JPH10176277A - 非粘着性セラミック塗料 - Google Patents

非粘着性セラミック塗料

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JPH10176277A
JPH10176277A JP33714796A JP33714796A JPH10176277A JP H10176277 A JPH10176277 A JP H10176277A JP 33714796 A JP33714796 A JP 33714796A JP 33714796 A JP33714796 A JP 33714796A JP H10176277 A JPH10176277 A JP H10176277A
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sol
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metal surface
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JP33714796A
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Norio Sugidachi
載雄 杉立
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OUGI SHOKAI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素樹脂層の有する熱軟化性等の硬度に関
する欠点を回避し、且つ、従来のフッ素樹脂層の形成に
比較して著しく作業性の向上した金属表面構造を提供す
る。 【解決手段】金属素材と、金属酸化物を主成分として該
金属素材の表面を少なくとも覆う様に設けられた無機酸
化微粒子含有硬質無機質層と、該硬質無機質層の表面を
覆うように設けられた非粘着性セラミック層とを備えた
金属表面構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度で、耐熱
性、耐摩耗性及び耐久性に優れた金属表面構造、該金属
表面構造の製造法、及び該金属表面構造を有する金属部
材含有物品に関する。本発明は、特に、高温度で食品を
調理しても食品の焦げ付き跡が目立たず、且つ摩耗耐久
性に優れた、高温加熱用金属製調理機器、その金属表面
構造(特に調理面構造)、及びその金属表面構造の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ホットプレート、電気鍋、フライ
パン等の高温加熱用調理機器では、一般に、その調理面
にフッ素樹脂等の非粘着性トップコート層を有する調理
面構造が用いられている。
【0003】図1は、従来のホットプレートの構造の一
例を概略的に示す図である。このホットプレート1は、
金属素材2の内表面3に高温加熱用の調理面構造4が形
成されており、プレート側面5とプレート底面6とを有
している。調理面構造4を概略的に示す図2により同調
理面構造を説明すると、調理面構造4は、例えば、アル
ミニウム合金ダイキャスト成型品等の金属素材2の調理
面とすべき表面をサンドブラスト等で面荒らしし、面荒
らしがなされた表面2Sを覆うフッ素樹脂層7を備えて
いる。
【0004】又、別の調理面構造としては、図3に示す
特開平6−145946号公報に記載の高温加熱用調理
機器の調理面構造がある。これは、調理面を構成する金
属素材2と、金属素材2の調理面とすべき表面2Sを少
なくとも覆う様に設けられ、且つ、含水酸化物ゾルを脱
水処理してゲルとし、このゲルを加熱して無機酸化物を
ある一定形状、又は基板上の被膜として調製する為の塗
料(以下、ゾルゲル塗料)を表面2Sに塗布する事によ
り形成された金属酸化物を主成分とする硬質無機質層8
と、硬質無機質層8の表面を覆う様に設けられたフッ素
樹脂層9とを備えたものである。この調理面構造では、
気孔の少ない緻密な硬質無機質層8の表面が平滑とな
り、フッ素樹脂層9の傷等により食品の焦げ等が硬質無
機質層に接触しても、焦げ等が硬質無機質層8の深さ方
向に侵入しにくい為、300℃以上、例えば350℃程
度の高温調理を行っても、調理面が食品等により焦げ付
いたり、又、しみ汚染を生じたりする事がないという特
徴を有する。
【0005】しかしながら、これらの調理面構造は、実
際の調理時に使用される各種金属へらによってこすられ
ることによりフッ素樹脂が剥離する等の耐傷付き性に問
題を有する。
【0006】この様な問題を克服するものとして、特願
平6−207101号には、図4に示す様に、特開平6
−145946号公報に記載の金属表面構造において硬
質無機質層中に無機酸化微粒子を含有させた金属表面構
造、即ち、金属素材13、無機酸化微粒子18含有硬質
無機質層16、プライマー層P5及び非粘着性樹脂層
(フッ素樹脂層)17からなる金属表面(調理面)構造
が開示されている。図4に記載の金属表面構造は、硬質
無機質層中に無機酸化微粒子が分散されて存在してその
一部が該硬質無機質層の表面に露出する事で、該硬質無
機質層の表面積を増大させる効果を有し、それによっ
て、該硬質無機質層とその表面を覆う非粘着性樹脂層
(フッ素樹脂層)との密着性及び最終表面構造の硬度を
増大させ、耐傷付き性及び耐離型性を向上させている。
【0007】しかし、上記特願平6−207101号に
記載の金属表面構造は、最終的な表面構造のトップコー
トに従来のフッ素樹脂層を用いているため、特開平6−
145946号公報に記載の金属表面構造の有する欠点
がまだ一部未解決で残っている。即ち、一般的なフッ素
樹脂に起因する熱軟化性を有しているため、260℃以
上の温度においてはフッ素樹脂層が軟化し、傷付きやす
くなるという欠点を有していると同時に、常温時におい
ても、硬度的には未だ十分とはいえない。又、特願平6
−207101号の明細書に於いて、硬質無機質層とフ
ッ素樹脂層の間のプライマー層は場合により省略できる
旨開示されているが、十分な密着性を得るにはプライマ
ー層は必須であり省略は実質的に不可能であると予想さ
れる。その結果、上記金属表面構造を得るには、硬質無
機質層形成、プライマー層形成及びフッ素樹脂層形成の
3工程が必要であり、更に、フッ素樹脂層を設ける場合
の焼き付け温度が高いこと(380〜420℃×10〜
20分)も相まって、作業性が悪いという欠点も有す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の金属表面構造の
上記欠点を鑑みて、本発明者は、鋭意研究を行い、フッ
素樹脂層の有する熱軟化性等の硬度に関する欠点を回避
し、且つ、従来のフッ素樹脂層の形成に比較して著しく
作業性の向上した金属表面構造を開発し、本発明を完成
した。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、金属素
材と、金属酸化物を主成分として該金属素材の表面を少
なくとも覆う様に設けられた無機酸化微粒子含有硬質無
機質層と、該硬質無機質層の表面を覆うように設けられ
た非粘着性セラミック層とを備えた、耐傷付き性、耐離
型性、耐熱軟化性及び製造作業性に優れた金属表面構造
に関する。
【0010】本発明の金属表面構造は、硬質無機質層中
に無機酸化微粒子が分散されて存在してその一部が該硬
質無機質層の表面に露出する事で、該硬質無機質層の表
面積を増大させる効果を有し、それによって、該硬質無
機質層とその表面を覆う非粘着性セラミック層との密着
性及び最終表面構造の硬度を増大させ、耐傷付き性及び
耐離型性を向上させている。又、最終的な表面構造のト
ップコートが非粘着性セラミック層である為、従来のフ
ッ素樹脂層に比較して、耐傷付き性、耐離型性、耐熱軟
化性等が優れている。更に、本発明の金属表面構造に於
いては、硬質無機質層と非粘着性セラミック層との間の
付着性が、従来の硬質無機質層とフッ素樹脂層との付着
性に比較して著しく勝るため、プライマーを使用しなく
とも十分な接着強さが得られるという効果も奏する。
【0011】本発明は、更に、(1)金属素材の表面を
少なくとも覆うように金属酸化物を主成分とする無機酸
化微粒子含有ゾルゲル塗料を塗布した後、該ゾルゲル塗
料を加水分解させて金属素材の表面を少なくとも覆う金
属酸化物を主成分とする無機酸化微粒子含有硬質無機質
層を形成する工程、及び、(2)該無機酸化微粒子含有
硬質無機質層を覆う非粘着性セラミック層を形成する工
程、を含むことを特徴とする上記金属表面構造の製造方
法に関する。
【0012】本発明の金属表面構造は、プライマーを必
要としないため、従来の金属表面構造の製造に必要とさ
れた3工程よりも少ない上記2工程の操作で所望の表面
構造を製造する事ができる。
【0013】本発明は、更に、金属部材の全表面構造の
少なくとも一部に上記金属表面構造を有することを特徴
とする、金属部材を含有する物品に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の金属表面構造は、一実施
態様に於いて、図5に記載された構造を有する。即ち、
金属素材23と、金属酸化物を主成分として該金属素材
23の表面(粗面Z2)を少なくとも覆う様に設けられ
た無機酸化微粒子28含有硬質無機質層26(厚みB)
と、該硬質無機質層26の表面(粗面Y2)を覆うよう
に設けられた非粘着性セラミック層27(厚みA)とを
有する。
【0015】金属素材23は、アルミニウム、アルミニ
ウム合金、亜鉛、亜鉛合金、錫、錫合金等のダイキャス
ト、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、ジルコニウ
ム、ジルコニウム合金等の種々の金属材料若しくはその
合金材料、又は、ケイ素等の半金属材料を使用すること
ができる。
【0016】該金属素材の粗面Z2は、該金属素材の成
型品の表面をサンドブラスト処理する事で得ることがで
きるが、好ましくは、JIS B−0601−1994
(表面荒さの定義及び表示)による、 Rz(十点平均粗さ)10〜20μm Ra(算術平均粗さ)1.5〜2.5μm で規定される粗面構造とする。この様な粗面構造は、サ
ンドブラストに用いるアルミナの粒径を#80〜#12
0とし、エアー圧力を6〜8kg/cm2として2〜3
分間実施する事で得ることができる。又、例えば、金属
素材23をアルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、亜
鉛合金、錫、錫合金等のダイキャスト成型品から制作す
る場合は、ダイキャスト金型に上記粗面構造に相当する
部分を予めエンボス加工を施した金型にしておいて、ア
ルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、亜鉛合金、錫、
錫合金等のダイキャスト成型加工時に上記粗面構造を形
成する事もできる。
【0017】金属酸化物を主成分とする硬質無機質層を
形成する為のゾルゲル塗料としては、シリカ(Si
2)系ゾルゲル塗料、チタニア(TiO2)系ゾルゲル
塗料、ジルコニア(ZrO2)系ゾルゲル塗料、又は、
アルミナ(Al23)系ゾルゲル塗料等を使用すること
ができるが、好ましくは、シリカ(SiO2)系ゾルゲ
ル塗料を用いる。シリカ(SiO2)系ゾルゲル塗料と
しては、下記表1に記載の様な組成のものを使用する事
ができるが、これに限定されるものではない。
【0018】
【表1】
【0019】上記表中の特殊シリカ系無機化合物の例と
しては、オルガノアルコキシシラン[R1Si(OR2
3]を挙げることができる。
【0020】着色無機顔料としては、塗料用に一般に使
用され、且つ本発明において使用される焼き付け条件に
耐え得るものであれば特に制限なく使用できる。好まし
い無機顔料の例としては、酸化チタン、酸化クロム(II
I )、酸化亜鉛、酸化鉄(III )、ニッケルチタンイエ
ロー等の酸化物、カドミウムイエロー、カドミウムレッ
ド、硫化水銀カドミウム、硫化水銀(II)等の硫化物、
クロム酸塩及びフェロシアン化物等を挙げることができ
るが、これらに限定されるものではない。従来のフッ素
樹脂を用いた金属表面構造を有する製品(特に高温加熱
用調理機器等)の色調が使用するプライマーの色調に起
因してダークグレー又はダークブラウン等の濃色系であ
ったのに比較して、本発明の金属表面構造(プライマー
不要)においては、白色、赤色、青色、緑色等に加え
て、淡色系のバリエーション等も種々提供する事がで
き、本発明の金属表面構造を上記調理機器その他の金属
素材含有製品に適用した場合、従来困難であった調理機
器その他の金属素材含有製品の耐熱表面の色彩化が可能
となるという効果も得られる。
【0021】アルコール系混合溶剤としては、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコ
ール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール、メチルイソブチルカルビトール、シクロヘキサノ
ール、ベンジルアルコール等から選択される1種若しく
はそれ以上のアルコールを主成分として、エステル系、
エーテル系及びケトン系溶剤から選択される1種以上の
溶剤を含有する混合溶剤を使用することができる。上記
シリカ(SiO2)系ゾルゲル塗料を使用する場合は、
好ましくは、イソプロピルアルコール、MIBK(メチ
ルイソブチルケトン)及びブチルセロソルブの3種混合
溶剤を使用し、更に好ましくは、イソプロピルアルコー
ル80重量%、MIBK10重量%及びブチルセロソル
ブ10重量%から成る混合溶剤を使用する。
【0022】金属酸化物を主成分とする硬質無機質層
は、ゾルゲル塗料以外にも、ホーロー仕上げの様なガラ
ス層であっても、本発明の金属表面構造と同様の効果を
奏することができる。但し、ホーロー仕上げをするには
高温処理を必要とするため、金属素材としては、チタ
ン、ジルコニウム又はケイ素等の高融点金属材料若しく
は半金属材料を使用する必要がある。
【0023】本発明の、金属酸化物を主成分とする硬質
無機質層を形成する為に、ゾルゲル塗料に含有させるこ
とができる無機酸化微粒子としては、シリカ(Si
2)、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2
又はアルミナ(Al23)等を挙げることができる。上
記無機酸化微粒子は、好ましくは、30〜60μmの粒
径を有し、ゾルゲル塗料に好ましくは10〜30重量部
添加して使用する。
【0024】又、他の任意の無機酸化微粒子をゾルゲル
塗料に含有させて使用することも可能である。更に、本
発明のゾルゲル塗料は、2種類の金属アルコキシド及び
金属酸化物粒子を含有することもできる。
【0025】本発明のゾルゲル塗料は、一般的なゾルゲ
ル塗料の塗装に使用される任意の塗装装置を使用した任
意の方法により、上記の様に粗面化した金属表面に塗布
して硬質無機質層を形成する事ができる。
【0026】本発明の一実施態様においては、表1にそ
の組成を示すゾルゲル塗料にシリカ(SiO2)を10
〜30重量部含有させて、金属素材の粗面化した表面
(Z2)に吹き付け、80〜120℃で5〜20分、好
ましくは10〜20分の焼き付けを行い、その後加水分
解して、厚みBが10〜75μm、好ましくは20〜4
0μmの、金属酸化物を主成分とする緻密で非晶質の硬
質無機質層を形成する。
【0027】本発明の非粘着性セラミック層は、シリカ
(SiO2)系塗料、チタニア(TiO2)系塗料、ジル
コニア(ZrO2)系塗料、又は、アルミナ(Al
23)系塗料等を使用して形成する事ができるが、好ま
しくは、シリカ(SiO2)系塗料を用いる。シリカ
(SiO2)系塗料としては、下記表2に記載の様な組
成のものを使用する事ができるが、これに限定されるも
のではない。
【0028】
【表2】
【0029】上記表中の特殊シリカ系無機化合物の例と
しては、オルガノアルコキシシラン[R1Si(OR2
3]を挙げることができる。
【0030】本発明の金属表面構造に於ける非粘着性セ
ラミック層の形成に使用される非粘着性セラミック材と
しては、BN(ボロンナイトライド)を使用するのが好
ましい。BN(ボロンナイトライド)は六方晶系の結晶
性粉末であり、公知物質として一般に市販されている材
料を使用することができる。BN(ボロンナイトライ
ド)は、電気特性、耐熱特性及び化学的安定性等におい
て優れた物性を有している。市販されている一般的なB
N(ボロンナイトライド)の物性を以下の表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】上記BN(ボロンナイトライド)は分散性
が劣る為、一様な分散を達成し且つ沈降防止効果を得る
為には、分散剤の添加が必要である。BN(ボロンナイ
トライド)を一様に分散させて且つ沈降を防止し得る分
散剤は既に多くの種類の分散剤が市販されており、本発
明の非粘着性セラミック層を形成するための上記塗料中
のBN(ボロンナイトライド)以外の成分及び分散方法
に合わせて適宜選択して、BN(ボロンナイトライド)
の所望の性能を十分に発揮させることができる。
【0033】上記表3の非粘着性セラミック材:BN
(ボロンナイトライド)の好ましい分散方法の一例とし
て、特殊シリカ系無機化合物中に混合させる場合を例示
すると、 −(1)非粘着性セラミック材(BN;30重量%)及
び分散剤(0.1〜5.0重量%)をアルコール系混合
溶剤中に混合し、高速分散機にて約30〜40分間粒ゲ
ージにおいて20μm程度まで強制分散させ、 −(2)上記BNの30重量%アルコール系混合溶剤分
散液を特殊シリカ系無機化合物と混合して、所望の濃度
(1〜20重量%)のBNを含有する分散液を得る、と
いう工程により、非粘着性セラミック材を分散させるこ
とができる。
【0034】アルコール系混合溶剤としては、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコ
ール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール、メチルイソブチルカルビトール、シクロヘキサノ
ール、ベンジルアルコール等から選択される1種若しく
はそれ以上のアルコールを主成分として、エステル系、
エーテル系及びケトン系溶剤から選択される1種以上の
溶剤を含有する混合溶剤を使用することができる。上記
シリカ(SiO2)系ゾルゲル塗料を使用する場合は、
好ましくは、イソプロピルアルコール、MIBK(メチ
ルイソブチルケトン)及びブチルセロソルブの3種混合
剤を使用し、更に好ましくは、イソプロピルアルコール
80重量%、MIBK10重量%及びブチルセロソルブ
10重量%から成る混合溶剤を使用する。
【0035】本発明の非粘着性セラミック層を形成する
ために使用する塗料は、金属酸化物を主成分とする塗料
の塗装に一般的に使用される任意の塗装装置を使用した
任意の方法により、上記の様に無機金属酸化微粒子が一
部露出(粗面化)した硬質無機質層表面(Y2)に塗布
して非粘着性セラミック層を形成する事ができる。
【0036】本発明の一実施態様においては、表2にそ
の組成を示す非粘着性セラミック材含有塗料を、硬質無
機質層の粗面化した表面(Y2)に上記任意の塗装方法
により、好ましくは吹き付け塗装した後、160〜25
0℃で約20分間焼成して、10〜35μmの厚み(厚
みA)の非粘着性セラミック層を形成させる。
【0037】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明についてより具
体的に説明する。
【0038】本発明の製造方法により得られた本発明の
金属表面構造と従来のフッ素樹脂層を含有する金属表面
構造の物性その他の特性を以下の表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】上記表中、本発明の非粘着性セラミック材
含有トップコートは、無機酸化微粒子としてSiO2
含有する上記表1に記載のゾルゲル塗料を用いて硬質無
機質層を形成後、表3のBNを含有する表2に記載の非
粘着性セラミック塗料を用いて製造した。比較対照のフ
ッ素樹脂含有トップコートは、特願平6−207101
号に記載の方法に従って製造した。
【0041】上記各種耐性試験は、当業界で一般的に行
われている公知の方法に準じた。
【0042】又、上記表中、従来技術のトップコートに
使用した塗料タイプの略称は以下の表5に示した構造を
有するフッ素樹脂を含有する非粘着性樹脂塗料である。
【0043】
【表5】
【0044】
【発明の効果】本発明の金属表面構造は、金属素材の表
面に、金属酸化物を主成分として該金属素材の表面を少
なくとも覆う様に設けられた無機酸化微粒子含有硬質無
機質層を形成させたのち、該硬質無機質層の表面を覆う
ように設けられた非粘着性セラミック層のトップコート
を形成させることにより、従来のフッ素樹脂層のトップ
コートを備えた金属表面構造に比較して、硬度、特に高
温時の硬度を向上させると共に、作業性の簡素化(塗膜
形成時の焼き付け温度の低下、及びプライマー塗装の省
略による塗装工程の簡素化)を可能とする効果を奏す
る。
【0045】本発明の金属表面構造は、セラミック塗膜
の特徴である硬質性を保ち、且つ、耐熱時の非軟化性及
び耐離型性を向上させた表面構造を形成する事ができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のホットプレートの概略断面図である。
【図2】従来の高温加熱用調理機器の調理面構造の断面
図である。
【図3】特開平6−145946号公報に記載の高温加
熱用調理機器の調理面構造の断面図である。
【図4】特願平6−207101号に記載の高温加熱用
調理機器の調理面構造の断面図である。
【図5】本願発明の金属表面構造断面図である。
【符号の説明】
1 ホットプレートの断面図 2 金属素材 3 内表面 4 調理面構造 5 プレート側面 6 プレート底面 2S 面荒らしが成された金属素材の表面 7 フッ素樹脂層 8 硬質無機質層 9 フッ素樹脂層 13 金属素材 16 硬質無機質層 17 非粘着性樹脂層 18 無機酸化微粒子 P5 プライマー層 23 金属素材 26 硬質無機質層 27 非粘着性セラミック層 28 無機酸化微粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C09D 1/00 C09D 1/00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属素材と、金属酸化物を主成分として
    該金属素材の表面を少なくとも覆う様に設けられた無機
    酸化微粒子含有硬質無機質層と、該硬質無機質層の表面
    を覆うように設けられた非粘着性セラミック層とを備え
    た金属表面構造。
  2. 【請求項2】 金属素材の表面が凸凹粗面であることを
    特徴とする、請求項1に記載の金属表面構造。
  3. 【請求項3】 前記無機酸化微粒子含有硬質無機質層が
    無機酸化微粒子を添加したゾルゲル塗料を塗布すること
    により得られたことを特徴とする、請求項1又は2に記
    載の金属表面構造。
  4. 【請求項4】 ゾルゲル塗料が、シリカ(SiO2)系
    ゾルゲル塗料、チタニア(TiO2)系ゾルゲル塗料、
    ジルコニア(ZrO2)系ゾルゲル塗料、又は、アルミ
    ナ(Al23)系ゾルゲル塗料であることを特徴とす
    る、請求項3に記載の金属表面構造。
  5. 【請求項5】 硬質無機質層に含有させる無機酸化微粒
    子が、シリカ(SiO2チタニア(TiO2)、ジル
    コニア(ZrO2)、又は、アルミナ(Al23)であ
    ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の金属表面構造。
  6. 【請求項6】 ゾルゲル塗料に添加する無機酸化微粒子
    の粒径が30〜60μmであり、添加量がゾルゲル塗料
    100重量部に対して10〜30重量部であることを特
    徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の金属表
    面構造。
  7. 【請求項7】 硬質無機質層の厚さが10〜75μmで
    あることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の金属表面構造。
  8. 【請求項8】 硬質無機質層の厚さが20〜40μmで
    あることを特徴とする請求項7に記載の金属表面構造。
  9. 【請求項9】 非粘着性セラミック層が、シリカ(Si
    2)、チタニア(TiO2)、ジルコニア(Zr
    2)、又は、アルミナ(Al23)を主成分とするこ
    とを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    金属表面構造。
  10. 【請求項10】 非粘着性セラミック層に含有される非
    粘着性セラミック材が、六方晶系BN(ボロンナイトラ
    イド)であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    1項に記載の金属表面構造。
  11. 【請求項11】 非粘着性セラミック層の厚さが10〜
    35μmであることを特徴とする請求項1〜10のいず
    れか1項に記載の金属表面構造。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の金属表面構造の製造方法であって、(1)金属素材の
    表面を少なくとも覆うように金属酸化物を主成分とする
    無機酸化微粒子含有ゾルゲル塗料を塗布した後、該ゾル
    ゲル塗料を加水分解させて金属素材の表面を少なくとも
    覆う金属酸化物を主成分とする無機酸化微粒子含有硬質
    無機質層を形成する工程、及び、(2)該無機酸化微粒
    子含有硬質無機質層を覆う非粘着性セラミック層を形成
    する工程、を含むことを特徴とする製造方法。
  13. 【請求項13】 金属部材の全表面構造の少なくとも一
    部に請求項1〜11のいずれか1項に記載の金属表面構
    造を有することを特徴とする、金属部材を含有する物
    品。
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