顔料
が分散してなる非晶質のSiO2 よりなるガラス質部分
32(図5中の用紙の地色部分)を含む。図5および図
6より明らかなように、本発明に従って形成された硬質
無機質層3は、図13および図14に示す従来の硬質無
機質層23に比較して、気孔がほとんど存在しない。
【0046】したがって、本発明に従う高温加熱用調理
機器の調理面構造を有する高温加熱用調理機器は、30
0℃以上の温度で食品を調理しても、フッ素樹脂層の傷
等を介して、硬質無機質層の表面に食品等が付着して
も、硬質無機質層3が気孔の少ない平滑かつ緻密な層で
あるため、食品の焦げ付きや、硬質無機質層3の内部へ
焦げ等が侵入しないため、しみ汚染等が生じにくい。
【0047】なお、プラズマ溶射法等を用いてSiO2
層を形成すると、このSiO2 層は、微粉末の粒子によ
り形成された層となる。このため、微粉末のSiO2
ガラス化するためには、約1000℃程度の高温加熱が
必要であり、しかも、このように高温で形成される溶融
SiO2 ガラスは、多孔質(ポーラス質)となる。
【0048】なお、本実施例では、ゾルゲル塗料の組成
が適切に選ばれている。すなわち、表1に示すゾルゲル
塗料では、2成分の金属アルコキシド化合物、すなわ
ち、エチルシリケートとメチルトリメトキシシランを含
む。このように、2成分の金属アルコキシド化合物を用
いたゾルゲル塗料を同時に加水分解することにより形成
される金属酸化物を主成分とする硬質無機質層は非晶質
(アモルファス)層、すなわち、ガラス質となる。本実
施例では、非晶質(アモルファス)硬質無機質層を形成
しているため、この硬質無機質層は、硬く、また、高い
皮膜強度を有している。なお、主成分であるエチルシリ
ケートは、皮膜形成(バインダ)の役割をする成分であ
り、メチルトリメトキシシランは、エチルシリケートと
反応することによりシリカ網目を形成する補助的な成分
である。
【0049】また、本実施例では、ゾルゲル塗料100
重量部に対し、エチルシリケートを約10〜20重量部
用いている。エチルシリケートを約10重量以下の量
で用いると、ゾルゲル塗料の金属素材の表面に対する密
着性が劣り、また、エチルシリケートを20重量以上
の量で用いるとゾルゲル塗料の粘度が高くなり塗料とし
て用いることができない。
【0050】また、本実施例では、ゾルゲル塗料100
重量部に対し、メチルトリメトキシシランを約20〜4
0重量部用いている。メチルトリメトキシシランを約2
0重量以下の量で用いると、ゾルゲル塗料の加水分解
後に形成される金属酸化物を主成分とする硬質無機質層
の硬度が低下し好ましくなく、また、メチルトリメトキ
シシランを40重量部以上用いると、ゾルゲル塗料が常
温でゾル状態からゲル状態へゲル化して、ゾルゲル塗料
の貯蔵安定性が低下する。
【0051】また、表1に示すゾルゲル塗料の他の成分
であるコロイダルシリカは、充填剤としての機能を有す
る。また、このコロイダルシリカは、ゾルゲル塗料の加
水分解後に形成される硬質無機質層の可撓性を発揮する
成分である。また、このコロイダルシリカは、ゾルゲル
塗料のゾル状態における貯蔵安定性を確保する成分でも
ある。さらに、このコロイダルシリカは、ゾルゲル塗料
の加水分解後に形成される硬質無機質層の気孔や亀裂の
発生を防止する成分である。また、このコロイダルシリ
カは、本発明に従って形成される平滑かつ緻密な硬質無
機質層を膜厚に形成するために必要な成分である。すな
わち、ゾルゲル塗料中にコロイダルシリカを無添加の状
態で用いた場合は、硬質無機質層の厚さは、約10-4μ
m〜数μm程度の膜厚を形成することができるが、この
膜厚では、金属素材の耐食性が確保できない。金属素材
の耐食性を確保するためには、硬質無機質層の厚さを約
20〜30μmの膜厚で形成することが必要となる。こ
のような硬質無機質層の膜厚を得るためには、コロイダ
ルシリカは必要な成分である。
【0052】また、本実施例では、ゾルゲル塗料100
重量部に対し、コロイダルシリカを約10〜20重量部
用いている。コロイダルシリカを約10重量部以下の量
で用いると、ゾルゲル塗料の加水分解後に形成される硬
質無機質層の可撓性が低下し好ましくなく、また、コロ
イダルシリカを20重量部以上用いると、ゾルゲル塗料
の加水分解後に形成される硬質無機質層と、金属素材の
密着性が低下し好ましくない。
【0053】また、本実施例に示すゾルゲル塗料では、
沈降防止剤を用いている。沈降防止剤としては、種々の
沈降防止剤を用いることができる。そのような沈降防止
剤としては、以下の場合に限定されることはないが、た
とえば、炭素数19のジカルボン酸のメチルアミン塩お
よびオクチルアミン塩、脂肪酸の2量体のメチルアミン
塩、オクチルアミン塩、オレイルアミン塩、または、脂
肪酸の3量体のメチルアミン塩、オクチルアミン塩、オ
レイルアミン塩等を用いることができる。
【0054】また、本実施例では酢酸を少量用いてい
る。ゾルゲル塗料の加水分解時の触媒として酸を使用す
ることにより、硬質無機質層の気孔の発生を低減するこ
とができる。本実施例では、酢酸を用いたが、酸であれ
ば、有機酸、無機酸を問わず用いることができる。その
ような無機酸としては、たとえば、塩酸等を用いること
ができる。
【0055】本実施例の高温加熱用調理機器の調理面構
造によれば、金属へらに対する耐傷付き性および耐剥離
性を向上させることはもちろん、300℃以上、たとえ
ば、350℃での食品調理においても耐焦げ付き性、耐
しみ付き汚染性を向上させるように、金属素材表面の凹
凸形状、金属素材の表面上に形成される硬質、緻密な非
晶質無機質層の厚みとその表面の凹凸形状、および、非
粘着性フッ素コートの厚みの3つの条件が適正に選ばれ
ている。
【0056】すなわち、調理面となる金属素材表面に形
成される凹凸面は、その凸部である山の高さが10〜6
0μm、かつ、山のピッチが50〜400μmに選ばれ
ている。上記凹凸面を覆う硬質、緻密な非晶質無機質層
は、その膜厚が10μm以上に選ばれている。さらに、
上記、硬質、緻密な非晶質無機質層の表面を覆うフッ素
樹脂層は、その厚みが10〜30μmに選ばれている。
このように条件が選ばれることにより、金属へらに対す
る耐傷付き性および耐剥離性が向上し、300℃から3
50℃での食品調理においても耐焦げ付き性、耐しみ付
き汚染性が向上する。
【0057】以上のように構成された実施例1に示すホ
ットプレートは、従来の技術と同様の金属へらに対する
摩耗耐久性を保持しながら、300℃〜350℃の高温
調理を行なっても、調理食品の付着耐剥離性と、耐汚染
性、耐しみ付き性を確保しているので、調理工程におい
て、食品の調理時の手さばきとカット作業できれの良い
素早い作業が可能でありながら、さらに、高温調理によ
る味の向上と高速調理ができる。
【0058】なお、上記実施例1では、平滑、緻密な硬
質無機質層として、表1にその組成を示すSiO2 系の
ゾルゲル塗料を用いた場合を例示したが、そのような平
滑で緻密な硬質無機質層としては、たとえば、ホーロー
仕上げのようなガラス質層であっても同様の効果を奏す
る。しかしながら、ホーロー仕上げをするには、高温処
理を必要とするため、たとえば、調理面を構成する金属
素材として、アルミニウム合金ダイキャスト等の融点の
低い金属素材を用いることはできない。
【0059】また、平滑で緻密な硬質無機質層は、たと
えば、アルマイト仕上げしたγ−Al2 3 ・H2
(ベーマイト)等としてもよいが、アルミニウム合金ダ
イキャスト等(たとえば、JIS ADC12等)の鋳
物には、アルマイト仕上げができず、アルマイト仕上げ
による効果は望めない。
【0060】また、上記したように、プラズマ溶射等の
溶射手段で溶射物質を溶融して吹付ける方法や、粉体塗
装のように粉体を吹付けてから焼成によって溶融する方
法では、気孔の少ない緻密で平滑な硬質無機質層を形成
することができない。プラズマ溶射等の溶射手段や、粉
体塗装により形成された硬質無機質層の多孔質層(ポー
ラス層)の気孔を封孔し、緻密な層にするには高い溶融
温度、たとえば、約800℃〜1000℃、または、そ
れ以上の温度が必要となり、調理面構造を構成する金属
素材(母材)の耐熱性が問題となる。
【0061】また、セラミック溶射法を用いて、厚さ約
30μm〜60μm程度の硬質無機質層を形成したが、
形成された硬質無機質層は多孔質層(ポーラス層)であ
った。
【0062】低温で気孔の少ない、平滑で、緻密な硬質
無機質層を形成するには、ゾルゲル塗料のように液体塗
料を用いることが必要である。そして、ゾルゲル塗料を
用いれば、低温で、気孔の少ない、平滑で、緻密な硬質
無機質層を形成できるため、調理面を構成する金属素材
として、たとえば、アルミニウム合金ダイキャスト等
(たとえば、JIS ADC12等)を用いた場合で
も、その調理面とすべき表面を少なくとも覆うように、
気孔の少ない、平滑で、緻密な硬質無機質層を形成する
ことができる。
【0063】また、プラズマ溶射等の溶射により形成さ
れる硬質無機質層の色は、金属酸化物の色になるが、本
発明に従えば、ゾルゲル塗料のゾル中に、たとえば、C
o−Fe−Mn系複合酸化物等の黒色無機質顔料を混入
することにより、硬質無機質層を容易に黒色とすること
ができる。したがって、フッ素樹脂層に傷やはがれを生
じ、硬質無機質層が露出しても、黒色等に着色すること
で、目立ちにくく、また、焦げ等の後や、しみ汚染等の
後も目立たない。
【0064】実用テストにおける金属へらに対する摩耗
テストでは、特願平3−271254記載の技術と同
様、本発明のものは1万回行なっても、異常が認められ
ず、また、300℃〜350℃における高温での牛ステ
ーキの調理、目玉焼きの調理、野菜傷めの調理からなる
1サイクルの調理テストを10回繰返しても異常が認め
られなかった。
【0065】一方、従来技術では、300℃〜350℃
における高温での上記した調理サイクルテスト1回で食
品の焦げ付きと、調理面被膜のしみ跡が大幅に目立っ
て、見苦しい調理面皮膜となった。
【0066】また、硬質無機質層と上記フッ素樹脂層と
の間に、厚み10±5μmを有するポリエーテルサルフ
ォン樹脂(PES)または、ポリフェニルスルファイド
樹脂(PPS)系の変形フッ素樹脂塗料プライマ層を設
けてもよい。
【0067】本実施例では、金属へらに対する耐摩耗性
を保持しながら、300℃〜350℃の高温調理におい
ても焦げ等の汚染に耐える高温で強固な皮膜を有する高
温加熱用調理機器の調理面構造を形成することができ
た。その結果、混ぜる、切る、ひっくり返す等の調理食
品の加工作業が効率良くできることに加え、従来にない
早いスピードでおいしい調理、仕上げ外観のよい調理が
できるという効果を奏する。
【0068】なお、本実施例では、表1に示すようにS
iO2 系のゾルゲル塗料を用いた例を示したが、本発明
に従う高温加熱用調理機器の調理面構造を製造する際に
用いるゾルゲル塗料としては、SiO2 系のゾルゲル塗
料以外のゾルゲル塗料として、チタニア(TiO2 )系
ゾルゲル塗料、ジルコニア(ZrO2 )系ゾルゲル塗料
や、アルミナ(Al2 3 )系ゾルゲル塗料を好適に用
いることができる。
【0069】チタニア(TiO2 )系ゾルゲル塗料の主
成分としては、たとえば、チタンイソプロポキシド(T
i(OC3 7 4 )、ジルコニア(ZrO2 )系ゾル
ゲル塗料の主成分としては、たとえば、ジルコニウムイ
ソプロポキシドのβ−ジケトン誘導体、またアルミナ
(Al2 3 )系ゾルゲル塗料の主成分としては、たと
えば、アルミニウムイソプロポキシド(Al[OCH
(CH3 2 3 )等を好適に用いることができる。
【0070】
【発明の効果】本発明に従う高温加熱用調理機器の調理
面構造は、ゾルゲル塗料を調理面とすべき表面に塗布す
ることにより形成された金属酸化物を主成分とする硬質
無機質層を備えることを特徴としている。このゾルゲル
塗料塗布層より形成される硬質無機質層は、気孔の少な
い緻密な層であり、かつ、その表面は極めて平滑であ
る。そのため、300℃以上の温度で食品を調理して
も、高温加熱用調理機器の調理面に焦げ付きや、しみ汚
染等が生じにくい。
【0071】また、本発明に従う高温加熱用調理機器の
調理面構造の製造方法は、以上のように構成されている
ので、300℃以上の温度で調理しても、高温加熱用調
理機器の調理面に焦げ付きや、しみ汚染等が生じにくい
高温加熱用調理機器の調理面構造を低温で製造すること
ができる。
【0072】したがって、本発明に従う高温加熱用調理
機器の調理面構造の製造方法は、調理面を構成する金属
素材が高融点である場合に適用できるのはもちろんのこ
と、該金属素材がアルミニウム等の低融点である場合に
も適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う一実施例としての高温加熱用調理
機器の調理面構造を有するホットプレートを概略的に示
す断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る高温加熱用調理機器の
調理面構造を概略的に示す断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る調理面構造の、金属素
材(母材)の凹凸面の定量方法を示した図である。
【図4】本発明に係る調理面構造を概略的に示す拡大断
面図である。
【図5】本発明に係る調理面構造の断面を示すSEM写
真の模式図である。
【図6】本発明に係る調理面構造の断面を示すSEM写
真の模式図である。
【図7】従来のホットプレートを概略的に示す断面図で
ある。
【図8】従来の高温加熱用調理機器の調理面構造を概略
的に示す断面図である。
【図9】特公昭60−20732号公報に従う高温加熱
用調理機器の調理面構造を概略的に示す断面図である。
【図10】特願平3−271254に記載されている一
実施例に係る、高温加熱用調理機器の調理面構造の断面
図である。
【図11】特願平3−271254に係る調理面構造
の、母材の凹凸面の定量方法を示した図である。
【図12】特願平3−271254に記載される調理面
構造の拡大断面図である。
【図13】従来の高温加熱用調理機器の調理面構造の断
面を示すSEM写真の模式図である。
【図14】従来の高温加熱用調理機器の調理面構造の断
面を示すSEM写真の模式図である。
【符号の説明】
10 金属素材 3 硬質無機質層 4 非粘着性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47J 36/02 F24C 7/02 C04B 41/85 C09D 1/00 - 1/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調理面を構成する金属素材上に形成され
    た調理面構造であって、 前記金属素材の調理面とすべき表面を少なくとも覆うよ
    うに設けられ、かつ、該表面に塗布することにより金属
    酸化物を主成分とする硬質無機質層を形成するゾルゲル
    塗料と、 前記硬質無機質層の表面を覆うように設けられた非粘着
    性樹脂層とを備える、高温加熱用調理機器の調理面構
    造。
  2. 【請求項2】 前記ゾルゲル塗料は、少なくとも、2種
    類の金属アルコキシド化合物と、金属酸化物粒子とを含
    む、請求項1記載の高温加熱用調理機器の調理面構造。
  3. 【請求項3】 金属素材の調理面とすべき表面を少なく
    とも覆うように、ゾルゲル塗料を塗布する工程と、 前記金属素材の調理面とすべき表面を少なくとも覆うよ
    うに塗布されたゾルゲル塗料を加水分解させることによ
    り、前記金属素材の調理面とすべき表面を少なくとも覆
    う金属酸化物を主成分とする硬質無機質層を形成する工
    程と、 前記硬質無機質層の表面を覆う非粘着性樹脂層を形成す
    る工程とを備える、高温加熱用調理機器の調理面構造の
    製造方法。
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